JP3566422B2 - ファインダ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラやレンズ付きフイルムユニットのファインダの視野枠の変化が可能なファインダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラやレンズ付きフイルムユニットによるプリント写真の魅力や楽しみをより一層一般のユーザーに広げるために、撮影した被写体の種類や大きさによって、アスペクト比の異なるプリント写真が提供されている。このようなプリント写真として、従来の標準サイズであるLサイズプリント(89mm×127mm)に加えて、横方向の長さを倍にしたパノラマプリント(89mm×252mm)、ハイビジョンテレビ放送でのアスペクト比に近似させたハイビジョンプリント(89mm×158mm)等が一般に知られている。
【0003】
このような、アスペクト比の異なるプリント写真を得る方法として、1本の写真フイルムを撮影していく途中で、写真フイルムに対する露光範囲を、レンズ付きフイルムユニットに設けられた遮光板等により制限して、Lサイズプリント露光範囲(24mm×36mm)、パノラマプリント露光範囲(13mm×36mm)、及びハイビジョンプリント露光範囲(20mm×36mm)を設定し、これにより得られた露光範囲の異なるネガフイルムから、上述した各モードのプリント写真を得る方法が知られている。
【0004】
また、撮影時には露光範囲を固定した単一の露光範囲で全撮影コマを撮影すると同時に、プリントモードを指定するプリントデータを記録し、現像所等でのプリント時にこのプリントデータを基にして、前述したような各撮影モードの露光範囲に相当する範囲だけをプリントすることにより、各モードのプリント写真を得る方法も考えられている。
【0005】
一方、特開平6−301157号公報で知られるように、リーダー部をパトローネから突出させることなく、フイルムを全てパトローネ内に巻き込んだ写真フイルムパトローネが提案されている。この様な写真フイルムパトローネにおいては、ハイビジョンプリント露光範囲(30.2mm×16.7mm)を標準の露光サイズとし、この標準の露光サイズの横方向を制限したLサイズプリント露光範囲(23.4mm×16.7mm)、及び標準の露光サイズの縦方向を制限したパノラマプリント露光範囲(30.2mm×9.5mm)が設定される。
【0006】
このように、露光範囲を制限したり、或いはプリント範囲を指定する等の機能を有するカメラやレンズ付きフイルムユニットは、通常、各プリントモードの範囲に対応してファインダの視野枠も変えることにより、各プリントモードにおける正確なプリント範囲を、撮影者が把握できるようにしたものが多い。カメラやレンズ付きフイルムユニットのファインダの視野枠を変える方法としては、例えば、ファインダの視野範囲を最大のプリントモードに対応させておき、他のプリントモードに対応した大きさの視野枠を、このファインダに挿脱することにより、各プリントモードに対応した視野枠に切り替える方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、視野枠をファインダに挿脱することによりファインダから観察可能な視野枠を切替える場合、この視野枠の退避領域をユニット本体に確保する必要がある。特に、3つ以上のプリントモードに対応した視野枠に切替えを可能にする場合、視野枠は少なくとも2種類以上必要になる。
【0008】
しかしながら、カメラやレンズ付きフイルムユニットは、多くの場合ファインダの直下に露光光路があり、必然的にユニット本体の横方向に視野枠を退避させるスペースを設けざるを得ない。その結果、視野枠を3つ以上のプリントモードに対応させる場合には、2つ以上の視野枠を並列して設けた横長の視野枠板を取りつけなければならず、カメラやレンズ付きフイルムユニットの幅が増加することになる。そして、小型、軽量が特徴であるレンズ付きフイルムユニットにおいては、このような横長の視野枠板は小型化に対する大きな障害となる。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、ファインダの視野枠を複数のプリントモードに対応して切替え可能にし、且つ、小型化が可能なファインダ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のファインダ装置では、カラーフィルタの挿脱もしくは組み合わせにより、採光窓からの光を各々異なった色光に切替えるフィルタ切替え手段と、不透明なマスク板に複数種類の視野枠が形成され、かつこれらの視野枠にはフィルタ切替え手段によって切替えられた色光を各々透過させる着色が施された視野枠板と、前記フィルタ切替え手段によって移動される前記カラーフィルタにより押圧され、前記複数種類の視野枠に対応するプリントモードを選択する選択スイッチとを有し、前記フィルタ切替え手段の操作に対応して前記複数種類の視野枠のうちの一つが所定の色でファインダ視野内に表示され、前記選択スイッチにより前記プリントモードが選択されるようにしたものである。
【0011】
請求項2においては、前記視野枠板の中央に非着色の領域、もしくは孔を設け、いずれの視野枠がファインダ視野内に表示される場合でも、前記非着色の領域、もしくは孔を通った光により視野枠の表示色と同色でファインダ視野の中心が表示されるようにしたものである。
【0012】
請求項3においては、異種の偏光特性をもつ複数の偏光フィルタの切替えにより、採光窓からの光に各々異なった偏光を与えるフィルタ切替え手段と、複数種類の視野枠が各々異なった偏光特性をもって形成された視野枠板と、前記フィルタ切替え手段によって移動される前記偏光フィルタにより押圧され、前記複数種類の視野枠に対応するプリントモードを選択する選択スイッチとを有し、前記フィルタ切替え手段の操作に対応して前記複数種類の視野枠のうちの一つがファインダ視野内に表示され、前記選択スイッチにより前記プリントモードが選択されるようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明のファインダ装置を搭載したレンズ付きフイルムユニットの外観斜視図であり、図1は、図2のファインダ要部の説明図である。レンズ付きフイルムユニット2は、ハイビジョンモード、パノラマモード、及びLサイズモードの3種類のプリントモードから、何れか1つを選択してプリントデータとして写真フイルムに記録することが可能である。
【0014】
レンズ付きフイルムユニット2は、大別してユニット本体3と、これを覆う外箱4とからなっている。ユニット本体3には、周知の撮影機構(図示せず)、写真フイルムパトローネ(図示せず)、及び、後述するファインダ視野枠切替え機構1、プリントモード記録装置20が内蔵されている。
【0015】
ユニット本体3の前面には、撮影レンズ5、ファインダ装置6、プリントモードを選択する操作部7a、8a、9aが露出しており、上面には、撮影枚数表示板11、及びレリーズボタン12が露出している。ユニット本体3の背面には、写真フイルムを巻き上げるための巻き上げノブ13が露出している。
【0016】
ファインダ装置6は、図3に示すように、ファインダ光学系である被写体光路14と視野枠表示光学系である採光光路15とから構成される、採光式逆ガリレオファインダである。このファインダ装置6の視野範囲はハイビジョンモードに対応している。被写体光路14には、接眼レンズ14a、対物レンズ14b、及びこの間に配置されるハーフミラー14cとが設けられている。
【0017】
採光光路15には、擦りガラス15a、ミラー15b、及びファインダ視野枠切替え機構1を構成する視野枠板18とが設けられている。そして、この採光光路15の近傍には、ファインダ装置6を構成するファインダ視野枠切替え機構1の主要部分が設けられる。擦りガラス15aは、この採光光路15に入射する自然光を均一な白色光にする。また、ミラー15bは、後ほど詳述するファインダ視野枠切替え機構1を経た視野枠の像を、被写体光路14のハーフミラー14cに入射させる。
【0018】
ファインダ装置6を構成するファインダ視野枠切替え機構1は、図1に示すように、採光光路15内に設けられる視野枠板18、採光光路15内に挿脱可能な3枚のフィルタ7,8,9、これらフィルタ7〜9を採光光路15内から脱する方向に付勢するバネ16a〜16c、係止レバー17とこれを付勢するバネ17aとから構成されている。
【0019】
視野枠板18は、不透明なマスク板18cにパノラマモードとLサイズモードに各々対応した視野枠18a、18b、及び透明領域18dを設けたものである。この内、Lサイズモードに対応した視野枠18aは、赤色の波長域の光だけを透過する赤色の枠であり、パノラマモードに対応した視野枠18bは、青色の波長域の光だけを透過する青色の枠である。
【0020】
フィルタ7は、採光光路15に入射した均一な白色光の内、視野枠18aと同じ青色の波長域の光だけを透過し、また、フィルタ8は、視野枠18bと同じ赤色の波長域の光だけを透過する。さらに、フィルタ9は、全ての光を遮断する遮光板である。これらフィルタ7,8,9の右下端には、係止レバー17と係合する突起7c,8c,9cが各々設けられている。また、左側には、端部にツマミを有する操作部7a,8a,9aが各々一体に設けられている。
【0021】
そして、これらフィルタ7〜9は、各々、採光光路15内に挿入された挿入位置Lと、この挿入位置Lから外れた退避位置Rとの間で移動可能に取りつけられ、バネ16a〜16cにより、退避位置Rの方向に各々付勢されている。
【0022】
係止レバー17は、突起7c、8c、9cと係合する係止部17b、及びリセット部17cが一体に設けられ、ユニット本体3に突設された軸3aに軸着している。そして、バネ17aにより反時計方向に付勢されている。
【0023】
このような構成により、例えば、図4(A)のように、フィルタ7が挿入位置Lにセットされている状態から、操作部8aを操作してフィルタ8を挿入位置Lにセットしようとすると、フィルタ8の突起8cと係止レバー17の係止部17bが当接し、係止レバー17はバネ17aの付勢に反して時計方向に回動する。
【0024】
すると、挿入位置Lにあったフィルタ7の突起7cと係止部17aとの係合が解除され、フィルタ7はバネ16aにより退避位置Rに戻る。そして、フィルタ8の突起8cが係止部17bを乗り越えると、係止レバー17はバネ17aにより反時計方向に回動し、今度は突起8cと係止部17bとが係合して、フィルタ8が挿入位置Lにセットされる(図4(B)参照)。
【0025】
さらに、図3(B)のように、フィルタ8が挿入位置Lにセットされている状態から、操作部9aを操作してフィルタ9を挿入位置Lにセットしようとすると、図4(C)ように、フィルタ9の突起9cと係止レバー17の係止部17bが当接し、係止レバー17はバネ17aの付勢に反して時計方向に回動する。
【0026】
すると、挿入位置Lにあったフィルタ8の突起8cと係止部17bとの係合が解除され、フィルタ8はバネ16bにより退避位置Rに戻る。そして、突起9cと係止部17aとが係合して、フィルタ9が挿入位置Lにセットされる。
【0027】
フィルタ7、8は、挿入位置Lにセットされたときに、図5に示すプリントモード記録装置20を構成する選択スイッチ21の操作部材21a、21bに各々右上端が当接し押圧操作する。プリントモード記録装置20は、操作部材21a、21bによるプリントモードの選択により、ユニット本体3に内蔵される写真フイルムに、プリントモードを指定するプリントデータを記録するものであり、選択スイッチ21、2つの発光ダイオード22a、22b、電源23、ワンショットマルチバイブレータ24、及びメインスイッチ25等から構成される。
【0028】
発光ダイオード22a、22bは、一定時間発光することにより、図5に示す写真フイルム30の各撮影コマ30aの下部に設定されたデータ記録領域30bに、矩形のマークを露光する。メインスイッチ25は、ユニット本体3のレリーズボタン9に連動して閉じられる(オン状態になる)。また、ワンショットマルチバイブレータ24は、メインスイッチ25のオンにより、一定幅のパルスを出力する。
【0029】
このような構成により、フィルタ7が挿入位置Lにセットされると、フィルタ7の右上端が操作部材21aを押圧し、選択スイッチ21は発光ダイオード22a、22bを何れもプリントモード記録装置20の回路に接続する。そして、レリーズボタン12を押圧すると、レンズ付きフイルムユニット2のシャッタ機構が動作すると共に、メインスイッチ25が閉じられ、ワンショットマルチバイブレータ24が一定幅のパルスを発生する。これにより、発光ダイオード22a、22bは一定時間発光し、図6(A)に示すように、写真フイルム30のデータ記録領域30bに、矩形のマークを2つ露光する事で表現される、パノラマプリントデータ32を記録する。
【0030】
また、フィルタ8が挿入位置Lにセットされると、今度はフィルタ8の右上端が操作部材21bを押圧し、選択スイッチ21は発光ダイオード22aだけを回路に接続するので、レリーズボタン9を押圧すると、シャッタ機構が動作すると共に、発光ダイオード22aだけが一定時間発光する。そして、図6(B)に示すように、写真フイルム30のデータ記録領域30bに、矩形のマークを1つ露光する事で表現される、Lサイズプリントデータ33が記録される。
【0031】
さらに、フィルタ9が挿入位置Lにセットされると、選択スイッチ21の操作部材21a、21bは何れも押圧されないので、選択スイッチ21は発光ダイオード22a、22bを共に回路に接続しない。従って、レリーズボタン9を押圧しても、図6(C)に示すように、写真フイルム30のデータ記録領域30bには、矩形のマークは全く露光されない。これにより、この撮影コマはハイヒジョンプリントに指定される。
【0032】
以上のような構成の実施例の作用について説明する。本発明のファインダ視野枠切替え機構1が搭載されたレンズ付きフイルムユニット2を用いて写真撮影を行う場合、まず、巻き上げノブ13を回動させて未露光の撮影コマをセットする。そして、被写体の構成等に応じて、操作部7a、8a、9aを操作して希望するプリントモードにセットする。
【0033】
例えば、フィルタ9が挿入位置Lにセットされ、ファインダ装置6の視野は本来のハイビジョンモードに対応している状態から、操作部7aを右側に移動させてパノラマモードにセットしようとすると、まず、フィルタ7の突起7cと係止レバー17の係止部17bが当接し、係止レバー17はバネ17aの付勢に反して時計方向に押し下げられる。すると、挿入位置Lにあったフィルタ9の突起9cと係止部17bとの係合が解除され、フィルタ9はバネ16cにより退避位置Rに戻る。
【0034】
さらに操作部7aを右側に移動させると、フィルタ7の突起7cが係止部17bを乗り越え、係止レバー17はバネ17aにより反時計方向に回動する。そして、図4(A)のように、突起7cと係止部17aとが係合して、フィルタ7が挿入位置Lにセットされる。
【0035】
フィルタ7が挿入位置Lにセットされると、擦りガラス15aを介して採光光路15に入射する均一な白色光は、青色の波長域の光だけを透過するフィルタ7により、緑色の波長域、及び赤色の波長域がカットされ、青色光になる。そして、この青色光が、視野枠18a、18bが設けられている視野枠板18に入射すると、赤色の枠である視野枠18aは青色光を全てカットするので、視野枠18aは黒色になってマスク板18cと視覚的に一体になり、視野枠18aの輪郭が視覚的に消失する。
【0036】
一方、青色の波長域の光だけを透過する青色の枠である視野枠18bに、フィルタ7による青色光が入射すると、この青色光はそのまま透過する。その結果、フィルタ7からの青色光が視野枠板18に入射すると、青色の枠である視野枠18bの輪郭像が青くくっきりと浮かび上がる。また、視野枠18aの輪郭像は黒色になってマスク板18cと視覚的に一体になり視覚的に消失する。
【0037】
このようにして、パノラマモードに対応した視野枠18bの青い輪郭像だけを含んだ青色光は、ミラー15bで反射し、被写体光路14のハーフミラー14cに入射する。
【0038】
一方、被写体光路14の対物レンズ14bに入射した被写体像は、収束されてハーフミラー14cに入射する。ここで、採光光路15からハーフミラー14cに入射する視野枠18bの青い輪郭像と一体になり、接眼レンズ14aを介して撮影者に観察される。これにより、撮影者が操作部7aを右側に移動させてパノラマモードにセットしてファインダ装置6を覗けば、被写体像と共に、パノラマモードのプリント範囲を示す視野枠18bの青い輪郭像とが一体に観察でき、容易にパノラマモードのプリント範囲を把握することができる。
【0039】
これと同時に、フィルタ7の右上端が操作部材21aを押圧し、選択スイッチ21は発光ダイオード22a、22bを両方共プリントモード記録装置20の回路に接続する位置に切り替えられる。そして、撮影者は、被写体像と共に視野枠18bの輪郭像が青くくっきりと浮かび上がったファインダ装置6を覗き、被写体がこの視野枠18bの輪郭内に収まっているか確認した後、レリーズボタン12を押圧する。
【0040】
レリーズボタン12を押圧すると、レンズ付きフイルムユニット2のシャッタ機構が動作すると共に、メインスイッチ25が閉じられ、ワンショットマルチバイブレータ24が一定幅のパルスを発生する。選択スイッチ21は発光ダイオード22a、22bを両方共プリントモード記録装置20の回路に接続する位置に切り替えられているので、発光ダイオード22a、22b両方とも一定時間発光する。その結果、図6(A)に示す写真フイルム30のデータ記録領域30bに、矩形のマークを2つ露光する事で表現される、パノラマプリントデータ32が記録される。
【0041】
再び巻き上げノブ13を回動させて、今度はLサイズモードを選択するために、操作部8aを操作してフィルタ8を挿入位置Lにセットしようとすると、フィルタ8の突起8cと係止レバー17の係止部17bが当接し、係止レバー17はバネ17aの付勢に反して時計方向に回動する。
【0042】
そして、挿入位置Lにあったフィルタ7の突起7cと係止部17bとの係合が解除され、フィルタ7はバネ16aにより退避位置Rに戻る。さらにフィルタ8を右側に移動させ、突起8cが係止部17bを乗り越えると、係止レバー17はバネ17aにより反時計方向に回動し、図4(B)に示すように、今度は突起8cと係止部17bとが係合して、フィルタ8が挿入位置Lにセットされる。
【0043】
フィルタ8が挿入位置Lにセットされると、擦りガラス15aを介して採光光路15に入射する均一な白色光は、赤色の波長域の光だけを透過するフィルタ8により、青色の波長域、及び緑色の波長域がカットされ、赤色光になる。そして、この赤色光が、視野枠18a、18bが設けられている視野枠板18に入射すると、青色の枠である視野枠18bは、赤色光を全てカットするので、視野枠18bは黒色になってマスク板18cと視覚的に一体になり、視野枠18bの輪郭が視覚的に消失する。
【0044】
一方、赤色の波長域の光だけを透過する赤色の枠である視野枠18aに、フィルタ8による赤色光が入射すると、この赤色光はそのまま透過する。その結果、フィルタ8からの赤色光が視野枠板18に入射すると、赤色の枠である視野枠18aの輪郭像が赤くくっきりと浮かび上がる。また、視野枠18bの輪郭像は黒色になってマスク板18cと視覚的に一体になり視覚的に消失する。
【0045】
このようにして、Lサイズモードに対応した視野枠18aの赤い輪郭像は、ミラー15bで反射し、被写体光路14のハーフミラー14cに入射する。一方、被写体光路14の対物レンズ14bに入射した被写体像は、収束されてハーフミラー14cに入射し、採光光路15からの視野枠18aの赤い輪郭像と一体になり、接眼レンズ14aを介して撮影者に観察される。これにより、撮影者が操作部7aを右側に移動させてLサイズモードにセットしてファインダ装置6を覗けば、被写体像と共に、Lサイズモードのプリント範囲を示す視野枠18aの赤い輪郭像とが一体に観察でき、容易にLサイズモードのプリント範囲を把握することができる。
【0046】
これと同時に、フィルタ8の右上端が操作部材21bを押圧し、選択スイッチ21は発光ダイオード22aだけをプリントモード記録装置20の回路に接続する位置に切り替えられる。そして、撮影者は、被写体像と共に視野枠18aの輪郭像が赤くくっきりと浮かび上がったファインダ装置6を覗き、被写体がこの視野枠18aの輪郭内に収まっているか確認した後、レリーズボタン12を押圧する。
【0047】
レリーズボタン12を押圧すると、レンズ付きフイルムユニット2のシャッタ機構が動作すると共に、メインスイッチ25が閉じられ、ワンショットマルチバイブレータ24が一定幅のパルスを発生する。選択スイッチ21は発光ダイオード22aだけをプリントモード記録装置20の回路に接続する位置に切り替えられているので、発光ダイオード22aだけが一定時間発光する。その結果、図6(B)に示す写真フイルム30のデータ記録領域30bに、矩形のマークを1つ露光する事で表現される、Lサイズプリントデータ33が記録される。
【0048】
さらに、操作部9aを操作して、ファインダ装置6の視野を本来のハイビジョンモードにする時には、操作部9aを右側に移動させると、図4(C)ように、フィルタ9の突起9cと係止レバー17の係止部17bが当接し、係止レバー17はバネ17aの付勢に反して時計方向に回動する。
【0049】
そして、挿入位置Lにあったフィルタ8の突起8cと係止部17aとの係合が解除され、フィルタ8はバネ16bにより退避位置Rに戻り、突起9cと係止部17bとが係合して、フィルタ9が挿入位置Lにセットされる。
【0050】
フィルタ9が挿入位置Lにセットされると、擦りガラス15aを介して採光光路15に入射する均一な白色光は、遮光板であるフィルタ9により全ての波長域がカットされるので、この採光光路15からは、ハーフミラー14cに光が全く入射しない。このため、接眼レンズ14aから撮影者に観察される像は、被写体光路14の対物レンズ14bを介して入射する被写体像だけであり、視野枠18a,18bの輪郭像は見ることができない。
【0051】
これにより、撮影者が操作部9aを右側に移動させて、標準モードであるハイビジョンモードにセットしてファインダ装置6を覗けば、被写体像だけが観察でき、ファインダ装置6の視野範囲であるハイビジョンモードのプリント範囲を把握することができる。
【0052】
そして、フィルタ9が挿入位置Lにセットされても、選択スイッチ21の操作部材21a、21bは何れも押圧されないので、選択スイッチ21は発光ダイオード22a、22bを共に回路に接続しない。従って、レリーズボタン9を押圧しても、図6(C)に示すように、写真フイルム30のデータ記録領域30bには、矩形のマークは全く露光されない。これにより、この撮影コマはハイヒジョンプリントに指定される。
【0053】
この様にして撮影されたレンズ付きフイルムユニット2の写真フイルムは、各撮影コマの下側にプリントデータが露光されていない撮影コマは、印画紙にハイビジョンサイズでプリントし、パノラマプリントデータ32、又はLサイズプリントデータ33が露光されている撮影コマは、各々パノラマサイズ、Lサイズで印画紙にプリントする。
【0054】
なお、撮影者が誤って操作部7a、8a、9aを同時に右側に動かすなどして、フィルタ7、8及びフィルタ9がいずれも挿入位置Rにセットされてしまった場合には、図2に示すフィルタ9をさらに右側のリセット位置まで動かす。これにより、フィルタ9の突起9cが係止レバー17のリセット部17cに当接して係止レバー17が時計方向に回動し、フィルタ7、8の突起7c、8cと係止部17bとの係合が解除され、フィルタ7、8は共に退避位置Lに戻る。
【0055】
なお、上述した実施の形態では、フィルタ、及び視野枠の各々について、青、及び赤の波長域の光を透過するようにしているが、もちろん、任意の波長域の光を透過するフィルタ、及び視野枠を用いてもよく、また、2種類以上の異なる波長域の光を透過する、複数のフィルタ、及び視野枠を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
また、上述した実施の形態では、ファインダの視野枠をパノラマ、Lサイズの各モードに対応した視野枠に切り替えているが、もちろん、これ以外の任意のプリントモードに対応して、ファインダの視野枠を切り替えてもよい。
【0057】
さらに、カラーフィルタと着色が施された視野枠板を用いずに、異なる偏光特性を有する複数種類の視野枠を形成した視野枠板と、この複数種類の視野枠のうち特定の視野枠だけを視認できるようにする偏光フィルタを組み合わせることによりファインダの視野枠を切り替えるようにしてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のファインダ装置によれば、カラーフィルタの挿脱もしくは組み合わせにより、採光窓からの光を各々異なった色光に切替えるフィルタ切替え手段と、不透明なマスク板に複数種類の視野枠が形成され、かつこれらの視野枠にはフィルタ切替え手段によって切替えられた色光を各々透過させる着色が施された視野枠板とを有し、前記フィルタ切替え手段の操作に対応して前記複数種類の視野枠のうちの一つが所定の色でファインダ視野内に表示されるようにしたので、ファインダの視野枠を複数のプリントモードに対応して切替え可能になり、且つ、小型化が可能なファインダ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のファインダ装置の説明図である。
【図2】本発明のファインダ装置を組み込んだレンズ付きフイルムユニットの外観斜視図である。
【図3】図2のファインダ部分を示す断面図である。
【図4】図1のファインダ装置の各モードでの様子を示した説明図である。
【図5】図2のレンズ付きフイルムユニットに内蔵されるプリントモード記録装置の回路図である。
【図6】図2のレンズ付きフイルムユニットで撮影した写真フイルムを示す説明図である。
【符号の説明】
1 ファインダ視野枠切替え機構
2 レンズ付きフイルムユニット
3 ユニット本体
6 ファインダ装置
7、8、9 フィルタ
17 係止レバー
Claims (3)
- 対物レンズと接眼レンズとを有するファインダ光学系と、採光窓からの光で照明された視野枠をファインダ光学系内に導いてファインダ視野内に視野枠を表示する視野枠表示光学系とを有するファインダ装置において、
カラーフィルタの挿脱もしくは組み合わせにより、前記採光窓からの光を各々異なった色光に切替えるフィルタ切替え手段と、不透明なマスク板に前記複数種類の視野枠が形成され、かつこれらの視野枠には前記フィルタ切替え手段によって切替えられた色光を各々透過させる着色が施された視野枠板と、前記フィルタ切替え手段によって移動される前記カラーフィルタにより押圧され、前記複数種類の視野枠に対応するプリントモードを選択する選択スイッチとを有し、前記フィルタ切替え手段の操作に対応して前記複数種類の視野枠のうちの一つが所定の色でファインダ視野内に表示され、前記選択スイッチにより前記プリントモードが選択されることを特徴とするファインダ装置。 - 前記視野枠板の中央に非着色の領域、もしくは孔を設け、いずれの視野枠がファインダ視野内に表示される場合でも、前記非着色の領域、もしくは孔を通った光により視野枠の表示色と同色でファインダ視野の中心が表示されることを特長とする請求項1記載のファインダ装置。
- 対物レンズと接眼レンズとを有するファインダ光学系と、採光窓からの光で照明された視野枠をファインダ光学系内に導いてファインダ視野内に視野枠を表示する視野枠表示光学系とを有するファインダ装置において、
異種の偏光特性をもつ複数の偏光フィルタの切替えにより、前記採光窓からの光に各々異なった偏光を与えるフィルタ切替え手段と、前記複数種類の視野枠が各々異なった偏光特性をもって形成された視野枠板と、前記フィルタ切替え手段によって移動される前記偏光フィルタにより押圧され、前記複数種類の視野枠に対応するプリントモードを選択する選択スイッチとを有し、前記フィルタ切替え手段の操作に対応して前記複数種類の視野枠のうちの一つがファインダ視野内に表示され、前記選択スイッチにより前記プリントモードが選択されることを特徴とするファインダ装置。
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JP24193195A JP3566422B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | ファインダ装置 |
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-
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