JP3564459B2 - 基地局、スペクトラム拡散無線通信システム及び基地局の送信方法 - Google Patents

基地局、スペクトラム拡散無線通信システム及び基地局の送信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基地局、スペクトラム拡散無線通信システム及び基地局の送信方法に係わり、特に、各チャネルの信号をそれぞれ異なる符号で拡散変調し、各チャネルの拡散変調信号を合成して送信する基地局、スペクトラム拡散無線通信システム及び基地局の送信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代のデジタル移動通信方式として、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)方式を用いた無線アクセス方式が検討され、実用化されつつある。CDMA方式はスペクトラム拡散通信方式を用いた多元接続方法であり、複数のチャネルあるいはユーザの伝送情報を符号によって多重し、無線回線などの伝送路を通じて伝送する。
スペクトラム拡散通信方式は、通常の狭帯域変調方式と異なり、変調された後の信号の帯域幅を狭帯域の帯域幅に比べてはるかに広くさせる変調方式である。スペクトラム拡散通信方式では送受信機上で2段階の変調/復調を行う。
【0003】
図16はスペクトラム拡散通信方式における送信機の原理構成図であり、1はPSK変調器等の狭帯域変調器、2は拡散回路、3は電力増幅器、4はアンテナである。狭帯域変調器1及び拡散回路2の位置は入れ替わってもよい。拡散回路2において、2aはPN系列(Pseudorandom Noise)と称される±1のレベル値をランダムにとる矩形波(図17参照)を出力するPN系列発生器、2bは狭帯域変調器1で変調されたデジタル信号にPN系列を乗算する乗算部である。
PN系列の変化速度(矩形波時間幅T)は図17に示すように、それによって変調を受ける狭帯域変調信号のシンボル切替速度(PSK変調信号の1ビット区間幅T)に比べはるかに早い速度で切り替わるように設定されている。すなわちT≫Tとなる。このTの時間幅をビット区間(bit duration)、Tの時間幅をチップ区間(chip duration)、それぞれの逆数をビット速度、チップ速度という。また、TとTとの比すなわちT/Tを拡散率あるいは拡散比(spreading ratio)という。
【0004】
拡散変調信号のスペクトラム分布は図18に示すようにsinc関数形状を示し、メインローブの帯域幅はチップ速度の2倍(=2/Tc)に等しくなり、サイドローブの帯域幅は1/Tcである。拡散変調される前のPSK信号はビット速度1/Tで変調された普通のPSK信号であるから、その占有帯域幅は2/Tである。従って、拡散変調信号の占有帯域幅をメインローブの帯域幅(=2/Tc)とすると、拡散変調を施すことにより元のPSK変調信号の帯域幅はT/Tc倍に拡大され、エネルギーが拡散される。図19は拡散変調により帯域幅が拡大する状況を示す説明図で、NMは狭帯域変調信号、SMは拡散変調信号である。
【0005】
図20はスペクトラム拡散通信方式における受信機の原理構成図である。5はアンテナ、6は広帯域のバンドパスフィルタであり、必要周波数帯域の信号のみを通過するもの、7は逆拡散回路、8は狭帯域のバンドパスフィルタ、9はPSK復調器等の検波回路である。逆拡散回路7は送信側の拡散回路2と同一の構成を備えており、7aは送信側と同一のPN系列を出力するPN系列発生器、7bはバンドパス6の出力信号にPN系列を乗算する乗算部である。
送られてきた広帯域の受信信号は、送信側の拡散回路と同様の逆拡散回路7を通って元の狭帯域変調信号に戻され、その後、通常の検波回路9を通してベースバンド波形が再生される。逆拡散回路7で狭帯域変調信号が得られる理由は以下の通りである。
【0006】
図21に示すように送信側での狭帯域変調波をa(t)、PN系列をc(t)、送信波形をx(t)とすると、
x(t)=a(t)・c(t)
である。伝送途中での減衰や雑音の影響を無視すると受信側にはx(t)がそのまま到着する。逆拡散回路7で使用するPN系列は前述のように送信側で拡散変調に用いたPN系列とまったく同一の時間波形を有している。従って、逆拡散回路の出力y(t)は次式、
y(t)=x(t)・c(t)=a(t)・c(t)
で与えられ、該出力信号y(t)はバンドパスフィルタ8に入力される。バンドパスフィルタに通すことは積分しているのと同じであり、バンドパス出力は次式
∫y(t)dt=a(t)・∫c(t)
で与えられる。
右辺の積分項は時間ずれを0にした時の自己相関値であり1である。従って、バンドパスフィルタ出力はa(t)となり、狭帯域変調信号が得られる。
【0007】
CDMAはチャネルあるいはユーザ毎に拡散に用いるPN系列(符号)を異ならせて、各チャネルの伝送情報を符号によって多重通信する方法である。図22は2チャネルのCDMAの原理説明図であり、TRは送信機でCH1は第1チャネル、CH2は第2チャネル、CMPは合成部、RV1は第1受信機、RV2は第2受信機である。
【0008】
CDMAのキーポイントは、各チャネルが用いるPN系列の「類似性」にある。PN系列それぞれは疑似ランダムデータなので1周期のうち1チップでも違えば違う系列になるが、ほとんど同一のPN系列を各チャネルで使用すると互いに激しい干渉を起こす。互いに生じる干渉の程度を表わす尺度に「相関値」がある。相関値は2つの波形a(t)とb(t)に対して次の式で定義される。
R=∫a(t)・b(t)dt T:周期
ただし積分はa(t)、b(t)の1周期について行う。a(t)とb(t)がまったく同一の波形のときはR=1に、正負が正反対の波形になっているときはR=−1になる。1周期分をならして見たときにa(t)のある時刻の値とb(t)の同時刻の値に何の関係もないときはR=0になる。
【0009】
相関値Rがゼロであるような組み合わせの2つの波形c(t)とc(t)をPN系列に使ってCDMAを組んで第1の受信機RV1に着目すると、この受信機には第1、第2チャネルCH1,CH2からの信号が到来する。第1受信機RV1において、受信信号をPN系列c(t)で逆拡散すると、逆拡散器のバンドパスフィルタ8から次式
∫{a(t)c(t)c(t)+a(t)c(t)c(t)}dt
で表現される信号が出力される。このうち、
∫{a(t)c(t)c(t)}dt
は、c(t),c(t)の相関値が0なので0になる。また、
∫c(t)c(t)dt
は時間ずれを0とした自己相関値であるから1である。従って、第1受信機RV1のローパスフィルタ8の出力はa(t)となり、c(t)をPN系列に使っている方の信号の影響がまったく現れない。同じことは第2の受信機RV2についてもいえ、また同時接続している通信チャネルが増えても変わらない。
【0010】
移動無線通信において無線基地局は同じタイミングで(同期をとりながら)電波を発射する(PN系列を発生させる)から、上記各PN系列同士で相関値が0となるようにPN系列を選択すれば良い。尚、無線移動局は他の移動局と同じタイミングで電波を発射するわけではないため上記相関値だけでは互いの影響を測ることはできない。従って、単にc(t)とc(t)の相関値を比較するのではなく、c(t)とc(t)とを任意の時間だけずらせた場合について相関値を見る必要がある。
【0011】
図23はnチャネルの送信データを符号多重して伝送するCDMA送信機、例えば、移動無線における基地局装置の従来の構成図である。図中、11〜11nはそれぞれ第1〜第nチャネルの拡散変調部であり、それぞれ、フレーム生成部21、フレームデータを並列データに変換する直列/並列変換部(S/P変換部)22、拡散回路23を備えている。フレーム生成部21は、直列の送信データDを発生する送信データ発生部21a、基地局固有のパイロット信号Pを発生するパッロット信号発生部21b、直列データD(図24参照)を所定ビット数毎にブロック化し、その前後にパイロット信号Pを挿入してフレーム化するフレーム化部21cを備えている。各拡散変調部11〜11nのフレーム生成部21は、同一のタイミングで同一のパイロット信号Pを送信データに挿入している。パイロット信号は、伝送による拡散変調信号の位相回転量を受信機(例えばRake受信機)において認識するためのものである。すなわち、送信パイロット位置と受信パイロット位置より伝送路における拡散変調信号の位相回転量を検出し、該位相回転分、拡散変調信号の位相を戻して逆拡散するために使用する。
【0012】
S/P変換部22は、図24に示すようにフレームデータ(パイロット信号及び送信データ)を1ビットづつ交互に振り分けて同相成分(I成分:In−Phase compornent)データと直交成分(Q成分:Quadrature compornent)データの2系列D,Dに変換する。
拡散回路23は基地局固有のpn系列(ロングコード)を発生するpn系列発生部23a、ユーザ識別用の直交Gold符号(ショートコード)を発生する直交Gold符号発生器23b、pn系列と直交Gold符号の排他的論理和を演算して符号Cを出力するEXOR回路23c、2系列のデータD,Dと符号Cの排他的論理和を演算して拡散変調するEXOR回路23d、23eを備えている。尚、”1”はレベル1、”0”はレベル−1のため、信号同士の排他的論理和は乗算と同じである。
【0013】
図23に戻って、12iは各拡散変調部11〜11nから出力されるI成分の拡散変調信号Vを合成してI成分の符号多重信号ΣVを出力する合成部、12qは各拡散変調部11〜11nから出力されるQ成分の拡散変調信号Vを合成してQ成分の符号多重信号ΣVを出力する合成部、13i,13qは各符号多重信号ΣV,ΣVの帯域を制限するFIR構成のチップ整形フィルタ、14i,14qは各フィルタ13i,13qの出力をDA変換するDAコンバータ、15はI,Q成分の符号多重信号ΣV,ΣVにQPSK直交変調を施して出力する直交変調器、16は直交変調器出力を増幅する電力増幅器、17はアンテナである。
【0014】
直交変調器15において、15aは所定周波数の搬送波cosωtを出力する搬送波発生部、15bは搬送波の位相を90移相して−sinωtを出力する90移相器、15cはDAコンバータ14iの出力信号にcosωtを乗算する乗算部、15dはDAコンバータ14qの出力信号に−sinωtを乗算する乗算部、15eは各乗算器出力を合成する合成部である。
図25は直交Gold符号発生回路23bの構成図であり、23b−1は第1のM系列発生器、23b−2は第2のM系列発生器、23b−3は第1、第2のM系列の排他的論理和を演算する排他的論理和回路、23b−4は排他的論理和回路から出力される系列の末尾に0を付加する0付加部である。
【0015】
第1のM系列発生器23b−1は、6ビットのシフトレジスタSF1、排他的論理和回路EOR1を備え、原始多項式X+X+1の演算によりM系列
A={a,i=0,1,2・・・,N−2}
を発生し、該M系列Aの後に「0」を加えて次式
U=(a,a,a・・・aN−2,0)=(A,0)
で表現される系列長がN=2の系列Uを発生する。第2のM系列発生器23b−2は、6ビットのシフトレジスタSF2、排他的論理和回路EOR2を備え、原始多項式X+X+X+X+1の演算によりM系列
B={b,i=0,1,2・・・,N−2}
を発生し、M系列Bの後に「0」を加えて次式
=(T(b,b,b・・・bN−2),0)=(TB,0)
で表現される系列長がN=2の系列Vを発生する。ここで、TBは系列Bをjだけシフトしたもので、直交Gold符号は系列U,Vから生成され、N個の系列集合で構成される。
【0016】
第1のM系列発生器23b−1は系列Uを生成する(初期値000001)。これに対し第2のM系列発生器23b−2は初期値を’000000’としN−1回シフト演算して系列Vを発生し、排他的論理和回路23b−3は系列U、Vの排他的論理和を演算し、N−1個のデータを出力する。N−1個のデータ出力後、0付加部23b−4でN個目のデータとして’0’を出力し、第1番目の直交符号系列Gを生成する。
次に、第1のM系列発生器23b−1は系列U(初期値000001)を生成し、第2のM系列発生器23b−2は系列Vを生成する。ここで系列Vの初期値は000001から1回づつシフト演算したものを用いる。シフト演算の回数jをj=0〜N−2として同様な操作を行い、N−1個の系列を生成する。この結果、N個の系列集合が得られる。この符号は系列間で直交する特徴を持っている。図26は以上により生成した符号長64の64組の直交Gold符号例であり、最後が0となっている。
【0017】
パイロット同相で、上記直交Gold符号を用いてコード多重(符号多重)した場合のパイロット部の多重信号は扱うデータを{−1、+1}とすると次式
【数1】
Figure 0003564459
のように表せる。ここで右辺について考えると、図27に示すように多重信号の振幅幅は直交Gold符号生成時にN個目のデータとして加えられた0の部分(0は−1レベルに相当)で最大振幅となる。これは、CDMA方式において符号多重信号の振幅(図24の合成部12i,12qの出力)は多重する全チャネルの電圧和となるため、直交Gold符号がオール0またはオール1の時に最大となるからである。。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、パイロット内挿型のCDMA方式では、フレーム毎にパイロット信号が付加され、このパイロット信号をユーザ識別用の直交符号(直交Gold符号)とpn系列で拡散変調する。チャネル数をnとすると、CDMA基地局装置は生成したn個の拡散変調信号をコード多重した後、QPSK直交変調して送信する。かかるCDMA基地局装置において、nチャネル分の拡散変調信号をコード多重すると、パイロット信号が各チャネル共通、また各チャネルのパイロット信号の出力タイミングが等しいことから、拡散変調信号をnコード多重した信号の電力は図28に示すようにパイロット信号部分でピーク値を持ち、該ピーク部分が他局への干渉波となる問題が生じる。
【0019】
一方、電力増幅器はある入力レベルまでは入出力特性が線形であるが、該レベルを越えると非線形になる。図29は電力増幅器のAM−AM特性(入力パワー/ゲイン特性)、図30は電力増幅器のAM−PM特性(入力パワー/位相特性)である。この特性図より明らかなように電力増幅器は、入力パワーが小さいうちはゲイン特性、位相特性がフラットでありその入出力特性は線形であり、位相回転も生じない。しかし、入力パワーがあるレベル以上になるとゲインが小さくなり始めると共に位相遅れが発生し、各特性は非線形になる。電力増幅器では、電力効率を上げて使用することが要求され、入力信号の電力平均レベルを上げる必要がある。しかし、入力信号の電力平均レベルを上げると符号多重信号のピーク値が線形領域を越えて飽和し、図31に示すようにパイロット信号部分でのピーク値がクリップされる。このため、受信側でこの符号多重信号を逆拡散すると、パイロット信号電力が他のデータ電力に比べ少なくなり、パイロットの検出誤りが増大して正しく位相回転量を認識できなくなり、結果的に正しくデータを復調できなくなる。そこで、入力信号の電力平均レベルを下げて使用すると、電力増幅器の電力効率が低下する問題が生じる。
【0020】
以上から、本発明の目的は符号多重信号の同一タイミングにおける同一の信号部分におけるピーク値を小さくできるようにすることである。
本発明の別の目的は、他局への干渉波電力を減小でき、システムの容量を増加できるようにすることである。
本発明の別の目的は電力増幅器を効率良く使用できるようにすることである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の基地局装置の原理説明図である。
511〜51nはそれぞれ第1〜第nチャネルの拡散変調部であり、それぞれ、所定データ数毎に送信データにパイロット信号を挿入してフレーム信号を生成するフレーム生成部61、拡散符号を発生する拡散符号発生器63、拡散符号によりフレーム信号を拡散変調する拡散変調器64、拡散変調信号の信号点位置ベクトルをチャネル毎に所定角度移相する移相器65を備えている。52は各チャネルの拡散変調信号を多重する符号多重信号生成器、55はPSK等の狭帯域変調器、56は送信電力増幅器、57はアンテナである。
【0022】
各チャネルの拡散変調信号の信号点位置ベクトルを移相しないと、パイロット信号が各チャネル共通であり、また各チャネルのパイロット信号の出力タイミングが等しいため、各チャネルの拡散変調信号を符号多重した信号(符号多重信号生成器52の出力信号)の電力はパイロット信号部分でピーク値を持ち、該ピーク部分が他局への干渉波となり、また、電力増幅器の電力効率を低下させる。
【0023】
そこで、各チャネルの拡散変調部における移相器65は拡散変調信号の信号点位置ベクトルの位相をチャネル毎に所定角度移相する。例えば、第iチャネルの移相器65は、チャネル数をNとするとき、第iチャネルの移相量θを360・i/Nとし、該移相量θ分だけ信号点位置ベクトルを移相する。あるいは、各チャネルの移相器65は、拡散符号に対応して移相量を記憶しておき、拡散変調に使用する拡散符号に応じた移相量を求め、該移相量分だけ信号点位置ベクトルを回転する。このようにすれば、各チャネルの拡散変調部から出力される拡散変調信号のパイロット信号部分の位相がずれて分散し、符号多重信号のピーク値を抑えることが可能になり、干渉波電力を小さくでき、しかも、送信電力増幅器の電力効率を向上することができる。この場合、送信データ及びパイロット信号の全てについて拡散変調信号の信号点位置ベクトルの位相を所定角度移相しても良いし、パイロット信号についてのみ拡散変調信号の信号点位置ベクトルの移相を所定角度移相しても良い。
また、QPSK拡散変調する場合、移相量を0,π/2,π,3π/2のいずれかとする。具体的には、m=mod (i,4)(mはiを4で割ったときの余り)とするとき、(m・π/2)を第iチャネルの位相量とする。このようにすれば、移相制御を簡単に行うことができる。
【0024】
ところで、移相量を受信機に通知しないと、受信機は正しくデータを復調することができない。そこで、各チャネルの移相量を制御チャネルにより、あるいは、移相量通知専用チャネルにより受信機側に通知する。また、フレームに前記移相量データを挿入し、送信データと共に受信機側に送信する。
また、フレーム信号を1ビットづつ交互に振り分けてI成分データとQ成分データに変換し、拡散符号によりI成分データとQ成分データをそれぞれ拡散変調し、各チャネルの拡散変調信号をI成分及びQ成分毎に多重し、I成分及びQ成分の符号多重信号を直交変調して送信する場合には各チャネルの拡散変調器と符号多重信号生成器間に移相器を設け、該移相器により拡散変調信号のI,Q直交座標系における信号点位置ベクトルをチャネル毎に所定角度移相する。この場合、チャネル数をNとするとき、第iチャネルの移相量θを360・i/Nとし、信号点位置ベクトルの位相を移相する。あるいは、m=mod (i,4)(mはiを4で割ったときの余り)とするとき、m・π/2を第iチャネルの移相量とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
(A)第1実施例
図2は本発明の第1実施例に係わる符号多重送信機、例えば、移動無線における基地局装置の構成図であり、狭帯域変調としてQPSK変調を適用した場合の実施例である。
図中、51〜51nはそれぞれ第1〜第nチャネルの拡散変調部であり、それぞれ、所定データ数毎にパイロット信号Pを挿入してフレーム信号を生成するフレーム生成部61、フレームデータを並列データに変換する直列/並列変換部(S/P変換部)62、拡散符号Ci(i=1,2・・・n)を発生する拡散符号発生器63、拡散符号Ciによりフレーム信号を拡散変調する拡散回路64、拡散変調信号の信号点位置ベクトルをチャネル毎に所定角度θ移相する移相器65を備えている。
【0026】
フレーム生成部61は、直列の送信データDi(i=1,2,・・・n)を発生する送信データ発生部61a、基地局固有のパイロット信号Pを発生するパイロット信号発生部61b、直列データDを所定ビット数毎にブロック化し、その前後にパイロット信号Pを挿入してフレーム化するフレーム化部61cを備えている。各拡散変調部51〜51nのフレーム生成部61は、同一のタイミングで同一のパイロット信号Pを送信データに挿入する。
【0027】
S/P変換部62はフレームデータ(パイロット信号及び送信データ)を1ビットづつ交互に振り分けて同相成分(I成分:In−Phase component)データと直交成分(Q成分:Quadrature component)データの2系列D,Dに変換する。拡散符号発生器63は基地局固有のpn系列(ロングコード)を発生するpn系列発生部63a、ユーザ識別用の直交Gold符号(ショートコード)を発生する直交Gold符号発生器63b、pn系列と直交Gold符号の排他的論理和を演算して符号Ci(i=1,2,・・・n)を出力するEXOR回路63cを有している。拡散回路64は、I成分及びQ成分の2系列のデータD,Dと符号Cの排他的論理和を演算して拡散変調するEXOR回路64a、64bを備えている。尚、”1”はレベル1、”0”はレベル−1のため、信号同士の排他的論理和は乗算と同じである。
【0028】
移相器65は、拡散変調信号の信号点位置ベクトルをチャネル毎に所定角度θ移相するものである。I成分、Q成分の拡散変調信号V,VはI−jQ複素平面上にプロットすると、図3に示すようになり、その合成ベクトルが拡散変調信号の信号点位置ベクトルVとなる。
符号多重信号のピークは拡散されたパイロットシンボルを多重化する部分で生じる。そこで、各チャネルの拡散変調信号の信号点位置ベクトルを図4に示すように0,π/2,π,3π/2のいずれかの角度回転(移相)して、各チャネルにおけるパイロット信号の信号点位置を分散する。具体的には、Nチャネルのうち、第iチャネルの移相量θを次式
θ=π/2・mod(i,4) (1)
で求め、該移相量θだけ拡散変調信号の信号点位置ベクトルを回転する。ただし、mod(i,4)はiを4で割ったときの余りである。(1)式より、第0チャネルの移相量は0、第1チャネルの移相量はπ/2、第2チャネルの移相量はπ、第3チャネルの移相量は3π/2,・・・となる。
【0029】
移相器65において、65aは(1)式の演算により第iチャネルの移相量θを演算する位相制御部、65b,65cは次式
′=V・cosθ−V・sinθ (2)
′=V・sinθ+V・cosθ (3)
によりθ回転した後の信号点位置ベクトルV′のI,Q成分(シンボル)V′,V′を演算する演算部である。
図5に示すように、QPSK変調におけるシンボル(00)を第1象限、シンボル(10)を第2象限、シンボル(11)を第3象限、シンボル(01)を第4象限とし、1を+1レベル、0を−1レベルと表現して(2), (3)式の演算を行うと、移相量0,π/2,π,3π/2回転した後のシンボル(V′,V′)は図6に示すようになる。ただし、カッコ内数値はレベルである。従って、(2),(3)式の演算をせず、図6に示す移相量毎に回転前のシンボル(V,V)と回転後のシンボル(V′,V′)の対応表を記憶しておき、該対応表より移相後の信号点位置ベクトルV′のI,Q成分V′,V′を求めるようにすることもできる。
【0030】
図2に戻って、52iは各拡散変調部51〜51nから出力されるI成分の拡散変調信号を合成してI成分の符号多重信号ΣV′を出力する合成部、52qは各拡散変調部51〜51nから出力されるQ成分の拡散変調信号を合成してQ成分の符号多重信号ΣV′を出力する合成部、53i,53qは各符号多重信号ΣV′,ΣV′の帯域を制限するFIR構成のチップ整形フィルタ、54i,54qは各フィルタ53i,53qの出力をDA変換するDAコンバータ、55はI,Q成分の符号多重信号ΣV′,ΣV′にQPSK直交変調を施して出力する直交変調器、56は直交変調器出力を増幅する送信電力増幅器、57はアンテナである。直交変調器55において、55aは所定周波数の搬送波cosωtを出力する搬送波発生部、55bは搬送波の位相を90移相して−sinωtを出力する90移相器、55cはDAコンバータ54iの出力信号にcosωtを乗算する乗算部、55dはDAコンバータ54qの出力信号に−sinωtを乗算する乗算部、55eは各乗算器出力を合成する合成部である。
【0031】
第1実施例によれば、各チャネルの移相器65により拡散変調信号の信号点位置ベクトルを(1)式で与えられる角度0,π/2,π,3π/2移相するようにしたから、パイロット信号部分が4つに分散される。このため、符号多重信号のパイロット信号部分におけるピーク値を小さくでき、他局への干渉波電力を減小でき、システムの容量を増加できるようになる。また、符号多重信号のピーク値を小さくできるため、送信電力増幅器56の入力信号の平均電力を大きくでき、電力増幅器を効率良く使用することができる。
【0032】
以上では、移相量を(1)式で与えられる角度0,π/2,π,3π/2とし、符号多重信号のパイロット信号部分を4つに分散した場合であるが、パイロット信号部分をN個に分散してピークの抑圧効果を更に高めるようにすることもできる。すなわち、移相器65の位相制御部65aはチャネル数をNとするとき、第iチャネル(第iユーザ)の移相量θを次式
θ=360・i/N (i=0,1,・・・N) (4)
により演算し、演算部65b,65cにおいて(2),(3)式の演算を実行して信号点位置ベクトルを回転(移相)する。このようにすれば、各チャネルにおける移相量を異ならせることができるため、符号多重信号のパイロット信号部分をN個に分散でき、パイロット信号部分における符号多重信号のピーク値を十分に抑圧することができる。
【0033】
図7はパイロットシンボルが00の場合における各チャネルのパイロットシンボル位置の説明図であり、(a)は従来の移相制御を行わない場合のパイロットシンボル位置説明図、(b)は本発明により(4) 式で与えられる角度の移相を行った場合の各チャネルのパイロットシンボル位置説明である。従来方式では、パイロットシンボル位置が重なっており、符号多重信号のパイロット信号部分で大きなピークが発生する。本発明ではパイロットシンボル位置が重ならないため、パイロット信号部分で大きなピークは生じない。
【0034】
(B)第2実施例
図8は本発明の第2実施例に係わる符号多重送信機の構成図であり、狭帯域変調としてQPSK変調を適用した場合の実施例であり、図2の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。
第1実施例では、符号多重信号における送信データ及びパイロット信号の全ての信号点位置ベクトルの位相を回転した場合であるが、第2実施例ではパイロット信号の信号点位置ベクトルのみの位相を回転する。
図8において、図2の第1実施例と異なる点は、
▲1▼パイロット発生器61bより移相器65にパイロット期間を示すパイロット位置信号PPSを入力している点、
▲2▼移相器65はパイロット位置信号PPSがハイレベルの時のみ位相回転制御を行って、パイロットシンボル(パイロット信号点位置ベクトル)を(1)〜(3)式により位相回転している点である。
【0035】
図9は位相制御値(移相量)の説明図であり、拡散変調信号のパイロット信号部分のみ(1)式で示す角度分(0,π/2,π,3π/2)、位相回転制御を行い、データ部分では位相回転制御しないことを示している。
以上では、移相量を(1)式で与えられる角度0,π/2,π,3π/2とし、符号多重信号のパイロット信号部分を4つに分散する場合であるが、パイロット信号部分をN個に分散してピークの抑圧効果を更に高めるようにすることもできる。すなわち、移相器65の位相制御部65aはチャネル数をNとするとき、第iチャネル(第iユーザ)の移相量θを(4)式により演算し、演算部65b,65cにおいて(2),(3)式の演算を実行して拡散変調信号のパイロット信号部分のみ信号点位置ベクトルを回転(移相)する。
【0036】
図10は位相制御値(移相量)の説明図であり、拡散変調信号のパイロット信号部分のみ (4)式で示す角度分θ〜θN−1だけ位相回転制御を行い、データ部分では位相回転制御しないことを示している。
図11はパイロットシンボルが00の場合における各チャネルのパイロットシンボル位置の説明図であり、(a)は従来の移相制御を行わない場合のパイロットシンボル位置説明図、(b)は本発明により(4)式で与えられる角度の移相制御を行った場合の各チャネルのパイロットシンボル位置説明である。従来方式では、パイロットシンボル位置が重なっており、符号多重信号のパイロット信号部分で大きなピークが生じる。本発明ではパイロット位置が重ならないため、パイロット信号部分で大きなピークは生じない。
以上のようにすれば、各チャネルにおける移相量を異ならせることができるため、符号多重信号のパイロット信号部分をN個に分散でき、パイロット信号部分における符号多重信号のピーク値を十分に抑圧することができる。
【0037】
(C)第3実施例
第1、第2実施例では、移相量を(1)式あるいは(4)式に基づいて計算したが、第3実施例では直交Gold符号(ショートコード)に移相量を1:1に対応させておき、拡散変調に使用する直交Gold符号に応じた移相量を求め、該移相量分、信号点位置ベクトルの位相を移相するようにしている。
図12は本発明の第3実施例に係わる符号多重送信機の構成図であり、図2の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。図12において、図2の第1実施例と異なる点は、
▲1▼パイロット位相情報記憶テーブル66を設け、該テーブルに直交Gold符号識別番号とパイロット移相量θの対応を記憶している点、
▲2▼移相器65が該テーブルより拡散変調に使用する直交Gold符号に応じた移相量を求め、該移相量分信号点位置ベクトルを回転制御する点である。
【0038】
直交Gold符号数をMとすれば、第i番目の直交Gold符号に対応する移相量θは次式で
θ=(i−1)・2π/M (5)
で与えられる。従って、位相制御部65aはテーブルを用いず(5)式を演算して移相量θを決定することもできる。
この第3実施例によれば、ユーザ識別用の直交Gold符号に応じて移相量を決定するため、ユーザに直交Gold符号を通知するだけで良く、別途移相量を通知する必要がなく移相量通知制御を省略することができる。
【0039】
(D)第4実施例
送信機側で信号点位置ベクトルを回転(シンボル位置を移相)した場合には、移相量を受信機側に認識させないと正確にパイロットを検出できず、また、正確なデータ再生を行うことができない。そこで、第4実施例では移相量を受信機に通知できるように構成している。
図13は移相量通知手段を備えた本発明に係わる第4実施例の符号多重送信装置の構成図であり、図2の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。71は制御チャネル用拡散変調部、81は移動局(MS)である。
【0040】
制御チャネル用拡散変調部71は、制御情報生成部71a、パイロット発生器71b、フレーム化部71c、S/P変換部71d、制御チャネル用の既知の直交Gold符号を発生する直交Gold符号発生器71e、拡散回路71fを備えている。制御情報生成部71aは、▲1▼各チャネル(ユーザ)において使用する直交Gold符号を特定する番号、▲2▼各チャネルにおける移相量θ等の制御情報を収集、生成する。フレーム化部71cは制御データを所定ビット数毎にブロック化し、その前後にパイロット信号Pを挿入してフレーム化する。S/P変換部71dはフレームデータ(パイロット信号及び制御データ)を1ビットづつ交互に振り分けてI成分(In−Phase compornent)データとQ成分(Quadrature compornent)データの2系列D′,D′に変換する。拡散回路71fの排他的論理和回路71f,71fは、I成分及びQ成分の2系列のデータD′,D′と直交Gold符号の排他的論理和を演算して拡散変調する。
【0041】
第4実施例によれば、1つのチャネルを制御チャネルとして使用し、該制御チャネルを用いてユーザ識別用の直交Gold符号識別番号や各ユーザチャネルにおける移相量θ等の制御情報を受信機側に送信する。
制御チャネルにおいて使用する直交Gold符号とフレーム内に内挿されたパイロット信号は移動局(端末側)81において既知であるから、移動局はこの既知な直交Gold符号を用いてパイロットを検出し、制御チャネルにおける拡散変調信号の伝送路における位相回転量θを求め、以後、その分(=θ)受信拡散変調信号の位相を戻して逆拡散し、データを復調する。これにより、移動局81は制御チャネルからユーザ識別用の直交Gold符号識別番号及び位相回転情報(移相量)を求めることができる。
しかる後、移動局81は基地局から送信されてくる符号多重信号に対してQPSK復調処理を施し、復調された拡散変調信号のI,Q成分(信号点位置ベクトル)を、制御チャネルを介して通知された移相量分だけ逆方向に回転して元に戻し、逆拡散を行ってパイロット信号、送信データを復調する。
【0042】
尚、第2実施例のように送信機側でパイロット信号部分のみの位相回転を行った場合には、受信機側でパイロット信号部分の信号点位置ベクトルのみを通知された移相量分逆方向に回転して元に戻し、逆拡散を行ってパイロット信号、送信データを復調する。
位相情報を移動局側に伝える方法としては、制御チャネルとは別に位相情報通知用の専用チャネルを別途用意し、該チャネルを介して位相情報を通知することもできる。
【0043】
(E)第5実施例
第4実施例では、制御チャネルあるいは位相情報通知用の専用チャネルを介して移相量を受信機に通知しているが、第5実施例では位相情報を符号多重信号とは別の周波数で移動局側に報知する。
図14はかかる第5実施例の構成図であり、図2の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。
【0044】
91は位相情報通知用送信部、81は移動局(MS)である。位相情報通知用送信部91において、92は拡散変調部、93i,93qはチップ整形フィルタ、94i,94qはDAコンバータ、95はQPSK直交変調器であり、直交変調器55と異なる周波数のcosωt、sinωtを用いて直交変調するもの、96は送信電力増幅器、97はアンテナである。拡散変調部92は、位相情報生成部91a、パイロット発生器91b、フレーム化部91c、S/P変換部91d、既知の直交Gold符号を発生する直交Gold符号発生器91e、拡散回路91fを備えている。位相情報生成部91aは、各チャネル(ユーザ)における移相量θiを収集して位相情報を生成する。フレーム化部91cは位相情報を所定ビット数毎にブロック化し、その前後にパイロット信号Pを挿入してフレーム化する。S/P変換部91dはフレームデータ(パイロット信号及び位相情報)を1ビットづつ交互に振り分けてI成分(In−Phase compornent)データとQ成分(Quadrature compornent)データの2系列D′,D′に変換する。拡散回路91fの排他的論理和回路91f,91fは、I成分及びQ成分の2系列のデータD′,D′と直交Gold符号の排他的論理和を演算して拡散変調する。
【0045】
位相情報通知用の周波数、位相情報通知に使用する直交Gold符号、フレーム内に内挿されるパイロット信号は移動局(端末側)81において既知であるから、移動局はこの既知な位相情報通知周波数帯域より位相情報(移相量)を求める。しかる後、移動局81は受信帯域を符号多重信号帯域に切り替え、基地局から送信されてくる符号多重信号に対してQPSK復調処理を施し、復調された拡散変調信号のI,Q成分(信号点位置ベクトル)を上記求めた移相量分だけ逆方向に回転して元に戻し、逆拡散を行ってパイロット信号、送信データを復調する。
【0046】
(F)第6実施例
第4実施例では制御チャネルあるいは位相情報通知用の専用チャネルを介して移相量を受信機に通知しているが、第6実施例では各チャネルの位相情報(移相量)をフレームに内挿し、パイロット信号、送信データと共に送信する。
図15は第6実施例の構成図であり、図2の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。第1実施例と異なる点は、
▲1▼フレーム生成部61内に位相情報発生部61dを設けている点、
▲2▼移相器65より移相量θiを位相情報発生部61dに入力している点、
▲3▼フレーム化部61cは直列の送信データを所定ビット数毎にブロック化し、その前後にパイロット信号Pを挿入すると共に、パイロット信号の後に位相情報を挿入してフレーム化する点である。
【0047】
最初、基地局は拡散変調信号の信号点位置ベクトルを回転しないで(移相制御しないで)送信する。移動局81は基地局と移動局間の同期を確立し、しかる後、フレーム内の位相情報(移相量)を検出し、以後、復調した拡散変調信号のI,Q成分(信号点位置ベクトル)を検出した移相量分だけ逆方向に回転する。一方、基地局の移相器65は移動局が移相量を検出したタイミングを見計らって拡散変調信号の信号点位置ベクトルを移相量分回転し、直交変調器55は符号多重信号をQPSK変調して送信する。この結果、以後、移動局は復調した拡散変調信号のI,Q成分(信号点位置ベクトル)を検出した移相量分逆方向に回転して元に戻し、逆拡散を行ってパイロット信号、送信データを復調できる。
第6実施例によれば、位相情報を検出するまでは移相制御を行わないが、位相情報検出後は移相制御を行って符号多重信号のピークを抑えることができる。
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除するものではない。
【0048】
【発明の効果】
以上本発明によれば、拡散変調信号の信号点位置ベクトルの位相をチャネル毎に所定角度移相するように構成したから、各チャネルのフレーム生成部より同一のパイロットが同一タイミングで発生しても、各チャネルの拡散変調部から出力される拡散変調信号のパイロット信号部分の位相がずれて分散し、符号多重信号のピーク値を抑えることが可能になり、干渉波電力を小さくでき、しかも、送信電力増幅器の電力効率を向上することができる。
また、本発明によれば、QPSK拡散変調の場合、移相量を0,π/2、π、3π/2とするようにしたから、移相制御を簡単に行うことができる。
また、本発明によれば、第iチャネルの移相量θiをi・2π/Nとすることにより、各チャネルにおける移相量を異なるようにしたから、符号多重信号のパイロット信号部分が分散しピーク値の抑圧量を大きくすることができる。
【0049】
また、本発明によれば、各チャネルの移相量を制御チャネルにより、あるいは、移相量通知専用チャネルにより受信機側に通知するようにしたから、受信機は正しくパイロットシンボル、データシンボルを復調することができる。
また、本発明によれば、フレームに移相量を通知するデータを挿入して送信データと共に受信機側に送信するようにしたから、簡単な制御で移相量データを受信機側に通知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の第1実施例の符号多重送信機の構成図である。
【図3】拡散変調信号の信号点位置ベクトル説明図である。
【図4】移相量説明図である。
【図5】QPSKのシンボル位置説明図である。
【図6】移相後のシンボル値(V′,V′)説明図である。
【図7】移相量を2π・i/Nとしたときのパイロットシンボル位置説明図である。
【図8】本発明の第2実施例の符号多重送信機の構成図である。
【図9】移相制御値(移相量)の説明図である。
【図10】移相制御値(移相量)の説明図である。
【図11】移相量を2π・i/Nとしたときのパイロットシンボル位置説明図である。
【図12】本発明の第3実施例の符号多重送信機の構成図である。
【図13】本発明の第4実施例の符号多重送信機の構成図である。
【図14】本発明の第5実施例の符号多重送信機の構成図である。
【図15】本発明の第6実施例の符号多重送信機の構成図である。
【図16】送信機の原理構成図である。
【図17】送信データとPN系列の時間波形説明図である。
【図18】拡散変調信号のスペクトラム分布説明図である。
【図19】拡散率説明図である。
【図20】受信機の原理構成図である。
【図21】逆拡散の説明図である。
【図22】CDMAの原理説明図である。
【図23】従来のCDMA送信機の構成図である。
【図24】フレーム説明図である。
【図25】直交Gold符号発生回路の構成図である。
【図26】直交Gold符号説明図である。
【図27】直交符号を多重化したときの振幅説明図である。
【図28】従来方式を用いた時の多重信号の出力電力説明図である。
【図29】アンプのAM−AM特性図である。
【図30】アンプのAM−PM特性図である。
【図31】送信アンプの出力電力及び逆拡散後送信電力の説明図である。
【符号の説明】
51〜51n・・第1〜第nチャネルの拡散変調部
52・・符号多重信号生成器
55・・PSK等の狭帯域変調器
56・・送信電力増幅器
57・・アンテナ
61・・フレーム生成部
63・・拡散符号発生器
64・・拡散変調器
65・・移相器

Claims (12)

  1. 基地局と複数の移動局を有するスペクトラム拡散無線通信システムの基地局であって、
    個々の移動局宛ての信号それぞれについて拡散する拡散手段と、
    該拡散された個々の移動局宛ての信号を、移動局毎所定移相量移相する移相手段と、
    該拡散され、移相された個々の移動局宛ての信号を合成する合成手段と、
    該合成された信号を変調する変調手段と
    を有することを特徴とする基地局。
  2. 基地局と複数の移動局を有するスペクトラム拡散無線通信システムの基地局であって、
    個々の移動局宛ての信号をそれぞれ拡散する拡散手段と、
    該拡散された個々の移動局宛ての信号について、個々の移動局毎に0,π/2,π,3π/2のいずれかの移相量を移相する移相手段と、
    該拡散され、移相された個々の移動局宛ての信号を合成する合成手段と、
    該合成された信号を変調する変調手段と
    を有することを特徴とする基地局。
  3. 基地局と複数の移動局を有するスペクトラム拡散無線通信システムの基地局であって、
    個々の移動局宛ての信号をそれぞれ拡散する拡散手段と、
    該拡散された個々の移動局宛ての信号について、個々の移動局毎に360°/N(Nは2以上の自然数)づつ移相する移相手段と、
    該拡散され、移相された個々の移動局宛ての信号を合成する合成手段と、
    該合成された信号を変調する変調手段と
    を有することを特徴とする基地局。
  4. 基地局と複数の移動局を有するスペクトラム拡散無線通信システムの基地局であって、
    個々の移動局宛てのパイロットが挿入された個々の移動局宛ての信号をそれぞれ拡散する拡散手段と、
    該拡散された個々の移動局宛ての信号に挿入されているパイロットを移動局毎所定移相量移相する移相手段と、
    該拡散され、移相された個々の移動局宛てのパイロットが挿入された個々の移動局宛ての信号を合成する合成手段と、
    該合成された信号を変調する変調手段と
    を有することを特徴とする基地局。
  5. 基地局と複数の移動局を有するスペクトラム拡散無線通信システムであって、
    個々の移動局宛ての信号それぞれについて拡散する拡散手段と、
    該拡散された個々の移動局宛ての信号にそれぞれ付与する所定の移相量を発生する移相量発生手段と、
    該所定の移相量に基づき、該拡散された個々の移動局宛ての信号を移相する移相手段と、
    該拡散され、移相された個々の移動局宛ての信号を合成する合成手段と、
    該合成された信号を変調する変調手段と
    を有することを特徴とするスペクトラム拡散無線通信システム。
  6. 基地局と複数の移動局を有するスペクトラム拡散無線通信システムであって、
    個々の移動局宛ての信号それぞれについて拡散する拡散手段と、
    該拡散された個々の移動局宛ての信号にそれぞれ付与する所定の移相量を発生する移相量発生手段と、
    該所定の移相量に基づき、該拡散された個々の移動局宛ての信号を移相する移相手段と、
    該拡散され、移相された個々の移動局宛ての信号を合成する合成手段と、
    該合成された信号を変調する変調手段と、
    該所定の移相量を制御チャネルを介して受信側へ通知する移相量通知手段と
    を有することを特徴とするスペクトラム拡散無線通信システム。
  7. 基地局と複数の移動局を有するスペクトラム拡散無線通信システムであって、
    個々の移動局宛ての信号それぞれについて拡散する拡散手段と、
    該拡散された個々の移動局宛ての信号にそれぞれ付与する所定の移相量を発生する移相量発生手段と、
    該所定の移相量に基づき、該拡散された個々の移動局宛ての信号を移相する移相手段と、
    該拡散され、移相された個々の移動局宛ての信号を合成する合成手段と、
    該合成された信号を変調する変調手段と、
    該所定の移相量を送信データとともに受信側へ通知する移相量通知手段と
    を有することを特徴とするスペクトラム拡散無線通信システム。
  8. 基地局と複数の移動局を有するスペクトラム拡散無線通信システムの基地局の送信方法であって、
    個々の移動局宛ての信号それぞれについて拡散し、
    該拡散された個々の移動局宛ての信号を、移動局毎所定移相量移相し、
    該拡散され、移相された個々の移動局宛ての信号を合成し、
    該合成された信号を変調すること
    を特徴とする基地局の送信方法。
  9. 基地局と複数の移動局を有するスペクトラム拡散無線通信システムの基地局の送信方法であって、
    個々の移動局宛てのパイロットが挿入された個々の移動局宛ての信号をそれぞれ拡散し、
    該拡散された個々の移動局宛ての信号に挿入されているパイロットを移動局毎所定移相量移相し、
    該拡散され、移相された個々の移動局宛てのパイロットが挿入された個々の移動局宛ての信号を合成し、
    該合成された信号を変調する
    ことを特徴とする基地局の送信方法。
  10. 基地局と複数の移動局を有するスペクトラム拡散無線通信システムの基地局であって、
    個々の移動局宛ての信号それぞれについて拡散する拡散手段と、
    該拡散された個々の移動局宛ての信号、又は個々のチャネルの信号を、移動局毎に個別の移相量移相する移相手段と、
    該拡散され、移相された個々の移動局宛ての信号を合成する合成手段と、
    該合成された信号を変調する変調手段と
    を有することを特徴とする基地局。
  11. 基地局と複数の移動局を有するスペクトラム拡散無線通信システムであって、
    個々の移動局宛ての信号それぞれについて拡散する拡散手段と、
    該拡散された個々の移動局宛ての信号、又は個々のチャネルの信号にそれぞれ付与する個別の移相量を発生する移相量発生手段と、
    該移相量に基づき、該拡散された個々の移動局宛ての信号を移相する移相手段と、
    該拡散され、移相された個々の移動局宛ての信号を合成する合成手段と、
    該合成された信号を変調する変調手段と
    を有することを特徴とするスペクトラム拡散無線通信システム。
  12. 基地局と複数の移動局を有するスペクトラム拡散無線通信システムの基地局の送信方法であって、
    個々の移動局宛ての信号それぞれについて拡散し、
    該拡散された個々の移動局宛ての信号を、移動局毎又はチャネル毎に個別の相量移相し、
    該拡散され、移相された個々の移動局宛ての信号を合成し、
    該合成された信号を変調すること
    を特徴とする基地局の送信方法。
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