JP3572822B2 - インクジェットプリントヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクをノズルから吐出させ、被記録材にインクドットを付着させて記録を行なうインクジェットプリントヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多数のノズルを備えたインクジェットプリントヘッドにおいては、全てのノズルを同時に駆動するためには大きな電流が必要であり、電源装置などが大型化するため、いくつかのノズルごとにブロックに分割し、ブロックごとに駆動するブロック駆動がなされている。図11は、従来の駆動方法の一例の説明図である。図11に示した例では、4本のノズルを1ブロックとして、各ブロック内のノズルを同時に駆動し、各ブロックを順次駆動している。これによって同時に駆動されるノズルは4本のみであるため、電源装置の電源容量を大幅に縮小することができる。
【0003】
このような駆動によって、被記録材には図中右に示すように、4ドットずつ少しずつずれたドット列が形成される。このままでは直線が傾いてしまうため、通常はインクジェットプリントヘッドを少し傾けて配置し、補正している。あるいは、特開平5−220988号公報に記載されているように、隣接するノズルが同一ブロックとならないように構成し、ドット列を分散させて直線性を向上させようとしたものもある。さらに、特開平7−96607号公報では、噴射領域を一部重複させて駆動することによって直線性を向上させている。しかしこのような駆動方法は、駆動制御回路が複雑となり、また、噴射完了までの時間が長くなるという欠点を有している。
【0004】
また、多数のノズルを備えたインクジェットプリントヘッドでは、あるノズルからインクの噴射を行なうと、インクの噴射の際にノズル内に圧力変動やインクの流動が発生する。この圧力変動やインクの流動が他のノズルにも伝播し、流体的、音響的クロストークを引き起こす場合がある。すなわち、各ノズルでは、先に噴射を行なったノズルからの流体的、音響的クロストークの影響を受けて、噴射時に外乱を生じ、その結果、サテライト異常等の画質欠陥を引き起こす場合がある。このため、最も影響を受けやすい次のタイミングで噴射を行なうノズルを、インクを噴射したノズルからできるだけ物理的に離すことで外乱を避ける方法が取られてきている。しかし、距離を離しすぎることは、その電気的駆動方法が困難になるばかりでなく、印字タイミングのずれから画像上の直線性を損ない、高品質の画質を保つことができなくなるという問題があった。
【0005】
例えば、特開平7−81066号公報では、隣接するノズルを連続的に駆動している。そのため、隣接するノズル間でクロストークが発生し、画像が劣化するという問題がある。また、上述の特開平5−220988号公報や特開平7−96607号公報でも、隣接するノズルが連続するタイミングで駆動されており、やはりクロストークが発生して画質の劣化を生じる。
【0006】
このようなクロストークを回避する駆動方法として、インターレース方式が提案されている。図12は、従来のインターレース方式の駆動方法の一例の説明図である。図12では、8本のノズルを8回に分けて駆動する例を示している。インターレース方式では、あるノズルが駆動されたとき、次のタイミングではなるべく離れたノズルを駆動する。この例では、1番目のノズルを駆動した後、5番目のノズルを駆動し、以下、3番目、7番目、2番目、6番目、4番目、8番目の順で駆動する。このような駆動を行なうことによって、連続するタイミングで隣接するノズルが駆動されないので、クロストークは発生しにくく、良好な画質を維持できる。また、記録されたドットは、ある幅に広がるが、直線性は向上する。
【0007】
このようなインターレース方式を、多数のノズルを有するインクジェットプリントヘッドに適用する場合、通常は全てのノズルを1本ずつ順次駆動することは行なわず、ある本数ごとにグループに分け、各グループ内でインターレース方式で駆動を行なう。そして、電源容量などの関係から同時に駆動可能なノズル数だけのグループをブロックとして、各グループのノズル1本ずつを同時に駆動する。各ブロックは順次駆動すればよい。
【0008】
一方、1つのヘッドに配列されている複数のノズルを色数に分割し、複数色を記録可能なインクジェットプリントヘッドが開発されている。このようなインクジェットプリントヘッドは、例えば、特公平1−12675号公報や、特開平2−204053号公報等に記載されている。しかし、これらの文献に記載されているインクジェットプリントヘッドでは、異なる色材を噴射するノズルが隣接しているため、混色などの問題がある。特開平4−263949号公報では、異なる色材を噴射するノズルの間隔を広くし、混色などを防いでいる。同様に特願平7−103662号においても、異なる色材を噴射するノズルの間隔を広くし、さらにダミーノズルを異なる色材を噴射するノズルの間に設けている。ダミーノズルは特開平5−138884号公報で提案されているように、実際の記録動作時には使用しないノズルであり、噴射の安定化を実現している。
【0009】
このような複数色一体型のインクジェットプリントヘッドにおいて、上述のようなインターレース方式による駆動を行なう場合を考える。図13は、複数色一体型のインクジェットプリントヘッドにおいてインターレース方式の駆動を行なった場合の段差の説明図である。図13(A)には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色一体型のインクジェットプリントヘッドを示している。なお、各ノズルの図示は省略している。このようなインクジェットプリントヘッドを例えば4つのブロックに分けて順次駆動することを考える。各ブロック内はインターレース方式によって駆動されるので、図12に示すようにある幅d内にドットが分散されて記録される。1つのブロックの駆動が終了し、次のブロックの駆動を行なう際には、図13(B)に示すように先のブロックによって記録された幅dだけずれた、幅dの領域にドットが記録されることになる。
【0010】
図11に示したように隣接したノズルをブロックとして同時に駆動し、各ブロックを順次駆動した場合には各ドットのズレは微小であり、全体としてズレが生じるのみであったが、このインターレース方式では、図13(B)に示すようにブロック間のズレ量が大きくなる。このブロック間のズレは、視覚的な段差となって画質を低下させる。この視覚的な段差は、主に文字を記録することが多い黒ではそれほど問題とはならず、主にチャートなどのグラフィックパターンを記録する場合の多い他のカラーで主に問題となっていた。図13(A)に示したようなブロックの分割を行なった場合、3色ともブロックの境界が存在し、このブロックの境界部分で視覚的な段差が生じる可能性がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、複数色一体型のインクジェットプリントヘッドにおいてインターレース方式の駆動を行なった場合でも、視覚的な段差を生じず、良好な画質を得ることのできるインクジェットプリントヘッドを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、複数のノズルを有するヘッド部と、該ノズルを駆動する駆動制御手段を有し、前記複数のノズルを分割して複数の色材を記録可能なインクジェットプリントヘッドであって、異なる色材を噴射するノズル間に記録に用いないが駆動可能なダミーノズルを有しており、前記駆動制御手段が、前記色材を噴射するノズルにおいては、隣接するノズルを同時に駆動しないインターレース方式を用い、同時に駆動可能なノズル数と前記インターレース方式に応じてブロックごとに順次駆動して記録動作を行なわせるインクジェットプリントヘッドにおいて、前記駆動制御手段は、前記各色材を噴射するノズルを前記各色材ごとにそれぞれ1つのブロックとしてそれぞれ各色の記録を行なうように駆動し、前記ダミーノズルにおいては、前記各色材ごとのブロックとは異なるブロックとして、かつ、前記各色の記録を行なうブロックの駆動の間に駆動し、この間に各色の記録位置を合わせるようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリントヘッドにおいて、さらに、複数のノズルを有し1色のみ記録可能な第2のヘッド部と、該第2のヘッド部の駆動を制御する第2の駆動制御手段を有し、前記第2の駆動制御手段も、前記第2のヘッド部の各ノズルの噴射において隣接する前記ノズルを同時に噴射させないインターレース方式を用い、同時に駆動可能なノズル数と前記インターレース方式に応じてブロックごとに順次駆動して記録動作を行なうものであることを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェットプリントヘッドにおいて、前記駆動制御手段および前記第2の駆動制御手段は、前記各ブロックに属するノズルの選択を、ブロックを選択するためのブロック選択信号線と、各ノズルの入切を指示する信号線の一部との電気的接続によって行なうことを特徴とするものである。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のインクジェットプリントヘッドにおいて、前記ダミーノズルのブロックは、インターレース方式による駆動は行なわないことを特徴とするものである。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェットプリントヘッドにおいて、各色材ごとのブロックを駆動するインターレース方式と、前記ダミーノズルのブロックのインターレース方式以外の駆動方式は、前記駆動制御手段におけるブロック内のノズルを選択するためのブロック内選択信号線と、各ノズルの入切を指示する信号線の一部との電気的接続によって実現することを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態を示す概略構成斜視図であり、図1(A)は単色のインクジェットプリントヘッドの一例を示し、図1(B)は3色一体型のインクジェットプリントヘッドの一例を示す。また図2は、同じく流路方向の断面図である。図中、1はチャネル基板、2はヒータ基板、3は厚膜樹脂層、4はインクリザーバ、5はリザーバ隔壁、6は印字記録用ノズル、7はダミーノズル、8は間隔、9は発熱体である。
【0020】
チャネル基板1には、複数のインク流路およびインクリザーバ4が形成される。インクリザーバ4は各色のインクごとに形成される。図1(B)に示す3色一体型のインクジェットプリントヘッドでは、3つのインクリザーバ4が設けられている。この場合、インクとして、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色を用いることができる。各インクリザーバ4は、リザーバ隔壁5で隔てられている。また、図1(A)に示すインクジェットプリントヘッドでは、1つのインクリザーバ4が設けられている。例えば黒(K)のインクを用いることができる。なお、インクリザーバ4はチャネル基板1を貫通して形成されており、この貫通孔から各色のインクが供給される。
【0021】
また、チャネル基板1には複数のインク流路が設けられ、インクリザーバ4に連通している。図1に示す3色一体型のインクジェットプリントヘッドでは、複数のインク流路は、各色に対応して形成され、それぞれ対応するインクリザーバ4に連通している。インク流路は、例えば400DPIの記録密度では63.5μmごとに設けられる。インク流路中には図2に示すように発熱体9が設けられており、後述する駆動制御部によって駆動されて発熱し、インク中に気泡を成長させて気泡の圧力によってインクをノズルから吐出させる。各インクリザーバ4に接続された複数のインク流路のうち、両端の1ないし複数のインク流路はダミーノズル7として用いられ、他は印字記録用ノズル6として用いられる。すなわち、印字記録を行なう際には、印字記録用ノズル6のみを用いて行なわれる。
【0022】
上述の特開平5−138884号公報にも記載されているように、インクリザーバ4の側面付近のノズルでは、インクの吐出が不安定になりやすい。そのため、ダミーノズル7は、印字記録時には用いない。しかし、ダミーノズル7は、インクを吐出することは可能である。例えば、メンテナンス時にインクを吐出させたり、プライミング動作によってダミーノズル7からもインクを吸引することができる。これによって、インクリザーバ4の側面付近に滞留する気泡やゴミなどがダミーノズル7からインクとともに外部へ排出され、印字記録時の吐出不良を軽減することができる。
【0023】
図1(B)に示す3色一体型のインクジェットプリントヘッドでは、異なる色の隣接するダミーノズル7の間には、印字記録用ノズル6およびダミーノズル7のピッチと同じピッチで間隔8が設けられている。この間隔8は、例えばノズル数本が配置できるだけの間隔とすることができる。印字記録時には、異なる色のインクを吐出する印字記録用ノズル6の間には、この間隔8とダミーノズル7の間隔が空くことになる。これによって異なる色のインクの混色を低減することができ、良好な画質を得ることができる。また、ダミーノズル7は、チャネル基板1とヒータ基板2を接着する際の接着剤の回り込みをを抑制する働きも有している。
【0024】
一方、ヒータ基板2には、印字記録用ノズル6およびダミーノズル7に対応して発熱体9が設けられ、電極や保護膜等が形成され、その上に厚膜樹脂層3が設けられる。厚膜樹脂層3には、インク流路とインクリザーバ4とを接続する凹部、および、発熱体上の凹部が形成される。そして、チャネル基板1とヒータ基板2が接合され、インク流路の所定の位置で切断し、ヘッドチップが構成されている。
【0025】
図1(B)には3色一体型のインクジェットプリントヘッドを示したが、3色に限らず、2色以上の複数色を一体化したインクジェットプリントヘッドにおいて同様に構成することができる。また、ここでは図1(B)に示す3色一体型のインクジェットプリントヘッドと図1(A)に示す単色のインクジェットプリントヘッドを並置して用いるが、4色一体型のインクジェットプリントヘッドを1本のみ用いるなど、種々の変形が可能である。
【0026】
図3は、本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態における具体例を示す正面図である。ここでは具体例として、インクジェットプリントヘッドは160個の発熱体を駆動制御可能な駆動制御部を有するものとし、駆動可能な160本のノズルについてその配置を示している。駆動可能なノズルの本数が多いほど、記録スピードを確保する上で好ましい。便宜上、左側のノズルから一連番号を付し、各ノズルを番号で示すことにする。図3(A)に示す単色のインクジェットプリントヘッドでは、黒(K)を記録するものとし、1番から160番までの160本のノズル全てから黒(K)インクを噴射する。
【0027】
図3(B)に示す3色一体型のインクジェットプリントヘッドは、左からシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを噴射して記録するものとし、それぞれ52本、56本、52本のノズルを割り当てている。シアン(C)のインクを噴射する1番から52番までのノズルのうち、1〜4番の4本と45〜52番の8本のノズルをダミーノズル7とし、5〜44番の40本のノズルを印字記録用ノズル6として用いる。また、マゼンタ(M)のインクを噴射する53〜108番のノズルのうち、53〜60番の8本と101〜108番の8本のノズルをダミーノズル7とし、61〜100番までの40本のノズルを印字記録用ノズル6として用いる。イエロー(Y)のインクを噴射する109〜160番のノズルのうち、109〜116番の8本と157〜160番の4本のノズルをダミーノズル7とし、117〜156番の40本のノズルを印字記録用ノズル6として用いる。
【0028】
なお、間隔8として、8本のノズルを配置可能な間隔が設けられている。上述のようにチャネル基板1とヒータ基板2を接着してヘッドを組み立てるが、製造上、間隔8としてある程度大きさを確保する必要がある。そのため、色間のダミーノズルが存在しない間隔8の領域として、8本のノズル相当の領域を確保した。
【0029】
図3(A)に示した黒(K)のインクジェットプリントヘッドの1番のノズルが図3(B)に示した3色一体型のインクジェットプリントヘッドの5番のノズルに対応づけて、両者のインクジェットプリントヘッドが配置される。図3(A)に示した黒(K)のインクジェットプリントヘッドの160番のノズルは、図3(B)に示した3色一体型のインクジェットプリントヘッドの148番のノズルと対応する。
【0030】
このようなインクジェットプリントヘッドを用い、画信号に応じてノズルを駆動制御して記録を行なう。このとき、インターレース方式を用いて駆動を行なう。図4は、本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態におけるインターレース方式の駆動方法の一例の説明図である。ここでは、8ドットを離散させたインターレースを用いている。これはインターレース方式の駆動においては2のn乗が妥当であり、4では隣接するノズルが駆動されるので画質欠陥の発生の可能性があるため採用できず、16では直線性の確保が困難だからである。
【0031】
また、ここでは5本のノズルを同時に駆動する。4本のノズルを同時に駆動する場合、160本のノズルを駆動するのに40回の駆動を要するため、全てのノズルを駆動するのに時間がかかり、印字スピードが低下する。そのため、5本以上のノズルの同時駆動が要求される。しかしながら、同時に駆動するノズル数の増加は、電源容量の増大と、発熱によるインクジェットプリントヘッドの昇温を招き、気泡に起因する画質欠陥を誘発するため、なるべく少ない方がよい。このような見地から、同時に駆動するノズル数を5本としている。
【0032】
また、8ドットを離散させたインターレース方式の駆動と、5本のノズルの同時駆動を組み合わせることにより、1ブロックの単位は8×5=40本となる。上述の各インクジェットプリントヘッドの具体例において備えられているノズル数160本は40の倍数であり、好ましい本数である。
【0033】
図4では、このようにして決定された1ブロック内のインターレース方式の駆動方法を示している。図中の数字は1ブロック内のノズルの番号を示しており、上から8本ごとにグループを形成している。各グループ内でインターレース方式の駆動を行ない、駆動順序を○付きの数字で示している。また、各グループの同じ位置のノズル、すなわち駆動順序を示す○付きの数字の同じノズルを同時に駆動する。例えば、1〜8のノズルで構成されるグループでは、1,4,7,2,5,8,3,6の順で各ノズルが駆動される。また、1,9,17,25,33の5本のノズルは同時に駆動される。このような駆動方法によって記録されるドットを拡大して模式的に左側に示している。このように、ブロック内では直線性を損なうことなく、また隣接するノズルが連続して駆動されないのでクロストークなどによるサテライトの発生が減少し、画質を向上させることができる。
【0034】
図5、図6は、本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態における具体的な各ブロックの駆動順序の一例の説明図である。図5(A)は図3(A)に示した黒(K)インクを噴射するインクジェットプリントヘッドの場合を示し、図5(B)は図3(B)に示した3色一体型のインクジェットプリントヘッドを示している。なお、ここでは、各ブロックを順次駆動するので、駆動される順に各ブロックをずらして示している。上述のように、1ブロックは40本のノズルによって構成されるものとする。
【0035】
図5(A)に示した黒(K)インクを噴射するインクジェットプリントヘッドの場合には、1番目のノズルから40本ごとにブロックに分割し、各ブロックごとに順次駆動する。すなわち、図6にブラックヘッドとして示したように、a,b,c,dの順でブロックが駆動される。ブロック内は図4に示したようなインターレース方式の駆動を行なう。このとき、上述のようにブロック間で記録タイミングとして8噴射分だけズレてしまい、視覚的にも図13(B)に示したような段差が生じるが、上述のように黒インクによる記録は文字などが多く、視覚上の画質の劣化にはつながらない。
【0036】
図5(B)に示した3色一体型のインクジェットプリントヘッドの場合には、まずシアン(C)の印字記録用ノズルである5〜44番目の40本のノズル(b)を1つのブロックとして駆動する。次に、シアン(C)のダミーノズルである1〜4番目のノズル(a)、45〜52番目のノズル(c)と、マゼンタ(M)のダミーノズルである53〜60番目のノズル(d)を1つのブロックとして駆動する。そして、マゼンタ(M)の印字記録用ノズルである61〜100番目の40本のノズル(e)を1つのブロックとして駆動する。次に、マゼンタ(M)のダミーノズルである101〜108番目のノズル(f)と、イエロー(Y)のダミーノズルである109〜116番目のノズル(g)、157〜160番目のノズル(i)を1つのブロックとして駆動する。最後に、イエロー(Y)の印字記録用ノズルである117〜156番目のノズル(h)を1つのブロックとして駆動する。すなわち、図6にカラーヘッドとして示したように、最初にブロック(b)、次にブロック(a),(c),(d)、3番目にブロック(e)、4番目にブロック(f),(g),(i)、5番目にブロック(h)が駆動される。
【0037】
なお、2番目と4番目に駆動するダミーノズルのブロックについては、記録を行なわない画像データを用いて駆動を行なうので、実際にインクが噴射されることはない。また、通常は直線性を確保するためインクジェットプリントヘッドを傾けて装着しているが、各色間にダミーノズル7や間隔8が存在するため、例えば、シアン(C)を記録した位置にマゼンタ(M)のノズルが到着するまで、また、マゼンタ(M)を記録した位置にイエロー(Y)のノズルが到着するまでに多少の時間を要する。ダミーノズルのブロックの駆動は、この時間調整にも用いられている。
【0038】
また、ダミーノズルのブロックは、インターレース方式の駆動を行なわない。これによって、ダミーノズルのノズル数や配列順序などに制約を受けず、回路の設計自由度を高めることができる。ここでは、ダミーノズルの駆動は、例えば図11に示したような隣接同時駆動で行なう。通常の記録時にはインクを噴射しないが、例えばメンテナンス時にはこのダミーノズルのブロックが駆動されてインクを噴射する。この時、ノズル周辺に溜まったインクを吹き飛ばすためには、隣接同時駆動が有効である。また、5本のノズルごとの隣接同時駆動を行なうことによって、4回の駆動でこのブロックの駆動動作を終了することができ、8回の駆動で1ブロックの駆動動作を行なうインターレース方式による駆動に比べて短時間で済み、高速化が可能である。また、2つのダミーノズルのブロックで印字記録用ノズルのブロック1つ分の駆動時間となり、全体として4ブロック分の駆動時間となるので、単色のインクジェットプリントヘッドと記録に要する時間を同じにすることができる。
【0039】
図13でも説明したように、この3色一体型のインクジェットプリントヘッドにおいて、単色のインクジェットプリントヘッドと同様にして、ダミーノズルを含めて40本のノズルごとにブロックに分割すると、例えばシアン(C)では印字機録可能ノズルのうち、5〜40の36本と、41〜44の4本のノズルが別のブロックで記録されることになる。この場合、図13(B)に示したようにブロック間で段差が生じる。黒以外のカラーインクは主にチャート等グラフィックパターンを記録する場合に多く用いられるため、このような段差が視覚的に現われやすく、画質が低下する。しかし、本発明では、各色の印字記録可能ノズルを1つのブロックとして記録を行なうので、各色におけるブロック間の段差は発生せず、良好な画質の記録画像を得ることができる。
【0040】
図7は、本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態における単色のインクジェットプリントヘッドの駆動制御回路の一例を示すブロック構成図である。図中、11は共通電極、12は発熱体、13はドライバ、14はプリドライバ、15はNAND回路、16はデータ保持回路、17は4bitリングカウンタ、18は8bitリングカウンタ、19はクロック発生回路、20はレギュレータ、21はDラッチ、22はプリドライバ電源電圧モニタ端子、23,24はテスト信号出力端子である。なお、発熱体12は、図2で示した発熱体9と同じものである。また、各発熱体2を駆動する際には、僅かな時間だけ発熱体2に電流を流して発熱させておくプレパルス機能を用い、プレパルスとメインパルスによって駆動するマルチパルス駆動を行なうものとする。
【0041】
160個の発熱体12の一端はすべて共通電極11を介して電源に接続されている。また、他端はそれぞれドライバ13に接続されている。ドライバ13は、例えばMOS−FETやトランジスタなどで構成することができ、発熱体12を駆動する。プリドライバ14は、ドライバ13を十分にONさせるため、NAND回路15の出力をプリドライバ用電源と合成昇圧してドライバ13を駆動する。プリドライバ用電源は、レギュレータ20より供給する。レギュレータ20は、2本の抵抗を電源とアースの間に直列に接続し、分圧した電圧をFETのゲートに接続して、FETの出力をプリドライバ用電源としている。また、アースに接続された抵抗には、並列にFETが接続されており、そのゲートにはNFCLR信号を反転した信号が入力されている。これにより、NFCLR信号に基づいてプリドライバ用電源を制御することができ、プリドライバ14に電源を供給しない待機モードを実現することができる。なお、ドライバ13としてバイポーラトランジスタを用いた場合には、昇圧駆動する必要はないので、プリドライバ14およびレギュレータ20を設けずに構成することもできる。
【0042】
データ保持回路16は、クロック発生回路19で生成する信号に従って、同時に駆動する5本のノズル分の記録データを出力する。4bitリングカウンタ17、8bitリングカウンタ18は、クロック発生回路19で生成する信号に従って、ブロック内選択信号およびブロック選択信号を出力する。ここでは、4bitリングカウンタ17の信号線と8bitリングカウンタ18の2本づつの信号線がブロック内選択信号となり、8bitリングカウンタ18の2本づつの組がブロック選択信号となる。NAND回路15は、それぞれの印字データ、4bitリングカウンタ17の出力、8bitリングカウンタ18の出力から1つずつ取り出し、その論理積の信号を駆動信号としてプリドライバ14に出力する。
【0043】
データ保持回路16は、同時に駆動するノズル5本分の記録データを1組として2組分の記録データを保持し、プレパルス時とメインパルス時とで記録データを切り換えて出力する。記録データは、DATA/DIR信号として供給され、BIT SHIFT信号をクロックとして取り込む。記録データの切り換えは、プレパルスとメインパルスで構成されるENABLE信号によって行なう。また、プレパルス時に用いた記録データをメインパルス時に用いるための転送を、クロック発生回路19からの信号によって行なう。
【0044】
4bitリングカウンタ17は、基本的にはENABLE信号をクロックにしてシフト動作を行ない、4本の信号線のいずれかを選択する。また、8bitリングカウンタ18は、4bitリングカウンタ17のキャリーアウト信号をクロックとしてシフト動作を行ない、8本の信号線のいずれかを選択する。8bitリンクカウンタ18によって4個のブロックのうちのいずれのブロックか、および、各ブロックの前半か後半かを選択し、4bitリングカウンタによって選択されたブロックの前半または後半のうち、インターレース方式の駆動における駆動順序に従った選択を行なう。
【0045】
例えば、ある同時駆動を行なうノズルに対するプレパルスとメインパルスの間に他の同時駆動を行なうノズルに対するパルスを挿入する場合、プレパルスで駆動する同時駆動ノズルとプレパルスに続くメインパルスで駆動する同時駆動ノズルは異なるので、クロック発生回路19からカウント用のクロックとともにプレパルスとメインパルスを切り換える信号を受け取っている。また、ブロックの選択順序はDATA/DIR信号によって与えられ、リセット信号であるNFCLR信号に基づいて選択順序が得られる。また、NFCLR信号は4bitリングカウンタ17および8bitリングカウンタのリセットにも用いられる。
【0046】
クロック発生回路19は、ENABLE信号をもとに、プレパルスとメインパルスの切換信号、プレパルス、メインパルス1組分のクロック信号などを生成し、ENABLE信号とともに出力する。また、NFCLR信号とDATA/DIR信号から単一パルス駆動かダブルパルス駆動かを判別し、生成する信号を判別した駆動方法に対応させる。Dラッチ21は、NFCLR信号に基づいてDATA/DIR信号をラッチし、ブロックの駆動順序の切換信号であるDIR信号を出力する。
【0047】
各信号について説明する。入力信号線は、NFCLR信号、ENABLE信号、DATA/DIR信号、BIT SHIFT信号の4本のみである。NFCLR信号は、リセットのためのクリア信号であり、‘L’で4bitリングカウンタ17および8bitリングカウンタ18がクリアされる。また、‘L’のとき、レギュレータ20はプリドライバ14に対してプリドライバ電源の供給を行なわない低消費電力モードとなる。さらに、立ち上がりでブロックの選択順序のセットを行ない、立ち下がりで単一パルス駆動かダブルパルス駆動かを選択してセットするためにも用いられる。
【0048】
ENABLE信号は、‘H’でドライバ13をONにする。ダブルパルス駆動を行なう際には、プレパルスとメインパルスが交互に現われた波形となる。プレパルスの立ち上がりでデータ保持回路16は記録データをラッチする。また、メインパルスの立ち下がりで4bitリングカウンタをシフトさせる。
【0049】
DATA/DIR信号は、シリアル記録データとともに、ブロックの駆動順序の選択信号および単一パルス駆動かダブルパルス駆動かを選択する信号も送られてくる。NFCLR信号の立ち下がり時のDATA/DIR信号によって単一パルス駆動かダブルパルス駆動かが設定される。この設定はクロック発生回路19内で行なわれる。また、NFCLR信号の立ち上がり時のDATA/DIR信号によって、ブロックの駆動順序が設定される。この設定はDラッチ21によって行なわれる。すなわち、Dラッチ21は、NFCLR信号を反転した信号の立ち下がりにおいてDATA/DIR信号をラッチする。これをブロックの駆動順序を示すDIR信号として4bitリングカウンタ17、8bitリングカウンタ18に入力している。
【0050】
BIT SHIFT信号は、シリアル記録データのクロック信号である。この信号の立ち下がりでデータ保持回路16は記録データを取り込む。
【0051】
プリドライバ電源電圧モニタ端子22からはMVDD信号が出力される。このMVDD信号は、プリドライバ14のためのプリドライバ電源の電圧をモニタするための出力である。また、テスト信号出力端子23,24からはDOUT1,DOUT2信号が出力される。DOUT1,DOUT2信号は内部ロジックのテスト信号の出力である。図7に示した例では、DOUT1信号は4bitリングカウンタ17の出力線の1本と、8bitリングカウンタ18の出力線の1本の論理和が出力される。また、DOUT2信号は、8bitリングカウンタ18の出力線の1本と、データ保持回路16の出力線の1本の論理和が出力される。
【0052】
図8は、本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態において、単色のインクジェットプリントヘッドの駆動制御回路の一例における1サイクルの一例を示す信号シーケンス図である。NFCLR信号の立ち上がりおよび立ち下がりでDATA/DIR信号をラッチして駆動方法および駆動方向を設定する。最初のENABLE信号の立ち上がり前に、1番目のブロックの最初に記録を行なう5本のノズルに対応する記録データを読み込む。記録データは同時に駆動する5本ずつのノズルに対応して読み込まれる。図9は、1つのブロック内の記録データの転送順序の説明図である。図9中の1行に示した番号のノズルに対応する記録データが各回の駆動時に読み込まれる。以後、N回目の駆動時に、N+1回目にプレパルス駆動する同時駆動ノズルに対応する記録データを読み込み、32、33回目の駆動時にはDATA/DIR信号を‘L’として印字データをリセットする。
【0053】
一方、1回目の駆動時には、ENABLE信号のプレパルスのみが用いられ、1番目のブロックの最初に駆動する5本のノズルに対応する発熱体12のプレヒートが行なわれる。1回目のメインパルスでは記録は行なわれない。以後、N回目の駆動時にプレヒートが行なわれた5本の同時駆動ノズルについて、N+1回目の駆動時にメインパルスによる記録が行なわれる。最後の33回目の駆動時には、プレパルスによる駆動は行なわれず、メインパルスによって4番目のブロックの最後に駆動する5本のノズルが駆動される。
【0054】
なお、プレパルス機能のない単一パルスによって駆動する際には、最初のENABLE信号の立ち上がり前に1番目のブロックの最初に同時駆動される5本のノズルに対応する記録データを読み込む。以後、N回目の駆動時に、N+1回目に駆動する同時駆動ノズルに対応する記録データを読み込み、順に駆動を行なってゆけばよい。
【0055】
単色のインクジェットプリントヘッドでは、図5(A)に示したように、端から40ノズルずつブロックに分割し、ブロック内は図4に示したように5本のノズルを同時駆動しながらインターレース方式の駆動を行ない、各ブロックを順次駆動している。このような駆動方法は、4bitリングカウンタ17と8bitリングカウンタ18の出力線の選択のみによって実現している。例えば、図4より1,9,17,25,33番目のノズルは同時に駆動されるので、対応するNAND回路15には同じ4bitリングカウンタ17と8bitリングカウンタ18の出力線が選択されて接続される。そして、これらのノズルは、それぞれ異なるデータ保持回路16の信号線に接続されている。
【0056】
1回目から4回目の駆動によって駆動されるノズルは、同じ8bitリングカウンタ18の出力線に接続され、同時駆動されるノズルごとに異なる4bitリングカウンタ17の出力線に接続される。また、5回目から8回目の駆動によって駆動されるノズルは、1回目から4回目の駆動によって駆動されるノズルとは異なる8bitリングカウンタ18の出力線に接続されている。このように、8bitリングカウンタ18の2本の出力線によって1つのブロックが選択される。8bitリングカウンタ18の出力線は8本あるので、各ブロックごとに2本づつの組が4組存在し、これがブロックの選択信号となる。このようにして、5本のノズルを同時駆動するインターレース方式の駆動を各ブロックごとに行ない、各ブロックを順次駆動する駆動方法が、配線の接続のみによって実現できる。
【0057】
図10は、本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態における3色一体型のインクジェットプリントヘッドの駆動制御回路の一例を示すブロック構成図である。図中の符号は図7と同様である。3色一体型のインクジェットプリントヘッドの駆動制御回路は、単色のインクジェットプリントヘッドと同一の構成を有しており、データ保持回路16、4bitリングカウンタ17、8bitリングカウンタ18の出力線と、各NAND回路15との接続が異なるのみである。この接続によって、図5(B)に示すような順序でのブロック駆動と、印字記録用ノズルを有するブロック内の図4に示すような5本のノズルを同時駆動するインターレース方式の駆動、および、ダミーノズルを有するブロック内の隣接同時駆動を実現している。
【0058】
すなわち、5〜44番目のシアン(C)のインクを噴射する印字記録用ノズルで構成されるブロックについては、図7に示した単色のインクジェットプリントヘッドにおける1〜40番目のノズルで構成されるブロックと同一の結線を行なう。このブロックでは、8bitリングカウンタ18の8本の出力線のうち、図10における上から1本目と2本目が選択されている。
【0059】
次に駆動されるブロックは、1〜4,45〜60番目のダミーノズルを有するブロックである。このブロックでは、8bitリングカウンタ18の8本の出力線のうち、図10における上から3本目が選択されている。このブロックは隣接同時駆動を行なう。そのため、同時駆動を行なう5本のノズルについては同じ4bitリングカウンタ17の出力線を選択し、それぞれ異なるデータ保持回路16の出力線に接続されている。また、5本のノズルごとに4bitリングカウンタ17の異なる出力線を選択している。例えば、図10においては、1〜4,45番目の5本のノズルが同時駆動されるので、同じ4bitリングカウンタ17の出力線に接続されている。また、46〜50番目の5本のノズルは、1〜4,45番目のノズルとは異なる4bitリングカウンタ17の出力線に接続されている。このようにして、ダミーノズルを含むブロックについては、5本づつの隣接同時駆動を4回行なうことができる。
【0060】
次のマゼンタ(M)の印字記録用ノズルのブロックは、8bitリングカウンタ18の8本の出力線のうち、図10における上から4本目と5本目を用い、上述のシアン(C)の場合と同様に結線される。また、イエロー(Y)の印字記録用ノズルのブロックは、8bitリングカウンタ18の8本の出力線のうち、図10における上から7本目と8本目を用い、上述のシアン(C)の場合と同様に結線される。
【0061】
101〜116,157〜160番目のダミーノズルを有するブロックについては、1〜4,45〜60番目のダミーノズルを有するブロックと同様である。8bitリングカウンタ18の8本の出力線のうち、図10における上から6本目が選択され、隣接する5本のノズルは同じ4bitリングカウンタ17の出力線を選択し、それぞれ異なるデータ保持回路16の出力が選択される。また、5本のノズルごとに、異なる4bitリングカウンタ17の出力線を選択して結線がなされる。なお、116番目と157〜160番目のノズルは同時に駆動される。
【0062】
このように、データ保持回路16、4bitリングカウンタ17、8bitリングカウンタ18の出力線と、各ノズルに対応するNAND回路15との接続を上述のように行なうだけで、図5(B)に示すように各色ごとにブロック化した順次駆動が行なえるとともに、印字記録用ノズルを有する各ブロックにおいては図4に示すように複数本同時駆動しながらインターレース方式で駆動を行ない、ダミーノズルを有する各ブロックにおいては隣接同時駆動を行なうことができる。
【0063】
また、図7と図10を参照してわかるように、このようなブロック分けの変更や駆動方法の変更は、データ保持回路16、4bitリングカウンタ17、8bitリングカウンタ18の出力線と、各NAND回路15との接続を変更するのみであり、他の駆動制御回路には影響しないため、単色のインクジェットプリントヘッドと3色一体のインクジェットプリントヘッドの作製に要するプロセスを共有化できるとともに、駆動回路を簡素化でき、信頼性の高いインクジェットプリントヘッドを安価に製造することが可能である。
【0064】
なお、上述の例は一例であって、全駆動可能ノズル数や、同時駆動ノズル数、インターレース駆動回数など、種々の数値は、設計時に使用するインクジェットプリントヘッドに応じて設定すればよい。また、複数色一体のインクジェットプリントヘッドにおいて、ある色の印字記録用ノズルを1ブロックとしたとき、設計条件によっては、ダミーノズルが含まれてもかまわない。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、複数のノズルを有するヘッド部と、該ノズルを駆動する駆動制御手段を有し、前記複数のノズルを分割して複数の色材を記録可能なインクジェットプリントヘッドであって、異なる色材を噴射するノズル間に記録に用いないが駆動可能なダミーノズルを有しており、前記駆動制御手段が、前記色材を噴射するノズルにおいては、隣接するノズルを同時に駆動しないインターレース方式を用い、同時に駆動可能なノズル数と前記インターレース方式に応じてブロックごとに順次駆動して記録動作を行なわせるインクジェットプリントヘッドにおいて、各色はインターレース方式による駆動に応じた1つのブロック内で記録を全て完了し、色間にまたがるブロックを用いない。そのため、1バンドの記録時にブロックの継ぎ目が存在しないので視覚的な段差が発生せず、画質の向上を図ることができる。特に、各色の記録を行なうブロックの間にダミーノズルのブロックの駆動を行なうことによって、各色の記録位置を合わせることができる。
【0066】
また、このようなブロック化を行なっても、単色のインクジェットプリントヘッドとは、駆動制御手段における各ブロックに属するノズルの選択のみが相違するのみであって、信号線との結線を変更するのみで実現でき、単色と複数色一体のインクジェットプリントヘッドを基本的に同一の回路構成とすることができるので、作製に要するプロセスの共有化と駆動回路の簡素化が計られ、低コストで製造することが可能となる。
【0067】
さらに、色分離部のダミーノズルは記録に用いるノズルとは異なったブロックで駆動することによって、記録のタイミングを単色のインクジェットプリントヘッドと同等とすることができる。また、ダミーノズルの駆動は、インターレース方式を用いないことによって、ノズル数や配列順序などに制約を必要とせず、回路の設計自由度を高めることができるとともに、メンテナンス時の効果を高めることができる。例えば、隣接同時駆動を行なう場合でも、信号線との結線を変更するだけで実現可能である。本発明によれば、上述のように種々の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態を示す概略構成斜視図である。
【図2】本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態を示す流路方向の断面図である。
【図3】本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態における具体例を示す正面図である。
【図4】本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態におけるインターレース方式の駆動方法の一例の説明図である。
【図5】本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態における具体的な各ブロックの駆動順序の一例の説明図である。
【図6】本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態における具体的な各ブロックの駆動順序の一例の説明図である。
【図7】本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態における単色のインクジェットプリントヘッドの駆動制御回路の一例を示すブロック構成図である。
【図8】本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態において、単色のインクジェットプリントヘッドの駆動制御回路の一例における1サイクルの一例を示す信号シーケンス図である。
【図9】本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態におけるインターレース方式による1つのブロック内の記録データの転送順序の説明図である。
【図10】本発明のインクジェットプリントヘッドの実施の一形態における3色一体型のインクジェットプリントヘッドの駆動制御回路の一例を示すブロック構成図である。
【図11】従来の駆動方法の一例の説明図である。
【図12】従来のインターレース方式の駆動方法の一例の説明図である。
【図13】複数色一体型のインクジェットプリントヘッドにおいてインターレース方式の駆動を行なった場合の段差の説明図である。
【符号の説明】
1…チャネル基板、2…ヒータ基板、3…厚膜樹脂層、4…インクリザーバ、5…リザーバ隔壁、6…印字記録用ノズル、7…ダミーノズル、8…間隔、9…発熱体、11…共通電極、12…発熱体、13…ドライバ、14…プリドライバ、15…NAND回路、16…データ保持回路、17…4bitリングカウンタ、18…8bitリングカウンタ、19…クロック発生回路、20…レギュレータ、21…Dラッチ、22…プリドライバ電源電圧モニタ端子、23,24…テスト信号出力端子。

Claims (5)

  1. 複数のノズルを有するヘッド部と、該ノズルを駆動する駆動制御手段を有し、前記複数のノズルを分割して複数の色材を記録可能なインクジェットプリントヘッドであって、異なる色材を噴射するノズル間に記録に用いないが駆動可能なダミーノズルを有しており、前記駆動制御手段が、前記色材を噴射するノズルにおいては、隣接するノズルを同時に駆動しないインターレース方式を用い、同時に駆動可能なノズル数と前記インターレース方式に応じてブロックごとに順次駆動して記録動作を行なわせるインクジェットプリントヘッドにおいて、前記駆動制御手段は、前記各色材を噴射するノズルを前記各色材ごとにそれぞれ1つのブロックとしてそれぞれ各色の記録を行なうように駆動し、前記ダミーノズルにおいては、前記各色材ごとのブロックとは異なるブロックとして、かつ、前記各色の記録を行なうブロックの駆動の間に駆動し、この間に各色の記録位置を合わせるようにしたことを特徴とするインクジェットプリントヘッド。
  2. さらに、複数のノズルを有し1色のみ記録可能な第2のヘッド部と、該第2のヘッド部の駆動を制御する第2の駆動制御手段を有し、前記第2の駆動制御手段も、前記第2のヘッド部の各ノズルの噴射において隣接する前記ノズルを同時に噴射させないインターレース方式を用い、同時に駆動可能なノズル数と前記インターレース方式に応じてブロックごとに順次駆動して記録動作を行なうものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド。
  3. 前記駆動制御手段および前記第2の駆動制御手段は、前記各ブロックに属するノズルの選択を、ブロックを選択するためのブロック選択信号線と、各ノズルの入切を指示する信号線の一部との電気的接続によって行なうことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリントヘッド。
  4. 前記ダミーノズルのブロックは、インターレース方式による駆動は行なわないことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットプリントヘッド。
  5. 各色材ごとのブロックを駆動するインターレース方式と、前記ダミーノズルのブロックのインターレース方式以外の駆動方式は、前記駆動制御手段におけるブロック内のノズルを選択するためのブロック内選択信号線と、各ノズルの入切を指示する信号線の一部との電気的接続によって実現することを特徴とする請求項4に記載のインクジェットプリントヘッド。
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