JP3575739B2 - 土壌の殺菌方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭菜園、畑、田圃の土、砂場の砂等、土壌中の菌類を殺菌する土壌の殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記した土壌は人が直接触れるもので、土壌中の菌類を殺菌することが好ましい場合が多い。このため、土壌の殺菌方法としては、特開昭62−259533号公報、特開平7−145015号公報、特開平7−304617号公報、特開平7−53317号公報、特開平7−101814号公報等に各種の殺菌方法が提案されている。
【0003】
これらの公報に提案されている殺菌方法においては、特開昭62−259533号公報にて提案されているように、土壌に直流のパルス電流を印加することにより土壌中の菌類を殺菌する方法と、その他の各公報にて提案されているように、酸性イオン水で希釈した過酸化水素水、電気分解で生成した陽極水(酸性水、酸性イオン水)等、殺菌力を有する酸性の殺菌水を土壌に散布する方法との2つに大別される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの殺菌方法のうち、前者の殺菌方法である土壌に直流のパルス電流を印加する殺菌方法おいては、土壌中の菌類を電気エネルギーにより感電死させるものと考えられ、土壌中に水分を含有する電解質が十分に存在しないとパルスが流れず、効果的な殺菌は行えない。
【0005】
また、これらの殺菌方法のうち、後者の殺菌方法である土壌に殺菌水(殺菌剤)を散布する殺菌方法おいては、土壌中の菌類を殺菌剤の殺菌作用により殺菌するものであり、土壌に対する残留性の低い殺菌剤を採用すべきである。しかしながら、残留性の低い殺菌剤を使用する場合には、殺菌剤は土壌の表面で殺菌作用を用尽して殺菌作用が土壌中に行き渡らず、また、土壌中に殺菌作用を行き渡らせるべく強力な殺菌作用を持つ高濃度の殺菌剤を採用する場合には、殺菌剤が土壌中に残留するという問題がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、土壌中の菌類を効果的に殺菌でき、かつ、殺菌剤等の土壌汚染の原因となる物が残留することがない土壌の殺菌方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、電解質溶液を散布して含浸させた土壌に互いに対向して配列した多数の棒状の陰極電極と陽極電極を刺し込んで、これらの電極に電流を印加して前記土壌に含浸した電解質溶液を電気分解することにより殺菌作用を有する有効塩素を生成し、この有効塩素の主成分である次亜塩素酸により前記土壌中の菌類を殺菌することを特徴とする土壌の殺菌方法を創作したものである。
【0009】
本発明の実施にあたっては、ハロゲン化物を溶解した電解質溶液を散布して含浸させた土壌に基板に千鳥状に互いに対向して配列した棒状の多数の陽極電極と陰極電極を刺し込んで、同陽極電極と陰極電極に電流を印加することにより前記土壌に含浸した電解質溶液を電気分解することにより殺菌作用を有する有効塩素を生成し、この有効塩素の主成分である次亜塩素酸により前記土壌中の菌類を殺菌することが望ましい。
【0010】
【発明の作用・効果】
本発明による土壌の殺菌方法においては、主として塩化ナトリウムなどのハロゲン化物を溶解した電解質溶液を土壌中で電気分解することにより生成される電解生成物の殺菌作用により土壌中の菌類が殺菌されるもので、土壌中の菌類を効率よく殺菌することができる。この場合、電解質溶液からの電解生成物は、低濃度でかつ分解が早いものであることから、土壌に対する残留性が低い。また、電解質溶液の電気分解では弱アルカリ性物質が発生するが、弱アルカリ性物質は酸性雨等による土壌の汚染を軽減する効果を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る土壌の殺菌方法の具体的な実験例を示す。当該土壌の殺菌実験では、電解質溶液として食塩を0.1重量%含有する低濃度の食塩水を採用するとともに、電解質溶液である食塩水の電気分解に、図1および図2に示す電極盤10を採用する。
【0014】
電極盤10は、基板11の裏面側に、多数の棒状の陽極電極12と、多数の棒状の陰極電極13を植設してなるもので、その大きさは例えば、基板11は縦50cm、横50cmの方形を呈し、かつ、両電極12,13は直径0.5cmで長さ20cmのものである。陽極電極12と陰極電極13は、互いに千鳥配列して設けられている。
【0015】
当該殺菌実験では、殺菌すべき土壌として圃場を利用して、上記した低濃度食塩水を圃場1m2当たり1L散布し、圃場の低濃度食塩水が散布された場所の中央部に電極盤10の両電極12,13の全てを刺し込んで、電流を印加して土壌に含浸した低濃度食塩水を電気分解した。
【0016】
土壌中に含有する低濃度食塩水の電気分解では、各陽極電極12側に殺菌作用を有する有効塩素が生成される。有効塩素の主要成分は、次亜塩素酸であって早期に分解するものであり、土壌中に存在する菌類の多くを殺菌して無害なイオンに分解され、その後、土壌中の金属イオンと化合して金属塩を生成する。例えば、次亜塩素酸の分解生成物は、ナトリウムと化合して次亜塩素酸ナトリウムを生成するが、生成される次亜塩素酸ナトリウムは微量であり、また、空気や雨水等により酸化されて分解される。一方、各陰極電極13側には、水素が生成されてそれらの周囲がアルカリ性となり、酸性雨等で酸性化の傾向にある土壌を中和して中性または弱アルカリ性とする。また、低濃度食塩水を含有する土壌中では導電性が高く、電気エネルギーによる殺菌作用も高くなる。
【0017】
このように、本発明に係る土壌の殺菌方法によれば、電解質溶液を電気分解することにより、殺菌剤を使用することなく土壌中の菌類を殺菌することができる。この場合、土壌中の菌類の殺菌には、電気分解により生成される電解生成物の殺菌作用と、印加される電気エネルギーの殺菌作用の両方が機能することから、菌類の殺菌効果を著しく向上させることができる。また、この場合の殺菌能力は使用する電解質溶液の電解質濃度、および、両電極12,13に印加される電流値により決定されるが、電気分解を土壌中で直接行っているため、電解質濃度の低い電解質溶液でよい。
【0018】
また、本発明に係る土壌の殺菌方法によれば、電解生成物は少ない量であるとともに早期に分解されるもので、土壌に対する残留性が低くて土壌を汚染するようなことはなく、さらには、電解生成物のアルカリ性により、酸性雨等により酸性化の傾向にある土壌を中性または弱アルカリ性に改質することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る殺菌方法で使用する電極盤の側面図である。
【図2】同電極盤の下方から見た底面図である。
【符号の説明】
10…電極盤、11…基板、12…陽極電極、13…陰極電極。
Claims (2)
- 電解質溶液を散布して含浸させた土壌に互いに対向して配列した多数の棒状の陰極電極と陽極電極を刺し込んで、これらの電極に電流を印加して前記土壌に含浸した電解質溶液を電気分解することにより殺菌作用を有する有効塩素を生成し、この有効塩素の主成分である次亜塩素酸により前記土壌中の菌類を殺菌することを特徴とする土壌の殺菌方法。
- ハロゲン化物を溶解した電解質溶液を散布して含浸させた土壌に基板に千鳥状に互いに対向して配列した棒状の多数の陽極電極と陰極電極を刺し込んで、同陽極電極と陰極電極に電流を印加することにより前記土壌に含浸した電解質溶液を電気分解することにより殺菌作用を有する有効塩素を生成し、この有効塩素の主成分である次亜塩素酸により前記土壌中の菌類を殺菌することを特徴とする土壌の殺菌方法。
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1999
- 1999-04-30 JP JP12495099A patent/JP3575739B2/ja not_active Expired - Fee Related
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