JP3574231B2 - 計算機ネットワークのシミュレータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ローカル・エリア・ネットワーク等の伝送回線に接続したクライアントとサーバ或いは端末とホストの間で実行される業務通信の手順をシミュレートする計算機ネットワークのシミュレータ装置に関し、特に伝送回線上の通信情報を利用してシミュレートする計算機ネットワークのシミュレータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホストコンピュータと複数の端末をLAN等のネットワークで接続した計算機ネットワーク・システムにあっては、システムの運用状態を評価し、特定のクライアントとサーバの間にトランザクションが集中する事態や、時間的なトランザクションの状況を把握し、システムの再構築や運用形態の変更を検討し、常にシステム性能を最大限に発揮させる必要がある。
【0003】
このような計算機ネットワーク・システムの評価のために、実際にクライアントとサーバとの間で行われているトランザクションを擬似的に実行して性能を評価するシミュレータ装置を使用することが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、計算機ネットワーク・システムの性能評価に使用するシミュレータ装置を構築する場合、対象とする計算機ネットワークで行われている各種のプロトコルに従ったトランザクションを解析し、この解析結果に基づき、実際のトランザクションに近い形態のシミュレーション手順を作成する必要がある。
【0005】
しかし、シミュレータ装置を提供するメーカ側は、対象とするユーザの計算機ネットワークのプロトコル及び業務内容を詳細に知ることは通常困難であり、実際に行われているトランザクションと同等なシミュレーション手順を作成することは無理である。
このためシステムの業務形態を考慮して一義的なシミュレーション手順とせざるを得ず、このような実際の運用と掛け離れたシミュレーション手順を使用しても、システムの正確な性能評価は期待できなかった。
【0006】
本発明は、計算機ネットワーク・システムの伝送回線上から直接に通信情報を採取し、これをそのままシミュレート手順に反映させ、実際に行なわれているトランザクションと同等手順をもつシミュレートにより、システムの正確な性能評価が期待できる計算機ネットワークのシミュレータ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理説明図である。
まず本発明は、発信元装置となるクライアント14と受信先装置となるサーバ12を伝送回線10を介して接続し、クライアント14とサーバ12の間で1又は複数の通信規約(通信プロトコル)に従って業務(トランザクション)の通信処理を行う計算機ネットワーク・システムで使用するシミュレータ装置16を対象とする。
【0008】
本発明のシミュレータ装置16は、伝送回線10上の通信情報、例えばパケット情報を収集する回線情報収集部18と、回線情報収集部18で収集した通信情報20の中からクライアント14(発信元装置)とサーバ12(受信先装置)との間の通信情報24を抽出する通信情報抽出部22と、通信情報抽出部22で抽出された通信情報24から、指定した条件に合致するシミュレーションに必要な通信情報を判別してシミュレート手順28に変換する手順変換部26と、手順変換部26で変換されたシミュレート手順28に従って通信処理を実行するシミュレート処理部36と備えたことを特徴とする。
【0009】
ここで伝送回線10上には、通常、複数のプロトコル、例えばプロトコルA,B,Cに従った業務の通信情報がやり取りされていることから、手順変換部26は、プロトコルA,B,C単位にシミュレート手順28を作成する。
手順変換部26は、抽出された通信情報24からシミュレート手順28に変換する際に、手順内容を修正する編集処理部30を備える。この編集処理部30もブロトコル単位となる。
【0010】
編集処理部30は、変換されたシミュレート手順28に基づいてサーバ12に対し処理を要求するクライアント14のシミュレート手順を作成する。この場合、編集処理部30は、シミュレート手順28のファイル形式をユーザが認識可能なファイル形式に変換した後に修正し、修正後に元のファイル形式に変換する。また編集処理部30は、修正前のシミュレート手順28の中の送信時間および又は受信時間の間隔を修正し、サーバ1台に対し複数のクライアント14を同時にシミュレート動作させるためのシミュレート手順を作成する。
【0011】
手順変換部26で変換されたシミュレート手順28は、シミュレート初期化処理部、シミュレート通信部及びシミュレート終了処理部のファイル構造を持つ。シミュレート通信部は通信開始と通信終了のシミュレート制御情報の間に、伝送回線から収集された通信情報に基づくシミュレート命令とシミュレート命令データを配置する。
【0012】
シミュレート処理部36は、シミュレータ動作条件を定義するシミュレート定義部45を有し、シミュレート定義部45で定義されたシミュレータ動作条件と手順変換部26で変換されたシミュレート手順28に基づいて、サーバ12に対するクライアント14のシミュレート動作を実行する。
シミュレート定義部45は、必要に応じてシミュレータ動作条件を変更する。即ち、シミュレート定義部45は、シミュレータ動作条件として、少なくともシミュレートにより擬似する発信元装置の台数(擬似するクライアント台数)、シミュレートによる受信先のサーバ名、及びシミュレータマシンの装置名を定義する。またシミュレート定義部45は、シミュレータマシンの装置名として、装置自身の装置名を定義するが、これに加え、更に外部に設けた別のシミュレータマシンの装置名を定義してマルチマシン構成のシミュレータ装置とすることができる。
【0013】
シミュレート定義部45は、シミュレータ動作条件として、更に、ログファイル名、シミュレータ変数値および自動実行コマンドを定義する。ここで自動実行コマンドとは、例えばシミュレートする受信先サーバに対し、伝送回線10を介してシステム的な動作を指示する制御コマンドであり、シミュレート動作の命令列であるシミュレート手順28とは別に準備されている。自動実行コマンドとしては、少なくともシミュレート開始時実行コマンド、通信開始時実行コマンド、通信終了時実行コマンド、及びシミュレート終了時実行コマンドを用いる。
【0014】
シミュレータ処理部36は、シミュレータ制御部38を有し、シミュレータ制御部38は、業務単位毎に1又は複数のグループ制御部46を生成して起動する。グループ制御部46は、端末制御部48を有し、端末制御部48の起動によりシミュレータとして擬似する1又は複数の発信元装置部となるクライアント部52を生成させる。端末制御部48は、シミュレート手順28をクライアント部52に提供してシミュレート動作を行わせる。
【0015】
シミュレータ制御部38は、プロトコル単位の変換で複数のシミュレート手順28が得られた場合、各シミュレート手順28毎にグループ制御部46を生成して複数業務のシミュレートを同時に実行する。また特定のプロトコルの変換で複数業務分のシミュレート手順28が得られた場合も、各シミュレート手順28毎にグループ制御部46を生成して複数業務のシミュレートを同時に実行する。即ち、プロトコルの制約を受けることなく、変換された複数のシミュレート手順28を使用したシミュレートができる。
【0016】
シミュレータ制御部38は、シミュレート定義部45によりシミュレータ装置16として自分自身の装置名に加え、外部に設けた別のシミュレータ装置の装置名が定義されていた場合、グループ制御部38を自己を含め定義された外部のシミュレータ装置にも生成して起動させる。この場合、シミュレータ装置16のシミュレータ制御部38は自己をマスタとし、外部のシミュレータマシンに設けたグループ制御部をスレーブとして伝送回線10を経由して起動させる。
【0017】
グループ制御部46に設けたクライアント部52は、シミュレート手順28の命令を実行する毎に、動作状況を記録する。またシミュレート処理部36は、シミュレータ動作状況を実時間で表示するモニタ制御部66を備える。またシミュレータ動作を記録して性能ログファイル60を作成するログ制御部58を備える。更に、ログ制御部58で作成した性能ログファイル60に基づき、装置性能を集計して提供する性能集計部62を備える。
【0018】
ここで発信元装置をクライアント14、受信先装置をサーバ12としているが、発信元装置を端末マシンとし、受信先装置をホストとしてもよい。
このような本発明の計算機ネットワークのシミュレータ装置によれば、回線上の通信情報を採取してプロトコル単位にシミュレート手順に変換することで、指定したクライアントとサーバ間のトランザクションと同等なシミュレート手順が自動生成できる。このためメーカおよびユーザはプロトコルを意識してシミュレート手順を作成する必要がなく、簡単に実際の運用と同等のシミュレートができる。
【0019】
また伝送回線上の通信情報からシミュレート手順を変換できたならば、複数のクライアントで同時シミュレートできる手順への修正変換を行うことで、簡単にサーバに対し複数のクライアントのシミュレート動作が実現できる。この複数のクライアントと1台のサーバ間のシミュレート手順、即ちn対1のシミュレート手順も、プロトコル単位にできる。
【0020】
更に、伝送回線の通信情報の採取で生成されるシミュレート手順とは別に、シミュレート動作条件の定義を可能としたため、台数等の動作条件の定義を変更するだけで、複数のシミュレート手順を使用したマルチプロトコルのトランザクションをシミュレートできる。
またシミュレートは、業務単位に個別に構築して同時に実行することができる。シミュレータ装置に加え外部のシミュレータ装置を指定してマルチマシン構成のシミュレートもできる。
【0021】
この結果、シミュレートの対象となったクライントのサーバに対するトランザクションと同等のシミュレートが実時間で行われ、この動作状態はモニタにリアルタイム表示され、また性能ログファイルに記録され、動作状態の表示と記録からシステムにおける動作の妥当性を検証し、システム性能を正確に評価できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図2(A)(B)は本発明のシミュレータ装置が使用される計算機ネットワークの一例であり、サーバ・クライアント・システムを例にとっている。
図2(A)において、伝送回線としてのローカル・エリア・ネットワーク(以下「LAN」という)10に対しては、サーバ12及びクライアント14−1〜14−4が接続されている。LAN10としては、例えばインターネット・プロトコル・ネットワーク(IPネットワーク)が適用される。したがってサーバ12及びクライアント14−1〜14−4のそれぞれは、LAN10に対しTCP/IP変換をサポートするインタフェースをもっている。
【0023】
このような計算機ネットワークのシステム性能評価のため、本発明のシミュレータマシン16がLAN10に接続される。本発明のシミュレータマシン16は、LAN10上の通信情報を収集し、収集した通信情報の中のサーバ12に対するクライアント14−1〜14−4の間の通信情報を抽出し、この抽出された通信情報から、指定した1又は複数のプロトコル単位にシミュレーションに必要な通信情報を判別して、自動的にシミュレート手順をプロトコル毎に作成する。
【0024】
シミュレータマシン16でLAN10の通信情報の採取で作成されたシミュレート手順は、シミュレータマシン16を擬似的な1又は複数のクライアントとして、サーバ12との間でシミュレート手順に従ったトランザクションを実行し、このシミュレート手順の各動作状態を性能ログファイルに記録し、またリアルタイムで動作状態を表示することで、サーバ12とクライアント14−1〜14−4との間の通信動作における性能評価を行う。
【0025】
図2(B)は、本発明の別の実施形態であり、この実施形態では、2台のシミュレータマシン16−1,16−2を設けたことを特徴とする。この場合、マスタのシミュレータマシン16−1は、自分自身に加え、外部のシミュレータ装置16−2を指定してシミュレート動作させることで、マルチマシン構成をとることができる。尚、図2(A)(B)は、LAN10に1台のサーバ12を接続した場合を例にとっているが、サーバ12が複数台あってもよい。
【0026】
図3は図2(A)のシミュレータマシン16の処理機能を示したブロック図である。図3において、本発明のシミュレータマシン16は、回線情報収集部18、情報抽出部22、手順変換部26、シミュレート処理部36で構成される。手順変換部26に対しては、更に編集処理部30が設けられている。
回線情報収集部18は、LAN10上の通信情報を全て収集する。即ち、シミュレータマシン16において特定の収集時間帯を設定して回線情報収集部18を起動すると、その時間内にLAN10上を伝送されている全ての通信情報を収集して通信記録ファイル20に格納する。
【0027】
通信記録ファイル20は、図4に示すファイル構造とレコード形式をもっている。即ちLAN10上にあっては、1つの通信情報がパケット情報として伝送されていることから、1パケットを通信記録ファイル20のファイル構造21における1レコードに対応させ、記録している。
ファイル構造21における1パケット分の通信情報を示すレコードR0〜Rnのレコード形式は、発信元72、受信先74、プロトコル識別子76、時間78、プロトコル命令とデータで構成された通信データ80をもっている。ここでプロトコル識別子76は、サーバとクライアント間でやり取りされる業務単位に固有のプロトコル識別子が付加される。例えば、プロトコル識別子76としては送信元のポート番号と受信先のポート番号の組合せが使用され、このポート番号から同じプロトコルであることが判る。
【0028】
再び図3を参照するに、回線情報収集部18に続いて設けられた情報抽出部22は、回線情報収集部18で得られた通信記録ファイル20を対象に、指定したプロトコル単位に、必要となるサーバとクライアント間の通信情報を抽出して通信記録ファイル24に格納する。通常、LAN10上には、複数の異なったプロトコルによるトランザクションが行われていることから、複数のプロトコル、例えばプロトコルA,B,Cを指定して通信情報を抽出する。
【0029】
通信記録ファイル24のファイル構造及びレコード形式は、図4に示した通信記録ファイル20と同じである。両者の相違点は、ファイル名として抽出前と抽出後を示す名前を付けるだけである。
情報抽出部22による回線情報抽出処理は、図8のフローチャートに示すようになる。まずステップS1で、入力元となる回線情報収集部18で作成された通信記録ファイル20のファイル名、抽出先となる通信記録ファイル24のファイル名、更に抽出対象とするサーバとクライアント及びその業務内容を特定するプロトコル識別子名を指定する。
【0030】
次にステップS2に進み、入力元の通信記録ファイル20から先頭の1レコードを読み込み、次のステップS3で、設定した判定条件に合致するレコードか否かを判定する。ここで抽出のための判定条件としては、送受信名の組合せとプロトコル識別子の2つを使用する。送受信名の組合せは、送信元となるサーバ名及び受信先となるクライアント名の組合せである。プロトコル識別子は特定の業務を示す。
【0031】
ステップS1で現在処理対象となっているレコード、即ち図4のレコード形式と同様の内容につき、発信元72と受信先74の組合せが判定条件に合致し、且つプロトコル識別子76が指定した判定条件に合致しているかどうかを判定する。この判定の結果、ステップS4で判定条件に一致することが判別されると、ステップS5に進み、抽出用の通信記録ファイル24に現在処理中のレコードを書き込む。
【0032】
ステップS4で判定条件に一致しなければ、抽出先となる通信記録ファイル24へのレコード書込みは行わない。そしてステップS6で最終レコードか否かチェックし、以下、最終レコードを読み込むまでステップS2〜S5の処理を繰り返す。このような回線情報抽出処理によって、シミュレーションを行うために指定した送受信名の組合せとプロトコル識別子をもつ通信情報がレコード単位に順次抽出されて通信記録ファイル24に格納される。
【0033】
再び図3を参照するに、この例では3つのプロトコルA,B,Cを例にとっていることから、情報抽出部22に続いてプロトコルA,B,C毎に手順変換部26−1,26−2,26−3が設けられる。手順変換部26−1〜26−3は、プロトコル単位にシミュレートに必要な手順(命令列)を備えたシミュレート手順ファイル28を作成する。
【0034】
シミュレート手順ファイル28は、図5に示すファイル構造とレコード形式をもっている。シミュレート手順ファイル28のファイル構造29は、1または複数レコードで構成されるシミュレート制御用の初期化処理部82、通信部(動作部)84、及び終了処理部86に分かれている。
レコード形式は、シミュレート命令88、行番号90、レコード長92、データ長94、シミュレート命令データ96で構成される。シミュレート命令88としては、命令例89に取り出して示すように、送信、受信、時間待ち、条件判定、分岐、データ設定、通信開始、通信終了等がある。
【0035】
シミュレート手順ファイル28のファイル構造29における通信部84の内容が、伝送回線から採取した通信情報の抽出結果に基づいて作成される。即ち、先頭の初期化処理部82はシミュレート制御を行うためのシミュレート初期化処理であり、次の通信部84については、先頭のシミュレート通信開始部と最後のシミュレート通信終了部の間に、回線上から採取した実際に行っていた通信動作の手順が1レコード単位に記述される。最後の終了処理部86は、シミュレート終了処理動作のためのレコード領域である。
【0036】
このようなシミュレート手順ファイル28を変換する図3の手順変換部26の処理動作は、図9のフローチャートに示される。図9のシミュレート手順変換処理にあっては、まずステップS1で、図5のファイル構造29に示した初期化処理部82を作成する。
初期化処理部の作成が済むと、ステップS2で、情報抽出部22による作成された抽出済みの通信記録ファイル24から先頭の1レコードを読み込み、ステップS3で最終レコードか否かチェックした後、ステップS4に進み、図4のレコード形式における通信データ80の領域にヘッダがあるか否かチェックする。
【0037】
ヘッダがあればステップS5に進み、前回読み込んだレコードと今回読み込んだレコードとの時間差をチェックする。時間差があれば、ステップS7に進み、時間待ち命令をファイルに書き出す。時間差がなければ、ステップS8に進み、命令バッファ内にそれまでに作成している命令レコードをファイルに書込む。
続いて、ステップS9に進み、現在処理中のレコードのヘッダを解読し、対応するシミュレート手順のレコード情報、例えば通信開始、送信、受信、通信終了等のシミュレート命令を格納したレコードを、命令バッファに作成する。一方、ステップS4でレコード中にヘッダがなく、データのみであった場合には、ステップS10に進み、命令バッファにデータを追加する。
【0038】
以上のステップS2〜S10の処理を、ステップS3で最終レコードが判別されるまで繰り返し、最終レコードを判別するとステップS11に進み、命令バッファ内に最後に作成している命令レコードをファイルに格納し、ステップS12でシミュレート手順ファイルに終了処理部を追加し、即ち図5のファイル構造29における終了処理部86を追加し、一連のシミュレート手順ファイルの作成処理を終了する。
【0039】
このように手順変換部26−1〜26−3によりプロトコル単位に作成されたシミュレート手順ファイル28は、シミュレート処理部36に提供されることで、シミュレート手順ファイル28に従ったサーバに対するクライアントのシミュレート動作を実行することができる。
一方、手順変換部26−1〜26−3で作成されたシミュレート手順ファイル28については、プロトコル毎に設けた編集処理部30−1〜30−3を使用して内容を変更することができる。編集処理部30−1〜30−3は、編集処理部30−1に代表して示すように、ファイル変換部31、テキストファイル32、及び編集用のエディタ34で構成される。
【0040】
ファイル変換部31は、シミュレート手順ファイル28のファイル形式がユーザが認識できないバイナリ形式をもっていることから、これをユーザが認識可能なテキスト形式に変換してテキストファイル32に格納する。
またファイル変換部31は、テキストファイル32のファイル形式を元のバイナリ形式に戻す逆変換の機能も有する。ユーザは、テキストファイル32に変換されたテキスト形式のシミュレート手順ファイルを対象に、エディタ34を使用して必要な修正変更を行うことができる。
【0041】
図11は、シミュレート手順ファイル28とテキスト形式ファイル32の対応関係を示している。シミュレート手順ファイル28は、図5に示したファイル構造29のように、初期化処理部82、通信部84及び終了処理部88で構成されている。通信処理部84は、前後にシミュレート用の通信開始部122と通信終了部126を備え、その間に回線上から採取された通信情報に基づく実行手順を記述した通信実行部124が設けられている。
【0042】
このようなバイナリ形式をもつシミュレート手順ファイル28は、図3の編集処理部30−1に設けたファイル変換部31により右側に示すテキスト形式ファイル32に変換され、エディタ34によってユーザがファイル内容を認識することができる。テキストファイル32もシミュレート手順ファイル28に対応して、初期化処理部128、通信開始部130、通信実行部132、通信終了部134、及び終了処理部136で構成され、図示のテキスト形式の記述が行われている。
【0043】
テキスト形式ファイル32を使用した編集処理は、オリジナルのシミュレート手順ファイル28を、複数のクライアントの動作を同時に行ってサーバとの間でn対1の通信動作を実行させるためのシミュレート手順ファイルを作成する。
このように複数クライアントに同じシミュレート手順を使用して動作させるためには、例えばテキスト形式ファイル32に対し、ユーザは通信実行部132の中にデータ変更命令138として「CHGDATA“A”」を設けたり、乱数発生命令139として「RAND“B”」を設ける。このようなデータ変更命令138や乱数発生命令139を設けておくことで、擬似的に動作するクライアントが変わる毎に、手順は同じであっても、異なったデータを通信するシュミレーションが実現できる。
【0044】
修正されたテキスト形式ファイル32はファイル変換部31による逆変換で元のシミュート手順ファイル28に戻す。これによってサーバ1台に対しクライアントn台を動作するシミュレート手順ファイル28を簡単に作成することができる。
勿論、図3の編集処理部30は、サーバに対しn台のクライアントをシミュレートするシミュレート手順ファイルの作成のみならず、編集の際に異なったファイル名を指定することで、オリジナルのシミュレート手順ファイル28に対し内容修正を行った適宜に変形されたシミュレート手順ファイルを作成することもできる。
【0045】
次に図3のシミュレート処理部36を説明する。シミュレート処理部36は、シミュレータ制御部38と業務単位毎に生成されるグループ制御部46−1,46−2,46−3で構成される。グループ制御部46−1〜46−3を生成する業務単位は、例えばプロトコルA,B,C毎に変換された3つのシュミレート手順に対応する。
【0046】
また同一プロトコルであっても、その中に異なった複数の業務が含まれることから、単一プロトコルについて複数のグループ制御部が設けられる場合もある。この例では、プロトコル単位に変換された3つのシミュレート手順に対応してクループ制御部46−1〜46−3が生成された場合を例にとる。
シミュレート制御部38に対しては、手順変換部26もしくは編集処理部30で変換されたプロトコル毎のシミュレート手順ファイル28が提供され、更にシミュレータ定義部45で作成されたシミュレート定義ファイル42が提供される。
【0047】
シミュレート定義ファイル42は、図6に示すように、共通部ファイル43と業務単位ファイル43−1〜43−3のファイル構造をもつ。共通部ファイル43には、シミュレータ配下の業務に関係なく定義する項目、例えば自動実行コマンド名やシミュレータ変数を定義する。業務単位に設けられた業務単位ファイル43−1〜43−3は、ファイル構造43−1に代表して示すように、シミュレートによる擬似動作で送信元装置となるクライアントの台数110、シミュレート動作で受信先装置となるサーバの対象マシン名112、シミュレート動作を実行するシミュレータマシン16の動作マシン名114、性能ログファイル名116、シミュレータ変数値118、自動実行コマンド名120が、エディタ44によって定義されている。
【0048】
ここで動作マシン名114としては、図2(A)の場合には本発明のシミュレータマシン16のマシン名であり、図2(B)のマルチマシン構成の場合には、シミュレータマシン16−1において、自分自身のマシン名に加え、外部のシミュレータマシン16−2のマシン名を指定する。
ここで自動実行コマンドとは、本発明のシミュレータ装置を実現するシュミレータプログラム以外のアプリケーションプログラムに対するアクセス(起動、停止)のために使用するコマンドであり、自動実行コマンドの発行先は、シミュレータマシン16のOSと他のアプリケーションプログラム、サーバ12のOSとアプリケーシュンプログラムとなる。この自動実行コマンドの発行タイミングと処理は、後の説明で明らかにされる。
【0049】
シミュレータ制御部38は、複数のシミュレート手順ファイル28のいずれか1つを指定し、シミュレート定義ファイル42に従って業務単位に、例えばグループ制御部46−1〜46−3を生成する。グループ制御部46−1〜46−3は、グループ制御部46−1に代表して示すように、端末制御部48、共用メモリ50、更にシミュレート定義ファイル42で指定された台数分のクライアント部、例えば4つのクライアント部52−11〜52−14が設けられる。クライアント部52−11〜52−14のそれぞれは、通信インタフェース54によりTCP/IP変換によりLAN10との間で通信制御を行う。
【0050】
更にグループ制御部46−1にはモニタ制御部66が設けられ、共通部としてのモニタ表示部68により表示モニタ70にクライアント部52−11〜52−14における動作状態をリアルタイムで表示し、またモニタログファイル69にモニタ情報を記録できる。更にグループ制御部46−1にはログ制御部58が設けられ、クライアント部52−11〜52−14における通信動作の実行で得られたクライアント部単位の動作記録ファイル56の内容に基づき、手順と動作の記録を性能ログファイル60に対し行う。
【0051】
性能ログファイル60に対しては、外部に性能集計部62が設けられており、性能ログファイル60に記録されたログ情報を元にトランザクション等を集計し、結果をプリンタ64に出力したり表示モニタ65に表示可能としている。
性能ログファイル60のファイル構造とレコード形式は図7に示される。性能ログファイル60はファイル構造61に示すレコードR0〜Rnを記録し、各レコードは識別子98、時間100、クライアント番号102、手順行番号104、状態106、更に通信データ、エラーメッセージ等のデータ108で構成される。先頭の識別子98は、識別子例99に示すように、送信、受信、利用者指示、手順エラー等の1つ1つの通信内容を示す。
【0052】
図3のシミュレート処理部36は、その詳細を図12に取り出して示している。図12にあっては、シミュレータ制御部38に対し2つのグループ制御部46−1,46−2が業務単位に生成されている。グループ制御部46−1,46−2の生成場所は、図6のシミュレート定義ファイル42の業務単位のファイル構造43−1,43−2における動作マシン名114で決まり、この動作マシン名114が図2(A)のようなシミュレータマシン16であれば、シミュレータマシン16内にグループ制御部46−1,46−2が生成される。
【0053】
また図2(B)のように、ファイル構造43−1の動作マシン名をシミュレータマシン16−1とし、ファイル構造43−2の動作マシン名を外部のシミュレータマシン16−2とした場合には、シミュレータマシン16−1から指定した外部のシミュレータマシン16−2にグループ制御部46−2を生成して起動させる。この場合には、グループ制御部46−1,46−2はマルチマシン構成で実行されることになる。
【0054】
シミュレータ制御部38は、シミュレート定義ファイル42に従って生成された2つのグループ制御部46−1,46−2に対する共通制御部であり、図6のシュミレート動作定義ファイル42のファイル構造の中の業務単位ファイル43−1〜43−3における自動実行コマンドで定義されたコマンドを、グループ制御部46−1,46−2の動作状況に併せて発行し、システム全体としてのシミュレートを管理する。
このとき図2(B)のマルチマシン構成により、グループ制御部46−2が外部のシミュレータマシン16−2に生成されていた場合、シミュレータマシン16−1のシミュレータ制御部38はLAN10を介して外部のシミュレータマシン16−2のシミュレート動作を管理する。この場合、シミュレータマシン16−1がマスタとなり、外部のシミュレータマシン16−2はスレーブとして動作する。
【0055】
グループ制御部46−1の詳細は、図13に示される。まず定義解釈部164が、端末制御部48−1の生成時に指定されるシミュレート動作定義ファイルの情報を基に、共用メモリ50を獲得し、手順展開部140にシミュレート手順の展開を依頼する。手順展開部140ては、グループ制御部46−1の生成時に指定されるシミュレート手順を解釈し、解釈結果に基づいた一連の手順やシミュレート定義ファイルで定義したシミュレート変数値等を展開する。また定義解釈部164の指示により、端末管理部142は、シミュレートに必要なクライアント部52−11〜52−14を生成する。
【0056】
端末制御部48−1の端末管理部142により生成されたクライアント部52−11〜52−14には、クライアント部52−11に代表して示すように、実行部144が設けられ、実行部144は手順解釈部146と通信部148を有する。手順解釈部146は、共用メモリ50に展開した動作手順を読み込み、読みんだ手順命令を解釈し、必要な処理を呼び出して例えば通信部148により通信動作を行わせる。
【0057】
通信部148の手順命令の実行に伴う動作状態はログ制御部58に提供され、手順命令と動作状態を性能ログファイル60に記録する。
実行部144の手順命令と動作状態はモニタ制御部66に与えられ、モニタ表示部68により表示モニタ70にリアルタイムで表示される。またモニタ表示の内容は必要に応じてモニタログファイル69に記録することができる。同時に、手順命令によっては、ログ制御部58に動作状況が提供され、手順命令と動作状態が性能ログファイル60に記録される。
【0058】
ここでクライアント部52−11〜52−14毎に設けられた動作記録ファイル56は、長時間に亘るシミュレートや多くのクライアントのシミュレーション等でデータ量が膨大になる場合、まず動作記録ファイル56にクライアント部毎の手順命令と動作状態を記録した後、バッヂ処理でログ制御部58が動作記録ファイル56の中から必要な情報を抽出して性能ログファイル60に記録することになる。
【0059】
図14のフローチャートは図13のクライアント部52−11のシミュレート動作である。まずステップS1で、共用メモリ50から1レコード分のシミュレート手順を手順解釈部146に読み込み、ステップS2で、レコードの命令に対応した処理を呼び出して、例えば通信部148で通信動作を実行する。続いてステップS3でモニタ制御部66に手順命令と実行状態を通知する。モニタ表示部68は、モニタ制御部66から情報をもらい、シミュレートの動作状態、経過時間、トランザクション数、エラー発生等に関する情報をモニタ表示する。
【0060】
更に、ステップS4で、ログ記録を必要とするログ対応レコードか否か判別する。ログ対応レコードであれば、ステップS5でログ制御部58に手順命令と動作状態のデータを提供し、性能ログファイル60にログ情報として書き込む。以上のステップS1〜S5の処理を、ステップS6で最終レコードが得られるまで繰り返す。
【0061】
図15は、図6のシミュレート動作定義ファイル42で定義された自動実行コマンドの具体例とタイミングを示す。シミュレータ制御部38は、グループ制御部46−1,46−2におけるクライアント部の動作状況によって、自動実行コマンドの定義で指定されたタイミングにて、コマンドを発行する。発行したコマンドの動作場所は、シミュレータマシン自身、回線接続された他のシミュレータマシン、サーバ等の何かである。
【0062】
図15(A)は、シミュレート開始時であり、次の手順となる。
▲1▼シミュレート開始コマンドを発行して実行させる。
▲2▼グループ制御部46−1,46−2を起動する。
▲3▼グループ制御部46−1,4−2から起動完了通知を受ける。
図15(B)は、通信開始時であり、次の手順となる。
【0063】
▲1▼グループ制御部46−1,46−2を起動する。
グループ制御部46−1,46−2内の各クライアント部が通信開始命令を実行する直前で通知する。
▲2▼起動した全てのグループ制御部46−1,46−2からの通知を待つ。
▲3▼通信開始コマンドを発行して実行させる。
【0064】
図15(C)は、通信終了時であり、次の手順となる。
▲1▼グループ制御部46−1,46−2の何れかのクライアント部が通信終了命令を実行する後に通知する。
▲2▼1つでも通信終了命令の実行終了通知があれば、通信終了コマンドを発行して実行させる。
【0065】
図15(D)は、シミュレート終了時であり、次の手順となる。
▲1▼各グループ制御部46−1,46−2が終了通知を行う。
▲2▼全てのグループ制御部46−1,46−2の終了通知を受ける。
▲3▼シミュレート終了コマンドを発行して実行させる。
以上は、シミュレートに使用する基本的な自動実行コマンドの起動タイミングの例である。このとき、実行されるコマンド例としては、例えばサーバ12上のアプリケーションプログラムの起動コマンドやその動作状況に関する情報をロギングさせるコマンド、アプリケーションプログラムを終了させるコマンド等がある。
【0066】
再び図12を参照するに、図12のシミュレータ制御部38にはマスタ時間制御部160が設けられ、マスタ時間制御部160は、クライアント部52−11〜52−24によるシミュレート動作の相手先となるサーバ12より時間情報をもらい、サーバ12の時間をシミュレータマシン16のマスタ時間制御部160の時間に仮に合わせ、サーバ12との間で時間情報を一致させる。
【0067】
また、マスタ時間制御部160に対応して設けられる端末制御部48−1,48−2には、スレーブ時間制御部162−1,162−2が設けられる。マスタ時間制御部160は、端末制御部48−1,48−2のスレーブ時間制御162−1,162−2に時間情報を送り、スレーブ側の時間をマスタ側の時間に合わせ、これによってシミュレート動作の時間情報を一致させている。
【0068】
更に、図2(B)のマルチマシン構成の場合には、シミュレートマシン16−1における図12のマスタ時間制御部160に対し、シミュレータマシン16−2側がスレーブ時間制御部となり、時間情報をマスタ側のシミュレータマシン16−1に合わせる。
尚、上記の実施形態は、サーバとクライアントとのトランザクションを対象にシミュレートを行う場合を例にとっているが、複数の端末マシンに利用されるホストコンピュータを備えた計算機ネットワークについても、同様に本発明のシミュレータマシン16を接続し、端末からホストに対する通信情報を抽出してプロトコル単位のシミュレート手順を作成し、同様にシミュレート動作することで、端末のホストアクセスのシミュレートを行って、性能評価をすることができる。
【0069】
また上記の実施形態は、シミュレータマシンでクライアントの動作をシミュレートさせる場合を例にとったが、逆にサーバの動作をシミュレートさせるようにしてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、性能評価を行おうとする計算機ネットワークに本発明のシミュレータ装置を接続するだけで、特定の装置間の通信情報をプロトコル単位に抽出して自動的にシミュレート手順を作成でき、従来、一から作成していたシミュレート手順の作成が不要となり、シミュレータ手順の作成が極めて容易となる。
【0071】
また計算機ネットワークで実行されている実際の通信情報からシミュレート手順が作成されるため、実際の通信動作と同等なシミュレーションを簡単に行うことができ、計算機ネットワークの実情に見合ったレスポンス等のシステム性能評価をシミュレートにより検証できる。
更に、回線上の通信情報から生成したオリジナルのシミュレート手順を変更することで、サーバと複数のクライアントの間の1対nのシミュレート手順が簡単に作成できる。
【0072】
更に、プロトコル単位に得られた複数のシミュレート手順を同時に使用してマルチプロトコルで且つ複数業務といった適宜の組合わせで実情に合わせたシミュレート動作が容易に実現でき、サーバとクライアントやホストと端末等のシステム性能の評価を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明が適用されるサーバ・クライアント・システムの説明図
【図3】本発明の実施の形態を示した説明図
【図4】図3の通信記録ファイルのファイル構造とレコード形式の説明図
【図5】図3のシミュレート手順ファイルのファイル構造とレコード形式の説明図
【図6】図3の性能評価に使用されるログファイルのファイル構造とレコード形式の説明図
【図7】図3のシミュレート動作定義ファイルのファイル構造の説明図
【図8】図3の情報抽出部による処理動作のフローチャート
【図9】図3の手順変換部によるシミュレート手順作成処理のフローチャート
【図10】図3の編集処理部によるシミュレート手順変更処理のフローチャート
【図11】図10におけるファイル形式の変換とユーザによる手順修正の説明図
【図12】図3のシミュレート処理部によるグループ制御部の機能ブロック図
【図13】図12のグループ制御部の詳細を示したブロック図
【図14】図13のクライアント部によるシミュレート動作のフローチャート
【図15】本発明で使用する自動実行コマンドの具体例とタイミングの説明図
【符号の説明】
10:LAN(伝送回線)
12:サーバ
14,14−1〜14−4:クライアント
16,16−1,16−2:シミュレータマシン
18:回線情報収集部
20:通信記録ファイル
22:情報抽出部
24:通信記録ファイル
26:手順変換部
28:シミュレート手順ファイル
30:編集処理部
31:ファイル変換部
32:テキストファイル
34:エディタ
36:シミュレート処理部
38:シミュレータ制御部
42:シミュレート定義ファイル
43:共通部
43−1〜43−3:業務単位部
44:エディタ
45:シミュレータ定義部
46−1,46−2:グループ制御部
48,48−1,48−2:端末制御部
50:共用メモリ
52,52−11〜52−14,52−21〜52−24:クライアント部
54:通信インタフェース(TCP/IP)
56:動作記録ファイル
58:ログ制御部
60:性能ログファイル
62:性能集計部
64:プリンタ
66:モニタ制御部
68:モニタ表示部
69:モニタログファイル
65,70:表示モニタ
140:手順展開部
142:クライアント管理部
144:実行部
146:手順解釈部
148:通信部
150:動作記録部
160:マスタ時間制御部
162−1,162−2:スレーブ時間制御部
164:定義解釈部

Claims (26)

  1. 複数の装置を伝送回線を介して接続し、任意の発信元装置と受信先装置との間で所定の通信規約に従って通信処理を行うシステムに於いて、
    前記伝送回線上の通信情報を収集する回線情報収集部と、
    前記回線情報収集部で収集した通信情報の中から特定の発信元装置と受信先装置との間の通信情報を抽出する通信情報抽出部と、
    前記通信情報抽出部で抽出された通信情報から、指定した1又は複数のプロトコル単位に作成された通信情報のうち、入力元の通信記録ファイルおよび抽出先の通信記録ファイルのファイル名、抽出対象とするサーバとクライアント、プロトコル毎のシミュレート手順に対応するプロトコル識別子からなるシミュレーションに必要な通信情報を判別して回線上から採取し実際に行っていた通信動作の手順からなるシミュレート手順に変換する手順変換部と、
    前記手順変換部で変換されたシミュレート手順に従って通信処理を実行するシミュレート処理部と、
    を備えたことを特徴とする計算機ネットワークのシミュレーション装置。
  2. 請求項1記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記手順変換部は、プロトコル単位に前記シミュレート手順を作成することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  3. 請求項1又は2記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記手順変換部は、抽出された通信情報からシミュレート手順情報に変換する際に、情報の内容を修正する編集処理部を備えたことを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  4. 請求項3記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記編集処理部は、変換されたシミュレート手順に基づいて特定の受信先装置に対する複数の発信元装置を対象としたシミュレート手順を作成することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  5. 請求項3又は4記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記編集処理部は、前記シミュレート手順のファイル形式をユーザが認識可能なファイル形式に変換した後に修正し、修正後に元のファイル形式に変換することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  6. 請求項3乃至5記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記編集処理部は、修正前のシミュレート手順の中の送信時間および又は受信時間の間隔を修正して複数の発信元装置を同時シミュレート動作させるためのシミュレート手順を作成することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  7. 請求項1記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記手順変換部で作成されるシミュレート手順は、シミュレート初期化処理部、シミュレート通信部及びシミュレート終了処理部のファイル構造を持ち、前記シミュレート通信部は通信開始と通信終了のシミュレート制御情報の間に、前記伝送回線から収集された通信情報に基づくシミュレート命令とシミュレート命令データを配置したことを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  8. 請求項1記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレート処理部は、シミュレータ動作条件を定義するシミュレート定義部を有し、該シミュレート定義部で定義されたシミュレータ動作条件と前記手順変換部で変換されたシミュレート手順に基づいて受信先装置との通信処理を実行することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  9. 請求項8記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレート定義部は、必要に応じてシミュレータ動作条件を変更することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  10. 請求項8又は9記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレート定義部は、シミュレータ動作条件として、少なくともシミュレートにより擬似する発信元装置の台数、シミュレートによる受信先の装置名、及びシミュレータマシンの装置名を定義することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  11. 請求項10記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレート定義部は、シミュレータマシンの装置名として、装置自身の装置名を定義することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  12. 請求項11記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレート定義部は、シミュレータマシンの装置名として、更に外部に設けた別のシミュレータマシンの装置名を定義することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  13. 請求項10記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレート定義部は、シミュレータ動作条件として、更に、ログファイル名、シミュレータ変数値および自動実行コマンドを定義することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  14. 請求項13記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シュミレータ定義部に定義された自動実行コマンドは、シミュレータ装置自身、回線接続された他の装置に対し、予め定義されたシミュレート動作状況の所定のタイミングで発行して実行を制御するコマンドであることを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  15. 請求項14記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記自動コマンドとして、少なくともシミュレート開始コマンド、通信開始コマンド、通信終了コマンド、及びシミュレート終了コマンドを定義したことを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  16. 請求項記載計算機のネットワークのシミュレータ装置に於いて、
    前記シミュレータ処理部は、シミュレータ制御部を有し、
    前記シミュレータ制御部は、プロトコル毎に変換されたシミュレート手順に対応する業務単位に1又は複数のシミュレートを同時に実行するためのグループ制御部を生成して起動し、
    前記グループ制御部は端末制御部を有し、該端末制御部の起動によりシミュレータとして疑似する1又は複数の発信元装置部を生成させ、
    前記端末制御部は、前記シミュレート手順を前記発信元装置部に提供してシミュレート動作を行わせることを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  17. 請求項16記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレータ制御部は、プロトコル単位に複数のシミュレート手順が得られている場合、各シミュレート手順毎に前記グループ制御部を生成して複数業務のシミュレートを同時に実行することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  18. 請求項16記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレータ制御部は、特定のプロトコルの変換で複数業務分のシミュレート手順が得られている場合、各シミュレート手順毎に前記グループ制御部を生成して複数業務のシミュレートを同時に実行することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  19. 請求項16記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレータ制御部は、前記シミュレータ定義部にシミュレータとして動作する装置名が自己を含めて複数定義されていた場合、前記グループ制御部を自己を含めた複数の装置に生成して起動させることを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  20. 請求項19記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレータ制御部は自己をマスタとし、外部の発信元装置に生成したグループ制御部をスレーブとして前記伝送回線を経由して起動させることを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  21. 請求項16記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記グループ制御部に設けた発信元装置部は、前記シミュレート手順の命令を実行する毎に、動作状況を記録することを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  22. 請求項1記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレート処理部は、シミュレータ動作状況を実時間で表示するモニタ制御部を備えたことを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  23. 請求項1記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレート処理部は、シミュレータ動作を記録してログ情報を作成するログ制御部を備えたことを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  24. 請求項23記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記シミュレート処理部は、前記ログ制御部で作成したログ情報に基づいてシステム性能を集計して提供する性能集計部を備えたことを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  25. 請求項1記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記発信元装置はクライアントマシンであり、前記受信先装置はサーバマシンであることを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
  26. 請求項1記載の計算機ネットワークのシミュレータ装置に於いて、前記発信元装置は端末マシンであり、前記受信先装置はホストマシンであることを特徴とする計算機ネットワークのシミュレータ装置。
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