JP3561794B2 - 超軟弱地盤の地盤改良方法。 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超軟弱地盤の地盤改良方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超軟弱地盤の地盤を改良し、あるいは仮設道路を構築する際に、地盤の上にネットを敷設し、その上に砂を撒き出す工法が利用されている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
前記した従来の方法にあっては、次のような問題点がある。
<イ>撒き出し砂の重量によってネットが集中的に沈下するので、砂の投入も一部に偏ってしまいやすい。するとネットの一部に重量が集中するのでネットが破損して砂が軟弱地盤中に拡散し、目的を達成できないと場合があった。
<ロ>ネットが破損しないまでも、沈下量が大きいためにネットの上に撒き出す砂の量が一定せずに不均一となりやすい。そのために、不等沈下が発生する可能性があった。
【0004】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、超軟弱地盤においても、ネットを破損することなく、均一な土砂の撒き出しが可能な、超軟弱地盤の地盤改良方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の超軟弱地盤の地盤改良方法は、超軟弱地盤の周囲に締切りを設けて、該締切り内部に水を張り、水張りを利用してネットを運搬し、前記締切りの対岸に亘る地盤改良の予定区域下の両側に、帯状に道路下ネットを敷設し、該道路下ネットの上に沿って敷砂して道路下砂層を形成し、張り水を排水し、前記道路下砂層の上面を利用して、鉛直方向に短尺ドレーンを打設し、前記道路下砂層の上に山土などを撒き出して仮設道路を構築し、前記締切りと前記仮設道路とで仕切られた範囲に再度注水を行って、この仕切られた範囲に面敷設ネットを敷設し、該面敷設ネットの上に砂を散布して道路間砂層を形成し、張り水を排水して前記道路間砂層の上に山土などの撒き出しを行い、長尺ドレーンを打設して、前記仮設道路間の広い範囲を改良する、ことを特徴としたものである。
【0006】
【本発明の実施の態様】
以下図面を参照しながら本発明の超軟弱地盤における仮設道路の構築方法の実施例について説明する。
【0007】
<イ>水張り。(図1)
超軟弱地盤の周囲に締切り1を設ける。超軟弱地盤の周囲に自然の堤防や護岸が存在すればそれを利用できる。そして周囲を締切り1で包囲した地域の内部に水を注水して水張りを行う。
この水張りの水深はその後の作業用フロートなどの移動が可能な深さを確保する。
【0008】
<ロ>道路下ネットの敷設。(図2)
水張りした範囲にフロートを浮かべ、そのフロート上にネットを搭載する。
そしてフロートを対岸の締切り1側からウインチなどで引き寄せ、フロートの移動にしたがって道路下ネット2を引き出して帯状に敷設して行く。
こうして、道路下ネット2が仮設道路の予定区域の下に、道路幅よりも多少広い余裕幅を持って展開される。
【0009】
<ハ>道路下砂の散布。(図3)
帯状に敷設した道路下ネット2の上に沿って砂を散布し、道路下砂層3を形成する。この砂層3は水とともに撒き出して簡単に施工することができる。
この砂層3はサンドマットとしての役目を持っており、将来荷重を載荷することによって絞り出てきた水の、水平通路としての機能を果たす。
砂層3の撒き出し幅は、後述する短尺ドレーンの打設位置よりも広めに撒き出す。これは打設機械の安定のためである。砂層3の厚さは50〜100cm程度でよい。
【0010】
<ニ>排水。(図4)
次に、締切り1の内部に張った水を排水する。
これはポンプによって行うことができる。この排水によって、撒き出した道路下砂層3の砂が効率よく締まり、次の工程では安定した足場として利用できることになる。
【0011】
<ホ>短尺ドレーンの打設。(図5)
こうして構築した道路下砂層3の上面を利用して、短尺ドレーン4の打設装置を搬入する。この打設装置から道路下ネット2を貫通して超軟弱地盤内に鉛直方向に向けて5〜7mの短尺ドレーン4を打設する。この程度の長さのドレーンであるから、軽量の打設装置によって行うことができる。
打設間隔は圧密計算によるが、1.2〜1.6mピッチが適当である。
【0012】
<ヘ>山土などの撒き出し。(図6)
鉛直方向のドレーンの打設と、道路下砂層3の荷重により、地盤中の水が絞り出される。そのために、ドレーン4打設範囲の周辺の沈下が始まる。
この沈下にともない、小型の特殊運搬車などによって50cm程度の厚さで山土を撒き出す。一定の厚さの山土5の層を形成することによって仮設道路6の基礎がさらに安定する。したがって、その後はダンプトラックを使って1m程度の厚さまで砂を迅速の撒き出すことができる。
こうして仮設道路6が完成する。この仮設道路6は残された超軟弱地盤の改良のための土砂版有用の足場として利用できるだけでなく、埋め立て地盤の側方移動、滑り抵抗の役目を果たす。
【0013】
<ト>仮設道路間への水張り。(図7)
締切り1間に構築された仮設道路6は、地盤改良地域に縦横に設けた仕切りとなる。そこで仮設道路6で仕切られた範囲に再度注水して水張りを行う。
この水張りも水深50cm程度として、作業用のフロートの移動が可能な深さを確保する。
【0014】
<チ>仮設道路間へのネット敷設。(図8)
水張りした範囲にフロートを浮かべ、そのフロート上に面敷設ネット7を搭載する。そしてフロートを対岸の仮設道路6側からウインチなどで引き寄せ、フロートの移動にしたがって面敷設ネット7を引き出して敷設して行く。
この面敷設ネット7は、先行して敷設した道路下ネット2の余裕部分と10m程度は重ね合わせて敷設する。
【0015】
<リ>仮設道路間への砂の撒き出し。(図9)
仮設道路6間の範囲に面状に敷設した面敷設ネット7の上に砂を散布して道路間砂層8を形成する。この砂層8も水とともに撒き出すことによって簡単に施工することができる。
この砂層8はサンドマットとしての役目を持っており、将来荷重を載荷することによって絞り出す水の水平通路としての機能を果たす。
【0016】
<ヌ>仮設道路間の排水。(図10)
次に、仮設道路6間に張った水を排水する。
これはポンプによって行うことができる。この排水によって、撒き出した道路間砂層8の砂を効率よく締めることができる。
【0017】
<ル>仮設道路間への山土などの撒き出し。(図11)
仮設道路6間への50cm程度の厚さで山土9などの撒き出しを行う。
この撒き出しは仮設道路6を利用して行う。仮設道路6は縦横に設けてあるから、道路6側から小型のキャリアなどによって簡単に行うことができる。
一定の厚さの山土の層9を形成することによって仮設道路6の間の広い範囲の地域の安定を計ることができる。
したがって、その後は大型の本格的な打設装置を搬入して長尺のドレーン10を打設することができる。(図12)
こうして最初に造成した仮設道路6を利用して、仮設道路6間の広い範囲を確実に改良してゆくことができる。
【0018】
【本発明の効果】
本発明の超軟弱地盤における仮設道路の構築方法は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>従来は超軟弱地盤ではネットを敷設してもその上に直接砂を撒き出すことは、荷重が集中してネットが破損する可能性が高く困難であった。
そこで本発明の方法では、まず水張りの状態で敷砂を行い、その後の排水によって敷砂を締め固める方法を採用し、その場合の強度も、小形ドレーン打設機が設置できる程度に設定した。
そのために対応の難しい超軟弱地盤も、簡易な作業によって段階的に改良することができるようになった。
<ロ>仮設の段階で、小形の打設機によって短尺ドレーンを打設する。そのために根入れの確保された粘り気のある仮設道路を簡単に構築することができる。
<ハ>仮設道路を縦横に構築してあるから、その間に残った範囲の地盤改良は、仮設道路を使用すれば迅速、経済的に施工することができる。
<ニ>水を利用して砂を運搬する場合に、良質の砂が必要になる。そのために施工費、材料費が高額になるので、この段階の作業量を少なくすれば経済的である。本発明の方法は、山土を多く使用するので、経済的な構築方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構築方法の水張りの状態の説明図。
【図2】ネット敷設の説明図。
【図3】敷砂の説明図。
【図4】排水の説明図。
【図5】短尺ドレーン打設の説明図。
【図6】山土などの撒き出しの説明図。
【図7】仮設道路間の水張りの説明図。
【図8】仮設道路間のネット敷設の説明図。
【図9】仮設道路間の敷砂の説明図。
【図10】仮設道路間の排水の説明図。
【図11】仮設道路間の山土撒き出しの説明図。
【図12】仮設道路間の長尺ドレーン打設の説明図。
Claims (1)
- 超軟弱地盤の周囲に締切りを設けて、該締切り内部に水を張り、
水張りを利用してネットを運搬し、前記締切りの対岸に亘る地盤改良の予定区域下の両側に、帯状に道路下ネットを敷設し、
該道路下ネットの上に沿って敷砂して道路下砂層を形成し、
張り水を排水し、
前記道路下砂層の上面を利用して、鉛直方向に短尺ドレーンを打設し、
前記道路下砂層の上に山土などを撒き出して仮設道路を構築し、
前記締切りと前記仮設道路とで仕切られた範囲に再度注水を行って、この仕切られた範囲に面敷設ネットを敷設し、
該面敷設ネットの上に砂を散布して道路間砂層を形成し、
張り水を排水して前記道路間砂層の上に山土などの撒き出しを行い、
長尺ドレーンを打設して、前記仮設道路間の広い範囲を改良する、
超軟弱地盤の地盤改良方法。
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JP24309798A JP3561794B2 (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 超軟弱地盤の地盤改良方法。 |
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JP2000073303A JP2000073303A (ja) | 2000-03-07 |
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JP (1) | JP3561794B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101929153A (zh) * | 2010-09-02 | 2010-12-29 | 中国十五冶金建设有限公司 | 一种开槽灌水闷土湿陷性土路基冲击处理补水方法 |
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1998
- 1998-08-28 JP JP24309798A patent/JP3561794B2/ja not_active Expired - Fee Related
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