JP3574449B2 - チャネル状態情報を用いたデータエラー訂正装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チャネル状態情報を用いてデータのエラーを訂正するデータエラー訂正装置に関し、より詳しくは、多重チャネルを通じて伝送されたI信号及びQ信号を含むデータの伝送上の歪みを補償するために、受信したデータからチャネル状態情報を抽出する等化器で等化したデータのエラーを訂正するデータエラー訂正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル放送を具現するための放送信号の伝送方式としては、残留側波帯(Vestigial Sideband:VSB)変調方式及びコード直交周波数分割多重(Coded Orthogonal Frequency Division Multiplexing:COFDM)変調方式がある。残留側波帯変調方式は、単一搬送波を用いて放送信号を伝送する放送信号伝送のための変調方式である。コード直交周波数分割多重変調方式は、放送信号を多重分割して多重伝送チャネルを通じて伝送する放送信号伝送のための変調方式である。現在、残留側波帯変調方式は、韓国、米国などで採択している米州向けのデジタル放送伝送方式であり、コード直交周波数分割多重変調方式は、ヨーロッパ向けのデジタル放送伝送方式である。
【0003】
送信機から送出された放送信号は、伝送チャネルを通る時、ホワイトガウシアンノイズ、多重チャネル環境による伝送経路の変化、及び衝撃ノイズの影響を受ける。かかる影響を受けつつ伝送される放送信号のエラーを抑えるために、送信機では、送出した放送信号に対してチャネル符号化を行う。また、かかる影響により発生する放送信号のエラーを訂正するために放送信号を受信する受信機では、放送信号に対するエラー訂正符号化(Error Correcting Coding:ECC)を行う。レイリーフェージングチャネル上で伝送された放送信号を受信した受信機は、その受信した放送信号及びパイロット信号を用いてチャネルを同期化する過程で得たチャネル状態情報(Channel State Information:CSI)を抽出し、これを、ビットインターリーブされたトレリスデコーダに用いる。これにより、より性能の良いビットエラー率(Bit Error Rate:BER)を得ることができる。チャネル状態情報をトレリスデコーダで用いるためには、シンボルディインターリーバ及びビットディインターリーバで受信信号情報及びチャネル状態情報をディインターリーブする必要がある。
【0004】
図1は、ビット及びシンボルに対するインターリーブを行う放送信号送信機の一部を概略的に示すブロック図である。放送信号受信機は、コンボリューショナルエンコーダ11と、ビットインターリーバ13と、シンボルインターリーバ15、及び変調部17とを有する。以下の説明では、放送信号をデータと称する。
【0005】
コンボリューショナルエンコーダ11では、伝送チャネル上のエラーを訂正するために、伝送すべきデータに対してコンボリューション符号化を行う。ビットインターリーバ13及びシンボルインターリーバ15では、フェージングのようなチャネル上のノイズの影響を考慮し、データを分散するためにそれぞれシンボルインターリーブ及びビットインターリーブを行う。変調部17では、シンボルインターリーバ15から出力されたデータをシンボル単位でマッピングし、変調する。これにより、変調済みのデータは、チャネルを通じて受信機に伝送される。
【0006】
図2は、チャネル状態情報を用いて放送信号を復号する従来の放送信号受信機の例を示すブロック図である。同図における放送信号受信機は、復調部21と、等化部23と、シンボルディインターリーバ25と、ビットディインターリーバ27、及びトレリスデコーダ29とを有する。
【0007】
復調部21では、受信したデータをデジタル信号に変換し、送信機のデータに対する変調を逆に行うことでデジタル信号に変換されたデータをシンボル単位で復調する。等化部23では、復調されたシンボルに対して伝送上の歪みを補償する。この時、等化部23では、シンボルに含まれているパイロットからチャネル状態情報Cを抽出してデータの歪みを補償する。シンボルディインターリーバ25では、等化部から出力されたシンボルデータDに対しディインターリーブを行い、ディインターリーブされたシンボルデータDをビット単位で軟判定(soft decision;以下では、ソフトデシジョンと称する)を行う。ビットディインターリーバ27では、ソフトデシジョンされたシンボルデータDに対応する各ビット別にディインターリーブする。トレリスデコーダ29では、等化部23で抽出したチャネル状態情報Cを用いてビットディインターリーバ27でディインターリーブされたビットデータのエラー訂正を行い、受信したデータを復号する。
【0008】
ところが、従来の放送信号受信機では、シンボルディインターリーブ及びビットディインターリーブが行われていないチャネル状態情報Cをもってディインターリーブされたデータを元の信号に復号するので、チャネル状態情報Cがディインターリーブによりそれぞれ分散したビットデータの一部のビットに対してのみ用いられるという問題がある。これにより、従来の放送信号受信機では、データに対するディインターリーブによる信号の復号の効果を得ることができず、その結果、トレリスデコーダ29の性能が劣化するという問題がある。
【0009】
図3は、チャネル状態情報を用いて放送信号を復号する従来の放送信号受信機の他の例を示すブロック図である。同図における放送信号受信機は、復調部31と、等化部33と、シンボルディインターリーバ35と、ビットディインターリーバ37、及びトレリスデコーダ39とを有する。
【0010】
復調部31では、図2の復調部21と同様の機能を行う。等化部33では、シンボルデータに含まれているパイロットからチャネル状態情報Cを抽出してシンボルデータの伝送上の歪みを補償する。シンボルディインターリーバ35では、等化部33から出力された歪み補償済みのシンボルデータDを性状度に応じてビット別に分割してビット単位でソフトデシジョンを行い、入力されたチャネル状態情報Cを加重してビット別チャネル状態情報が加重されたソフトデシジョンを行う。ビットディインターリーバ37では、チャネル状態情報Cが加重されビット別ソフトデシジョンされたデータを各ビット別にディインターリーブする。トレリスデコーダ39では、ディインターリーブされたチャネル状態情報Cを用いてビットディインターリーバ37でディインターリーバされたビットデータのエラー訂正を行い、受信したデータを復号する。
【0011】
ところが、かかる放送信号受信機におけるチャネル状態情報Cは、シンボルディインターリーバ35及びビットディインターリーバ37でそれぞれシンボルディインターリーブ及びビットでディインターリーブが行われることにより、元の信号への復号性能を高めることができる。しかし、従来のビットディインターリーバ37は、チャネル状態情報の各ビット別にビットディインターリーブを行うため、ハードウェア的にその構成が複雑となり、また製品コストの上昇及び体積が大きくなるという問題点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のデータエラー訂正装置に関する上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、データに対するディインターリーブを行う時、チャネル状態情報を考慮してディインターリーブを行うことにより、元の信号への復号性能を向上させることができるデータエラー訂正装置を提供することである。
【0013】
本発明のまた他の目的は、ハードウェア的に構成が複雑でなく、且つチャネル状態情報を考慮して受信したデータに対するディインターリーブを行うことにより、元の信号への復号性能を向上させることができるデータエラー訂正装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記のような目的は、本発明による、多重チャネルを通じて伝送されたIシンボル及びQシンボルを含むデータの伝送上の歪みを補償するために前記データからチャネル状態情報を抽出する等化器で等化したIシンボル及びQシンボルのエラーを訂正するデータエラー訂正装置において、等化器で等化したIシンボルとQシンボルに対しビット別に性状度をそれぞれ分割してソフトデシジョンを行い、ソフトデシジョンが行われたIシンボルとQシンボルに対しチャネル状態情報に係わる加重値を付加するソフト判定部と、ビット別にソフトデシジョンされ加重値が付加されたIシンボルとQシンボルを含むデータをディインターリーブするビットディインターリーバ;及びビットディインターリーバでディインターリーブされたデータからエラーを訂正して元の信号に復号するトレリスデコーダと、を含むデータエラー訂正装置により達成される。
【0015】
好ましくは、ソフト判定部は、IシンボルとQシンボルを各ビット別にソフト設定を行うソフト設定部と、チャネル状態情報に対し所定の重みを付加して加重値を算出する重み付加部、及びソフト設定部でソフト設定が行われたIシンボルとQシンボルに対しそれぞれ加重値を加算する加算部と、を有する。
【0016】
また、トレリスデコーダは、ビットディインターリーバでディインターリーブされた前記データを入力順に格納し、格納されたデータを順次にBMG部に出力するバッファ部と、ビットディインターリーバでディインターリーブされたデータと状態遷移度により生成された基準データとの差値である枝メトリックを算出するBMG部と、状態遷移度の各状態に対し枝メトリックと経路メトリックとの和の値と枝メトリックのうちの生存経路及びこの生存経路に対応する判定ビット情報を選択するACS部、及び生存経路及び判定ビット情報に基づき、逆追跡を行って元の信号に復号するTB部と、を有することが好ましい。
【0017】
一方、前記のような目的は、本発明による、受信したデータをデジタル信号に変換し、この変換されたデータを復調する復調部と、復調されたデータのIシンボル及びQシンボルのそれぞれのチャネル状態情報を抽出し、Iシンボル及び前記Qシンボルを等化する等化部と、チャネル状態情報及び等化したIシンボル及びQシンボルをシンボル単位でそれぞれディインターリーブするシンボルディインターリーバと、シンボル単位でディインターリーブされたIシンボルとQシンボルに対しソフトデシジョンを行い、ソフトデシジョンが行われたIシンボルとQシンボルに対しチャネル状態情報の加重値をそれぞれ加算するソフト判定部と、加重値が加算されたIシンボルとQシンボルを含むデータをディインターリーブするディインターリーバ、及びディインターリーブされたデータからエラーを訂正して元の信号に復号するトレリスデコーダと、を含むエラー訂正装置が適用されたデータ受信機により達成される。
【0018】
好ましくは、ソフト判定部は、シンボルディインターリーバでディインターリーブされたIシンボルとQシンボルを各ビット別にソフト設定を行うソフト設定部と、シンボルディインターリーバでディインターリーブされたチャネル状態情報に対し所定の重みを付加して加重値を算出する重み付加部、及びソフト設定部でソフト設定が行われたIシンボルとQシンボルに対しそれぞれ加重値を加算する加算部と、を有する。
【0019】
また、トレリスデコーダは、ビットディインターリーバでディインターリーブされたデータを入力順に格納し、格納されたデータを順次にBMG部に出力するバッファ部と、ビットディインターリーバでディインターリーブされたデータと状態遷移度により生成された基準データとの差値である枝メトリックを算出するBMG部と、状態遷移度の各状態に対し枝メトリックと経路メトリックとの和の値と枝メトリックのうちの生存経路及びこの生存経路に対応する判定ビット情報を選択するACS部、及び生存経路及び判定ビット情報を格納し、格納された生存経路及び判定ビット情報に基づき、逆追跡を行って元の信号に復号するTB部と、を有することが好ましい。
【0020】
一方、前記のような目的は、本発明による、a)等化器で等化したIシンボルとQシンボル及びチャネル状態情報をIシンボルとQシンボルに対するソフトデシジョンを行い、ソフトデシジョンが行われたIシンボルとQシンボルに対しチャネル状態情報に係わる加重値をそれぞれ付加するステップと、b)加重値が付加されたIシンボルとQシンボルを含むデータをビット単位でディインターリーブするステップ、及びc)ビット単位でディインターリーブされたデータからエラーを訂正して元の信号に復号するステップと;を含むデータエラー訂正方法により達成される。
【0021】
好ましくは、a)ステップは、ディインターリーブされたIシンボルとQシンボルを各ビット別にソフト設定を行うステップと、ディインターリーブされたチャネル状態情報に対し所定の重みを付加して加重値を算出するステップ、及びソフト設定ステップでソフト設定が行われたIシンボルとQシンボルに対しそれぞれ加重値を加算するステップと、を含む。
【0022】
好ましくは、cステップは、ディインターリーブされたデータを入力順に格納し、格納されたデータを順次に出力するステップと、ディインターリーブされたデータと状態遷移度により生成された基準データとの差値である枝メトリックを算出するステップと、状態遷移度の各状態に対し枝メトリックと経路メトリックを累積して算出した値と枝メトリックとを比較し、生存経路及びこの生存経路に対応する判定ビット情報を選択するステップ、及び生存経路及び判定ビット情報に基づき、逆追跡を行って元の信号に復号するステップと、を含む。
【0023】
本発明によると、ソフト判定部でIシンボル及びQシンボルに対するソフトデシジョンの遂行及びソフトデシジョンが行われたIシンボルとQシンボルに対応するデータに対しチャネル状態情報の加重値を付加したデータをビットインターリーバでビット単位でインターリーブすることにより、ビットインターリーバのインターリーブによる信号処理の負担を軽減することができ、トレリスデコーダにおけるエラー訂正による元の信号への復号性能を高めることができる。
【0024】
また、ソフト判定部でチャネル状態情報を考慮したデータに対するソフトデシジョンを行うことにより、ビットインターリーバがチャネル状態情報に対し別途のインターリーブを行う必要がないため、製品のハードウェア的な構成が簡単になり、その結果、生産にかかるコストを節減することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら、本発明にかかるデータエラー訂正装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図4は、本発明の好適な実施の形態に係るチャネル状態情報を用いてデータのエラー訂正を行う放送信号受信機を示すブロック図である。同図に示すように、放送信号受信機は、復調部100、等化部200、シンボルディインターリーバ300、ソフト判定部400、ビットディインターリーバ500、及びトレリスデコーダ600を有する。
【0026】
復調部100では、受信したデータをデジタル信号に変換し、送信機のデータに対する変調を逆に行うことでデジタル信号に変換されたデータをシンボル単位で復調する。等化部200では、シンボル単位で復調されたシンボルデータに対し、伝送上の歪みを補償する。この時、等化部200では、パイロット信号を用いてシンボルデータのチャネル状態情報Cを抽出し、シンボルデータのI(Inphase)信号及びQ(Quadrature)信号の伝送歪みを補償する。シンボルディインターリーバ300では、等化部200で等化したI信号及びQ信号に対応するIシンボルとQシンボル、及び等化部200で抽出したチャネル状態情報Cをそれぞれシンボル単位でディインターリーブを行う。
【0027】
ソフト判定部400では、シンボルディインターリーバ300でディインターリーブされたI信号及びQ信号をビット単位でソフトデシジョンを行う。また、ソフト判定部400では、ソフトデシジョンを通じて得られたデータにシンボルディインターリーバ300でディインターリーブされたチャネル状態情報Cに対応する加重値を付加する。ビットディインターリーバ500では、ソフト判定部400で加重値が付加されたデータに対しビット単位でディインターリーブを行う。トレリスデコーダ600では、ビットディインターリーバ500でディインターリーブされたデータからエラーを訂正し、元の信号に復号する。
【0028】
従って、ソフト判定部400でIシンボル及びQシンボルに対するソフトデシジョンの遂行、及びソフトデシジョンが行われたIシンボルとQシンボルに対応するデータにチャネル状態情報Cに対応する加重値を付加したデータをビットディインターリーバ500でビット単位でディインターリーブを行うことにより、トレリスデコーダ600におけるデータに対する元の信号への復号性能を高めることができる。
【0029】
図5は、図4のソフト判定部400の詳細を示すブロック図である。ソフト判定部400は、ソフト設定部420、重み付加部440、及び加算部460を有する。
ソフト設定部420では、シンボルディインターリーバ300から出力されたIシンボル及びQシンボルを各ビット別にソフト設定を行う。好ましくは、ソフト設定部420は、Iシンボル及びQシンボルの各ビット単位に対応する複数のビットソフト設定部を有する。同図に示すように、Iシンボル及びQシンボルが4ビット単位である場合、ソフト設定部420が4つの第1、第2、第3、第4のビットソフト設定部422、424、426、428を有することが分かる。
【0030】
重み付加部440では、シンボルディインターリーバ300でディインターリーブされたチャネル状態情報Cに対し設定された重みnを加算して加重値を算出する。加算部460では、ソフト設定部420でソフト設定されたIシンボル及びQシンボルに対し重み付加部440で算出された加重値を付加する。同図に示すように、加算部460は、4ビット単位のI信号及びQ信号のそれぞれに対し加重値が付加されるように、4つの第1、第2、第3、第4のビットソフト設定部422、424、426、428に対応する4つの第1、第2、第3、第4の加算器462、464、466、468を有する。
【0031】
従って、ソフト判定部400でソフト設定されたIシンボル及びQシンボルに対しチャネル状態情報Cに対応する加重値が付加されたディインターリーブを行うことにより、ビットディインターリーバ500のディインターリーブによる信号処理の負担を軽減することができる。
【0032】
図6A、図6B、図6C及び図6Dは、図5のソフト判定部400のソフトデシジョンによりIシンボル及びQシンボルの各ビットに対する性状度を示す図である。ソフト判定部400は、チャネル状態情報Cを用いてマッピングされたIシンボル及びQシンボルの各ビットに対応する領域を割り当てる。これにより、ソフト判定部400は、Iシンボル及びQシンボルの各ビット別に“0”及び“1”にグループを設定してそれぞれグループ化し、これを各領域に分割する。
【0033】
図6Aでは、シンボルの第1番目のビットに対して実線及び点線を用いて“0”及び“1”に分離しグループ化した状態を示している。図6Bでは、シンボルの2番目のビットに対して実線及び点線を用いて“0”及び“1”に分離しグループ化した状態を示している。図6Cでは、シンボルの第3番目のビットに対して実線及び点線を用いて“0”及び“1”に分離しグループ化した状態を示している。図6Dでは、シンボルの4番目のビットに対して実線及び点線を用いて“0”及び“1”に分離しグループ化した状態を示している。
【0034】
図7は、図4のトレリスデコーダ600の詳細を示すブロック図である。トレリスデコーダ600は、バッファ620、BMG部640、ACS(Add−Compare−Select)部660、及びTB(Trace Back)部680を有する。
【0035】
バッファ620では、ビットディインターリーバ500から出力されたデータを入力順に格納し、格納されたデータを順次にBMG部640に出力する。BMG部640では、バッファ620から出力されたデータと状態遷移度により生成された基準データとの差値である枝メトリックを算出する。
【0036】
ACS部660では、基準データの状態遷移度による各状態に対し、枝メトリックと経路メトリックを加算する。また、ACS部660では、枝メトリックと加算された経路メトリックとを比較して小さい値を選択する。この時、選択された値は、当該シンボルに対する生存経路を示す。ACS部660では、生存経路の選択と共に選択された生存経路に対応する判定ビット情報を選択する。
【0037】
TB部680では、ACS部660で選択された生存経路及び判定ビット情報を格納する。また、TB部680では、格納されている生存経路及び判定ビット情報に基づき、逆追跡を行って元の信号に復号する。
【0038】
従って、トレリスデコーダ600でチャネル状態情報の加重値が付加されたデータをビットディインターリーブすることで得られた値を元の信号に復号することにより、元の信号への復号性能を向上させることができる。
【0039】
図8は、本発明によるデータエラー訂正装置を用いたデータエラー訂正方法の好適な実施の形態を示すフローチャートである。先ず、シンボルディインターリーバ300では、等化部200から提供されたチャネル状態情報C及び等化したIシンボルとQシンボルをそれぞれシンボル単位でディインターリーブを行う(S100)。ソフト判定部400では、シンボルディインターリーバ300でディインターリーブされたIシンボルとQシンボルを各ビット別にソフトデシジョンを行う(S200)。また、ソフト判定部400では、チャネル状態情報Cに対し設定された重みを付加して加重値を算出し、算出された加重値をソフトデシジョンされたIシンボルとQシンボルに対しそれぞれ加算する。
【0040】
ビットディインターリーバ500では、ソフト判定部400で加重値が付加されたIシンボルとQシンボルをビット単位でディインターリーブする(S300)。トレリスデコーダ600では、ビット単位でディインターリーブされたIシンボルとQシンボルに対応するビットデータのエラーを訂正して元の信号に復号する(S400)。
【0041】
従って、トレリスデコーダ600でチャネル状態情報Cを考慮したビットデータを通じてエラーを訂正し、元の信号に復号することにより、エラー訂正による元の信号への復号性能を向上させることができる。
【0042】
図9は、図8のソフトデシジョンステップ(S200)の詳細を示すフローチャートである。先ず、ソフト設定部420では、シンボルディインターリーバ300でディインターリーブされたIシンボルとQシンボルを各ビット単位別にソフト設定を行う(S220)。一方、重み付加部440では、シンボルディインターリーバ300でディインターリーブされたチャネル状態情報Cに対し設定された重みnを付加して加重値を算出する(S240)。これにより、加算部460では、ソフト設定部420でソフト設定されたIシンボルとQシンボルに対しそれぞれ重み付加部440で算出した加重値を加算する(S260)。従って、本実施の形態のソフト判定部400では、ディインターリーブされたIシンボルとQシンボルに対しチャネル状態情報Cを考慮したディインターリーブを行うことができる。
【0043】
図10は、図8における元の信号への復号ステップ(S400)の詳細を示すフローチャートである。先ず、バッファ620では、ビットディインターリーバ500から出力されたビットデータを入力順に格納する(S420)。また、バッファ620では、入力順に格納されたビットデータを順次にBMG部640に出力する。BMG部640では、バッファ620から順次に出力されたビットデータと状態遷移度により生成された基準データとの差値である枝メトリックBMを算出する(S440)。
【0044】
一方、ACS部660では、BMG部640で算出した枝メトリックBMと経路メトリックPMとを累積し格納する(S460)。また、ACS部660では、枝メトリックBMと経路メトリックPMとが累積された値と新たに入力される枝メトリックBMの値とを比較し、小さい値を生存経路と選択する。また、ACS部660では、選択された生存経路に対応する判定ビット情報を選択してTB部680に提供する。TB部680では、ACS部660で選択された生存経路及び判定ビット情報を格納し、所定の時間が経過した後、格納されている生存経路及び判定ビット情報に基づき、逆追跡を行って元の信号に復号する(S480)。
【0045】
従って、トレリスデコーダ600では、チャネル状態情報を考慮したビットデータに対する生存経路及び判定ビット情報に基づき、逆追跡を行って元の信号に復号することにより、エラー訂正による元の信号への復号性能が向上する。
【0046】
上述した本発明の実施の形態は、OFDMまたは残留側波帯を用いた地上のデジタルビデオ放送の規格がアプリケーションされたデータエラー訂正装置について説明している。従って、本実施の形態に係わるデータエラー訂正装置は、シンボルディインターリーバ300及びビットディインターリーバ500を含む。しかし、無線通信規格のようにシンボルディインターリーバ300を含むことなく、本実施の形態のソフト判定部400を含むデータエラー訂正装置でも本実施の形態が同様にアプリケーションできることはいうまでもない。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら本発明のデータエラー訂正装置の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的思想に属するものと了解される。
【0048】
【発明の効果】
本発明によると、ソフト判定部でIシンボル及びQシンボルに対するソフトデシジョンの遂行及びソフトデシジョンが行われたIシンボルとQシンボルに対応するデータにチャネル状態情報の加重値を付加したデータをビットディインターリーバでビット単位でディインターリーブすることにより、ビットディインターリーバのディインターリーブによる信号処理の負担を軽減することができ、トレリスデコーダにおけるエラー訂正による元の信号への復号性能を高めることができる。
【0049】
また、チャネル状態情報を考慮したデータに対しソフトディインターリーブを行うことにより、ビットディインターリーバでチャネル状態情報に対し別途にディインターリーブを行う必要がなくなるため、製品のハードウェア的な構成が簡単になり、生産にかかるコストを節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビット及びシンボルに対するインターリーブを行う放送信号送信機を概略的に示すブロック図である。
【図2】チャネル状態情報を用いて放送信号を復号する従来の放送信号受信機の例を示すブロック図である。
【図3】チャネル状態情報を用いて放送信号を復号する従来の放送信号受信機の他の例を示すブロック図である。
【図4】本発明によるチャネル状態情報を用いてデータのエラー訂正を行う放送信号受信機の好適な実施の形態を示すブロック図である。
【図5】図4のソフト判定部の詳細を示すブロック図である。
【図6A】図5のソフト判定部でのソフトデシジョンによるIシンボル及びQシンボルの各ビットに対する性状度を示す図である。
【図6B】図5のソフト判定部でのソフトデシジョンによるIシンボル及びQシンボルの各ビットに対する性状度を示す図である。
【図6C】図5のソフト判定部でのソフトデシジョンによるIシンボル及びQシンボルの各ビットに対する性状度を示す図である。
【図6D】図5のソフト判定部でのソフトデシジョンによるIシンボル及びQシンボルの各ビットに対する性状度を示す図である。
【図7】図4のトレリスデコーダの詳細を示すブロック図である。
【図8】本発明によるデータエラー訂正装置を用いたデータエラー訂正方法の好適な実施の形態を示すフローチャートである。
【図9】図8のソフトデシジョンステップの詳細を示すフローチャートである。
【図10】図8の元の信号への復号ステップの詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 復調部
200 等化部
300 シンボルディインターリーバ
400 ソフト判定部
500 ビットディインターリーバ
600 トレリスデコーダ
Claims (14)
- 多重チャネルを通じて伝送されたIシンボル及びQシンボルを含むデータの伝送上の歪みを補償するために前記データからチャネル状態情報を抽出する等化器で等化した前記Iシンボル及びQシンボルのエラーを訂正するデータエラー訂正装置において、
前記等化器で等化した前記Iシンボルと前記Qシンボル及び前記チャネル状態情報からそれぞれ前記Iシンボルと前記Qシンボルに対するソフトデシジョンを行い、ソフトデシジョンが行われた前記Iシンボルと前記Qシンボルに対し前記チャネル状態情報に係わる加重値を付加するソフト判定部と、
前記加重値が付加された前記Iシンボルと前記Qシンボルを含むデータをディインターリーブするビットディインターリーバ、及び
前記ビットディインターリーバでディインターリーブされた前記データからエラーを訂正し、元の信号に復号するトレリスデコーダと、
を含むことを特徴とするデータエラー訂正装置。 - 前記ソフト判定部が、
前記Iシンボルと前記Qシンボルを各ビット別にソフト設定を行うソフト設定部と、
前記チャネル状態情報に対し所定の重みを付加して前記加重値を算出する重み付加部、及び
前記ソフト設定部でソフト設定が行われた前記Iシンボルと前記Qシンボルに対しそれぞれ前記加重値を加算する加算部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のデータエラー訂正装置。 - 前記トレリスデコーダが、
前記ビットディインターリーバでディインターリーブされた前記データと状態遷移度により生成された基準データとの差値である枝メトリックを算出するBMG部と、
前記状態遷移度の各状態に対し前記枝メトリックと経路メトリックとの和の値と前記枝メトリックのうちの生存経路及びこの生存経路に対応する判定ビット情報を選択するACS部、及び
前記生存経路及び前記判定ビット情報に基づき、逆追跡を行って元の信号に復号するTB部と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のデータエラー訂正装置。 - 前記ビットディインターリーバでディインターリーブされた前記データを入力順に格納し、格納された前記データを順次に前記BMG部に出力するバッファ部を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のデータエラー訂正装置。
- 前記等化部で等化した前記Iシンボルと前記Qシンボル及び前記チャネル状態情報をそれぞれシンボル単位でディインターリーブするシンボルディインターリーバを更に含み、
前記ソフト判定部では、前記シンボル単位でそれぞれディインターリーブされた前記Iシンボル及び前記Qシンボルに対しディインターリーブされた前記チャネル状態情報に係わる前記加重値を付加することを特徴とする請求項1に記載のデータエラー訂正装置。 - 受信したデータをデジタル信号に変換し、この変換されたデータを復調する復調部と、
復調された前記データのIシンボル及びQシンボルのそれぞれのチャネル状態情報を抽出し、前記Iシンボル及び前記Qシンボルを等化する等化部と、
前記チャネル状態情報及び等化した前記Iシンボル及び前記Qシンボルからそれぞれ前記Iシンボルと前記Qシンボルに対するソフトデシジョンを行い、前記ソフトデシジョンが行われた前記Iシンボルと前記Qシンボルに対し前記チャネル状態情報の加重値をそれぞれ加算するソフト判定部と、
前記加重値が加算された前記Iシンボルと前記Qシンボルを含む前記データをディインターリーブするビットディインターリーバ、及び
ディインターリーブされた前記データからエラーを訂正し、元の信号に復号するトレリスデコーダと、
を含むことを特徴とするエラー訂正装置が適用されたデータ受信機。 - 前記ソフト判定部が、
前記Iシンボルと前記Qシンボルを各ビット別にソフト設定を行うソフト設定部と、
前記チャネル状態情報に対し所定の重みを付加して前記加重値を算出する重み付加部、及び
前記ソフト設定部でソフト設定が行われた前記Iシンボルと前記Qシンボルに対しそれぞれ前記加重値を加算する加算部と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載のエラー訂正装置が適用されたデータ受信機。 - 前記トレリスデコーダが、
前記ビットディインターリーバでディインターリーブされた前記データと状態遷移度により生成された基準データとの差値である枝メトリックを算出するBMG部と、
前記状態遷移度の各状態に対し前記枝メトリックと経路メトリックとの和の値と前記枝メトリックのうちの生存経路及びこの生存経路に対応する判定ビット情報を選択するACS部、及び
前記生存経路及び前記判定ビット情報を格納し、格納された前記生存経路及び前記判定ビット情報に基づき、逆追跡を行って元の信号に復号するTB部と、
を含むことを特徴とする請求項7に記載のエラー訂正装置が適用されたデータ受信機。 - 前記ビットディインターリーバでディインターリーブされた前記データを入力順に格納し、格納された前記データを順次に前記BMG部に出力するバッファ部を更に含むことを特徴とする請求項8に記載のエラー訂正装置が適用されたデータ受信機。
- 前記等化部で等化した前記Iシンボルと前記Qシンボル及び前記チャネル状態情報をそれぞれシンボル単位でディインターリーブするシンボルディインターリーバを更に含み、
前記ソフト判定部では、前記シンボル単位でそれぞれディインターリーブされた前記Iシンボル及び前記Qシンボルに対しディインターリーブされた前記チャネル状態情報に係わる前記加重値を付加することを特徴とする請求項6に記載のエラー訂正装置が適用されたデータ受信機。 - 多重チャネルを通じて伝送されたIシンボル及びQシンボルを含むデータの伝送上の歪みを補償するために前記データからチャネル状態情報を抽出する等化器で等化した前記Iシンボル及びQシンボルのエラーを訂正するデータエラー訂正方法において、
a)前記等化器で等化した前記Iシンボルと前記Qシンボル及び前記チャネル状態情報から前記Iシンボルと前記Qシンボルに対するソフトデシジョンを行い、ソフトデシジョンが行われた前記Iシンボルと前記Qシンボルに対し前記チャネル状態情報に係わる加重値をそれぞれ付加するステップと、
b)前記加重値が付加された前記Iシンボルと前記Qシンボルを含むデータをビット単位でディインターリーブするステップ、及び
c)前記ビット単位でディインターリーブされた前記データからエラーを訂正し、元の信号に復号するステップと;
を含むことを特徴とするデータエラー訂正方法。 - 前記a)ステップが、
前記Iシンボルと前記Qシンボルを各ビット別にソフト設定を行うステップと、
前記チャネル状態情報に所定の重みを付加して前記加重値を算出するステップ、及び
前記ソフト設定ステップで前記ソフト設定が行われた前記Iシンボルと前記Qシンボルに対しそれぞれ前記加重値を加算するステップと、
を含むことを特徴とする請求項11に記載のデータエラー訂正方法。 - 前記c)ステップが、
前記データと状態遷移度により生成された基準データとの差値である枝メトリックを算出するステップと、
前記状態遷移度の各状態に対し前記枝メトリックと経路メトリックを累積して算出した値と前記枝メトリックとを比較し、生存経路及びこの生存経路に対応する判定ビット情報を選択するステップ、及び
前記生存経路及び前記判定ビット情報に基づき、逆追跡を行って元の信号に復号するステップと、
を含むことを特徴とする請求項12に記載のデータエラー訂正方法。 - 前記枝メトリックの算出ステップの前に、
前記データを入力順に格納し、格納された前記データを順次に出力するステップを更に含むことを特徴とする請求項13に記載のデータエラー訂正方法。
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