JP3574116B2 - 濾過粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、濾過装置、特に下水処理システムのための濾過装置に使用される濾過粒子の製造方法に関する。本発明は、詳細には、水に浮かぶ低比重の濾過粒子であって、該濾過粒子を稠密集合状態にすることによって下水に含まれる固形物ゴミが捕捉される一方で、稠密集合状態の濾過粒子を分散状態にすることによって捕捉された固形物ゴミを除去する濾過粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の下水処理システムでは、一般に、生ゴミ等の固形物ゴミを含む汚水や雨水等の下水は、広大な沈殿池に導かれたあと、沈殿池の底に溜まった比較的大きな固形物ゴミを回収するという沈殿池方式が採用されている。該方式では、広大な沈殿池を確保することが困難であるので、実際には狭小な沈殿池が使用されている。狭小な沈殿池を用いた沈殿池方式では、大雨が下水処理対象地域に集中的に降って下水処理能力を超えると、緊急避難策として、未処理の下水を河川に直接放流することが行なわれている。その結果、河川が未処理の下水によって汚濁されてしまう。このように、沈殿池方式は、下水の水量の急激な変動に弱いこと等の欠点を有している。
【0003】
沈殿池方式の上記欠点を解消する方法として、濾過材浮遊方式が提案されている(非公知)。
【0004】
濾過材浮遊方式では、水に浮遊する程度の比重(比重が0.8〜0.9程度)の中空円筒形の濾過粒子が、下入口と上出口とを有するチャンバーに充填されている。濾過材浮遊方式では、下入口から上出口に下水を流すことによって濾過粒子を稠密集合状態にして下水を濾過する。その一方で、上出口から下入口に向けて逆流水を流すことによって稠密状態の濾過材集合体を分散状態にして濾過粒子に付着した付着物を除去して濾過粒子を再生させる。濾過材浮遊方式は、一般に、設置面積が少なくて済むこと、及び下水処理流体量の急激な変動に比較的対応可能であるという長所を有している。
【0005】
しかしながら、濾過粒子が濾過装置のチャンバ中を浮遊する濾過材浮遊方式には、以下のような問題がある。
【0006】
すなわち、従来から用いられている濾過粒子は、浮遊する程度の比較的高比重(0.8〜0.9程度)のスポンジ状のプラスチックからできているので、水に対する浮力が小さい。濾過材集合体を洗浄するために、高圧で大流量の洗浄水をチャンバの上出口から下入口に向けて逆方向から流したとき、洗浄水の勢いで濾過粒子が固形物ゴミと一緒にチャンバーの外に流出してしまう。したがって、高圧の洗浄水を用いることができないために、濾過装置の洗浄時間が長くなる。
【0007】
下水の濾過時において、中空円筒形をした濾過粒子は、整列しながら集合する。その結果、集合した濾過粒子は稠密状態であるので、濾過粒子間に隙間がなくなって、下水の流れが悪くなる。
【0008】
また、大きな濾過流量を得るために、中空円筒形をした濾過粒子の側周面には、流体が出入りすることのできるメッシュ状濾過部が形成されている。濾過時には微小な異物や毛髪等が中空部やメッシュ状濾過部で捕捉される。しかしながら、捕捉された微小な異物や毛髪等は、洗浄逆流水によって除去されにくいために、中空部やメッシュ状濾過部に残って目詰まりする。中空部やメッシュ状濾過部が目詰まりする結果、濾過装置の圧力損失が次第に大きくなるので、従来の濾過装置では、長時間にわたって大きな濾過流量を維持することができない。
【0009】
濾過粒子が円筒形という比較的単純な形状をしている場合、長時間にわたって大きな濾過流量が維持することができない。また、方形板状等の単純な形状をした濾過粒子は、濾過時には整列しながら集合する。このことを解決するために、濾過粒子の最適形状が探索された結果、ある程度複雑な形状をしている濾過粒子の方が好ましいことが判明しつつある。ところで、プラスチック製の濾過粒子は、一般に、プラスチックの射出成形によって製造される。しかしながら、ある程度複雑な形状をしたスポンジ状の濾過粒子を射出成形法で製造することは、金型製造費が高くなること及び成形サイクルが長くなること等の理由からコストアップになるために、適切ではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、長時間にわたる濾過流量の維持と短時間での洗浄とが可能な、ある程度複雑な形状をした濾過粒子を低コストで製造する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、液面に向けて浮上する発泡プラスチックシート体を準備するステップと、三角状の縦切断刃ユニット形状が連続して繰り返された略鋸歯状の縦切断刃を一定間隔で繰り返し整列配置した縦切断金型で、前記シート体に縦方向切込を押入れるステップと、三角状の横切断刃ユニット形状が連続して繰り返された略鋸歯状の横切断刃を一定間隔で繰り返し整列配置した横切断金型を前記縦切断金型に対して直交配置して、該横切断金型で前記シート体に横方向切込を押入れるステップとを備え、凹凸部分を周縁部に有する複数の濾過粒子が前記シート体から打ち抜かれて、ある濾過粒子の凹凸部分が、他の濾過粒子の凸凹部分と嵌合する濾過粒子の製造方法を提供するものである。
【0012】
上記押込切断方法では、切断金型で発泡プラスチックシート体に対して縦方向切込及び横方向切込を押入れることによって、多数の濾過粒子が作成される。すなわち、縦横の2回の切込をシート体に押入れることによって、シート体がいわゆるジグソーパズルのように分断されて材料ロスが発生しないので、濾過粒子一つ当りの製造コストが低減される。
【0013】
また、個別にプラスチック原料を金型に充填して濾過粒子を発泡させながら成形したあと成形品を取出す場合、成形サイクルが長くなる。これに対して、本発明の場合、発泡プラスチックシート体に対して切断金型で切込を押入れるだけでよいので、加工サイクルが短くなる。
【0014】
多くの濾過粒子が濾過装置に充填されて使用されるので、発泡プラスチックシート体を切断刃を有する切断金型で押込んで切断する方法がコスト的に有利である。
【0015】
また、液面に向けて浮上する発泡プラスチックシート体を準備するステップと、濾過粒子の各辺に対応する切断刃ユニットがそれぞれ順送り方向に配置された切断金型でシート体に切込を押入れるステップと、シート体又は切断金型のいずれか一方を順送りするステップとを備える押込切断方法も用いることができる。上記押込切断方法では、高価な切断刃ユニットの数を少なくすることができるので、切断金型作成費を低減することができる。
【0016】
これらの方法で得られた濾過粒子は、液面に向けて浮上する低比重の発泡プラスチック材からできているので、高圧で大流量の逆流洗浄流体を流して濾過粒子を洗浄しても、濾過粒子が外部に流出することがない。したがって、高圧で大流量の逆流洗浄流体が利用することができるので、濾過装置の洗浄時間が短縮される。濾過粒子は、平面視大略方形形状を基調にした板状体であって、その周縁部が切欠かれているので、濾過粒子を稠密状態にしても、切欠によって形成された周縁部での凹凸部によって濾過粒子の隙間が確保されている。したがって、濾過粒子の隙間に処理流体中の液体が通過することができるので、長時間にわたって大きな濾過流量を維持することができる。
【0017】
逆流洗浄時であってもより大きな浮力が得られるように、発泡プラスチック材は、濾過チャンバの下流口から上流口に向けて処理流体を流して該処理流体中に含まれる固形物を除去する濾過時、及び濾過チャンバの上流口から下流口に向けて洗浄流体を流して濾過粒子を洗浄する洗浄時のいずれにおいて、濾過チャンバーの上部に浮上する低比重のものが使用される。
【0018】
具体的には、発泡プラスチック材料は、0.6より小さな比重を有することが好ましく、特に0.1〜0.2の比重を有することが好ましい。
【0019】
周縁部での切欠は不規則であってもよいが、特に、上述した押込切断方法を利用した場合、周縁部での切欠を規則的にすることによって、切断刃の形状が単純化されるために、切断金型の作成費が低減される。
【0020】
好ましくは、濾過粒子が平面視大略風車形状をしてなる。濾過チャンバーにランダムに充填された多数の大略風車形状の濾過粒子に対して、加圧された処理流体が流されたときに、濾過粒子は互いに重なり合って稠密集合状態になる。稠密状態の濾過粒子集合体において、濾過粒子の周縁部での比較的大きな凹凸部によって、処理流体が通過するための隙間が確保されている。したがって、長時間にわたって大きな濾過流量を維持される。
【0021】
縦切込及び横切込の2回の切込をシート体に押入れる押込切断方法によれば、風車形状が90度回転対称である。
【0022】
大略風車形状の濾過粒子では、濾過粒子の周縁部が大きく切欠かれているが、濾過粒子の周縁部の切欠を小さくして、微小な凹凸が周縁部に多数形成された形状にすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態に係る濾過粒子の製造方法及び該方法によって得られた濾過粒子を用いた下水40の濾過方法について、図1〜3を参照しながら説明する。
【0024】
図1に示すように、生ゴミや枯葉や土砂等の固形物のゴミ4を含む汚水や雨水等の下水40を濾過するための濾過装置1は、本発明に係る製造方法で得られた濾過粒子2が略垂直に配置された円筒形状のチャンバー10に多数充填された構成をしている。
【0025】
一つの濾過粒子2は、図2(A)に示すように、平面視大略方形形状を基調にした板状の独立発泡プラスチック材であって、各コーナー部が台形状に大きく切り欠かれて、略正方形の各コーナー部に台形状切欠3が形成されている。切欠3によって周縁部が比較的大きく凹凸形状になっている濾過粒子2は、平面視大略風車形状をしてなる。風車形状の濾過粒子2は、90度回転対称体である。
【0026】
このような形状の濾過粒子2は、射出成形等の種々の方法で製造することができるが、製造コストの点で、切断刃を有する切断金型で独立発泡プラスチックシート体を押込んで切断する方法、すなわち押込切断法が好ましい。
【0027】
図2(A)に示した風車形状の濾過粒子2は、例えば次のような手順の押込切断方法で製造される。まず、厚みが約5mmの独立発泡プラスチック製のシート体52を準備する。独立発泡プラスチックのシート体52は、微細な気泡が独立した発泡シート体であり、吸水性の無いスポンジ状である。独立発泡プラスチックのシート体52は、0.6より小さな比重を有することが好ましく、特に0.1〜0.2の比重を有することが好ましい。
【0028】
図3に示すように、三角状の縦切断刃ユニット形状が連続して繰り返された略鋸歯状の縦切断刃62aを一定間隔で繰り返し整列配置した縦切断金型60aと、三角状の縦切断刃ユニット形状が連続して繰り返された略鋸歯状の横切断刃62bを一定間隔で繰り返し整列配置した横切断金型60bとからなる切断金型とを準備する。縦切断金型60aは、横切断金型60bに対して直交配置されている。
【0029】
まず、縦切断金型60aの縦切断刃62aが1枚のシート体52に対して押し当てられて、シート体52に縦方向切込が押入れられる。次に、縦方向切込が押入れられたシート体52に対して横切断金型60bの横切断刃62bを押し当てて、シート体52に横方向切込が押入れられる。その結果、図2(B)に示すように、1枚のシート体52から、多数の風車形状の濾過粒子2が一度に打抜かれる。そして、略風車形状の濾過粒子2が作成される際に、1枚のシート体52からは切れ端という材料ロスが発生していないので、資源の有効利用及び原材料費の低減が実現されている。なお、押込切断時においては、切断金型60又はシート体52のいずれか一方をスライド移動させればよい。
【0030】
切断金型によるシート体の押込切断は、図4に示した方法によっても達成される。すなわち、押込切断すべき濾過粒子2の各辺に対応する切断刃ユニット62がそれぞれ順送り方向に配置された切断金型60を準備する。切断金型60の切断刃ユニット62が約5mm厚の独立発泡プラスチック製シート体52に対して押し当てられて、シート体52に各辺に対応した切込が押入れられる。シート体52を順送り方向にピッチ送りしたあと、切断金型60の切断刃ユニット62がシート体52に対して押し当てられて、シート体52に各辺に対応する切込が押入れられる。このようなピッチ送りと切込押入とを繰り返すと、最終的に、図2(B)と同様の打抜きシート体52が作成される。そして、1枚のシート体52からは切れ端という材料ロスが発生していないので、資源の有効利用及び原材料費の低減が実現されている。なお、押込切断時においては、切断金型60又はシート体52のいずれか一方をスライド移動させればよい。
【0031】
このようにして作成された略風車形状の濾過粒子2は、所定のフィルタ層の厚みが得られるように、チャンバー10に多数充填されて使用される。
【0032】
チャンバー10の下部には、固形物のゴミ4を含む汚水や雨水等の下水40が導かれる下水管20と、ゴミ4が濃縮されたゴミ排出水46が導かれるゴミ排出管24とが接続されている。チャンバー10と、下水管20及びゴミ排出管24との間には、それぞれ、水の流れを切換える切換バルブ26が設けられている。チャンバー10の上部には、濾過粒子流出防止ネット18を介して、圧密フィルタ層12で濾過された濾過水42を導く濾過水回収管22が接続されている。
【0033】
次に、上記構成の濾過装置1を用いた、下水40の濾過方法及び濾過粒子の洗浄方法について、図1を参照しながら説明する。
【0034】
下水管20の切換バルブ26を開にするとともに、ゴミ排出管24の切換バルブ26を閉にした状態で、ゴミ4を含む加圧された下水40が下水管20に導かれる。ゴミ4を含む加圧された下水40を少し流すと、比重が非常に小さい濾過粒子2がそれ自身の浮力で、液面に向けてチャンバー10の上部に浮上する。そして、濾過粒子2が濾過粒子流出防止ネット18及びチャンバー10の上壁面に押し留められる。多量の加圧された下水40が下方から上方に向けて流されると、濾過粒子2はチャンバー10の上壁面に圧密状態で集合し、圧密フィルタ層12が形成される。ゴミ4を含む加圧下水40が継続的に流されると、固形物のゴミ4が圧密フィルタ層12の下面から下方向に向かって圧密状態で次第に蓄積される一方、圧密フィルタ層12の濾過粒子2の隙間を通った濾過水42が濾過水回収管22に導かれる。
【0035】
長時間にわたって濾過作業を行なうと、固形物のゴミ4が圧密フィルタ層12より下方に次第に蓄積して、圧密ゴミ層14の厚みが増大する。圧密ゴミ層14が所定厚みより厚くなると圧密ゴミ層14での圧損が大きくなって、濾過水42の濾過流量が減少する。濾過流量を監視する流量センサ(不図示)が濾過水回収管22の側に設けられており、濾過流量が適宜モニターされている。濾過流量が所定値を下回ると、フィルタの目詰まりを知らせる目詰まり信号が発せられて、以下に説明する、濾過粒子2の洗浄作業に移行する。
【0036】
濾過粒子2の洗浄作業では、まず、下水管20の切換バルブ26を閉にするとともに、ゴミ排出管24の切換バルブ26を開にする。そのあと、濾過時と逆向き(上方から下方に向けて)の加圧された洗浄水44が濾過水回収管22から流される。高圧の洗浄水44が圧密フィルタ層12を流れることによって、濾過粒子2の圧密状態が解放される。圧密状態の解放された濾過粒子2は、洗浄水44の下向きの水圧で下向きに移動して、濾過粒子2が分散した分散濾過粒子層32となる。一方、水よりも比重の大きい圧密ゴミ層14も分散しながら下向きに移動して分散ゴミ層34となる。分散ゴミ層34が洗浄水44の水圧で下方に動かされて、固形物のゴミ4はゴミ排出水46としてゴミ排出管24から排出される。ゴミ排出管24から排出されたゴミ4は別途設けられたゴミ回収手段で回収される。なお、加圧された洗浄水44が圧密フィルタ層12に吹付けられて、濾過粒子2が圧密状態から分散状態に変わるとき、スポンジ様の濾過粒子2の弾性によって濾過粒子2自身が押し広がろうとする力も加わるので、濾過粒子2の分散時間が短くなる。
【0037】
ところで、高圧の洗浄水44が分散した濾過粒子2に吹付けられると、比重が非常に小さい濾過粒子2も洗浄水44の水圧で下方に動かされるが、濾過粒子2の水に対する浮力が非常に大きいために、濾過粒子2は浮上する。そして、浮上した濾過粒子2は、洗浄水44の水圧で下方に動かされる。このように、濾過粒子2は浮上と下動とを繰り返してチャンバー10内で激しく撹拌される。濾過粒子2の浮力が洗浄水44の下向きの水圧より勝るために、濾過粒子2は、チャンバー10から排出されることなく、結果的にチャンバー10内に留まる。チャンバー10内での濾過粒子2に対する激しい撹拌作用によって、濾過粒子2に付着した毛髪等の付着物もはたき落とされて、濾過粒子2は元のきれいな状態に再生される。
【0038】
従来技術のところで説明した中空円筒形の濾過粒子を上記濾過装置1に使用した場合には、目詰まりした濾過粒子を洗浄するためにはおおよそ30分を要した。
【0039】
これに対して、本発明に係る製造方法によって得られた略風車形の濾過粒子2を上記濾過装置1に使用した場合には、目詰まりした濾過粒子2をおおよそ1分で洗浄・再生することができた。
【0040】
洗浄作業が終わると、下水管20の切換バルブ26を開にするとともに、ゴミ排出管24の切換バルブ26を閉にすると、前述した濾過作業に戻る。圧密フィルタ層12の目詰まりが進んだときに、上記の洗浄作業を行なうことによって濾過粒子2が再生される。したがって、濾過粒子2を交換することなく、バルブ26及び水流方向の切換だけで濾過及び洗浄作業を行なうことができる。
【0041】
次に、図5を参照しながら、濾過粒子2の他の実施形態について説明する。
【0042】
図5(A)に示した濾過粒子2は、平面視、大略正方形状を基調にした板状体であって、各コーナー部が比較的小さなL字状に切り欠かれて、略正方形の各コーナー部に比較的小さなL字状切欠3が形成されている。右上L字状切欠3と左上L字状切欠3とが左右対称であり、右下L字状切欠3と左下L字状切欠3とが左右対称である。したがって、濾過粒子2は、全体として左右対称すなわち線対称で微小な凹凸が多数形成された形状をしてなる。
【0043】
このような微小凹凸形状の濾過粒子2は、風車型濾過粒子の場合と同様に、例えば次のような手順の押込切断方法で製造される。
【0044】
まず、厚みが約5mmの独立発泡プラスチック製のシート体52を準備する。略三角状の縦切断刃ユニット形状が繰り返された略鋸歯状の縦切断刃を第1実施形態で説明した風車型切断刃の場合より広めの一定間隔で配置された縦切断金型と、略三角状の横切断刃ユニット形状が繰り返された略鋸歯状の横切断刃を第1実施形態で説明した風車型切断刃の場合より広めの一定間隔で配置された横切断金型とからなる切断金型とを準備する。縦切断金型は、横切断金型に対して直交配置されている。まず、縦切断金型の略鋸歯状の縦切断刃が1枚のシート体52に対して押し当てられて、シート体52に縦方向切込が押入れられる。次に、縦方向切込を押入れられたシート体52に対して横切断金型の略鋸歯状の横切断刃が押し当てられて、シート体52に横方向切込が押入れられる。その結果、図5(B)に示すように、1枚のシート体52から多数の微小凹凸形状の濾過粒子2が一括して打抜かれる。そして、1枚のシート体52からは切れ端という材料ロスが発生していないので、資源の有効利用及び原材料費の低減が達成されている。
【0045】
また、第1実施形態と同様に、上記の微小凹凸形状の濾過粒子2を図1の濾過装置1に使用した場合には、目詰まりした濾過粒子2をおおよそ1分で洗浄して再生することができた。
【0046】
なお、上述した実施形態以外に、その周縁部が凹凸を有する濾過粒子2として種々の形状が可能である。例えば、平面視大略方形形状を基調とした濾過粒子2が、「キ」字状、「コ」字状や、「E」字状、「F」字、「H」字状、「L」字状、「N」字状、「S」字状、「T」字状又は「X」字状であってもよい。濾過粒子2のこれらの文字形状の共通点は、濾過粒子2の切欠3が開放されていることである。すなわち、閉じられた切欠(例えば、リング体のように中空であるもの)であれば、毛髪や小石等の固形物のゴミ片が中空部の中に詰まってしまって、閉塞状態になる。中空部に詰まったゴミ片がそこから脱離しないために、洗浄時間が長くなってしまう。これに対して、上述した各種文字形状の濾過粒子では、毛髪や小石等のゴミ片が開放切欠にトラップされても、ゴミ片が開放切欠から容易に脱離するので、洗浄時間が短くなる。また、上記濾過粒子2は、平面視大略正方形形状を基調にした板状体であるが、平面視大略長方形形状であってもよい。
【0047】
また、一つの切断刃ユニット62で、ある濾過粒子2の一辺と該辺に隣接する濾過粒子2の他辺との2辺に対応する2辺対応切込が形成されるように、切断刃ユニット62は、種々の形状に配置することが可能である。また、上記実施形態においては、洗浄流体44として洗浄水が使用されているが、空気を含んだ高圧のバブル洗浄水を使用することができる。また、本発明に係る濾過粒子は、上述した下水以外に、液体と固形物とを含む処理流体の処理、例えば、野菜や果物をおろし状にしてジュースと絞りかすとが混合された混合流体からジュースを分離する処理にも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって製造された濾過粒子を用いた濾過装置の濾過・洗浄方法を説明する説明図である。
【図2】(A)は、本発明の第1実施形態に係る製造方法によって製造された濾過粒子の正面図を示す。(B)は、シート体を押込切断するという第1実施形態に係る濾過粒子の製造方法を示す図である。
【図3】図2(B)で使用される切断金型を示す説明図である。(A)は縦切断金型を示す。(B)横切断金型を示す。
【図4】第1実施形態に係る濾過粒子の製造方法を説明する説明図である。(A)は、シート体の押込切断を示す図である。(B)は、(A)で使用される切断金型を示す図である。
【図5】(A)は本発明に係る濾過粒子の製造方法によって得られた濾過粒子の正面図を示す。(B)は、第1実施形態に係る製造方法で押込切断されたシート体を示す図である。
【符号の説明】
1 濾過装置
2 濾過粒子
3 切欠
4 ゴミ
10 濾過チャンバ
12 圧密フィルタ層
14 圧密ゴミ層
16 ゴミ含有下水
18 濾過粒子流出防止ネット
20 下水導入管
22 濾過水回収管
24 ゴミ排出管
26 切換バルブ
32 分散濾過粒子層
34 分散ゴミ層
40 汚水及び雨水(下水)
42 濾過水
44 洗浄水
46 ゴミ排出水
52 シート体
60 切断金型
60a 縦切断金型
60b 横切断金型
62 切断刃ユニット
62a 縦切断刃
62b 横切断刃

Claims (9)

  1. 液面に向けて浮上する発泡プラスチックシート体を準備するステップと、
    三角状の縦切断刃ユニット形状が連続して繰り返された略鋸歯状の縦切断刃を一定間隔で繰り返し整列配置した縦切断金型で、前記シート体に縦方向切込を押入れるステップと、
    三角状の横切断刃ユニット形状が連続して繰り返された略鋸歯状の横切断刃を一定間隔で繰り返し整列配置した横切断金型を前記縦切断金型に対して直交配置して、該横切断金型で前記シート体に横方向切込を押入れるステップと、を備え、
    凹凸部分を周縁部に有する複数の濾過粒子が前記シート体から打ち抜かれて、ある濾過粒子の凹凸部分が、他の濾過粒子の凸凹部分と嵌合することを特徴とする、濾過粒子の製造方法。
  2. 前記縦切断刃ユニット形状は前記横切断刃ユニット形状と同一であって、濾過粒子が回転対称体又は線対称体になるように、前記横切断金型が位置決めされることを特徴とする、請求項1記載の濾過粒子の製造方法。
  3. 液面に向けて浮上する発泡プラスチックシート体を準備するステップと、
    濾過粒子の各辺に対応する切断刃ユニットがそれぞれ順送り方向に配置された切断金型でシート体に切込を押入れるステップと、
    シート体又は切断金型のいずれか一方を順送りするステップと、を備え、
    凹凸部分を周縁部に有する複数の濾過粒子が前記シート体から打ち抜かれて、ある濾過粒子の凹凸部分が、他の濾過粒子の凸凹部分と嵌合することを特徴とする、濾過粒子の製造方法。
  4. 前記発泡プラスチック材は、濾過チャンバの下流口から上流口に向けて処理流体を流して該処理流体中に含まれる固形物を除去する濾過時、及び濾過チャンバの上流口から下流口に向けて洗浄流体を流して濾過粒子を洗浄する洗浄時のいずれにおいて、濾過チャンバーの上部に浮上することを特徴とする、請求項1又は3記載の濾過粒子の製造方法。
  5. 前記発泡プラスチック材は、0.1〜0.2の比重を有することを特徴とする、請求項4記載の濾過粒子の製造方法。
  6. 周縁部での切欠が規則的であることを特徴とする、請求項1又は3記載の濾過粒子の製造方法。
  7. 前記濾過粒子が平面視大略風車形状をしてなることを特徴とする、請求項1又は3記載の濾過粒子の製造方法。
  8. 前記風車形状が90度回転対称であることを特徴とする、請求項7記載の濾過粒子の製造方法。
  9. 前記濾過粒子の周縁部には、微小な凹凸が多数形成されていることを特徴とする、請求項1又は3記載の濾過粒子の製造方法。
JP2002095259A 2002-03-29 2002-03-29 濾過粒子の製造方法 Expired - Lifetime JP3574116B2 (ja)

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