JP3575452B2 - 牛床マット - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、牛床マットに関する。
【0002】
【従来の技術】
乳牛と言えば、広い牧場でゆったりと草を食むというイメージが浮かぶが、それはごく一部の場合で、日本では国土が狭いことも有り、ほとんどの乳牛は、牛舎の中で1頭分のスペースを与えられ、起立、座臥あるいは横臥の動作しかできない状況で飼育されている。この起立、座臥あるいは横臥の動作中に脚を滑らせると、関節炎や脱臼等の疾病となり、最悪の場合は死廃されてしまう。また、死廃に至らないまでも、これらの疾病がもとでトラウマとなり、起立状態のままあるいは横臥状態のままで他の動作をしなくなる結果、乳量の減少に繋がるケースが多く発生している。乳牛は、正常な状態では、1日の50パーセントを10から15回に分けて起立、座臥動作を行なっており、このような状態を維持するためにも、乳牛の脚の滑り防止や衝撃防止を図る必要がある。
そこで、牛床における乳牛の脚の滑り防止や衝撃防止として、ゴム製マットが使われている。このゴム製マットとしては、特開平7−203792号に開示されているような、マットの表面に複数条の溝を設けたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平7−203792号に開示されているゴムマットは、その表面に複数条の溝が設けられているものの、この溝は単純な前後方向の直線のみで、その他の工夫はなされていない。
また、上述の通り、乳牛は、正常な状態では、1日の50パーセントを10から15回に分けて起立、座臥や横臥動作を行なって入るが、運動不足になりがちな乳牛にとっては、特に、座臥や横臥の状態から起立するのが負担となっている。
また、牛舎の構造上、えさが載置されるえさ置き場と牛床との間に、牛床の方が低い段差が存在するケースが多く、乳牛がえさを食べる際に、前脚をこの段差にぶつけて傷めることが多く発生している。
そこでこの発明は、これらの問題点を解決するためになされたものであって、乳牛の脚に対する滑り防止効果が大きく、座臥や横臥の状態から起立するのが負担とならず、前脚を段差にぶつけることを防止できる牛床マットを提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
発明者は、乳牛の行動態様を観察した結果、次のことが判明した。乳牛の体重配分及び骨格の構造上、座臥状態から起立動作をする場合、前脚に体重をかけ、後脚で立ち上がる際に、後脚が外側方向に滑りやすい傾向がある。また、乳牛の体内で乳がつくられるのは乳牛が横臥状態のときであり、この横臥時にストレスがかからないようにすることが重要である。そこで、牛床マットを用いた場合、牛床マットの表面の凸凹が大きいと、乳牛の体を圧迫してうっ血状態となりストレスの原因となることから、横臥時に乳牛の体が触れる牛床マットの表面の凹凸は、できるだけ小さいのが望ましい。また、乳牛は横臥の際、ストレスを解消させるべく、頭部位置を高くできる姿勢をとる本能を有している。
そこで、この発明は、これらの点に注目してなされたものであって、牛床マットの表面エリアで、横臥に使用されない周辺エリアの表面に、より効果的な滑り規制面を設けることにより、横臥時にストレスがかからないようにしつつ、滑り防止効果を大きくするとともに、牛床マットの表面を、前脚の踏接するエリアが後脚の踏接するエリアよりも高くなるように傾斜させて、座臥や横臥の状態から起立する際の負担減少や、乳牛がその頭部位置を高くできる姿勢をとりやすいようにさせることをも狙ったものである。
また、この発明では、乳牛が座臥や横臥の状態から起立する際には、後脚より前脚に強い力が加わること、あるいは、起立から座臥する際には、前脚の膝に後脚よりも強い力が加わることに対しても配慮している。
【0005】
本発明の第1の牛床マットは、牛1頭が、頭を前にして、起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有するマットの表面に、牛の両後脚の左右の外側方向への滑りを規制する滑り規制面を設けるとともに、
マットの表面エリアで、座臥あるいは横臥に使用されない周辺エリアの滑り規制面の滑り規制の程度を、周辺エリア以外のエリアより強くしたことを特徴としている。
【0006】
第2の牛床マットとして、上記第1の牛床マットの形状を、前後方向を長手方向とする長方形とするとともに、前後方向と平行する突条または溝条を並設して、滑り規制面を形成するようにしてもよい。
【0007】
また、第3の牛床マットとして、上記第2の牛床マットの滑り規制面を突条を用いて形成した場合、周辺エリアの突条の高さが、周辺エリア以外のエリアの突条の高さよりも高くすることが推奨される。
【0008】
また、第4の牛床マットとして、上記第2の牛床マットの滑り規制面を溝条を用いて形成した場合、周辺エリアの溝条の深さが、周辺エリア以外のエリアの溝条の深さよりも深くすることが推奨される。
【0009】
第5の牛床マットとして、上記各牛床マットにおいて、マットの表面を、前後方向に、マットの前端が後端よりも高くなるように傾斜させた平面とすることが推奨される。
【0010】
あるいは、第6の牛床マットとして、上記各牛床マットにおいて、マットの前端縁に沿って、マットの表面上に、堤状の前脚保護部を定着させるようにしてもよい。
【0011】
また、第7の牛床マットとして、上記各牛床マットにおいて、これらのマットを表面層と裏面層の2層で構成することが推奨される。
【0012】
また、第8の牛床マットとして、上記各牛床マットにおいて、牛の両前脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分が、両後脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分よりも、柔らかい状態とすることが推奨される。
【0013】
また、第9の牛床マットとして、上述の全ての牛床マットにおいて、裏面層の表面に凹部を並設することが推奨される。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例につき、図面に基づき詳しく説明する。本実施例で説明する牛床マットは、乳牛1頭が起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さで仕切られた牛舎内の牛床に敷いて使用されるマットである。
図1は第1実施例の牛床マットの平面図、図2はそのI−I断面図、3はそのII−II断面図、そして図4はその背面図である。この牛床マット1は前後方向が長手方向の長方形のシート状で、その大きさは、長手方向を縦として、縦1800mm(図1のa)、横1200mm(図1のb)であり、乳牛1頭が、頭を前にして、起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有している。
この牛床マット1の表面は、図2に示すように、前後方向に、その前端が後端よりも高くなるように傾斜している。即ち、牛床マットの表面を、前脚の踏接するエリアが後脚の踏接するエリアよりも高くなるように傾斜させている。この傾斜は、実施状況から1.8%〜2.0%が好都合のようである。本実施例では、この牛床マット1の厚さは、前端で70mm(図2のc)、後端で40mm(図2のd)である。
また、この牛床マット1は、表面層2と裏面層3とで構成され、裏面層3の方が、表面層2よりも厚く形成されている。本実施例では、表面層2の厚さは、20mm(図2のe)である。このように、表面層2と裏面層3の2層で牛床マット1を構成することにより、牛床マット1に、表面層2と裏面層3とがそれぞれ有する、異なる2つの性質を備えさせることができる。例えば、表面層2には、乳牛の脚による踏接に充分耐える強度を備えさせ、裏面層3には、脚の踏接による脚の受ける衝撃を和らげる性質を備えさせる等である。この場合、裏面層3の方が、表面層2よりも厚く形成されているので、裏面層3の性質を十分発揮させることができる。
牛舎内では、この牛床マット1を、その前後方向と乳牛の前後方向とが一致するように、牛床に敷いて使用する。
【0015】
上記の牛床マットの表面層2の表面には、乳牛の両後脚の左右の外側方向への滑りを規制する滑り規制面を形成するため、図1に示すように、乳牛の前後方向と、即ち、この牛床マットの長手方向と平行な溝条21が並設されている。この溝条21の深さは、図3に示すように、牛床マット1の表面エリアの内で、座臥あるいは横臥に使用されるエリアである座臥・横臥エリア31(図1の点線の内側)と、そうでない周辺エリア(図1の点線の外側)とで異なっている。周辺エリアの溝条21aの深さは、座臥・横臥エリア31の溝条21bの深さよりも深く形成されており、これらの深さは、周辺エリアの溝条21aで10mm、座臥・横臥エリア31の溝条21bで5mmである。
【0016】
この牛床マット1の裏面層3は、使用済みのゴムタイヤを3〜7mmのチップ状に粉砕したサイズの異なるゴムチップを調合、加圧して形成されている。その硬度は、概ね、40から60であるが、第1実施例の牛床マット1では、部位によってことなる硬度としている。即ち、両前脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分が、両後脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分よりも、柔らかい状態に成るようにしている。具体的には、両前脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分は硬度45前後とし、両後脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分は硬度55前後としている。この硬度の調節は、サイズの異なるゴムチップの組み合わせや加圧力を調整することにより行なうことができる。また、この裏面層3の表面には、直径が50mmの半球状の凹部22が設けられている。
【0017】
上記の牛床マット1には、上述したように、その表面に、乳牛の前後方向と平行な直線状の溝条21が並設されている。この溝条21は、座臥あるいは横臥に使用される座臥・横臥エリア31の溝条21bの深さが、座臥・横臥エリア31以外の、座臥あるいは横臥に使用されないエリアである周辺エリアの溝条21aの深さよりも浅くなるように形成されている。逆にいえば、周辺エリアの溝条21aの深さが、座臥・横臥エリア31の溝条21bの深さよりも深くなるように形成されている。
従って、座臥・横臥エリア31の溝条21bの深さが浅いことから、乳牛の体を圧迫して、ストレスの原因となるうっ血状態となることを防ぐことができる。
また、前述したように、乳牛の体重配分及び骨格の構造上、座臥状態から起立動作をする場合、前脚に体重をかけ、後脚で立ち上がる際に、後脚が外側方向に滑りやすい傾向がある。そこで、この牛床マット1を牛床に用いることにより、乳牛が座臥状態から起立動作をする場合に、後脚が滑り出した場合、座臥・横臥エリア31に浅い溝条21bが設けられているので、このエリアでも滑り防止効果があるが、さらに滑って、後脚が周辺エリアへ至ったときは、そのエリアでは、溝条21aの深さが座臥・横臥エリア31よりも深いので、大きな滑り防止効果があり、後脚の滑りを確実に食い止めることができる。従って、後脚が滑ることから生じる前述した乳牛に関する弊害を防止することができる。
また、マット表面にこの溝条21が設けられていることで、溝条21に溜まったごみを、この溝条21に沿わせて排除することができるので、牛床マット1の表面の清掃を容易に行なうことができる。
【0018】
また、この牛床マット1は、前後方向に、牛床マット1の表面がその前端が後端よりも高くなるように傾斜している。即ち、牛床マットの表面が、前脚の踏接するエリアが後脚の踏接するエリアよりも高くなるように傾斜されている。従って、この牛床マット1を使用することにより、乳牛の座臥や横臥の状態から起立する際の負担を減少させることができ、乳牛の座臥や横臥の状態から起立する際のストレスを解消させることができる。また、乳牛が本能的に有している、横臥の際の頭部位置を高くできる姿勢をとりやすいようにさせることができ、乳牛のストレス解消を図ることができる。
【0019】
また、前述したように、乳牛の行動態様として、乳牛が座臥から起立する際には、後脚より前脚に強い力が加わることや、起立から座臥する際には、前脚の膝に後脚よりも強い力が加わる。そこで、このような状況に対処するために、第1実施例の牛床マット1では、両前脚が踏接する表面層2の部分と対応する裏面層3の部分を、両後脚が踏接する表面層2の部分と対応する裏面層3の部分よりも、柔らかい状態で形成しており、裏面層3の表面には、半球状の凹部22を設けていることと相俟って、牛床マット1を用いることにより、乳牛の前脚やその膝に加わる衝撃を、的確に和らげることができる。
また、裏面層3の表面に設けられた半球状の凹部22により、牛床マット1をコンクリート製等の牛床に敷いて使用する際等に、牛床マット1が牛床上で滑るのを防止することができる。
【0020】
図5は第2実施例の牛床マットの平面図、図6はそのIII−III断面図である。第2実施例の牛床マット1は、第1実施例の牛床マット1の前端縁に沿って、マットの表面上に、堤状の前脚保護部41を定着したものであり、この前脚保護部41を取付けた以外は、第1実施例の牛床マット1と全く同じである。
前脚保護部41は横断面が扇形の、ゴム製の柱状であり、ゴム製の柱状の曲面部分がこの牛床マット1を占有する乳牛の方を向くように、牛床マット1の前端縁に沿って定着されている。前脚保護部41に用いられるゴムは、上述したゴムの中で、柔らかいゴムが用いられる。この前脚保護部41は、その底面に突き刺した取付ピン42を、牛床マット1の前端縁に沿ってその表面に設けられた取付穴に差し込んで固定されている。このようにすることにより、前脚保護部41を着脱自在とすることができ、牛床マット1の使用される環境に合わせて柔軟に対応することができる。
【0021】
前述したように、牛舎の構造上、えさが載置されるえさ置き場と牛床との間に、牛床の方が低い段差が存在するケースが多く、乳牛がえさを食べる際に、前脚をこの段差にぶつけて傷めることが多く発生している。そこで、上記の牛床マット1を牛床に用いることにより、乳牛が段差に前脚をぶつける前に、前脚保護部41にぶつけるが、この前脚保護部41は柔らかいゴム製であるので、前脚を傷めることはない。従って、乳牛がえさを食べる際に、えさ置き場と牛床との間の段差に前脚をぶつけることを防止することができる。
【0022】
第2実施例の牛床マットでは、前脚保護部の形状は横断面が扇形であるが、これには限られず、乳牛が、えさ置き場と牛床との間の段差に前脚をぶつけることを防止できる形状のものであれば、いかなる形状でもよい。また、第2実施例の牛床マットでは、前脚保護部を着脱自在としているが、前脚保護部を固着して牛床マットと不可分一体としてもよい。
【0023】
上記の第1実施例の牛床マットでは、(A)溝条を用いて形成された滑り規制面において、周辺エリアの溝条の深さが、周辺エリア以外のエリアの溝条の深さよりも深くした構造、(B)マットの表面を、前後方向に、マットの前端が後端よりも高くなるように傾斜させた平面とした構造、また、上記の第2実施例の牛床マットでは、上記(A)、(B)に加えて、(C)マットの前端縁に沿って、マットの表面上に、堤状の前脚保護部を定着した構造、のいずれも備えている。しかし、このように上記の構成要素を、必ずしも全て使用する必要はなく、牛床マットが使用される環境に合わせて、これらの構造を選択して牛床マットを製作するようにしてもよい。
【0024】
上記の第1実施例及び第2実施例の牛床マットでは、マット形状が長方形であるが、これには限られず、楕円形等、乳牛1頭が起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有する形状であれば、いかなる形状でもよい。また、前端縁が直線でない場合に、前脚保護部を用いる場合は、前脚保護部の形状を前端縁の形状に適合するようにすればよい。また、滑り規制面の形成に、平行に並設した複数の溝条を用いているが、溝条に代えて突条であってもよく、あるいは、滑り止め効果を有するものであれば、いかなるものでもよい。
【0025】
上記の説明では、牛床マットを使用する牛としては、乳牛を対象として説明したが、これに限られず、肉牛等、家畜として飼育される牛であれば、いかなる種類のものでも対象とすることができる。また、使用環境によっては、他の家畜に用いるようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1または2記載の牛床マットによれば、マットの表面エリアで、座臥あるいは横臥に使用されない周辺エリアの滑り規制面の滑り規制の程度を、周辺エリア以外のエリアより強くしている。従って、牛が座臥状態から起立動作をする際の後脚の滑りを、確実に食い止めることができので、後脚が滑ることから生じる前述した乳牛に関する弊害を防止することができる。
【0027】
請求項3または4記載の牛床マットによれば、マットの表面エリアで、座臥あるいは横臥に使用されない周辺エリアに設けられた突条の高さ、または、溝条の深さが、周辺エリア以外のエリアより高く、または、深くしている。従って、牛が座臥状態から起立動作をする際の後脚の滑りを、確実に食い止めることができるとともに、牛が座臥時に、体を圧迫してストレスの原因となるうっ血状態となることを防ぐことができる。
【0028】
請求項5記載の牛床マットによれば、前後方向に、牛床マットの表面がその前端が後端よりも高くなるように傾斜している。従って、乳牛が、座臥や横臥の状態から起立する際の負担を減少させることができ、座臥や横臥の状態から起立する際のストレスを解消することができる。また、乳牛が本能的に有している横臥の際の頭部位置を高くできる姿勢を、とりやすいようにさせることができ、乳牛のストレス解消を図ることができる。
【0029】
請求項6記載の牛床マットによれば、マットの前端縁に沿って、マットの表面上に、堤状の前脚保護部を定着しているので、乳牛がえさを食べる際に、えさ置き場と牛床との間の段差に前脚をぶつけることを防止することができる。
【0030】
請求項7記載の牛床マットによれば、牛床マットが表面層と裏面層の2層で構成されているので、表面層と裏面層とに、それぞれ異なる2つの性質を備えさせることができる。
【0031】
請求項8記載の牛床マットによれば、両前脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分を、両後脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分よりも、柔らかい状態で形成しており、牛の前脚やその膝に加わる衝撃を、的確に和らげることができる。
【0032】
請求項9記載の牛床マットによれば、牛床マットをコンクリート製等の牛床に敷いて使用する際等に、牛床マットが牛床上で滑るのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の牛床マットの平面図。
【図2】図1のI−I断面図。
【図3】図1のII−II断面図。
【図4】第1実施例の牛床マットの背面図。
【図5】第2実施例の牛床マットの平面図。
【図6】図5のIII−III断面図。
【符号の説明】
1 牛床マット
2 表面層
3 裏面層
21 溝条
21a 深い溝条
21b 浅い溝条
22 凹部
31 座臥・横臥エリア
41 前脚保護部
42 取付ピン
【発明の属する技術分野】
この発明は、牛床マットに関する。
【0002】
【従来の技術】
乳牛と言えば、広い牧場でゆったりと草を食むというイメージが浮かぶが、それはごく一部の場合で、日本では国土が狭いことも有り、ほとんどの乳牛は、牛舎の中で1頭分のスペースを与えられ、起立、座臥あるいは横臥の動作しかできない状況で飼育されている。この起立、座臥あるいは横臥の動作中に脚を滑らせると、関節炎や脱臼等の疾病となり、最悪の場合は死廃されてしまう。また、死廃に至らないまでも、これらの疾病がもとでトラウマとなり、起立状態のままあるいは横臥状態のままで他の動作をしなくなる結果、乳量の減少に繋がるケースが多く発生している。乳牛は、正常な状態では、1日の50パーセントを10から15回に分けて起立、座臥動作を行なっており、このような状態を維持するためにも、乳牛の脚の滑り防止や衝撃防止を図る必要がある。
そこで、牛床における乳牛の脚の滑り防止や衝撃防止として、ゴム製マットが使われている。このゴム製マットとしては、特開平7−203792号に開示されているような、マットの表面に複数条の溝を設けたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平7−203792号に開示されているゴムマットは、その表面に複数条の溝が設けられているものの、この溝は単純な前後方向の直線のみで、その他の工夫はなされていない。
また、上述の通り、乳牛は、正常な状態では、1日の50パーセントを10から15回に分けて起立、座臥や横臥動作を行なって入るが、運動不足になりがちな乳牛にとっては、特に、座臥や横臥の状態から起立するのが負担となっている。
また、牛舎の構造上、えさが載置されるえさ置き場と牛床との間に、牛床の方が低い段差が存在するケースが多く、乳牛がえさを食べる際に、前脚をこの段差にぶつけて傷めることが多く発生している。
そこでこの発明は、これらの問題点を解決するためになされたものであって、乳牛の脚に対する滑り防止効果が大きく、座臥や横臥の状態から起立するのが負担とならず、前脚を段差にぶつけることを防止できる牛床マットを提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
発明者は、乳牛の行動態様を観察した結果、次のことが判明した。乳牛の体重配分及び骨格の構造上、座臥状態から起立動作をする場合、前脚に体重をかけ、後脚で立ち上がる際に、後脚が外側方向に滑りやすい傾向がある。また、乳牛の体内で乳がつくられるのは乳牛が横臥状態のときであり、この横臥時にストレスがかからないようにすることが重要である。そこで、牛床マットを用いた場合、牛床マットの表面の凸凹が大きいと、乳牛の体を圧迫してうっ血状態となりストレスの原因となることから、横臥時に乳牛の体が触れる牛床マットの表面の凹凸は、できるだけ小さいのが望ましい。また、乳牛は横臥の際、ストレスを解消させるべく、頭部位置を高くできる姿勢をとる本能を有している。
そこで、この発明は、これらの点に注目してなされたものであって、牛床マットの表面エリアで、横臥に使用されない周辺エリアの表面に、より効果的な滑り規制面を設けることにより、横臥時にストレスがかからないようにしつつ、滑り防止効果を大きくするとともに、牛床マットの表面を、前脚の踏接するエリアが後脚の踏接するエリアよりも高くなるように傾斜させて、座臥や横臥の状態から起立する際の負担減少や、乳牛がその頭部位置を高くできる姿勢をとりやすいようにさせることをも狙ったものである。
また、この発明では、乳牛が座臥や横臥の状態から起立する際には、後脚より前脚に強い力が加わること、あるいは、起立から座臥する際には、前脚の膝に後脚よりも強い力が加わることに対しても配慮している。
【0005】
本発明の第1の牛床マットは、牛1頭が、頭を前にして、起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有するマットの表面に、牛の両後脚の左右の外側方向への滑りを規制する滑り規制面を設けるとともに、
マットの表面エリアで、座臥あるいは横臥に使用されない周辺エリアの滑り規制面の滑り規制の程度を、周辺エリア以外のエリアより強くしたことを特徴としている。
【0006】
第2の牛床マットとして、上記第1の牛床マットの形状を、前後方向を長手方向とする長方形とするとともに、前後方向と平行する突条または溝条を並設して、滑り規制面を形成するようにしてもよい。
【0007】
また、第3の牛床マットとして、上記第2の牛床マットの滑り規制面を突条を用いて形成した場合、周辺エリアの突条の高さが、周辺エリア以外のエリアの突条の高さよりも高くすることが推奨される。
【0008】
また、第4の牛床マットとして、上記第2の牛床マットの滑り規制面を溝条を用いて形成した場合、周辺エリアの溝条の深さが、周辺エリア以外のエリアの溝条の深さよりも深くすることが推奨される。
【0009】
第5の牛床マットとして、上記各牛床マットにおいて、マットの表面を、前後方向に、マットの前端が後端よりも高くなるように傾斜させた平面とすることが推奨される。
【0010】
あるいは、第6の牛床マットとして、上記各牛床マットにおいて、マットの前端縁に沿って、マットの表面上に、堤状の前脚保護部を定着させるようにしてもよい。
【0011】
また、第7の牛床マットとして、上記各牛床マットにおいて、これらのマットを表面層と裏面層の2層で構成することが推奨される。
【0012】
また、第8の牛床マットとして、上記各牛床マットにおいて、牛の両前脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分が、両後脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分よりも、柔らかい状態とすることが推奨される。
【0013】
また、第9の牛床マットとして、上述の全ての牛床マットにおいて、裏面層の表面に凹部を並設することが推奨される。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例につき、図面に基づき詳しく説明する。本実施例で説明する牛床マットは、乳牛1頭が起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さで仕切られた牛舎内の牛床に敷いて使用されるマットである。
図1は第1実施例の牛床マットの平面図、図2はそのI−I断面図、3はそのII−II断面図、そして図4はその背面図である。この牛床マット1は前後方向が長手方向の長方形のシート状で、その大きさは、長手方向を縦として、縦1800mm(図1のa)、横1200mm(図1のb)であり、乳牛1頭が、頭を前にして、起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有している。
この牛床マット1の表面は、図2に示すように、前後方向に、その前端が後端よりも高くなるように傾斜している。即ち、牛床マットの表面を、前脚の踏接するエリアが後脚の踏接するエリアよりも高くなるように傾斜させている。この傾斜は、実施状況から1.8%〜2.0%が好都合のようである。本実施例では、この牛床マット1の厚さは、前端で70mm(図2のc)、後端で40mm(図2のd)である。
また、この牛床マット1は、表面層2と裏面層3とで構成され、裏面層3の方が、表面層2よりも厚く形成されている。本実施例では、表面層2の厚さは、20mm(図2のe)である。このように、表面層2と裏面層3の2層で牛床マット1を構成することにより、牛床マット1に、表面層2と裏面層3とがそれぞれ有する、異なる2つの性質を備えさせることができる。例えば、表面層2には、乳牛の脚による踏接に充分耐える強度を備えさせ、裏面層3には、脚の踏接による脚の受ける衝撃を和らげる性質を備えさせる等である。この場合、裏面層3の方が、表面層2よりも厚く形成されているので、裏面層3の性質を十分発揮させることができる。
牛舎内では、この牛床マット1を、その前後方向と乳牛の前後方向とが一致するように、牛床に敷いて使用する。
【0015】
上記の牛床マットの表面層2の表面には、乳牛の両後脚の左右の外側方向への滑りを規制する滑り規制面を形成するため、図1に示すように、乳牛の前後方向と、即ち、この牛床マットの長手方向と平行な溝条21が並設されている。この溝条21の深さは、図3に示すように、牛床マット1の表面エリアの内で、座臥あるいは横臥に使用されるエリアである座臥・横臥エリア31(図1の点線の内側)と、そうでない周辺エリア(図1の点線の外側)とで異なっている。周辺エリアの溝条21aの深さは、座臥・横臥エリア31の溝条21bの深さよりも深く形成されており、これらの深さは、周辺エリアの溝条21aで10mm、座臥・横臥エリア31の溝条21bで5mmである。
【0016】
この牛床マット1の裏面層3は、使用済みのゴムタイヤを3〜7mmのチップ状に粉砕したサイズの異なるゴムチップを調合、加圧して形成されている。その硬度は、概ね、40から60であるが、第1実施例の牛床マット1では、部位によってことなる硬度としている。即ち、両前脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分が、両後脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分よりも、柔らかい状態に成るようにしている。具体的には、両前脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分は硬度45前後とし、両後脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分は硬度55前後としている。この硬度の調節は、サイズの異なるゴムチップの組み合わせや加圧力を調整することにより行なうことができる。また、この裏面層3の表面には、直径が50mmの半球状の凹部22が設けられている。
【0017】
上記の牛床マット1には、上述したように、その表面に、乳牛の前後方向と平行な直線状の溝条21が並設されている。この溝条21は、座臥あるいは横臥に使用される座臥・横臥エリア31の溝条21bの深さが、座臥・横臥エリア31以外の、座臥あるいは横臥に使用されないエリアである周辺エリアの溝条21aの深さよりも浅くなるように形成されている。逆にいえば、周辺エリアの溝条21aの深さが、座臥・横臥エリア31の溝条21bの深さよりも深くなるように形成されている。
従って、座臥・横臥エリア31の溝条21bの深さが浅いことから、乳牛の体を圧迫して、ストレスの原因となるうっ血状態となることを防ぐことができる。
また、前述したように、乳牛の体重配分及び骨格の構造上、座臥状態から起立動作をする場合、前脚に体重をかけ、後脚で立ち上がる際に、後脚が外側方向に滑りやすい傾向がある。そこで、この牛床マット1を牛床に用いることにより、乳牛が座臥状態から起立動作をする場合に、後脚が滑り出した場合、座臥・横臥エリア31に浅い溝条21bが設けられているので、このエリアでも滑り防止効果があるが、さらに滑って、後脚が周辺エリアへ至ったときは、そのエリアでは、溝条21aの深さが座臥・横臥エリア31よりも深いので、大きな滑り防止効果があり、後脚の滑りを確実に食い止めることができる。従って、後脚が滑ることから生じる前述した乳牛に関する弊害を防止することができる。
また、マット表面にこの溝条21が設けられていることで、溝条21に溜まったごみを、この溝条21に沿わせて排除することができるので、牛床マット1の表面の清掃を容易に行なうことができる。
【0018】
また、この牛床マット1は、前後方向に、牛床マット1の表面がその前端が後端よりも高くなるように傾斜している。即ち、牛床マットの表面が、前脚の踏接するエリアが後脚の踏接するエリアよりも高くなるように傾斜されている。従って、この牛床マット1を使用することにより、乳牛の座臥や横臥の状態から起立する際の負担を減少させることができ、乳牛の座臥や横臥の状態から起立する際のストレスを解消させることができる。また、乳牛が本能的に有している、横臥の際の頭部位置を高くできる姿勢をとりやすいようにさせることができ、乳牛のストレス解消を図ることができる。
【0019】
また、前述したように、乳牛の行動態様として、乳牛が座臥から起立する際には、後脚より前脚に強い力が加わることや、起立から座臥する際には、前脚の膝に後脚よりも強い力が加わる。そこで、このような状況に対処するために、第1実施例の牛床マット1では、両前脚が踏接する表面層2の部分と対応する裏面層3の部分を、両後脚が踏接する表面層2の部分と対応する裏面層3の部分よりも、柔らかい状態で形成しており、裏面層3の表面には、半球状の凹部22を設けていることと相俟って、牛床マット1を用いることにより、乳牛の前脚やその膝に加わる衝撃を、的確に和らげることができる。
また、裏面層3の表面に設けられた半球状の凹部22により、牛床マット1をコンクリート製等の牛床に敷いて使用する際等に、牛床マット1が牛床上で滑るのを防止することができる。
【0020】
図5は第2実施例の牛床マットの平面図、図6はそのIII−III断面図である。第2実施例の牛床マット1は、第1実施例の牛床マット1の前端縁に沿って、マットの表面上に、堤状の前脚保護部41を定着したものであり、この前脚保護部41を取付けた以外は、第1実施例の牛床マット1と全く同じである。
前脚保護部41は横断面が扇形の、ゴム製の柱状であり、ゴム製の柱状の曲面部分がこの牛床マット1を占有する乳牛の方を向くように、牛床マット1の前端縁に沿って定着されている。前脚保護部41に用いられるゴムは、上述したゴムの中で、柔らかいゴムが用いられる。この前脚保護部41は、その底面に突き刺した取付ピン42を、牛床マット1の前端縁に沿ってその表面に設けられた取付穴に差し込んで固定されている。このようにすることにより、前脚保護部41を着脱自在とすることができ、牛床マット1の使用される環境に合わせて柔軟に対応することができる。
【0021】
前述したように、牛舎の構造上、えさが載置されるえさ置き場と牛床との間に、牛床の方が低い段差が存在するケースが多く、乳牛がえさを食べる際に、前脚をこの段差にぶつけて傷めることが多く発生している。そこで、上記の牛床マット1を牛床に用いることにより、乳牛が段差に前脚をぶつける前に、前脚保護部41にぶつけるが、この前脚保護部41は柔らかいゴム製であるので、前脚を傷めることはない。従って、乳牛がえさを食べる際に、えさ置き場と牛床との間の段差に前脚をぶつけることを防止することができる。
【0022】
第2実施例の牛床マットでは、前脚保護部の形状は横断面が扇形であるが、これには限られず、乳牛が、えさ置き場と牛床との間の段差に前脚をぶつけることを防止できる形状のものであれば、いかなる形状でもよい。また、第2実施例の牛床マットでは、前脚保護部を着脱自在としているが、前脚保護部を固着して牛床マットと不可分一体としてもよい。
【0023】
上記の第1実施例の牛床マットでは、(A)溝条を用いて形成された滑り規制面において、周辺エリアの溝条の深さが、周辺エリア以外のエリアの溝条の深さよりも深くした構造、(B)マットの表面を、前後方向に、マットの前端が後端よりも高くなるように傾斜させた平面とした構造、また、上記の第2実施例の牛床マットでは、上記(A)、(B)に加えて、(C)マットの前端縁に沿って、マットの表面上に、堤状の前脚保護部を定着した構造、のいずれも備えている。しかし、このように上記の構成要素を、必ずしも全て使用する必要はなく、牛床マットが使用される環境に合わせて、これらの構造を選択して牛床マットを製作するようにしてもよい。
【0024】
上記の第1実施例及び第2実施例の牛床マットでは、マット形状が長方形であるが、これには限られず、楕円形等、乳牛1頭が起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有する形状であれば、いかなる形状でもよい。また、前端縁が直線でない場合に、前脚保護部を用いる場合は、前脚保護部の形状を前端縁の形状に適合するようにすればよい。また、滑り規制面の形成に、平行に並設した複数の溝条を用いているが、溝条に代えて突条であってもよく、あるいは、滑り止め効果を有するものであれば、いかなるものでもよい。
【0025】
上記の説明では、牛床マットを使用する牛としては、乳牛を対象として説明したが、これに限られず、肉牛等、家畜として飼育される牛であれば、いかなる種類のものでも対象とすることができる。また、使用環境によっては、他の家畜に用いるようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1または2記載の牛床マットによれば、マットの表面エリアで、座臥あるいは横臥に使用されない周辺エリアの滑り規制面の滑り規制の程度を、周辺エリア以外のエリアより強くしている。従って、牛が座臥状態から起立動作をする際の後脚の滑りを、確実に食い止めることができので、後脚が滑ることから生じる前述した乳牛に関する弊害を防止することができる。
【0027】
請求項3または4記載の牛床マットによれば、マットの表面エリアで、座臥あるいは横臥に使用されない周辺エリアに設けられた突条の高さ、または、溝条の深さが、周辺エリア以外のエリアより高く、または、深くしている。従って、牛が座臥状態から起立動作をする際の後脚の滑りを、確実に食い止めることができるとともに、牛が座臥時に、体を圧迫してストレスの原因となるうっ血状態となることを防ぐことができる。
【0028】
請求項5記載の牛床マットによれば、前後方向に、牛床マットの表面がその前端が後端よりも高くなるように傾斜している。従って、乳牛が、座臥や横臥の状態から起立する際の負担を減少させることができ、座臥や横臥の状態から起立する際のストレスを解消することができる。また、乳牛が本能的に有している横臥の際の頭部位置を高くできる姿勢を、とりやすいようにさせることができ、乳牛のストレス解消を図ることができる。
【0029】
請求項6記載の牛床マットによれば、マットの前端縁に沿って、マットの表面上に、堤状の前脚保護部を定着しているので、乳牛がえさを食べる際に、えさ置き場と牛床との間の段差に前脚をぶつけることを防止することができる。
【0030】
請求項7記載の牛床マットによれば、牛床マットが表面層と裏面層の2層で構成されているので、表面層と裏面層とに、それぞれ異なる2つの性質を備えさせることができる。
【0031】
請求項8記載の牛床マットによれば、両前脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分を、両後脚が踏接する表面層の部分と対応する裏面層の部分よりも、柔らかい状態で形成しており、牛の前脚やその膝に加わる衝撃を、的確に和らげることができる。
【0032】
請求項9記載の牛床マットによれば、牛床マットをコンクリート製等の牛床に敷いて使用する際等に、牛床マットが牛床上で滑るのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の牛床マットの平面図。
【図2】図1のI−I断面図。
【図3】図1のII−II断面図。
【図4】第1実施例の牛床マットの背面図。
【図5】第2実施例の牛床マットの平面図。
【図6】図5のIII−III断面図。
【符号の説明】
1 牛床マット
2 表面層
3 裏面層
21 溝条
21a 深い溝条
21b 浅い溝条
22 凹部
31 座臥・横臥エリア
41 前脚保護部
42 取付ピン
Claims (9)
- 牛1頭が、頭を前にして、起立、座臥あるいは横臥するのに必要な広さを有するマットの表面に、前記牛の両後脚の左右の外側方向への滑りを規制する滑り規制面を設けるとともに、前記マットの前記表面エリアで、前記座臥あるいは前記横臥に使用されない周辺エリアの前記滑り規制面の滑り規制の程度を、前記周辺エリア以外のエリアより強くしたことを特徴とする牛床マット。
- 前記マットの形状を、前後方向を長手方向とする長方形とするとともに、前記前後方向と平行する突条または溝条を並設して前記滑り規制面を形成した請求項1記載の牛床マット。
- 前記突条を用いて形成された前記滑り規制面において、前記周辺エリアの前記突条の高さが、前記周辺エリア以外のエリアの前記突条の高さよりも高くした請求項2記載の牛床マット。
- 前記溝条を用いて形成された前記滑り規制面において、前記周辺エリアの前記溝条の深さが、前記周辺エリア以外のエリアの前記溝条の深さよりも深くした請求項2記載の牛床マット。
- 前記マットの前記表面を、前後方向に、前記マットの前端が後端よりも高くなるように傾斜させた平面とした請求項1から4のいずれか1項に記載の牛床マット。
- 前記マットの前端縁に沿って、前記マットの前記表面上に、堤状の前脚保護部を定着した請求項1から5のいずれか1項に記載の牛床マット。
- 前記マットを表面層と裏面層の2層で構成した請求項1から6のいずれか1項に記載の牛床マット。
- 前記牛の両前脚が踏接する前記表面層の部分と対応する前記裏面層の部分が、前記両後脚が踏接する前記表面層の部分と対応する前記裏面層の部分よりも、柔らかい状態とした請求項7記載の牛床マット。
- 前記裏面層の表面に凹部を並設した請求項7または8記載の牛床マット。
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