JP3572432B2 - 画像模擬装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、観測者の視覚の順応度に応じて変化する観測者により認識される視野環境を画像により模擬表示するようにした装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、自動車の情報化に伴い、ナビゲーションシステムをはじめとする車載情報機器が急速に増加しつつある。さらに、VICS(Vehicle Information andCommunication System) のように、渋滞情報や規制情報、駐車場情報などを提供するシステムも、一部では運用が開始され、今後、普及が予測される。このシステムでは、ドライバに提供される情報は多様化し、一層、増加する傾向にある。一方、安全性の観点から、高齢者や女性などのドライバの多様化や走行環境を考慮した見やすい車載表示器の開発が望まれている。
【0003】
見易い車載表示器を開発するためには、人間の視覚の明るさに対する順応度を考慮する必要がある。積雪した路面を運転している場合には、人間の視覚は高い明度に順応しており、車両内部の情報機器を認識する場合には、非常に暗く感じ、視認性が悪くなる。逆に夜間走行の場合には、人間の視覚は低い明度に順応しており、車両内部の情報機器を認識する場合には、非常に明るく感じ、幻惑され、視認性が悪くなる。
【0004】
情報機器を見やすく設計する場合には、このような人間の視覚の順応度を考慮して設計する必要があるが、現段階では、走行環境を想定した照明下で、実車またはモックアップを用いた評価結果を設計にフィードバックして開発が行われている。しかし、この方法は手間が掛かるので、車載表示機器の効率的な開発のために、コンピュータを用いて、観測者により認識される画像をシミュレートする方法の開発が待たれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
人間の視覚の順応度をある値にするように画面の輝度を変化させる技術として、特開平6−161345号公報に記載のものがある。この公報に記載の運転模擬装置は、運転者が静止した模擬車両に着座して、前方の画面に写し出される路面や風景の動画像を見て、運転感覚を習得するものである。その画像の実現できる明度範囲は、実際の運転環境の明度範囲よりも狭いために、実際の運転環境と同一の視覚の順応度を得るように、等価光幕輝度を与える光源装置を設けたものである。
【0006】
このように、運転者において、夏期の昼間走行時のように順応度が高い場合には、運転模擬装置において同様な順応度が得られるように、等価光幕輝度を外部から与えるようにしたものである。
【0007】
従って、この運転模擬装置では、画面を見る環境の明度を変化させるものであり、運転者が前方を見て運転している時に、車両内部の表示装置を見た時にどのように見えるかを模擬したものではない。即ち、観測者の注視点に注目して、観測者が注視点方向を見ている時に他の視野環境がどのように観測者に認識されるかを模擬したものではない。
【0008】
よって、特開平6−161345号の技術は、視野環境と注視点との関係で、観測者に視野環境がどのように認識されているかを模擬していないため、自動車等の車室内に搭載される情報機器の画面設計には用いることができない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、視野環境に対する注視点の位置関係において、観測者に視野環境がどのように認識されているかを模擬画像として表示できるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、視野環境を観測者が見る時、観測者の視覚の明るさに関する順応度により変化し、観測者により感じられる視野環境を模擬画像として表示するようにした画像模擬装置において、
視野環境の原始画像を作成する環境画像作成手段と、原始画像における注視点を指定する注視点指定手段と、認識対象物の輝度に対する観測者の視覚によって感じる明度との関係を規定した感度特性を順応度毎に記憶した感度特性記憶手段と、注視点を中心とした所定関数により原始画像の輝度を加重積分することで、観測者が視野環境の注視点を注視した時の観測者の視覚の順応度を実順応度として演算する実順応度演算手段と、実順応度に対応する感度特性と、模擬画像を見る環境における観測者の視覚の順応度を基準順応度として、その基準順応度に対応する感度特性とから、観測者により感じられる明度が、実順応度と基準順応度とにおいて等しくなるように、原始画像の明度を変換して、模擬画像を生成する模擬画像生成手段とを設けたことを特徴とする。
【0010】
又、請求項2の発明は、所定関数を、注視点を中心とするガウス分布であることを特徴とする。
【0011】
又、請求項3の発明は、観測者の視覚の順応度の時間応答特性を記憶した応答特性記憶手段と、実順応度の異なる任意の2つの注視点間において、注視点を観測者の視覚の順応度の時間応答特性の時定数以下の時間で移動させた時に、時間応答特性から当該移動後の時間の経過に伴う実順応度を過渡順応度として求める過渡順応度演算手段と設け、模擬画像生成手段は、時間経過に伴って変化する過渡順応度を用いて、時間経過に伴って変化する模擬画像を生成することを特徴とする。
請求項4の発明は、原始画像の全体の輝度が観測者の視覚の順応度の時間応答特性の時定数以下の時間で変化した時に、時間応答特性から当該変化後の時間の経過に伴う前記実順応度を過渡順応度として求める過渡順応度演算手段を設け、模擬画像生成手段は、時間経過に伴って変化する前記過渡順応度を用いて、時間経過に伴って変化する前記模擬画像を生成するようにしたことを特徴とする。
【0012】
【作用及び発明の効果】
環境画像作成手段により視野環境が撮像され、その視野環境の原始画像が作成される。この原始画像の各画素の輝度値は各画素に対応する視野環境の部分の輝度を表している。注視点指定手段により、原始画像における注視点が指定される。観測者が実際の視野環境を見る時、視野環境上の注視点の位置により観測者の視覚の順応度が変化する。実順応度演算手段はこの順応度を実順応度として予測演算する。即ち、注視点を中心とした所定関数により原始画像の輝度を加重積分することで、観測者が視野環境の注視点を注視した時の観測者の視覚の順応度が実順応度として演算される。なお、上記注視点の設定方法として、原始画像の画像中心を注視点と仮定してもよい。これにより、注視点の設定を簡略化することができる。
【0013】
一方、感度特性記憶手段には、認識対象物の輝度に対する観測者の視覚によって感じる明度との関係を規定した感度特性が順応度毎に記憶されている。そして、模擬画像生成手段により、実順応度に対応する感度特性と、模擬画像を見る環境における観測者の視覚の順応度を基準順応度として、その基準順応度に対応する感度特性とから、観測者により感じられる明度が、実順応度と基準順応度との順応状態において等しくなるように、原始画像の輝度を変換して、模擬画像が生成される。なお、基準順応度は、模擬画像を見る観測者の環境照度を測定することにより、または、標準的な室内照度より順応度を推定し、この推定された順応度を上記基準度応度として設定する。
【0014】
このように生成された模擬画像を観測者が所定の基準順応度で見る時、その観測者により認識される模擬画像は、現実の視野環境の注視点を見た時に認識される画像の明度と等しくなる。
【0015】
このように、本装置を用いることで、観測者が現実の視野環境のある注視点を見た時に認識される画像を生成することができ、順応度が大きく変化する環境で使用される表示機器の画像の見え方をシミュレートすることができ、その表示機器の設計に寄与することができる。
【0016】
例えば、自動車の運転者が見る前方の風景及び表示機器を含む車室内の設備を撮像して原始画像として、前方の風景を注視点にして、上記の模擬画像を生成することで、前方を見ながら運転している運転者にとって、表示機器や車室内の設備がどのような明度で認識されるかを把握することができる。そして、その前方の風景を、雪道走行時、晴天時、曇天時、雨天時、夜間、トンネル走行時等、視野環境の輝度が色々変化する状態で撮像することで、それらの環境で運転している時に、運転者が車室内の表示器をどのような明度で認識しているかを把握でき、表示器をより見やすくするための設計に貢献することができる。
【0017】
又、注視点を移動させることで、観測者の視覚の順応度を変化させ、観測者に認識される視野環境の画像の変化をシミュレートすることができる。
【0018】
さらに、請求項3の発明によれば、観測者の順応度の時間応答特性を用いて、注視点を2点間で観測者の視覚の順応度の時間応答特性の時定数以下の時間で移動させた時に、当該移動後の順応度の時間変化を求めている。従って、この過渡的に変化する順応度に応じて模擬画像が生成されるので、観測者が視野環境において注視点を移動させた時の観測者によって認識される視野環境の変化を模擬画像として表示することができる。このため、例えば、自動車の運転者の視覚が前方の輝度の高い風景に順応した状態で、車室内の表示器を見る時、初めは表示器の表示が暗くて見難いのが、車室内の明るさに徐々に順応して、表示器の表示が徐々に明るく見やすくなることを模擬画像により認識することができる。
さらに、請求項4の発明によれば、原始画像の全体の輝度が観測者の視覚の順応度の時間応答特性の時定数以下の時間で変化した時に、時間応答特性から当該変化後の時間の経過に伴う実順応度を過渡順応度として求めている。従って、請求項3の発明と同様に、この過渡的に変化する順応度に応じて模擬画像が生成されるので、視野環境の明るさが急変した時の観測者によって認識される視野環境の変化を模擬画像として表示することができる。このため、例えば、晴天時に自動車を運転している時、トンネルに入ったり、トンネルから出たり、また、夜間走行時に対向車のヘッドライトを受けた時のように、視野環境の明るさが急変した場合に、運転者の認識する外の風景、車内の様子、表示器の表示画面が時間と共にどのように変化するかをシミュレートすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の具体的な実施例を図1に示す。
図1は本実施例にかかる画像模擬装置の構成を示したブロック図である。模擬画像を生成するための各種の演算を実行するためのCPU11が設けられており、そのCPU11には画像入力装置21を介してテレビカメラ20が接続されている。テレビカメラ20は各種の視野環境を撮像するためのものであり、自動車の前方の各種の風景、例えば、雪道走行時、晴天時、曇天時、雨天時、夜間、トンネル走行時等の輝度の異なる各種の風景や、車室内の様子、表示器の画面等の視野環境を撮像するものである。そして、テレビカメラ20で撮像された画像は、画像入力装置21により各画素毎にRGB値に変換され、RAM13の画像メモリに記憶される。RAM13は、図2に示すように、車外画像、車室内画像、表示器画像の3種類毎に各画像記憶部131、132、133に記憶される。
【0020】
又、CPU11にはROM12が接続されており、ROM12には、模擬画像を生成するためのプログラムを記憶したプログラム領域121、図3に示す感度特性を示すデータを記憶する感度特性領域122、図4に示す順応度の過渡特性を示すデータを記憶した過渡特性領域123とが形成されている。本実施例では、後述するように、曲線の関数を規定するためのパラメータを記憶するようにしている。しかし、感度特性の場合には輝度と観測者の感じる明度との関係を順応度毎にデータマップとして記憶したり、過渡特性の場合には順応度の変化が単位量の場合の経過時間と順応度の変化割合との関係をデータマップとして記憶するようにして、任意のある変数値における他の変数値を補間により求めるようにしても良い。さらに、CPU11には、各種のデータを入力するためのキーボード14、注視点を指定するためのマウス15、模擬画像を表示するためのCRT16、模擬画像を印刷するためのカラープリンタ17が接続されている。
【0021】
図3に示す感度特性は、視野環境の輝度と観察者の感じる明度(感覚的な明るさをいい、以下、「明るさ感覚値」という))との関係を観察者の視覚の順応度をパラメータとして表したものである。即ち、観測者の順応度が高くなる程(輝度の高い視野環境に順応する程)、観測者が同一の明るさと感じる視野環境の輝度は高くなる。
【0022】
又、図4に示す順応度の過渡特性は、視野環境の注視点を瞬時移動させた時に、その観測者の順応度が時間的に徐々に変化していくことを示した特性である。
【0023】
次に、本装置のCPU11の処理手順を図5のフローチャートに基づいて説明する。ステップ100において、RAM13の各画像記憶部131、132、133に記憶されている車外画像、車室内画像、表示器画像を入力して、それぞれの画像を所定の輝度に設定し、その3つの画像を合成した画像を原始画像として、RAM13の原始画像記憶部134に記憶して、CRT16に表示する。この時、CRT16には、原始画像である運転者から見た車室内の表示器、ダッシュボード、前方の風景が表示される。
【0024】
次に、ステップ102において、マウス15でCRT16上のカソールを移動させて、画面上の注視点を指定する。即ち、原始画像における注視点を指定することになる。例えば、通常の運転状態においては、運転者は前方を注視しているので、前方の明るい風景の任意位置を注視点として指定する。次に、ステップ104において、原始画像に対応した実際の視野環境において、その注視点を注視している時の観測者の順応度が演算される。
【0025】
この順応度の計算は、図6に示す手順に従って実行される。ステップ200で、重み付け係数の分布が演算される。この重み付け係数の分布は、次のガウス分布に従って決定される。
【0026】
【数1】
G(θ)=exp((−θ/ θ) …(1)
但し、図7に示すように、θは注視点を見る視線方向と成す角、θはガウス分布の大きさを決定する値である。このガウス分布を離散的な画素アドレスに変換するために、次の重み付け係数を導入する。
【数2】
W(i,j)=exp(−((i−i+(j−j)/k) …(2)
但し、i,j は原始画像における画素アドレス、i,j は原始画像上における注視点の画素アドレス、k はガウス分布の大きさを決定する値である。即ち、係数W(i,j)は任意画素(i,j) の注視点(i,j) からの距離に比例して、減衰定数1/k で減衰する指数関数で決定される。
【0027】
次に、ステップ202において、原始画像の輝度値が上記の重み係数W(i,j)で重み付けられる。
即ち、
【数3】
…(3)
(i,j)=I(i,j)W(i,j)
但し、I(i,j)は原始画像の画素(i,j) の輝度値、I(i,j) はその重み付けられた輝度値である。
【0028】
次に、ステップ204において、重み付けられた輝度値の平均値が演算される。
【数4】
La= ( Σi=1 Σj=1 (i,j))/nm …(4)
但し、Laは重み付けられた輝度値の平均値であり、現実の視野環境の注視点を見る時の観測者の実順応度を表している。又、n,m は原始画素のx 方向y 方向の画素数である。
【0029】
次に、図5のステップ106へ移行して、原始画像の輝度変換が行われる。この変換は図8に示す処理手順で実行される。ステップ300では、原始画像のRGB値から輝度値Iが演算される。次に、ステップ302で、(4) 式で求められた順応度Laに対応した図3に示す感度曲線FLa(I) が選択される。この感度曲線を用いて明るさ感覚値R(i,j)が次式により演算される。
【数5】
R(i,j)=FLa(I(i,j)) …(5)
尚、FLa=k(I−Iである。
I は輝度、Iは光覚閾値、k 、p は順応度によって決定されるパラメータである。
次に、ステップ304において、模擬画像を見る時に基準順応度L0に対応した感度曲線FL0(I) の逆関数GL0(R) を用いて、模擬画像の求めるべき輝度値S(i,j)を求める。
【数6】
S(i,j)=GL0(R(i,j)) …(6)
次に、ステップ304において、原始画像のRGB値と模擬画像の輝度値S(i,j)とから、模擬画像の各画素のRGB値が演算される。そして、ステップ108でそのRGB値に基づいてCRT16に模擬画像が表示される。
【0030】
次に、ステップ110において、キーボード14からの指令の入力により、原始画像の輝度を変更したり、原始画像自体を変更すると判定された場合には、ステップ100に戻り、合成画像の各部分の輝度を変更して原始画像を合成したり、他の原始画像を合成したりして、その合成された原始画像をCRT16上に表示する。又、ステップ110において、新しい原始画像の合成でないと判定された場合には、ステップ102において、CRT16上に表示されている模擬画像上でマウス15を用いて注視点を新たに指定することで、上述した処理と同様に、順応度が演算されその順応度に対応した模擬画像が生成されCRT16に表示される。
【0031】
次に、注視点を瞬時移動させた時の順応度の過渡特性を考慮して模擬画像を生成するようにした実施例についてCPU11の処理手順を示した図9のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400では、図5のステップ100と同様に、RAM13の各画像記憶部131、132、133に記憶されている車外画像、車室内画像、表示器画像を入力して、それぞれの画像を所定の輝度に設定し、その3つの画像を合成した画像を原始画像として、RAM13の原始画像記憶部134に記憶して、CRT16に表示する。
【0032】
次に、ステップ402において、マウス15を用いてCRT16上のカソールを移動させて、画面上の注視点を2点指定する。即ち、原始画像における2つの注視点を指定することになる。例えば、自動車の運転時に車室内の表示器を見る場合を想定する。通常の運転状態においては、運転者は前方を注視しているので、前方の明るい風景を移動前の第1注視点として指定し、車室内の表示器の表示を移動後の第2注視点として指定する。次に、ステップ404、406において、図5のステップ104と同様に、即ち、図6の処理手順により、原始画像に対応した実際の視野環境において、第1注視点を注視している時の観測者の視覚の第1順応度Lと、第2注視点を注視している時の観測者の視覚の第2順応度Lとが演算される。
【0033】
次に、ステップ408において、タイマを起動して経過時間tを発生させる。次に、ステップ410において、現在の経過時間t、第1順応度L、第2順応度Lと図4に示す順応度の過渡特性とから次式により経過時間tにおける順応度Ltを演算する。
【数7】
Lt=L+(L−L)exp(−t/T) …(7)
但し、Lt,L,LはdB値、T は時定数である。
【0034】
次に、ステップ412において、図5のステップ106と同様な処理により、順応度Ltに対応した感度曲線FLt(I) が選択される。この感度曲線を用いて模擬画像の経過時間t における明るさ感覚値Rt(i,j) が次式により演算される。
【数8】
Rt(i,j) =FLt(I(i,j)) …(8)
次に、模擬画像を見る時に基準順応度L0に対応した感度曲線FL0(I) の逆関数GL0(R) を用いて、模擬画像の経過時間t における輝度値St(i,j) を求める。
【数9】
St(i,j) =GL0(Rt(i,j)) …(9)
この輝度値St(i,j) と原始画像のRGB値とから、模擬画像の各画素のRGB値が演算される。そして、ステップ414でそのRGB値に基づいてCRTに模擬画像が表示される。
【0035】
次に、ステップ416において、キーボード14のキーデータが読み込まれ、ステップ418で時間停止、即ち、画面停止指令が付与されたか否かが判定される。そして、画面停止指令が付与された場合には、ステップ416、418の処理を、時間停止解除指令が付与されるまで、繰り返すことにより、模擬画面を任意の経過時間で停止させることができる。
【0036】
そして、ステップ420で、|Lt−L |≦Δか否かを判定することで、経過時間t における順応度Ltが第2順応度Lに十分に接近したか否かが判定される。順応度Ltが第2順応度Lに十分に接近していない場合には、ステップ410に戻り、次の経過時間tにおける順応度Ltが演算され、上述した処理により経過時間tにおける模擬画像が生成され、CRT16に表示される。
【0037】
又、ステップ420で、順応度Ltが第2順応度Lに十分に接近したと判定された場合には、図5のステップ110と同様な処理を行うステップ422へ移行して、キーボード14からの指令の入力により、原始画像の輝度を変更したり、原始画像自体を変更すると判定された場合には、ステップ400に戻り、輝度変更して原始画像を合成したり、他の原始画像を合成し、その合成された原始画像をCRT16上に表示する。又、ステップ422において、新しい原始画像の合成でないと判定された場合には、ステップ402において、CRT16上に表示されている模擬画像上でマウス15で次の2つの注視点を新たに指定することで、上述した処理と同様に、注視点を異なる2つの点で瞬時移動させた場合の順応度の時間変換に伴う観測者により認識される視野環境を模擬画像としてCRT16に時間の経過と共に表示することができる。
【0038】
次に環境の照度が時間的に変化した場合の模擬画像の生成方法について図10のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500では、図5のステップ100と同様に画像を合成して画像をCRT16に表示し、ステップ502で図5のステップ102と同様に画面上で注視点を指定する。次に、ステップ503で視野環境の照度の変化前と変化後との値である第1照度、第2照度が入力される。この照度は、車外の風景、車室内、表示器の表示の等のように画像の部分毎に指定することができる。次に、ステップ504において、第1照度で原始画像の輝度を演算して、その第1照度における原始画像をCRT16に表示する。
【0039】
次に、ステップ505、506において、図5のステップ104と同様な処理により、第1照度下での原始画像の注視点を注視した時の視覚の第1順応度Lが演算される。又、第2照度下での原始画像の輝度が演算され、同様に、その注視点を注視した時の第2順応度Lが演算される。
【0040】
以下、ステップ508〜522は、図9のステップ408〜522に同一である。このようにして、視野環境の照度が急変した時、例えば、自動車で明るい昼間に走行中にトンネルに入ったり、出たりした時、夜間走行中に対向車のヘッドライトを受けた時に、運転者の視覚の順応度が時間的に変化することにより、車外の風景や道路表示、車室内の表示器の見え方がどのように変化して行くかを模擬することができる。
【0041】
尚、上記実施例では、原始画像を実際の視野環境をテレビカメラで撮像して得ているが、コンピュータグラフィクス等により作成しても良い。又、原始画像を車外、車室内、表示器と3分割して入力しているが、分割しないで、一度に取り込むようにしても良い。
又、注視点の指定は、CRT画面上で指定するようにしているが、座標値を直接入力するようにしても良く、注視点を連続的に移動させるようにしても良い。
【0042】
又、模擬画像を生成するための上記実施例装置で使用されるプログラムはFD、ROM、RAM、メモリIC、光磁気ディスク、CD等の記憶媒体に記憶して供給することができる。
【0043】
請求項における各手段と上記実施例との関係を説明する。環境画像作成手段は、テレビカメラ20、画像入力装置21、RAM13、CPU11、ステップ100、400、500で構成され、注視点指定手段は、マウス15、CRT16、CPU11、ステップ102、402、502で構成され、感度特性記憶手段はROM12で構成され、実順応度演算手段はCPU11、ステップ102、200〜204、404、406、505、506とで構成され、模擬画像生成手段は、CPU11、ステップ106、300〜304、412、512で構成される。応答特性記憶手段はROM12で構成され、過渡順応度演算手段はCPU11と、ステップ410、510とで構成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な実施例にかかる画像模擬装置の構成を示したブロック図。
【図2】同実施例装置の機能を示したブロック図。
【図3】視野環境の輝度と観測者の感ずる明るさ感覚値との関係である感度特性を示した特性図。
【図4】順応度の過渡特性を示した特性図。
【図5】同実施例装置のCPUにより模擬画像を生成するための処理手順を示したフローチャート。
【図6】実順応度を求めるための処理手順を示したフローチャート。
【図7】実順応度を求めるためのガウス分布を示した特性図。
【図8】原始画像の輝度変換の処理手順を示したフローチャート。
【図9】注視点が瞬時移動する時の模擬画像の生成手順を示したフローチャート。
【図10】視野環境の全体の輝度が急変する時の模擬画像の生成手順を示したフローチャート。
【符号の説明】
11…CPU
12…ROM
13…RAM

Claims (4)

  1. 視野環境を観測者が見る時、観測者の視覚の明るさに関する順応度により変化し、観測者により感じられる視野環境を模擬画像として表示するようにした画像模擬装置において、
    視野環境の原始画像を作成する環境画像作成手段と、
    前記原始画像における注視点を指定する注視点指定手段と、
    認識対象物の輝度に対する前記観測者の視覚によって感じる明度との関係を規定した感度特性を前記順応度毎に記憶した感度特性記憶手段と、
    前記注視点を中心とした所定関数により前記原始画像の輝度を加重積分することで、前記観測者が前記視野環境の前記注視点を注視した時の観測者の視覚の順応度を実順応度として演算する実順応度演算手段と、
    前記実順応度に対応する前記感度特性と、前記模擬画像を見る環境における観測者の視覚の順応度を基準順応度として、その基準順応度に対応する前記感度特性とから、観測者により感じられる明度が、前記実順応度と前記基準順応度とにおいて等しくなるように、前記原始画像の輝度を変換して、前記模擬画像を生成する模擬画像生成手段と
    から成ることを特徴とする画像模擬装置。
  2. 前記所定関数は、前記注視点を中心とするガウス分布であることを特徴とする請求項1に記載の画像模擬装置。
  3. 観測者の視覚の順応度の時間応答特性を記憶した応答特性記憶手段と、
    前記実順応度の異なる任意の2つの前記注視点間において、前記注視点を前記観測者の視覚の順応度の時間応答特性の時定数以下の時間で移動させた時に、前記時間応答特性から当該移動後の時間の経過に伴う前記実順応度を過渡順応度として求める過渡順応度演算手段とを設け、
    前記模擬画像生成手段は、時間経過に伴って変化する前記過渡順応度を用いて、時間経過に伴って変化する前記模擬画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像模擬装置。
  4. 観測者の視覚の順応度の時間応答特性を記憶した応答特性記憶手段と、
    前記原始画像の全体の輝度が前記観測者の視覚の順応度の時間応答特性の時定数以下の時間で変化した時に、前記時間応答特性から当該変化後の時間の経過に伴う前記実順応度を過渡順応度として求める過渡順応度演算手段とを設け、
    前記模擬画像生成手段は、時間経過に伴って変化する前記過渡順応度を用いて、時間経過に伴って変化する前記模擬画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像模擬装置。
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