JP3572326B2 - 有機金属錯体の光学分割法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キネティック分割法を用いたラセミ体の有機金属錯体の光学分割において、より簡便かつ高純度で行う光学分割法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の製品開発の高度な精密化に伴い、生理活性な医薬、農薬あるいは石油化学製品等を高い(光学)純度で製造することは、極めて重要な製造技術となっている。それら生理活性な(光学活性な)製品を製造する際に、光学的に純粋な有機金属化合物を触媒として用いることは、不斉誘導を行う(製造物の中間体等の構造中に不斉部位を新しく形成させ、光学活性な物質のみを得る)工程の革新的な短縮化をもたらし、結果として製品をより安価に供給することが可能になる(光学活性体の分離(日本化学会編、季刊化学総説 No.6)参照)。
【0003】
これまで光学的に純粋な有機金属錯体を得る手段としては、もっぱらラセミ体の有機金属化合物をキネティック分割する手法(kinetic resolution)を用いて行われてきた(Journal of Organometallic Chemistry,232巻,233〜247ページ(1982年)参照)。キネティック分割法では、ラセミ体の有機金属錯体を光学活性化合物と反応させた後、シリカゲルあるいはアルミナ等の無機担体を用いた通常のクロマトグラフ法などにより光学活性な錯体を単離していたが、分離作業等に多くの工程を必要とするなどの欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術であるキネティック分割法を用いたラセミ体の有機金属錯体の光学分割をより簡便かつ高純度で行う、極めて効率的な光学分割法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、極めて効率的な光学分割法を発明するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、ラセミ体の有機金属錯体(1)
RMX2 (1)
[式(1)において、Rは1〜10個の窒素、ケイ素、リン、酸素もしくは硫黄および/または1〜50個の炭素で構成される2座配位子であり、Mは周期表で4族に属する元素を表し、Xは周期表で17族に属する元素、炭素数1〜5のアルキル基もしくはアルコキシ基、アミノ基または炭素数1〜10のアルキル化されたアミノ基を表す]
に、2座配位が可能な化合物(2)
R´H2 (2)
[式(2)において、Hは水素を表し、R´は1〜10個の窒素、酸素もしくは硫黄および/または1〜50個の炭素で構成される2座配位子である]
から誘導される金属塩
[この場合、金属塩の金属部位は周期表で1族に属する元素である]
を反応させることにより得られる有機金属錯体(3)
RMR´ (3)
を、担体に光学活性物質を担持させることにより形成される固定相を用いて、光学分割することを特徴とする分離法に関する。
【0007】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0008】
式(1)の中で、Rは1〜10個の窒素、ケイ素、リン、酸素もしくは硫黄および/または1〜50個の炭素で構成される2座配位子を意味し、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムで表される周期表4族の元素を意味し、Xは式(1)に必ず2個含まれ、好ましくはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素で表される周期表17族の元素であるが、炭素数1〜5のアルキル基もしくはアルコキシ基、アミノ基および炭素数1〜10のアルキル化されたアミノ基であってもよい。
【0009】
式(1)で表される化合物としては、メチルエチルメチレン(インデニル)(2−メチルインデニル)チタニウムジクロライド、メチルエチルメチレン(インデニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、メチルエチルメチレン(インデニル)(2−メチルインデニル)ハフニウムジクロライド、メチルエチルシランジイル(インデニル)(2−メチルインデニル)チタニウムジクロライド、メチルエチルシランジイル(インデニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、メチルエチルシランジイル(インデニル)(2−メチルインデニル)ハフニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイル(インデニル)(2−メチルインデニル)チタニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイル(インデニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイル(インデニル)(2−メチルインデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジクロロチタニウム(メチルエチルメチレン)(シクロペンタジエニル)メチルアミド、メチルエチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロライド、メチルエチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルエチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)チタニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ハフニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(テトラヒドロフルオレニル)チタニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(テトラヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(テトラヒドロフルオレニル)ハフニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)チタニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジクロロジルコニウム(メチルエチルシランジイル)(シクロペンタジエニル)メチルアミド、ジクロロハフニウム(メチルエチルシランジイル)(シクロペンタジエニル)メチルアミド、ジクロロチタニウム(メチルエチルメチレン)(シクロペンタジエニル)メチルアミド、ジクロロジルコニウム(メチルエチルメチレン)(シクロペンタジエニル)メチルアミド、ジクロロハフニウム(メチルエチルメチレン)(シクロペンタジエニル)メチルアミド、ジクロロチタニウム(メチルエチルメチレン)(テトラメチルシクロペンタジエニル)メチルアミド、ジクロロジルコニウム(メチルエチルメチレン)(テトラメチルシクロペンタジエニル)メチルアミド、ジクロロハフニウム(メチルエチルメチレン)(テトラメチルシクロペンタジエニル)メチルアミド、ジクロロチタニウム(メチルエチルメチレン)(テトラメチルシクロペンタジエニル)t−ブチルアミド、ジクロロジルコニウム(メチルエチルメチレン)(テトラメチルシクロペンタジエニル)t−ブチルアミド、ジクロロハフニウム(メチルエチルメチレン)(テトラメチルシクロペンタジエニル)t−ブチルアミド、ジクロロチタニウム(メチルフェニルメチレン)(テトラメチルシクロペンタジエニル)t−ブチルアミド、ジクロロジルコニウム(メチルフェニルメチレン)(テトラメチルシクロペンタジエニル)t−ブチルアミド、ジクロロハフニウム(メチルフェニルメチレン)(テトラメチルシクロペンタジエニル)t−ブチルアミド等のラセミ体である有機金属化合物等が例示できるが、Rにケイ素、窒素の他にリン、ホウ素、酸素が含まれているもの、または置換されているものでもよい。また、その他例示したもの以外でも式(1)で表される構造をもった有機金属錯体であれば当然適用範囲に入る。また、式(1)で表される構造をより明確に例示するために、以下にそれらの例を示した。
【0010】
【化1】
【0011】
次に本発明では、式(1)で表されるラセミ体である有機金属錯体の光学分割を容易にするために、これら式(1)で表される有機金属錯体と式(2)で表される2座配位子由来の化合物の金属塩とを反応させて、式(3)で表される有機金属錯体を得る。
【0012】
この際、式(2)の中で、Hは水素を表し、R´は1〜10個の窒素、酸素もしくは硫黄および/または1〜50個の炭素で構成される2座配位子を意味する。
【0013】
式(2)で表される化合物としては、1,1´−バイ−2−ナフトール、1,1´−バイナフチル−2,2´−ジアミン、2,2´−バイフェノール、2,2´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(N−メチルアミノ)ビフェニル、1,1´−バイ−2−チオナフトール、2,2´−バイチオフェノール、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−アミノフェニル)メタン等が挙げられるが、これら例示される化合物に限定されるものではない。
【0014】
また、式(2)で表される2座配位子から誘導される金属塩は、有機溶媒中、−100〜50℃、より好ましくは−78℃〜室温の温度で、窒素あるいはアルゴン下に、メチルリチウム、イソブチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、リチウム、ナトリウムまたはカリウム等を用いて、式(2)で表される2座配位子を反応させることにより得られる。
【0015】
この時、使用される溶媒は不活性溶媒が好ましく、特に好ましくは十分に窒素あるいはアルゴン下で脱水乾燥されたジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、n−ペンタン、n−ヘキサン、石油エーテル、リグロイン等またはそれらの任意の量比からなる混合溶媒が用いられる。
【0016】
得られた金属塩と式(1)との反応により、式(1)のXが式(2) のR´で置き換わった式(3)で表される有機金属化合物を得る。式(3)で表される有機金属化合物への変換は、有機溶媒中、−100〜50℃、より好ましくは−78℃〜室温で、式(1)で表される有機金属化合物と先に述べた2座配位子由来の金属塩とを反応させることにより達成される。この際、使用される溶媒は不活性溶媒が好ましく、さらに好ましくは十分に窒素あるいはアルゴン下で脱水乾燥されたジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、n−ペンタン、n−ヘキサン、石油エーテル、リグロイン等またはそれらの任意の量比の混合溶媒が用いられる。
【0017】
得られた式(3)で表される有機金属錯体は、担体に光学活性物質を担持させることにより形成される固定相(キラル固定相(chiral stationary phase))を用いたクロマト法により、光学分割を行う。この際、用いられるクロマト法は、液体クロマトグラフィーが好ましく、より好ましくは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)である。
【0018】
また、光学分割用に用いられるキラル固定相として、例えば、ダイセル社のセルローストリアセテート(CHIRALCEL OA)、セルローストリベンゾエート(CHIRALCEL OB)、セルローストリス(4−メチルベンゾエート)(CHIRALCEL OJ)、セルローストリシンナメート(CHIRALCEL OK)、セルローストリアセテート(CHIRALCEL OA)、セルローストリスフェニルカルバメート(CHIRALCEL OC)、セルローストリス(4−クロロフェニルカルバメート)(CHIRALCEL OF)、セルローストリス(4−メチルフェニルカルバメート)(CHIRALCEL OG)、セルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)、(CHIRALCEL OD)、アミローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(CHIRALPAK AD)、アミローストリス((S)−1−フェニルエチルカルバメート)(CHIRALPAK AS)、(+)−ポリメタクリル酸トリフェニルメチル(CHIRALPAK OT)、(+)−ポリメタクリル酸ジフェニル−2−ピリジルメチル(CHIRALPAK OP)等が挙げられるが、本発明においては不斉識別を行えるキラル固定相であれば特に制限なく用いることができる。
【0019】
また、液体クロマトグラフィーにおいて用いられる溶媒としては、脱気精製された石油エーテル、n−ペンタン、n−ヘキサン、トルエン、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、アセトン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、水等またはそれらの任意の量比の混合溶媒系が用いられる。
【0020】
以下に、ラセミ体の有機金属錯体を光学分割した実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0021】
【実施例】
参考例
有機金属錯体ラセミ−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド)の合成
1lのシュレンク管に、窒素下で1,2−ビス(3−インデニル)エタン(19.4mmol)のTHF溶液(250ml)を入れ、かき混ぜながら−78℃に冷却した。ついで、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(42.5mmol)を15分間で滴下した。これに、別の500mlのシュレンク管のZrCl4・2THF(19.5mmol)のTHF(250ml)溶液をステンレスカニュラを通して、激しくかき混ぜながら3時間で加えた。滴下終了後、塩化水素ガスを30秒間吹き込み、溶媒を留去した。残留物をエーテル(10ml)、4N−塩酸(10ml)、エタノール(20ml)、水(10ml)、さらにエーテル(10ml)を用いて、濾液が無色になるまで洗浄し、空気に安定なラセミ−(エチレンビスインデニル)ジルコニウムジクロライドが45%の収率で得られた。
【0022】
窒素下で200mlのオートクレーブ中へ、ラセミ−(エチレンビスインデニル)ジルコニウムジクロライド(10mmol)、PtO2(0.44mmol)、ジクロロメタン(70ml)を加えて、水素で70kg/cm2まで加圧し、一晩攪拌した。余分な水素を除き、得られた反応混合物を窒素下で濾過するとほぼ無色の液体が得られた。その溶液を50mlまで減圧濃縮し、ヘキサン10mlを加えると白色の固体が得られた(収率70%)。得られた固体は、1H−NMRよりラセミ−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド)と同定された。
【0023】
光学分割は、日本分光工業株式会社製のHPLC装置(PU−980型(インテリジェントHPLCポンプ)、Jasco UV−970型(インテリジェント紫外可視分光検出器)、Jasco OR−990型(旋光度検出器))に、カラム(4.6mm×25cm ダイセル社製 CHIRALCEL OD)を用いて行った。なお、分離状況は、318nmの紫外光で追跡した。
【0024】
実施例1
ラセミ−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド)からラセミ−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムバイナフトレート)への変換
本反応は、全て十分に窒素下で乾燥された器具を用いて行った。50mlのシュレンク管に、30mlのn−ヘキサンとラセミ−1,1´−バイ−2−ナフトール(0.5mmol)を加え、撹拌しながら0℃に冷却した後、1mmolのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液をシリンジでゆっくりと加え、一晩撹拌した。翌日、その反応溶液を−78℃に冷却し、あらかじめ−78℃に冷却しておいたラセミ−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド)(1mmol)のトルエン(30ml)液を攪拌しながら、ステンレスカニュラを通してゆっくりと加えた。冷却バスを取り除き、攪拌しながら反応混合物の温度を室温まで自然昇温させた後、2時間撹拌した。溶媒を減圧下で取り除き、直径3cmかつ高さ3cm位のアルミナを充填したカラムクロマトグラフィーで反応混合物を精製すると、目的物であるラセミ−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムバイナフトレート)(0.8mmol)を80%の収率で得た。
【0025】
ラセミ−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムバイナフトレート)の光学分割
上記で得たラセミ−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムバイナフトレート)を45mMベンゼン溶液としてHPLCで光学分割を行った(展開液:n−ヘキサン/エタノール=9/1;展開液の流速=0.5ml/分)ところ、2つの分離したピークが現れ、最初のピークは正の旋光性を示し、2つめのピークは負の旋光性を示した(図1に結果を示す)。
【0026】
ラセミ−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド)と(R)−ラセミ−1,1´−バイ−2−ナフトレートジリチウム塩から、従来法であるキネティック分割法を用いて得られた(R,R)−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムバイナフトレートを標品として比較したところ、この標品が図1の2つめのピークの化合物と同定された。
【0027】
実施例2
ラセミ−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムバイフェノレート)の光学分割
ラセミ−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド)と2,2´−バイフェノールとの組み合わせにより、実施例1の手法に従ってラセミ−(エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムバイフェノレート)を得た後、光学分割したところ図2に示す分離結果が得られた。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、極めて安価かつ簡便な操作で、有機金属錯体の光学分割をより高い光学純度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で行ったHPLCによる光学分割結果を示す。
【図2】実施例2で行ったHPLCによる光学分割結果を示す。
Claims (1)
- ラセミ体の有機金属錯体(1)
RMX2 (1)
[式(1)において、Rは1〜10個の窒素、ケイ素、リン、酸素もしくは硫黄および/または1〜50個の炭素で構成される2座配位子であり、Mは周期表で4族に属する元素を表し、Xは周期表で17族に属する元素、炭素数1〜5のアルキル基もしくはアルコキシ基、アミノ基または炭素数1〜10のアルキル化されたアミノ基を表す]
に、2座配位が可能な化合物(2)
R´H2 (2)
[式(2)において、Hは水素を表し、R´は1〜10個の窒素、酸素もしくは硫黄および/または1〜50個の炭素で構成される2座配位子である]
から誘導される金属塩
[この場合、金属塩の金属部位は周期表で1族に属する元素である]
を反応させることにより得られる有機金属錯体(3)
RMR´ (3)
を、担体に光学活性物質を担持させることにより形成される固定相を用いて、光学分割することを特徴とする分離法。
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JP04470996A JP3572326B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 有機金属錯体の光学分割法 |
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JP04470996A JP3572326B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 有機金属錯体の光学分割法 |
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JPH09236594A JPH09236594A (ja) | 1997-09-09 |
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- 1996-03-01 JP JP04470996A patent/JP3572326B2/ja not_active Expired - Fee Related
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