JPH07167846A - 微小流量性能を有するクロマトグラフィー用ポンプ装置及びその方法 - Google Patents

微小流量性能を有するクロマトグラフィー用ポンプ装置及びその方法

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JPH07167846A
JPH07167846A JP6203925A JP20392594A JPH07167846A JP H07167846 A JPH07167846 A JP H07167846A JP 6203925 A JP6203925 A JP 6203925A JP 20392594 A JP20392594 A JP 20392594A JP H07167846 A JPH07167846 A JP H07167846A
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pump
eluent
piston
pumps
motor
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Frank J Yang
ジェイ.ヤング フランク
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MICROTECH SCIENT Inc
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MICRO TEC SCIENT Inc
MICROTECH SCIENT Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溶離液を脈流のない正確な流量で供給でき、高
液圧下でも低流量が得られ、全行程に対する吸引行程の
比が小さく、遅延時間を短縮できるクロマトグラフィー
用ポンプ装置、その製造方法及び溶離液の比例分配方法
を提供する。 【構成】夫々に異なる溶離液を収容する複数の貯留槽1
41,143,145,147を設ける。対応する別々
の貯留槽141,143,145,147に夫々接続さ
れる複数のポンプ100,102,104,106を設
ける。ポンプ100,102,104,106の一つか
ら溶離液を受入れる各別に設けられた複数の入口と、混
合された溶離液の出口とを備える混合装置170を設け
る。前記混合された溶離液をカラム174に移送する注
入装置172を設ける。前記ポンプ100,102,1
04,106の夫々に接続されて、ポンプ100,10
2,104,106の供給流量を個々に制御するシステ
ム制御装置130を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高圧液体ポンプ装置、
特に液体グラジエントを用いる高速液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)やその他の化学及び生物学的分析に使
用されるポンプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】HPLC及びその類似装置に用いられる
液体ポンプ装置は周知である。HPLCの場合には、試
料は選ばれた粒径と組成の充填剤粒子を充填したカラム
上部に注入され、1種の溶離液もしくは混合溶離液がカ
ラムにポンプで輸液される。試料の化学的成分はそれぞ
れの化学的性質及び組成によってカラムの尾部から溶離
液によって溶離される。再現性と高い分析精度を得るた
めには、HPLCにとって安定した基本的に脈流のない
(ポンプの吸排による流量の変化がない)、しかも精確
な流量が不可欠である。
【0003】これらのシステムに採用された典型的なポ
ンプで現在までに発明されているものは、アッケナーら
の米国特許第4045343号、マグナッセン・ジュニ
アのRe.31608号、レーカらの米国特許第426
0342号、ゴードンらの米国特許第4599045号
で、カムによってピストンを駆動する単方向のモータか
らなる。これらのポンプの実用的な流量は通常100μ
l/分から10ml/分である。
【0004】HPLCによって各化合物の分離を向上す
るために通常用いられる手段は、2種またはそれ以上の
混合溶離液を使用し、またそれらの溶離液がカラム内を
流れる際に、各溶離液の組成の比率を相対的に変えるこ
とである。この方法は、グラジエント分離とかグラジエ
ントHPLCと呼ばれている。この溶離液のグラジエン
ト状態を実現するには、溶離液混合物をカラムに注入す
る前に2種類の溶離液を制御された比率で混合する必要
がある。典型的な既存のHPLCポンプシステムは、ボ
ールドウィンらの米国特許第4311586号やベンテ
らの米国特許第4714545号等に示されているよう
な1種または2種の溶離液混合方式を採用している。こ
れらの方式は溶離液がポンプを通る前に混合され、ポン
プはその混合溶離液をカラムに送り込むというものであ
る。
【0005】HPLCの分野でなされた重要な開発の一
つは内径が1mmまたはそれ以下の所謂「ミクロボア」
カラムの使用である(アール・スコット,ピー・クケ
ラ,ジャーナル・クロマトグラフ,169,51,(1
979)、エフ・ヤング,ジャーナル・クロマトグラ
フ,236,265,(1982)、エフ・ヤングの米
国特許第4483733号、ディー・イシイ他,ジャー
ナル・クロマトグラフ,144,157,(197
7)、ディー・イシイ他,ジャーナル・クロマトグラ
フ,185,73,(1979)、ティー・タケウチ
他,ジャーナル・クロマトグラフ,238,409,
(1982)を参照)。従来のHPLCカラムに比べ
て、ミクロボアカラムの利点の一つは必要な溶離液とカ
ラム充填剤の量を共に100分の1に削減できることで
ある。この溶離液の削減は単に溶離液と高価な充填剤の
イニシャル・コストを軽減させるだけでなく、使用済溶
離液の廃棄量の削減をももたらすものである。HPLC
に使用される液体の多くは有毒成分を含むため、環境問
題の点から考えてミクロボアHPLCは従来のHPLC
に比べて非常に優れている。その他、いろいろな分析に
おいて多くの利点がある(詳しくは上記の参考文献を参
照)。
【0006】何社かの液体クロマトグラフィー機器製造
会社がミクロボアHPLC用機器の開発を行ってきた。
現在市販されている典型的な「内径1.0mmのミクロ
HPLCポンプ」システムは、従来の低圧比例HPLC
グラジエントポンプの改良型である(エッチ・ベンテら
の米国特許第4714545号、ジー・レータらの米国
特許第4260342号、ピー・トラフォードらの米国
特許第4728434号、ジェー・アークナーらの米国
特許第4045343号、ジェー・ロックらの米国特許
第4128476号、エッチ・マグナッセン・ジュニア
の米国特許第4131393号、アール・アリングトン
の米国特許第4869374号参照)。
【0007】これらの従来からのシステムは各々の溶離
液がポンプの吸引行程でピストンチャンバーに別々に吸
引されるカム方式のポンプを採用している。溶離液の混
合は、吸引行程での液の乱流か、既に混合された溶離液
がカラムに注入される前に混合装置を通って圧送される
ことか、もしくはその両方で行われる。ポンプの吸引段
階は、射出行程に比べて非常に短いことが好ましい(ボ
ールドウィンらの米国特許第4311586号参照)。
カム方式のポンプの場合、全行程に対する吸引行程の比
率を正確にすることはカムの形状と寸法を正確に選択す
ることにより行われる。
【0008】しかし、高圧下において低い流量を得るこ
とと、吸引行程と全行程とのサイクルの比を非常に小さ
くすることとを両方達成できるようにカム方式のポンプ
を設計することは寸法面からいって困難である。実際カ
ム方式のポンプで希望の行程比を持つものを設計しよう
としても、流量約50μl/分以下のものは不可能であ
る。また、これら低流量用のカムは相当大きなもので、
本来比較的狭く、他の機器類が詰め込まれている場所で
使われるには、ポンプのサイズが大きくなってしまう。
【0009】従って、ミクロボアの分野でこれまでに引
用した従来の改良型ではスプリットフロー方式(Sj.
ファン・デァ・ワール他,J.Resolut.Chr
omatogr.Commun.6,216,(198
3))やピストンチャンバーの容積を減少することで各
々のカラムに送り込む溶離液の流量を下げる工夫がされ
ている。
【0010】残念ながら、このような改良型低圧比例ポ
ンプシステムはミクロボアカラムを備えたグラジエント
HPLCに使われた場合50μl/分以下の流量ではう
まく作動しない。主な問題点が3つ存在する。最初に、
比例弁、ピストンチャンバー、導入側逆止弁、配管等の
システム全容量が普通毎分当たり排出される溶離液量の
5乃至10倍であることである。典型的な例では、10
μl/分でポンプシステムが運転しているのに全システ
ムの内容積が100μlの場合である。この場合、グラ
ジエントステップの変更を行うには10分間待たねばな
らない。このように最小溶離液比の変更時間(遅延時
間)が大きいということは、直線型グラジエント溶離を
した場合、分解能が非常に劣る結果となる。
【0011】第2の問題は、同じくシステムの全容量が
相対的に大きいためにグラジエントが実行されるまでの
時間差が大きいことである。比例制御弁の出口孔にある
混合溶離液は、上述の構成部品の他に、大きな容量のピ
ストンチャンバーを通過しなければならないために分析
試料の成分のグラジエント溶離がカラム内で効力を発す
るまでには長い時間がかかる。典型的なポンプの容量が
2mlの場合、カラム溶離速度10μl/分であるとす
ると、約200分のグラジエントの遅れが生じることに
なる。
【0012】この長い遅れと比較的大きなグラジエント
ステップは、使用者にとって時間の無駄であるばかりで
なく、グラジエント中での溶離液同士の拡散を相当起こ
させる原因となる。この拡散のためにグラジエントは概
して再現性が悪く、分析試料成分の分離も悪い。(L.
Snyder他、”Reproducibilityp
roblems in gradient eluti
on causedby differing equ
ipment”、LC−GC、vol.8、No.7、
p.524、1990) もう一つの欠点は、グラジエントの再生成に要する時間
が非常に長いということである。ポンプ体積のほぼ3倍
の流量が、充填と初期の液体組成を再現することとに必
要となる。上記の例では2mlの容量に対し10μl/
分の溶離速度では、初期の溶離液組成を再現するまでに
600分もかかる。
【0013】カラム式ポンプの低流量領域でのこれらの
諸問題を軽減するためによく行われるのはスプリット・
フロー方式である。
【0014】まず、グラジエントの遅延問題を避けるた
め溶離液のグラジエントを高流量で生成させる。次に微
小流量を主流から定圧下で分岐させ、インジェクタとカ
ラムに送る。残りの液流は通常廃棄される。従って、こ
のスプリット・フロー方式は従来の方式と比べて溶離液
量の節減には何ら貢献しない。また、グラジエントは定
圧下で分岐されるため、このミクロフローカラム内の実
際の圧は不安定で不正確なものとなる。
【0015】カム方式ポンプのさらなる欠点は、一つの
ポンプの圧送できる流量の幅には限りがあるということ
である。大幅に異なる流量範囲を達成するためにはかな
り大きさの異なるカムを必要とする。また、モータとピ
ストンに対するカムとの相対的位置はカムの大きさによ
って決まる。カムの大きさが変わるたびにモータやピス
トンの位置を変えるというのは、微妙な位置合わせが重
要なピストンポンプの場合実用的ではない。
【0016】ミクロボアカラム装着のHPLC向けの別
法としては、単ストローク注射器型ピストンポンプがあ
る(エム・ムンクの米国特許第4032445号、アー
ル・ブラウンリーの米国特許第4347131号、アー
ル・アリングトンの米国特許第4775481号)。こ
のタイプの注射器型ポンプは数μl/分で溶離液を注入
することができる。
【0017】しかしながら、注射器型ポンプもミクロボ
アグラジエントHPLCに使われた場合、重大な欠点が
ある。第一に、グラジエント溶離中に絶えず流れ抵抗が
変化するために一定の流量を維持することが難しい。こ
の流れ抵抗の変化は、溶離液組成、溶離液の圧縮性、注
射器内液量変化等に起因すると考えられる。
【0018】第二に、毎回の分析と分析との間に溶離液
の圧縮性の影響を最小にし、流量の再現性を良好にする
ために注射器ピストンチャンバーを液相で再び充満して
おかなければならないが、このプロセスには通常時間が
かかる。
【0019】第三に、グラジエント溶離するためには複
数の注射器型ポンプが必要なために非常に不経済であ
る。
【0020】以上述べた様々な市販の低流量ポンプシス
テムの欠点のために、ミクロボアHPLCの持っている
はずの長所は実現できないままである。
【0021】当然のことながら、脈流を起こさず、再現
性のある溶離液の排出を10000psiに達する高圧
下、0.1〜1200μl/分の流量で行える簡単で、
安価なポンプに対する需要は大である。更に、グラジエ
ント溶離液の混合装置と、カラムインジェクター間の流
量を大幅に減らし、かつ、グラジエント溶離液の流量を
少ないグラジエントステップと短い準備期間で達成でき
るポンプシステムの実現は非常に望まれているところで
ある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶離液グラ
ジエントを用いるクロマトグラフィーに使用される改良
されたポンプ装置、その製造方法及びクロマトグラフィ
ー用グラジエント比例分配方法を提供することにある。
【0023】さらに詳しくは、本発明はかかる不都合を
解消して、脈流がなく正確な流量の溶離液を圧送でき、
高液圧下においても低流量が得られ、全行程に対する吸
引行程の比が小さく、しかも遅延時間を短縮することが
できるクロマトグラフィー用ポンプ装置、その製造方法
及びクロマトグラフィー用グラジエント比例分配方法を
提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明のクロマトグラフィー用ポンプ装置の第1
の態様は、それぞれに複数の異なる溶離液の1種を収容
する複数の貯留槽と、対応する別々の前記貯留槽の一つ
にそれぞれ接続される複数のポンプと、別々の前記ポン
プの一つから溶離液を受け入れるように接続可能な各別
に設けられた複数の入口と、混合された溶離液を排出す
るための出口とを備える少なくとも一つの混合装置と、
前記混合された溶離液を前記出口からカラムに移送する
ように操作可能に接続された少なくとも一つの注入装置
と、前記ポンプの圧送流量を個々に制御するために前記
ポンプのそれぞれに接続されていて、対応する前記ポン
プの圧送流量の割合によって決定される比率で前記異な
る溶離液を含む溶離液混合物を生成するように、選択さ
れた個々の流量で圧送するように前記ポンプを制御する
システム制御装置と、からなることを特徴とする。
【0025】前記第1の態様のポンプ装置は、前記入口
のそれぞれに接続された一対の前記ポンプを有し、前記
一対のポンプのそれぞれが前記貯留槽の一つに接続され
ていて、前記システム制御装置が前記両ポンプから前記
溶離液を交互に供給するように構成されていてもよい。
このように構成するときには、前記混合装置及び前記注
入装置は、流量割合を50μl/分以下にするために遅
延時間が5分以下となるように構成される。
【0026】前記ポンプは、前記ポンプのそれぞれが、
直接駆動ポンプからなり、第1及び第2の端部を有する
中央ハウジングと、前記第2の端部で中央ハウジングに
機械的に取り付けられ、片側に開口部を有し、入口と出
口とを有する拡張されたチャンバーを包み込むチャンバ
ーハウジングと、駆動側端部と溶離液側端部とを有し、
溶離液側端部が前記チャンバー内に開口部を介して摺動
自在に収納されたピストンと、中央ハウジングの前記第
1の端部に装着され、直線軸回りに回転するモータ軸を
有する双方向モータと、前記モータ軸と前記ピストンと
が実質的に前記直線軸に沿って同軸上に配置されてお
り、前記ピストンの駆動側端部を直接駆動するように接
続するために前記中央ハウジング内に装着されたモータ
接続手段と、からなることを特徴とする。
【0027】前記モータ接続手段は、前記モータ接続手
段が、前記軸の回りを前記モータ軸に同調して回転する
ために機械的にモータ軸に取着された第1の端部と外側
にねじが切られた第2の端部とを有する基端部と、前記
ピストンの前記駆動側端部に接続されていて、前記軸に
より限定される方向に沿って摺動自在に運動するため
に、前記ピストンを装着する前記中央ハウジングに操作
可能に装着された装着手段を含む末端部とからなり、前
記装着手段は内側にねじが切られた空洞を有し、該空洞
は操作可能に配置され、前記基端部の前記ねじが切られ
た第2の端部との段階的、可逆的な接続及び回転ができ
るように合わせて作られている。前記モータ接続手段
は、さらに、前記ピストンを該モータ接続手段に接続す
るフローチング接続手段を含み、前記フローチング接続
手段が該モータ接続手段の末端部を形成する可動ブラケ
ットからなり、前記ピストンの前記駆動側端部を取着す
るピストン取着手段を備えている。このようなポンプ
は、前記チャンバー及び前記ピストンが約0.1μl/
分乃至約1200μl/分の圧送流量の割合をもたらす
寸法に合わせて作られていて、前記双方向モータが前記
流量のために十分な速さで操作できるように構成されて
いる。
【0028】また、前記ポンプ装置では、前記ポンプ
は、それぞれ、少なくとも約10000psiまでの圧
力下で前記溶離液を圧送するように前記ピストンを駆動
するために十分な速さで操作できるように構成されてい
る。
【0029】さらに、前記ポンプ装置は、前記混合装置
に接続された一つの入口と、前記注入装置に接続された
一つの出口とを有する第2の混合装置を含む。前記第2
の混合装置が、流量制限バルブを有するポートを含み、
該ポートが第2の注入装置または第2のカラムに接続で
きるようになっていて、前記注入装置と該第2の注入装
置との間で前記混合溶離液を分割できるようになってい
る。
【0030】さらに、前記ポンプ装置は、前記ポンプと
前記混合装置との間の溶離液の圧力を測定するために配
置された圧力計を含む。
【0031】本発明のクロマトグラフィー用グラジエン
ト比例分配方法の第1の態様は、対応する複数の溶離液
貯留槽の一つからそれぞれの溶離液を圧送するようにそ
れぞれに接続されている複数のポンプを設け、複数の入
口を有し、それぞれの入口がそれぞれ該ポンプの一つか
ら溶離液を受入れるように接続されていて、混合された
溶離液を排出する単一の出口を含む混合装置を設け、個
々の流量で圧送するように同時かつ個別に前記ポンプの
それぞれを制御する制御手段を設け、混合装置の出口で
の選択された総供給流量の割合を与えるように、個々に
選択された流量の割合で混合装置に溶離液を圧送するよ
うに選択された個々のポンプを制御することからなるこ
とを特徴とする。
【0032】また、本発明のクロマトグラフィー用グラ
ジエント比例分配方法の第2の態様は、チャンバー内に
機能的に配置されたピストンと、該ピストンを駆動する
ように接続されたモータとを有するポンプを設け、それ
ぞれ個々の貯留槽から溶離液を受け入れるように接続さ
れ、それを通じて溶離液の流量の割合を変えるように個
別に操作できるようになっている入口バルブをそれぞれ
に有する複数の入口を備えるチャンバーを設け、組み合
わされた溶離液を排出する出口を備えるチャンバーを設
け、ピストンを吸引行程に駆動するように前記モータを
操作し、同時に、その接続されている貯留槽からそれぞ
れに選択された流量の割合の溶離液を受け入れるよう
に、それぞれの入口のそれぞれの入口バルブを操作し、
ピストンを射出行程に駆動するように前記モータを操作
し、組み合わされた溶離液がチャンバーから射出される
ように前記出口を開くことからなることを特徴とする。
【0033】前記本発明のクロマトグラフィー用グラジ
エント比例分配方法の第2の態様では、前記入口バルブ
は、シリコン・チップ・バルブが選択される。また、前
記ポンプを設けるときに、前記ポンプが、モータが軸の
回りに回転するモータ軸を備える双方向モータである直
接駆動ポンプが選択され、さらに該ポンプが往復運動に
ピストンを駆動するようにモータ軸を連結するために、
ピストンとモータ軸との間に接続されたモータ接続手段
を有し、該モータ接続手段はピストンを回転軸に沿って
モータ軸と実質的に同一直線上に一直線になるように保
持するように配置される。
【0034】前記本発明の第1の態様のクロマトグラフ
ィー用ポンプ装置は、それぞれが選択された溶離液を収
容する複数の貯留槽を設け、それぞれが圧送されるべき
溶離液を吸入するポンプ導入手段と、圧力下に溶離液を
圧送するポンプ導出手段とを有する複数のポンプを設
け、対応する個々の前記貯留槽の一つから溶離液を吸引
するように前記ポンプのそれぞれを接続する貯留槽接続
手段を設け、複数の入口と、混合された溶離液を排出す
る排出手段とを有する少なくとも一つの混合装置を設
け、それぞれの前記ポンプを前記混合装置に接続するポ
ンプ接続手段を設け、対応する別々の入口に少なくとも
2つのポンプを接続し、外部分析装置に混合された溶離
液を供給するように前記混合装置の排出手段を接続する
ことにより製造される。
【0035】前記製造方法では、前記混合装置及び排出
手段を設けるときに、該混合装置及び排出手段が約10
分を超えないグラジエント遅延時間が得られる流量の割
合を考慮した寸法に合わせて作られる。また、前記ポン
プを設けるときに、前記ポンプがチャンバー内に操作可
能に配置されたピストンと、軸の回りに回転するモータ
軸を有する双方向モータと、モータ軸の回転をピストン
の直線的往復運動に転換するためにピストンとモータ軸
との間に接続されたモータ接続手段とを備える直接駆動
ポンプが選択され、該モータ軸とピストンとが回転軸に
沿って実質的に同一直線上に配置される。
【0036】本発明のクロマトグラフィー用ポンプ装置
の第2の態様は、ポンプ装置自体でグラジエント比例分
配を行うもので、それぞれ異なる溶離液の一種を収容す
る複数の貯留槽と、モータ及び回転するモータ軸と、片
側に設けた開口部と出口とそれぞれが別々の貯留槽の一
つから溶離液を受け入れるように接続されている複数の
入口とを有し、前記入口のそれぞれが、それを通る対応
する溶離液の流量の割合を操作的に制御するために、該
入口に配置されているバルブ手段を有するピストンチャ
ンバーを収容するチャンバーハウジングと、駆動側端部
とポンプ側端部とを有し、該ポンプ側端部は前記開口部
を通じて前記ピストンチャンバー内に摺動可能に収容さ
れるピストンとを備えるポンプと、異なる前記貯留槽か
ら同時に前記ピストンチャンバーに溶離液を供給するよ
うに、前記入口バルブを協働して制御するために前記入
口バルブに接続されていて、選択された異なる前記溶離
液の比率に比例する別々の流量の割合を供給するように
前記入口バルブを制御するようになっているシステム制
御手段と、からなることを特徴とする。
【0037】前記第2の態様のポンプ装置では、前記モ
ータが、前記軸に沿って実質的に一直線上に配置された
前記モータ軸と前記ピストンとを備える前記ハウジング
の第1の端部に装着された双方向モータであって、モー
タ接続手段が前記モータ軸に同調して回転する基端部
と、往復運動する末端部とを有する。また、前記モータ
と前記ピストンと前記ピストンチャンバーとが、約0.
1μl/分と約1200μl/分との間の流量の割合が
得られるように選択され、配置される。
【0038】また、前記入口バルブとしては、シリコン
・チップ・バルブが用いられる。前記シリコン・チップ
・バルブは、調整自在に計量できるバルブが適してい
る。
【0039】尚、本発明のクロマトグラフィー用ポンプ
装置の第1の態様においては、選択された比率に混合す
るために2種またはそれ以上の溶離液を受け入れる第1
の混合装置を有し、該混合装置は混合された溶離液を排
出するための出口を有し、さらに好ましくは、前記第1
の混合装置から混合された溶離液を受け入れるように接
続され、前記混合された溶離液をさらに混合し排出する
第2の混合装置を備えることを特徴とする。また、選択
された比率に混合するために2種またはそれ以上の溶離
液を受け入れる第1の混合装置を有し、該混合装置は磁
性体からなる攪拌子を有し、該攪拌子がセラミックスに
よりコーティングされていることを特徴とする。
【0040】また、前記本発明のクロマトグラフィー用
ポンプ装置の第1の態様は、ハウジング内に形成され
た、入口及び出口を有するチャンバーと、第1の部材及
び第2の部材を有し、該第1の部材が第2の部材より細
くなっていて、前記入口に隣接する第1の部材と前記出
口に対向する第2の部材とが前記チャンバー内に配置さ
れていて、前記第1の部材が第2の部材より細くなって
いるきのこ形バルブと、前記第1の部材の周辺を囲繞す
ると共に前記入口に隣接して配置された密封部材と、前
記密封部材と前記第2の部材とを反対方向に付勢するた
めに、前記密封部材と前記きのこ形バルブの第2の部材
との間に配置されている弾性部材とからなるチェックバ
ルブを備えることを特徴とする。前記チェックバルブ
は、さらに、前記出口と前記きのこ形バルブの第2の部
材との間に、前記チャンバー内に配置されている濾過部
材を備えている。また、前記ハウジングは、互いに密封
して合わされた上方部分及び下方部分からなる。
【0041】さらに、本発明の第3の態様である微小流
量クロマトグラフィー用ポンプ装置は、溶離液を収容す
る貯留槽と、前記貯留槽から共通の出口に溶離液を供給
するようにそれそれが接続された第1及び第2のポンプ
からなり、それぞれがピストンチャンバーを有し、該ピ
ストンチャンバーはチャンバー出口と、モータに操作可
能に接続され該ピストンチャンバー内に配置されたピス
トンとを備える一対のポンプと、前記共通の出口からカ
ラムに前記溶離液を移送するように操作可能に接続され
た少なくとも一つの注入装置と、前記第1のポンプと第
2のポンプとの間の前記共通の出口に前記溶離液をすば
やく交代して供給するように前記ポンプのそれぞれを制
御するように接続されたシステム制御手段とからなるこ
とを特徴とする。
【0042】前記本発明の第3の態様の微小流量クロマ
トグラフィー用ポンプ装置は、さらに、それぞれが異な
る溶離液を収容する複数の貯留槽と、それぞれの対が前
記貯留槽の異なる一つから溶離液を供給するように接続
されている複数対のポンプと、それぞれの入口が前記ポ
ンプの対の異なる一つから溶離液を受け入れるように接
続できる複数の入口を有し、混合された溶離液を排出す
るための混合出口を有する混合装置とを備え、前記シス
テムポンプ制御手段が、さらに溶離液の流量の割合によ
り決定される比率で前記異なる溶離液を有する混合物を
生成するように、選択された個々の流量の割合で、前記
ポンプ対のそれぞれの前記共通の出口で溶離液の流量が
得られるように、前記ポンプ対を制御するようになって
いる。また、前記ピストンチャンバーと前記ピストンと
が、圧送流量が約0.1μl/分と約1200μl/分
との間になる寸法に合わせて作られ、前記モータが前記
圧送流量に十分な速度で操作するようになっている。
【0043】
【作用】前記本発明の第1の態様によれば、それぞれ異
なる溶離液を収容する複数の貯留槽のそれぞれにポンプ
を接続し、該ポンプのそれぞれの駆動をシステム制御装
置で制御することにより、混合装置にそれぞれ異なる溶
離液を送る各ポンプの流量を適切に制御する。前記のよ
うにして送液された溶離液を、前記混合装置で混合して
選択された比率の溶離液グラジエントを得る。そして、
該溶離液グラジエントを注入装置からカラムに送液する
ことにより、グラジエント・クロマトグラフィーを行
う。
【0044】前記ポンプ装置では、2基の混合装置を直
列に配列することにより、少ない容積で良好な混合が可
能になる。また、前記混合装置に備えられている攪拌子
は、セラミックスでコーティングされていることによ
り、攪拌子の耐食性が向上するとともに、コーティング
層自体も耐久性に優れたものになる。
【0045】また、本発明の第2の態様によれば、前記
複数の貯留槽のそれぞれを前記ポンプのピストンチャン
バーに接続する入口を設け、該入口に備えられた入口バ
ルブによる溶離液の流量調整をシステム制御装置で制御
することにより、前記ピストンチャンバーそのものに所
望の比率で同時に溶離液を送液し、混合装置を用いるこ
となく溶離液グラジエントが得られる。
【0046】また、本発明の第3の態様によれば、1つ
の貯留槽に1対のポンプを接続し、前記混合装置に該1
対のポンプから交互に送液することにより、脈流がなく
なるので、微小流量クロマトグラフィーに好適な送液が
行われる。
【0047】
【実施例】次に、添付の図面を参照しながら本発明のク
ロマトグラフィー用ポンプ装置についてさらに詳しく説
明する。図1は本発明のクロマトグラフィー用ポンプ装
置の一構成例を示すブロック図、図2及び図3は本発明
のクロマトグラフィー用ポンプ装置に用いるポンプの説
明的断面図及び要部斜視図、図4は図2示のポンプの行
程と圧力との関係を示すグラフ、図5は本発明のクロマ
トグラフィー用ポンプ装置に用いる混合装置の説明的断
面図、図6は図5示の混合装置のVI−VI線断面図、
図7は本発明のクロマトグラフィー用ポンプ装置の各種
運転形態を示す説明図、図8は本発明のクロマトグラフ
ィー用ポンプ装置の他の構成例を示すブロック図、図9
は本発明のクロマトグラフィー用ポンプ装置のさらに他
の構成例を示すブロック図、図10は本発明のクロマト
グラフィー用ポンプ装置の変形例を示すブロック図、図
11は図1示のポンプ装置に用いるチェックバルブの説
明的断面図である。
【0048】図1は4基の独立したポンプ100,10
2,104,106を有する本発明の好ましいポンプシ
ステムの重要部品を描写した簡単な概念図である。この
システムにとって、好ましいポンプとは図2に示される
直線駆動ポンプであり、詳細に説明がなされている。し
かし、他のポンプでもこの直線駆動ポンプの代わりに用
いることができる。従って、複雑になることを避けるた
めに、図1に関しては殆どのピストンまたは注射器型ポ
ンプに共通な要素についてのみ説明を加える。
【0049】ポンプ100,102,104,106に
は、それぞれモータ110,112,114,116
と、ピストン部材111,113,115,117とが
ついている。各モータ110,112,114,116
はそれぞれ電気的にエンコーダ120,122,12
4,126と配線されていて、またこれらのエンコーダ
はパーソナルコンピュータに収納されているポンプシス
テム制御装置130に接続されている。エンコーダ12
0,122,124,126は、対応するモータ11
0,112,114,116の回転状態を感知し、その
状態を反映する回転信号をポンプシステム制御装置13
0に送り、ポンプシステム制御装置130はこの回転信
号からポンプのピストン部材の速度と位置を判断する。
本実施例においては、エンコーダ120,122,12
4,126には各モータ110,112,114,11
6に組み込まれた光学的エンコーダが採用されている。
ポンプシステム制御装置130には、標準的なデジタル
制御用マイクロプロセッサ(図示せず)を使用してい
る。ポンプシステム制御装置130の運転に関してはあ
とで更に詳細に説明する。
【0050】モータ制御器132は、ポンプシステム制
御装置130に接続されていて、それからモータ制御信
号を受取り、それを次にモータ運転信号に変換する。モ
ータ制御器132は、このモータ運転信号を各モータ1
10,112,114,116に送る。ピストン部材1
11,113,115,117は対応するモータ11
0,112,114,116に駆動されるように連結さ
れ、例えば図2に示すようにピストンチャンバー内で往
復運動するように配置されているピストンまたはプラン
ジャーから成っている。
【0051】各ピストン部材111,113,115,
117は対応する入口バルブ140,142,144,
146を介して対応する貯留槽141,143,14
5,147の一つから溶離液を吸引する。各貯留槽14
1,143,145,147には所望により、同じ溶離
液かあるいは異なる溶離液が収容されている。入口バル
ブ140,142,144,146はピストン部材11
1,113,115,117により誘起された吸引力が
予め設定されたレベルに達すると開栓し、貯留槽14
1,143,145,147から溶離液を導入するチェ
ックバルブで構成されている。また、別法として、入口
バルブ140,142,144,146は通常の電気的
に駆動するON/OFFバルブやシリコンウエハ・マイ
クロマシンバルブ等の能動的制御バルブを使用すること
も可能で、ポンプシステム制御装置130に接続して運
転する。
【0052】ピストン部材111,113,115,1
17のピストンチャンバーにはさらに出口バルブ15
0,152,154,156があり、貯留槽141,1
43,145,147から導入された溶離液がそれらの
出口バルブ150,152,154,156を介して対
応する配管インターフェース151,153,155,
157に射出される。出口バルブ150,152,15
4,156は対応するピストン部材111,113,1
15,117により誘起された圧力が予め設定されたレ
ベルに達するとピストンチャンバーから溶離液を流出さ
せるチェックバルブで構成されている。別法として、出
口バルブ150,152,154,156は入口バルブ
140,142,144,146の場合のような能動的
制御バルブを使用することもできる。
【0053】配管インターフェース151,153,1
55,157は、対応するポンプ100,102,10
4,106からそれぞれの入口(図示せず)を持つ混合
装置170に溶離液を供給するように連結してある。混
合装置170は、図5や図6に示されているような動的
ミキサーでもよいし、または、所望によっては固定床
(packed bed)のような静的ミキサーでもよい。
【0054】混合装置170に備えられた出口は、混合
された溶離液を注入装置172に送るように連結されて
いる。注入装置172は混合された溶離液を分析機器1
74に輸送できるものであればどのようなものであって
もよい。本実施例では、分析機器74は、溶融シリカミ
クロボア充填カラム、ホウロウステンレスミクロボア充
填カラム、通常の1mm,2mm,4.6mm,1c
m,2cm,5cm,10cmのステンレス充填カラム
等のどれでもよい。レオダインインジェクタ等の通常の
バルブインジェタ等を注入装置172として使用しても
よい。しかし、分析機器174は、必ずしもHPLCカ
ラムでなくともよく、溶離液グラジエントを流す必要の
ある他のどのような分離装置や分析機器であってもよ
い。
【0055】必ずしも必須ではないが、非常に好ましい
やり方は、ポンプに起因する配管インターフェース15
1,153,155,157中での脈流を抑制するため
に、脈流抑制装置160,162,164,166を混
合装置170の上流に配置することである。適切な脈流
抑制装置160,162,164,166は、例えば、
ハーディ・アンド・ハーマン・チューブ・カンパニー社
の製品のように周知であり、市販されている。脈流抑制
装置160,162,164,166は、ポンプシステ
ム制御装置130によって制御されるようにそれぞれ配
線されている(わかりやすくするために、脈流抑制装置
160についてのみ配線を示し、他の脈流抑制装置16
2,164,166は配線を示していない)。
【0056】必須ではないが、好ましくは、混合装置1
70の上流の配管インターフェース151,153,1
55,157中の圧力を感知できるように、圧力計16
1,163,165,167がそれぞれ配置される。適
切な圧力計としては、例えば、カリフォルニア州シミ・
バレーのセンソ・メトリクス・インコーポレーテッド社
製のModel−SP70−E等の市販品がある。圧力
計161,163,165,167はそれぞれの圧力信
号をポンプシステム制御装置130に送信できるように
配線されている(わかりやすくするために、圧力計16
1についてのみ配線を示したが、他の圧力計163,1
65,167も同様に配線される)。微小流量のHPL
Cの場合、本発明の好ましい構成は、高精度モータ、直
径0.0625インチのピストンを持つポンプ、脈流抑
制装置、圧力計、微小容量(例えば30μl以下)の動
的高圧混合装置、微小容量のループ式注入装置、内径1
mm以下のミクロボアカラムからなっている。
【0057】本発明には、さらに、分析機器174から
の排出液178中の化学成分を検出するための検出装置
180を機能的に配置したポンプ装置が含まれる。検出
装置180は、排出液178と直接接触して化学成分を
検出する検出器、直接接触を必要としない分光分析的検
出器、質量分析器等、またはこれらのどのような組み合
わせでもよい。図1示のように、検出装置180は記録
装置190で得た化学成分を示すデータ信号をデータ収
集装置182を介してポンプシステム制御装置130に
送るように接続されていてもよい。捕集装置184は排
出液178を捕集するように分析機器174に接続され
ることが望ましい。捕集装置184は排出液178を一
括して捕集するか、周知の分取された留分を捕集する装
置により排出液178中にいろいろな量で含まれている
それぞれの化学成分を単離するような機器を選択しても
よい。
【0058】検出装置180は、別法として、全部また
は特定の部分のデータ信号を独立したコンピュータによ
るデータプロセッシング装置に送信するように接続して
もよい。さらに、オプションとして、検出装置180に
記録装置190を接続し、全部または特定の部分のデー
タ信号を記録することもできる。記録装置190には記
録されたデータ信号を表示するディスプレイ(図示せ
ず)を含んでもよい。
【0059】既に述べたように、ポンプシステム制御装
置130は動作制御用マイクロプロセッサを含んでい
る。この動作制御プロセッサは周知のリアルタイム・ク
ローズドループ・フィードバック動作制御原理に従っ
て、動作制御信号をモータ制御装置132に送る。各ポ
ンプ100,102,104,106の流量の割合は、
ポンプシステム制御装置130から受けた信号に従って
動作制御マイクロプロセッサが制御するピストン運動速
度で決まる。モータ制御装置132には、パルス幅変調
ICチップが含まれていて、モータ制御信号をモータ作
動信号に変換し、モータ作動信号を各モータ110,1
12,114,116に供給する。
【0060】動作制御フィードバックシステム(エンコ
ーダを含む)には、1回転当たり500ステップ以上の
分解能があることが望ましい。このポンプ装置のポンプ
100,102,104,106が、図2示の直線駆動
ポンプである場合、ピストン部材111,113,11
5,117の排出量当たりのステップ数は3000から
10000が好ましい。前記ステップ数の範囲では、微
小流量HPLC用の直径0.0625インチのピストン
の最小排出量を1ステップ当たり8nl(ナノリット
ル)から2.5nlにすることができる。
【0061】図1示のように、本発明では、混合溶離液
またはグラジエントの比率の構成は混合装置170にそ
れぞれ異なる溶離液を送るポンプ100,102,10
4,106の流量の比率を適切に選択することにより行
われる。例えば、10%の溶離液Aと90%の溶離液B
とからなる混合溶離液の供給流量がxml/分必要とさ
れる場合、溶離液Aを送るポンプ100は流量0.1x
ml/分で、溶離液Bを送るポンプ102は流量0.9
xml/分で運転される。
【0062】ポンプシステム制御装置130は、一定の
供給流量のために、それぞれの供給時間を変更すること
により、ポンプ100,102,104,106のそれ
ぞれの流量の割合を制御するようように形成されている
ので、グラジエントの供給流量を生み出すことが可能に
なる(本明細書では、「供給流量」とは、混合装置17
0を出る混合溶離液の流量として定義される)。ポンプ
システム制御装置130は、各ポンプ100,102,
104,106の流量の割合を適切に変えることにより
供給流量を増加または減少させる機能を持つように形成
されることが好ましい。ポンプシステム制御装置130
は、異なる溶離液の流量の割合を固定された流量比で供
給するか、または異なる溶離液を同時にポンプの比例割
合を時間で変えて供給することにより、供給流量を変え
ることができるようにされていることが好ましい。
【0063】別法として、図1示の構成から混合装置1
70を除き、溶離液の混合を複数のマイクロバルブによ
る調節で行い、ピストンチャンバーそのものに所望の比
率で溶離液を同時に送り込むこともできる。この方法で
は、図1示の方法の4つのポンプ100,102,10
4,106を一つのポンプに置き換えることができる。
図8に示すように、単一のポンプ100にはモータ11
0とピストン部材111が備わっている。ポンプ100
は4つの別々の貯留槽702,704,706,708
からそれぞれ対応するマイクロバルブ712,714,
716,718を介してピストンチャンバー710に溶
離液を吸入するように接続されている。図8示のよう
に、マイクロバルブ712,714,716,718は
ピストンチャンバー710の共通の入口720に溶離液
を流入させるようになっている。別法として、ピストン
チャンバー710に貯留槽702,704,706,7
08とそれぞれ連結した4つの独立したマイクロバルブ
制御入口(図示せず)を設けてもよい。
【0064】いずれの場合でもマイクロバルブ712,
714,716,718は、溶離液の流量の割合を計測
制御する制御信号を受け取れるように、ポンプシステム
制御装置730と接続されている。それぞれのマイクロ
バルブ712,714,716,718は、シリコンチ
ップマイクロバルブであり、直接電気的信号を受けて作
動するON/OFFバルブ、ピストンのような電子機械
装置、あるいは自動車用燃料噴射注入装置(ハネーウェ
ル社が開発した)に採用されているシリコンチップバル
ブ等の技術で知られている電熱装置などが使用できる。
どのようなバルブ作動機構を使用した場合でも、図1ま
たは図8に示されている発明においては、マイクロバル
ブ712,714,716,718を作動させる制御信
号はポンプシステム制御装置130,730からそれぞ
れに送られてくる。
【0065】別法として、これらのシリコンチップマイ
クロバルブは、可変有効開口部を持ち、従って対応する
可変輸送流量を決定できるようにされたものでもよい。
図8示の発明に適した寸法のシリコンチップマイクロバ
ルブは、ソルトレーク・シティーのユタ大学のヘデコ・
マイクロエンジニアリング研究所から購入することがで
きる。
【0066】図8示の発明では、使用者各自の選択する
輸送流量に応じて、おのおのの溶離液をピストンチャン
バー710に同時に注入するために、ポンプシステム制
御装置730は、マイクロバルブ712,714,71
6,718をどのような組み合わせでも制御できるよう
にされている。こうして、ピストンチャンバー710の
内部で溶離液の混合が行われ、続いて混合された溶離液
が出口バルブ740を経て、基本的には図1に示して解
説したように、分析機器174に輸送される。出口バル
ブ740はチェックバルブでもよく、また図2のポンプ
について示されるように制御バルブでもよい。ポンプシ
ステム制御装置730は、また、出口バルブ740での
供給流量と、マイクロバルブ712,714,716,
718でのおのおのの吸入流量とを、共に時間を変える
方法により制御するようにされている。
【0067】現時点では、図1の発明の方が図8の発明
より好ましい。その理由は、市販のシリコンチップマイ
クロバルブは、本発明の機器に使用される20ml/分
以下の流量範囲で高圧で運転するには概して十分な機械
的強度に欠けるからである。しかしながら、現在シリコ
ンチップマイクロバルブを数多く調査中であり、本発明
に有用な寸法を持ち、十分な信頼性と精度を有するシリ
コンチップマイクロバルブが、将来は購入可能になると
信じられている。
【0068】図2示の直線駆動ポンプの設計では、両方
向のピストンの制御が行われている。従って、図1示の
ポンプ100,102,104,106や図8示のポン
プ100が、直線駆動ポンプである場合、ポンプシステ
ム制御装置130,730は、吸引行程が射出行程に比
べて極端に短くなるように、対応するモータ110,1
12,114,116を制御するようにされていれば、
さらに好ましい(吸引行程とは、図2において、ピスト
ンの溶離液側端部228Bの左方向運動を指し、射出行
程とは溶離液側端部228Bの右方向運動をいう)。
【0069】不可欠ではないが、好ましいのは、ポンプ
システム制御装置130,730は射出行程の初期にお
いて、加圧するように働くことである。加圧するように
働くときには、下流にあるHPLCカラムの入口圧と同
等かそれ以上の特定の圧力が得られるように、ピストン
チャンバー内の溶離液が急激に圧縮される。前記加圧す
るような働きは、約50ミリ秒以下であることが好まし
い。吸引行程及び加圧するように働く時間を短くするよ
うに製作されたポンプと、さらにポンプのすぐ下流に位
置する脈流防止装置があれば、そのポンプ装置は原則的
に脈流のない溶離液の移送を行うことができる。
【0070】ポンプシステム制御装置130,730
は、再吸引速度を最適化すると共に、気泡の発生を抑制
するように製作することができる。後者は、従来のカム
方式のレシプロポンプやシリンジポンプ装置において頻
発する問題である。本発明のポンプの好ましい態様で
は、ピストンチャンバーの入口に接続した貯留槽に1乃
至10psi程度の圧力をかける手段により、気泡の発
生を低減している。このような加圧手段は、気圧または
油圧によるか、あるいは予め加圧した貯留槽から溶離液
を供給することによって可能となる。
【0071】ポンプシステム制御装置130は、選択さ
れた初期のシステム圧力及び流量の割合を再現するよう
にプログラムすることができる。グラジエント溶離プロ
トコルの初期溶離液組成に必要なカラム圧力は、各プロ
トコルが完結すると自動的にリセットすることができ
る。別法として、プロトコルをCPUに落とすことによ
り、システムは初期の溶離液組成になるように急速に加
圧される。システムは、次いで、注入時までに圧力平衡
に達することができ、プロトコルを始めることになる。
この急激な加圧段階により、初期の溶離液組成の再現に
要する時間を低減し、ポンプチャンネル圧が同等でない
場合(溶離液の粘度が異なる場合に起こる)のチャンネ
ル間の溶離液の混合(cross talk)を防ぐことができ
る。自動化されたプロトコルにおいては、上述の加圧段
階は、プロトコルがCPUにロードされるたびに、毎回
自動的に行われる。
【0072】次に、図2について説明する。
【0073】直線駆動ポンプは、ピストンチャンバー2
40内のピストン228を往復運動させるように、ピス
トン228と一直線に接続したモータ軸(図示せず)を
有する。ピストンチャンバー240には、図1示の貯留
槽141,143,145,147から溶離液を吸入す
るために接続できる入口バルブ装置260と、加圧され
た溶離液を供給できる出口バルブ装置262とが備えら
れている。ピストン228は、耐久性があり、耐薬品性
の高い材料で形成されることが望ましく、本実施例では
酸化ジルコニウムの焼結体で形成されている。
【0074】モータ200は、モータブラケット202
に搭載してあり、積分光学エンコーダ201を備えてい
る。モータ200は、高トルク感度直流ブラシレスサー
ボモータであり、ピークトルクが200オンス−インチ
以上のものが望ましい。しかし、ブラシ式サーボモータ
やステッピングモータでも構わない。
【0075】高精度ボールスクリュー206は、セット
ボルト209A,209Bによりフレックスカプラー2
08を介してモータ軸に連結される。ボールスクリュー
206のシャンク206Aはモータブラケット202に
固定したベアリングブラケット214に搭載されたボー
ルベアリング212を貫通し、またそれに保持されてい
る。ボールスクリューナット206Bは、ボールスクリ
ュー206に噛合されており、ピストン装着台座220
(概略的に示す)に螺着されている。
【0076】ピストン装着台座220には、ボールスク
リューナット206Bに連結したカップリングブラケッ
ト222とカップリングブラケット222に螺着された
ピストン保持ブラケット224が備えられている。ピス
トン保持ブラケット224は、カップリングブラケット
222からピストンチャンバー240に向うピストン運
動の直線軸226に沿って水平に移動するとともに、カ
ップリングブラケット222と接触していない中央部分
224Aを備えている。ピストン保持ブラケット224
には、図3(A)に関しての記述の中にあるようにピス
トン228を取り付ける取付部材がある。ピストン装着
台座220は、モータ軸の運動に正確に連動してピスト
ンチャンバー装着ブラケット252の内部で往復運動す
る。ピストン228を動的にモータ軸に連結するモータ
連結部材は、フレックスカプラー208、ボールスクリ
ュー206及びピストン装着台座220から構成され
る。
【0077】本実施例では、ピストン保持ブラケット2
24にある取付部材とは、図3(A)示の中央部224
Aの鍵穴230を指す。図3示のピストン228の駆動
側端部228Aのカラー部分232の寸法は駆動側端部
228Aが鍵穴230の大口径部分230Aを通れるよ
うに形成されているが、小口径部分230Bに位置した
場合、駆動端部228Aはカラー部分232で小口径部
分230Bに係止される。後者の配置を取った場合、ピ
ストン228の駆動側端部228Aは、鍵穴230の内
部、ピストン保持ブラケット224とカップリングブラ
ケット222との間で摺動するようにされる。
【0078】この方法により、ピストン228はピスト
ン装着台座220の内部に固定されることがなく、従っ
てピストンチャンバーハウジング250に取着されたピ
ストンチャンバー240に対して自動的に位置が定まる
(self-alignment)ので故障が起きにくくなる。
【0079】ピストン228の駆動側端部228Aは、
また凸状端部233を持つように形成されることが好ま
しい。モータ軸がボールスクリュー206とカップリン
グブラケット222とを図2の右方向に向けて駆動する
際、カップリングブラケット222の前方端面222A
はピストン228の駆動側端部228Aに接触し、続い
てピストン228をピストンチャンバー240に押し込
む。カップリングブラケット222の前方端面222A
は、ピストン228の駆動側端部228Aに当接する部
分に鋼鉄のような固く耐久性のある材質の挿入部材22
2Bを装着していることが好ましい。駆動側端部228
Aの凸状端部233は、ピストン228がピストンチャ
ンバー240内で自動的に位置が定まる(self-alignme
nt)ために有効である。
【0080】カップリングブラケット222には、直列
ボールベアリング242を持つ下部分223があり、逆
回転のときのピストン装着台座220の移動ガイドの役
目を果たす。鋼鉄製ロッド244は直列ボールベアリン
グ242を介して装着され、モータブラケット202に
ナット246で固定されている。鋼鉄製ロッド244
は、さらにピストンチャンバー装着ブラケット252に
も固定されている。
【0081】ピストンチャンバー240は、支持スペー
サ251に固定されているピストンチャンバーハウジン
グ250の内部に形成されていて、支持スペーサ251
はさらにピストンチャンバー装着ブラケット252に装
着されている。ピストンチャンバー装着ブラケット25
2とベアリングブラケット214とモータブラケット2
02とで、ポンプの作動部品を保持するポンプ枠組みを
構成している。最も望ましい例では、ピストンチャンバ
ーハウジング250は、ピストンチャンバー装着ブラケ
ット252に、例えば支持スペーサ251に付いている
蝶ねじ253A,253B等によって着脱自在に装着さ
れている。
【0082】高強度フロロカーボンポリマーのケル−エ
フ(Kel-F )やテフゼル(Tefzel)等の半弾性材料で形
成されたガイドブッシュ255がピストンチャンバー2
40の開口部に配置されている方がよい。ピストン22
8の溶離液側端部228Bは、ガイドブッシュ255及
び耐圧シール256を通って、ピストンチャンバー24
0に挿入される。耐圧シール256は、ピストンチャン
バー240内の圧を保つためであり、カリフォルニア州
タスティン(Tustin)のバル・シール・エンジニアリン
グ・カンパニー社製のバネ式シール等が使用される。
【0083】ピストン228の軸226に沿った前後運
動により、接続されている貯留槽からピストンチャンバ
ー240内に溶離液を吸引したり、ピストンチャンバー
240から出口バルブ装置262を通じて排出したりす
る動作を交互に行う。入口バルブ装置260には、バネ
式入口チェックバルブ261が備えられている。ピスト
ン228がモータ軸の回転により前方に駆動されると、
ピストンチャンバー240内の溶離液はバネ式出口チェ
ックバルブ263を通って、図1示のように混合装置1
70等を経て分析機器174に連結している配管に供給
される。入口バルブ装置260や出口バルブ装置262
に有用なバルブ類は周知であり、市販されている。
【0084】流量約30μl/分以下で溶離液を移送す
るためのバネ式チェックバルブは、流入側では22ps
i、流出側では100psi程度で作動するものが望ま
しい。HPLC用に約50μl/分以下の流量の割合で
再現性よく溶離液を移送するためには、モータは数RP
M程度の回転数でも回転速度を高い信頼性で制御できな
くてはならない。1〜20ml/分の流量の割合で、5
0ミリ秒という短い吸引行程時間を実現するためには、
モータは最低でも約4000RPMの回転速度が可能で
なければならない。
【0085】図2示の好ましい実施例では、ピストンチ
ャンバーハウジング250とピストン228とは、それ
ぞれ、ピストンチャンバー装着ブラケット252とピス
トンチャンバーハウジング250とから容易に取り外し
できる。従って、一つのピストンの構成要素が類似の構
成でありながら異なった寸法のピストンチャンバーまた
はピストンの溶離液側端部を持った別の構成要素と容易
に交換できるようになっている。ピストンの構成要素
は、いろいろな寸法で作られていて、複数の異なる流量
範囲が達成できる。例えば、直径0.0625インチの
ポンプヘッド及びピストンは、0.0001〜1.25
ml/分の流量範囲、直径0.125インチのポンプヘ
ッド及びピストンは、0.01〜5.0ml/分の流量
範囲、直径0.25インチのポンプヘッド及びピストン
は、0.1〜20ml/分の流量範囲というようにであ
る。上述の各例に対応するピストンチャンバー240の
内容積はそれぞれ25,100,400μlである。
【0086】図2示のポンプにおいて、再吸引行程、最
適の予備加圧行程、射出行程のサイクル間にピストンチ
ャンバー240で測定した溶離液の液圧を図4に示す。
ピストンチャンバー240内部の液圧は、0.1秒間の
吸引行程300の終わりでは初期値の約20〜40%に
下降している。吸引行程300に続く急速な予備加圧行
程302(例えば30ミリ秒)によって、ピストンチャ
ンバー240内の液圧は射出行程304における運転圧
を約2〜10%超える程度まで上昇する。予備加圧行程
302の終わりにおける最初のオーバーシュート306
は射出行程304中に運転圧(一定値)まで急速に低下
する。
【0087】再吸引サイクルの全パルス幅(吸引行程3
00の開始点301から射出行程304の開始点308
まで)は、0.1から0.15秒で図1に示したような
下流に直結された脈流抑制装置160,162,16
4,166により容易に抑制できる程度の高周波パルス
である。
【0088】図5及び図6には、図1示の混合装置17
0として使用できる動的高圧混合装置が示されている。
図5示のように、モータ400にはモータ軸401に取
着した棒状磁石402が装着されている。モータ400
は約100RPM以上の一定の回転速度を持つものであ
れば、直流モータ、交流モータのいずれでもよい。内蔵
混合チャンバー406を持つように形成されたハウジン
グ404は、台座408に物理的に取り付けられてい
る。混合チャンバー406には、それぞれ異なる加圧溶
離液を導入するように、別々のポンプに接続される少な
くとも2つの入口410,410がある。単一の出口4
14からなる出口装置は、加圧混合溶離液を混合装置か
ら分析機器に輸送するためにある。出口414にはワッ
シャー422の中心部の内部に埋め込まれている出口フ
ィルター420が備えられている。
【0089】モータ軸401の回転に従い、棒状磁石4
02は混合チャンバー406内部に位置するマグネティ
ック攪拌子416の回転を誘導する。攪拌子416は、
攪拌効率を上げ、混合チャンバー容積を小さくするうよ
うにいろいろな形状と大きさに形成することができる。
【0090】3種の混合チャンバー406をVI−VI
線で切断した同一部分断面を図6に示す。3種の混合チ
ャンバー406で異なる点は、斜線部分で示す溶離液を
導入する入口410の数である。攪拌子500,50
2,504は、異なる形状で示されているが、溶離液を
導入している入口410の数でわかるように、それぞれ
2種、3種、4種の溶離液を混合するのに有利なように
なっている。混合チャンバー406中の液量を効果的に
変えられるように、攪拌子500,502,504の寸
法を変えることもできる。
【0091】図1示のポンプ装置で可能な運転形態を図
7に示す。
【0092】単基ポンプ装置600は、微小HPLC、
分析用HPLC、試料調製用HPLC用のアイソクラテ
ィックポンプとして、それぞれピストン及びポンプヘッ
ドの直径が、0.0625,0.125,0.25イン
チのものを使用すればよい。この単一のポンプを備える
装置に補助ポンプを装着することにより、2基ポンプ装
置にすることができる。適切に構成されたポンプシステ
ム制御装置を使えば、この2基ポンプ装置は、バイナリ
ー・ポンプとしてグラジエント・モード604と、アイ
ソクラティック・ポンプとしてアイソクラティック・モ
ード602の両方で使用することができる。
【0093】3基ポンプ装置は、2基ポンプ装置にさら
にもう1基のポンプを加えることにより容易に得られ
る。3基ポンプ装置は、ターナリー・グラジエント・モ
ード606、3基アイソクラティックポンプ608、あ
るいはアイソクラティック・モードとバイナリー・グラ
ジエント・モードの組み合わせ610として運転するこ
とができる。
【0094】図1示の実施例のように、4番目のポンプ
を加えれば、結果として得られる4基ポンプ装置は、図
7示の5種類のどのモードでも運転することができる。
即ち、アイソクラティック・モード612では、4基ポ
ンプ装置は、4台のアイソクラティック・ポンプと同じ
働きをし、同一または異なる溶離液を移送することがで
きる。2台、3台または4台のポンプを組み合わせて使
うことにより、バイナリー・グラジエント・モード61
4、ターナリー・グラジエント・モード616やクォー
タリー・グラジエント・モード618で運転することが
できる。
【0095】2台の二重チャンネルポンプと動的混合装
置との組み合わせで、脈流のないバイナリー・グラジエ
ント・モード604が可能になる。予備として、もう1
台混合装置をつけて、2組のバイナリー・グラジエント
・モード604をそれぞれ別の混合装置と組み合わせれ
ば、二重独立バイナリー・グラジエント・モード620
として機能することになる。
【0096】ポンプ装置に使用されるポンプの台数は4
台に限定されるものではないので、さらに高次元のグラ
ジエントを達成することができる。
【0097】微小流量での脈流を減少または皆無にする
ためには、図1及び図8に示すようにポンプと混合装置
との間に小容量脈流抑制装置を介在させるか、あるいは
装置を図9示のように改造して、脈流抑制装置160,
162,164,166を使用しない方法を採用すると
よい。
【0098】図9示の実施例では、ポンプ101,10
2は同一の溶離液を混合装置170の同一の入口に流入
させるように連結してあり、ポンプシステム制御装置1
30は圧力計161,163の読みに応じて混合装置1
70に溶離液を交互に送るようポンプ101,102を
制御する。つまり、ポンプ101が射出行程を完了(ピ
ストンチャンバー内における動きが頂点に到達)したと
き、加圧準備状態にあるポンプ102が射出を始める。
ポンプ102の射出行程中にポンプ101はピストンチ
ャンバーの再吸引と加圧とを行い、ポンプ102が射出
行程を完了(終点に到達)するまで準備体制を保つ。射
出中は、このポンプ101とポンプ102との交互のサ
イクルが繰り返される。同様に、ポンプ103とポンプ
104とは、1基の貯留槽142と連絡している。ポン
プ103とポンプ104とは、ポンプ101とポンプ1
02との場合に説明したように射出される溶離液が脈流
を起こさないように運転される。図9示の改良点は、4
台以上のポンプを持つ装置にも適用できることは明らか
である。
【0099】図9示のポンプ101とポンプ102とを
制御するポンプシステム制御装置130は、動作制御プ
ロセスと比例積分微分(PID)制御アルゴリズムに従
って最大の流量安定性をもたらし、流量の過大と過少と
を防ぐことが望ましい。
【0100】溶離液グラジエント溶離を行うためには、
ポンプシステム制御装置130は、例えば、初期流量5
00μl/分で、必要とされるカラム内圧まで初期の溶
離液比率を保ちつつ装置を急速に加圧する。必要なカラ
ム内圧に到達したときに、溶離液Aと溶離液Bとはそれ
ぞれの流量の割合で輸送され、目的に合った溶離液比率
と流量の割合を達成する。目的にあった流量の割合は、
初期流量よりかなり少なくてもよく、例えば、溶離液A
40μl/分と溶離液B10μl/分とからなる総流量
50μl/分で80%A:20%Bの混合溶離液を得
る。これらの値は例としてのみ挙げたものであり、これ
らに限定されるものではない。
【0101】上述の急速なカラム内加圧段階は、分析時
間を短縮するためと、5〜10μl/分以下の流量範囲
で再現性の良い結果を得るために、重要な段階である。
【0102】さらに、チェックバルブ802,804
は、ポンプ101,102,103,104と圧力計1
61,163,165,167との間、圧力計161,
163,165,167と混合装置170との間の配管
にそれぞれ装着することができる。図1示のエンコーダ
120,122,124,126のような1024系列
の光学的エンコーダを使用すれば、1μl/分以下の非
常な低流量において、良好な分解能を得ることができ
る。別法として、圧力計161をポンプヘッドのピスト
ンチャンバーに装着してもよい。この方法により、装置
の圧力の即時測定とさらに精確な制御を行うことができ
る。
【0103】グラジエント混合法は、図10示のポンプ
装置を使用することにより、一層改善される。この装置
では、第2の混合装置1002を最初の混合装置170
の下流に直列に連結している。第2の混合装置1002
を予備に持つことにより、少ない死空間と短いグラジエ
ント遅延時間という利点を損なうことなく高流量域での
混合効率を上げることができる。例えば、混合溶離液の
流量として300μl/分の流量を得ようとすれば、適
切な混合のために通常は1mlの容積のチャンバーが必
要となる。2基の混合装置170,1002を直列に配
置することにより、それぞれに僅か100μlの容積を
有する2つのチャンバーにより良好な混合が行われる。
図示されていないが、さらに必要な場合は、混合装置1
002のような副混合装置を何台も直列に連結して、さ
らに混合能力を上げることができる。別法として、約3
0μl/分以下の流量においては、主混合装置170の
出口1004は、副混合装置1002をバイパスして直
接注入装置に接続してもよい。図10示の方式は、流量
変更に多くの自由度を与えるものである。
【0104】図10示の実施例においては、副混合装置
1002に第3番目のポート1006を設けてもよい。
このポート1006は、溶離液充填用の出口として、ま
たは排出される混合溶離液を2つの流れに分割するた
め、あるいはその両方に使用することができる。この第
3番目のポート1006には、排出される混合溶離液を
必要な分割比に分割するよう調節できる流量抑制器が装
備されている方が良い。
【0105】本装置に使用される新規なチェックバルブ
を図11に示す。ハウジング900は、上半部902と
下半部904とを対応するねじ切り部分905で噛合さ
せることによって組み立てられている。溶離液は入口9
06を通ってハウジング900に入り、出口908から
排出される。きのこ形バルブ910は、O−リング91
2及びスプリング914と共にハウジング900内に配
置してある。図11(A)示の例においては、スプリン
グ914としてはベレビル(Belleville)ワッシャーの
ようなワッシャー系のスプリングあるいは弾性O−リン
グを使用している。濾過部材920もハウジング900
内に設置されていて、そのフィルター部分922はきの
こ形バルブ910の下部面924に当接している。ここ
で使用される濾過部材920は、ピーク(PEEK)ポ
リマーシールに埋め込まれた焼結フィルターである。
【0106】きのこ形バルブ910の下部面924には
微細な溝926が刻設されており、溶離液がきのこ形バ
ルブ910の外側を回り、フィルター部分922を通っ
て出口908に流出するようになっている。別法とし
て、このきのこ形バルブ910は、図11(B)に示さ
れるように、下部面924の溝926にスプリング91
4として弾性O−リング914を嵌着した軸部928を
有している。図11(A)示のチェックバルブでは、溶
離液はO−リング912、ワッシャースプリング914
及びきのこ形バルブ910を濾過部材920方向に圧迫
し、きのこ形バルブ910の下部面924に刻設された
溝926を通って出口908に流出する。出口908か
らの溶離液の逆流が起きれば、きのこ形バルブ910の
下部面924に圧力がかかり、きのこ形バルブ910が
O−リング912と共にハウジング900内の天井部分
に押し上げられるので、入口906が封鎖される。この
設計のチェックバルブは、低流量高圧下の溶離液を移送
するのに特に有用である。
【0107】きのこ形バルブ910は、耐食性金属かセ
ラミックス材料で形成されていることが好ましい。O−
リング912は、通常の不活性弾性材料で形成されてい
る。濾過部材920のポリマーシーリングディスクは、
通常のO−リングで代用してもよい。
【0108】さらに改良された混合装置には、テフロン
に替えて、セラミック材料で被覆したマグネティック攪
拌子が使用される。この被覆は、全金属製の攪拌子の腐
食を防止するために必要である。通常、このような攪拌
子はテフロンで被覆されているが、長期間使用すると、
テフロンコーティングは磨耗し、微細な粒子を発生す
る。このテフロンコーティングの磨耗による微細な粒子
は、特に微小流量で作動している装置においては、目詰
まりの問題を起こす。これに比べて、セラミックス材料
で被覆した攪拌子は、遙かに耐久性が高く、目詰まりの
原因となる微細な粒子を発生しない。酸化ジルコニウム
の焼結体がこの被覆材料として適している。マサチュー
セッツ州ノースファルマスのサップヒア(Sapphire)・
エンジニアリング・インコーポレーテッド社は、このよ
うなセラミック被覆を施した攪拌子のプロトタイプを制
作している。
【0109】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
のクロマトグラフィー用ポンプ装置は50μl/分の流
量で20%の段階的グラジエント変化量を再現性よく正
確に達成することができる。このポンプ装置はまた約1
0000psiの液圧下で、5〜100μl/分の流量
範囲において、かなり直線的に0〜100%のグラジエ
ントを供給できる。
【0110】以上の説明で明らかなように、本発明のポ
ンプ装置と直線駆動溶離液ポンプには多くの利点があ
る。ピストン、流入口チェックバルブ、脈流抑制装置、
圧力計及び連結配管を含めたこのポンプの溶離液側端部
に接する全空間が、比例制御装置と混合装置からみて上
流に位置するために、グラジエントの直線性、遅延時間
及び再生時間が溶離液側端部に接する容量の大きな空間
の影響を受けることがない。
【0111】その上、この多チャンネルポンプ装置は、
多チャンネル・アイソクラティック・ポンプ、あるいは
バイナリー、ターナリーまたはクォーターリー・グラジ
エント・ポンプとして運転することができる。少なくと
も4台の独立したポンプを持つこのポンプ装置は、1基
のパーソナルコンピュータまたは同様の装置で制御する
ことができる。交換可能なピストンの構成要素が配備さ
れた直線駆動ポンプにより、10〜10000psiの
液圧において、約0.1μl/分から約20ml/分の
範囲で一定の流量を得ることができる。従って、本発明
の多チャンネルポンプ装置は、内径が1mm以下のミク
ロボアカラム及び通常1〜4.6mmの内径の分析用カ
ラム、最低約10mmの内径の試料調製用カラムを備え
たHPLCに有用である。試料調製用には80ml/分
もの流量が4台のポンプ全部と1台のアイソクラティッ
ク・ポンプを運転することにより容易に得られる。この
試料調製能力は、現在知られている典型的なHPLC機
器の約8倍である。
【0112】優れた流量制御と流量範囲の広さに加え
て、本発明に用いられる直線駆動ポンプは非常に単純で
耐久性に富んでいる。ピストンと直線動作部とを連結す
る固定されていないハウジング及びモータカップリング
とピストンの凸部とが点接触する構成により、運転中に
ピストンが自動的に正しく配向し、磨耗や損傷を少なく
する。直線動作部の柔軟性のあるカップラーによって主
な可動部品の正しい配列が容易となり、歪みの問題が低
減される。
【0113】本実施例の多チャンネル・ポンプ装置及び
直線駆動ポンプは、主としてHPLC用として説明して
きたが、これらの応用部分はHPLCに限定されるもの
ではなく、超臨界流体クロマトグラフィー、超臨界流体
抽出、キャピラリー電気泳動の用途、または他のいかな
る技術分野であっても多チャンネル高液圧溶離液輸送ま
たは高精度と低流量、あるいはその両者が要求される場
合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクロマトグラフィー用ポンプ装置の一
構成例を示すブロック図。
【図2】本発明のクロマトグラフィー用ポンプ装置に用
いるポンプの説明的断面図。
【図3】図2示のポンプの要部斜視図及び要部説明的断
面図。
【図4】図2示のポンプの行程と圧力との関係を示すグ
ラフ。
【図5】本発明のクロマトグラフィー用ポンプ装置に用
いる混合装置の説明的断面図。
【図6】図5示の混合装置のVI−VI線断面図。
【図7】本発明のクロマトグラフィー用ポンプ装置の各
種運転形態を示す説明図。
【図8】本発明のクロマトグラフィー用ポンプ装置の他
の構成例を示すブロック図。
【図9】本発明のクロマトグラフィー用ポンプ装置のさ
らに他の構成例を示すブロック図。
【図10】本発明のクロマトグラフィー用ポンプ装置の
変形例を示すブロック図。
【図11】図1示のクロマトグラフィー用ポンプ装置に
用いるチェックバルブの説明的断面図。
【符号の説明】
100,102,104,106…ポンプ、 130…
システム制御装置、141,143,145,147…
貯留槽、170…混合装置、 172…注入装置、 1
74…カラム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04B 23/06 2125−3H 49/06 321

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれに複数の異なる溶離液の1種を収
    容する複数の貯留槽と、 対応する別々の前記貯留槽の一つにそれぞれ接続される
    複数のポンプと、 別々の前記ポンプの一つから溶離液を受け入れるように
    接続可能な各別に設けられた複数の入口と、混合された
    溶離液を排出するための出口とを備える少なくとも一つ
    の混合装置と、 前記混合された溶離液を前記出口からカラムに移送する
    ように操作可能に接続された少なくとも一つの注入装置
    と、 前記ポンプの圧送流量を個々に制御するために前記ポン
    プのそれぞれに接続されていて、対応する前記ポンプの
    圧送流量の割合によって決定される比率で前記異なる溶
    離液を含む溶離液混合物を生成するように、選択された
    個々の流量で圧送するように前記ポンプを制御するシス
    テム制御装置と、 からなることを特徴とするクロマトグラフィー用ポンプ
    装置。
  2. 【請求項2】前記入口のそれぞれに接続された一対の前
    記ポンプを有し、前記一対のポンプのそれぞれが前記貯
    留槽の一つに接続されていて、前記システム制御装置が
    前記両ポンプから前記溶離液を交互に供給するように構
    成されていることを特徴とする請求項1記載のポンプ装
    置。
  3. 【請求項3】前記混合装置及び前記注入装置が、流量割
    合を50μl/分以下にするために遅延時間が5分以下
    となるように構成されていることを特徴とする請求項2
    記載のポンプ装置。
  4. 【請求項4】前記ポンプのそれぞれが、直接駆動ポンプ
    からなり、 第1及び第2の端部を有する中央ハウジングと、 前記第2の端部で中央ハウジングに機械的に取り付けら
    れ、片側に開口部を有し、入口と出口とを有する拡張さ
    れたチャンバーを包み込むチャンバーハウジングと、 駆動側端部と溶離液側端部とを有し、溶離液側端部が前
    記チャンバー内に開口部を介して摺動自在に収納された
    ピストンと、 中央ハウジングの前記第1の端部に装着され、直線軸回
    りに回転するモータ軸を有する双方向モータと、 前記モータ軸と前記ピストンとが実質的に前記直線軸に
    沿って同軸上に配置されており、前記ピストンの駆動側
    端部を直接駆動するように接続するために前記中央ハウ
    ジング内に装着されたモータ接続手段と、 からなる請求項1記載のポンプ装置
  5. 【請求項5】前記モータ接続手段が、前記軸の回りを前
    記モータ軸に同調して回転するために機械的にモータ軸
    に取着された第1の端部と外側にねじが切られた第2の
    端部とを有する基端部と、 前記ピストンの前記駆動側端部に接続されていて、前記
    軸により限定される方向に沿って摺動自在に運動するた
    めに、前記ピストンを装着する前記中央ハウジングに操
    作可能に装着された装着手段を含む末端部とからなり、 前記装着手段は内側にねじが切られた空洞を有し、該空
    洞は操作可能に配置され、前記基端部の前記ねじが切ら
    れた第2の端部との段階的、可逆的な接続及び回転がで
    きるように合わせて作られていることを特徴とする請求
    項4記載のポンプ装置。
  6. 【請求項6】前記モータ接続手段が、さらに、前記ピス
    トンを該モータ接続手段に接続するフローチング接続手
    段を含み、 前記フローチング接続手段が該モータ接続手段の末端部
    を形成する可動ブラケットからなり、前記ピストンの前
    記駆動側端部を取着するピストン取着手段を備えること
    を特徴とする請求項5記載のポンプ装置。
  7. 【請求項7】前記チャンバー及び前記ピストンが約0.
    1μl/分乃至約1200μl/分の圧送流量の割合を
    もたらす寸法に合わせて作られていて、前記双方向モー
    タが前記流量のために十分な速さで操作できるように構
    成されていることを特徴とする請求項4記載のポンプ装
    置。
  8. 【請求項8】前記ポンプが、それぞれ、少なくとも約1
    0000psiまでの圧力下で前記溶離液を圧送するよ
    うに前記ピストンを駆動するために十分な速さで操作で
    きるように構成されていることを特徴とする請求項4記
    載のポンプ装置。
  9. 【請求項9】さらに、前記混合装置に接続された一つの
    入口と、前記注入装置に接続された一つの出口とを有す
    る第2の混合装置を含むことを特徴とする請求項1記載
    のポンプ装置。
  10. 【請求項10】前記第2の混合装置が、流量制限バルブ
    を有するポートを含み、該ポートが第2の注入装置また
    は第2のカラムに接続できるようになっていて、前記注
    入装置と該第2の注入装置との間で前記混合溶離液を分
    割できるようになっていることを特徴とする請求項9記
    載のポンプ装置。
  11. 【請求項11】さらに、前記ポンプと前記混合装置との
    間の溶離液の圧力を測定するために配置された圧力計を
    含むことを特徴とする請求項1記載のポンプ装置。
  12. 【請求項12】対応する複数の液体貯留槽の一つからそ
    れぞれの溶離液を圧送するようにそれぞれに接続されて
    いる複数のポンプを設け、 複数の入口を有し、それぞれの入口がそれぞれ該ポンプ
    の一つから溶離液を受入れるように接続されていて、混
    合された溶離液を排出する単一の出口を含む混合装置を
    設け、 個々の流量で圧送するように同時かつ個別に前記ポンプ
    のそれぞれを制御する制御手段を設け、 混合装置の出口での選択された総供給流量の割合を与え
    るように、個々に選択された流量の割合で混合装置に溶
    離液を圧送するように選択された個々のポンプを制御す
    ることからなることを特徴とするクロマトグラフィー用
    グラジエント比例分配方法。
  13. 【請求項13】チャンバー内に機能的に配置されたピス
    トンと、該ピストンを駆動するように接続されたモータ
    とを有するポンプを設け、 それぞれ個々の貯留槽から溶離液を受け入れるように接
    続され、それを通じて溶離液の流量の割合を変えるよう
    に個別に操作できるようになっている入口バルブをそれ
    ぞれに有する複数の入口を備えるチャンバーを設け、 組み合わされた溶離液を排出する出口を備えるチャンバ
    ーを設け、 ピストンを吸引行程に駆動するように前記モータを操作
    し、 同時に、その接続されている貯留槽からそれぞれに選択
    された流量の割合の溶離液を受け入れるように、それぞ
    れの入口のそれぞれの入口バルブを操作し、 ピストンを射出行程に駆動するように前記モータを操作
    し、 組み合わされた溶離液がチャンバーから射出されるよう
    に前記出口を開くことからなることを特徴とするクロマ
    トグラフィー用グラジエント比例分配方法。
  14. 【請求項14】前記入口バルブは、シリコン・チップ・
    バルブが選択されることを特徴とする請求項13記載の
    ポンプ装置。
  15. 【請求項15】前記ポンプを設けるときに、前記ポンプ
    が、モータが軸の回りに回転するモータ軸を備える双方
    向モータである直接駆動ポンプが選択され、さらに該ポ
    ンプが往復運動にピストンを駆動するようにモータ軸を
    連結するために、ピストンとモータ軸との間に接続され
    たモータ接続手段を有し、該モータ接続手段はピストン
    を回転軸に沿ってモータ軸と実質的に同一直線上に一直
    線になるように保持するように配置されていることを特
    徴とする請求項13記載のポンプ装置。
  16. 【請求項16】それぞれが選択された溶離液を収容する
    複数の貯留槽を設け、 それぞれが圧送されるべき溶離液を吸入するポンプ導入
    手段と、圧力下に溶離液を圧送するポンプ導出手段とを
    有する複数のポンプを設け、 対応する個々の前記貯留槽の一つから溶離液を吸引する
    ように前記ポンプのそれぞれを接続する貯留槽接続手段
    を設け、 複数の入口と、混合された溶離液を排出する排出手段と
    を有する少なくとも一つの混合装置を設け、 それぞれの前記ポンプを前記混合装置に接続するポンプ
    接続手段を設け、 対応する別々の入口に少なくとも2つのポンプを接続
    し、 外部分析装置に混合された溶離液を供給するように前記
    混合装置の排出手段を接続することからなることを特徴
    とするクロマトグラフィー用ポンプ装置の製造方法。
  17. 【請求項17】前記混合装置及び排出手段を設けるとき
    に、該混合装置及び排出手段が約10分を超えないグラ
    ジエント遅延時間が得られる流量の割合を考慮した寸法
    に合わせて作られていることを特徴とする請求項16記
    載の方法。
  18. 【請求項18】前記ポンプを設けるときに、前記ポンプ
    がチャンバー内に操作可能に配置されたピストンと、軸
    の回りに回転するモータ軸を有する双方向モータと、モ
    ータ軸の回転をピストンの直線的往復運動に転換するた
    めにピストンとモータ軸との間に接続されたモータ接続
    手段とを備える直接駆動ポンプが選択され、該モータ軸
    とピストンとが回転軸に沿って実質的に同一直線上に配
    置されていることを特徴とする請求項16記載の方法。
  19. 【請求項19】それぞれ異なる溶離液の一種を収容する
    複数の貯留槽と、 モータ及び回転するモータ軸と、片側に設けた開口部と
    出口とそれぞれが別々の貯留槽の一つから溶離液を受け
    入れるように接続されている複数の入口とを有し、前記
    入口のそれぞれが、それを通る対応する溶離液の流量の
    割合を操作的に制御するために、該入口に配置されてい
    るバルブ手段を有するピストンチャンバーを収容するチ
    ャンバーハウジングと、駆動側端部とポンプ側端部とを
    有し、該ポンプ側端部は前記開口部を通じて前記ピスト
    ンチャンバー内に摺動可能に収容されるピストンとを備
    えるポンプと、 異なる前記貯留槽から同時に前記ピストンチャンバーに
    溶離液を供給するように、前記入口バルブを協働して制
    御するために前記入口バルブに接続されていて、選択さ
    れた異なる前記溶離液の比率に比例する別々の流量の割
    合を供給するように前記入口バルブを制御するようにな
    っているシステム制御手段と、 からなることを特徴とするクロマトグラフィー用グラジ
    エント比例分配ポンプ装置。
  20. 【請求項20】前記モータが、前記軸に沿って実質的に
    一直線上に配置された前記モータ軸と前記ピストンとを
    備える前記ハウジングの第1の端部に装着された双方向
    モータであって、モータ接続手段が前記モータ軸に同調
    して回転する基端部と、往復運動する末端部とを有する
    ことを特徴とする請求項19記載のクロマトグラフィー
    用グラジエント比例分配ポンプ装置。
  21. 【請求項21】前記モータと前記ピストンと前記ピスト
    ンチャンバーとが、約0.1μl/分と約1200μl
    /分との間の流量の割合が得られるように選択され、配
    置されることを特徴とする請求項20記載のクロマトグ
    ラフィー用グラジエント比例分配ポンプ装置。
  22. 【請求項22】前記入口バルブが、シリコン・チップ・
    バルブであることを特徴とする請求項21記載のクロマ
    トグラフィー用グラジエント比例分配ポンプ装置。
  23. 【請求項23】前記シリコン・チップ・バルブが、調整
    自在に計量できるバルブであることを特徴とする請求項
    22記載のクロマトグラフィー用グラジエント比例分配
    ポンプ装置。
  24. 【請求項24】選択された比率に混合するために2種ま
    たはそれ以上の溶離液を受け入れる第1の混合装置を有
    し、該混合装置は混合された溶離液を排出するための出
    口を有し、さらに好ましくは、前記第1の混合装置から
    混合された溶離液を受け入れるように接続され、前記混
    合された溶離液をさらに混合し排出する第2の混合装置
    を備えることを特徴とする請求項1記載のポンプ装置。
  25. 【請求項25】選択された比率に混合するために2種ま
    たはそれ以上の溶離液を受け入れる第1の混合装置を有
    し、該混合装置は磁性体からなる攪拌子を有し、該攪拌
    子がセラミックスによりコーティングされていることを
    特徴とする請求項1記載のポンプ装置。
  26. 【請求項26】ハウジング内に形成された、入口及び出
    口を有するチャンバーと、 第1の部材及び第2の部材を有し、該第1の部材が第2
    の部材より細くなっていて、前記入口に隣接する第1の
    部材と前記出口に対向する第2の部材とが前記チャンバ
    ー内に配置されていて、前記第1の部材が第2の部材よ
    り細くなっているきのこ形バルブと、 前記第1の部材の周辺を囲繞すると共に前記入口に隣接
    して配置された密封部材と、 前記密封部材と前記第2の部材とを反対方向に付勢する
    ために、前記密封部材と前記きのこ形バルブの第2の部
    材との間に配置されている弾性部材とからなるチェック
    バルブを備えることを特徴とする請求項1記載のポンプ
    装置。
  27. 【請求項27】前記チェックバルブが、さらに、前記出
    口と前記きのこ形バルブの第2の部材との間に、前記チ
    ャンバー内に配置されている濾過部材を備えることを特
    徴とする請求項26記載のポンプ装置。
  28. 【請求項28】前記ハウジングが、互いに密封して合わ
    された上方部分及び下方部分からなることを特徴とする
    請求項26または請求項27記載のポンプ装置。
  29. 【請求項29】溶離液を収容する貯留槽と、 前記貯留槽から共通の出口に溶離液を供給するようにそ
    れそれが接続された第1及び第2のポンプからなり、そ
    れぞれがピストンチャンバーを有し、該ピストンチャン
    バーはチャンバー出口と、モータに操作可能に接続され
    該ピストンチャンバー内に配置されたピストンとを備え
    る一対のポンプと、 前記共通の出口からカラムに前記溶離液を移送するよう
    に操作可能に接続された少なくとも一つの注入装置と、 前記第1のポンプと第2のポンプとの間の前記共通の出
    口に前記溶離液をすばやく交代して供給するように前記
    ポンプのそれぞれを制御するように接続されたシステム
    制御手段とからなることを特徴とする微小流量クロマト
    グラフィー用ポンプ装置。
  30. 【請求項30】さらに、 それぞれが異なる溶離液を収容する複数の貯留槽と、 それぞれの対が前記貯留槽の異なる一つから溶離液を供
    給するように接続されている複数対のポンプと、 それぞれの入口が前記ポンプの対の異なる一つから溶離
    液を受け入れるように接続できる複数の入口を有し、混
    合された溶離液を排出するための混合出口を有する混合
    装置とを備え、 前記システム制御手段が、さらに溶離液の流量の割合に
    より決定される比率で前記異なる溶離液を有する溶離液
    混合物を生成するように、選択された個々の流量の割合
    で、前記ポンプ対のそれぞれの前記共通の出口で溶離液
    の流量が得られるように、前記ポンプ対を制御するよう
    になっていることを特徴とする請求項29記載の微小流
    量クロマトグラフィー用ポンプ装置。
  31. 【請求項31】前記ピストンチャンバーと前記ピストン
    とが、圧送流量が約0.1μl/分と約1200μl/
    分との間になる寸法に合わせて作られ、前記モータが前
    記圧送流量に十分な速度で操作するようになっているこ
    とを特徴とする請求項29記載の微小流量クロマトグラ
    フィー用ポンプ装置。
JP6203925A 1993-08-31 1994-08-29 微小流量性能を有するクロマトグラフィー用ポンプ装置及びその方法 Pending JPH07167846A (ja)

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