JP3566662B2 - 平面アレーアンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波〜ミリ波帯において使用される折返し導波管を用いた平面アレーアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にマイクロ波〜ミリ波帯においては、低損失伝送路である導波管が多用されており、複数の導波管を並列に並べて平面アレーアンテナを構成している。
【0003】
図13(a),(b)は、従来の平面アレーアンテナの構成例を示したものである。
【0004】
図13(a)に示す平面アレーアンテナは、H面電磁ホーン1にオーバーサイズ導波管2を結合したものである。H面電磁ホーン1は、一端に給電部3を有すると共に、中央部に整合板4を備え、オーバーサイズ導波管2は、上面に複数の放射スロット5を形成している。そして、上記給電部3より供給される電磁波は、H面電磁ホーン1を介してオーバーサイズ導波管2に伝送され、複数の放射スロット5より外部に放射される。
【0005】
また、図13(b)に示す平面アレーアンテナは、上記H面電磁ホーン1に代えて導波管分岐回路6を使用したものである。この導波管分岐回路6は、給電部3より供給される電磁波を複数に分岐してオーバーサイズ導波管2に伝送する。
【0006】
上記図13(a)に示す平面アレーアンテナに使用されるH面電磁ホーン1は、所定の特性を得るために緩やかなテーパ状とする必要があり、このため全長が長くなり、製造コスト高はもとより、取扱いにおいても大形になるので非常に不便であった。
【0007】
また、上記H面電磁ホーン1に代えて導波管分岐回路6を使用した図13(b)に示す平面アレーアンテナは、導波管分岐回路6の構造が非常に複雑になり、その製造に多大な時間がかかり、きわめてコスト高となる問題があった。
【0008】
このような問題を解決するため、最近では図14に示すような折返し導波管10を使用して平面アレーアンテナを小形化したものが考えられている。
この折返し導波管10は、方形の下側導波管11a及び上側導波管11bを積層配置し、その一方の端部を180°の折返し部12により結合している。この折返し部12は、上側端及び下側端に45°カットの反射面13を形成し、この反射面13に反射波打消し用の調整ネジ14を装着している。そして、下側導波管11aと上側導波管11bとの間に位置している導体板15の先端と折返し部12の端面との間隔hを各導波管11a,11bの狭壁面幅(高さ)bに一致させている。
【0009】
上記折返し導波管10によれば、入力側の下側導波管11aにより伝送されてきた電磁波を折返し部12で180°反射させて出力側の上側導波管11bに導くことができる。
【0010】
上記のように折返し導波管10を使用し、方形導波管を180°折返して平面アレーアンテナを構成することにより、アンテナを小型化することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の折返し導波管10は、折返し端12の上部及び下部に45°カットの反射面13を形成しなければならず、しかも、この反射面13に反射波打消し用の調整ネジ14を装着する必要があるので、構成が複雑であると共に、高い寸法精度が要求され、高コストで量産に適さないという問題があった。また、導波管11a,11bと折返し部12との整合は、調整ネジ14からの反射波と折返し部からの反射波を打ち消すことにより行なっているので、周波数特性が狭帯域であり、かつ1台1台毎に調整作業を必要としている。
【0012】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、構成が簡単で、特別な寸法精度を要求せず、無調整で安定した性能を得ることができ、しかも、低コストの折返し導波管を使用した平面アレーアンテナを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、方形導波管(広壁面幅:a、狭い壁面幅:b)の広壁面をほぼ180°折返して構成した折返し導波管において、
この折返し導波管を複数個用いてn重に広壁面が密接するよう、方形導波管を折返して積み重ね、該折返し導波管の片側一方の狭壁面に複数の電波放射用スロットを設けて構成したことを特徴とする平面アレーアンテナである。
なお、上記折返し部の開口窓の寸法をa×hとし、該hの値を
「(π/2)/(β1 −β2 )」
但し、β1 :a×2b方形導波管のTE10モードにおける伝搬定数
β2 :a×2b方形導波管のTM11モードにおける伝搬定数
2b>λ0 /2,λ0 :自由空間波長
の値にほぼ等しくなるように設定する。
【0014】
第2の発明は、方形導波管(広壁面幅:a、狭い壁面幅:b)の広壁面をほぼ180°折返して構成した折返し導波管において、
この折返し導波管を複数個用いてn重に広壁面が密接するよう、方形導波管を折返して積み重ね、該折返し導波管の片側一方の狭壁面に複数の電波放射用スロットを設けて構成し、少なくとも前記折返し部に比誘電率εr の誘電体を充填することを特徴とする平面アレーアンテナである。
なお、上記折返し部の開口窓の寸法をa×hとし、該hの値を
「(π/2)/(β1 −β2 )」
但し、β1 :a×2b方形導波管のTE10モードにおける伝搬定数
β2 :a×2b方形導波管のTM11モードにおける伝搬定数
2b>λg/2,λg=λ0 /√(εr )
λ0 :自由空間波長、λg:誘電体内伝搬波長
の値にほぼ等しくなるように設定する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る折返し導波管20の概略構成を示すもので、同図(a)は斜視図、同図(b)は側断面図である。
【0017】
この折返し導波管20は、広壁面幅(横幅)がa,狭壁面幅(高さ)がbの方形導波管を広壁面にてほぼ180°折返して構成したもので、積層状態にある下側導波管21a及び上側導波管21bと、この両者を結合する折返し部22からなっている。この折返し部22は、方形状に形成され、導波管21a,21bに対向する面に反射板23が形成されている。また、折返し部22は、導波管21a,21bの積層高さと同じ高さ、つまり、「2×b」の高さとし、導波管21a,21bを分離する導体板24の先端と反射板23との間隔をhに設定する。従って、折返し部22における導波管21a,21bに対する開口窓の寸法は、a×hとなる。このhの値は、
h=(π/2)/(β1 −β2 )
β1 ={(2π/λ)2 −(π/a)2 }1/2
β2 ={(2π/λ)2 −(π/a)2 −(π/2b)2 }1/2
但し、β1 :a×2b方形導波管のTE10モードにおける伝搬定数
β2 :a×2b方形導波管のTM11モードにおける伝搬定数
2b>λ0 /2,λ0 :自由空間波長
なる関係式から求める。
【0018】
次に上記のように構成された折返し導波管20の動作原理を図2を参照して説明する。
【0019】
図2(a)は折返し導波管20の寸法関係を示し、図2(b)は折返し導波管20の反射面(反射板23)に対して対称な位置に鏡像の原理に基づいた影像を示し、結合伝送線路による高周波電力の入力端子Aから出力端子B′への移行の様子を示している。
【0020】
図2(b)において、入力Aからの基本伝搬モードTE10の電界e,eは、幅2hの結合部では、TE10モードの電界「e+e=2e」と高次伝搬モードTM11の電界「−em +em =0」が存在している。この電界eとem は、その絶対値が等しいので、出力端子Bへは、図示したように「e−em =0」となる。
【0021】
一方、出力端子A′及びB′へは、結合部の寸法2hを適度に定めることにより、出力端子A′において「e−em =0」、出力端子B′において「e+em 」となり、入力端子Aからの入力電力は、全部出力端子B′に結合させることができる。
【0022】
すなわち、図2(b)で、入力端子Aへの反射を零にすることは、影像による端子A′への透過を零にすることであり、これは端子A,B,A′,B′なる4端子の結合部の導波管サイズ「a×2b」における基本伝搬モードTE10と高次伝搬モードTM11の各位相定数をそれぞれβ1 ,β2 とした場合、「β1 ・2h−β2 ・2h=π」となる条件を満たすように寸法hを定めると、両モードの高周波電力が互いに打ち消して、端子A′への出力は原理上零となる。
【0023】
一方、端子B′への透過電力は、TM11モードの極性が端子Aと180°重なっているため、端子A→端子B′へは「β1 ・2h−β2 ・2h=2π」となり、両モードの位相が同相となり、全電力は端子Bへ伝搬する。
【0024】
従って、図2(a)において、端子Aから入力した電力は、反射することなく端子Bに伝送される。
【0025】
上記のことを確認するため、周波数f=24GHzにおけるa=170mm、b=5.5mmなるオーバーサイズ導波管について確認した。前式の関係より、h=18mmを求め、実測した結果、図3に示すように、h=18mm近傍において、VSWRがほぼ1.1程度の良好な結果が得られた。図3は、導体板24の先端と反射板23との間隔hを0mmから60mmまで変化させたときのVSWRの値を測定して示したものである。
【0026】
また、図4は、上記実験結果のh=18mmとした時の周波数(22〜26GHz)に対するVSWRの値を測定して示したものである。この図より、広帯域に亘って反射波の少ないことが判る。
【0027】
上記のように本発明の折返し導波管によれば、通常の公差で加工するのみで、調整することなく、図3及び図4の実測結果に示す特性を得ることができる。
【0028】
(第2実施形態)
図5は、上記折返し導波管20に誘電体を充填した場合の実施形態例を示したものである。
【0029】
図5(a)は、折返し導波管20に対して全体に比誘電率εr の誘電体25を充填した場合の例を示したものである。
【0030】
上記のように誘電体25を充填した場合、折返し部22におけるhの値を
「(π/2)/(β1 −β2 )」
但し、β1 :a×2b方形導波管のTE10モードにおける伝搬定数
β2 :a×2b方形導波管のTM11モードにおける伝搬定数
2b>λg/2,λg=λ0 /√(εr )
λ0 :自由空間波長、λg:誘電体内伝搬波長
の値にほぼ等しくなるように設定する。
【0031】
このように誘電体25を充填することにより、導波管の寸法を1/√(εr )に縮小することができ、全体を小型化することができる。
【0032】
図5(b)は、折返し部22にのみ誘電体25を充填したもので、誘電体25の先端にテーパ部26を形成している。この場合、誘電体25のテーパ部26は、下側導波管21a及び上側導波管21bの端部に位置するようにしている。上記のように誘電体25の先端をテーパ状に形成したのは、インピーダンスを整合するためである。
このような構成とすることにより、導波管21a,21bの寸法b(高さ)を小さく(薄く)して小形化しても、折返し部22の透過寸法は√(εr )倍されるため、インピーダンス整合を無理なく行なうことができる。
【0033】
図5(c)は、図5(b)に示したように誘電体25の先端にテーパ部26を形成する代わりに、誘電体25とは異なる比誘電率εr ′の誘電体27をインピーダンス整合用として設けたものである。この場合、誘電体27は、その厚さをλg/4とし、比誘電率εr ′が例えば誘電体25の比誘電率εr より大きいものを使用する。なお、λgは、誘電体27内の伝搬波長である。
【0034】
上記のように誘電体25の端部に、この誘電体25とは異なる比誘電率εr ′の誘電体27を設けることにより、図5(b)のように誘電体25の先端にテーパ部26を形成した場合と同様にインピーダンス整合を行なわせることができる。
【0035】
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。
【0036】
この第3実施形態は、図6に示す扇形ホーン30に対して上記第1実施形態と同様にして折返しを行なった場合の例を示したものである。図7の(a)はこの第2実施形態における折返し扇形ホーン31の斜視図、(b)は(a)の中心線上の断面図である。
【0037】
一般にこの種の扇形ホーン30は、性能向上のため、緩やかなテーパ状として長く形成し、始端より給電して終端の開口部より出力している。
図7は、上記扇形ホーン30に対し、2つの折返し部32を設けて折返し扇形ホーン31を構成し、その全長を1/3にしている。この折返し扇形ホーン31においても、折返し部32は前記第1実施形態と同様に構成されるものであり、その詳細については省略する。
【0038】
(第4実施形態)
上記図7に示したような折返し扇形ホーン31は、各種の形態のホーンにも適用することができる。
【0039】
すなわち、折返し導波管の出力波は、その原理から入射波の位相に等しく、進行方向が反対である。この動作は、反射板の入射波と反射波の関係と同じである。従って、折返し扇形ホーン31における折返し部32の形状を変えることにより、種々の波面の出力波を得ることができる。
【0040】
図8は、1つの折返し部32を有する折返し扇形ホーン31に対する実施形態例を示したものである。図8(a)は、(b)〜(d)に示した折返し扇形ホーン31の中心線上の断面図であり、各折返し部32の状態を示している。
図8(b)は、折返し部(反射板部)32を直線状としたもので、折返し部32からの放射は発散円筒波となる。これは給電電磁波が円筒波であるので、円筒波−発散円筒波変換器を形成する。
【0041】
図8(c)は、折返し部32を円形状に形成したものである。これは折返し部32からの電磁波の放射は、同図に示すように一点に収束するので、円筒波−収束円筒波変換器を形成する。このように折返し部32を円形状に形成した折返し扇形ホーン31は、電波レンズとして応用することができる。
【0042】
図8(d)は、折返し部32を放物面状に形成したもので、折返し部32からの電磁波の放射は平行となり、平行円筒波、すなわち平面波となる。従って、この場合には、円筒波−平面波変換器を形成する。このように折返し部32を放物面状に形成した折返し扇形ホーン31は、平面アレーアンテナの給電に給電に用いられる。
【0043】
更に、その他の応用として折返し部32を楕円形状に形成したものも考えられる。
【0044】
(第5実施形態)
次に本発明に係る折返し導波管を平面アレーアンテナに応用した実施形態について説明する。
【0045】
図9は、前記第1実施形態に示した折返し導波管20を平面アレーアンテナ40に応用した場合の例を示したものである。この図9に示す平面アレーアンテナ40は、折返し導波管20を複数個連結して構成したものである。すなわち、8個の方形導波管41を広壁面が密接するように平行配置すると共に、その各端部を上記折返し部22により連結し、始端側の方形導波管41に給電部42を設け、上記連結した方形導波管41の一方のH面(狭い面)に複数の放射用スロット43を形成して平面アレーアンテナ40を構成している。上記放射用スロット43は、例えば始端側では小さく、終端側に行くに従って段々大きくなるように形成され、各放射用スロット43から平均した電波が放射されるようにしている。
【0046】
上記のように構成された平面アレーアンテナ40は、給電部42より方形導波管41に供給された電磁波は、各折返し部22を介して各方形導波管41内を伝送され、放射用スロット43から外部に放射される。
【0047】
(第6実施形態)
図10(a),(b)は、扇形ホーンを用いて平面アレーアンテナ50を形成した場合の実施形態を示したものである。同図(a)は平面アレーアンテナ50の上面側の斜視図、同図(b)は裏面側の斜視図である。この平面アレーアンテナ50は、扇形ホーンからなるH面電磁ホーン51を折返し、その折返し部52から先を単にオーバーサイズ(幅広)の導波管53とし、このオーバーサイズ導波管53の上面に複数の放射スロット(非共振スロット)54を設け、また、上記H面電磁ホーン51の始端部に給電コネクタ55を設けたものである。上記折返し部52は、前記第1実施形態と同様に構成される。
【0048】
上記放射スロット54としては、図示した直線状のものの他に、例えば円形孔、十字状スロット等、種々の形状のものが考えられる。また、その他、放射スロット54に代えて円形の結合用孔を設け、この孔にコイルとプローブで形成されたヘリカル放射素子や、パッチ状放射素子をプローブで結合するもの等、種々の放射素子を使用することができる。
【0049】
(第7実施形態)
図11(a),(b)は、図10の場合と同様に折返し扇形ホーンを用いて構成した平面アレーアンテナ50において、H面電磁ホーン51の折返し直前に電波レンズ、例えば半円状の誘電体レンズ56を装荷したものである。図11(a)は平面アレーアンテナ50の斜視図、同図(b)は(a)の中心線断面図である。
【0050】
上記のように誘電体レンズ56を装荷することにより、折返し後の電磁波を平面波としてオーバーサイズ導波管53に導かれ、このオーバーサイズ導波管53の上面に形成された放射スロット54から外部に放射される。
【0051】
(第8実施形態)
図12は、折返しラジアル導波路(円形導波路)を用いて平面アレーアンテナ60を構成した場合の実施形態を示したものである。
同図において、折返しラジアル導波路61は、3枚の円形導体板62a〜62cと最外郭の側面金属板63により、下側及び上側の上下2層のラジアル導波路61a,61bを形成し、中間に位置する円形導体板62bの半径を外側の円形導体板62a,62cより小さくし、ラジアル導波路61a,61b間の周縁に開放部を形成して折返し導波管64としている。そして、下側ラジアル導波路61aに対して給電用の同軸線路65を結合し、上側ラジアル導波路61bの上面に放射スロット(または放射素子)66を形成している。
【0052】
上記折返しラジアル導波路61において、側面金属板63から中間の円形導体板62bの縁端部までの寸法h、及びラジアル導波路61a,61bの全体の高さ2bは、前記第1実施形態で説明した通りであるが、広壁面幅aに相当するものとして2πrを使用する。このrの値は、ラジアル導波路61の中心から折返し導波管64の開口部の中心位置までの距離である。
【0053】
そして、上記円形導体板62bの半径が波長に比して大きい場合は、上記hの値を
「(π/2)/(β1 −β2 )」
但し、β1 :間隔2bの平行平板導波路におけるTM0 モード(基本伝搬モード)の伝搬定数
β2 :間隔2bの平行平板導波路におけるTM1 モード(高次伝搬モードの伝搬定数
2b>λ0 /2,λ0 :自由空間波長
の値にほぼ等しくなるように設定する。
【0054】
上記折返しラジアル導波路61を用いた平面アレーアンテナ60の動作は、前記図8(c)に示した円形折返し導波管の場合に相当し、下側ラジアル導波路61aを伝送する発散円筒波が上側ラジアル導波路61bを伝送する収束円筒波に変換される。
【0055】
上記折返しラジアル導波路61は、構造が簡単で、低損失かつ広帯域で動作するので、実用的で高能率な平面アレーアンテナ60を実現することができる。
【0056】
なお、前記図5に示した実施形態では、折返し導波管20に対して誘電体を設けた場合について説明したが、その他、図7、図8に示した折返し扇形ホーンに対しても誘電体を充填して小形化を図ることができる。
更に、図9ないし図12に示した平面アレーアンテナにおいても、図5と同様にして誘電体を充填して小形化を図ることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、方形導波管の広壁面をほぼ180°折曲げて構成した折返し導波管において、上記折返し部の開口窓の寸法をa×hとし、hの寸法をほぼ「(π/2)/(β1 −β2 )」の値となるように設定することにより、構成が簡単で、特別な寸法精度を要求せず、無調整で安定した性能を得ることができ、しかも、コストの低下を図ることができる。
また、上記折返し導波管を利用することにより、小形で安定した性能の平面アレーアンテナを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る折返し導波管の概略構成図。
【図2】同実施形態における折返し導波管の動作原理を説明するための図。
【図3】同実施形態における折返し導波管の定在波比特性を示す図。
【図4】同実施形態における折返し導波管の周波数特性を示す図。
【図5】本発明に第2実施形態に係る折返し導波管の概略構成図。
【図6】本発明の対象とする扇形ホーンの構成を示す斜視図。
【図7】本発明の第3実施形態に係る折返し扇形ホーンの構成図。
【図8】本発明の第4実施形態に係る折返し扇形ホーンの構成図。
【図9】本発明の第5実施形態に係る折返し導波管を用いた平面アレーアンテナの構成図。
【図10】本発明の第6実施形態に係る折返し扇形ホーンを用いた平面アレーアンテナの構成図。
【図11】本発明の第7実施形態に係る折返し扇形ホーンを用いた平面アレーアンテナの構成図。
【図12】本発明の第8実施形態に係るラジアル導波路を用いた平面アレーアンテナの構成図。
【図13】従来の平面アレーアンテナの構成図。
【図14】従来の折返し導波管の概略構成図。
【符号の説明】
20 折返し導波管
21a 下側導波管
21b 上側導波管
22 折返し部
23 反射板
24 導体板
25,27 誘電体
30 扇形ホーン
31 折返し扇形ホーン
32 折返し部
40 平面アレーアンテナ
41 方形導波管
42 給電部
43 放射用スロット
50 平面アレーアンテナ
51 H面電磁ホーン
52 折返し部
53 オーバーサイズ導波管
54 放射スロット
55 給電コネクタ
56 誘電体レンズ
60 平面アレーアンテナ
61 折返しラジアル導波路
62a〜62c 円形導体板
63 側面金属板
64 折返し導波管
65 同軸線路
66 放射スロット
Claims (2)
- 方形導波管(広壁面幅:a、狭い壁面幅:b)の広壁面をほぼ180°折返して構成した折返し導波管において、
この折返し導波管を複数個用いてn重に広壁面が密接するよう、方形導波管を折返して積み重ね、該折返し導波管の片側一方の狭壁面に複数の電波放射用スロットを設けて構成したことを特徴とする平面アレーアンテナ。
なお、上記折返し部の開口窓の寸法をa×hとし、該hの値を
「(π/2)/(β1 −β2 )」
但し、β1 :a×2b方形導波管のTE10モードにおける伝搬定数
β2 :a×2b方形導波管のTM11モードにおける伝搬定数
2b>λ0 /2,λ0 :自由空間波長
の値にほぼ等しくなるように設定する。 - 方形導波管(広壁面幅:a、狭い壁面幅:b)の広壁面をほぼ180°折返して構成した折返し導波管において、
この折返し導波管を複数個用いてn重に広壁面が密接するよう、方形導波管を折返して積み重ね、該折返し導波管の片側一方の狭壁面に複数の電波放射用スロットを設けて構成し、少なくとも前記折返し部に比誘電率εr の誘電体を充填することを特徴とする平面アレーアンテナ。
なお、上記折返し部の開口窓の寸法をa×hとし、該hの値を
「(π/2)/(β1 −β2 )」
但し、β1 :a×2b方形導波管のTE10モードにおける伝搬定数
β2 :a×2b方形導波管のTM11モードにおける伝搬定数
2b>λg/2,λg=λ0 /√(εr )
λ0 :自由空間波長、λg:誘電体内伝搬波長
の値にほぼ等しくなるように設定する。
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