JP3568609B2 - 電子秤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ロードセルからのサンプリングデータがゼロ点において微小変動しても常に重量ゼロを表示するオートゼロトラッキング機能を備えた電子秤に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子秤で、秤皿の上に何も載置していないのに、表示が例えば0.000[kg]と0.001[kg]とが交互に表示される( ちらつく )。これは、ゼロ点のサンプリングデータが微小変動するからである。従来の電子秤には、ゼロ点のサンプリングデータが微小変動しても、常に重量ゼロを表示するオートゼロトラッキング機能を備えたものが知られている。
【0003】
このオートゼロトラッキングは、例えば、特開昭60−228926号に記載されているように( 第6図参照 )、常に最新の8個のサンプリングデータを記憶するメモリを備え、そのうち同一サンプリングデータが5個以上存在し、さらに、読取ったサンプリングデータと上記同一サンプリングデータとの差が0.5目盛り以下という条件で、上記機能によりオートゼロトラッキング処理を行うようになっていた。
【0004】
例えば従来の電子秤は、サンプリング周期が200msec であり、同一サンプリングデータが5個あるということは、これらの同一サンプリングデータの経過時間は最低でも200msec ×5=1sec ( 1秒 )となり、計量法の規格( OIMLの規格 )0.5目盛り/秒以内に適合している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年電子秤でも高速計量への要望が高まりサンプリング周波数を高くする方向にある。しかし、サンプリング周波数を高めると、サンプリング周期が短くなり、例えば、サンプリング周期60msec とすると、同一サンプリングデータの経過時間が60msec ×5=300msec =0.3 sec となり、これではゼロ点でのオートゼロトラッキングに対して重量変動0.5目盛り/秒以内という計量法の規格に適合しなくなる。
【0006】
そこでこの発明は、サンプリング周波数を速くしても、確実に計量法の規格の重量変動0.5目盛り/秒以内を順守することができ、高速計量を実現することができる電子秤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1対応の発明は、ロードセルから所定のサンプリング周期で重量のサンプリングデータを取込み、このサンプリングデータに基づいて重量の表示を行い、ゼロ点におけるサンプリングデータが微小変動しても常に重量ゼロを表示するオートゼロトラッキング機能を備えた電子秤において、予め設定された個数のサンプリングデータをサンプリング周期毎に更新して記憶するサンプルメモリと、このサンプルメモリに記憶されたサンプリングデータのうちの同一データの個数を記憶する同一サンプル個数記憶手段と、時間を計時するタイマと、このタイマが計時を開始したときのサンプリングデータを記憶する手段と、
同一サンプル個数記憶手段に記憶された個数から真値のサンプリングデータを決定する真値処理手段と、この真値処理手段により真値として処理されたサンプリングデータとゼロ点におけるサンプリングデータとの差が規格の許容目盛り以下か否かを判断する変位判断手段と、この変位判断手段によりその差が許容目盛り以下と判断されると、タイマによる計時から規格の規定時間が経過したか否かを判断する変化率判断手段と、この変化率判断手段により規定時間が経過していないと判断されると、真値として処理されたサンプリングデータとタイマが計時を開始したときのサンプリングデータとの差が許容目盛り以下か否かを判断する手段と、この手段により真値として処理されたサンプリングデータとタイマが計時を開始したときのサンプリングデータとの差が許容目盛り以下と判断されると、真値として処理されたサンプリングデータをゼロ点におけるサンプリングデータとして設定するゼロ点設定手段と、変化率判断手段により規定時間が経過したと判断されると真値として処理されたサンプリングデータをゼロ点におけるサンプリングデータとして設定すると共にタイマをリセットして再スタートさせるタイマ再スタート手段とを設けたものである。
【0008】
請求項2対応の発明は、ロードセルから所定のサンプリング周期で重量のサンプリングデータを取込み、このサンプリングデータに基づいて重量の表示を行い、ゼロ点におけるサンプリングデータが微小変動しても常に重量ゼロを表示するオートゼロトラッキング機能を備えた電子秤において、予め設定された個数のサンプリングデータをサンプリング周期毎に更新して記憶するサンプルメモリと、このサンプルメモリに記憶されたサンプリングデータのうちの同一データの個数を記憶する同一サンプル個数記憶手段と、時間を計時するタイマと、同一サンプル個数記憶手段に記憶された個数から真値のサンプリングデータを決定する真値処理手段と、この真値処理手段により真値として処理されたサンプリングデータとゼロ点におけるサンプリングデータとの差が規格の許容目盛り以下か否かを判断する変位判断手段と、この変位判断手段によりその差が許容目盛り以下と判断されると、タイマによる計時から規格の規定時間が経過したか否かを判断する変化率判断手段と、この変化率判断手段により規定時間が経過したと判断されると真値として処理されたサンプリングデータをゼロ点におけるサンプリングデータとして設定すると共にタイマをリセットして再スタートさせるタイマ再スタート手段とを設けたものである。
【0009】
【作用】
請求項1対応の発明においては、サンプルメモリに記憶されたサンプリングデータのうちの同一データの個数が同一サンプル個数記憶手段に記憶され、その個数から、真値処理手段により真値のサンプリングデータが決定される
【0010】
真値処理手段により真値として処理されたサンプリングデータとゼロ点におけるサンプリングデータとの差が規格の許容目盛り以下か否かが変位判断手段により判断され、この変位判断手段によりその差が許容目盛り以下と判断されると、以下のようにオートゼロトラッキング処理を行う。
【0011】
タイマにより規格の規定時間が経過していなければ、ゼロ点設定手段により、タイマが計時を開始したときのサンプリングデータとの差が許容目盛り以下と確認されたならば、サンプリングデータはゼロ点として設定される。
【0012】
また、タイマにより規定時間が経過していれば、タイマ再スタート手段により、サンプリングデータをゼロ点として設定すると共に、タイマがリセットされ再スタートされる。
【0013】
請求項2対応の発明においては、サンプルメモリに記憶されたサンプリングデータのうちの同一データの個数が同一サンプル個数記憶手段に記憶され、その個数から、真値処理手段により真値のサンプリングデータが決定される
【0014】
真値処理手段により真値として処理されたサンプリングデータとゼロ点におけるサンプリングデータとの差が規格の許容目盛り以下か否かが変位判断手段により判断され、この変位判断手段によりその差が許容目盛り以下と判断されると、以下のようにオートゼロトラッキング処理を行う。
【0015】
タイマにより規格の規定時間が経過していれば、タイマ再スタート手段により、サンプリングデータをゼロ点として設定すると共に、タイマがリセットされ再スタートされる。
【0016】
【実施例】
以下、この発明の第1実施例を図1乃至図5を参照して説明する。
【0017】
図1は、この発明を適用したラベルプリンタ付電子料金秤1を示す斜視図である。
【0018】
このラベルプリンタ付電子料金秤1は、秤皿2を有する秤部3と支柱4の上端に取付けられた表示部5とから構成されている。ここで、表示部5は両面同一のものであり、重量表示部6、単価表示部7、値段表示部8と共にエラー表示ランプ9を有する。
【0019】
また、前記秤部3の本体ケース10の正面にはキーボード部11が設けられ、テンキー、Cキー等の各種フォロントキー12が設けられている。キーボード部11の右側にはレシート発行口13が設けられている。又、キーボード部11の下部にはスイッチ操作部14が設けられている。
【0020】
このスイッチ操作部14は、秤のゼロ設定スイッチ15と自動/手動を切り換えるラベル発行モード切換スイッチ16と計量/定額を切り換えるラベル発行モード切換スイッチ17と登録モード切換スイッチ18とを有する。
【0021】
登録モード切換スイッチ18は、EINモード( 通常の秤操作及び登録のモード )、AUSモード( 全ての表示を消灯して機械を停止状態にするモード )等の他に、RAM(read only memory)クリア( RAM CLEAR )モードやTESTモード( TEST )も選択できるものである。
【0022】
また、本体ケース10には数字キー( A〜Fを含む )等のリモートキーボード20が接続されている。
【0023】
図2は、前記ラベルプリンタ付電子料金秤1の要部回路構成を示すブロック図である。
【0024】
31は、制御部本体を構成するCPU(central processing unit)である。
【0025】
このCPU31が行う処理のプログラムデータが記憶されたROM32、前記CPU31が処理を行うときに使用する各種メモリのエリアが形成されたRAM(read only memory)33、ロードセル部34から出力されたアナログ信号( 計量データ )をデジタルデータに変換するA/D(analogue/digital)変換器35、時間を計時するタイマ36、後述する各種周辺装置に接続されたI/O(input/output)ブロック37は、それぞれシステムバス38を介して前記CPU31と接続されている。
【0026】
前記I/Oブロック37には、前記リモートキーボード20及び前記キーボード部11が接続された表示ブロック39、前記登録モード切換スイッチ18、ラベル印字用のサーマルプリンタ40、前記ラベル発行モード切換スイッチ17、ヂィップスイッチ41等が接続されている。
【0027】
図3は、前記RAM33の要部メモリ構成を示す図である。
【0028】
M1〜M8は、サンプルメモリとして、前記ロードセル部34から前記A/D変換器35を介して供給されるデジタルデータ( サンプリングデータ=カウントデータ )が順次更新シフトして格納されるエリアである。
【0029】
MTRUは、表示用の真値データ( カウントデータ )が記憶されるエリアである。
【0030】
ZEROは、ゼロ点と判定されたときのカウントデータが格納されるエリアである。
【0031】
M58は、M1〜M8に格納されたカウントデータのうち5個以上の同一カウントデータがある時に、この該当するカウントデータが格納されるエリアである。なお、このM58に格納されたカウントデータは、前述したMTRUにも格納されるようになっている。
【0032】
ZERO1は、タイマ36による1秒の計時開始( タイマスタート )時に前述したMTRUに格納されているカウントデータが格納されるエリアである。
【0033】
INTLF( インターロックフラグ )は、0がラベル発行・登録不可を示し、1がゼロ点オーバーを示すフラグエリアである。
【0034】
ZOVF( ゼロ点オーバーフラグ )は、0がZERO点範囲内、1がゼロ点オーバーを示すフラグエリアである。
【0035】
ZEROF( ゼロ点判定フラグ )は、0がゼロ点以外、1がゼロ点を示すフラグエリアである。
【0036】
m1は、前述したM1〜M8のうちM1に格納されたカウントデータと同一のカウントデータの格納数が格納されるエリアである。
【0037】
m2は、前述したM1〜M8のうちM2に格納されたカウントデータと同一のカウントデータの格納数が格納されるエリアである。
【0038】
m3は、前述したM1〜M8のうちM3に格納されたカウントデータと同一のカウントデータの格納数が格納されるエリアである。
【0039】
mMAXは、同一サンプル個数記憶手段としての、m1〜m3のうちの最大値が格納されるエリアである。
【0040】
図4は、前記CPU31が行う秤データ処理の流れを示す図である。
【0041】
まず、前記ロードセル部34から前記A/D変換器35を介して供給されるカウントデータ( サンプリングデータ )を取込む。
【0042】
M8のカウントデータを廃棄して、M1〜M7のカウントデータをM2〜M8へデータシフトし、その取り込んだカウントデータをM1に格納してデータの更新を行う。
【0043】
M1〜M8について、M1のカウントデータと同じカウントデータの格納数をm1にセットする。
【0044】
M1〜M8について、M2のカウントデータと同じカウントデータの格納数をm2にセットする。
【0045】
M1〜M8について、M3のカウントデータと同じカウントデータの格納数をm3にセットする。
【0046】
次に、m1〜m3にセットされた格納数のうち最大のものをmMAXに格納し、ステップ1( ST1 )の処理として、このmMAXの値が5以上か否かを判断する( 安定判定手段 )。
【0047】
ここで、mMAXの値が5未満と判断すると、ステップ2( ST2 )の処理として、このmMAXに該当するM1〜M8のいずれか( 以下Mnと称する )に格納されたカウントデータとM58に格納されたカウントデータとの差|Mn−M58|が4カウント以下( 0.5目盛り未満 )か否かを判断する。ここで、その差|Mn−M58|が4カウント以下と判断すると、後述するステップ3( ST3 )の処理へ移行するようになっている。
【0048】
また、その差|Mn−M58|が4カウントより大きい( 5カウント以上 )と判断すると、すなわち重量変動があったと判断して、Mnに格納されているカウントデータをMTRUに格納し(真値処理手段)、後述するオートゼロ処理を行い、このオートゼロ処理を終了すると、この秤データ処理を終了するようになっている。なお、MTRUに格納されたカウントデータは表示用データとして使用される。
【0049】
また、ステップ1の処理で、mMAXの値が5以上ならばこのmMAXに該当するMn( M1〜M8のうちのいずれか )に格納されているカウントデータをM58に格納して、次のステップ3( ST3 )の処理へ移行するようになっている。
【0050】
ステップ3の処理として、M58に格納されているカウントデータをMTRUに格納して(真値処理手段)、後述するオートゼロ処理を行い、このオートゼロ処理を終了すると、この秤データ処理を終了するようになっている。
【0051】
図5は、前述したオートゼロ処理の流れを示す図である。
【0052】
まず、ステップ4( ST4) の処理として、MTRUに格納されたカウントデータとZEROに格納されたカウントデータとの差|MTRU−ZERO|が4カウント以下( 0.5目盛り未満 )か否かを判断する( 変位判断手段 )。
【0053】
ここで、その差|MTRU−ZERO|が4カウントより大きい( 5以上 )と判断すれば、ゼロ点オーバーフラグZOVFに0を設定し、ゼロ点判定フラグZEROFに0を設定し、このオートゼロ処理を終了するようになっている。。
【0054】
また、その差|MTRU−ZERO|が4カウント以下と判断すると、タイマ36から出力される計時データを読み取り( タイマチェック )、ステップ5( ST5 )の処理として、その読み取った計時データから1秒が経過したか否かを判断する( 変化率判断手段 )。
【0055】
ここで、1秒が経過したと判断すると、MTRUに格納されているカウントデータをZEROに格納し、タイマ36のリセットを行い、再びタイマ36をスタートさせる( タイマ再スタート手段 )。次に、MTRUに格納されたカウントデータをZERO1に格納し、後述するステップ6( ST6 )の処理へ移行するようになっている。
【0056】
また、まだ1秒は経過していないと判断すると、MTRUに格納されたカウントデータとZERO1に格納されたカウントデータとの差|MTRU−ZERO1|が4カウント以下か否かを判断する。
【0057】
ここで、その差|MTRU−ZERO1|が4カウント以下と判断すると、MTRUに格納されたカウントデータをZEROに格納し( ゼロ点設定手段 )、後述するステップ6の処理へ移行するようになっている。
【0058】
また、その差|MTRU−ZERO1|が4カウントより大きい( 5カウント以上 )と判断すると、後述するステップ7( ST7 )の処理へ移行するようになっている。
【0059】
ステップ6の処理は、MTRUに格納されたカウントデータがゼロ点範囲内にあるか否かを判断する。ここで、MTRUに格納されたカウントデータがゼロ点範囲内にない( 範囲外にある )あると判断すると、ゼロ点オーバーフラグZOVFに1を設定し、ゼロ点判定フラグZEROFに0を設定して、このオートゼロ処理を終了するようになっている。
【0060】
また、MTRUに格納されたカウントデータがゼロ点範囲内にあると判断すると、次のステップ7の処理へ移行するようになっている。
【0061】
ステップ7の処理は、ゼロ点オーバーフラグZOVFに0を設定し、ゼロ点判定フラグZEROFに1を設定し、インターロックフラグINTLFに1を設定して、このオートゼロ処理を終了するようになっている。
【0062】
このような構成の第1実施例においては、10カウント1目盛りとなっており、規格の許容目盛りである0.5目盛りは5カウントである。しかし、デジタルデータとしての5カウントはアナログデータにおける4.5〜5.4カウントが5カウントとして出力されているので、正確に0.5目盛り以下を判断するためには、4カウント以下と設定する必要がある。
【0063】
サンプル周期毎にロードセル部34からカウントデータが取込まれ、A1〜A8の各エリアに対してシフト処理が行われ、取込まれたカウントデータはA1に格納されてA1〜A8の更新が行われる。
【0064】
この8個のサンプリングデータのうち、同一データの個数が5以上あれば、どの同一データはMTRUに記憶されて重量表示器6で表示される。
【0065】
ZEROに格納されたゼロ点として設定されたサンプリングデータとMTRUに格納されたサンプリングデータとの差が4カウント以下( 0.5目盛り未満 )の場合には、オートゼロトラッキングが行われる。
【0066】
すなわち、タイマ36による計時から規格の規定時間としての1秒が経過したか否かを判断し、1秒が経過していると、MTRUに格納されているサンプリングデータをZEROに格納して現在のサンプリングデータをゼロ点として設定する。
【0067】
またタイマ36による計時から1秒が経過していないと判断すると、タイマ36による計時開始時( 前回の再スタート時 )のサンプリングデータ(ZERO1に格納されている。)とMTRUに格納されたサンプリングデータとの差が4カウント以下と確認して、MTRUに格納されているサンプリングデータをZEROに格納して現在のサンプリングデータをゼロ点として設定する。
【0068】
ここで、ZERO1に格納されているサンプリングデータとMTRUに格納されたサンプリングデータとの差が4カウントより大きい( 5カウント以上 )ならば、重量変動があったとしてオートゼロトラッキングは行わない。
【0069】
このように第1実施例によれば、MTRUに記憶されているサンプリングデータとZEROに記憶されているゼロ点のサンプリングデータとの差が4カウント以下( 0.5目盛り未満 )と確認されたときに、タイマ36により1秒が経過したか否かを判断し、1秒が経過したと判断したときには、MTRUに格納されているサンプリングデータをZEROに格納し、1秒が経過していないと判断したときには、ZERO1に記憶されているタイマ36による計時開始時のサンプリングデータとMTRUに格納されているサンプリングデータとの差が4カウント以下か否かを判断して、4カウント以下であればMTRUに格納されているサンプリングデータをZEROに格納することにより、サンプリング周波数に関係なく、確実に0.5目盛り/秒以内という規格を順守することができる。
【0070】
従って、サンプリング周波数を速くすることができ、高速計量処理ができる。
【0071】
この発明の第2実施例を図6を参照して説明する。
【0072】
この第2実施例と前述した第1実施例との異なる点は、オートゼロ処理であるので、要部構成及びその他の処理についてはほとんど同様なので、ここではその説明は省略する。
【0073】
図6は、前述したオートゼロ処理の流れを示す図である。
【0074】
まず、ステップ8( ST8) の処理として、MTRUに格納されたカウントデータとZEROに格納されたカウントデータとの差|MTRU−ZERO|が4カウント以下( 0.5目盛り未満 )か否かを判断する( 変位判断手段 )。
【0075】
ここで、その差|MTRU−ZERO|が4カウントより大きい( 5以上 )と判断すれば、ゼロ点オーバーフラグZOVFに0を設定し、ゼロ点判定フラグZEROFに0を設定し、このオートゼロ処理を終了するようになっている。。
【0076】
また、その差|MTRU−ZERO|が4カウント以下と判断すると、タイマ36から出力される計時データを読み取り( タイマチェック )、ステップ6( ST6 )の処理として、その読み取った計時データから1秒が経過したか否かを判断する( 変位率判断手段 )。
【0077】
ここで、1秒が経過したと判断すると、MTRUに格納されているカウントデータをZEROに格納し、タイマ36のリセットを行い、再びタイマ36をスタートさせ( タイマ再スタート手段 )、後述するステップ10( ST10 )の処理へ移行するようになっている。
【0078】
また、まだ1秒は経過していないと判断すると、後述するステップ11( ST11 )の処理へ移行するようになっている。
【0079】
ステップ10の処理は、MTRUに格納されたカウントデータがゼロ点範囲内にあるか否かを判断する。ここで、MTRUに格納されたカウントデータがゼロ点範囲内にない( 範囲外にある )あると判断すると、ゼロ点オーバーフラグZOVFに1を設定し、ゼロ点判定フラグZEROFに0を設定して、このオートゼロ処理を終了するようになっている。
【0080】
また、MTRUに格納されたカウントデータがゼロ点範囲内にあると判断すると、次のステップ11の処理へ移行するようになっている。
【0081】
ステップ11の処理は、ゼロ点オーバーフラグZOVFに0を設定し、ゼロ点判定フラグZEROFに1を設定し、インターロックフラグINTLFに1を設定して、このオートゼロ処理を終了するようになっている。
【0082】
このような構成の第2実施例においては、ZEROに格納されたサンプリングデータとMTRUに格納されたサンプリングデータとの差が4カウント以下( 0.5目盛り未満 )の場合には、オートゼロトラッキングが行われる。
【0083】
すなわち、タイマ36による計時から1秒が経過したか否かを判断し、1秒が経過していると、MTRUに格納されているサンプリングデータをZEROに格納して現在のサンプリングデータをゼロ点として設定する。
【0084】
このように第2実施例によれば、MTRUに記憶されているサンプリングデータとZEROに記憶されているゼロ点のサンプリングデータとの差が4カウント以下( 0.5目盛り未満 )と確認されたときに、タイマ36により1秒が経過したか否かを判断し、1秒が経過したと判断したときには、MTRUに格納されているサンプリングデータをZEROに格納することにより、サンプリング周波数に関係なく、確実に0.5目盛り/秒以内という規格を順守することができる。
【0085】
従って、サンプリング周波数を速くすることができ、高速計量処理ができる。
【0086】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、サンプリング周波数を速くしても、確実に計量法の規格の重量変動0.5目盛り/秒以内を順守することができ、高速計量を実現することができる電子秤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例のラベルプリンタ付電子料金秤を示す斜視図。
【図2】同実施例のラベルプリンタ付電子料金秤の要部回路構成を示すブロック図。
【図3】同実施例のラベルプリンタ付電子料金秤のRAMの要部メモリ構成を示す図。
【図4】同実施例のラベルプリンタ付電子料金秤で行われる秤データ処理の流れを示す図。
【図5】同実施例のラベルプリンタ付電子料金秤で行われるオートゼロ処理の流れを示す図。
【図6】この発明の第2実施例のラベルプリンタ付電子料金秤で行われるオートゼロ処理の流れを示す図。
【符号の説明】
31…CPU、
33…RAM、
36…タイマ、
M1〜M8…カウントデータを格納するエリア、
MTRU…表示用の真値データ( カウントデータ )が格納されるエリア、
ZERO…ゼロ点と判定されたときのカウントデータが格納されるエリア、
M58…M1〜M8に格納されたカウントデータのうち5個以上同一データがある時に、この該当するカウントデータが格納されるエリア、
ZERO1…タイマ36による計時開始( タイマスタート )時にMTRUに格納されているカウントデータが格納されるエリア、
m1〜m3…M1〜M8のうちM1〜M3のそれぞれに格納されているカウントデータと同一のデータの格納数が格納されるエリア、
mMAX…m1〜m3のうちの最大値が格納されるエリア。

Claims (2)

  1. ロードセルから所定のサンプリング周期で重量のサンプリングデータを取込み、このサンプリングデータに基づいて重量の表示を行い、ゼロ点におけるサンプリングデータが微小変動しても常に重量ゼロを表示するオートゼロトラッキング機能を備えた電子秤において、
    予め設定された個数のサンプリングデータをサンプリング周期毎に更新して記憶するサンプルメモリと、
    このサンプルメモリに記憶されたサンプリングデータのうちの同一データの個数を記憶する同一サンプル個数記憶手段と、
    時間を計時するタイマと、
    このタイマが計時を開始したときのサンプリングデータを記憶する手段と、
    前記同一サンプル個数記憶手段に記憶された個数から真値のサンプリングデータを決定する真値処理手段と、
    この真値処理手段により真値として処理されたサンプリングデータと前記ゼロ点におけるサンプリングデータとの差が規格の許容目盛り以下か否かを判断する変位判断手段と、
    この変位判断手段により前記差が前記許容目盛り以下と判断されると、前記タイマによる計時から規格の規定時間が経過したか否かを判断する変化率判断手段と、
    この変化率判断手段により前記規定時間が経過していないと判断されると、前記真値として処理されたサンプリングデータと前記タイマが計時を開始したときのサンプリングデータとの差が前記許容目盛り以下か否かを判断する手段と、
    この手段により前記真値として処理されたサンプリングデータと前記タイマが計時を開始したときのサンプリングデータとの差が前記許容目盛り以下と判断されると、前記真値として処理されたサンプリングデータを前記ゼロ点におけるサンプリングデータとして設定するゼロ点設定手段と、
    前記変化率判断手段により前記規定時間が経過したと判断されると、前記真値として処理されたサンプリングデータを前記ゼロ点におけるサンプリングデータとして設定すると共に前記タイマをリセットして再スタートさせるタイマ再スタート手段とを設けたことを特徴とする電子秤。
  2. ロードセルから所定のサンプリング周期で重量のサンプリングデータを取込み、このサンプリングデータに基づいて重量の表示を行い、ゼロ点におけるサンプリングデータが微小変動しても常に重量ゼロを表示するオートゼロトラッキング機能を備えた電子秤において、
    予め設定された個数のサンプリングデータをサンプリング周期毎に更新して記憶するサンプルメモリと、
    このサンプルメモリに記憶されたサンプリングデータのうちの同一データの個数を記憶する同一サンプル個数記憶手段と、
    時間を計時するタイマと、
    前記同一サンプル個数記憶手段に記憶された個数から真値のサンプリングデータを決定する真値処理手段と、
    この真値処理手段により真値として処理されたサンプリングデータと前記ゼロ点におけるサンプリングデータとの差が規格の許容目盛り以下か否かを判断する変位判断手段と、
    この変位判断手段により前記差が前記許容目盛り以下と判断されると、前記タイマによる計時から規格の規定時間が経過したか否かを判断する変化率判断手段と、
    この変化率判断手段により前記規定時間が経過したと判断されると、前記真値として処理されたサンプリングデータを前記ゼロ点におけるサンプリングデータとして設定すると共に前記タイマをリセットして再スタートさせるタイマ再スタート手段とを設けたことを特徴とする電子秤。
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