JP3575527B2 - 推力監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中トンネル管路の推進工法において、推進管列の各部に作用する作用推力を監視する推力監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上下水道、ガス、電気などの地中トンネル管路の施工には、いわゆる推進工法が用いられる。図10に、この推進工法によるトンネル施工の概要を示す。
【0003】
図示されるように、地中トンネル管路の施工においては、トンネル管路の起点となる発進立坑1から終点となる到達立坑2に向けてシールド式掘削機3によるトンネル路線の掘削を行う。そして、このシールド式掘削機3の後方から、複数の推進管4を、複数の元押しジャッキ5および複数の中押しジャッキ6を用いて、一つづつ順次継ぎ足しながらトンネル路線内に圧入する。これにより、複数の推進管4からなるトンネル管路が形成されて行く。なお、シールド式掘削機3は、トンネル施工が到達立坑2まで達したら、到達立坑2から引き上げられ、トンネル管路の施工が完了する。
【0004】
元押しジャッキ5は、発進立坑1に備えられて推進管4の列(推進管列)を最後尾から前方に押し出すもので、推進管列に元押し推力を付与する。この元押し推力が推進管列の推進力の主体となる。
【0005】
中押しジャッキ6は、元押しジャッキ5に対して補助的に用いられるもので、推進管列の長さ方向に対して適切な間隔で配置されるように、推進管列を構成する一部の推進管4、4の間に設けられる。具体的な使用例としては、例えば、元押しジャッキ5による推進管列の圧入が限界となった場合に、中押しジャッキ6を作動させることにより推進管列の中押しジャッキ6よりも前方部分を圧入した後、元押しジャッキ5により推進管列の中押しジャッキ6よりも後方部分を圧入する。このような使用方法により、元押しジャッキ5の負担を軽減することができる。なお、中押しジャッキ6は、施工完了後に撤去され、推進管列の中押しジャッキ6が設置されていた部分は、後方の推進管列の前進、コンクリートの充填等の処置により埋められる。
【0006】
図11には、中押しジャッキ6の油圧回路構成を示す。図示されるように、中押しジャッキ6のロッド6a側の油室6bは引側回路(収縮側回路)11に接続され、もう一方の油室6cは押側回路(伸長側回路)12に接続される。引側回路11はタンク側と連通する一方、押側回路12は方向制御弁13を介してポンプ側とタンク側に選択的に連通する。これにより、押側回路12がポンプ側に連通されると油室6cが拡大し、中押しジャッキ6は、伸長するロッド6aにより推進管4を前方に押し出すようになっている。
【0007】
ところで、このような推進工法では、円滑で経済的な施工のために、推進管4の圧入に必要とされる推力(元押し推力および中押し推力)をなるべく小さく抑え、元押しジャッキ5および中押しジャッキ6の設備を小型化することが望ましい。
【0008】
この点、推進管4の圧入において必要とされる推力の大きさは、推進管4外周と地山(トンネル内周面)7との接触による摩擦抵抗力の大きさによって決まってくるが、特に近年においては、トンネル管路が長距離化および曲線化する傾向にあり、このようにトンネルが長距離化すれば、推進管列全体と地山7の接触面積が増大するだけ摩擦抵抗力は大きくなり、必要な元押し推力が大きくなってしまう。また、トンネルが曲線化すれば、トンネル路線の曲線部において元押し推力がトンネル管路に直線的に作用しなくなるので、その分、大きな元押し推力が必要となってしまう。
【0009】
さらに、トンネル路線の曲線部では、隣接する推進管4が部分的にしか接触しないことになる。詳しく説明すると、図12、図13に示すように、トンネル路線の曲線部で連続する推進管4A、4Bは、前側の推進管4A後端部に備えられた緩衝材8を介して接触するが、この場合に推進管4A、4Bが曲線に沿って連なる結果、曲線の外側では緩衝材8と推進管4Bの間に隙間が生じてしまう。すなわち、推進管4B端面は全面積の一部(図13の斜線で示した部分)においてしか推進管4A(緩衝材8)と接触しない。このため、推進管4Aおよび4Bに発生する応力は、推進管4A、4Bの接触の偏りによって偏分布することになり、局部的に極めて大きなものとなってしまう可能性がある。そして、このような局部的に極めて大きな応力が、一般に遠心コンクリート管からなる推進管4A、4Bにかかれば、推進管4A、4Bに損傷が発生する恐れがある。
【0010】
そこで、推進工法においては、滑材プラント15からの滑材を注入管16を介して推進管4外周と地山7との間に注入し、推進管4と地山7間の摩擦抵抗を低減する処理が行われている。ところが、このような滑材注入処理を、推進管4と地山7間の全域に行ったのでは、大量の滑材が必要となり、不経済である。そこで、従来から、このような滑材注入を、推進管4と地山7間の摩擦抵抗力が特に大きいと思われる場所に、重点的に行うことが試みられていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の施工管理においては、推進管4と地山7との摩擦抵抗力が特に大きくなる場所の把握は十分になされていたとは言えず、前述のような滑材注入が合理的に行われているとは言えなかった。
【0012】
具体的に従来の施工管理においては、実際の計測対象となるのは元押しジャッキの推進力(ジャッキ油圧)のみで、推進管4の順次投入毎の元押しジャッキ5のジャッキ油圧が操作管理者により管理されていたに過ぎなかった。そして、滑材を重点的に注入すべき場所の割り出しは、この元押しジャッキ5のジャッキ油圧のデータの他、推進管4の接触状況の目視観察等に基づいてなされていた。
【0013】
この場合、元押しジャッキ5のジャッキ油圧のデータ採集は随意に行われていたので、きめ細かなものではなく、データの正確性が十分でなかった。また、元押し推力が計測されるだけでは、推進管列の各部分(推進管列を構成する各推進管4)の推進に必要とされる推力が計測される訳ではないので、実際の推力分布状況については曖昧な把握しかできず、滑材を重点的に注入すべき場所の割り出しは、管理者の勘や経験に頼るものとなりがちであった。このため、従来の施工管理は必ずしも合理的になされていたとは言えず、また施工管理を標準化することもできないでいた。
【0014】
また、推進管列の各部における推力を監視するため、推進管列の途中の地点にロードセルを設置し、検出された応力に基づいてロードセル設置位置における推力を計測することはあった。しかしながら、このようなロードセルは大きな設置スペースを要するので設置スペースの確保が問題となり、また取り付けおよび撤去作業に手間がかかるので施工コストが増大してしまう。また、ロードセルの設置により推進管4に局部的な応力増大が起こらないように、ロードセルの取り付けは特別な部材(例えば推進管4の端部に沿った形状の鉄板)を介して行う等の処置が必要となる。
【0015】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、地中トンネル管路の推進工法に用いられる推力監視装置において、推進管の各部に作用する推力の監視を精密かつ低コストに行い得るものを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、推進管をトンネル路線に順次圧入してトンネル管路を形成する推進工法において用いられる推力監視装置において、前後の推進管の間に応力緩衝層を介して挟み込まれた計測層とこの計測層の内周側に取り付けられた複数の歪み検出手段とを備えた応力計測手段を推進管列の長さ方向に適切な間隔で複数個配置し、これらの応力計測手段により検出された推進管に作用する応力に基づいて各応力計測手段の設置部分において推進管に作用する推力を演算する演算手段を備え、前記応力計測手段は、推進管列の応力計測断面の少なくとも3点における観測応力を検出可能であるとともに、前記演算手段は、これらの観測応力に基づいて応力計測断面の各点における応力分布を回帰演算する。
【0020】
【発明の作用および効果】
第1の発明では、推進工法の進行とともに推進管列の応力計測手段が設置された部分(応力計測断面)における応力は応力検出手段により検出され、この検出データに基づいて応力計測断面において推進管に作用する推力が演算手段により算出される。したがって、推進管列の応力計測断面における作用推力の状況を精密に把握でき、合理的な施工管理がなされ、推進管とトンネル地山との間への滑材の重点的注入箇所の決定等を適切に行い得る。この場合、応力計測手段は、前後の推進管の間に挟み込まれる応力緩衝層と計測層の3重層から構成されるので、厚みを薄くすることができて設置スペースを要することはない。また、応力計測手段は、軽量に構成でき、また推進管の間に挟み込むだけで設置できるので、取り付けおよび撤去作業が極めて容易であり、施工コストを低減できる。さらに、応力計測手段の取り付けにより局部的な応力増大が起こることはないので、局部的応力増大を防止する部材を特に備えなくとも、推進管の損傷等の問題が生じることはない。演算手段は応力計測断面の各点における応力分布を回帰計算により求めるので、応力計測断面全体について作用応力(作用推力)を合理的に算出できるとともに、応力計測手段において実際に応力を検出する検出手段(歪み検出手段)は少なくとも3つあればよい。したがって、応力計測手段を簡略化しつつ、精密な応力分布(推力分布)の計測ができ、適切な施工管理を低コストで行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
本実施の形態の推力監視装置は、図10に示したような推進工法において採用されるものである。
【0026】
図1に示すように、この推力監視装置には、複数の応力計測装置20を備えられる。この応力計測装置20は、図10に示したような推進管列において適切な間隔をもって配設されるもので、連続する推進管4、4(図1には図示せず)の間に挟み込まれるように設けられる。
【0027】
詳しく説明すると、図2、図3にも示すように、応力計測装置20は、推進管4の間に配置される計測層21を備える。そして、この計測層21は、一対の応力緩衝層22、22により前後両側から挟み込まれ、さらに、この計測層21と応力緩衝層22、22の3重層が、前後の推進管4、4により前後から挟み込む形態となっている。なお、計測層21および応力緩衝層22は、例えば図2に示すように、推進管4の円環状の端面に沿った形状とされるが、具体的な形状は設計により決められる。
【0028】
計測層21のトンネル内周側の側面の所定部位には、複数個(後述する応力平面の算出のためには少なくとも3個)の歪みゲージ23が取り付けられる。これらの歪みゲージ23は、ケーブル24を介して歪み測定器25に接続され、各歪みゲージ23が取り付けられた地点における計測層21の歪みの検出が行われる。この歪みの検出データは、伝送装置17により、歪み測定器25から伝送ケーブル18を介して管理コンピュータ10に送信される。管理コンピュータ10は、この歪み量の検出データ(計測歪み)に計測層21の弾性係数を乗ずることにより、推進管列の計測層21部分(応力計測断面)に作用する応力を算出し、この応力に基づいて、推進管列の応力計測断面部分に作用する作用推力を演算する。
【0029】
なお、応力緩衝層22は、推進管4の接触断面における応力の局部集中を緩和し、応力伝達を平滑化するために設けられるもので、想定される作用応力やトンネル内環境に応じて、合板や発泡スチロール等の材料から形成される。この応力緩衝層22の存在により、応力集中による推進管4の損傷が防止されるとともに、計測層21における歪みの計測精度も確保される。
【0030】
このように応力計測装置20は、計測層21と応力緩衝層22、22の厚みで構成されるので、厚みを薄くすることができ、設置スペースを要することはない。したがって、例えばロードセルを用いて応力検出する場合のように、設置スペースの確保等の問題は生じない。
【0031】
また、応力計測装置20は、軽量に構成でき、推進管4、4の間に挟み込むだけで設置できるので、取り付けおよび撤去作業が極めて容易であり、施工コストを低減できる。
【0032】
また、応力計測装置20の取り付けによっても推進管断面に局部的な応力増大は起こらないので、応力計測手段としてロードセルを取り付けた場合のように局部的応力増大防止のための部材(例えば推進管4端面形状の鉄板)を特に備えなくとも、推進管4の損傷等の問題が起こることはない。
【0033】
推力監視装置には、複数の圧力計測装置30が備えられる。この圧力計測装置30は、推進管列の中押しジャッキ6が配置された部分に備えられるもので、元押しジャッキ5による推進管列の圧入時において、推進管列の中押しジャッキ6(ロッド6a)先端が接する推進管4後端(緩衝材8)部分(応力計測断面)に作用する推力を計測する。
【0034】
具体的には、図4にも示すように、中押しジャッキ6の油室6cと方向制御弁13との間の押側回路(伸長側回路)12には閉止弁31が備えられ、さらに、この閉止弁31と油室6cの間には圧力計32が備えられる。そして、中押しジャッキ6のロッド6aをわずかに伸長させた状態で閉止弁31を閉じておく。これにより、元押しジャッキ5による推進管列の圧入作業時に、圧力計32により押側回路12の封入圧力が計測される。
【0035】
この圧力計測データは、伝送装置17により伝送ケーブル18を介して管理コンピュータ10に送信される。管理コンピュータ10は、この中押しジャッキ6のジャッキ圧力に基づいて、推力計測断面における作用推力を、
作用推力=各中押しジャッキのジャッキ油圧×中押しジャッキ1本当たりの受圧面積×中押しジャッキの設置本数
として算出する。
【0036】
このように圧力計測装置30は、中押しジャッキ6のジャッキ油圧を測定するものであるので、設置スペースを新たに確保する等の問題が生じることはなく、また、取り付けおよび撤去作業は中押しジャッキ6をともに行うことができ、施工コストが増大することはない。
【0037】
なお、中押しジャッキ6により前方の推進管列の圧入を行うときには、閉止弁31を開放し、中押しジャッキ6の油室6cに作動油を導入する。
【0038】
推力監視装置には、元押し推力の検出手段が備えられる。具体的には、発進立坑1に備えられた元押しジャッキ5と油圧ポンプユニット41との間には圧力計42が設けられ、元押しジャッキ5のジャッキ油圧が計測され、管理コンピュータ10に送信される。また、推進管4の圧入に使用されている元押しジャッキ5の本数は、使用本数データとして、管理コンピュータ10に送信される。管理コンピュータ10は、元押し推力を、
元押し推力=元押しジャッキのジャッキ油圧×元押しジャッキ1本当たりの受圧面積×使用本数
として計算する。
【0039】
管理コンピュータ10においては、上記のように算出された各計測断面(応力計測断面および圧力計測断面)における作用推力のデータが集約されて管理され、これらのデータに基づいて、図5〜図8に示すような管理図が作成される。これらの管理図に基づいて、滑材の重点投入箇所についての合理的な分析を行うことができる。
【0040】
これらの管理図について説明すると、まず図5の管理図は、施工中の各時刻において、推進管列の各計測断面1、2、…における作用推力の計測値と、各計測断面の発進立坑1からのトンネル路線に沿った距離(路線延長距離)との関係を示すグラフである。なお、計測断面の番号は、推進管列の前方から順に付けてある。このグラフにより、推進管列を押す推力が推進管列の先頭側に行くにしたがって(路線延長距離が大きくなるにしたがって)減衰して行く特性を把握することができ、この減衰状況に基づいて滑材の重点投入箇所を決定できる。
【0041】
図6の管理図は、各推進管4(圧入された順番で番号が付けられている)の圧入時における元押し推力および各計測断面での作用推力を示すグラフである。このグラフにより、元押し推力および各計測断面での作用推力が、推進管4の順次投入ごとにどのように変化するかを把握でき、その後の推進管4の圧入による推力の動向を予測することができる。
【0042】
また、図7の管理図は、路線延長距離と、各計測断面における作用推力の関係を示すグラフである。このグラフにより、トンネル路線の各地点における作用推力の状況(すなわち各計測断面が各路線延長距離に達したときの推力の作用状況)を把握でき、トンネル路線の各地点における土質の状況等を分析できる。
【0043】
図8の管理図は、応力計測断面の断面内における応力分布状況を示すものである。この管理図においては、圧力計測装置20の各歪みゲージ23により計測された各設置地点での応力(観測応力)がプロットされるとともに、これらの観測応力に基づいて回帰計算により演算された応力計測断面の各地点における応力(計算応力)が図示される。
【0044】
この計算応力は、管理コンピュータ10において、観測応力に基づいて演算された応力平面(最小二乗法による回帰平面)から求められる。詳しく説明すると、図9に示すように、管理コンピュータ10は、応力計測断面の各地点における応力分布を、応力計測断面の各地点の位置を示すX座標、Y座標と、その地点での応力を示すσ座標とからなるX−Y−σ空間上の点(応力情報)の分布として表す。そして、観測応力の分布を表す複数(少なくとも3つ)の点(歪みゲージ23の設置地点を示すX座標、Y座標とその設置地点における観測応力を示すσ座標を持つ点)に対して、σ軸方向の距離の二乗(二乗誤差)の和が最小となる平面を応力平面と定める。計算応力は、この応力平面上に分布するものとして演算される。
【0045】
具体的に説明すると、X−Y−σ空間上の平面は、定数a、b、cにより、
a・X+b・Y+c・σ=1 … (1)
と表される。そして、i番目の歪みゲージ23の応力情報を表す点の座標を(Xi、Yi、σi)とすると、上記二乗誤差の和は、各歪みゲージ23における応力情報を表す点と上記(1)式の平面とのσ軸方向の差の和として、
Δ=Σ[σi−(1−a・Xi+b・Yi)/c]… (2)
となる。ここで和はiについてとる。
【0046】
したがって、この(2)式のΔを最小とする定数a、b、cを求めれば、これらの定数a、b、cにより決定される上記(1)式の平面が、応力平面となる。よって、応力計測断面上の座標(X、Y)の地点の計算応力σは、上記(1)式に座標(X、Y)を代入して、
σ=(1−a・X+b・Y)/c … (3)
として計算される。
【0047】
このように、応力計測断面上の各点の応力分布は、少なくとも3つの地点での観測応力があれば、これらの観測応力に基づいて定まる応力平面に基づいて演算され、図8の管理図上に計算応力として表される。そして、この計算応力の分析により、滑材を重点的に注入すべき箇所(応力計測断面の円周上の位置)が決定できる。したがって、少ない数の歪みゲージ23で応力分布(推力分布)について緻密な分析が行うことができ、合理的な施工管理を低コストで行うことができる。
【0048】
なお、応力平面は最低で3つの応力情報があれば特定できるが、応力情報の数(歪みゲージ23の数)は特に限定されない。通常は、4〜5個の歪みゲージ23からの観測応力に基づいて応力平面を求めれば、十分妥当な計算応力の算出を行い得る。
【0049】
以上のように、本発明の推力監視装置によれば、推進管列の応力計測断面における応力の検出と圧力計測断面における圧力の検出に基づいて、各計測断面における作用推力が正確に計測され、管理コンピュータ10において、上記管理図のように合理的に集約、分類されて整理される。したがって、作用推力は合理的に監視できるので、推進工法の施工管理は適切に行うことができ、推進管4と地山7の間への滑材の注入処理は適確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す推力監視装置の全体構成図である。
【図2】同じく応力計測装置の断面図である。
【図3】同じく応力計測装置の側面図である。
【図4】同じく圧力計測装置の構成図である。
【図5】同じく施工の各時点における路線延長距離に対する推力の減衰状況を表す管理図の一例を示す説明図である。
【図6】同じく推進管の圧入に対する推力の変化状況を表す管理図の一例を示す説明図である。
【図7】同じく各路線延長距離に達した計測断面における推力を表す管理図の一例を示す説明図である。
【図8】同じく応力計測断面における応力分布状況を表す管理図の一例を示す説明図である。
【図9】同じく計算応力の演算に用いられる応力平面を示す説明図である。
【図10】推進工法によるトンネル施工の概要を示す説明図である。
【図11】中押しジャッキの油圧回路構成を示す構成図である。
【図12】トンネル路線曲線部における推進管の接続状態を示す説明図である。
【図13】同じく説明図である。
【符号の説明】
1 発進立坑
2 到達立坑
3 シールド式掘削機
4 推進管
5 元押しジャッキ
6 中押しジャッキ
7 地山
10 管理コンピュータ
20 応力計測装置
21 計測層
22 応力緩衝層
23 歪みゲージ
24 ケーブル
25 歪み測定器
30 圧力計測装置
31 閉止弁
32 圧力計

Claims (1)

  1. 推進管をトンネル路線に順次圧入してトンネル管路を形成する推進工法において用いられる推力監視装置において、
    前後の推進管の間に応力緩衝層を介して挟み込まれた計測層とこの計測層の内周側に取り付けられた複数の歪み検出手段とを備えた応力計測手段を推進管列の長さ方向に適切な間隔で複数個配置し、
    これらの応力計測手段により検出された推進管に作用する応力に基づいて各応力計測手段の設置部分において推進管に作用する推力を演算する演算手段を備え、
    前記応力計測手段は、推進管列の応力計測断面の少なくとも3点における観測応力を検出可能であるとともに、前記演算手段は、これらの観測応力に基づいて応力計測断面の各点における応力分布を回帰演算する、
    ことを特徴とする推力監視装置。
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