JP3569287B2 - 高圧微量体積シリンジポンプ - Google Patents
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Description
本発明は、シリンジポンプに関する。更に具体的には、本発明は特に分析分離に適した高圧微量体積シリンジポンプに関するものである。
最新の分析化学の重要な傾向は、少ない試料の量、すなわち1から10μlの範囲に適応することができる分離技術の方向へ動いている。多くの場合試料を稀少な天然の単離物あるいは高価な組み替え生成物から得る生物工学分析の分野において、この傾向は、特に強い。代表的な生物工学分析の応用には、蛋白質シークエンス操作の一部として使用されるクロマトグラフィー分離、アミノ酸分析、蛋白質/ペプチドマッピング、製薬品の量的コントロールなどが含まれる。
試料の希釈を避けそれによって、分離成分の検出を維持できるように、分離カラム、例えばクロマトグラフィーのカラムの規模を試料のスケールに適するように縮小してきたが、このような微小規模のカラムは50μm位の小さい内径を持つ。分離装置の規模縮小による付加的な恩恵は、必要とされる作業流体、例えばクロマトグラフィーの溶媒および/または溶離剤の容量の縮小であり、必要とされる費用およびこのような物質、特に新種および/または強い有毒性の物質の場合における処分に必要なコストを減らすことになる。
微量規模の分離は、分離カラムへの作業流体の運搬に使用されるポンプにおいて、特に負担となる。典型的なHPLCポンプに特徴的な性能は、かような微量カラムの分離の精密さの要求を満足することができず、±1μlの誤差が2ml/分の流体速度でのHPLCの応用操作では検出不可能となり、これと同じ誤差は10μl/分よりも小さい流体速度での微量カラム応用操作においては許容できない大きい誤差となる。
シリンジポンプは微量カラムクロマトグラフィー分離の要求によく適合する。シリンジポンプは往復ポンプに比べて、微量規模の分析分離、たとえば液体クロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィー等に使われる時、(i)本質的にパルスのない流体流および(ii)再現性が大きく容積測定が正確な流体供給を含めて、いくつかの長所をもっている。
しかしながら、現在使用可能なシリンジポンプは多くの欠点を持っている。特に、現在のシリンジポンプは高圧下の低速の流速において、分析分離に好ましく必要とされる正確さおよび精密さをもって、溶媒を送出することが不可能である。さらに、現在のシリンジポンプは、機械の振動を高レベルで作業流体に伝えてしまい、そのため分離した試料成分の検出を妨げてしまう。現在のシリンジポンプの別の欠点は、動く密閉表面の摩損が、このような密閉表面を含んだ部品をしばしば損耗し、繰り返し操作の再現性が不十分となり、ポンプの分解および摩損した部品の交換が頻繁に必要となる。
マルチポンプグラジエントモードで使用される時、上述した欠点のため、現在のシリンジポンプは、特に非常に低い溶媒流速および高圧では、再現性のあるグラジエントを得ることが出来ない。マルチポンプグラジエントモードで低い流速を達成するために、現在のシリンジポンプは溶媒スプリッターの使用が必要であり、これは分離カラムへの流れよりも廃流へとポンプからの流出の一部を向けるのに役立つ。例えば、Moritzら、Journal of Chromatography 599:119−130(1992)。このような分離技術は、グラジエント中で溶媒の組成が変化する時の溶媒の密度および粘性の変化によって、溶媒送出量分布における大きな誤差をもたらす。加えて、現存するシステムは相対的に大きな内部容積を持つミキサーを必要とし、流体流に大きなノイズを伝え、そして可動部品が摩損する結果として微粒子が流れへ放出する。
発明の概要
我々の発明の目的は、非常に遅い流速、すなわち10μl/分以下での送出が、高圧下、すなわち700psi以上で、非常に正確かつ精密な方法において可能なシリンジポンプを提供することである。
我々の発明のさらなる目的は、機械的振動を最小限にする機構をもつシリンジポンプの提供であり、それによって取り付けられた検出装置に達する機械のノイズを最小限にすることができる。
我々の発明の他の目的は、どの可動密閉表面でも損耗を最小限にするような設計を持つシリンジポンプを提供することであり、これによってこのような可動密閉表面を含んだ部品の寿命を延ばす。
なおも我々の別の目的は、低い流速、すなわち10μl/分以下、および高圧、すなわち700psi以上において稼動する時に、高い再現性、すなわち0.25%以下の相対標準偏差をもつ溶媒組成グラディエントを提供することができるマルチシリンジグラジエントシリンジポンプを提供することである。
我々の発明のさらなる目的は、非常に低い流速、例えば10μl/分以下においても、溶媒の流れを分離することなく稼動することが出来るマルチシリンジグラジエントシリンジポンプを提供することである。
我々の発明の別の目的は、内容積が小さく、完全に液体流を混合し、液体流中へのノイズ量を最小限に伝え、そして摩損の結果による微粒子を流れに放出することのない、複合的な液体流を混合するためのミキサーを提供することである。
本発明の前述および他の目的は、一つの面から見ると、ポンプの部品を取りつけるフレーム、およびフレームに取り付けられたモーターを含む、高圧微量体積シリンジポンプによって達成される。本ポンプはさらに、モーターに駆動できるように接続された親ねじ、およびカバーシールを含み、このカバーシールは親ねじに取り付けられており、このカバーシールはカバーシールの取り付けおよび取り外しを容易にするためにスリットが形成されている。このカバーシールはシリンダーバレル内部において逆方向の運動をうけるので、バレルの軸線は、親ねじの軸線と同軸である。このバレルはセラミック材料で作られており、一端をフレームに固定して取り付けられて、他の一端は浮揚してフレームに取りつけられている。最後に、バレル頭部は閉じるためにバレルの一端に取り付けられ、そのバレル頭部は作業流体がバレルに流入および流出できるための出口/入口を含む。
別の面では、本発明は複数の上記の高圧微量体積シリンジポンプおよびそれぞれのポンプにある流体を混合するためのミキサーを含んだマルチグラジエントシリンジポンプを含む。
さらに別の面では、本発明は、一個あるいはそれ以上の上記の高圧微量体積シリンジポンプ、シリンジポンプの出口/入口に接続されたクロマトグラフィーカラム、シリンジポンプとクロマトグラフィーカラムの間に位置して流体の連絡があるインジェクター、およびクロマトグラフィーカラムを出る物質が検出器によって検出できるようにクロマトグラフィーカラムの出口/入口と連絡している検出器、を含む液体クロマトグラフィーシステムを含んでいる。
別の面では、本発明は高圧微量体積シリンジポンプで使用されるカバーシールを含んでおり、このカバーシールはカバーシール据え付け部分に適合するようになっている。このカバーシールはシリンダー状胴体を含んでいて、その中には中空が形成されており、その胴体は高分子量ポリエチレンから作られている。胴体の外部表面が圧迫されていない時に、カバーシールが据え付け部材に押し付けられるので、空洞の内径寸法を増加することができ、それによってカバーシールの据え付け部分への配置および据え付け部分からの移動を容易にすることができるように、その胴体の外部表面には、そこに溝が形成されている。
別の面では、本発明は多数の流体の流れを混合するためのミキサーを含んでいる。このミキサーは、軸受け面である内底表面を持つ密閉ボウルを含んでいて、その軸受け面はセラミック材料からできている。このボウルはさらにボウルおよび周囲の間で流体が連絡するように入口および出口を含んでいる。回転運動に耐えるように適応したパックがボウル内部に配置されている。このパックはその外部表面に形成された螺旋溝を持ち、パック磁石をその内部に配置している。このミキサーはさらにモーターおよびモーターに取り付けられた外部磁石を含んでいて、その外部磁石が回転運動を受けるようになっている。その外部磁石はパックの磁石と磁力的な連絡をするように配置され、そのためその外部磁石の回転がパックを回転させる。
本発明の、これらおよび他の目的、特徴、および長所は、以下の説明、図面、および添付した請求項を参照することによって、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の高圧微量体積シリンジポンプの概略図である。
図2は本発明の高圧微量体積シリンジポンプの好ましい駆動装置の組立品を示す図である。
図3Aは、本発明の高圧微量体積シリンジポンプの好ましい直線的な駆動装置の一連の部品を示す図である。
図3Bは、本発明の高圧微量体積シリンジポンプの好ましい直線的な駆動装置の一連の部品の、後方部分から見た等大図を示す。
図4Aは、本発明の高圧微量体積シリンジポンプの好ましいカバーシールを示す図である。
図4Bは、カバーシール取りつけ部材に取りつけた好ましい図4Aのカバーシールを示す図である。
図5Aは、本発明の高圧微量体積シリンジポンプの好ましいバレル組立品を示す図である。
図5Bは、本発明の好ましいバレル組立品のフローティング末端の拡大図である。
図6は、本発明の高圧微量体積シリンジポンプの好ましいバルブ組立品の作業行程図を示す。
図7は、本発明のマルチシリンジグラジエントシリンジポンプシステムの好ましい作業行程図を示す。
図8は、本発明の好ましいミキサーの引き伸ばし図である。
図9は、本発明の好ましいクロマトグラフィー装置の概略図である。
好適例の説明
本発明の好適例の詳細な言及をここでは行い、これの実施例は添付した図面において説明される。本発明は好適例とともに説明されるが、本発明がこれらの適用例に制限されるものではないことは理解されるだろう。逆に、添付した請求項によって定義された本発明の範囲に含まれうる代案、改良、および同等のものを、本発明はカバーするものである。
ここで図面に言及すると、同じ数字は同じ部材を表し、図1は本発明の高圧微量体積シリンジポンプ(100)の概略図であり、これは、ポンプに機械的回転動力を供給するための駆動装置の組立品(200)、機械の回転力を直線運動に変換するための直線駆動装置の一連の部品(300)、高圧での封じ込めた容量を画定するバレル組立品(500)、およびバレル組立品の内容積を変化させるための可動式の密閉表面を提供するためのカバーシール(400)からなる。このシリンジポンプはまた、ポンプから放出しおよび/または充填している間にポンプを出る物質の流れを制御するためのバルブ組立品(600)、およびポンプの様々な状況をモニターおよび制御するための制御器(655)を含む。
1.駆動装置の組立品
図2は、本発明のシリンジポンプの好ましい駆動装置の組立品の詳細を示す図である。一般的に、好ましい駆動装置の組立品(200)は、親ねじを動かすための手段、好ましくはモーター(205)を含み、パワートランスミッション(211)によって駆動できるようにナット(245)に連結し、ナットの回転はエネルギーを直線状の駆動装置の一連の部品に伝達する。
このモーターは、電子制御器によって制御されることができる必要があり、回転のわずかな増加、たとえばステップ当たり0.03゜のオーダーの増加でも伝えられる出力を与える。バレル組立品の小さな内径と対になった回転の小さな増加は、低い流速での液体の非常に精密な供給を可能にする。好ましくは、このモーターはステッパーモーター、すなわち、回転度を離散ステップで制御できるモーターである。さらに好ましくは、このモーターはマイクロステップ操作が可能なステッパーモーターである、すなわち1回転につき10,000あるいはそれ以上のステップの増加で進む。加えて、好ましいモーターはModel 23H−530Aステッパーモーターで、American Precision Industries,Inc.,Rapidsyn Division,Oceanside,CAから入手できる。
好ましくは、駆動できるようにモータ(205)およびナット(245)を連結しているパワートランスミッション(211)は、(i)モーターの回転出力の効果的なステップサイズを減少させる、ここで使用される“効果的なステップサイズ”とはモーターの角回転に対するナットの角回転の割合と定義される;(ii)モーターによって生じナットに伝達されるトルクを増加させる;そして(iii)モーター(205)からナット(245)に伝達される振動の量を減少させるための機械的な緩衝を与える必要がある。好ましいパワートランスミッションは、モーター駆動軸(210)に取り付けられた一番目のの調節プーリ(215)、副軸(230)に取り付けられた二番目の調節プーリ(225)、および一番目の調節プーリ(215)と二番目の調節プーリ(225)に駆動できるようにつながれたタイミングベルト(220)を含んでいる。回転運動は副軸(230)から、副軸(230)に取り付けられたピニオンギア(235)を通じて、駆動歯車(240)に伝達される。この駆動歯車(240)はナット(245)に取り付けられていて、そのためその回転運動をナットに伝達する。
モーター(205)とナット(245)との間の最適量のギア減速は、モーター出力の効果的なステップサイズの最小化とポンプを満たすための必要な時間の最小化との間での妥協に基づく。それゆえ、ギア減速の量が増加するときは、モーターの効果的なステップサイズは減少するが、しかし、ポンプに補充するのに必要な時間は減少する。本発明のポンプについては、好ましいギア減速は5:1であり、このようなギア減速は、駆動歯車の直径をピニオンギアの直径の5倍にし、同時に一番目と二番目の調節プーリの直径を等しくすることで、達成される。
上記の好ましい駆動装置の組立品の回転運動は、ナット(245)を通じて親ねじ(303、図3A)の直線運動に変換され、このナットはナット回転軸(246)をもち、親ねじはリードスクリュー並進運動軸(304)をもつ。ナットの口径内部に形成されたねじ山が、駆動できるように親ねじ(303)とかみ合い、ナット(245)の回転が駆動装置のギア(240)によって親ねじの軸線(304)に沿って親ねじ(303)に線状の並進運動が伝達される。好ましくは、このナット(245)は(i)コンプライアンス(たわみ性)と(ii)低い摩擦係数の両方をもつ材料から作られる。この材料のコンプライアンスはシステムの機械的ノイズを低下させ、低い摩擦係数は外から何も注油しなくともナットを操作できるようにする。外からの注油を排除することによって、ポンプを維持することが容易になり、さらに重要なことには、作業流体の汚染の可能性が劇的に低下する。ナットを形成する好ましい材料は、オイル充填ブロンズ、Rulon(登録商標)、Delrin(登録商標)等である。さらに好ましくは、このナットはTelfron(登録商標)充填Delrin(登録商標)、例えばTurcite−X(登録商標)、例えばProduct Bulletin、Turcite Internally Lubricated Materials、W.S.Shamban & Co.,Newbury Park,CA(1989)からつくられ、ここでの参考文献は参考文献に組み込まれる。
このナットは前部ベアリング(250)および後部ベアリング(255)に取りつけられており、このナットが自由に回転するとともに並進運動をうけるのを防ぐようになっている。一あるいはそれ以上のあらかじめ取りつけられたスプリング(330)が後部ベアリング(255)に対してナットを推進するように作用してそれによってシステムの機械的公差を向上させる。加えて、ベアリングは胴部の組立品(500)に対してナットの調節の役に立ち、このため親ねじ(303)は胴部の組立品(500)に対して同軸を保つ。
2.線状駆動装置の列
図3Aおよび図3Bは親ねじ(303)を含んだ本発明の好ましい線状駆動装置の列の詳細図であり、この親ねじは前部末端(301)および後部末端(302)、カバーシール取り付け部品(305)、カバーシール(400)、および親ねじ従動部(320)をもつ。好ましくは、この親ねじのねじ山は、ナットへの不必要な摩損およびひずみが最小限になるように選ばれる。さらに好ましくは、この親ねじのねじ山の断面はアクメねじの断面であり、例えばMachinery's Handbook,24th Edition,1604−1607頁、Industrial Press,Inc.,N.Y.(1992)参照、ここでの参考文献は参考文献に組み込まれる。さらに一層好ましくは、この親ねじのねじ山の断面は3/16インチの呼び主径をもち、親ねじは1インチあたり20回転となり、そしてステンレス鋼製である。
好ましくは、親ねじの後部末端(302)は親ねじの並進運動ができる間に親ねじの回転を防ぐための締め付け装置を含む。図3A中に示される好適例において、親ねじの後部末端には取り付けられた一対のガイドブロック(326)を持った従属部(320)が取り付けられている。その従属部(320)およびガイドブロック(326)は従動部案内装置(327)中に配置され、その従動部案内装置は直角の内部断面を持つ。操作において、親ねじ(300)に回転力が加えられると、ガイドブロック(326)が従動部案内装置(327)にかみ合わされ、これにより親ねじが回転することが妨げられる。
一つの好適例において、位置センサーフラッグ(325)が従動部(320)の末端に位置して、そこでは薄ナット(326)が取り付けられている。親ねじ(303)が可動範囲の限界に達すると、位置センサーフラッグが親ねじの位置センサー(331)の方を指し示すのに役立つ。位置センサー(331)は光学センサー、電気センサー、あるいはある一定の位置における親ねじ(300)の存在あるいは不在を指し示すことのできるものであればどんなセンサーでもよい。より好ましくは、そのセンサーは光学センサーが良い。
親ねじ(303)の前部末端(301)に取り付けられているのはカバーシール取り付け部品(305)である。このカバーシール取り付け部品はカバーシール(400)を取り外し可能な方法で親ねじ(303)に取り付けるのに役立つ。好ましくは、カバーシール取り付け部品は保持突起(306)およびガイドブッシュ(307)を含むのが良い。保持突起(306)はカバーシール(400)を取り除き可能な方法で、取り付け台に保持しておくのに役立ち、一方でガイドブッシュ(307)はカバーシール上のラジアル荷重を減らし、そして線状駆動装置の列(300)およびバレル組立品(500)の間の適切な配列を維持する助けとなることに寄与する。ガイドブッシュ(307)はカバーシール取り付け部品の外部表面にじかに接しつつ、ガイドブッシュ取り付けグローブ(340)に取り付けられている。好ましくは、ガイドブッシュ(307)はエラストマー素材でできているのがよい。なぜならエラストマーは(i)損耗耐性があり、(ii)バレル内部表面を傷つけず、そして(iii)クロマトグラフィーに使われる溶媒に化学的に不活性だからである。例えばポリエーテルエーテルケトンPEEK、例えばAmerican Variseal,Broomfield,Co,からのMaterial Specification of Compound 1043参照、この参考文献は参考文献に組み込まれる。
3.カバーシール
図4Aおよび4Bは本発明の好ましいカバーシール(400)の拡大図を示している。好ましいカバーシールは中にキャビティー(415)が形成されている本体(405)を含んでいて、そのキャビティーはカバーシール取り付け部品(305)にフィットするように設計されている。カバーシールの周辺の前部にはバレル組立品(500)とカバーシールの間に上部のシーリングを提供するためにシーリングリッジ(430)が複数ある。カバーシールの前部に組み込まれたのは取り付け溝(440)であり、この溝はカバーシール(400)とバレル組立品(500)の間に封を保持するという目的のために中心から外に向かう方向に力を供給するためのエナジャイザー(435)を収容するためのものである。好ましくは、そのエナジャイザーはエラストマーの素材によって形成されたOリングであるものがよく、その素材は円形の細長い鉄片荷重ばね、U/V環状荷重ばね、らせんばね、あるいは放射状方向に力を与える他のいかなる手段でもよい。さらに好ましくは、そのエナジャイザーはらせんばねが良い。そのエナジャイザー(435)はシールが圧力下にないときにシーリングリッジとバレル組立品(500)の内部壁の間に積極的に封をするために放射状の外側方向にシーリングリッジ(430)を押し出すのに役立つ。
本発明のカバーシール(400)の重要な一つの重要な面として、カバーシールの本体(405)の外側表面(420)は内部に軸方向に動く溝(425)が形成されている。その溝(425)はカバーシールがカバーシール取り付け部品(305)に取り付けられたり取り除かれたりするときにキャビティー(415)の内部直径の拡大を促進するのに役立つ。しかしながら、カバーシールがバレル組立品(500)の内部に位置している時は、カバーシールは堅固にカバーシール取り付け部品(305)に取り付けられている。なぜならバレル組立品の壁がキャビティーの拡大を妨げるからである。この好ましい設計は損耗したカバーシールを手によって取り替えることを容易にする。
好ましくは、カバーシールは摩擦による損耗に対する抵抗のある弾力性素材を原料としているものがよい。カバーシールはセラミックの表面に接している時はスティックスリップが最小となり、コールドフローしない。好ましい材料にはTeflon(登録商標)、Kel−F(登録商標)、Tefcel(登録商標)などがある。より好ましくは、好ましいカバーシールは超高分子量ポリエチレン、例えば、ここに参考文献に組み込まれたAmerican Veriseal Company,Broomfield,CO,Material Specifrication for Compound 1103に記載されているCompound 1103から作成される。
4.バレル組立品
好ましいバレル組立品(500)が図5Aおよび5Bに示される。バレル(510)はバレルハウジング(505)中に入れられて一端がシリンダーヘッド(520)によって蓋をされ、もう一端が開いていて線状駆動装置の列(300)を受け入れるようになっており、そのバレルは浮動末端(511)および固定末端(512)をもつ。シリンダーヘッド(525)はバレルハウジング(505)に取り付けられており、好ましくはバレルハウジング(505)の外側上まで装着されている止めナット(515)によって保持されている。シリンダーヘッド(525)は、ポンプから結合している管への流体の連絡を容易にするために、その中にに形成された出口/入口(530)を持っている。好ましくは、高圧密封がシリンダーヘッド(525)およびバレルハウジング(505)の間にヘッドシール(520)によって形成される。
バレル組立品(500)の重要な特徴として、バレルの一端は“浮動性”、すなわち浮動末端(511)であり、一方で反対端(512)はピボットによってフレームに取り付けられる。浮動末端を浮動性にすることによって、バレル(510)は親ねじ(300)、ナット(245)、あるいは前部ベアリング(250)の回転がどんなに均一性がなくでも補正調節することができる。理想的には、このナット回転軸(246)および親ねじ変換軸(304)は同軸である。しかしながら、ナット(245)および親ねじ(300)の組立が不完全なために、これらの軸は完全には同軸ではない。それゆえ、ナット(245)の回転は親ねじ(300)に側荷重をかけることになり、次にはカバーシール(400)上に側荷重の原因となりうる。カバーシール上でのこの側荷重はカバーシール(400)に過度の損耗そして/あるいはカバーシールを通ってのポンプ機構への流体のもれをもたらして、ポンプの精度を減じポンプの腐食を導いてしまう。
図5Bはバレルの浮動末端(511)およびこれがいかに浮動性にバレルハウジング(505)に取り付けられているかを示す。適切な隙間(513)をバレル(510)およびバレルハウジング(505)の間に許すことによって、ナットから親ねじ(300)へ伝わる側荷重は、カバーシール(400)の増加した側荷重よりもバレルハウジングに関してバレルの半径方向の運動をもたらす。
好ましいバレル組立品(500)の別の重要な特徴は、バレル(510)がセラミック材料でできており、ここにおいて、ここで使用されている用語“セラミック”は、金属および非金属の化合物である材料を指し、例えばAl2O3、Cu−Zn、Cu−Sn、Al−Cu、Al−Mg、Fe−O、および同様の化合物である、例えばVan Vlack,Elements of Materials Science and Engineering Fourth Edition,Chapter 9(Addision−Wesley,Menlo Park,1980)、前記参考文献はここに参考文献として組み込まれる。セラミック材料は(i)これらの滑らかな表面、これはカバーシール上の損耗を減らしカバーシールおよびバレルの間の密封を向上させ;(ii)これらの極端な化学的安定性;および(iii)これらの引掻きに対する耐性、の理由で好ましい。好ましくは、このセラミック材料は99.8%Al203である。さらに好ましくは、本発明に用いられるこのセラミック材料は加工を容易にするためのフロー増加薬品、例えば、エラストマー添加剤あるいは乳化剤、を使用しない工程によって作られる。このような添加物を使用しないことによって、生成セラミック物質はより小さな結晶粒をもち、より堅固かつ滑らかになる。さらに好ましくは、本発明に用いられるこのセラミック材料は等圧工程によって形成される、例えば、Richerson,Modern Ceramic Engineering,438−489頁、Marcel Dekker,N.Y.(1992)、ここでの参考文献は参考文献に組み込まれる。
好ましくは、バレル(510)およびバレル組立品の結合したすべての要素および線状駆動装置の列の内径は、微量体積ポンピングの応用に適応するように選ばれる。好ましくは、バレルの内径は0.25インチよりも小さい。小さなバレル直径を持つことによって、線状駆動装置(300)の線状並進運動におけるあらゆる誤差がポンプされた流体の体積における小さな誤差のみになる。
5.シングルポンプバルブ組立品
本発明のシリンジポンプの好適例において、シリンジポンプはシリンジポンプへのあるいはシリンジポンプからの流れを管理するためのバルブ組立品(600)を含んでいる。好ましいバルブ組立品の詳細な流れ図が図6に示されており、このバルブ組立品はシリンジポンプからの廃棄あるいはアプリケーションへの流れを管理して、例えば、液体クロマトグラフィーカラム、超臨界クロマトグラフィーカラム、あるいは類似のもの、あるいはポンプを充填するための溶媒貯蔵器からシリンジポンプ中への流れを管理する。
図6に示される好ましいバルブ組立品は一番目(610)および二番目(630)の3方向バルブ、圧力変換器(605)、流れマニホールド(650)、およびコントローラー(701)を含んでいる。好ましくは、一番目の3方向バルブ(610)は共通口(615)、一番目の選択口(620)、および二番目の選択口(625)を含んでいて、ここでは共通口(615)は一番目の選択口(620)あるいは二番目の選択口(625)に選択的に連絡ささる。図6における好ましい配置においては、共通口(615)はポンプの出口に連絡されて、一番目の選択口(620)は二番目のバルブ(630)に連絡されていて、そして二番目の選択口(625)はマニホールド(650)に連絡されている。例示的な好ましいバルブは、Rheodyne Model 7030S valve(Rheodyne,Inc.,Cotati,CA)である。
同様に、二番目の3方向バルブ(630)は共通口(635)、一番目の選択口(640)、および二番目の選択口(645)を含んでいて、ここでは共通口(635)は一番目の選択口(640)あるいは二番目の選択口(645)に選択的に連絡される。図6における好ましい配置においては、共通口(635)は一番目のバルブの一番目の選択口(620)に連絡されていて、一番目の選択口(620)はアプリケーションに連絡されていて、そして二番目の選択口(645)はマニホールド(650)に連絡されている。
好ましくは、バルブ口の少なくとも一つは、廃棄位置(655)および溶媒(660)位置を持つ流れマニホールド(650)に連絡されている。
圧力変換器(605)は目詰まりおよび/またはバルブ不調によっておこる流れの圧力超過および/または圧力不足の状態を警告するために、好ましいバルブ組立品(600)に含まれる。
さらに好適例においては、制御器(701)はポンプおよび結合したシステムの操作をモニターおよび管理するための入力および出力を制御するために使用される。典型的な入力は(i)ユーザーインターフェイス、(ii)圧力変換器、(iii)外部スタートシグナル、(iv)バルブ位置センサー、および(v)ヘッドスクリュー位置センサーからの入力を含むことができる。典型的な制御器からの出力は(i)モーター速度を制御するためのモーターへの出力、(ii)ユーザーインターフェイスへの出力、(iii)バルブ位置サーボ機構への出力、および(iv)RS232タイプのシリアルインターフェイスへの出力を含むことができる。典型的な制御器は適当なPCに基づく制御器であればいかなるものでもよく、例えば、Perkin−Elmer Corporation,Norwalk,CTからのTurbochrome Systemがある。
図6で示される好ましいバルブ組立品(600)を使用してバレル(510)を充填するために、共通口(615)が二番目の選択口(625)に連絡されて、その結果二番目のバルブ(630)が流れの道筋から除去してそしてバレル(500)をマニホールド(650)の溶媒口(660)へ連絡するように一番目のバルブ(610)に配置される。そのため、シリンジポンプ中においてカバーシールを収縮させることによっておこる負圧が生じる時、溶媒はマニホールド(650)の溶媒口(660)からポンプのバレル(510)へ流れる。
シリンジポンプ(100)の中身を廃棄するようポンプで汲み出すために、共通口(615)が一番目の選択口(620)に連絡されるよう、その結果一番目のバルブ(610)が二番目のバルブ(630)に連絡されるように一番目のバルブ(610)は配置され、そして共通口(635)が二番目の選択口(645)に連絡されるように二番目のバルブ(630)が配置される。二者択一的に、バレル(510)の流体の内容物をアプリケーションにポンプで汲み出すために、共通口(615)が一番目の選択口(620)に連絡され、その結果一番目のバルブ(610)が二番目のバルブ(630)に連絡されるように一番目のバルブ(610)は配置され、そして共通口(635)が一番目の選択口(640)に連絡されるように二番目のバルブ(630)は配置される。
6.複合ポンプバルブ組立品
選択的な例においては、本発明のバルブ組立品は溶媒組成グラジエントを作るために複数のシリンジポンプを組み合わせて使うことができるように配置される。図7は二個のシリンジポンプを持つこのような複合ポンプバルブ組立品を示す。明らかに、同様の原理に基づいて溶媒グラジエントを作るために三あるいはそれ以上のポンプを使用することができる。
一般的に、図7に示される好ましい複合ポンプ組立品(700)は一番目(720)および二番目(755)の二つの3方向バルブ、圧力変換器(715)、流れマニホールド(790)、制御器(701)、混合T字管(794)および溶媒ミキサー(800)を含んでいる。
好ましくは、一番目のダブル3方向バルブ(720)は、そこにおいては一番目の共通口(730)は二者択一的に一番目の選択口(725)あるいは二番目の選択口(735)につながれているような、一番目の選択口(725)、二番目の選択口(735)、および一番目の共通口(730)からなる三口の一番目のグループ、および、そこにおいては二番目の共通口(745)は二者択一的に三番目の選択口(740)あるいは四番目の選択口(750)につながれるような、三番目の選択口(740)、四番目の選択口(750)、および二番目の共通口(745)からなる三口の二番目のグループ、を含んでいる。図7に示される好ましい配列においては、一番目のダブル3方向バルブ(720)の口の一番目のグループの口は以下のようにつながれている:一番目の共通口(730)は一番目のシリンジポンプ(705)の出力につながれて、一番目の選択口(725)は二番目のダブル3方向バルブ(755)につながれ、そして二番目の選択口(735)はマニホールド(650)に溶媒“A"位置でつながれる。同様に、一番目のダブル3方向バルブ(720)の口の二番目のグループの口は以下のようにつながれている:二番目の共通口(745)は二番目のシリンジポンプ(710)の出力につながれて、三番目の選択口(740)は二番目のダブル3方向バルブ(755)につながれ、そして四番目の選択口(750)はマニホールド(650)に溶媒“B"位置でつながれる。
一番目のダブル3方向バルブ(720)との相似の方法で、二番目のダブル3方向バルブ(755)は、そこにおいては一番目の共通口(765)は二者択一的に一番目の選択口(760)あるいは二番目の選択口(770)につながれているような、一番目の選択口(760)、二番目の選択口(770)、および一番目の共通口(765)からなる三口の一番目のグループ、および、そこにおいては二番目の共通口(780)は二者択一的に三番目の選択口(775)あるいは四番目の選択口(785)につながれるような、三番目の選択口(775)、四番目の選択口(785)、および二番目の共通口(780)からなる三口の二番目のグループ、を含んでいる。図7に示される好ましい配列においては、二番目のダブル3方向バルブ(755)の口の一番目のグループの口は以下のようにつながれている:一番目の共通口(765)は一番目のダブル3方向バルブ(720)につながれて、一番目の選択口(760)は混合T字管(794)を通ってミキサー(800)につながれ、そして二番目の選択口(770)はマニホールド(790)に廃棄位置(791)でつながれる。同様に、二番目のダブル3方向バルブ(755)の口の二番目のグループの口は以下のようにつながれている:二番目の共通口(780)は一番目のダブル3方向バルブ(720)につながれて、三番目の選択口(775)は混合T字管(794)を通ってミキサー(800)につながれ、そして四番目の選択口(785)はマニホールド(790)に廃棄位置でつながれる。
どんな適当なミキサーも本発明に使用することができる。好ましくはミキサーは(i)小さな内容積、すなわち、システムを通じてポンプで汲み出される1分あたりの流体体積の二倍以下の内容積をもち、(ii)完全に複合流体流を混合し、(iii)ノイズすなわち、高頻度の圧力変動を最小限にフロー流に伝え、そして(iv)移動成分の分解の結果としての微粒のくずをフロー流に持込まない。
本発明の重要な面は、複合流体流が完全に混合されるべき微量体積の高圧アプリケーション、例えばグラジエント液体クロマトグラフィーに特によく適応するミキサーの開示である。
図8に言及すると、大体、本発明の好ましいミキサーはボウル(865)を内部に形成して持っている本体(850)、パックマグネット(840)を含むパック(820)、およびボウルに対して外側に取り付けられているが磁力でパックマグネット(840)と連絡していてモーター(898)によって回転的に駆動する、駆動マグネット(895)を含む。それゆえ、この回転駆動マグネット(895)はパック(820)を回転するために供し、それによってボウル(865)中にある流体の攪拌をもたらす。
この本体(850)はミキサー(800)のボウル(865)およびポンピングシステムの他の構成要素との間での流体の連絡を提供するための入口(860)をもつ。ボウルの底表面は、その上でパック(820)が回転するベアリング面(870)である。好ましくは、このベアリング表面(870)は固い材料から形成される、すなわち、パック材料に関して固く、回転パック(820)の損耗下の劣化に耐性をもち、それゆえ流体流への微粒くずを持込みを減少させる。さらに好ましくは、このベアリング表面はセラミック材料から作られる。ボウルの頂表面はミキサーキャップ(805)によって形成されていて、ミキサー本体(850)に密閉できるように取り付けられ、ここではミキサーキャップはボウル(865)およびシステムの他の構成要素との間の流体の連絡を提供するために流体出口(810)をそこに形成して持っている。
パックマグネット(840)の大きさおよび構成は、パックマグネット(840)および駆動体マグネット(895)の間の磁力が、流体流を完全に攪拌するに十分なパック(820)の回転力を提供している時に、パックとボウル間の摩擦抵抗およびパックと攪拌された流体流の摩擦抵抗に対して打ち克つに十分であるようでなければならない。このパックマグネットは磁気双極子を持っていればいかなる物質から形成されていてもよく、例えば、鉄および類似のものであるが、しかしながら、パック(820)のサイズによって負わされたマグネットサイズの制限のために、強磁力の物質が好ましい;特に好ましい磁気物質はサマリウム−コバルト合金である。
好ましい配列においてはこのパックマグネット(840)はパックマグネット組立品(830)の一部をなし、前記組立品はキャニスター(835)、パックマグネット(840)、およびキャニスターキャップ(845)を含んでいる。完全に組立てた時、このパックマグネット(840)はキャニスターキャップ(845)を適所に溶接することでキャニスター(835)中に密閉される。好ましくは、溶接は小さな熱影響範囲を生ずるレーザー溶接である。このキャニスター材料は流体流への汚濁を最小限にするために特に腐食に対して耐性があるべきで、例えば、316Lタイプステンレス鋼である。パックマグネット(840)を腐食耐性のあるキャニスター(835)中へ封入することで、流体流をパックマグネットによる汚濁から守ることができる。
好ましくは、パック(822)の外側表面はらせん溝(821)をその中に形成する。パックが回転すると、このらせん溝は流体の循環を生じさせ流体の非常に大きな攪拌をもたらすのに役立つ。攪拌を強めるとともにミキサーの無効な体積を減らすために、パック(820)の直径はパック外側表面(822)およびボウル(865)内側表面間の距離が少ししか離れていないようにしなければならない;好ましくはこの距離は1mm以下である。好適例においては、パックマグネット(840)あるいはマグネット組立品(830)を堅固に固定して、回転駆動体マグネット(845)によってパックマグネット(840)へ伝えられる回転力がパックそれ自体に効率的に伝達されるように、このパックはマグネット取り付け穴(825)を含んでいる。
好ましくは、駆動体マグネット(895)は、モーター(898)にマグネットホルダー(896)によって取り付けられていて、上記ホルダーはモーター駆動シャフト(899)にしっかりと取り付けられている。
図8に示される好適例においては、このミキサーは以下のように組立てられる:ミキサーキャップ(805)、本体(850)およびモーター取り付け板(875)が複数のボルト(890)あるいは同様の締め付け手段によって結合され、モーター(898)はモーター取り付け板(875)にしっかりと固定され、ここではこのモーター駆動シャフト(899)、駆動体マグネット(895)、ボウル(865)はすべて実質的にミキサー回転軸(801)上に位置する。
明らかに、他の適当なミキサーを本発明の一般的なポンプシステムに使用することができる。可能な代替ミキサーは静的ミキサーを含む、例えば、INSTAC/LIF Technical Handbook,66−69頁、The Lee Company,Los Angels,CA(1987)。
好ましい配置においては、混合T字管(794)はミキサー(800)上流に置かれて収束流体流を“プレミックス”する。
操作上、図7に示された好ましい2部分からなるポンプバルブ組立品(700)によって溶媒グラジエントを形成するために、一番目のシリンジポンプ(705)および二番目のシリンジポンプ(710)の両方からの流れが混合され、ここではそれぞれのポンプは異なる溶媒組成によって充填されている。このグラジエントは、ポンプからの一緒に合わせた容積測定の流れをほぼ一定に維持し、一方で組成をそれぞれのポンプの流速を変化させることで変えるというやり方で、それぞれのポンプの流速を変化させることで達成することができる。両方のポンプからの流れを同時に達成するために、一番目のシリンジポンプ(705)からの溶媒は開いているバルブ口(730)、(725)、(765)、および(760)を通り、一方で二番目のシリンジポンプ(710)からの溶媒は開いたバルブ(745)、(740)、(780)、および(775)を通り、次にミキサー(800)上に流れ、そこでは両方のシリンジポンプからの流れが混合されて、そしてアプリケーションに伝えられる。
7.液体クロマトグラフィーシステム
特に好ましい応用においては、本発明のシリンジポンプは液体クロマトグラフィーシステム(900)、さらに好ましくは微量体積クロマトグラフィーシステムにおいて使用することができる。
図9に示される好ましいクロマトグラフィーシステムは、ポンプシステムがここに記載されたような一あるいはそれ以上のシリンジポンプから構成されるポンプシステム(905)、クロマトグラフィーカラム(915)へ試料を注入するための試料インジェクター(810)、検出器(920)およびデータ出力装置(925)を含む。液体クロマトグラフィーシステムをいかに組立てるかの完全な論文は他の場所で得ることができる、たとえばKrstulovicら、Reversed−Phase High−Performance Liquid Chromatography,Chapter 3,John Wiley & Sons,New York(1982);およびModel 172 Series HPLC Separation System Installation Manual,Part Number 0054−0012,Applied Biosystems Division of the Perkin−Elmer Corporation,Foster City,CA(May 1992)。
以上においては数例のみの実施例が詳細に記述されただけだが、クロマトグラフィーるいはポンプ設計の技術における通常の技術を持つ者は、これについての教示から離れることなく好適例において多くの改良が可能なことをはっきりと理解するであろう。かような改良のすべては、以下の請求項に含まれることを意図する。
Claims (23)
- フレーム;
フレームに取りつけたモーター;
その中で逆方向の軸運動のためにバレルに配置したモーターに駆動できるように取り付けられた親ねじ、前記親ねじは前部末端および親ねじ並進運動軸をもつ;
親ねじの前部末端に取りつけれれているカバーシール;
および
その中でカバーシールが逆方向の運動を受ける円筒状バレル
からなり、
前記バレルは前部末端、後部末端、およびバレル軸を有し、バレル軸は親ねじ軸と同軸に配列され、バレルはセラミック材料から作られ、バレルは前部末端にてフレームにピボット状に取りつけられ、後部末端にてフレームに浮動するように取りつけられている、作業流体をポンピングするための高圧微量体積シリンジポンプ。 - カバーシールが、カバーシールの取り付けと取り外しを容易にするためその外側表面において形成された溝を有する請求項1記載の高圧微量シリンジポンプ。
- バレルの前部末端を開閉するためバレルの前部末端にて取りつけられたバレル頭部をさらに含み、バレル頭部は作業流体をバレルに出入りさせるための出口を含む請求項1記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- 親ねじの並進運動をさせながら、親ねじの回転をさまたげるための強要手段をさらに含む請求項1記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- さらに制御装置を含む請求項1記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- モーターと親ねじの間に駆動できるように配置されたパワートランスミッションをさらに含む請求項1記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- パワートレンスミッションがテフロン(登録商標)充填デルリン(登録商標)(Teflon−filled Delrin)から作られたナットを含む請求項6記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- 出口/入口と流体連絡しているバルブ組立品をさらに含む請求項1記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- モーターがステッパーモーターである請求項1記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- ステッパーモーターはマイクロステップ操作ができる請求項9記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- 親ねじがアクメねじやまの断面をもつ請求項1記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- カバーシールが弾力のある材料から作られる請求項1記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- カバーシールが超高分子量ポリエチレンから作られる請求項12記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- 複数の作業流体をポンピングするための複数の高圧微量体積シリンジポンプ、各シリンジポンプが:
フレーム;
フレームに取りつけたモーター;
その中で逆方向の軸運動のためにバレルに配置したモーターに駆動できるように取り付けられた親ねじ、前記親ねじは前部末端および親ねじ並進運動軸をもつ;
親ねじの前部末端に取りつけられているカバーシール;
および
その中でカバーシールが逆方向の運動を受ける円筒状バレル
からなり、
前記バレルは前部末端、後部末端、およびバレル軸を有し、バレル軸は親ねじ軸と同軸に配列され、バレルはセラミック材料から作られ、バレルは前部末端にてフレームにピボット状に取りつけられ、後部末端にてフレームに浮動するように取りつけられており;
および
各ポンプに存在する作業流体を混合するためのミキサー
からなる、複合シリンジグラジエントシリンジポンプ。 - さらに制御装置を含む請求項14記載の複合シリンジグラジエントシリンジポンプ。
- モーターと親ねじの間に駆動できるように配置されたパワートランスミッションを、さらに含む請求項14記載の複合シリンジグラジエントシリンジポンプ。
- 高圧微量体積シリンジポンプの各々の出口/入口と流体連絡しているバルブ組立品をさらに含む請求項14記載の複合シリンジグラジエントシリンジポンプ。
- モーターがステッパーモーターであり、ステッパーモーターはマイクロステップ操作ができる請求項14記載の複合シリンジグラジエントシリンジポンプ。
- 1個またはそれ以上の高圧微量体積シリンジポンプ、各シリンジポンプが;
フレーム:
フレームに取りつけたモーター;
その中で逆方向の軸運動のためにバレルに配置したモーターに駆動できるように取り付けられた親ねじ、前記親ねじは前部末端および親ねじ並進運動軸をもつ;
親ねじの前部末端に取りつけられているカバーシール;
および
その中でカバーシールが逆方向の運動を受ける円筒状バレル
からなり、
前記バレルは前部末端、後部末端、およびバレル軸を有し、バレル軸は親ねじ軸と同軸に配列され、バレルはセラミック材料から作られ、バレルは前部末端にてフレームにピボットのように取りつけられ、後部末端にてフレームに浮動するように取りつけられており;
シリンジポンプの出口/入口と流体連絡しているクロマトグラフィーカラム;
シリンジポンプとクロマトグラフィーカラムとを流体連絡して間に配置されたインジェクター、および
クロマトグラフィーカラムを出る物質が検出器によって検出できるようにクロマトグラフィーカラムの出口/入口と流体連絡している検出器
からなる液体クロマトグラフィーシステム。 - バレルの前部末端のまわりをピポットするためフレームに取り付けられた細長いバレル、前記バレルはバレル軸を有し、バレルを通って伸びる閉じ込め容積部を限定する;
逆の軸運動のためバレル中に配置された親ねじ、この親ねじは前部末端および親ねじ並進運動軸を有する;
前記閉じ込め容積部で流体を通さないシールを与える親ねじの前部末端に取りつけられるように適合したカバーシール;および
バレル内で軸方向に親ねじを移動するための装置、そこではバレル軸と親ねじ並進運動軸との間の配列が前記前部末端のまわりを前記バレル軸をピボット状にすることによって保持される
からなる作業流体をポンピングするための高圧微量体積シリンジポンプ。 - カバーシールが超高分子量ポリエチレンから作られている請求項20記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- 親ねじを動かすための手段がステッパーモーターである請求項20記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
- 親ねじの並進運動をさせながら、親ねじの回転を妨げるための強要手段をさらに含む請求項20記載の高圧微量体積シリンジポンプ。
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