JP3577552B2 - スペーシャル・フィルタを使用して磁気構造中の電磁界ひずみを補償する方法および装置 - Google Patents

スペーシャル・フィルタを使用して磁気構造中の電磁界ひずみを補償する方法および装置 Download PDF

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Description

関連文献と関連出願
"Generation of a Uniform Field in a Yokeless Permanent Magnet for NMR Clinical Applications",M.G.Abele and H.Rusinek,TR−19,NYU School of Medicine,ニューヨーク,1988年、"Optimum Design of Two−dimensional Permanent Magnets",M.G.Abele,TR−21,NYU School of Medicine,ニューヨーク,1989年、"Effects of Demagnetization Characteristics in Two−Dimensional Permanent Magnets"M.G.Abele,H.Rusinek,TR−22,ニューヨーク大学,1990年6月1日、"Field Computation in Permanent Magnets with Linear Characteristics of Magnetic Media and Ferromagnetic Materials",TR−24,ニューヨーク大学、1991年8月15日、米国特許出願第424,162号,1989年10月19日出願、米国特許出願第909,143号,1992年7月6日出願(Case NYU−130)、米国特許出願第08/007,523号,1993年1月22日出願"Method and Apparatus for Compensation of Distortion in a Magnetic Structure"(Case NYU−138)、米国特許第5,107,239号および第5,162,771号。前記の文献、特許出願、特許のそれぞれの内容を引用によって本明細書に合体する。
発明の分野
本発明は、磁気構造の電磁界のひずみを補償する装置および方法に関し、詳細には、そのような電磁界ひずみを補償する手段および方法を使用する磁気構造に関する。
発明の背景
磁気共鳴映像法(MRI)および類似の応用例用の永久磁石構造を設計するには、構造内の空洞部内の当該な領域、すなわち撮影領域内にほぼ一様な磁界を生成する磁化の形状および分布を決定しなければならない。完全に一様な磁界を生成するほぼ完全な解決策が可能であるのは、磁気構造が当該の体積を完全に密閉する場合だけである。M.G.Abele著"Structures of Permanent Magnets"(Wiley,ニューヨーク,1993年)を参照されたい。この文献の内容を引用によって本明細書に合体する。
実際の映像応用例では、空洞部内部の磁界の摂動にいくつかの因子が寄与する。電磁界ひずみの最も重大な原因は、人間を入れる空洞部にアクセスするための磁石の開口部である。たとえば、理想的な二次元構造は両端で切り取らなければならない。MRIに使用される永久磁石では、撮影領域内でほぼ一様な磁界が必要である。したがって、電磁界ひずみを補償しなければならない。
磁石開口部の影響を補償するいくつかの手法がある。従来型の磁石で、所望の磁界特性、特に所望の一様性を生成するには、強磁性磁極片、すなわち、空洞部に挿入される高透磁率構造を設計する。撮影領域は、通常、形状が全体的な磁石設計の最も重要な部分である、磁極片間のギャップまたは空洞部内に含まれる。長さが磁極片間の距離の少なくとも2倍である磁極片を有する磁石設計では、開口部縁部から放射されるひずみが撮影領域に与える影響が少ないので撮影領域内の一様性が向上する。しかし、磁極片の長さを増加させることは、磁気構造の全体的な寸法を増加させることを意味する。これは2つの理由で不利である。第1に、寸法を増加させることは、空間が限られているときは問題である。第2に、磁石の寸法によって磁石の重量が決定される。したがって、磁石を支持する追加構造が必要になることがある。
電磁界ひずみを補償する他の手法は、前述の米国特許出願第08/077,523号の出願で提示されている。この出願では、電磁界ひずみは、空洞部の壁を画定する共通の平面に表面を有する離隔された2つの磁化要素で形成されたスリットに設けられた軟質磁化要素または受動磁化要素を有する磁化構造によって補償される。
発明の目的と概要
本発明の一目的は、撮影領域内の最適な磁界要件と、人体の寸法のために必要となる形状要件を満たす、MRIおよび類似の応用例用の永久磁石構造を提供することである。
本発明の他の目的は、広い人体配向範囲にわたって撮影領域に都合よくアクセスできるようにするMRI用の磁気構造を提供することである。
本発明の他の目的は、減少された寸法および重量を有するMRI用の磁気構造を提供することである。
前記の目的は、撮影領域に都合よくアクセスできるようにする開口部を有する磁気構造内部に配設された空洞部内の磁界の均一性を向上させる技法により、本発明によって満たされる。この技法は、高透磁率材料のプレート間に磁化材料層を挿入するステップに基づくものである。磁化材料層は、空洞部の境界に挿入することが好ましい。この技法は、(1)静磁気ポテンシャルの分布を導出するために使用されるプレート上の表面電荷を計算するステップと、(2)空間高調波系列で静磁気ポテンシャルを展開することによって、磁気構造中の開口部によってもたらされる撮影領域内の磁界の一様性を分析するステップと、(3)撮影領域内のポテンシャル展開において低いオーダーの高調波から高いオーダーの高調波へ空間高調波を連続的になくすることに基づいて、挿入する層の形状および組成を判定するステップとを含む。本発明は、本発明の技法を実施することによって得られる構造も含む。
本発明によれば、磁気構造を有する核磁気共鳴走査・映像法(MRI)用の装置が提供される。この磁気構造は、離隔された第1および第2の磁気要素を備える。第1および第2の磁気要素は、空洞部に相互に接触し、かつ前記空洞部を画定する表面を有する。撮影領域は全体的に、人体を収容するために前記空洞部自体を露出させる開口部を有する前記空洞部内に包含される。この構造は、前記空洞部内で磁界を生成する手段も備える。磁界は、前記開口部の結果として撮影領域で望ましくない高調波を有する。この磁気構造は、前記空洞部に接触するが前記撮影領域の外側にある前記第1および第2の磁気要素の表面の静磁気ポテンシャルを制御する手段を含む、前記第1の領域中の望ましくない高調波を低減させる手段を備える。
本発明の他の態様によれば、磁気構造を有する核磁気共鳴走査・映像法(MRI)用の装置が提供される。この磁気構造は、構造中に配設された空洞部と、人体を収容するために前記空洞部を露出させる開口部とを備える。この構造は、前記空洞部の一部を画定する表面を有する離隔された第1および第2の磁気要素と、前記空洞部内で磁界を生成する手段とを備える。この開口部によって磁界がひずむ。この磁気構造はさらに、前記電磁界ひずみを補償する手段を備える。この補償手段は、前記第1の磁気要素に隣接して配設され、前記第1の磁気要素の前記静磁気ポテンシャルとは異なる静磁気ポテンシャルを、前記空洞部に接触する表面に有する第3の磁気要素を含む。
本発明によれば、磁気構造中に配設された開放空洞部の一部に接触しそれを画定する第1および第2の磁気要素を含む、MRI用の磁気構造中の電磁界ひずみを補償する方法が提供される。この方法は、前記開放空洞部自体内の第1の撮影領域で電磁界ひずみを発生させる前記空洞部内で磁界を生成するステップと、前記第1の撮影領域を包含する第2の領域の表面上の磁界を計算するステップと、空洞部に接触するが前記第1の撮影領域の外側に位置する磁気要素の表面の静磁気ポテンシャルを制御するステップを含む、前記第1の撮影領域内のひずみを低減させるステップとを含む。
本発明の前記およびその他の目的、態様、特徴、利点は、本発明の好ましい実施例の説明を添付の図面および請求の範囲と共に検討すればさらに容易に明らかになろう。
【】
本発明を添付の図面に限定的ではなく例示的に図示してある。各図において同じ参照記号は同じまたは対応する部分を表す。
第1図は、本発明の一実施例によるフィルタ・プレート構造を組み込んだ磁気構造の斜視図であり、そのような構造の空洞部内の人間の一部の位置を想像図で示す図である。
第1(a)図は、線1A−1Aに沿ってとった第1図に示した強磁性要素の断面図である。
第2図は、磁界をY軸に沿って配向させた従来型の磁気構造の側面斜視図である。
第3図は、X−Y平面に沿ってとった第2図に示した構造の断面図であり、構造内に配設された矩形プリズム・空洞部を示す図である。
第4図は、次式の値を有する第2図に示した磁気構造に関する性能指数値(M)対パラメータKのグラフである。
Figure 0003577552
第5図は、空洞部の表面に沿って高透磁率を有する第2図に示した磁気構造の断面図である。
第6図は、Y軸に沿った残留磁気の変化と線x=z,y=0上の残留磁気の変化によって誘導される磁界摂動Hの値のグラフである。
第7図は、隣接する2つの開放面を示すy>0の領域での第2図に示した磁気構造を示す。
第8図は、K=5の場合にx'=0であるとき、Z'−Y平面に沿ってとった第7図に示した磁気構造の断面図である。
第9図は、第7図に示した開口部の結果としての磁界成分Hy対x'軸の相対ひずみのグラフである。
第10図は、第7図に示した開口部の結果としての磁界成分Hy対y軸の相対ひずみのグラフである。
第11図は、第7図に示した開口部の結果としての磁界成分Hy対z'軸の相対ひずみのグラフである。
第12図は、強磁性プレート(第5図に図示)を1゜だけ傾斜させた場合の閉鎖磁石内のx'軸に沿った磁界のグラフである。
第13図は、強磁性プレートを0.2゜だけ傾斜させた場合(線a)および2つの0.2゜くさびを用いた場合(線b)の開放磁石内のx'軸に沿った磁界のグラフである。
第14図は、強磁性プレート(第5図に図示)を0.4゜だけ傾斜させた場合にx'軸に沿ってとった磁界のグラフである。
第15図は、強磁性プレート(第5図に図示)を0.2゜だけ傾斜させた場合にy軸に沿ってとった磁界のグラフである。
第16図は、強磁性プレート(第5図に図示)を0.2゜だけ傾斜させた場合にz'軸に沿ってとった磁界のグラフである。
第17図は、本発明の他の実施例によって第7図に示した磁気構造で使用される、8角形構成として構成され主強磁性プレートに対して位置決めされた8つの個別の強磁性フィルタ・プレートの平面傾斜斜視図である。
第18図は、第17図に示したプレート構造の断面図である。
第19図は、第18図に示した主強磁性プレートの鏡像を含む、隣接する2つのフィルタ・プレートの側面断面図である。
第20図は、個別の強磁性プレート間の距離の異なる値に関する、第17図に示した各フィルタ・プレートと主プレートの構造によって生成される静磁気ポテンシャル対これらの要素間に挿入されるフィリングの量のグラフである。
第21図は、第17図に示したフィルタ・プレート構造と主プレート構造の間の結合のグラフを示す図である。
第22図は、本発明の他の実施例による主強磁性プレートの中心と同心の個別のフィルタ・プレートの12角形リング構成の平面図である。
第23図は、2つのフィルタ・プレート全リング間のy=0平面に位置する追加フィルタ・プレート半リングを示す図である。
第23(a)図は、本発明の好ましい実施例による複数のフィルタ・プレート・リングを組み込んだ方形磁気構造の斜視図である。
第24図は、ポテンシャルのn=1高調波、n=2高調波の分布に対する個別のプレートのリングの位置対yの側面図である。
第25図は、y軸に垂直な、第3図に示した磁気構造の図である。
第25(a)図は、第3図に示した三角形構成要素の断面図である。
第26図は、上方に2つのロッドが位置決めされたフィルタ・プレートの平面図である。
第27図は、5つの方形ロッドと、軸に垂直な方向に磁化された回転可能な2つの円筒形ロッドの断面図である。
第28図は、高透磁率材料のロッド自体のある面に垂直な一様な磁界に位置する前記ロッドの方形断面の磁界構成を示す図である。
好ましい実施例の説明
下記の説明は、本発明の好ましい実施例による人体の限られた領域限定に対するNMR撮影用の永久磁石の技法または概念的設計を提示するものである。下記の各節で提示する分析は、選択された撮影領域内の磁界要件と、人体の寸法のために必要となる形状要件を最適化する磁気構造の指針および設計手法を提示するものである。
下記で説明する磁気構造用に選択された磁界強度は、0.2テスラ(0.2T)を基準とするものである。撮影領域の寸法は、約20cmであり、患者の体に対する干渉を最小限に抑えるために磁気構造の寸法も小さな値に維持される。磁気構造内に配設される空洞部は、長さが約90cm、高さが約35cmである。しかし、選択する設計が特定の磁石の形状特性および物理特性に整合している限り、撮影領域および空洞部の必要な磁界強度および寸法を使用することができる。
好ましい実施例では、磁気構造は、広い人体配向範囲にわたって撮影領域に好都合にアクセスできるようにするために空洞部の隣接する2つの面に開口部を有する。この磁石は、肩、腰、胸、首の撮影など、局所視野向けのMRIで使用するものである。しかし、他の実施例では、磁気構造は多数の開口部を有することができる。このことについても下記で説明する。
好ましい実施例では、基本磁気構造に混成構造を選択した。なぜなら、混成構造は、ヨーク付き磁石およびヨークなし磁石の範疇と比べてより優れた性能指数を示すからである。M.G.Abele著"Structures of Permanent Magnets"(Wiley,ニューヨーク1993年)を参照されたい。
この設計の主要な態様は、磁石開口部のために発生する電磁界ひずみを補償する磁気構造である。この補償を行う新規の技法は、磁石の製造時に一体化されるように設計される。さらに、この同じ技法は、組立済み磁石のシミング時の設計公差を補償する論理を実施する際に使用される。そのような技法について下記で説明する。
この技法は、従来型の磁石形状を説明することによってもっともよく理解される。したがって、第1節では、基本的な磁石形状について説明する。第2節では、従来型の磁石の開口部の影響について説明する。第3節では、フィルタ・プレート、すなわち、磁石の開口部のために生じるひずみを補償するために使用される磁気要素の基本的な設計について説明する。第4節では、設計上の考慮すべき点について説明し、第5節では、結論として、磁石の製造、組立、調整の重要な点について説明する。
1.基本的な磁石形状
第2および3図を参照すると分かるように、磁石の基本的な構造は、磁界をy軸に沿って配向させた寸法2x0、2y0、2z0の矩形プリズム・空洞部12の周りに設計された閉鎖混成構造10から得られる。この磁気構造の形状を第2図に示し、z=0平面での磁石の断面を第3図に示す。磁気構造の矩形構成要素16および三角形構成要素18は、永久磁石材料でできている。そのような磁性材料は従来、硬質磁性材料と呼ばれる。第3図中の外側の線14は、磁性構造10を密閉する強磁性ヨークを表す。強磁性材料は従来、軟質磁性材料と呼ばれる。
第2図の混成構造10の形状は下記のパラメータに依存する。
Figure 0003577552
上式で、H0は、空洞部12内の磁界の強度であり、J0は磁性材料の残留磁気の大きさである。残留磁気J0は、構造のすべての構成要素に関して同じであると仮定される。第3図の磁気構造の矩形構成要素16の残留磁気は、y軸に沿って配向し、三角形構成要素18の残留磁気は、要素自体の外側境界に垂直である。矩形構成要素16中の磁界の強度は次式で表される。
Figure 0003577552
三角形構成要素18中の磁界の強度は、次式で表される。
Figure 0003577552
したがって、三角形構成要素18では磁気誘導磁束は生成されず、磁界は、ヨーク14と三角形構成要素18の間で消滅する。その結果、ヨーク14の形状は、構造上の要件および製造上の制約を満たすように任意に選択し、かつそのようになすことができる。
永久磁石の性能指数Mは次式として定義される。
Figure 0003577552
上式で、VcおよびVmはそれぞれ、空洞部12および磁性材料の体積である。第2図の混成構造は、その性能指数がヨークなし構造やヨーク付き構造の性能指数よりも高いために選択されている。
特定のケースX0=Z0での第3図に示した混成構造の性能指数は次式で表される。
Figure 0003577552
x0がy0と比べて十分に大きな値である場合、性能指数の最適値は、ほぼ次式の値で得られる。
K=0.5 (1.6)
これは次式に等しい。
M≒0.153 (1.7)
Mの絶対最大値は、M=0.25であり、限界y0/x0→∞で得られる。
この磁石用に選択された比
Figure 0003577552
は、Mの十分に高い値と磁石の実際の寸法の兼ね合いである。第4図に、数式1.8によって与えられる空洞部の周りに設計される三次元混成磁石(x0=z0=2y0)に関するM対Kの値を示す。
磁石は、次式の磁界を生成するように設計される。
μ0H0≒0.2T (1.9)
この磁界は、次式で表される公称残留磁気のフェライト材料で、数式1.4によって与えられるMの最適値で得られる。
J0≒0.4T (1.10)
値Kに関して第3図に示した磁気構造の構成要素の寸法は、数式1.4によって与えられる。第3図で、長さ(A)の寸法が4mであり、(B)は2mであり、(C)は4mである。
磁気構造10が生成する磁界は、等ポテンシャル表面内に含まれる領域を高透磁率の軟質磁性材料と置き換えた場合は変化しない。軟質磁性材料は、第5図では強磁性プレート20として示されている。ほぼすべての強磁性材料が高い透磁率を有することを理解されたい。高透磁率は、本明細書では、値100μair(空気の透磁率の100倍)を指すために使用される。μ=∞の材料を挿入すると、キャビティ12の体積および永久磁性材料の体積が減少される。しかし、相対的には、永久磁性材料の減少量は、空洞部体積の減少量と比べて少ない。したがって、μ=∞の軟質磁性材料を挿入すると、性能指数は低くなる。したがって、下記の第3節で説明するように、第5図に示したμ=∞の軟質強磁性材料20の厚さは、その機械的剛性および調整技法の要件に整合する最小値に維持される。第5図には1枚のプレート20しか示していないことに留意されたい。しかし、X−Z平面の下方に空洞部12の対向する平行な表面に沿って、第2の強磁性プレートも位置する。第5図に示したプレート20の厚さ(D)は2ypである。
第3図の磁気構造が生成する磁界は、磁性材料が零磁化率を含む線形消磁特性を示す限り一様である。構造の矩形構成要素の材料の動作範囲内では、磁化率χは次式のオーダーである。
χ≒0.03 (1.11)
したがって、χの非零値の効果は、χ=0[2]の場合に得られる解の摂動として計算することができる。上述の文献TR−22を参照されたい。これを行うには、次式で表される残留磁気の分布によって生成される磁界を計算する。
δJ=μχmH(0) (1.12)
上式で、H(0)は、制限χ=0で生成される磁界の強度である。
数式1.8によって与えられる空洞部寸法を仮定すると、第6図は、y軸上でδJχ≠0によって誘導される磁界摂動Hの値(線(a))と、線x=z,y=0上でδJχ≠0によって誘導される磁界摂動Hの値(線(b))を示す。空洞部の中央の磁界は、次式で与えられる値だけ低減する。
Figure 0003577552
したがって、値xm=0.03では、磁界は中央で約2%低減する。
したがって、閉鎖磁石の形状、寸法、材料、磁界強度は、下記に基づいて選択される。
1.磁石空洞部の外側の磁気誘導のフリンジ磁束をなくし、したがって、磁性材料を最も効率的に使用する混成構造を使用する。
2.残留磁気の値の半分に等しい磁気誘導の値を選択することによって性能指数を最適化する。
3.所与の例用の0.2T磁界強度を選択する。これは、フェライト材料を使用することを示唆するものである。
4.磁気構造全体にわたって磁界および磁化を整列させる最適条件を満たす矩形プリズム・空洞部を使用する。
5.磁気構造の構成要素の機械加工工程および組立工程の数を最小限に抑える設計を開発する。
2.磁石の動作
磁石の設計は、数式1.8によって与えられる空洞部12寸法と、数式1.6によって与えられるKの値を有する第2図の閉鎖形状で開始する。開放磁石の形状対称性に整合させるために、第7図に示したように、矩形座標x',y,z'のフレームは、軸x'およびz'が軸xおよびzに対してπ/4だけ回転されるように選ぶ。磁石構造は、2つの面で、次式で表される領域中の永久磁石部分と外側ヨークの両方を除去することによって開放される。
x'>0,−y0<y<+y0 (2.1)
したがって、領域y>0では、磁気構造は、第7図に示したようになる。前述のように、隣接する2つの側面開口部に留意されたい。y<0平面の下方の構造が示されていないことにも留意されたい。しかし、この構造は、y>0に関して示した構造の鏡像である。
第8図は、平面x'=0での完全な磁石の断面図を示す。第8図に示した磁気構造を囲む線は、外側ヨーク14を表し、y=±y0での線は、空洞部12と矩形構成要素16の硬質永久磁性材料の間の界面に位置する高透磁率強磁性平面22を表す。開放磁石21中の磁界の下記の計算は、xm=0と、強磁性プレート22の材料の無限透磁率を仮定して行われる。さらに、ヨーク14とプレート22は共に、零厚さを有すると仮定される。
磁界の分布は、境界要素法の公式を使用して計算される。前述の文献TR−24を参照されたい。結果を第9図、第10図、第11図に示す。第9図は、y=0の平面での強度の成分Hyの相対ひずみ対x'を示す。磁石21の非対称開口部によって、x'=0での磁界の勾配が生成され、予想されるように、変曲点はx'の負の値で得られる。
第10図および第11図は、軸y、z'に沿ったHyのひずみを示す。対称性のために、ひずみはy=0平面、z'=0平面に対して対称的である。
正の方向x'で撮影領域の中心をシフトするには、勾配を補正する必要がある。これは、電流、および磁化材料の分布または空洞部の形状の修正を含むいくつかの方法で行うことができる。好ましい方法では、形状の最も簡単な修正は、x'が増加するにつれてプレート間の距離が減少するようにμ=∞プレートをx'の方向に傾斜させることである。この傾斜の効果を第12図に示す。第12図は、1゜の傾斜を仮定した閉鎖磁気構造の場合のx'軸上の成分Hyを示す。中心の周りのHyの変動の線形性は、−0.5<x'/y0<0.5の範囲では5・10-3以内に維持される。
開放磁石での傾斜の効果を第13図ないし第16図に示す。第13図中の曲線(a)は、0.2゜だけ傾斜させた場合のx'軸上の成分Hyを示す。傾斜によって発生する勾配によって、Hyの変動は、x'=−0.5を中心とする間隔δx'=1.4以内で約4・10-4に低減する。
磁界勾配を得るための他の方法は、空洞部内でx'の方向に傾斜された2枚のμ=∞プレートを追加することである。この2枚の新しいプレートは、y=±y0に位置するプレートに接触する。したがって、この新しい構成は、磁化材料に接触する2つのμ=∞くさびを挿入することに対応する。0.2゜くさびの効果を第13図中の曲線(b)によって示す。プロット(a)とプロット(b)が相互にほぼ平行であり、くさびの方がより高い値の磁界を空洞部内で発生させることが分かる。
第14図は、傾斜角度を0.4゜に増加させ、それによって、Hyの最大値をx'の正の値の方へシフトさせることを示す。したがって、磁界の勾配を適用することによって、空洞部の開放領域で撮影領域を移動することができる。しかし、第14図で分かるように、磁界の4・10-4変動は、第13図よりも小さな間隔δx'≒0.5で発生している。
プレートを傾斜させることによって発生するx'方向の勾配は、開放空洞部の領域全体の磁界に影響を及ぼす。これを、0.2゜だけ傾斜させた場合のy軸およびz'軸に沿ったHy成分を示す第15図および第16図に示す。
2枚のμ=∞プレート間の空洞部の領域内で、軸yと同軸であり、次式の半径を有する円筒形表面上の円筒形高調波中のポテンシャルを展開することによって磁界を量的に分析することができる。
r0<x0 (2.2)
円筒形基準系r、Ψ、yを仮定する。ここで、rは、y軸からの半径方向距離であり、角座標Ψは次式によって定義される。
x'=r cosΨ (2.3)
円筒形表面上に画定される高調波の展開は、2つの整数mおよびnによって定義される。ここで、mはyも沿った周期の次数であり、nはΨに沿った周期の数である。したがって、領域r<r0,|y|<y0内では、ポテンシャルΦは、次式によって与えられる。
Figure 0003577552
上式で、±Φは、±y0に位置する2枚のプレートのポテンシャルであり、I0は改訂ベッセル関数
Figure 0003577552
であり、係数am,nは次式によって与えられる。
Figure 0003577552
上式では、次式が成立する。
Figure 0003577552
ポテンシャルΦは、開口部のために発生する電磁界ひずみを表し、理想的にはy=±y0で零ある。量
Figure 0003577552
は、磁石開口部のための電磁界ひずみの損失を表す。r,Φ,y基準系では、強度の成分は次式で表される。
Figure 0003577552
係数am,nのリストを下記の表2.1に表す。
Figure 0003577552
|y|<y0内に含まれる軟質強磁性ヨークの部分の影響がないとき、空洞部12の方形断面のために、mが偶数値である高調波は次式に限られる。
m=0,4,8,...... (2.10)
表2.1に示したa2,nの値が小さいのは、強磁性ヨークに近接しているからである。具体的には、a2,1は、|y|<y0領域でヨークを磁化材料からさらに遠くに閉鎖することによってさらに減少する。ヨークの形状が永久磁性材料の形によって決定されるヨーク付き磁石と比べると、強磁性ヨークの形状を自由に選択できることが混成構造の利点であることに留意されたい。mが奇数である項は主として、領域|y|<y0中の磁性材料の構成要素をなくしたことによるものであり、Ψ=0に沿ったポテンシャルの勾配に対応する。
表2.1には、次式の値のリストも示されている。
Figure 0003577552
この場合、r0の値に関して、次式が成立する。
r0=0.7y0 (2.12)
表2.1中のリストは、半径r0の円筒状の強度のy成分の高調波の相対振幅を提示するものである。磁気構造の寸法によって、より高いオーダーの高調波が生成されることに留意されたい。すなわち、強磁性プレートの寸法がそのようなプレート間の距離よりもかなり大きく、すなわち、前記距離の少なくとも2倍である場合、より低いオーダーの高調波(n=1、m=1,2,3)しか生成しないように、磁気構造を設計することができる。この円筒形領域内の電磁界ひずみを補償する技法を下記の節に提示する。
3.フィルタ・プレートの設計
第1および2節で指摘し、第5図に示したように、永久磁性材料の矩形構成要素16と空洞部12の間に強磁性プレート20を挿入することによって2つの基準表面が確立される。これらの表面でのポテンシャルの値は、大きさが等しく、逆の符号を有する。2枚のプレート20間のポテンシャル差によって、2枚のプレート20間の磁界が一様である場合に空洞部12内で得られる磁界強度が決定される。実際の磁界構成からこの一様な磁界を減じることによって両方のプレート20上でポテンシャルが零である磁界が得られる。この差は、磁気構造の開口部のための前記磁気構造の磁界のひずみを表す。本発明による磁石設計の磁界補正の実施態様は、開口部のための磁界損失を補正せずにひずみのみをなくすることを目的とするものである。
この設計で実施される磁界補正は、第2節の磁界展開で使用した半径r0の円筒形領域の外側の主強磁性プレート20の表面のポテンシャルの制御に基づくものである。この円筒形領域は、撮影領域よりもわずかに大きい。これは、各主強磁性プレート20の本体と、空洞部12に接触するいくつかの絶縁軟質強磁性プレート24との間に希土合金など永久磁化材料の要素を挿入することによって達成される。永久磁性材料は、主強磁性プレート20の表面とは異なるポテンシャルを絶縁プレート24の表面で生成するように前記絶縁プレート24を分極する。したがって、2つの主プレートのそれぞれは、それぞれ、挿入された材料の量および磁化に応じて主強磁性プレートに対して異なるポテンシャルを有する、いくつかの絶縁プレート24を支持する。下記では絶縁プレートを「フィルタ・プレート」と呼ぶ。「絶縁」の語によって、フィルタ・プレート24が強磁性プレート20から離隔されていることを意味する。
フィルタ・プレートは、本発明の実施例による磁気構造の第1図に示した斜視図で最もよく分かる。この図で、六角形磁気構造21は、人間を入れる空洞部12にアクセスできるようにする4つの開放側面と共に示されている。強磁性プレート20は台形である。フィルタ・プレート24は、相互に等しい間隔で配置され、主強磁性プレート20の中心から半径方向に離隔される。フィルタ・プレート24は、強磁性プレート20の周辺に沿って位置する凹部28に位置決めされる。各フィルタ・プレート24は、主強磁性プレート20に取り付けられるが、前記プレートから磁気的に絶縁される。
第1A図で最もよく分かるように、好ましい実施例では、各フィルタ・プレート24は、強磁性プレート20の隆起した部分26の表面と同じ平面で整列する空洞部12に露出される表面を有する。しかし、フィルタ・プレート24は、主強磁性プレート20の周辺に存在する必要はない。フィルタ・プレート24は、リングの形状で構成される。主強磁性プレート20の境界内で、フィルタ・プレート24は撮影領域の中心から最大半径方向距離だけ隔離され、フィルタ・プレート24自体が撮影領域内で発生させるひずみ効果が最小限に抑えられる。フィルタ・プレート24の位置および形状に関する設計要件と、そのような要件の基礎について下記でさらに詳しく説明する。
第1図で、各主強磁性プレート20は、それぞれ、挿入された材料30の量および磁化に応じて主強磁性プレート20に対して異なるポテンシャルを有する、6枚のフィルタ・プレート24を支持する。挿入された材料30を第1A図に示す。強磁性プレート20の頂部に設けられる6枚のフィルタ・プレートは図示しない。
フィルタ・プレート構成の好ましい実施例を第17図に示す。この実施例には、フィルタ・プレート24用の八角形構成が示されている。フィルタ・プレートの数が値mによって決定されることに留意されたい。すなわち、mの値がΨに沿った正弦波(高調波)の周期数を定義するので、その正弦波の周期を表し、あるいは再生するにはmの値の少なくとも2倍の値(2m)が必要である。これは、磁気構造が、適当な高調波をなくすにはmの値の少なくとも2倍の値が必要であることを意味する。フィルタ・プレートの厳密な数は、無視してはならない算出された高調波をなくすのに必要な数によって決定される。たとえば、mの値=6である場合、6の全周期があり、少なくとも12枚のフィルタ・プレートが必要である。算出された高調波をなくすためにさらにフィルタ・プレートを追加することができる。磁気構造の設計の最初の段階で、どの高調波をなくさなければならないかと、どの高調波を無視できるかが判定される。この判定は、高調波の振幅に基づいて下される。一般に、オーダー1×10-7の振幅を有する高調波は無視することができる。
このフィルタ・プレート構成は、中心がプレート20の中心と同心であり、すなわち、前記中心に一致する、半径r1の円25の外側の主強磁性プレート20の領域に限られる。表2.1に示したように、フィルタ・プレートの円形構成は、項m=0,n=1がひずみの主成分であることによって示唆されている。
隣接する2つのフィルタ・プレート24の二次元概略図を第18図に示す。矩形断面およびμ=∞材料のプレートは、やはりμ=∞材料の平面表面から距離ysに位置する。フィルタ・プレート24(a)と主プレート20の間の空間には、平面表面に垂直に磁化された磁性材料30が部分的に充填される。第18図に示したように、第2のフィルタ・プレート24(b)も平面表面から距離ysに位置する。
無限長の限界では、主プレート20の表面は完全な鏡と同様に働き、その結果、第18図に示したフィルタ・プレートを、第19図に示した矩形断面プレートの4枚のプレートのシステムとして分析することができる。第19図は、4枚のプレートの寸法とそれらのプレートの相対位置を示す。
まず、第19図に示したように、磁性材料30がプレート内で心合わせされた、部分的に充填された単一のフィルタ・プレートと主プレートの構成を検討する。第20図は、この単一プレート構成で生成されるポテンシャルΦを、磁性材料の断面の寸法ωの関数として示す。この関数の線形性は、フィルタ・プレート構造の寸法のほぼ全体にわたって維持され、このことは、磁性材料によって生成されるポテンシャルが、フィリングの量のみに依存し、フィルタ・プレートと主強磁性プレートの間の材料の位置には依存しないことを示す。すなわち、主強磁性プレートの表面上のポテンシャルは、1つのパラメータ、すなわち、フィルタと主プレートの間のフィリングの量によって制御される。これらのプレート間の磁性材料の位置も形状も関連しない。
第20図は、隣接するフィルタ・プレート間の距離(d)のいくつかの異なる値に関する、部分的に充填されたプレート構造のポテンシャルΦ対フィリングの量のプロットも示す。ポテンシャルとフィリングの量の線形関係の結果として、限界d=0では(2枚のフィルタ・プレートが接触する)、フィルタ・プレート構造のポテンシャルは、d=∞のときに算出されるポテンシャルの値の半分である。
間にフィリングを含まないフィルタ・プレート構造のポテンシャルΦおよびポテンシャルΦの値を、第21図に距離dに対してプロットする。第21図にプロットした結果は、次式で定義される隣接する2枚のプレート間の結合を与える。
Figure 0003577552
第22図は、プレートの中心と同心である、リング形の規則的な12角形分配として構成されたフィルタ・プレートを示す。フィルタ・プレートは、撮影領域25のひずみに対して等しい効果を有するようにリング形に構成される。表3.1は、次式で表されるn=1個の高調波を生成する12枚のフィルタ・プレートのポテンシャルの分配の値を示す。
Figure 0003577552
を、フィルタ・プレート構造で補償すべき電磁界ひずみの各高調波の振幅のオーダーと仮定する場合、前節の表2.1から、次式で表される5つの空間高調波に補正を拡張すべきであることが分かる。
(0,1),(1,1),(1,2),(3,1),(4,1)
(3.4)
単一のフィルタ・プレート・リングは、より低いオーダーの高調波(n=1、m=1,2,など)をなくすことはできるが、mの値が同じでありnの値がより高い、より高いオーダーの高調波を補償することはできない。したがって、各主強磁性プレート20に隣接するフィルタ・プレート24のリングとは独立に、かつ前記リングの他に、(1,1)高調波および(1,2)高調波を補償する補正構造を設けなければならない。最も適切な構成は、+yおよび−yにある平面に位置する2つのフィルタ・プレート全リング32、34と、平面y=0の領域x'<0に位置する追加フィルタ・プレート半リング36を示す第23図に示されている。追加半リング36は、それ自体とその磁化配向が妥当に位置決めされる限り、それ自体の高調波を生成することができる。
第24図は、y=0,x'=0平面上に分散されたフィルタ・プレートのリング36の役割を示す。2つの正弦波は、軸yに沿ったポテンシャルのn=1高調波およびn=2高調波の分散であり、矢印は、y=0平面での2つのプレート・リング32、34およびプレート・リング36の磁化配向を示す。磁化方向が同じであり、y=0プレートの双極子モーメントの大きさが、2枚の強磁性プレートに取り付けられたフィルタ・プレートの双極子モーメントの大きさの2倍であるため、主n=2高調波がもたらされる。また、y=0フィルタ・プレートの双極子モーメントの方向を反転することによって、主n=1高調波がもたらされる。
Figure 0003577552
y=0での半リング・フィルタ・プレート分散36が6枚のフィルタ・プレートで構成されると仮定する。表3.2は、フィルタ・プレート全リング32、34のポテンシャルの2つの分散に関する6枚のフィルタ・プレートのみによって生成される高調波の振幅を示す。
Figure 0003577552
Figure 0003577552
Figure 0003577552
オーダーnの各高調波をフィルタする複数のリング層の効果は、半円の数を増加させることによって高まる。たとえば、y=0平面上の半リング36層をy=±y0/2に位置する2層の半円層で置き換えると仮定する。表3.3は、2層の半リング層のみによって生成される高調波の振幅を示す。
表3.4は、(1,1)高調波または(1,2)高調波を生成するように設計されたフィルタ/主プレート構造全体のポテンシャルの分布を示す。
第23(a)図は、方形磁気構造40と、前述のリング構造の構成および配置を示す。方形磁気構造40は、永久磁性材料でできている。しかし、強磁性材料の外側ヨークは図示していない。構造40は、4つの面を有し、そのうちの2面は、空洞部12を露出させるように開放される。2つのフィルタ・プレート全リング32、34があり、その一方は、頂部矩形部分42中の頂部強磁性プレート20(図示せず)中に点線で示されており、他方は、磁気構造の底部矩形部分44上の主磁気プレート20に示されている。フィルタ・プレート半リング36も、リング32、34の中間に配設されるものとして示されている。半リング36は、磁気構造40の壁46、48によって支持され、前記壁に埋め込まれる。具体的には、構造40の壁46、48に円形凹部が刻み込まれる。半リング36のフィルタ・プレートは、構造46、48の凹部内に取り付けられるが、壁46、48から磁気的に絶縁される。半リング36は、全リング32、34の平面に平行なy=0平面に存在する。凹部には、強磁性プレートと半リング36の磁化材料を保持するのに十分な空間がある。
前述のように、本発明の好ましい実施例では、磁気構造が2つの面上で開放され、第1図に示したほぼC字形の構造が形成される。しかし、これは必須ではない。磁気構造は、3つまたは4つの面上で開放することもできる。後者の場合、上半分および下半分はそれぞれ、頂部および底部から絶縁構造によって支持することができる。好ましい実施例中のフィルタ・プレートは、中心にある撮影領域の周りで対称的なリングとして構成された類似の寸法および形状のものとして示されているが、これも必須ではない。フィルタ・プレート−、リング構成である必要はなく、電磁界ひずみ補正が必要な任意の場所に個別の要素として追加される。フィルタ・プレートの位置は常に、全体として、外径が、環状構造のフィルタ・プレートによって形成されるリングの内径よりも小さな円筒形とみなされる撮影領域の外側である。この基本的な理由は、フィルタ・プレート・リングを追加してより低いオーダーの高調波電磁界ひずみを補償すると、磁界ポテンシャルのより高い高調波の普通ならより低い値が増加することである。より高い高調波ポテンシャルがフィルタ・プレートからの距離と共に指数関数的に減少するので、補償フィルタ・プレートを撮影領域の外側に維持すると、電磁界ひずみを低く維持するうえで助けとなる。
同様に、フィルタ・プレートが、主磁石の半分の表面に埋め込まれ、フィルタ・プレートのキャビティ接触表面が主磁石のキャビティ接触表面と同一平面をなし、あるいは、前記表面と同じレベルであるものとして示されており、これも必須ではないが、利用可能な空洞部空間を最大にするうえで好ましい。
本発明を0.2Tシステムに関して説明しているが、本発明がそれに限らず、より高く、あるいはより低い磁界強度を有する磁気構造にも同様に適用されることも認識されよう。同様に、好ましく重要な応用例は、当該の領域または撮影領域中で一様な磁界を生成する磁気構造に関するものであるが、本発明は傾斜磁界を生成する磁気構造に適用することもできる。本発明は、好ましい実施例で開示された混成システムにも限らず、ヨークなしシステムおよびヨーク付きシステムに適用することもできる。
MRI応用例での磁気構造で磁界を生成する勾配フィルタの構成が従来型のもので、当業者には周知であり、したがって、本発明では論じないことにも留意されたい。
4.設計上の注意点
空洞部の一面に垂直な平面での閉鎖磁石の断面を第3図に示す。y軸に垂直な磁気構造の図を第25図に示す。横方向磁極片間の界面が平面x/y0=±2、z/y0=±2であることが分かる。
この例向けに提案する磁性材料は、Crucible Magnetics社が生産しているFerrimag 8Dである。磁化容易軸に沿ったフェライト・タイルの厚さは25mmである。磁界の方向に沿ったプリズム矩形構成要素の寸法がタイル厚さの整数倍であると仮定する。したがって、プレートの厚さにかかわらず、K=0.5の場合、y軸に沿った空洞部寸法は、矩形構成要素中の6層のタイル層に対応する次式として選択することも、
2y0=30cm (4.1)
あるいは、7層に対応する次式として選択することもできる。
2y0=35cm (4.2)
第3図の三角形断面構成要素の設計では、Ferrimag 8Dの保磁力の値を考慮に入れなければならない。第3図に示した角度30゜は、理想的な限界xm=0に対応する。Ferrimag 8Dの消磁特性は、強度が次式の値を有する保磁力に接近するにつれて鋭く湾曲する。
Hc≒3350Hoersteds. (4.3)
したがって、矩形構成要素でのxm=0の効果を無視する場合、第25(a)図に示したように、第3図の角度は次式の値となる。
α≒36.66゜ (4.4)
この図で分かるように、7層の矩形構成要素層では、プレートの横方向表面と三角形磁極片の外側境界との間の距離はフェライト・タイルの厚さの整数倍ではない。この距離は、αを次式の値に変更した場合、4枚のタイルの厚さに等しくなる。
α≒35゜ (4.5)
角度35゜を使用する場合、各タイル中の磁化配向が1゜ないし2゜の精度で分かるので、角度誤差の影響は、材料公差の一部として補償することができる。本発明は、硬質フェライトの使用に限らず、Nd合金など他の周知の磁性材料も包含する。
前節の分析は、空洞部寸法の比x0/y0=2に関して実施された。この比は、磁界の空間高調波の振幅を決定する基本パラメータである。x0/y0の値に対する空間高調波の依存度は、x0の値を10%だけ減少させた場合、すなわち次式の場合の係数am,nを算出することによって推定することができる。
Figure 0003577552
この結果を下記の表4.1に提示する。
Figure 0003577552
寸法x0を10%だけ減少させると、表2.1にリストした有意係数が2倍になり、その結果、磁界ひずみを補償するのに約2倍の量の磁性材料が必要になる。
フィルタ・プレートの設計および開発と、調整手順では、下記のステップを使用する。
1.強磁性プレート・フィルタ・プレート構造を設計する。
2.設計フェーズで算出された磁界高調波を生成するのに必要な磁性材料の最適な分配を決定する。
3.フィルタ・プレートのシミング構成要素の機械的制御機構を設計する。
4.磁石の外側の各フィルタ・プレートを測定し調整する。
5.全磁石を組み立てた後、フィルタ・プレート/主プレート構造のシミング構成要素の機械的制御機構によって製造公差を補償する。
キャビティ寸法30cmx60cmx60cmを用いた場合、各プレートは、60cmx60cmの正方形であり、厚さは主として、各サンドイッチに含まれる材料の量によって決定される。第22図に示したように、各強磁性プレートの多角形フィルタ・プレート・リング構造は、半径r/y0=1.6の円の外側に位置する。このリング構造は、内側境界が半径r/y0=1.6の円を囲む規則的な12角形上に構成された12個の要素から成る。第22図に示したように、外側境界は、半径r/y0=2の円を囲む。第26図は、12枚のフィルタ・プレートのうちの1枚の平面図を示し、第27図は、その断面図を示す。
非磁性材料のフレーム(図示せず)が、磁気構造の2枚の強磁性主プレート20間に挿入される。このフレームは、磁化材料の構成要素を収納し保持するように設計され、フィルタ・プレートを磁石中に設置する前に主プレートの磁気構造を調整し、フィルタ・プレートの設置後に全磁石をシミングするように設計される。第27図に示したように、各フィルタ・プレートと主プレートの間の間隔は次式で表される。
t=12mm (4.7)
12枚のフィルタ・プレートのそれぞれの寸法によって、フィルタ・プレートの12×40mm2面のうちの1面に垂直な方向に磁化された次式の寸法の最大7つの磁性材料ブロックを挿入することができる。
12×12×40mm3 (4.8)
第3節の結果に基づいて、各フィルタ・プレート構造51(第26図参照)で、材料(Nd合金またはフェライト、あるいはその両方の組合せ)を充填する必要があるのは利用可能な7つのハウジングのうちの一部だけである。ハウジングの残りの利用可能な空間は、磁石の外側の各組立済みフィルタ・プレートを調整するために使用される。第26図および第27図は、フィルタ・プレート51上の静磁気ポテンシャルを調整する代替方法を示す。この代替方法は、第1A図中の磁気インサート30の代替として1組の永久磁化ロッドを提供するものである。
第27図は、軸に垂直な方向に磁化された円形断面の2つのロッド52と、5つの矩形ロッド50を示す。ロッド50、52の角配向が、ロッドの磁化が主強磁性プレートの磁化に平行な配向である場合、ロッドはフィルタ・プレートポテンシャルに影響を与えない。ロッド52を回転させて主強磁性プレートに垂直な磁化の成分を生成し、それによって、最後シミングのために組立済み磁石で実施できるフィルタ・プレートポテンシャルの機械的調整を施すことができる。2つのロッド52の長さが50mmであり、直径が10mmであると仮定する。寸法が数式4.8で与えられる5つのNdFeBロッド50の平均フィリングも仮定する。2つの円筒の体積Vcと5つのロッドの体積Vrの比は次式で表される。
Figure 0003577552
したがって、2つの円筒形ロッド52を硬質フェライト材料で構築する場合、双極子モーメントの有効比率は次式で表される。
Figure 0003577552
すなわち、フェライト円筒によって、各フィルタ・プレートポテンシャルを平均で±9%だけ調整することができる。話を簡単にするために、矩形ロッド50は軸のみで示してある。やはり話を簡単にするために、第26図のフィルタ・プレートは第27図には示していない。
等ポテンシャルプレートの基本的仮定を無効にする飽和の影響をなくすために主強磁性プレート20の厚さは、磁気特性に基づいて選択しなければならない。磁石の主構成要素が生成する主強磁性プレート内の誘導磁束は、プレートにほぼ垂直である。したがって、材料の飽和が発生するとすれば、コーナーに近接する位置だけである。コーナーに近接する位置で予期される電磁界ひずみは、ロッドのある面に垂直な一様な外側境界に位置する方形断面ロッドの二次元的な問題で例示することができる。
第28図に示した磁界構成は、透磁率μ=100μを含む線形特性を仮定して計算される。前述の文献TR−24を参照されたい。ロッド内の磁気誘導の平均値は、外部磁界の誘導の約2倍であり、したがって、0.2T外部磁界を用いた場合、実際の強磁性材料は飽和状態に達さずに動作する。フィルタ・プレートと主強磁性プレートの間の磁性材料によって生成される誘導は、この材料の残留磁気と比べて小さい。したがって、プレートの厚さは、磁気に関して検討すべき点ではなく、機械要件に基づいて選択することができる。
5.要約
前述の永久磁石中の電磁界ひずみの計算は、撮影領域内の磁界の空間スペクトルの個別の各高調波をなくすように設計されたフィルタ構造から成る。フィルタ構造は、磁石空洞部と磁性材料の間の界面に位置する薄い高透磁率プレートの周りに形成される。このプレートは、磁性材料の磁化公差によって生成される空間高調波数高調波をフィルタする機能を実施する。
主低周波数高調波のフィルタリングは、各高調波をフィルタするのに必要な主強磁性プレートの表面上のポテンシャル分布を計算する数学的手順によって得られる。ポテンシャル分布は、高調波のスペクトルによって決定される形状を有するプレートの要素の内部に挿入された磁性材料によって行われる。
従来型のシミング技法と比べると、高調波をなくすことの精度は、プレート間に挿入される磁性材料の公差ではなく、フィルタ構造の構成の機械的精度に基づくものである。さらに、フィルタ構造によって、組立済み磁石の最終シミングのためのポテンシャル分布を機械的に制御することができる。
前述のフィルタ構造は、割り当てられた磁界を生成するように設計された磁極片の使用に基づく従来型の磁石を含めて、すべての範疇の永久磁石で実施することができる。磁極片は、形状が磁界分布によって決定される剛性の受動構造であり、その形状をシミングのために修正することは容易ではない。フィルタ・プレートと主プレートの間に永久磁石を挿入すると、この永久磁石は、磁性材料の形状および分布を修正せずに磁界を自由に調整できる能動構造となる。
好ましい実施例に関して本発明を説明したが、当業者には、本発明の趣旨および範囲内で変形および修正が企図されることが明らかであろう。好ましい実施例の図面および説明は、本発明の範囲を制限するものではなく一例として挙げたものであり、本発明の趣旨および範囲内ですべてのそのような変更および修正をカバーするものである。

Claims (19)

  1. 磁気構造(21)を有する核磁気共鳴走査及び映像用装置(MRI)において、前記磁気構造(21)が、
    a)高透磁性の離間した第1及び第2の強磁性プレート要素(20)であって、人体を収容するために内部を露出する開口を有する空洞部(12)と該空洞部内にほぼ含まれる撮影領域(25)との境界となる表面を有する第1及び第2の強磁性プレート要素と、
    b)前記高透磁性の第1及び第2の強磁性要素(20)とを協働して前記空洞部内に磁界を生成する手段(14,16,18)であって、前記撮影領域(25)における空間高調波の周波数で表わされるところの前記開口及び磁化公差による歪みを、前記磁界が有する生成手段と、
    c)前記撮影領域(25)における空間高調波の少なくとも幾つかを減少させる手段(24,30)とを備え、
    d)前記減少手段(24,30)が、前記高透磁性の第1及び第2の強磁性要素(20)の選択された表面部分における静磁気ポテンシャルを制御するように機能し、前記選択された表面部分が前記撮影領域(25)の外側に位置し、
    e)前記減少手段(24,30)が、前記選択された表面部分に対して離間しつつほぼ平行な磁気絶縁性の高透磁性プレート(24)と、前記選択された表面部分の各々の間に配設された永久磁石(30)と、前記高透磁性のプレートの一つとから成るサンドイッチ構造(20,24,30)を含むことを特徴とする装置。
  2. 前記第1及び第2の強磁性要素が薄いプレート(20)であり、前記減少手段(24,30)が、前記プレートの前記表面でそれぞれ、等しいポテンシャル及び逆のポテンシャルを確立することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記各強磁性プレート(20)が、前記磁界に対して実質的に平行な軸をその中心に有し、各プレートの前記軸から端部までの距離がプレート間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. 前記各強磁性プレートが、前記磁界に対して実質的に平行な軸をその中心に有し、高調波の最も低いオーダーのみで表わされる歪みを前記磁界が有するように、前記軸から前記強磁性プレートの端部までの横方向の距離が前記強磁性プレート間の距離よりも実質的に大きいことを特徴とする請求項2に記載の装置。
  5. 望ましくないより低いオーダーの高調波を少なくともなくすために前記選択された各表面部分のそれとは異なる所定の静磁気ポテンシャルを有するように、前記サンドイッチ構造(20,24,30)が選択されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  6. 前記磁気絶縁性の高透磁性プレート(24)がほぼ共通する平面に位置することを特徴とする請求項5に記載の装置。
  7. 前記撮影領域(25)がほぼ円筒形状を有し、前記第1及び第2の強磁性要素(20)が前記円筒の平坦な面として働き、前記円筒が前記第1及び第2の強磁性要素(20)に垂直な軸を有することを特徴とする請求項6に記載の装置。
  8. 前記サンドイッチ構造(20,24,30)が、相互に隣接しつつ実質的に等しい間隔で配置され、第1及び第2のリング(32,34)の形状として各々配置され、前記第1及び第2のリングの各々が前記撮影領域(25)の半径よりも大きな半径を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  9. 前記第1及び第2のリング(32,34)が、平行な平面に整列されることを特徴とする請求項8に記載の装置。
  10. 前記サンドイッチ構造(24,30)の更なる半リング(36)が、前記第1及び第2のリング(32,34)の間に位置する請求項8に記載の装置。
  11. 磁気構造(21)を有する核磁気共鳴走査及び映像用装置(MRI)において、前記磁気構造(21)が、
    a)高透磁性の離間した第1及び第2の強磁性ポールピース・プレート(20)であって、空洞部(12)と該空洞部にほぼ含まれると共に空洞部より小さい円筒様の撮影領域(25)との境界となるほぼ平行で平坦な表面を有する第1及び第2の強磁性ポールピース・プレート(20)において、人体を収容するために前記空洞部を露出する開口を前記磁気構造が有するようになっている第1及び第2の強磁性ポールピース・プレート(20)と、
    b)前記高透磁性の第1及び第2の強磁性プレート(20)と協働して前記空洞部内に、前記平坦な表面に対して垂直に配向した軸を有する磁界を生成する永久磁石手段(14,16,18)であって、前記撮影領域(25)における空間高調波の周波数で表わされ前記開口及び磁化公差による歪みを、前記磁界が有する生成手段と、
    c)前記撮影領域(25)における空間高調波の少なくとも幾つかを減少させる手段(24,30)とを備え、
    d)前記減少手段(24,30)が、前記高透磁性の第1及び第2の強磁性プレート(20)の選択された表面部分における静磁気ポテンシャルを制御するように機能し、前記選択された表面部分が前記撮影領域(25)の外側に位置し、
    e)前記減少手段(24,30)が、前記撮影領域(25)の外周に配置された離間した複数のサンドイッチ構造(20,24,30)を含み、該サンドイッチ構造(20,24,30)の各々が前記選択された表面部分の一つに対して離間しつつほぼ平行な磁気絶縁性の高透磁性プレート(24)と、前記選択された表面部分の各々の間に配設された永久磁石(30)と、前記磁気絶縁性の高透磁性プレート(24)の一つとから成り、前記撮影領域(25)における一定の高調波が実質的に減少し又は無くなるように前記サンドイッチ構造(20,24,30)が前記磁界軸の外側でかつ前記撮影領域(25)の外側に配置されることを特徴とする装置。
  12. 前記第1のプレート(20)が、前記サンドイッチ構造(20,24,30)を収容する複数の凹部をそれぞれ有することを特徴とする請求項11に記載の装置。
  13. 前記減少手段(24,30)がロッド(52)の形態の磁化材料を備え、そのうちの2つが円筒形で回転可能であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
  14. 磁気構造(21)を有する核磁気共鳴走査及び映像用装置(MRI)において、前記磁気構造(21)が、
    a)離間した第1及び第2の強磁性プレート(20)であって、人体を収容するために内部を露出する開口部を有する空洞部(12)と該空洞部内にほぼ含まれる撮影領域(25)との境界となる表面を有する第1及び第2の強磁性プレートと、
    b)前記空洞部内に磁界を生成する手段(14,16,18)であって、前記磁界が、前記開口部のために前記撮影領域(25)に望ましくない高調波を有する生成手段と、
    c)前記撮影領域(25)の望ましくない高調波を減少させる手段(20,24,30)とを備え、
    d)前記減少手段(20,24,30)が、前記第1及び第2の強磁性プレート(20)の表面における静磁気ポテンシャルを制御するように機能し、前記表面が前記撮影領域(25)の外側において前記空洞部と接触し、
    前記減少手段が、前記第1及び第2の強磁性プレート(20)の表面に隣接して配設されこれらから磁気的に絶縁される他の第1及び第2の複数の強磁性要素(24)を備え、前記他の第1及び第2の複数の強磁性要素における各強磁性要素(24)が、望ましくないより低いオーダーの高調波をなくすために前記隣接する各プレート表面のそれとは異なる所定の静磁気ポテンシャルを有し、前記他の第1及び第2の複数の強磁性要素(24)の各々に所定の静磁気ポテンシャルをえるために、磁化された材料(30)の所定量が、前記他の第1及び第2の複数の強磁性要素(24)の各々と前記第1及び第2の強磁性プレート(20)との間にそれぞれ挿入され、
    前記他の第1及び第2の複数の強磁性要素(24)の各々が、相互に隣接し等しい間隔で配置され、第1及び第2のリング(32,34)の形状としてそれぞれ配置され、その軸が前記第1及び第2の強磁性プレート(20)の軸とほぼ同軸であり、前記第1及び第2のリングがその軸を横切る大きさを有し、該大きさが前記撮影領域において対応する大きさよりも大きく、
    前記他の第1及び第2の複数の強磁性要素(24)の各々が、台形状であることを特徴とする装置。
  15. 前記減少手段(24,30)が、前記第1及び第2の複数の強磁性要素の間に配設される他の第3の複数の強磁性要素(36)備え、前記他の第3の複数の強磁性要素の各々が、望ましくないより高いオーダーの高調波をなくすために前記他の第1及び第2の複数の強磁性要素(24)の前記静磁気ポテンシャルに関連した所定の静磁気ポテンシャルを有することを特徴とする請求項14に記載の装置。
  16. 前記他の第3の複数の強磁性要素(36)が半リングの形状で配置され、前記第1及び第2のリング(32,34)の間で前記磁気構造(21)に磁気的に絶縁されつつ取付けられ、前記半リングが前記第1及び第2のリング(32,34)の平面に平行な平面に位置する請求項15に記載の装置。
  17. 磁気構造中(21)に配設された開放空洞部(12)の一部に接触する高透磁性の第1及び第2の強磁性要素(20)を含むMRI用磁気構造中(21)の電磁界ひずみを補償する方法において、
    前記空洞部内に永久磁石材料(14,16,18)で磁界を生成するステップであって、前記開放空洞部によって前記空洞部内の撮影領域(25)に電磁界歪みが発生する生成ステップと、
    前記撮影領域を包含する第2の領域の表面における磁界を計算するステップであって、前記空洞部内の前記撮影領域の表面にわたる空間高調波系列の関数として静磁界ポテンシャルを計算することを含む計算ステップと、
    前記第1及び第2の強磁性要素に対する他の第3及び第4の複数の強磁性要素の各々における所定のポテンシャルを確立すべく、(a)前記第1及び第2の強磁性要素に離間して隣接する他の第3及び第4の複数の強磁性要素(24,30)を提供することによって、及び、(b)前記第1及び第2の強磁性要素と前記他の第3及び第4の複数の強磁性要素(24,30)の選択された表面部分の間に、所定量の磁化された材料(30)をそれぞれ挿入することによって、高調波のオーダーを連続的に無くすために、前記空洞部との境界となるが前記撮影領域の外側に位置する第1及び第2の強磁性要素の表面における静磁界ポテンシャルを制御することを含む、前記撮影領域内の歪みを減少させるステップとを含む方法。
  18. 前記歪みを減少させるステップが、他の強磁性要素が互いに横方向において離間して配置する前記撮影領域を横方向に取囲む前記リング様構造(32,34)内に前記他の第3及び第4の複数の強磁性要素を配設することを含む請求項17に記載の方法。
  19. 前記他の第3及び第4の複数の強磁性要素と前記第1及び第2の強磁性要素とのそれぞれの間に前記磁化材料を挿入し、又は、前記間から前記磁化材料を取り除くことによって前記撮影領域内でほぼ一様な磁界を得るために、前記磁石構造の公差に適応するように前記磁気構造の最終調整を実施するステップを更に含む請求項17に記載の方法。
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