JP3576642B2 - シールリング - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、油圧をその側面に受けるシールリングに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車に用いられる自動変速装置は、クラッチやブレーキを作動させる油圧回路を有し、該油圧回路に供給される油の洩れを防止するシールリングおよびシール装置が多く用いられる。その一例を図6に示す。シール装置1は、シャフト2に穿けられた油圧通路3、該シャフト2の外周面に設けられた対のリング溝4、4、該リング溝4、4に装着される合成樹脂製のシールリング5、5を有し、シールリング5、5の外周面を駆動側の回転ハウジング6の内周面に摺接させる。油圧通路3は、シャフト外周面の溝7、ハウジング6に設けた入口8を介して、ハウジング6内の作動室9に通じる。作動室9内の油圧が作動室9を作るピストン10を左方に摺動させ、ハウジング6側のクラッチ板11と出力軸12側のクラッチ板13を摺接させ、ハウジング6の回転運動を出力軸12に伝達させる。作動室9への油圧供給解除が、クラッチを解放し、出力軸12への回転運動の伝達を中止させることになる。
【0003】
シャフト外周面の溝7は、各リング溝4、4に通じ、リング溝4、4に入った油圧が、シールリング5、5をリング溝4、4の側面に圧接させかつシールリング5、5をハウジング6の内周面に摺接させ、油の洩れを防止させる。図6に示す例では、シールリング5、5の側面に作用する力が、シールリング5、5の内周面に作用する力より大であるため、シールリング5、5がシャフト2側に保持され、シールリング5、5の外周面がハウジング6に対して摺接する。しかし、この場合、該摺接による損失トルクが大であることから、シールリング5、5の外周面とハウジング6とを保持関係とさせ、シールリング5、5の側面をリング溝4、4の側壁面に対して摺接させることを行う。その例を図7に示す。
【0004】
シールリング5′、5′は、その両側面に周方向に延びる環状溝14、14と、径方向に延びかつ環状溝14、14に開口する複数個の離間した径方向溝15、15とを有し、各溝14、15内に油圧を導き、シールリング5′、5′の側面に作用するPの力で、シールリング5′、5′をリング溝4、4の一方の側壁に摺接させ、シールリング5′、5′の内周面に作用するPの力で、シールリング5′、5′をハウジング6側に保持させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示す例では、シールリング5′、5′の側面の巾l、lでリング溝4、4の側壁面とのシール面を確保するが、巾l、lが小さいので、リング溝4、4の側壁面が傾斜して加工された場合(溝の加工精度の悪さに原因する)、該側壁面が偏摩耗したり、シャフト2が軸心をずらしてセットされたり、回転するハウジング6に振れが出たりすると、環状溝14、14が大気側に開口し、油洩れが生じる。
【0006】
さらに、図7に示す例ではシールリングの材質がポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の場合、若干の弾性を有するが、自己張力を有しハウジング壁面にその外周摺動面を摺接させる鋳鉄材からなるシールリングと比較して自己張力が弱いので外力なしではハウジング内周面に該材質のシールリング外周摺動面を摺接させる力が弱い。又、四フッ化エチレン等の合成樹脂材のように柔軟性のある性質でなく比較的剛性のある該ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やカーボン繊維等を添加した複合材のシールリングでは、その側面に作用する油圧とその内周面に作用する油圧が低い場合にはシールリング外周摺動面のハウジング内周面への摺接する力が弱くなり油漏れが生じる。
本発明は前述したように、鋳鉄にくらべ弾性が弱く、四フッ化エチレン等にくらべ剛性のある、ポリエーテルエーテルケトン等の樹脂性シールリングのシール性の改善されたシールリングを提供することを課題とする。
【0007】
それ故に、本発明は、前述した従来技術の不具合を解消させることを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述した課題を解決するために、特殊な形状の合い口構造を有しかつシールリングの側面をテーパ面としかつ外周面を円弧面とさせる技術手段を基本的に用いる。
【0009】
本発明は、前述した課題を解決するために、シールリングの材質をポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はその複合材とし、側面をテーパ状かつ外周面を円弧状とし端面が対向する3つの合い口部を周方向に対して異なった位置に独立して配置され外周摺動面から径方向途中までの範囲にわたって周方向に延びる凸部と、該凸部の端面から凸部の突出長よりも周方向に深く切欠いて形成される凹部とをリングの両端面に一組ずつ設け、かつ、前記凹凸部が重なり合うようにすることで、外周摺動面とリング上面にのみ開口する第一合い口部と外周摺動面とリング下面にのみ開口する第二合い口部と、前記第一、第二合い口部の間に存在するリング上下面と内周面にのみ開口する第三合い口部とを設けた合い口形状を形成し、好ましくは合い口部近傍の厚さ寸法より該合い口部近傍以外の厚さ寸法を小さくしたことを特徴とするシール装置を提供する。
【0010】
【作用】
自己張力が少ないもしくは無いに等しい四フッ化エチレン(PTFE)よりも剛性のあるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)にカーボン繊維を添加した合成樹脂製のシールリングは合い口部を特殊合い口形状として形成するに必要な厚さを確保し、その他の部位は合い口部分より薄くして剛性を弱めて、内周に作用する油圧が低圧でも容易に外周摺動面をハウジング内周面に摺接させてシール性能を確保する。
【0011】
シールリングの側面をテーパ面としテーパ面は常にリング溝側壁面の縁に接し、摺接による損失トルクを小さくさせ、なおかつシール性能を確保する。
シールリングの外周面を円弧状として、ハウジングやシャフトに振れがあっても円弧面が常にハウジング内周面に摺接させるのに有効に作用しシール性能を確保する。上記の構成でのシールリングを使用することにより従来技術にて経験した低油圧域での油漏れを防止できる。
【0012】
【実施例】
図1および図2に本発明の第1実施例のシールリングを示すが、このシールリングを用いるシール装置は、図1に示すものと構成が同一なので、詳細な説明は省略する。
シャフト2とハウジング6はスチール製(JIS S45C)からなり、シールリング20はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)にカーボン繊維を添加した合成樹脂材からなる。シールリング20はその両側面21、21に内周側がその幅を小さくするテーパ面を有しその傾斜角は2〜10度、好ましくは5度とする。
シールリングの外周面22を2〜50Rの曲率の円弧面とし、好ましくは20Rとする。合い口形状は端面が対向する3つの合い口部を周方向に対して異なった位置に独立して配置された特殊合い口形状を形成して更なるシール性能の向上を可能とさせ、該特殊合い口形状を形成させるに必要なシールリングの厚さ寸法aを合い口部近傍に確保しそれ以外の厚さ寸法Aはaより小さいものとし、その厚さ寸法は0.2mm以上とする。
【0013】
シール装置のシャフトとハウジングの間には、クリアランスが存在し概ね0.2mm以下であり、又、テーパ面が常にリング溝側壁面の縁に接し油漏れを防止する作用を発揮させるには厚さ寸法Aは0.2mm以上を確保するものとし、その寸法は外径寸法により適宜設計することができる。
【0014】
次に、特殊合い口形状について説明する。図1と図2に示すように、シールリング20の合い口23は、シールリング20の上面と外周面22との隅部を開口した第1の凹部24と、該第1の凹部24に対応する形状であって第1の凹部24に対向する端面に形成された第1の凸部25とにより作られる第1の合い口26と;シールリング20の下面と外周面22との隅部であって第1の凹部24の上面と同上面を有する第2の凸部27と、該第2の凸部27に対応する形状であって第2の凸部27に対向する端面に形成された第2の凹部28とにより作られる第2の合い口29と;および合い口23の内周面より半径方向内方へ突出する対の突部30、30の対向端面間に作られる第3の合い口31とより構成される。
シールリング20の通常の厚みは突部30、30の厚みに対応するので、他の部分の厚みは薄くなっていることになる。
【0015】
図3に示す例は、厚みA相当の突部30をシールリング20の内周面に複数個離間して設けたもので、この例も、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のシールリング20の剛性を弱め、低油圧域において油洩れを低減させる。
【0016】
図4に示す例は、シールリング20の合い口23の部分の厚みがa、その対向する部分の厚みをAとするよう外周面22の中心と内周面の中心とを偏心させたもので、この第3実施例も、第1と第2実施例のシールリング20とほぼ同一の作用をなすものである。
【0017】
次に本発明の図1および図2の第一実施例のテスト結果を説明する。シールリング20はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)にカーボン繊維を添加した合成樹脂製とし、外径φ52、幅2.3mm、厚さa2.3mm、厚さA1.4mm、外周面22の円弧面は20R、側面21、21のテーパ面の傾斜角を5°とする。
合い口23は特殊合い口形状とし図2に示すL寸法はm寸法より大きいものとし第一実施例ではL=6mm、m=5mmで設定した。
従来例のシールリングは図7に示す断面形状のもので、材質、基本寸法は本発明の実施例と同じであり外周摺動面と側面テーパ面も同一の仕様である。合い口形状が直角合い口であり、厚さ寸法aは2.3mmと外径と内径とが同心円で形成されている。
両シールリングを図6に示すシール装置に装備させシール性能確認テストをする。ハウジング6の回転数を7000rpm 、油圧0.1MPa から1.0MPa 、油温120℃の条件下での本発明の第一実施例と従来例との油漏れ量を図5に示す。低油圧域0.1MPa から0.4MPa において従来例より第一実施例の油漏れは少ないレベルとなっており0.6MPa から1.0MPa の油圧域においては、従来例のシールリングも内周に作用する油圧を受け外周摺動面がハウジング内周面に摺接するので油漏れ量の増加傾向は同じになり、油漏れ量の差異は合い口形状の違いでその性能に差が生じた。
【0018】
【効果】
本発明のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)をベースとする合成樹脂製のシールリングは、その外周側の円弧面とテーパ状側面と合い口形状を端面が対向する3つの合い口部を周方向に対して異なった位置に独立して配置された特殊合い口形状として、該シールリングの厚さ寸法を特殊合い口形状を成立させるに充分な寸法aより小さい寸法Aを合い口部近傍を除く部分に設定して該シールリングの剛性を弱めて低油圧域でも容易に応答し油漏れを低減させ、このシールリングを用いたシール装置は、耐久性に優れ、ピストンのストロークを常に一定のものとさせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の部分斜視図である。
【図2】本発明の第一実施例の平面図である。
【図3】本発明の第二実施例の平面図である。
【図4】本発明の第三実施例の平面図である。
【図5】油圧と油洩れの関係を示すグラフ図である。
【図6】シールリングを用いる装置の断面図である。
【図7】従来のシールリングの断面図である。
【符号の説明】
2 シャフト
4 リング溝
6 ハウジング
20 シールリング
21 側面
22 外周面
23 特殊合い口
26 第1の合い口
29 第2の合い口
31 第3の合い口

Claims (1)

  1. 合口端面の対向する3つの合口部が周方向に対して異なった位置に配置され、外周摺動面から径方向途中までの範囲にわたって周方向に伸びる凸部と該凸部の端面から凸部の突出長よりも周方向に深く切欠いて形成される凹部とを設け、且つ前記凹凸部が重なり合うようにすることで外周摺動面とリング上面に開口する第一合口部、外周摺動面とリング下面に開口する第二合口部、並びに前記第一及び、第二合口部の間に存在するリング上下面と内周面に開口する第三合口とを設けたポリエーテルエーテルケトン又はその複合材からなるシールリングにおいて、側面をテーパ面、外周面を円弧面とし、前記合口を形成した部位以外、或いは合口を形成した部位及び内周面に突部が形成された部位以外の厚さ寸法を小さくしたことを特徴とするシールリング。
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