JP3575809B2 - 殺菌方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は殺菌方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、包装材料、医療材料、容器等を安全に、かつ簡便に殺菌できる殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
物品の殺菌方法としては、酸化エチレンガス等の殺菌剤を用いる方法、ガンマ線や電子線等の放射線を照射する方法、さらに低圧下におけるグロー放電を用いる方法等が知られている。
【0003】
酸化エチレンガス等の殺菌剤を用いる殺菌方法は、使用する酸化エチレンガス等の殺菌剤が毒性を有することが多い。そのため、密閉系で処理しなければならず、処理装置自体が大型となる。さらに、被殺菌物に殺菌剤が残存する恐れもある。
【0004】
ガンマ線や電子線等の放射線を照射する方法は、殺菌剤が残存する恐れはない。しかし、殺菌した物品の機械的強度を低下させたり、物品が樹脂である場合には、樹脂が分解等して悪臭が付着したり、変色する等の問題点がある(特公平3−73309号公報参照)。
【0005】
一般的なグロー放電による殺菌方法は、グロー放電を起こすために真空下で行うことが必要である。そのため、設備、コスト、作業性、生産性等に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、包装材料等の物品を安全で、容易に殺菌でき、かつ殺菌した物品を変質させることが少ない新規な殺菌方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電磁波を照射したエネルギー変換体に希ガスを接触させて、プラズマ状態の希ガスを得、得られたプラズマ状態の希ガスを被殺菌物と接触させる殺菌方法において、前記エネルギー変換体がペロブスカイト型複合酸化物から選ばれる少なくとも一種の物質であり、かつ前記電磁波がマイクロ波であることを特徴とする殺菌方法に関する。
【0008】
さらに本発明は、電磁波を照射したエネルギー変換体に、プラズマ状態の希ガスと酸素及び/若しくは水との混合ガス、又は希ガスと過酸化水素との混合ガスを接触させて、プラズマ状態の混合ガスを得、得られたプラズマ状態の混合ガスを被殺菌物と接触させる殺菌方法において、前記エネルギー変換体がペロブスカイト型複合酸化物から選ばれる少なくとも一種の物質であり、かつ前記電磁波がマイクロ波であることを特徴とする殺菌方法に関する。
【0009】
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の方法においては、まず、電磁波を照射したエネルギー変換体に希ガス、希ガスと酸素及び/又は水との混合ガス、若しくは希ガスと過酸化水素との混合ガスを接触させる。
【0010】
本発明において、エネルギー変換体とは、電磁波のエネルギーを吸収した後、エネルギーを放出し、希ガス、希ガスと酸素及び/又は水との混合ガス、若しくは希ガスと過酸化水素との混合ガスを励起するものである。そのためエネルギー変換体には、結晶格子に欠陥があり、エネルギーを吸収し放出しやすいものが好適に使用できる。エネルギー変換体としては、ペロブスカイト型複合酸化物を例示することができる。
【0012】
ペロブスカイト型複合酸化物は、AサイトとBサイトとの組み合わせが1価と5価、2価と4価、3価と3価或いはちらかが6価であり、一般式がABO3 (A=Na+ 、K+ 、Li+ 、Rb+ 、Ag2+、Ba2+、Sr2+、Cd2+、Pb2+、Ca2+、La3+、Y3+、Sm3+、Lu3+、Gd3+、Pr3+、Nd3+、Bi3+、Ce4+、Th4+、B=Mo6+、W6+、Re6+、Ta5+、Nb5+、Ti4+、Zr4+、Sn4+、Ce4+、Cr4+、Mn4+、Hf4+、V4+、Mo4+、Fe4+、Ru4+、Ir4+、Pt4+、Sc3+、Ti3+、Ru3+、Rh3+、Mn3+、Cr3+、Ni3+、Co3+、Y3+、V3+、Fe3+、Mg2+、Cu2+)で表される。
【0013】
ロブスカイト型複合酸化物は、エネルギーを放出し、プラズマを発生しやすいため、特に好適に使用できる。ペロブスカイト型複合酸化物としては、Aサイトがランタンである、LaCoO3 、LaTiO3 、LaMnO3 、LaFeO3 、LaNiO3 、LaCrO3 等や、Aサイトがストロンチウムである、SrMoO3 、SrTiO3 、さらにAサイトがイットリウムである、YNiO3 等が好ましい。また、Aサイト、Bサイトを構成する金属イオンの一部を異なる原子価の金属イオンで置換したペロブスカイト型複合酸化物は、結晶格子に欠陥を持ち、エネルギーを放出してプラズマを発生しやすいため、エネルギー変換体としてより好適に使用できる。
【0015】
上記エネルギー変換体は、ハニカム状に成型したものや、多孔性の織物、編物、不織布、フェルトなどの支持体に担持させることができる。特に支持体を用いると、希ガス等が支持体を通過する際に、エネルギー変換体からエネルギーを受け取って、希ガス等の励起が起こりやすいので好ましい。また、このような支持体を使用すると、エネルギー変換体の反対側でプラズマが発生するため、エネルギー変換体への電磁波の照射を妨害することなく、被殺菌物を連続的に処理することが可能となる。
【0017】
本発明で用いる電磁波は、エネルギー変換体にエネルギーを与え、エネルギー変換体からエネルギーを放出させるものであればよい。そのような電磁波として周波数が1〜数十ギガヘルツ(GHz)のマイクロ波はエネルギー変換体がエネルギーを放出するのに十分なエネルギーを持つために、特に好適に使用できる。
【0018】
希ガス、希ガスと水及び/又は酸素の混合ガス、若しくは希ガスと過酸化水素との混合ガスは、エネルギー変換体から放出されるエネルギーにより励起され、プラズマを発生する。希ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、ネオンなどを例示できる。中でも、アルゴンはプラズマになりやすく、コスト的に優れているので好ましい。また、ヘリウムはプラズマ状態が連続的になりやすいという観点から好ましい。特に、アルゴンは、ヘリウムよりも比重が空気により近く、大気圧下での取扱が容易であるため、より好適に使用することができる。
【0019】
混合ガス中の酸素及び/又は水の量、及び過酸化水素の量は、必要に応じて適宜変更できる。但し、安定なプラズマを得るという観点から、混合ガス中の酸素及び/又は水の量、及び過酸化水素の量は、0.1〜10%にするのが好ましく、より好ましくは、1〜5%である。
【0020】
希ガス、希ガスと酸素及び/又は水との混合ガス、若しくは希ガスと過酸化水素との混合ガスとエネルギー変換体との接触は、希ガス又は混合ガスの少なくとも一部がプラズマ状態になる程度に行うことが適当である。そのため、ガスの流量、電磁波の照射量、エネルギー変換体の量、形状等は、希ガス又は混合ガスの少なくとも一部がプラズマ状態になるように適宜決めることができる。又、ガス圧は、通常は大気圧付近であることが、操作が容易であることから好ましい。但し、必要により、減圧下、又は加圧下で操作することも可能である。
【0021】
次いで、希ガス又は混合ガスは被殺菌物と接触させる。接触方法に特に制限はない。但し、固定した被殺菌物にプラズマ状態のガス流を接触させるか、又はプラズマ状態のガスを充填した容器に被殺菌物を導入することもできる。
【0022】
被殺菌物には特に限定はないが、例えば、各種のプラスチック単体、またはこれらのプラスチックを複数積層、あるいはこれらのプラスチックと金属箔とを積層した積層材料からなる物品を挙げることができる。また、これら物品の形態は、食品用又は薬品用包装のシートまたはロール、若しくは容器トレイ、ボトル等であることができる。さらに、被殺菌物としては、天然繊維または合成樹脂繊維からなる織布または不織布、及び紙または上記繊維よりなる衣服類等を例示することができる。
【0023】
被殺菌物が包装材料である場合には、その形態は、例えば、袋、自立袋、成形容器、成形シート、ボトル等であることができる。本発明の方法は、食品、薬品等の無菌を要求する、例えばアセブチック用分野、及び衛生的に無菌を要求する分野へと応用範囲は広い。
【0024】
さらに、本発明の方法を用いて被殺菌物を殺菌する場合、被殺菌物を殺菌処理するチャンバー内にエネルギー変換体と接触させた希ガス又は混合ガスを導入し、チャンバー内を陽圧にすることにより、チャンバー内の無菌状態を維持することもできる。
【0025】
殺菌できる細菌にも特に限定はない。本発明の方法によれば、例えば、大腸菌(E.coli)、サルモネラ・ティフィ(Sal.typhi)、枯草菌(B.subtilis)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus.aureus)、アスペルギルス・ニガー(Asp.niger)等の菌を殺菌することができる。
【0026】
【実施例】
以下本発明を実施例によりさらに説明する。
図1に示す装置を用いて、大気圧下で、本発明の殺菌方法を実施した。電磁波としてマイクロ波を用い、エネルギー変換体としてペロブスカイト型複合酸化物(LaCoO)1gを用いた。図中、1はマイクロ波発生装置、2は導波路、3は石英管、4はサンプル台、5はテストピース、6はペロブスカイト型複合酸化物をそれぞれ示す。実験条件(マイクロ波の出力、ガスの種類及び流量、エネルギー変換体と被殺菌物との間の距離、処理時間)を表1に示す。
【0027】
被殺菌物であるテストピースは、以下のように調製した。10mm幅に切断し、滅菌処理したアルミ箔片にバシルス・スブチリス(Bacillus subtilis)の芽胞子(endspore)を1ピース当たり106 個になるように付着させた。この芽胞子付着部分が図1に示すグロー放電管に相当する石英管3内のサンプル台に乗る大きさに切断してテストピースとした。尚、本実施例におけるグロー放電は、エネルギー変換体を用いる本発明の方法で生じる現象を意味し、一般の真空中で生じるグロー放電とは異なる。
【0028】
評価方法(残存胞子数検査)
殺菌試験に供したテストピースを、滅菌した0.2%トゥイーン(Tween)80生理食塩水10mlに1時間浸積後攪拌して、残存胞子を抽出した。得られた残存胞子抽出液を、標準寒天培地を用いて、35℃で48時間培養した。培養後、出現したコロニー数から1ピース当たりの残存胞子を算出した。結果を表1に示す。尚、表1中、コントーロルの残存胞子数は4.2×10(胞子数/ピース)であり、滅菌数は、−log(処理品の胞子数/コントーロルの胞子数)として表した。
【0029】
【表1】
Figure 0003575809
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、包装材料、医療材料、容器等を安全に、簡便に殺菌でき、殺菌した物品を変質させることが少ない、殺菌方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた殺菌装置の説明図である。
【符号の説明】
1・・・マイクロ波発生装置
2・・・導波路
3・・・石英管
4・・・サンプル台
5・・・テストピース
6・・・ペロブスカイト型複合酸化物

Claims (2)

  1. 電磁波を照射したエネルギー変換体に希ガスを接触させて、プラズマ状態の希ガスを得、得られたプラズマ状態の希ガスを被殺菌物と接触させる殺菌方法において、前記エネルギー変換体がペロブスカイト型複合酸化物から選ばれる少なくとも一種の物質であり、かつ前記電磁波がマイクロ波であることを特徴とする殺菌方法。
  2. 電磁波を照射したエネルギー変換体にプラズマ状態の希ガスと酸素及び/若しくは水との混合ガス、又は希ガスと過酸化水素との混合ガスを接触させて、プラズマ状態の混合ガスを得、得られたプラズマ状態の混合ガスを被殺菌物と接触させる殺菌方法において、前記エネルギー変換体がペロブスカイト型複合酸化物から選ばれる少なくとも一種の物質であり、かつ前記電磁波がマイクロ波であることを特徴とする殺菌方法。
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