JP3570191B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,窒素酸化物等を無害化する内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来技術】
ガソリンエンジンの排出ガスの浄化には,排出ガスに対して優れた浄化特性を示す三元触媒が多く用いられている。しかしながら,トラックなどに使用されるディーゼルエンジンの場合には,酸素が多量に存在するため上記三元触媒によっては最も重要な有害ガスである窒素酸化物の除去が効果的に行われないという問題がある。そして,窒素酸化物の浄化には還元剤を用いた選択還元触媒が有効であるといわれている。
【0003】
ディーゼルエンジンの排出ガスには,多量の窒素酸化物と比較的少量の炭化水素及び一酸化炭素等が含まれ,また通常10%程度の過剰な酸素が含まれている。そして,上記選択還元触媒は,炭化水素(HC)等の有機物の存在下においてはじめて窒素酸化物の浄化機能を発揮し,上記HCの濃度に対する特性の依存性が強くまた温度に対する特性の依存性が極めて強いという特徴がある。
【0004】
そして,特開平5−263624号公報には,特定のエンジンに対して予め実験などにより定めた算出マップに基づいて,排出ガスの一定の温度範囲内において,ディーゼルエンジンの運転状況に対応して添加する炭化水素(HC)の量を決定する排気浄化装置が提案されている。即ち,予め添加量算出用のマップを組み込み,排出ガスの温度が250℃から600℃の範囲にある場合に,エンジンの回転数と負荷に対応する最適なHCの濃度を上記マップから読み込んでHCを添加する。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかしながら,添加量算出マップに基づいた上記排気浄化装置には,次のような問題点がある。
第1点は,ディーゼルエンジンの回転数や負荷などの運転範囲は極めて広範囲であり,また車両の使用者によりディーゼルエンジンの運転範囲が大幅に変化するため,広い運転範囲において最適なマップを定めることは困難である。
【0006】
例えば,実際のエンジン運転状況下におけるエンジンの回転数及び負荷と排気温度や窒素酸化物の濃度の関係については,図11に示すように,時間の経過と共に急激かつ複雑に変化する。同図の(a)の符号881はディーゼルエンジンの負荷,符号882はエンジンの回転数,同図(b)の符号883,884は触媒装置入口の窒素酸化物の濃度と排出ガスの温度である。それ故,静的なマップによる浄化法によっては,最適化のレベルに限界がある。また,エンジンによる特性のばらつきもあり,固定的なマップからは最適な浄化性能がなかなか得にくいことである。
【0007】
第2点は,触媒装置の温度を推定する指標として排出ガスの温度を用いているが,実際に特性を決定する触媒装置の温度は触媒装置の熱容量による時間遅れがある他,触媒装置の温度は始動後のエンジンの運転履歴により変化し,上記触媒装置の温度は排出ガスの温度からは一義的に定まらないことである。そのため,排出ガスの温度に基づく制御精度には限界がある。
第3点は,触媒装置の浄化特性は使用に伴って経時的に徐々に変化することである。そのため,仮にある時点で良好な浄化特性を示していたとしても,長年の使用により徐々に浄化性能が低下するということが生じてくる。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり,使用者により異なるエンジンの平均的な運転範囲や,触媒装置やエンジンの特性の変化に対応して常に最適な浄化特性を得ることのできる内燃機関の排気浄化装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
本願の請求項1の発明は,内燃機関における吸気通路,燃焼室,及び排気通路の少なくとも一つに窒素酸化物還元のために添加物を添加する添加装置と,添加された窒素酸化物還元剤により窒素酸化物を浄化できる触媒装置と,エンジンの回転数や負荷等の運転情報を検知する運転情報検出手段と,上記触媒装置の入口及び出口の排出ガスの組成並びに触媒装置の温度等を検知する触媒情報検出手段と,上記運転情報及び触媒情報を記憶する情報蓄積手段と,上記運転情報検出手段又は触媒情報検出手段から得られる検出情報と一定のアルゴリズム又は所定の算出マップとに基づいて上記添加物の量を一義的に定める固定的添加量算出手段と,上記情報蓄積手段に蓄積された履歴情報に基づいて添加量算出アルゴリズム又は添加量算出マップを変化させ上記添加物の量を定める学習機能付き添加量算出手段と,上記二つの算出手段の算出結果を勘案して添加物の量を決定し上記添加装置を操作する制御手段とを有している。
【0010】
そして,上記制御手段は,上記情報蓄積手段に蓄積された履歴情報が少ない場合には主として上記固定的添加量算出手段に基づいて添加量を決定し,上記情報蓄積手段に蓄積された履歴情報の増加に伴って次第に上記学習機能付き添加量算出手段に基づいて添加量を決定するように特性を変化させる(図4参照)。
即ち,蓄積情報が少ない場合には,予め組み込まれた固定的添加量算出手段に基づいて添加物の添加量を決定し,運転履歴情報と触媒装置の特性情報が蓄積されるのに伴って徐々に学習機能付き添加量算出手段に基づいて添加量を決定するようにする。
【0011】
その結果,本装置においては,後者の添加量算出手段の学習機能により,使用者により異なるエンジンの平均的な運転範囲や,触媒装置やエンジンの特性の経時的な変化に対応して常に最適な浄化特性を得ることが可能となる。
即ち,運転実績に基づいて学習し,最良の浄化特性が得られるように,添加量を算出する制御アルゴリズムや操作量を算出するマップを変化させるため,特性の変化や実際上の運転実績に的確に対応することができる。
【0012】
その結果,例えば図6に示すように,エンジンの運転時間の増加による履歴情報の蓄積に伴って,同図(b)の符号871〜874に示すように添加物(例えばHC)の量は減少するにもかかわらず,同図(a)の符号875〜878に示すようにガス(例えば窒素酸化物)の浄化量は増加するといった効果が期待できる(同図の丸印1〜4については図4参照)。
【0013】
なお,上記運転情報検出手段が検知する制御情報には,エンジンの回転数Ne,負荷Le,排出ガスの温度Teなどがあり,これらの情報のうちエンジンの回転数Ne,負荷Leは,例えばエンジンを制御する電子制御装置から得ることができる。
また,上記触媒情報検出手段が採取する情報には,触媒装置本体の温度Tcのほか,触媒装置にインプットされる入口側の排出ガスの組成,温度や,出口側の排出ガスの組成,温度がある。
【0014】
入口側の排出ガスの組成,温度は,温度センサーやガスセンサーの値或いはエンジンの回転数や負荷といった運転情報からの算出手段により検知可能であり,また出口側の排出ガスの組成,温度は,温度センサーやガスセンサーの値或いは情報蓄積手段に蓄積された履歴情報に基づいて前記触媒の動作特性をシミュレートするモデル算出手段により検知可能である。更に入口と出口のガス組成の差から排出ガスの浄化量を算出することもできる。
また,排出ガスの温度及び運転データに関する履歴情報と触媒装置の熱容量データとに基づいて,触媒装置の実際の温度を推定することも可能である。
【0015】
上記固定的添加量算出手段に用いる算出マップは,例えば,一般的な運転モードに基づいてエンジンのタイプごとに実験により定めることができる。より具体的な例として排気温度とエンジンの回転数及び負荷トルクと最適添加量との関係を定めた3次元のマップなどがある。
そして,本発明における上記学習機能付き添加量算出手段は,例えば,前記情報蓄積手段に蓄積された履歴情報に基づいて前記触媒装置の動作特性をシミュレートするモデル算出手段と,算出された触媒装置モデルに基づいて最適な添加量決定アルゴリズム又は最適な添加量算出マップを推定する推定手段とにより構成することができる。
【0016】
例えば,上記触媒装置の推定温度と入出力のガス組成の差とから,触媒装置の排出ガスの浄化特性をシミュレートする装置モデルを構築し,このシミュレートされた触媒装置モデルに基づいて最適の添加量決定アルゴリズムを複数推定し,その後当該エンジンの運転履歴に対して最も良好な浄化特性を示す添加量決定アルゴリズムは何であるかをシミュレーションにより決定することができる(詳細は実施形態例1参照)。そして,上記触媒装置のモデルには,触媒装置の経年的な特性の変化を反映させることができる。
【0017】
そして,上記触媒装置には,窒素酸化物を浄化する例えばゼオライト,シリカ/アルミナ,アルミナ,シリカ,チタニアなどの担体に白金などの貴金属或いは銅,コバルト,バナジウムなどの遷移金属を担持してなる選択還元触媒があり,そして選択還元触媒に対する添加物は触媒により適切な種類は変わるが,一般的には炭化水素,水素,一酸化炭素,アルコール,尿素,アンモニアなどが用いられる。
【0018】
本発明は,あらゆる窒素酸化物の選択的除去触媒と窒素酸化物除去添加剤の組み合わせにおいても効果を発揮するものである。
実用性を考慮した場合,燃料或いは燃料の分解生成物を用いた排気浄化が好ましく,更に本発明が効果を発揮するのは,添加物の燃焼による発熱が大きい場合である。従って,添加物が軽油,ガソリン,植物油,エタノール等の有機物である場合に最も有効に適用できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本例は,図1に示すように,ディーゼルエンジン81の排気通路82に配置した排気浄化装置1である。
排気浄化装置1は,図1,図2に示すように,添加物(炭化水素)の量を調整することにより排出ガスの浄化特性を変化させる触媒装置(白金/ゼオライト触媒)11と,炭化水素の添加装置としての燃料のインジェクタ12と,エンジン81の回転数Ne,負荷Le及び排出ガスの温度Teを検知する運転情報検出手段15(排気温度センサー16及びエンジン制御用コンピューター52の記録情報とからなる)とを有する。
【0020】
また,触媒装置11の入口及び出口の窒素酸化物の濃度及びガス温度Di,Do並びに触媒装置11の温度Tcを検知する触媒情報検出手段21(ガスセンサー22,23及び触媒温度センサー24からなる),または触媒装置11の入口の窒素酸化物の濃度及びガス温度Diをエンジンの回転数,負荷といった運転情報から算出し,出口の窒素酸化物の濃度及びガス温度Doと温度Tcは情報蓄積手段に蓄積された履歴情報に基づいて前記触媒の動作特性をシミュレートするモデルから算出する触媒情報算出手段39とを有する。
【0021】
また,上記運転情報及び触媒情報を記憶する情報蓄積手段31(図2)と,運転情報検出手段15又は触媒情報検出手段21から得られる検出情報と所定の算出マップとに基づいて炭化水素の添加量A1を一義的に定める固定的添加量算出手段(マップ式HC算出手段)32(図2)とを有する。
【0022】
また,情報蓄積手段31に蓄積された履歴情報に基づいて添加量算出アルゴリズムfを変化させ添加炭化水素の量A2を定める学習機能付き添加量算出手段(アルゴリズム可変HC算出手段36)35(図2)と,上記二つの算出手段32,35の算出結果A1,A2を加重平均して添加物の量A0を決定し燃料のインジェクタ12を操作する制御手段38(図2)とを有している。
【0023】
制御手段38は,図4に示すように,情報蓄積手段31に蓄積された履歴情報が少ない運転の初期段階では主として固定的添加量算出手段32の算出結果A1に基づいて添加量A0を決定し,情報蓄積手段31に蓄積された履歴情報の増加に伴って次第に上記学習機能付き添加量算出手段35の算出結果A2に基づいて添加量A0を決定するように加重平均の重みづけの係数α,βを変化させる。
【0024】
そして,学習機能付き添加量算出手段35は,図2に示すように,添加量算出アルゴリズムfに基づいて添加炭化水素の量を決定する算出手段36と,上記添加量算出アルゴリズムfを設定するアルゴリズム設定手段37とからなり,アルゴリズム設定手段37は,情報蓄積手段31に蓄積された履歴情報に基づいて前記触媒装置の動作特性をシミュレートするモデル算出部(図3のステップ601,602)と,算出された触媒装置モデルに基づいて最適な添加量決定アルゴリズムfを推定するアルゴリズム推定部(図3のステップ603〜606)とを有している。
【0025】
以下それぞれについて説明を補足する。
図1に示すように,本例の排気浄化装置1は,ディーゼルエンジン81の排気通路82に配置されている。同図において,符号83はシリンダーヘッド,符号811,812は吸気弁と排気弁である。
【0026】
そして,ディーゼルエンジン81のイグゾーストマニホルドの近傍には,排出ガスの温度Teを検出する温度センサー16が取り付けられており,運転情報検出手段15はその出力信号によって排出ガスの温度Teを知るほかエンジン制御用コンピューター52の記録情報を介してエンジン81の回転数Ne及び負荷Leを検知する。
【0027】
また,触媒装置11の入口及び出口の窒素酸化物の濃度及び温度Di,Do,温度Tcは触媒情報検出手段21により検知するか,或いは触媒情報算出手段39により算出する。そして,上記入口と出口の窒素酸化物の濃度の差(=Di−Do)から窒素酸化物の浄化量を知ることができる。
そして,上記運転情報検出手段15および触媒情報検出手段21の検出情報は,情報蓄積手段31に蓄積される。
【0028】
また,図2に示すように,上記運転情報検出手段15および触媒情報検出手段21の検出情報は,マップ式HC算出手段32と学習機能付き添加量算出手段35に対しても送信される。
そして,マップ式HC算出手段32は,排出ガスの温度Teとエンジン回転数Neとエンジン負荷Leと添加HC量との関係を示す3次元の算出マップに基づいて添加HC量A1を算出する。
また,学習機能付き添加量算出手段35の算出手段36は,添加量算出アルゴリズムfに基づいて添加炭化水素の量A2を決定する。
【0029】
そして,学習機能付き添加量算出手段35は,以下に述べるように排気浄化特性を評価,学習し上記添加量算出アルゴリズムfを更新する。
すなわち,図3のフローチャートに示すように,始めにステップ601において,情報蓄積手段31から運転の履歴情報と触媒装置11の履歴情報を読み込む。
そして,ステップ602において,上記履歴情報に基づいて,触媒装置11をシミュレートするモデルを更新し劣化等を考慮する。この触媒装置モデルは,触媒装置11の窒素酸化物浄化特性と同様の動作を示すプログラムや電子回路である。
【0030】
ステップ602では,始めに,触媒装置11の特性の変化から触媒装置11の経時的な劣化状態を推定する。即ち,例えば,触媒の暴露時間,温度といった使用履歴から,触媒装置11の特性を表すパラメータなどの経時的な劣化を推定する。次いで,そのような特性の劣化を反映させて触媒装置11をシミュレートするモデルを構築する。
その結果,上記触媒装置11のモデルを用いることにより,HCの添加量,触媒装置11の温度Tc,触媒装置11に入力される窒素酸化物の量及び温度等の条件を与えることにより,その時の窒素酸化物の浄化量を算出することが可能となる。
【0031】
そして,ステップ603において,上記触媒装置11のモデルに対応して,与えられた状態において最適なHCの添加量を算出するアルゴリズムf1,f2,...を推定する。
続くステップ604において,これまでに蓄積したエンジン運転情報,触媒情報の蓄積情報に基づいて,上記算出アルゴリズムfi(i=1,2,...)と上記触媒装置モデルとを用いてどの程度窒素酸化物が浄化されるか浄化量Yを算定する。そして,ステップ605において,浄化量Yがこれまでの算出アルゴリズムによる浄化量よりもどの程度優れているか否かを評価する。
【0032】
ステップ605の結果が否の場合,即ち,浄化特性が改善されなかった場合には,再度ステップ603に戻り,算出アルゴリズムfiのセットを変えて再試行する。
そして,ステップ605の結果が,是となった場合,即ち浄化特性が改善された場合には,fi(i=1,2,...)の中の最良の算出アルゴリズムfにより最適な添加量算出アルゴリズムを更新する。
【0033】
そして,ステップ606において,更新されたアルゴリズムfn(nはこれまでに行われた上記学習演算の回数nを示す)を前記HC算出手段36に送り,HC算出手段36は新たな算出アルゴリズムfnに基づいて今後の演算処理を実行するようにする。
【0034】
その結果,上記HC算出手段36は,蓄積された学習結果を反映させて,その時点で最良と推定するHCの添加アルゴリズムfn(nは学習の回数nを示す)を保持するようになる。
しかしながら,蓄積された履歴情報が少ない場合には,学習によって得られたHC算出アルゴリズムfn(n=小)に多くを依存することは危険である。
【0035】
そのため,前記HC制御手段38は,図4に示すように,情報蓄積手段31に蓄積された履歴情報が少ない運転の初期段階では主として固定的添加量算出手段32の算出結果A1に基づいて添加量A0を決定し,情報蓄積手段31に蓄積された履歴情報の増加に伴って次第に上記学習機能付き添加量算出手段35の算出結果A2に基づいて添加量A0を決定するよう制御する。
【0036】
即ち,算出手段32と算出手段35に対する加重平均の重みづけの係数α,β(α+β=1)を,始めはマップによる算出手段32に対する重みづけ係数αを大きくし,徐々に学習に基づく算出手段35に対する係数βを増加させる。
その結果,本例の排気浄化装置1においては,使用者により異なるエンジンの平均的な運転範囲を反映させ,かつ触媒装置の特性の変化やエンジンの特性の変化に対応して常に最適な浄化特性を得ることが可能となる。
【0037】
即ち,運転実績に基づいて学習し,最良の浄化特性が得られるように制御アルゴリズムを変化させるから,触媒装置の特性の変化や実際上の運転実績に的確に対応して浄化特性を最適化することが可能となる。
図5は,実際のエンジン使用状況下のもとで本実施例を適用したものである。同図の(a)は,HC添加パターン,同図の(b)はNOx浄化速度を示し,同図の(c)は,触媒温度の時間変化を示す。なお,図中の丸印1はマップ式HC算出手段32により,丸印4は学習機能付き添加量算出手段35により算出されたHC添加をしたときのものである。
【0038】
また,使用したエンジンは,6気筒,3000ccの自動車用ディーゼルエンジンである。触媒の浄化特性及び熱容量を示すモデルは,触媒反応シミュレータ,最適な添加HC添加量算出アルゴリズムにはGA(遺伝的アルゴリズム)により実施した。図5(b)から丸4は丸1に比べNOx浄化速度が大きいことが分かる。また同図の(c)からは,丸4は丸1に触媒がNOxを浄化可能な温度範囲に滞在する時間が長くなっていることがわかる。
【0039】
これらの結果をまとめたものが図6である。なお,図中の丸1はマップ式HC算出手段32により,丸4は学習機能付き添加量算出手段35により算出されたHC添加をしたときのものである。丸4は丸1に比べNOx浄化量が1.6倍になることがわかる。また,このとき丸4で使用した添加HC量は丸1の約30%である。従って,本実施例により,少量の添加HC量で効果的に有害物質NOxを浄化できることがわかる。
【0040】
実施形態例2
本例は,図7,図8に示すごとく,添加物の添加装置13を吸気通路80に配設したものである。
その他は,実施形態例1と同様である。
【0041】
本例においては,窒素酸化物還元のために添加する添加物の量は,実施形態例1と同様に決定される。即ち,運転情報検出手段15および触媒情報検出手段21から得られる検出情報をもとにして,固定的添加物算出手段32と学習機能付き添加物算出手段35により得られた算出結果を,制御手段38が勘案して添加物の量を決定し上記添加装置13を操作する。
【0042】
これにより,図7に示すごとく,添加装置13から,吸気通路80内に添加物を送入する。この送入された添加物は,吸入空気と共にシリンダーヘッド83内に入る。上記添加物は,シリンダーヘッド83において一部焼失する場合もあるが,大部分は燃焼されずに排気通路82から排出される。そして,この排出された添加物と触媒とにより窒素酸化物を還元する。
【0043】
本例の排気浄化装置によれば,燃焼時におけるシリンダーヘッド83内の乱流を利用し,排出ガスと添加物とを均一に混合させた状態で,触媒装置11に送入することができる。そのため,窒素酸化物の浄化率を向上させるという効果を有する(図8参照)。
その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0044】
図8に,実際のエンジン使用状況下のもとで,本実施例を適用した場合のNOx浄化率の時間変化を実線で示す。また,比較例として実施形態例1を適用した場合のNOx浄化率の時間変化を点線で示す。
また,使用したエンジンは,6気筒,3000ccの自動車用ディーゼルエンジンである。触媒の浄化特性及び熱容量を示すモデルは,触媒反応シミュレータ,最適な添加HC添加量算出アルゴリズムにはGA(遺伝的アルゴリズム)により実施した。図8から,吸気通路80に添加物を送入する方が,排気通路82に送入するよりもNOx浄化率が高いことが分かる。
【0045】
また,送入する添加物の量に対する排出される添加物の割合を,上記固定的添加物算出手段32と学習機能付き添加物算出手段35に読み込ませて,吸気通路80内に送入する添加物の量を制御することが好ましい。
この場合には,適切な量の添加物を送入することができるため,より効果的に窒素酸化物を浄化がすることができる。
【0046】
実施形態例3
本例は,図9に示すごとく,添加物の添加装置14をシリンダーヘッド83に配設したものである。
その他は,実施形態例1と同様である。
【0047】
本例においては,窒素酸化物還元のために添加する添加物の量は,実施形態例1と同様に制御装置38により決定される。そして,制御装置38が上記添加装置14を操作して,添加装置14から,シリンダーヘッド83内に添加物を送入する。この送入された添加物の大部分は,実施形態例2と同様に,燃焼されずに排気通路82から排出されて,触媒と共に窒素酸化物を還元する。
【0048】
本例の排気浄化装置によれば,添加物がHCである場合には,エンジンへの燃料供給装置(図示略)に,添加物の添加装置としての機能を兼用させることができる。即ち,上記燃料供給装置にHCを供給することで,添加装置14を設ける必要がなくなる。そのため,装置の簡略化が可能となり,コストの低減が可能となるという効果を有する。
その他は実施形態例1,2と同様の作用効果を有する。
【0049】
また,添加物の送入のタイミングは,エンジンの吸気,圧縮,点火,排気のいずれの工程でもよいが,特に排気工程が好ましい。
この場合には,シリンダーヘッド83内において焼失される添加物の量を低減することができる。そのため,送入する添加物の量に対する排出される添加物の割合が比較的安定し,シリンダーヘッド83内に送入する添加物の量を容易に制御することができる。
【0050】
実施形態例4
本例は,図10に示すごとく,添加物の添加装置12,13,14を,それぞれ排気通路82,吸気通路80,シリンダーヘッド83に配設したものである。
その他は,実施形態例1と同様である。
【0051】
本例においては,上記添加装置12,13,14を組み合わせて,添加物を添加することができる。例えば,上記シリンダーヘッド83に設けた添加装置14と,上記排気通路82に設けた添加装置12の両方から添加する場合には,主として添加装置14から添加を行い,焼失分を添加装置12によって添加することもできる。そのため,必要量の添加物を確実に送入することができる。
その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0052】
なお,上記3者の組み合わせは,添加装置12,14に限らず,添加装置12,13,14を全て用いることもできる。
【0053】
【発明の効果】
上記のように,本発明によれば,使用者により異なるエンジンの平均的な運転範囲や,触媒装置やエンジンの特性の変化に対応して常に最適な浄化特性を得ることのできる内燃機関の排気浄化装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,排気浄化装置のシステム構成図。
【図2】実施形態例1における,排気浄化装置の接続図。
【図3】実施形態例1における,学習機能付き添加量算出手段の計算の流れを示すフローチャート。
【図4】実施形態例1の排気浄化装置において,マップ式HC算出手段の重みづけ係数αと学習機能付き添加量算出手段の重みづけ係数βの時間的推移を示す図。
【図5】実施形態例1における,排気浄化装置をエンジン使用状況下で適用した結果の図。
【図6】本発明の排気浄化装置によって期待することのできる排出ガスの浄化特性の時間的経過を示す図。
【図7】実施形態例2における,排気浄化装置のシステム構成図。
【図8】実施形態例2の排気浄化装置において,エンジン使用状況下で適用した場合の窒素酸化物浄化率の時間的推移を示す図。
【図9】実施形態例3における,排気浄化装置のシステム構成図。
【図10】実施形態例4における,排気浄化装置のシステム構成図。
【図11】ディーゼルエンジンのエンジンの運転状況(回転数及び負荷)(a)と窒素酸化物濃度及び排出ガス温度(b)との関係の時間的な推移の一例を示す図。
【符号の説明】
11...触媒装置,
12,13,14...添加装置,
15...運転情報検出手段,
21...触媒情報検出手段,
31...情報蓄積手段,
32...固定的添加量算出手段,
35...学習機能付き添加量算出手段,
38...制御手段,

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気浄化装置であって,内燃機関における吸気通路,燃焼室,及び排気通路の少なくとも一つに窒素酸化物還元のために添加物を添加する添加装置と,添加された窒素酸化物還元剤により窒素酸化物を浄化できる触媒装置と,エンジンの回転数や負荷等の運転情報を検知する運転情報検出手段と,上記触媒装置の入口及び出口の排出ガスの組成並びに触媒装置の温度等を検知する触媒情報検出手段と,上記運転情報及び触媒情報を記憶する情報蓄積手段と,上記運転情報検出手段又は触媒情報検出手段から得られる検出情報と一定のアルゴリズム又は所定の算出マップとに基づいて上記添加物の量を一義的に定める固定的添加量算出手段と,上記情報蓄積手段に蓄積された履歴情報に基づいて添加量算出アルゴリズム又は添加量算出マップを変化させ上記添加物の量を定める学習機能付き添加量算出手段と,上記二つの算出手段の算出結果を勘案して添加物の量を決定し上記添加装置を操作する制御手段とを有しており,
    上記制御手段は,上記情報蓄積手段に蓄積された履歴情報が少ない場合には主として上記固定的添加量算出手段に基づいて添加量を決定し,上記情報蓄積手段に蓄積された履歴情報の増加に伴って次第に上記学習機能付き添加量算出手段に基づいて添加量を決定するように特性を変化させることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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