JP3574659B2 - 前血栓症状態の判定方法 - Google Patents
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Description
血栓症は、簡単にそして即時には予知することのできない急性の事態である。血栓性合併症の発生に関する種々の容認された症状が述べられてきたが、炎症が最も一般的である。血液および/または血管細胞機能の変化はおそらく前血栓症状態の開始であると考えられ、したがって、これらが明確に評価されるならば、これらが関係する血栓症の危険を示唆することができるはずである。
アニオン性リン脂質、主としてホスファチジルセリンは正常な止血に必須であるが、これらのほとんどは休止している血液細胞および血管細胞の原形質膜の内部層に完全に隔離されている(Devaux P.F.,細胞膜中の脂質の静的および動的不均衡、Biochemistry30(1991),1163−1173;Zwaal R.F.A.ら、血小板および赤血球中における膜リン脂質の不均衡の変化の機構および機能、Biochem.Soc.Trans.21(1993),248−253)。これらの触媒作用力は損傷部位における血液凝固カスケード(図1)に特有の酵素複合体を組み立てる能力によるものである。今までのところ、ほとんどすべての入手し得る凝固反応の動力学データは飽和リン脂質濃度において得られたものである(Mann K.G.ら、表面依存性止血、Semin.Hematol.29(1992),213−226)。これはおそらく生理的状態を反映していないと考えられ、アニオン性リン脂質の露出の程度が律速因子であると予測することが合理的である。原形質膜内の各種リン脂質の分布の不均衡には、“内部”アミノリン脂質トランスロカーゼと称されるATP依存性アミノリン脂質輸送体も関与すると考えられる(Devaux P.F.,細胞膜中の脂質の静的および動的不均衡、Biochemistry30(1991),1163−1173)。適当な刺激に伴って、アニオン性リン脂質の膜の外部層への露出が生起し得る。トロンビン、コラーゲン、および中でもトロンビン+コラーゲンの組合せが血小板中のアニオン性リン脂質の露出の主要な生理的アゴニストとなる。これは、膜の改造および微小粒子の放出に関与するスクランブリング(scrambling)反応過程によって生じる(Zwaal R.F.A.ら、血小板および赤血球中における膜リン脂質の不均衡の変化の機構および機能、Biochem.Soc.Trans.21(1993),248−253)。リン脂質のスクランブリングおよび小胞化は細胞内カルシウムの一過性上昇の結果と考えられる。さらに、最近述べられている血小板のトロンビン受容体は、やはり内皮細胞中に存在するものであるが、カルシウムの流入を刺激し(Coughlin S.R.ら、機能性トロンビン受容体の特性決定、J.Clin.Invest.89(1992),351−355)、したがってこれらの過程に関与するものと考えられる。病的環境下においては、末端膜攻撃補体複合体C5b−9もまた、血小板および内皮からの、ある割合のアニオン性リン脂質を有する微小粒子の放出を誘発すると考えられる(Zwaal R.F.A.ら、血小板および赤血球中における膜リン脂質の不均衡の変化の機構および機能、Biochem.Soc.Trans.21(1993),248−253;Hamilton K.ら、補体タンパク質C5b−9は内皮原形質膜の小胞化を誘導し、そしてプロトロンビナーゼ複合体の組立てのための触媒表面を露出させる。J.Biol.Chem.265(1990),3809−3814)。その上、エンドトキシンが単球の同様の行動を誘導すると考えられる(Robinson R.A.ら、エンドトキシンは単球のプロトロンビナーゼ活性の発現を増強する。Blood,79(1992)406−416;Satta N.ら、単球の小胞化、J.Immunol.153(1994),3245−3255:リポ多糖体による刺激に伴う膜結合プロコアギュラント活性の多発化(1994))。アポトーシス(apoptosis)および/または細胞溶解などのより厳しい状態になると、リン脂質依存性プロコアギュラント活性を有する循環粒子の原因となる、膜の断片化が生起する。
ホスファチジルセリンは、循環する膜の破片を網内皮において認識して排除するための決定因子であると考えられている(Allen T.ら、赤血球表面のリポソームモデルの網内皮認識の決定因子としてのホスファチジルセリン、Proc.Natl.Acad.Sci.USA85(1988),8067−8071)。しかし、継続した細胞膜の損傷の場合、この網内皮のシステムでは抗しきれず、過剰のアニオン性リン脂質が凝固反応を始動させて進めることが想像される。このような環境下においては、隔離されていたリン脂質の放出が血栓症に関連する抗リン脂質症候群の開始点であると考えられる(McNeilら、抗リン脂質抗体の免疫学および臨床上の重要性、Adv.Immunol.49(1991),193−280)。さらに、腫瘍形成性細胞の中に、これらから分化した非腫瘍性の同種細胞に比較して膜の外層中にホスファチジルセリンをより大量に発現するものがある(Connor J.ら、哺乳類の原形質膜におけるホスファチジルセリンの分化依存性発現:プロトロンビナーゼ複合体の形成による外部層脂質の定量評価、Proc.Natl.Acad.Sci.USA86(1989),3184−3188)。(循環)微小粒子またはプロコアギュラント細胞に関するいくつかの研究がすでに公表されている(Abrams C.& Shattil S.J,臨床疾患における活性化血小板の免疫学的検出、Thromb.Haemostats.65(1991),67−473;Nomura S.ら、特発性(自己免疫性)血小板減少性紫斑の患者における、抗血小板自己抗体に関連する微小粒子、Ann.Hematol,62(1991),103−107;Nomura S.ら、抗CD9マウスモノクローナル抗体によるin vitroでの血小板の活性化中の微小粒子の産生、Thrombos.Res.62(1991),429−439;Tans G.ら、刺激を受けた血小板および血小板由来の微小粒子の抗凝固およびプロコアギュラント活性の比較、Blood 77(1991),2641−2648;Gilbert G.E.ら、血小板由来の微小粒子が因子VIIIの高親和性の受容体を発現する、J.Biol.Chem.26 6(1991),17261−17268;Bode A.P.ら、in vitro老化中の血小板の小胞化、Blood 77(1991),887−895;Owens M.R.ら、血小板微小胞が内皮下に接着し、血小板の接着を促進する、Thrombos.Res.66,247−258;Hoffmann M.ら、活性化血小板および血小板由来の微小粒子に結合した凝固因子IX a:フローサイトメトリー研究、Thrombo.Haemostas.68(1992),74−78;Jy W.ら、自己免疫性血小板減少症における血小板微小粒子の臨床的意義、J.Lab.Clin.Med.119(1992)334−345;Borenstain−Ben Yashar V.ら、β−サラセミア患者の赤血球細胞の外部層中のホスファチジルセリンが慢性凝固亢進症状および血栓症状態を説明するようである、Am.J.Hematol.44(1993),63−65;Wiedmer T.ら、発作性夜間ヘモグロビン尿症の血小板における補体誘導小胞化および膜のプロトロンビナーゼ部位の露出、Blood 82(1993)1192−1196;Lee Y.ら、一過性虚血発作、小空洞性梗塞、および複合梗塞性痴呆における微小粒子の増加、Thrombosis Res.72(1993)295−304;Galli M.ら、活性化血小板および血小板由来の微小粒子のプロコアギュラント活性に対する高リン脂質抗体の影響、Br.J.Haematol.83(1993),466−472;Rajesekhar D.ら、全血中の血小板由来の微小粒子のプロコアギュラント活性:成体と新生児の差異、Blood 82(1983),163a;Jy W.ら、血小板微小粒子は多形核白血球に接着する:除去のための想定される様式、Blood 82(1993),281a;Jy W.ら、血小板微小粒子のプロコアギュラント活性(PAPM)は血栓症の危険と相関関係にある、Blood 82(1993),281a)、およびこれらの臨床的意義が議論されてきた(Zucker−Franklin D.,血小板微小粒子の臨床的意義、J.Lab.Clin.Med.119(1992),321−322)。上記の研究の中の1つ(Lee Y.ら、一過性虚血発作、小空洞性梗塞、および複合梗塞性痴呆における微小粒子の増加、Thrombosis Res.72(1993)295−304)において、血小板の小胞化の程度を薬理学的に調節し得ることがわかった。膜小胞化およびホスファチジルセリンの露出傾向とは逆に、Scott症候群、希少出血疾患は、血小板、赤血球およびリンパ球の適当な膜関連のプロコアギュラント活性の露出能力の減少に特徴がある(Bevers E.M.ら、出血疾患患者からの赤血球における、Ca2+誘導微小胞化の欠陥およびプロコアギュラント活性の発現の欠失:Scott症候群の赤血球の研究、Blood 79(1992),380−388)。
トロンビンの産生は凝固カスケードの最後の現象であり、これは主としていくつかのフィードバック回路において発現される高能力の自己増幅の結果であり(Mann K.G.,Krishnaswamy S.& Lawson J.H.,表面依存性止血、Semin.Hematol.,29(1992),213−226)、これらの中の1つがプロコアギュラントのリン脂質の血小板による血小板からの露出をもたらす(Zwaal R.F.A.ら、血小板および赤血球中における膜リン脂質の不均衡の変化の機構および機能、Biochem.Soc.Trans.21(1993),248−253)。過剰のトロンビンの産生は2つの異なる機構、抗トロンビンによる直接の中和によるか、またはトロンビン自身によって活性化された後、プロコアギュラント補助因子VIII a & Va分解能を獲得する、抗凝固タンパク質Cによって、制御され得る(図1)(Mann K.G.,Krishnaswamy S.& Lawson J.H.,表面依存性止血、Semin.Hematol.,29(1992),213−226;Esmon C.T.,血液凝固の調節におけるタンパク質Cおよびトロンボモジュリン(thrombomodulin)の役割、J.Biol.Chem.264(1989),4743−4746)。活性化/刺激細胞および循環するプロコアギュラント細胞断片の増加の結果、細胞の損傷または活性化に続く初期段階での過剰のトロンビン産生がもたらされると考えられる。したがって、プロコアギュラントリン脂質の補足的露出がトロンビン産生の増幅の結果と言うことができる。このことは、特に、生成するリン脂質結合性抗体が血栓症に関係すると指摘する場合に、隔離されたリン脂質がどのようにして露出に続いて抗原能力を獲得することができるかを説明するための補助となるはずである(McNeilら、抗リン脂質抗体の免疫学および臨床上の重要性、Adv.Immunol.49(1991),193−280)。1つの説明として、抗凝固タンパク質C経路における抗リン脂質抗体の妨害の可能性がある(Freyssinet J.−M.ら、精製内皮トロンボモジュリンに対するリン脂質の増強作用を中和するIgM狼瘡抗凝固物質:血栓症の機構、Thromb.Haemostats.55(1986),309−313)。これは数グループの研究者によって確認されているが、その他の機構も排斥すべきではない(McNeilら、抗リン脂質抗代の免疫学および臨床上の重要性、Adv.Immunol.49(1991),193−280)。ホスファチジルセリンは露出後血漿タンパク質のいずれかと結合して複合体抗原を形成すると考えられる。この形成し得る複合体の多様性が、その結果生じる抗体の存在に関連する臨床症状の多様性の説明となり得る(Freyssinet J.−M.ら、リン脂質結合性抗体および血栓症、Blood Coagulat.Fibrinol.,4(1993),645−648)。
従来の凝固反応の検定法は大多数の場合、プロトロンビン時間などのような凝固時間の評価である。これらの測定は、上記のように、飽和リン脂質濃度においてデータを得ているので、個体のプロコアギュラント活性または前血栓症状態の情報を何ら示さない。
WO 93/24840には血小板の膜外部における陰性荷電リン脂質の利用性を基礎とする、休止血小板のプロコアギュラント活性の測定法が記載されている。休止血小板はホスファチジルセリンを膜の外部から内部層に輸送する機構を有しているので、全血中のプロコアギュラントリン脂質の量は少ない。おそらくごく少量のホスファチジルセリンがなお外部層に存在していて、血小板の残留コアギュラント活性の原因となっていると考えられる。この残留または休止活性が、これ以上では活性化凝固因子が血栓症を引き起こすという限界値となる。このように、ある個体の血栓症の発症性向はその血小板のプロコアギュラント活性に関連性があると考えられる。
しかし、休止血小板の活性を測定することによるこの方法が個体の前血栓症状態に直接に関係するという絶対的な証拠はない。したがって、個体の前血栓症状態の簡単でより直接的な測定方法がなお必要である。凝固反応において血小板のみが活性化されるのではなく、また血小板のみがリン脂質に富む微小粒子または断片を放出するのではないので、個体の血液中の微小粒子および刺激されたプロコアギュラント細胞またはそれらの断片の起源物質の測定法もまた必要である。
本発明の目的は、個体の前血栓症状態の測定および末梢性動脈閉塞、動脈硬化症、糖尿病性血管障害、血管炎、子癇前症、エリテマトーデスまたは狭心症などの各種血管性疾患の診断、およびPCTA(経皮経管冠動脈形成術)後の個体の状態の診断および監視のための、簡単で迅速な方法を発見することであった。
いくつかの自己免疫疾患およびその他の疾病、例えば感染、炎症、異常増殖、心筋梗塞発作または一過性虚血発作、静脈血栓症、動脈血栓症、妊娠スクリーニング、膠原病、血小板減少症、経口避妊処置、偏頭痛/頭痛、または肺高血圧症、はリン脂質結合性抗体の出現に関連性がある。リン脂質結合性抗体はG,MまたはAクラスの異質免疫グロブリンである。これらの自己抗体のいくつかは、微小粒子および/またはプロコアギュラント細胞の外部表面上に露出することがある別のタンパク質に関連してリン脂質(アニオン性または/および六面体)を認識する。こうしたタンパク質の例は、β2−GP−I(β2−糖タンパク質−I)、プロトロンビン、タンパク質Cおよびタンパク質Sである(Triplett,D.A.抗リン脂質抗体および血栓症、結果、偶然、または原因?Arch.Pathol.Lab.Med.,1993,117,78−88;Oostingら、リン脂質とプロトロンビン、タンパク質C、タンパク質Sとの組合せに特異的な抗リン脂質抗体:病原機構の一解釈、Blood,1993,81,2618−2625)。これらのリン脂質結合性抗体の検出に対する簡便な方法への要求がある。
アポトーシス(apoptosis)、またはプログラムされた細胞死においては、ホスファチジルセリンを含有する細胞断片の循環が増加する結果となるようである(これはアポトーシス小体と称される)。露出ホスファチジルセリンを有するアポトーシス小体の循環を検出することは、AIDS、ガン、自己免疫疾患または動脈硬化症などの多数の疾病に関係するin vivoのアポトーシスの高数値を診断するために有用であると考えられる。特に、微小粒子の細胞起源を測定することができるならば、循環するアポトーシス小体の数値はその疾病の発生または進行を示唆するものとなり得る。
本発明にしたがって、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を測定することによる、個体の前血栓症状態の判定および末梢性動脈閉塞、動脈硬化症、糖尿病性血管障害、血管炎、子癇前症、エリテマトーデスまたは狭心症などの各種血管性疾患の診断、およびPCTA(経皮経管冠動脈形成術)後の個体の状態の診断および監視のための、簡単で迅速な方法が提供される。個体の血液中の循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の量は個体の前血栓症状態および上記の血管性疾患に関連性があることが発見された。これらの分析は、個体の危険因子の診断およびPCTA後の状態の監視のためにも使用し得ると考えられる。この方法によって、例えばAIDS、ガン、自己免疫疾患または動脈硬化症などの細胞損傷に至る疾病に関係する各種起源の循環アポトーシス小体を測定することも可能である。これ以後は、微小粒子の用語の中にこれらの各種起源のアポトーシス小体が含まれるものと解釈される。
特に、本発明によって、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を含有する試料を、固相に直接または間接的に結合している、この微小粒子またはプロコアギュラント細胞上に露出した化合物に対する特異的受容体と、固相に結合した受容体と微小粒子またはプロコアギュラント細胞との複合体を形成する条件下で混合し、液相からこの固相を分離し、固相上の、または適当な方法で固相から分離した後の微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の量を測定することによる、微小粒子および/またはプロコアギュラント細胞を測定する方法が提供される(図2)。
この不均一系測定方法の他に、均一系方法、すなわち液相から固相を分離する必要がない方法を使用することも可能である。したがって、本発明によって、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を含有する試料と、この微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞上に露出した化合物に対する特異的受容体とを、微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞と受容体との複合体が形成される条件下で混合し、適当な方法で微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の量を測定することによる、微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を測定する方法もまた提供される。沈殿または凝集が発生するようにする場合は、受容体は少なくとも2価でなければならない。この場合、微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の量は比濁または濁度測定法によって測定することができる。
別の実施態様において、特定のカテゴリーの循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を測定するのに、上記の検定の変法を使用することができる。それは、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を含有する試料を、固相に直接または間接的に結合している、この微小粒子または刺激されたプロコアギュラント細胞上に露出した化合物に対する特異的受容体1と、固相に結合した受容体1と微小粒子またはプロコアギュラント細胞との複合体が形成される条件下で混合し、場合によっては液相からこの固相を分離し、この特定のカテゴリーの微小粒子および刺激されたプロコアギュラント細胞のマーカーに対して特異的な受容体2を微小粒子および/またはプロコアギュラント細胞に結合させ、そして適当な方法で受容体1、微小粒子または刺激されたプロコアギュラント細胞、および受容体2からなる複合体を測定するものである(図2)。
特定のサブグループ(subgroup)またはカテゴリーの循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を測定するための検定の変法として、試料をこの微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞上に露出したサブグループに特異的な化合物の受容体と混合し、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞のこの受容体への結合を適当な方法で測定するものがある。このサブグループに特異的な受容体は、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞上には露出するが、休止細胞上には露出していない化合物に対して特異的なものでなければならない。これらの受容体の例は、露出プロコアギュラントリン脂質パッチに対するアネクシン(annexin)−V、血小板膜の糖タンパク質複合体GP II b/III aの活性/機能性立体配置に対する特異的抗体、または単球若しくはリンパ球接着性受容体であるLFA−1、または内皮トロンボモジュリンである。
○ アネクシン−Vおよびプロコアギュラントリン脂質パッチ:
Dachary−Prigent J.ら、アミノリン脂質の露出および血小板膜の小胞化のプローブとしてのアネクシン−V:遊離スルフヒドリル基の役割を示すフローサイトメトリー研究、Blood 81,2554−2565
○ GP II b/III a:
Abrams C.& Shattil S.J.,臨床疾患における活性化血小板の免疫学的検出、Thromb.Haemostats.65(1991),67−473
○ LFA−1:
Sattan N.ら、単球の小胞化、J.Immunol.153(1994),3245−3255:リポ多糖による刺激後の膜関連プロコアギュラント活性の伝播の機構(1994)、提示した;Hedman H.and Lundgren E.ヒトB細胞におけるLFA−1活性の調節、J.Immunol.149(1992),2295−2299
○ トロンボモジュリン:
Hamilton K.ら、補体タンパク質C5b−9は内皮原形質膜の小胞化を誘導し、プロトロンビナーゼ複合体の組立てのための触媒表面を露出する、J.Biol.Chem.265(1990),3809−3814
別の実施態様において、血液試料中のリン脂質結合性抗体を検出するために上記の検定の変法を使用することができる。それは、血液試料中に存在するリン脂質結合性抗体が循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞、または合成リン脂質含有リポソームに結合する条件下で血液試料を微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞、または合成リン脂質含有リポソームと混合し、リン脂質結合性抗体を適当な方法で測定するものである(図3)。
発明の詳細な説明
刺激を受けた、または活性化された血液および/または血管細胞ならびに放出されたプロコアギュラント微小粒子の検出および特性決定は血栓症の発症機序を理解する際の鍵となる段階であると考えることができる。循環する刺激された、または活性化した(この2つの用語は同一の現象表現として使用することがある)プロコアギュラント細胞または断片およびこれらに由来する微小粒子は前血栓症状態のマーカーとして出現し、また凝固反応を伝播する。この両方の挙動を定量的および定性的に評価する必要がある。血栓症の発生および進行を適切に阻止することができるように、検出操作は迅速でなければならない。
本発明は、循環する微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を測定することによって、個体の前血栓症状態の判定、および各種の血管性疾患の診断、ならびにPTCA後の個体の状態のモニターのための方法を提供する。用語「微小粒子」は、刺激されたプロコアギュラント細胞、主として血小板から微小粒子の放出(shedding)によってもたらされる小さな粒子を意味する(Zwaal R.F.A.ら、血小板および赤血球中における膜リン脂質の不均衡の変化の機構および機能、Biochem.Soc.Trans.21(1993),248−253)。用語「プロコアギュラント細胞」は、外部表面にアニオン性リン脂質を露出している、刺激されたプロコアギュラント細胞全体およびこれらの断片を意味する。この定義における用語「微小粒子」は、上記のような各種起源のアポトーシス小体をも含む。
これらの微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の測定のためには、均一系または不均一系イムノアッセイまたは機能検定などの適当な方法のいずれでも使用することができる。
血液中のこれらの循環微小粒子および刺激されたプロコアギュラント細胞の濃度はかなり低いので、本方法の第1段階はこれらの微小粒子または細胞を特異的受容体を介して固相に結合させることが好ましい。これによって、これらの微小粒子および細胞の濃縮、ならびに他の血液細胞および他の血液または血管化合物からの分離が可能となる。
しかし、中間の分離段階抜きで均一系方法によって微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の測定をすることも可能である。例えば、微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を少なくとも2価の受容体によって沈殿または凝集させることができる。この沈殿または凝集物を例えば比濁または濁度測定によって、直接測定することができる。(電気)化学発光法などのその他の均一系方法によって濃度を測定することもまた可能である(EP−A−0 580 979,WO87/06706)。この場合は、受容体は1価でもよい。
特異的受容体として、微小粒子および刺激されたプロコアギュラント細胞の表面上にある天然に存在する分子に結合する受容体であればいずれでも使用することができると考えられる。こうした分子は微小粒子および刺激されたプロコアギュラント細胞に対して特異的でなければならない。特異的とは、この分子またはマーカーが休止細胞、例えば休止血小板上にはなくて、これらの微小粒子または細胞上にのみ露出していなければならない、若しくはこの分子またはマーカーが前駆体細胞に比較して、微小粒子または刺激された細胞の表面により大量に露出していることを意味する。好ましくは、受容体は微小粒子および刺激されたプロコアギュラント細胞の表面上のリン脂質に特異的である。リン脂質−およびカルシウム−結合性タンパク質であって、胎盤抗凝血タンパク質−Iまたは血管抗凝血剤−αとも称される、アネクシン、特にアネクシン−V(Barton G.J.ら、超遺伝子ファミリータンパク質、アネクシンのアミノ酸配列分析、Eur.J.Biochem.198(1991),749−760)が凝固反応において触媒作用をするリン脂質の構造的および機能的プローブとして特性決定された(Mosser G.ら、電子画像分析によって解析した脂質結合アネクシン−Vのサブ領域構造、J.Mol.Biol.217(1991),241−245;Ravanat C.ら、アネクシン−Vの使用およびその脂質小胞への結合、J.Mol.Biol.226(1992),1271−1278;Ravanat C.ら、内皮細胞による止血バランスの維持におけるホスファチジルセリンの露出の役割を明らかにするための、アネクシン−Vの構造の中性子溶液散乱研究、Biochem.J.282(1992),7−13;Freyssinet J.−M.ら、因子X aによるタンパク質Cの活性化におけるアニオン性リン脂質の触媒的役割およびヒト血漿中のその抗凝血機能の発現、Blood Coagulat.Fibrinol.,2(1991),691−698)。カルシウムの存在下において、アネクシン−Vはアニオン性リン脂質表面への結合についてビタミンK依存性タンパク質と競合する作用力により、リン脂質依存性凝固反応の強力なアンタゴニストとして行動する(Ravanat C.ら、内皮細胞による止血バランスの維持におけるホスファチジルセリンの露出の役割を明らかにするための、アネクシン−Vの構造の中性子溶液散乱研究、Biochem.J.282(1992),7−13)。したがって、アネクシン−Vがリン脂質依存性凝固反応をネガティブに変更することなく、微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の診断用の測定方法に使用することができるということは、驚くべきことである。その他の特異的受容体は例えばリン脂質結合性抗体または微小粒子のリン脂質中に埋め込まれたタンパク質に特異的な抗体である。
微小粒子および刺激されたプロコアギュラント細胞の表面に露出した化合物に対する、アネクシン、特にアネクシン−Vなどの特異的受容体または特異的抗体は吸着または2官能性試薬を介した共有結合カップリングなどの当分野で知られた方法によって固相表面に直接被覆することができる。特異的受容体の固相への間接的結合の方が好ましい。なぜならば、その場合、ストレプトアビジン被覆固相などの普遍的な被覆固相を使用することが可能であり、また特異的受容体を液相中で試料とプレインキュベートすることが可能だからである。これによっていくつかの場合に受容体の微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞への結合が強化され得る。この場合、特異的受容体は、第1のおよび第2の結合対相手(bpm)からなる特異的結合対を介して固相に結合する。第1のbpmは固相に結合され、第2のbpmは特異的受容体に結合される。特異的結合対の例は当分野で知られており、例えば、ハプテン/抗体、酵素/基質、酵素/阻害剤、抗原/抗体、アビジンまたはストレプトアビジン/ビオチンおよび糖/レクチンである。特異的結合対としてアビジンまたはストレプトアビジン/ビオチンが好適である(図2)。アビジンまたはストレプトアビジンの結合ならびにビオチンのタンパク質およびその他の分子への結合操作法は当分野で周知である(例えば、Bayer and Wilchek,Methods of Biochemical Analysis(1980)26,1−45)。ストレプトアビジンを被覆したチューブまたはマイクロタイタープレートは市販されている。
固相として、例を挙げると、プラスチック、例えばポリスチロール、ポリビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、多糖類、シリコーン、またはガラス製のチューブ、ビーズ、マイクロタイタープレートまたはマイクロキャリアを使用することができる(E.T.Maggio,Enzyme Immunoassays,CAP.Press,Florida(1980),EP−A−0 063064,Bioengineering 16(1974),997−1003およびSonderson and Wilson,Immunology 20(1971),1061−1065)。マイクロキャリアは小さいカラムとして使用することができる。
試料として、全血または血漿を使用することが可能である。血小板に乏しい血漿を使用するのが特に好ましい。好ましくは、試料に例えばトロンビンおよび因子X a阻害剤を含有する抗凝固剤溶液を補充する。血液試料の採取のための抗凝固剤溶液の組成は血小板の活性化を可能なかぎり低レベルに保つようにすべきである。
試料を固相に結合させた特異的受容体とインキュベートするか、または試料を可溶性特異的受容体とインキュベートした後、この受容体を固相に結合させることによって、微小粒子および/またはプロコアギュラント細胞が捕捉される。インキュベートの時間は特異的受容体によって、すなわちその親和性、および固相の形状によって異なる。ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートに結合させたビオチン化アネクシン−Vを使用する場合、室温において約30分のインキュベート時間が適当である。アミノリン脂質へのアネクシン−Vの最適な結合のためには、インキュベート中に少なくとも1mM、ただし10mMを超えない量の遊離のカルシウムイオンを存在させるべきである。
このインキュベート後、未結合の試料化合物を除去するために、固相を洗浄すべきである。生理食塩濃度とカルシウムイオンを有する緩衝液、例えば0.1M NaClおよび1mM CaCl2を含有する50mMトリス緩衝液、pH7.5を使用することができる。
微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を捕捉した後、固相上で直接に、または固相から化合物を分離した後に、これらの化合物の量を測定する。固相としてチューブまたはマイクロタイタープレートを使用する場合は、この固相上で直接にその量を測定するのが好ましい。固相としてマイクロキャリアをつめた短いカラムを使用する場合は、カラムから微小粒子および/または活性化細胞を溶出させて、その後に溶出液中の量を測定するのが好ましい。固相上で直接測定する方が迅速であるので、この方法の方が便利であり、好ましい。
固相上または固相を分離した後の微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の量の測定のためには、適当な方法のいずれでも有用である。好ましくは、微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の外膜にあるアニオン性リン脂質の利用可能性に基づくプロコアギュラント活性によって、微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を測定する(図2)。プロトロンビン(因子II)などのプロコアギュラントリン脂質に依存性の酵素または酵素複合体によって活性化され得る基質とともに、微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞をインキュベートする。活性化反応に必要な、因子V、因子X aおよびカルシウムイオンなどの、酵素、補酵素およびカチオンをさらに添加する。プロトロンビンの活性化は試料中のプロコアギュラントのアニオン性リン脂質の量に直線的に依存する。第1段階において、微小粒子および/または刺激された細胞を、例えばプロトロンビン(因子II)、因子V、因子X aおよびカルシウムイオンなどの、必要な酵素、補酵素およびカチオンの混合物とともにインキュベートするのが好ましい。既定のインキュベート時間後、プロトロンビン(因子II)のトロンビン(因子II a)への活性化を、例えばカルシウムイオンとの錯体形成によって停止させる。EDTAが好ましい錯体形成剤である。その後、トロンビンによって加水分解され得る色素原基質を添加し、吸光度の変化を記録することによって、発色団の遊離を測定する。トロンビンに対する色素原基質は当分野で周知であり、例えばChromozym(登録商標)TH(Tos−Gly−Pro−Arg−p−ニトロアニリド−デヒドロクロライド)またはD−Phe−ピペコリル−Arg−p−ニトロアニリド−ジヒドロクロライドがある。リン脂質依存性プロトロンビン変換活性検定はConnor J.らの方法を改良した(哺乳類原形質膜におけるホスファチジルセリンの分化依存性発現:プロトロンビナーゼ複合体の形成による外部層脂質の定量評価、Proc.Natl.Acad.Sci.USA86(1989),3184−3188)。各種試薬の濃度は、露出したプロコアギュラントリン脂質の広範囲の濃度にわたって直線性が確保されるものにする。各化合物の好ましい最終濃度は、因子IIが2.5μM、因子Vが33pM、因子X aが11pM、CaCl2が1.3mM、EDTAが5mM、およびChromozym(登録商標)THが70μMである(Connor J.ら、哺乳類原形質膜におけるホスファチジルセリンの分化依存性発現:プロトロンビナーゼ複合体の形成による外部層脂質の定量評価、Proc.Natl.Acad.Sci.USA86(1989),3184−3188)。
プロコアギュラント活性による微小粒子および/または刺激された細胞の測定には、一般的に、例えば、固相に結合した、または固相から遊離させた微小粒子および/または細胞を使用することができる。
固相に結合した微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の測定のためには、この微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の表面上の分子に特異的な第2の受容体を使用することも好ましい。検出は当分野で周知のサンドイッチ検定によって実施される。第2の受容体は第1の受容体と同一であるか、または微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の表面に露出した別の分子またはエピトープに特異的であってもよい。この微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の表面に露出した分子はこれらの細胞に特有の分子、すなわち休止細胞上には全くまたはほとんど存在しない分子であり得る。この分子はまた刺激された細胞と休止細胞に露出している共通の分子であってもよい。サンドイッチ検定において使用される2つの受容体の中の1つが微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞に特異的であればよいのである。これは第1または第2の受容体のいずれでもよい。
微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の総量を測定するためには、すべての微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞に共通する化合物に対して特異的な受容体を使用するのが好ましい。好ましくは、第2の受容体は抗体またはアネクシン−Vである。好ましいのはアニオン性リン脂質に特異的な抗体(Roteら、トロンビンによって誘導される血小板の活性化中のホスファチジルセリンの外在化の免疫検出、Clin.Immunol.Immunopathol.66(1993),193−200;Nomuraら、特発性自己免疫性血小板減少性紫斑症において、抗リン脂質抗体は血小板微小粒子に結合する、Ann.Hematol,65(1992))またはアネクシン−V(Dachary−Prigent J.ら、アミノリン脂質の露出および血小板膜の小胞化のプローブとしてのアネクシン−V:遊離スルフヒドリル基の役割を示すフローサイトメトリー研究、Blood 81,2554−2565)である。
第2の受容体の結合は適当な方法によって検出される。第2の受容体を酵素、(電気)化学発光、蛍光またはその他の任意の標識によって標識することができる。間接的な標識、すなわち、例えば上記の標識で標識された第2の受容体に特異的な抗体などの受容体を使用することもまた可能である。この間接的な標識は、“普遍的標識”、例えば標識された抗−Fc抗体を使用することができるという利点を有する。第2の受容体の直接または間接的標識の例および方法は、当分野で知られている(Coligan J.E.,Kruibeek A.M.,Margulies D.H.,Shevach E.M.,and Strober W.(1992,1994)Current protocols in Immunology−Wiley Interscience−New York)。
循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の均一系測定方法においては、試料を特異的受容体とともにインキュベートする。この受容体はすべての微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞に共通な分子、例えばアニオン性リン脂質に特異的でなければならない。
凝集または沈殿反応の場合は、少なくとも2つの微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を連結させて沈殿または凝集を形成させるために、受容体は少なくとも2価でなければならない。この受容体は好ましくは抗体である。架橋してまたは担体に結合して少なくとも2価の受容体複合体を形成するアネクシン−Vなどの1価受容体または2価受容体を使用することもまた可能である。受容体の架橋またはウシ血清アルブミン、デキストラン、多糖類またはラテックス粒子などの担体への受容体の結合方法は当分野で知られている。
受容体と微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞との複合体の沈殿または凝集物は好ましくは比濁分析または濁度法で測定される。
上記の不均一系方法の別の態様において、第1の受容体がすべての微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞に共通な化合物に特異的であり、また第2の受容体があるサブグループまたはカテゴリーの微小粒子および/または刺激された細胞に共通な、微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞上の化合物、分子またはマーカーに特異的であるものがある(図2)。これによって特定のカテゴリーの微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を測定することが可能であり、またこれによってその微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の起源を突き止めることが可能である。この起源は例えば血小板、単球または内皮細胞が考えられる。
したがって、さらに別の本発明の態様は、特定のサブグループまたはカテゴリーの循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を測定するための方法である。それは、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を含有する試料を、固相に直接または間接的に結合している、この微小粒子または刺激されたプロコアギュラント細胞上に露出した化合物に対する特異的受容体1と、固相に結合した受容体1と微小粒子またはプロコアギュラントト細胞との複合体を形成させる条件下で混合し、場合によっては液相からこの固相を分離し、この特定のカテゴリーまたはサブグループの微小粒子および刺激されたプロコアギュラント細胞のマーカーに対して特異的な受容体2を微小粒子および/またはプロコアギュラント細胞に結合させ、そして適当な方法で受容体1、微小粒子または刺激されたプロコアギュラント細胞、および受容体2からなる複合体を測定するものである。
受容体2として、微小粒子または刺激された細胞の表面上のサブグループに特異的なマーカー、分子または化合物に対する抗体を使用するのが好ましい。これらのマーカーの例は、血小板についてはGP I b,GP I X,GP II b/III a,トロンボスポンジン、または内皮細胞についてはトロンボモジュリン、または単球についてはCD14またはTF(刺激された内皮から放出された微小粒子上に見られる組織因子)または活性化血小板および内皮の両方に見られるGMP140(P−セレクチン)またはアポトーシス小体に対するCD4およびDC11aがある。
本発明のさらに別の態様は、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞のサブグループを測定するための検定の改変法である。この循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞のサブグループを測定するための方法は、試料をこの微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞上に露出したサブグループに特異的な化合物の受容体と混合し、この受容体の結合を適当な方法で測定するものである。サブグループに特異的な化合物の受容体とは、そのサブグループの循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞上にのみ存在し、その他のサブグループおよび休止細胞、例えば休止血小板、単球または内皮細胞上には全くまたはごくわずかしか存在しない化合物、分子またはマーカーに特異的な受容体を意味するものである。例えば、ある種のリン脂質結合性抗体はリン脂質と結びついたタンパク質に特異的である。すなわち、これらはタンパク質またはリン脂質単独にはあまり結合しない。
サブグループに特異的な受容体の微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞への結合は既知の方法によって測定することができる。このサブグループに特異的な受容体は例えば上記のように固相に直接または間接的に結合していてもよい。特定のサブグループの微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を捕捉した後、直接固相上でまたは固相から分離して、上記のように例えばプロコアギュラント活性(プロトロンビン検定)により、または微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞に特異的な第2の受容体または血小板、単球または内皮細胞などの休止細胞上のマーカーに特異的な受容体により、その量を測定することができる。このサブグループに特異的な受容体の結合は、受容体(この場合は上記のように少なくとも2価でなければならない)による微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の沈殿または凝集物を介して直接測定することもできる。凝集物を得るためには、サブグループに特異的な受容体をラテックス粒子などの粒子に結合させる。
上記の検定を使用することによって、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞またはそれらのサブグループを検出することができるだけではない。これらの検定法をわずかに改変するだけで、試料中のリン脂質結合性抗体を測定することができる。したがって、試料中に存在するリン脂質結合性抗体が循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞、または合成リン脂質含有リポソームに結合する条件下で、血液試料を微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞、または合成リン脂質含有リポソームと混合し、リン脂質結合性抗体の結合を適当な方法で測定することによる、試料中のリン脂質結合性抗体の測定方法が提供される。
微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞はヒト血液または血漿、特に血小板に乏しい血漿から得ることができる。リン脂質は偏在性成分であるので、動物の血液または血漿からの微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を使用することも可能である。膜中にリン脂質を含有する合成リポソームを使用することが好ましい。リポソームの製造方法は当分野で既知である(例えば、Freissinetら、Biochem.J.(1989),261,341−348)。好ましい1方法は、Freissinetらによる(上記)透析法によって調製された、ホスファチジルセリンとホスファチジルコリンの混合物(1:2)で製造したリポソームを使用するものである。
微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞またはリポソームは、好ましくはリン脂質に対する受容体、すなわちリン脂質結合性抗体またはアネクシン−Vによって固相に結合させることができる。受容体を上記のように固相に直接または間接的に結合させることができる(図3)。
好ましい態様において、微小粒子、刺激されたプロコアギュラント細胞またはリポソームをストレプトアビジンまたはアビジン/ビオチンを介して固相に結合させる。ストレプトアビジン−またはアビジン−被覆固相は当分野で既知である。微小粒子またはプロコアギュラント細胞またはリポソームはビオチン化される。これらの微小粒子、細胞またはリポソームのビオチン化はこれらの粒子の膜内にビオチン化リン脂質を取り込ませることによって行なわれる。これは、微小粒子、プロコアギュラント細胞またはリポソームに、ビオチン化リン脂質、例えばビオチン化ホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルコリンを単に添加することによって実施される。このビオチン化リン脂質は粒子の膜中に挿入される。合成されたリポソームを固相に結合するためにはこの方法が特に好ましい。このリポソームは例えば1%のビオチン化ホスファチジルエタノールアミンまたはビオチン化ホスファチジルコリンをその他のリン脂質に添加することによって製造することができる。
別の好ましい態様において、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞または合成リン脂質含有リポソームを上記のようにアネクシン−V被覆固相に結合させる(図3)。
試験する血液試料を、血液試料中に存在するリン脂質結合性抗体が粒子に結合するような、そして間接的結合の場合はその粒子が固相に結合するような条件下で微小粒子および/またはプロコアギュラント細胞、またはリポソームと混合する。粒子は抗体の粒子への結合と同時、結合前または結合後に固相に結合されることができる。固相と液相を分離して、結合していない化合物を除去し、また必要ならばさらに固相洗浄段階を加えた後、微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞またはリポソームを介して固相に結合しているリン脂質結合性抗体を適当な方法で測定する。
結合しているリン脂質結合性抗体を、特異的に標識された、抗Fc抗体、抗ヒト免疫グロブリン抗体、抗ヒトIgA,G,M抗体、抗軽鎖抗体、タンパク質Aまたはタンパク質Gなどのリン脂質結合性抗体に対する受容体によって測定するのが好ましい。リン脂質結合性抗体に対する特異的受容体は上記のように直接または間接的に標識することができる。
このリン脂質結合性抗体の測定方法を、特定のサブグループのリン脂質結合性抗体の検出用に変更することができる。ある種の自己抗体はリン脂質と微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の膜に組み込まれているかまたは結合している特定のタンパク質との複合体に特異的であることが知られている。したがって、対応する反応性抗体の存在によって特徴づけられる抗リン脂質症候群の原因抗原として考えられる、リン脂質含有粒子と、血漿からのリン脂質結合性タンパク質、例えばβ2−糖タンパク質1、プロトロンビン、タンパク質Sまたはタンパク質Cと、の組合せを評価することが可能である。このシステムの第1の利点は、上記のようなリン脂質結合性タンパク質と組み合わせて検定される各種組成のリン脂質に関する融通性である。第2には、その検出を可能にしたものと同一の支持体を用いて、ある種のリン脂質結合性抗体のin vitro抗凝血能を検定することができる点である。
これらの上記のタンパク質をさらに含有する微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞、または合成リン脂質含有リポソームを使用することによって、サブグループに特異的なリン脂質結合性抗体を測定することが可能である(図3)。このタンパク質は内在性または周辺膜タンパク質(β2−糖タンパク質1、プロトロンビン、タンパク質S、タンパク質Cその他)としてリン脂質含有粒子中に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
図1は血液凝固システムを示す。
APC:活性化タンパク質C
AT III:抗トロンビンIII
D.S.:デルマタン硫酸
GAG:グリコサミノグリカン
HC II:ヘパリン補助因子II
HEP:ヘパラン硫酸またはヘパリン
PC:タンパク質C
PS:タンパク質S
TF:組織因子
TFPI:組織因子経路阻害剤
TM:トロンボモジュリン
II:プロトロンビン
II a:トロンビン
その他のローマ数字は相当する血液凝固因子で、“a"をつけたものは活性化したもの、“i"をつけたものは不活性化したものを表す。
図2はCDおよび/またはGPのELISAによるかまたはプロトロンビナーゼ活性による、循環微小粒子または刺激されたプロコアギュラント細胞または細胞断片の検出の原理を示す。
GP's:糖タンパク質
CD's:分化抗原のクラスター
図3はAPL(リン脂質結合性抗体)のELISAによるリン脂質結合性抗体の検出の原理を示す。
図4はプロトロンビナーゼ検定に対するアネクシン−Vのビオチン化率の影響を示す。
AV/Bi:アネクシン−Vのビオチン化率
△OD/min:1分当たりの光学密度
図5はプロトロンビナーゼ検定に対するビオチン化アネクシン−V(AV−Bi)の濃度の影響を示す。
△OD/min:1分当たりの光学密度
図6はプロトロンビナーゼ検定に対するリン脂質の濃度の影響を示す。
△OD/min:1分当たりの光学密度
図7はアポトーシスの誘導のためにオキシステロールで処理したU937細胞の上清中のプロトロンビナーゼ活性を示す。
図8はSA被覆マイクロタイタープレートと複合体化したビオチン化アネクシン−Vaによって捕捉された微小粒子の表面に存在する特異的膜抗原CD11aの検出を示す。
図9は対応する不溶性化抗体による、特異的抗原を有する微小粒子の捕捉を示す。
図10はPNH患者からの血漿中のプロコアギュラント微小粒子の検出を示す。
図11はリン脂質結合性抗体の固相検出のための、ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートへの各種リン脂質抗原の固定化を示す。
左側:6面リン脂質、右側:2重層リン脂質;SAおよびBIはそれぞれストレプトアビジンおよびビオチンを表す。
以下の実施例において、本発明をより詳細に説明する。
実施例1
タンパク質および試薬
ヒト血液凝固因子Xおよびプロトロンビンを、通常のウイルス感染物質を含まないビタミンK依存性タンパク質濃縮物から精製した(Freyssinet J.−M.ら、ヒトタンパク質Cの活性化における血液凝固ビタミンK依存性タンパク質の阻害、Biochem.J.256(1988),501−507)。Freyssinet J.−M.ら(ヒトタンパク質Cの活性化における血液凝固ビタミンK依存性タンパク質の阻害、Biochem.J.256(1988),501−507)にしたがって精製したプロトロンビンからヒトα−トロンビン(3,000 National Institutes of Health(NIH)単位/mgのタンパク質)を調製した。Freyssinet J.−M.らの記載(アニオン性リン脂質の存在下における血液凝固因子X aによるヒトタンパク質Cの活性化、Biochem.J.261(1989),341−348)にした
s,France)より購入した。ヒト胎盤アネクシン−V(胎盤抗凝固タンパク質−I)をFunakoshiら(Funakoshi T.ら、ヒト胎盤抗凝固タンパク質:単離および特性決定、Biochemistry 26(1987)5572−5578)にしたがって精製し、Ravanat C.らの文献(アネクシン−Vの利用およびその脂質小胞への結合、J.Mol.Biol.226(1992),1271−1278)にしたがって特性決定した。1−O−n−オクチル−β−D−グルコピラノシド、ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレート(BM#1487051)、ビオチン−X−OSu(BM#1008978)およびChromzym THは、Boehringer Mannheim(Mannheim,Germany)からのものである。ウシ脳からのホスファチジルコリンおよびホスファチジルセリン、ヒト血清アルブミン並びにカルシウムイオノフォアA23187はSigma Chemical Co.(St.Louis,MO)からの製品である。蛍光膜プローブ(赤色蛍光)1,1'−ジヘキサデシル−3,3,3',3'−テトラメチルインドカルボシアニン(Di IC16(3))はMolecular Probes(Eugene,OR)からのものである。色素原基質である、N−α−ベンジルカルボニル−D−アルギニル−L−グリシル−L−アルギニン−p−ニトロアニリド−ジヒドロクロライド(S−2765)およびH−D−フェニルアラニル−L−ピペコリル−L−アルギニン−p−ニトロアニリド−ジ
た。それぞれトロンビンおよび因子X aの有効な2つの不可逆的阻害剤である、D−フェニルアラニル−プロリル−アルギニルクロロメチルケトン(PPACK)および1,5−ダンシル−グルタミル−グリシル−アルギニルクロロメチルケトン(Dns−GGACK)は、Calbiochem(San Diego,CA)から得た。すべてのその他の試薬は入手し得る最高の純度のものである。
リポソーム
ホスファチジルセリン(33%)およびホスファチジルコリン(67%)(mol/mol)からなる標準リポソームを、Freyssinet J.−M.ら(アニオン性リン脂質の存在下における血液凝固因子X aによるヒトタンパク質Cの活性化、Biochem.J.261(1989),341−348)にしたがって、透析法によって調製した。
リン脂質小胞調製品(ホスファチジルセリン/ホスファチジルコリン33/66(mol/mol)3mM)のために、以下の試薬を使用した:
ウシ脳からのL−α−ホスファチジル−L−セリン(Sigma):PS
18.18mg/ml(クロロホルム溶液)
ウシ脳からのL−α−ホスファチジルコリン、III−B型(Sigma):PC
10mg/ml(クロロホルム溶液)
緩衝液A(界面活性剤を含まない):
トリス50mM,NaCl150mM,NAN30.02%(w/v),pH7.5
緩衝液B(界面活性剤を含む):
n−オクチル−β−D−グルコピラノシド2%(w/v)緩衝液A
操作
クロロホルムで洗浄したガラス器具を使用する。
PS55μlをPC200μlと混合し、室温で窒素流下で蒸発させ、緩衝液B1mlに再懸濁させ、そして緩衝液Aに対して透析した。
いくつかの実験において、透析の前に、リン脂質混合物に対してDi IC16(3)プローブを最終モル比が0.1%となるように添加して、生成する2重層構造の中にこれを取り込ませた。凍結水和状態で低温電子顕微鏡によって分析したところ、リポソームは大部分が単ラメラで球形に近く、そして平均直径が150nm、両極値が30および300nmであった(Pigault C.ら、ホスファチジルセリン含有リポソーム上のアネクシン−Vの2次元配列の形成、J.Mol.Biol.236(1994)199−208)。リン脂質のモル濃度は、各物質について平均モル分子量を780と仮定して決定した。不溶性化アネクシン−Vによる捕捉標準品として使用するため、リポソームを0.1M NaClおよび1mM CaCl2を含有する50mMトリス緩衝液、pH7.5中に希釈した。フローサイトメトリーで分析したところ、Di IC16(3)−標識リポソームの特性は、血小板を含む各タイプの細胞(下記参照)から脱離した微小粒子に類似していた(Dachary−Prigent J.ら、アミノリン脂質露出および血小板膜の小胞化のプローブとしてのアネクシン−V:遊離スルフヒドリル基の役割を示すフローサイトメトリー研究、Blood 81,2554−2565)。
細胞
巨核細胞系HELおよびMEG−01をATCC(American Type Culture Collection,Rockville,MD)から推奨された操作にしたがって通常通りに培養した。Sattan N.ら(単球の小胞化、J.Immunol.153(1994),3245−3255:リポ多糖による刺激に伴う膜関連プロコアギュラント活性の多発化の機構(1994)、提供された)の記載にしたがって、ヒト単球を採取し、培養液中に維持した。最大の微小粒子の脱離およびホスファチジルセリンの露出を誘導するため、各タイプの細胞を1.107細胞数/mlに調節した後、2mM CaCl2の存在下で、室温において3分間、3μMカルシウムイオノフォアで処理した。室温で1分間の12,000gでの遠心分離によって、細胞と対応する上清とを分離した。細胞ペレットを最初のものと同一の容量中に再懸濁した。
患者および対照被験者からの試料
血液試料を、0.14Mクエン酸3ナトリウム中に最終容積比が9:1となるように、静脈穿刺によって採取した。室温で15分間の180gでの遠心分離によって、血小板に富む血漿(PRP)を得た。顕微鏡を使用して血小板を計数した。室温で1分間の12,000gでのPRPの遠心分離によって、血小板に乏しい血漿(PPP)を得た。PPPを得るためのもう1つの操作法は、全クエン酸化血を室温で10分間、1,500gで遠心分離した後収穫した血漿を起源とし、室温で1分間、12,000gで2回目に遠心分離することからなるものである。再カルシウム塩化の直前に、試料にPPACKおよびDns−GGACKを最終濃度がそれぞれ10μMとなるように添加した。希釈しないものを使用する場合は、不溶性化ビオチン化アネクシン−Vと接触させる直前に、CaCl2を最終濃度が30mMとなるように添加することによって、試料を再カルシウム化した。この開始カルシウム濃度は2倍希釈の各試料よりも2倍小さかった。最終クエン酸塩濃度は14mMであるので、過剰のクエン酸塩と複合体化させるためには少なくとも21mMのカルシウムが必要である。したがって、不溶性化アネクシン−V(下記参照)と露出ホスファチジルセリンを有する細胞断片との相互作用をもたらすためには、理論的に、21mM値に相当するカルシウムの増量で十分であるはずである。しかし、参考文献(Pigault C.ら、ホスファチジルセリン含有リポソーム上のアネクシン−Vの2次元配列の形成、J.Mol.Biol.236(1994)199−208)によれば、mM範囲においては、カルシウムは少なくとも10%のホスファチジルセリンを保有するように断片を最適結合させるべきであり、10mM範囲では、この域値は2%まで低下させることができる。
アネクシン−Vのビオチン化、およびストレプトアビジン−ビオチン−アネクシン−V被覆マイクロタイタープレートの調製
タンパク質に対するビオチンが20/1〜2/1の範囲の各種のモル比において、アネクシン−Vのビオチン化を実施した。
試薬
ビオチン化用緩衝液:75mM KH2PO4,200mM NaCl、pH7.7
ビオチン溶液:DMSO中、11.4mMビオチン−X−OSu(MW=454.5)
保存用緩衝液:75mM KH2PO4,200mM NaCl、リジン10mM,pH7.7
アネクシン−V0.5mgをビオチン化用緩衝液200mlに対して4℃において一晩透析する。その後、アネクシン−V(MW=35000)を1mg/mlに希釈する(εAV=0.6)。
ビオチン溶液を以下の割合でアネクシン−Vに添加する。
AV/ビオチン(mol/mol)=1/5
25℃において90分後、1Mリジン/HClを最終濃度10mMとなるように添加することによって、反応を停止させる。最後にこのビオチン化アネクシン−Vを保存用緩衝液に対して4℃において一晩透析する。このビオチン化アネクシンは、−80℃において、検出し得るほどの抗リン脂質能力の損失なしで、数か月間保存することができる。
0.1M NaClおよび3mg/mlアルブミンを含有する50mMトリス緩衝液中の、濃度50ng/ml〜1μg/mlの範囲のビオチン化アネクシン−V(アネクシン−VBi)溶液100μl/1ウェルを、室温で30分間接触させることによって、ストレプトアビジンコーティングマイクロタイタープレート上に、アネクシン−VBiを不溶性化した。その後、プレートを上記の緩衝液200μlで3回洗浄し、直後に活性化細胞または断片の捕捉のために使用する。
活性化細胞またはこれに由来する(微小)粒子の捕捉
各ウェルに対し、上記のように再カルシウム化し、トロンビンおよび因子X a阻害剤を補充したPRP100μl若しくはPPP200μl試料、又はいずれかの細胞懸濁物若しくは対応する上清100μl、あるいはリポソーム100μlを添加した。室温で30分間インキュベートを続け、その後0.1M NaClおよび1mM CaCl2を含有する50mMトリス緩衝液,pH7.5、200μlで4回洗浄した。いくつかの対照実験において、PRPまたはPPPの代わりにリポソームを使用し、別の実験において、カルシウムの代わりに3mM EDTAを使用した。活性化細胞または断片を保有していると推測されるプレートを即時に使用して、プロトロンビナーゼ検定によってプロコアギュラントリン脂質の検出をした。
プロトロンビナーゼアッセイ
ホスファチジルセリン濃度がプロトロンビンのトロンビンへの活性化の直線的反応の律速パラメーターであることを確認するため、血液凝固因子濃度を測定した。どの場合も、総タンパク質基質の20%より少量が活性化型に変換された。測定は、120mM NaCl,2.7mM KCl,1.5mM CaCl2および3mg/mlアルブミンを含有し、pH7.5に調節した50mMトリス緩衝液中の、ストレプトアビジン−アネクシン−VBi被覆マイクロタイタープレート、96ウェル中で、最終容量150μlにおいて三つ組で実施した。
因子V(a)(50pM)およびCaCl2(1.5mM)の存在下での因子X a(10pM)によるプロトロンビン(2μM)の活性化を促進する作用力を通して、ホスファチジルセリンの存在を検出した。因子X aに対して因子Vを5倍過剰とすることによって、細胞に接着または細胞から放出された因子Vの結合相手の影響の可能性を最少にすることができる。インキュベートはいずれの場合も37℃において行い、血小板試料、細胞懸濁液および対応する上清については2時間、または対照リポソームについては15分続けた。
過剰のEDTA、すなわち最終濃度3mMでの添加によってプロトロンビンの活性化を停止させた。続いてトロンビンの色素原基質、S−2238またはChromozym THを最終濃度0.1mMで添加した。405nmで記録した直線的吸光度変化を、既知量のトロンビンで作成した標準曲線を参照することによって、産生されたトロンビン濃度に変換した。対照においては、因子X aまたはプロトロンビンのいずれか、または両方を除外した。
可溶性アネクシン−Vによるプロトロンビナーゼ活性の阻害アッセイを、凝固因子の直前に、相当する媒体に最終濃度1.5μMのこのリン脂質アンタゴニストを添加することによって実施した。この後者の変更の目的は、測定段階のトロンビンのリン脂質依存特性を確実にするためである。
実施例2
アネクシン−Vのビオチン化率の影響
実施例1のプロトロンビナーゼアッセイにおいて、ビオチンに対するタンパク質の異なるモル比が1/2〜1/20の範囲の各種について試験した。1/5〜1/10の比が、リン脂質結合容量、または不溶性化したときにリポソーム若しくは活性化細胞若しくはそれに由来する断片を保持する能力をほとんど失わず、最良の標識条件を与えた(図4参照)。この操作はアネクシン−Vの特性を変えることもなく、かなり再現性があった(アネクシン−VBiのストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートへの不溶性化、およびリポソームを使用したプロトロンビナーゼアッセイによるリン脂質捕捉容量の測定によって決定した)ので、アネクシン−Vが1分子あたり連結したビオチンの分子数を定量する試みは実施しなかった。
アネクシン−VBiおよびリン脂質濃度の影響
アネクシン−VBi濃度、およびビオチンに対するタンパク質の初期比率について、数種の条件を試験した。上記のように、ビオチンに対するタンパク質の比率を1/2〜1/20に変え、またアネクシン−VBi濃度範囲を50ng/ml〜1μg/mlとした。リン脂質をリポソームの形態で、濃度範囲0.03〜300μMで添加した。ビオチンに対するタンパク質の比率を1/5にしてアネクシン−Vをビオチン化し、不溶性化ストレプトアビジンとの複合体化のために400ng/mlを使用したときに、最良の組合せが達成された(図5)。これらの条件下では60μMリン脂質(図6)において飽和となり、これはリポソームが球形で平均直径が1,500Åと仮定した場合の最大表面充填にほぼ相当する。飽和において産生されたトロンビンは〜1nM/分であった。
実施例3
不溶性化アネクシン−VBiによる培養細胞またはこれに由来する断片の捕捉
不溶性化アネクシン−VBiの、外部表面に露出したホスファチジルセリンを有する細胞または脱離した断片を保持する能力をさらに確認するため、溶解させた血小板、またはイオノフォアによって活性化された細胞若しくは対応する上清を、上記のように、アネクシン−V含有ウェル中でインキュベートした。
初期濃度が15×107細胞数/mlで溶解させた血小板の上清を、60μMリン脂質を含有するリポソーム懸濁液と同一の条件下で飽和に到達することができるプロコアギュラントリン脂質の出発物とした。興味深いことに、15×106血小板/mlによって与えられるリン脂質濃度はおよそ130μM、すなわち最適リポソーム濃度の半分であることを強調しておく。しかし、リポソームにおけるホスファチジルセリンの割合は溶解血小板よりも少なくとも3倍多い。なぜならば、後者の場合、リン脂質の交錯反応が最大と考えられても10%(mol/mol)より大きくなることは期待できないからである(Zwaal R.F.A.ら、血小板および凝固:Zwaal R.F.A.ら、eds.,Blood coagulation.Amsterdam:Elsevier Science Publishers B.V.(1986),141−169)。このことは、誘導されるリン脂質依存性プロコアギュラント活性は厳格に(spartaneously)発現されたホスファチジルセリンを有するリポソームの活性よりも効果的であることを意味している。
プロトロンビナーゼアッセイにおいて10分間のインキュベートを2時間にすると、単球または上清について、リポソームで観察されたものと同一の飽和最大反応が得られた。これは〜85pM/分のトロンビン産生率に相当する。HEL若しくはMEG−01または対応する上清について測定した数値は〜4から5倍小さかった。単球、HELおよびMEG−01血漿におけるリン脂質の組成および分布は知られていないが、イオノフォア活性化した単球は、同一の濃度に調整したとき溶解血小板と同一のプロコアギュラント活性を表す一方、HELおよびMEG−01細胞は一貫してより低い活性しか保持しないと予想するのが妥当である。
実施例4
不溶性化したアネクシン−VBiによる循環活性化血小板または脱離微小粒子の捕捉および関連するプロトロンビナーゼ活性の測定
患者16人および対照被験者8人からの試料9点を調製後試験し、実施例1に記載したように希釈せずに使用した。プロトロンビナーゼ活性測定の結果を以下の表1に要約する。数値は3×108血小板/mlに標準化している。
実施例5
U937細胞由来のホスファチジルセリン含有アポトーシス体の測定
10%の熱不活性化ウシ胎児血清、1mMピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸、およびゲンタマイシンを5μg/ml補充した、Glutamax−Iを有するRPMI1640培地を使用し、37℃において加湿5%CO2雰囲気中で、U937細胞を培養した。細胞を普通に初期濃度1.105/mlでプレートにまいた。37℃において8〜24時間、U937細胞を40μM7βヒドロキシコレステロール、または5μg/mlアクチノマイシンDで処理することによって、アポトーシスを誘導させる。処理の6時間前に細胞を3〜4.105細胞/mlとなるように播種しなければならない。処理細胞を500gで7分間遠心分離することによって細胞上清を得て、CaCl2を最終濃度が10mMとなるように添加した後、上清200μl/ウェルを添加する。各実験について、7βヒドロキシコレステロールまたはアクチノマイシンDを含まない対照試験を実施しなければならず、また10%ウシ胎児血清を含む培地についても試験すべきである。10%ウシ胎児血清の微小粒子含有量は低かったことを強調する必要がある。これはおそらく殺菌限外濾過時に大部分の細胞断片が除去されるためと考えられる。プロトロンビナーゼ検定を使用して、捕捉された微小粒子の量を測定する。
ビオチン化アネクシン−V(AV−Bi)(実施例1参照)をTBS,1mM CaCl2,3g/l HSA中、400ng/mlに希釈した。ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレート(Boehringer Mannheim GmbH)に100μl/ウェルを添加し、室温で30分インキュベートした。TBS,1mM CaCl2での洗浄操作によって、過剰のAV−Biを除去した。上記の細胞上清およびCaCl210mMを200μl/ウェル添加して、30分インキュベートした。3回のTBS,1mM CaCl2での洗浄操作の後、プロトロンビナーゼ検定を実施した。
プロトロンビナーゼアッセイ:(TBS,1mM CaCl2,3g/l HSA中に希釈)
TBS,1mM CaCl2,3g/l HSA: 90μl/ウェル
因子V0.5nM(50nM,1/100希釈): 10μl/ウェル
因子II0.65mg/ml(F II1mg/ml,0.65mg/ml希釈): 20μl/ウェル
因子X a83pM(2.9μM,1/35000希釈): 20μl/ウェル
CaCl220mM(1M,1/50希釈): 10μl/ウェル
37℃において2時間インキュベート
EDTA Mg20mM(80mM,1/4希釈): 50μl/ウェル
Chromozym−TH1.52mM(3.8mM,1/2.5希釈):50μl/ウェル
反応速度論ソフトウェアを装備しているマイクロプレートリーダーを使用して、405nmにおける直線的吸光度変化を記録した。プロトロンビナーゼアッセイの結果を図7に示す。
プロトロンビナーゼ活性を、フローサイトメトリーによるDNA分析と関連させる(表2)。
この結果はホスファチジルセリンの露出がアポトーシスに関係することを示し、また細胞死の割合が、その結果生成する小胞の捕捉後のプロトロンビナーゼ検定によって、簡単に評価し得ることの証拠を提供している。
別の実験において、アポトーシス性細胞の起源を検出した。このため、上記のように溶解断片を産生させるために、低温処理したU937細胞を使用した。これらのアポトーシス性細胞断片は標的抗原としてCD11aを有している。上記のように細胞をSAプレート上でAV−Biによって捕捉し、市販のCD11aに対するPOD標識抗体によって検出した。この結果を図8に示す。この抗体によってこれらの細胞を検出することが可能であったので、これによって細胞の起源が検出された。
特異的ビオチン標識抗体を使用した、アポトーシス性U937細胞由来の微小粒子の捕捉
ビオチン化抗体(抗CD4または抗CD11a、Leinco Technology、TBS,1mM CaCl2,3g/l HSA中に1μg/mlに希釈)をストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートに添加し(100μl/ウェル)、室温で30分インキュベートした。TBSでの洗浄(3×250μl)によって、過剰のビオチン化抗体を除去した。上記のようにアポトーシスを誘導した後のU937細胞上清を添加し(200μl/ウェル)、室温で2時間インキュベートした。プレートをTBSで洗浄した(3×250μl)。
プロトロンビナーゼアッセイ:(TBS,1mM CaCl2,3g/l HSA中に希釈)
TBS,1mM CaCl2,3g/l HSA: 90μl/ウェル
因子V0.5nM(50nM,1/100希釈): 10μl/ウェル
因子II0.65mg/ml(F II1mg/ml,0.65mg/mlに希釈):20μl/ウェル
因子X a83pM(2.9μM,1/35000希釈): 20μl/ウェル
CaCl220mM(1M,1/50希釈): 10μl/ウェル
37℃において2時間インキュベート
EDTA−Mg2+20mM(80mM,1/4希釈): 50μl/ウェル
Chromozym−TH1.52mM(3.8mM,1/2.5希釈):50μl/ウェル
反応速度論ソフトウェアを装備しているマイクロプレートリーダーを使用して、405nmにおける直線的吸光度変化を記録した。
ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレート上に固定化したビオチン標識抗CD4または抗CD11aによって、アポトーシス性細胞由来の微小粒子を捕捉する。捕捉された微小粒子の量をプロトロンビナーゼ検定を使用して測定することができる。この結果を図9に示す。
この結果はU937細胞中にCD4よりもCD11a抗原の量が多い点と一致している。
実施例6
発作性夜間ヘモグロビン尿症患者の血漿中のプロコアギュラント微小粒子の検出
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は後天性幹細胞疾患であり、細胞表面補体阻害剤のCD55およびCD59を含む、糖脂質が組み込まれた膜タンパク質を、成熟血液細胞(45)の原形質膜から部分的にまたは完全に欠失するものである。これは活性化補体に対する赤血球の過敏症が原因となって、高溶血性をもたらす。臨床上の観点からは、PNHは溶血性貧血および高凝血傾向の特性を有し、しばしば血栓症に至る。この高凝血性は、溶血それ自体または血小板の欠陥もしくは過剰活性化に起因するものとされてきた。
この失病に潜在的に結びついている血栓症の危険を評価するためのシステムの効力を示すため、数人の患者からの血漿試料を試験した。
活性化細胞および/または微小粒子を、上記のようにSA被覆マイクロタイタープレート上のAV−Biに捕捉させた。結果を図10に示す。
患者の試料から発生したプロトロンビナーゼ活性は1人の患者の例を除いて、すべてが健康対象者からのものよりも高かった。これは、この特定の患者が最近輸血を受けており、分析の時にはCD55,CD58およびCD59に関して欠失した赤血球又は血小板が存在していなかったという事実によって説明することができる。他の患者はCD55,CD58およびCD59が検出されない赤血球または血小板を顕著な比率で有している。PNHと再生不良性貧血の関連性については、この2つの疾患が同一の病気の異なる症状であるかどうかという、なお未解決の論点が提起される。いずれにしろ、再生不良性貧血の患者の重大な割合が2次的にPNHクローンに発展する。
対照
上のすべての観察結果は、アネクシン−VBiによる活性化細胞はたはそれに由来する断片の捕捉の特異性に関して対照された。アネクシン−VBiによって保持された後、リポソームまたは活性化細胞若しくは脱離断片のいずれかは過剰のEDTAによって放出することができた。すなわち、この処理の後はプロトロンビナーゼ活性は検出されなかった。驚くべき知見は、このシステムの再利用可能性である。一度測定を実施した後、その捕捉能を回復するためには、カルシウムの代わりにEDTAを含有するトリス緩衝液で単純に洗浄するだけで十分である。
プロトロンビナーゼアッセイにおいて、因子X aまたはプロトロンビンのいずれかを除外すると、プロトロンビナーゼ活性は検出されず、因子Vが不在の場合は微量の活性のみが観察された。アネクシン−VBiは0℃以下で保存すると数週間安定である。
実施例7
リン脂質結合性抗体(APL)およびアネクシンII結合性抗体(AA II)の検出
ホスファチジルセリンは循環する膜の破片の除去をもたらす、細網内皮認識の決定因子であると考えられている(Allen T.,Willimason.& Schlegel R.A.、赤血球表面のリポソームモデルの細網内皮認識の決定因子としてのホスファチジルセリン、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1988,85,8067−8071)。しかし、細胞膜の損傷が継続する場合は、細網内皮システムでは対抗できず、過剰のアニオン性リン脂質が凝固反応を積極的に進めることが想像される。こうした状況下では、隔離されていたリン脂質の放出が血栓症に関係する抗リン脂質症候群の開始点となり得る(McNeil H.P.,Chesterman C.N.& Krilis S.A.,抗リン脂質抗体の免疫学および臨床上の重要性、Adv.Immunol.,1991,49,193−280)。APLの存在は血栓症、血小板減少症および流産の危険の増大に関連し、したがってその検出が最も重要なものとなる。
リン脂質結合性抗体の検出に使用するリン脂質小胞の調製
Card/PC/Chol/PE−Bl2.7/10.5/4/1(mol)1mM
ウシ心臓のカルジオリピン(Card)、5mg/ml、エタノール溶液
MW:1500g/mol
ウシ脳のL−α−ホスファチジルコリン(PC)、10mg/ml、クロロホルム溶液
MW:778g/mol
ブタ肝臓のコレステロール(Chol)、40mg/ml、クロロホルム溶液
MW:386mg/mol
N−(6−(ビオチノイル)アミノ)ヘキサノイル)ジパルミトイル−L−α−ホスファチジルエタノールアミン(PE−BI)、5mg/ml、クロロホルム溶液
MW:1132g/mol
緩衝液A(界面活性剤を含まない)
(トリス塩酸9.52g,トリス塩基1.77g,NaCl13.2g,NaN310%3mlをH2Oで1.5lにする)
トリス50mM
NaCl150mM
NaN30.02%(w/v)
pH7.5
緩衝液B(界面活性剤を含む)
n−オクチルβ−D−グルコピラノシド2%(w/v):緩衝液A5ml中0.1g
(BM,Ref:737062)
操作
Card33.3μlを氷上でPC33.3μl,Chol1.6μlおよびPE−BI9.2μlと混合し、室温で窒素流下で蒸発させ、緩衝液B500μl中に再懸濁させ、緩衝液A3×500mlに対して4℃で18〜24時間透析し、そして4℃で保存した(1ヵ月以内)
リン脂質結合性抗体の検出
Card/PE−BI小胞1mMをTBS,1mM CaCl2,3g/l HSA中に1/150に希釈した。ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートに100μl/ウェルを添加し、4℃で30分インキュベートし、TBS,1mM CaCl2(4×200μl/ウェル)で洗浄し、TBS,1mM CaCl2中10%ウシ血清(v/v)(100μl/ウェル)を用いて4℃で30分インキュベートすることによって中和した。
ウェルをTBS,1mM CaCl2(3×200μl/ウェル)で洗浄し、TBS,1mM CaCl2、10%ウシ血清(v/v)中に1/100(強陽性の場合はそれ以上)に希釈した血清試料を添加し(50μl/ウェル)、4℃で2時間インキュベートし、TBS,1mM CaCl2(3×200μl/ウェル)で洗浄し、TBS,1mM CaCl2、10%ウシ血清(v/v)中に1/1000に希釈したGAHu/IgG(H+L)HRPOを添加し(50μl/ウェル)、4℃で1時間インキュベートし、TBS,1mM CaCl2(3×200μl/ウェル)で洗浄した。OPDを0.4mg/mlとなるように添加し(50μl/ウェル)、室温で4.5分インキュベートし、H2SO46Nを添加した(50μl/ウェル)。492nmでの吸光度を読み取った。
アネクシン−II結合性抗体の検出に使用するリン脂質小胞の調製
PS/PC/PE−Bi25/74/1(mol)3mM
ウシ脳のL−α−ホスファチジル−L−セリン(PS)、10mg/ml、クロロホルム溶液
MW:780g/mol
ウシ脳のL−α−ホスファチジルコリン(PC)、10mg/ml、クロロホルム溶液
MW:778g/mol
N−(6−(ビオチノイル)アミノ)ヘキサノイル)ジパルミトイル−L−α−ホスファチジルエタノールアミン(PE−Bi)、5mg/ml、クロロホルム溶液
MW:1132g/mol
緩衝液A(界面活性剤を含まない)
(トリス塩酸9.52g,トリス塩基1.77g,NaCl13.2g,NaN310%3mlをH2Oで1.5lにする)
トリス50mM
NaCl150mM
NaN30.02%(w/v)
pH7.5
緩衝液B(界面活性剤を含む)
n−オクチルβ−D−グルコピラノシド2%(w/v):緩衝液A5ml中0.1g
(BM,Ref:737062)
操作
PS100μlを融解氷上でPC300μl,およびPE−Bi12μlと混合し、室温で窒素流下で蒸発させ、緩衝液B1700μl中に再懸濁させ、緩衝液A3×500mlに対して4℃で18〜24時間透析した。
アネクシン−II結合性抗体の検出
PS/PC/PE−Bi小胞25/74/1(mol)3mMをTBS,1mM CaCl2,3g/l HSA中、1/400に希釈した。ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートに100μl/ウェルを添加し、4℃で30分インキュベートし、TBS,1mM CaCl2(4×200μl/ウェル)で洗浄した。TBS,1mM CaCl2,10%ウシ血清(v/v)中、10μg/mlに希釈したアネクシン−IIを添加し(100μl/ウェル)、4℃で30分インキュベートし、TBS,1mM CaCl2(3×200μl/ウェル)で洗浄した。TBS,1mM CaCl2、10%ウシ血清(v/v)中に1/100(または強陽性の場合はそれ以上)に希釈した血清試料を添加し(50μl/ウェル)、4℃で2時間インキュベートし、TBS,1mM CaCl2(3×200μl/ウェル)で洗浄した。TBS,1mM CaCl2、10%ウシ血清(v/v)中に1/1000に希釈したGAHu/IgG(H+L)/HRPOヤギ抗ヒト/IgG(H+L)/西洋ワサビペルオキシダーゼ0.7mg/mlを添加し(50μl/ウェル)、4℃で1時間インキュベートし、TBS,1mM CaCl2(3×200μl/ウェル)で洗浄した。OPD:o−フェニレンジアミンジヒドロクロライド(Sigma,Ref:P9187)を0.4mg/mlとなるように添加し(50μl/ウェル)、室温で5分インキュベートし、H2SO46Nを添加し(50μl/ウェル)、492nmでの吸光度を読み取った。
本発明のAPLおよびAA IIアッセイと従来方法との比較
APLを検出する固相イムノアッセイの大部分は、抗原としてポリスチレンに被覆されたカルジオリピンを使用する。プレートに被覆されたこれらの脂質は単層フィルム体制を採用する。本発明のアッセイにおいては、各種組成の六面体または二重層のリン脂質が使用される。これらは、例えばビオチン/ストレプトアビジン相互作用を介して固体支持体に堅固にかつ再現性を有して結合される(図11参照)。これは、APLの性質および多様性、そして考えられる臨床上の関連性を研究するために、確実に有利である。固相アッセイにおいて二重層または六面体を使用する最大の理由は、これらの体制モデルが膜および脱離断片の構造にずっと近似していることである。
現状の方法(フローサイトメトリーおよびCardiolisaアッセイ(Biomedical Diagnostics,France))に従って陽性と判断された10の試料を、APLおよびAA IIアッセイにおいて試験した。結果を表3に示す。
陽性10試料のすべてがAPLアッセイにおいて陽性であった。患者試料LAおよびBEがAA II検出アッセイにおいて陽性であった。AA IIアッセイにおいては、アネクシンIIとリン脂質との複合体に対する抗体が検出されることになる。
Claims (28)
- (a)循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を含有する試料と、固相に直接または間接的に結合した、該微小粒子およびプロコアギュラント細胞上に露出した化合物に対する特異的受容体とを、固相に結合した受容体と微小粒子および/またはプロコアギュラント細胞との複合体を形成する条件下で混合し、
(b)液相から固相を分離し、
(c)固相上の、または固相から分離した後の微小粒子および/またはプロコアギュラント細胞の量を適当な方法によって測定する、
ことを含む、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の測定方法。 - ステップ(a)の特異的受容体がアネクシンVである、請求項1記載の方法。
- ステップ(a)においてカルシウムイオンを添加する、請求項2記載の方法。
- 特異的受容体が特異的結合対を介して固相に結合しているものであって、該特異的結合対は第1および第2の結合対相手(bpm)を含み、第1のbpmが固相に結合し、第2のbpmが特異的受容体に結合している、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
- ステップ(c)において、プロトロンビン(因子II)のトロンビン(因子II a)への活性化を検出することによって、微小粒子および/またはプロコアギュラント細胞の量を測定する、請求項1記載の方法。
- ステップ(a)において、トロンビンおよび/または因子X aの阻害剤が存在する、請求項5記載の方法。
- 微小粒子および/またはプロコアギュラント細胞と因子V、因子X a、プロトロンビン(因子II)およびカルシウムイオンを含む試薬とを適当な時間混合し、カルシウムイオンの錯体形成によって反応を停止させ、色素原基質を加水分解する能力によりトロンビンを測定することによって、プロトロンビンのトロンビンへの活性化を検出する、請求項5または6記載の方法。
- (a)循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を含有する試料と、該循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞上に露出した化合物に対する少なくとも2価の特異的受容体とを、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞と受容体との複合体を形成する条件下で混合し、
(b)微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の量を比濁または濁度測定法によって測定する、
ことを含む、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の測定方法。 - (a)循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を含有する試料と、固相上を被覆している、該循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞上に露出した化合物に対する特異的受容体とを、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞と受容体との複合体を形成する条件下で混合し、
(b)微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の量を測定する、
ことを含む、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の測定方法。 - 特異的受容体がアネクシン−V被覆粒子である、請求項9記載の方法。
- 受容体被覆粒子が、ビオチン化受容体が結合しているアビジンまたはストレプトアビジン被覆粒子である、請求項9記載の方法。
- (a)特定のカテゴリーまたはサブグループの循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を含有する試料と、固相に直接または間接的に結合した、該微小粒子および刺激されたプロコアギュラント細胞上に露出した化合物に対する特異的受容体1とを、固相に結合した受容体1と微小粒子または刺激されたプロコアギュラント細胞との複合体を形成する条件下で混合し、
(b)場合によっては液相から固相を分離し、
(c)該特定のカテゴリーまたはサブグループの微小粒子および刺激されたプロコアギュラントのマーカーに対して特異的な受容体2を該微小粒子および/またはプロコアギュラント細胞に結合させ、
(d)受容体1と、微小粒子または刺激されたプロコアギュラント細胞および受容体2の複合体を適当な方法によって測定する、
ことを含む。特定のカテゴリーまたはサブグループの循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の測定方法。 - ステップ(a)および(c)を同時に実施する、請求項12記載の方法。
- 受容体2がGP I b,GP IX,GP II b/III a、トロンボスポンジンなどの血小板のマーカー、またはトロンボモジュリンなどの内皮細胞のマーカー、またはCD14などの単球のマーカーに対する抗体である、請求項12または13記載の方法。
- (a)特定のカテゴリーまたはサブグループの循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞を含有する試料と、固相に直接または間接的に結合した、該循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞上に露出したサブグループに特異的な化合物に対する受容体とを混合し、
(b)該受容体への循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の結合を測定する、
ことを含む、特定のカテゴリーまたはサブグループの循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の測定方法。 - 固相がラテックス粒子などの粒子であり、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の該受容体への結合の測定を該粒子の凝集を測定することによって実施する、請求項15記載の方法。
- ステップ(a)の後に、液相から固相を分離する、請求項15記載の方法。
- ステップ(b)において、プロトロンビン(因子II)のトロンビン(因子II a)への活性化を検出することによって、結合を測定する、請求項17記載の方法。
- (a)血液試料と、微小粒子および/またはプロコアギュラント細胞または合成リン脂質含有リポソームとを、該血液試料中に存在するリン脂質結合性抗体が該微小粒子または刺激されたプロコアギュラント細胞または合成リン脂質含有リポソームに結合する条件下で混合し、
(b)リン脂質結合性抗体の結合を適当な方法で測定する、
ことを含む、試料中のリン脂質結合性抗体の測定方法。 - ステップ(b)において、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞または合成リン脂質含有リポソームの沈殿を測定することによって、抗体を測定する、請求項19記載の方法。
- 循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞または合成リン脂質含有リポソームが固相に結合している、請求項19記載の方法。
- ビオチン化された循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞または合成リン脂質含有リポソームがストレプトアビジンまたはアビジンを被覆した固相に結合している、請求項21記載の方法。
- 循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞または合成リン脂質含有リポソームがビオチン化ホスファチジルエタノールアミンまたはビオチン化ホスファチジルコリンを添加することによってビオチン化される、請求項22記載の方法。
- 合成リン脂質含有リポソームがビオチン化ホスファチジルエタノールアミンおよび/またはビオチン化ホスファチジルコリンの存在下で該リポソームを製造することによってビオチン化される、請求項22記載の方法。
- 循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞または合成リン脂質含有リポソームがアネクシン−Vを被覆した固相に結合している、請求項21記載の方法。
- 循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞または合成リン脂質含有リポソームがさらにタンパク質、例えばβ2−糖タンパク質1、プロトロンビン、タンパク質Sまたはタンパク質Cを含有する、請求項19〜25のいずれか1つに記載の方法。
- 固相に結合した、微小粒子およびプロコアギュラント細胞上に露出した化合物に対する特異的受容体、
および該特異的受容体の該微小粒子およびプロコアギュラント細胞への結合量を測定するために必要な別の化合物、
を含む、循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の測定用試験キット。 - 特定のカテゴリーまたはサブグループの微小粒子および刺激されたプロコアギュラント細胞のマーカーに対して特異的であり、固相に結合した受容体、
および該受容体の該微小粒子およびプロコアギュラント細胞への結合量を測定するために必要な別の化合物、
を含む、特定のカテゴリーまたはサブグループの循環微小粒子および/または刺激されたプロコアギュラント細胞の測定用試験キット。
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