JP3561771B2 - 自動パレット交換装置を有する工作機械のドア開閉機構 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動パレット交換装置を有する工作機械のドア開閉機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
門形マシニングセンタなどの工作機械においては、加工物を搭載したパレットが移動テーブルに載せられ、主軸に装着された工具により加工物の加工が行われる。そして、テーブルに対するパレットの搬入および搬出を行うために、自動パレット交換装置が設けられることが多い。門形マシニングセンタなどにおける自動パレット交換装置には、一般に、縦搬入式のものと横搬入式のものがあるが、最近は、機械配置上で省スペースとなる横搬入式を選択することが多くなっている。一方、工作機械には、切屑や切削液の飛散防止装置として、全体カバーを設ける場合があり、全体カバーの一部に自動的に開閉するパレット搬入搬出用ドアを設けるのが一般的である。パレット搬入搬出用ドアは、パレット交換位置における加工領域と段取領域との境界に設けられ、このドアの開閉は、パレット上の加工物の加工が完了して、これをパレットごと段取領域に搬出するとき、および他の段取領域にある次の加工物を搭載したパレットを搬出するときに行われる。パレット搬入搬出用ドアは、油圧機器、空圧機器、電動機などの専用の駆動源を持つ駆動装置により動作し、プログラムによる自動操作や手動スイッチによる操作が行われる。
【0003】
このため、従来は、パレット搬入搬出用ドアの開閉のために専用の駆動源が必要であり、また、その開閉のための制御が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、上記の問題を解決し、自動パレット交換装置を有する工作機械において専用の駆動源や動作制御を必要としない安価なドア開閉機構を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明による機構は、移動テーブルに対するパレット自動交換装置を有する工作機械において、加工領域の内外を隔てるカバーの一部に設けられたパレット搬入搬出用ドアを開閉する機構であって、テーブルの移動径路上に、パレット交換位置に移動してきたテーブルに係合してテーブルと同一方向に所定範囲を移動する係合子が設けられ、パレット交換位置へのテーブルの移動およびパレット交換位置から反対側へのテーブルの移動により、係合子がテーブルとともに移動して、ドアを開閉させることを特徴とするものである。
【0006】
テーブルがパレット交換位置に移動することによって、ドアが自動的に開き、テーブルがパレット交換位置から反対側に移動することによって、ドアが自動的に閉じる。そして、移動テーブルの移動を動力としてドアを開閉するので、ドア開閉のための専用の動力源や動作制御が不要であり、したがって、製造コストの低減が可能で、安価に製造することができる。
【0007】
テーブルあるいはパレットの移動ストロークとドアの開閉ストロークとの間に差がある場合は、テーブルあるいはパレットの移動を変速してドアに伝達する変速手段を設ければよい。
【0008】
たとえば、テーブルを移動させる動力源が、ブレーキ付きモータである。
【0009】
このようにすれば、ドアの開閉動作中に駆動電源がオフになったり、停電が発生したりしても、ドアをその位置に保持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1および図2は門形マシニングセンタの全体構成を概略的に示しており、図1は右側面図、図2は平面図である。以下の説明において、図1および図2の左側を前、反対側を後とし、前から後を見たときの左右を左右とする。すなわち、図2の上側(図1の紙面裏側)を左、図2の下側(図1の紙面表側)を右とする。また、マシニングセンタの制御軸のうち、前後方向の制御軸をX軸、左右方向の制御軸をY軸、上下方向の制御軸をZ軸とする。
【0014】
図3〜図5はマシニングセンタの前側部分を拡大して示しており、図3および図4は互いに異なる状態を示す一部切欠き右側面図、図5は正面図である。
【0015】
マシニングセンタには前後方向に水平にのびるベッド(1)が設けられ、このベ ッド(1)の上に移動テーブル(2)が設けられている。テーブル(2)は、ブレーキ付 きサーボモータ(3)で駆動されるボールねじ(4)の回転により、図示しないガイドに沿って前後方向に移動させられる。また、テーブル(2)には、加工物(図示略 )が搭載されたパレット(5)が搭載され、マシニングセンタの前端の部分に、テ ーブル(2)に対するパレット(5)の搬入および搬出を自動的に行う横搬入式の自動パレット交換装置(6)が設けられている。マシニングセンタの中央より少し後寄 りの部分に門形コラム(7)が設けられ、コラム(7)にクロスレール(8)が取付けら れ、クロスレール(8)にサドル(9)が取付けられている。クロスレール(8)はコラ ム(7)に沿って上下方向に移動させられ、サドル(8)はクロスレール(8)に沿って 左右方向に移動させられる。図示は省略したが、サドル(8)に設けられた主軸の 先端部に図示しない自動工具交換装置により工具が装着され、これにより、パレット(5)上の加工物の加工が行われる。(10)は操作盤であり、コラム(7)の上部から吊り下げられている。
【0016】
加工領域を形成するベッド(1)の前端のパレット交換位置の左右両側に、段取 領域(11)が形成され、この部分に交換装置(6)が設けられている。そして、パレ ット交換装置(6)により、ベッド(1)上のテーブル(2)と段取領域(10)との間でパ レット(5)が左右方向に移動させられて、テーブル(2)に対するパレット(5)の搬 入および搬出が行われる。
【0017】
マシニングセンタおよびパレット交換装置(6)については、公知の構成を採用 しうるので、詳細な説明は省略する。
【0018】
ベッド(1)の周囲に、ベッド(1)上の加工領域の内外を隔てる全体カバー(12)が設けられ、その一部に、1つの手動ドア(13)と2つの自動ドア(パレット搬入搬出用ドア)(14)(15)が設けられている。
【0019】
手動ドア(13)は、ベッド(1)の前端の前側に設けられ、手動操作により上下方 向に移動して開閉させられる。
【0020】
自動ドア(14)(15)は、ベッド(1)の前端のパレット交換位置とその左右の段取 り領域(11)との間に設けられ、加工領域の内外を隔てている。自動ドア(14)(15)の開閉機構は、テーブル(2)の移動を動力とし、自動ドア(14)(15)を上下方向に 移動させて開閉するものであり、ドア(14)(15)およびその開閉機構の詳細が図3〜図9に示されている。左右のドア(14)(15)およびその開閉機構は左右対象の構成を有するものであるから、以下、右側の自動ドア(15)およびその開閉機構について説明する。
【0021】
ベッド(1)の前端のパレット交換位置の右側に前後1対の支柱(16)(17)が設け られ、これらの間に自動ドア(15)が上下移動自在に取付けられている。支柱(16)(17)は、支持部材(18)を介して段取領域(11)の床(A)に固定されている。支柱(16)(17)の対向面には溝形材よりなる鉛直なガイドレール(19)が固定されており、 ドア(15)の前後両端面に取付けられたガイドローラ(20)がガイドレール(19)内を転動することにより、ドア(15)がガイドレール(19)に沿って上下方向に移動する。
【0022】
ベッド(1)の前端部の右側に前後方向に水平にのびるガイドレール(21)が設け られ、その上に、係合子(22)が前後移動自在に取付けられている。ガイドレール(21)は、適当な支持部材を介して、ベッド(1)の右側面に固定されている。ガイ ドレール(20)の上面後部にストッパ(24)が設けられ、係合子(22)はガイドレール(21)の前端部の前端位置とストッパ(24)に当接する後端位置との間をガイドレール(21)に沿って前後方向に移動しうる。
【0023】
第1チェーン(線状体)(25)の一端が係合子(22)に接続され、同他端がドア(15)の前部に接続されており、その中間部が複数の方向変換用のスプロケット(ガイド部材)(26)(27)(28)(29)にかけられている。スプロケット(26)はガイドレール(21)のすぐ後に、スプロケット(27)はガイドレール(21)および前側支柱(16)の前方に、スプロケット(28)はスプロケット(27)の真上であって前側支柱(16)の上部に、スプロケット(29)はスプロケット(28)の真後であって前側支柱(16)のすぐ後にそれぞれ配置されている。スプロケット(26)(27)はベッド(1)の右側面に固 定された支持部材(30)(31)にそれぞれ固定され、スプロケット(28)(29)は前側支柱(16)の上部に固定された支持部材(32)に取付けられている。第1チェーン(25)は、係合子(22)から後方にのび、スプロケット(26)により向きを変えられて前方にのび、スプロケット(27)により向きを変えられて上方にのび、スプロケット(28)により向きを変えられて後方にのび、スプロケット(29)により向きを変えられて下方にのび、その下端がドア(15)の前側部分の左側面下部に固定された連結部材(33)に連結されている。
【0024】
第2チェーン(34)の一端が係合子(22)に接続され、同他端がドア(15)の後部に接続されており、その中間部が複数の方向変換用のスプロケット(35)(36)(37)(38)にかけられている。スプロケット(35)は支持部材(30)のスプロケット(26)のすぐ左側に、スプロケット(36)は支持部材(31)のスプロケット(27)のすぐ左側方に、スプロケット(37)は支持部材(32)のスプロケット(28)のすぐ左側にそれぞれ取付けられている。スプロケット(38)はスプロケット(37)の真後であって後側支柱(17)のすぐ前に配置され、後側支柱(17)の上部に固定された支持部材(39)に取付けられている。第2チェーン(34)は、第1チェーン(25)の場合と同様に、スプロケット(35)(36)(37)(38)により向きを変えられ、スプロケット(38)から下方にのびた第2チェーン(34)の下端がドア(15)の後側部分の左側面下部に固定された連結部材(40)に連結されている。
【0025】
係合子(22)は、ドア(15)に作用する重力により、チェーン(25)(34)を介して常に後向きに引張られている。
【0026】
テーブル(2)の前端部下部に、右側に水平に張出した係合部材(41)が固定され ている。係合部材(41)の下面は、ガイドレール(21)より上方であって、係合子(22)の上面より少し下方に位置し、係合部材(41)は係合子(22)よりも右側に張出している。そして、パレット交換位置に移動してきたテーブル(2)が前向きに移動 することにより、係合部材(41)が係合子(22)に係合して、これを前方に移動させる。
【0027】
加工中、テーブル(2)はガイドレール(21)より後方の加工領域において前後方 向に移動し、係合部材(41)が係合子(22)に係合することはない。このため、係合子(22)はストッパ(24)に当接する後端位置に停止し、ドア(14)(15)は重力により最下端位置まで下降して閉じている。
【0028】
加工が完了すると、テーブル(2)はベッド(1)前端のパレット交換位置まで移動させられる。テーブル(2)の前端部がパレット交換位置に移動してくると、係合 部材(41)が後端位置にある係合子(22)に係合し、テーブル(2)がさらに前に移動 することにより、係合子(22)は係合子(22)に押されて、テーブル(2)とともに前 方に移動する。これにより、ドア(14)(15)に連結されたチェーン(25)(34)の端部が上方に引張られ、ドア(14)(15)がテーブル(2)の移動にともなって上方に移動 する。テーブル(2)がベッド(1)の前端のパレット交換位置に停止すると、ドア(14)(15)は上端位置の全開位置に停止する。このようにドア(14)(15)が開いた状態で、パレット交換装置(6)により、加工の完了した加工物を搭載したパレット(5)がテーブル(2)から一方の段取領域(11)に搬出され、次に下降する加工物を搭載 したパレット(5)が他方の段取領域(11)からテーブル(2)に搬入される。
【0029】
新しいパレット(5)がテーブル(2)に搬入されると、テーブル(2)はパレット交 換位置よりも後方に移動し、加工が行われる。テーブル(2)が後方に移動すると 、ドア(14)(15)によりチェーン(25)(34)を介して後向きに引張られている係合子(22)が係合部材(41)に当接したままテーブル(2)とともに後方に移動し、これに より、テーブル(2)の移動にともなってドア(14)(15)が徐々に下降する。係合子(22)は、ストッパ(24)に当接すると、その位置に停止し、これにより、ドア(14)(15)は最下端の全閉位置に停止する。テーブル(2)がさらに後方に移動すると、係合部材(41)は係合子(22)から離れ、このようにドア(14)(15)が閉じた状態で、前記のように加工が行われる。
【0030】
チェーン(25)(34)の長さは、ドア(14)(15)をバランス良く吊り下げられるように調整されている。
【0031】
係合子(22)の移動のストロークとドア(14)(15)の開閉のストロークとの間に差があるような場合は、たとえば、テーブル(2)の移動を変速(増速あるいは減速 )してドア(14)(15)に伝達する変速手段をスプロケット(26)(25)の部分などに設けて、調整するようにしてもよい。
【0032】
テーブル(2)の移動をドア(14)(15)に伝達する線状体およびそのガイド部材と して、チェーンおよびスプロケットのかわりに、ワイヤおよびプーリを用いてもよい。
【0033】
上記実施形態においては、テーブル(2)を移動させる駆動手段としてブレーキ 付きサーボモータ(3)を用いているので、ドア(14)(15)の開閉動作中あるいはド ア(14)(15)が開いている状態で、駆動電源がオフになったり、停電が発生したりしても、ドア(14)(15)をその位置に保持して、落下を防止することができる。
【0034】
しかしながら、テーブル(2)の駆動手段およびテーブル(2)の移動をドア(14)(15)の開閉動作に変換する手段などは、上記実施形態のものに限らず、適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の実施形態を示す門形マシニングセンタの右側面図である。
【図2】図2は、同平面図である。
【図3】図3は、マシニングセンタの前部を示す一部切欠き右側面図である。
【図4】図4は、図3と異なる状態を示す図3相当の図面である。
【図5】図5は、マシニングセンタの正面図である。
【図6】図6は、ドアの開閉機構の一部を拡大して示す右側面図である。
【図7】図7は、図6と異なる状態を示す図6相当の図面である。
【図8】図8は、ドアの開閉機構の他の部分を拡大して示す平面図である。
【図9】図9は、ドアの開閉機構のさらに他の部分を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
(2) 移動テーブル
(3) ブレーキ付きサーボモータ
(5) パレット
(6) 自動パレット交換装置
(11) 段取領域
(12) 全体カバー
(14)(15) 自動ドア(パレット搬入搬出用ドア)
(22) 係合子
(25) チェーン(線状体)
(26)(27)(28)(29) スプロケット(ガイド部材)
(34) チェーン(線状体)
(35)(36)(37)(38) スプロケット(ガイド部材)
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動パレット交換装置を有する工作機械のドア開閉機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
門形マシニングセンタなどの工作機械においては、加工物を搭載したパレットが移動テーブルに載せられ、主軸に装着された工具により加工物の加工が行われる。そして、テーブルに対するパレットの搬入および搬出を行うために、自動パレット交換装置が設けられることが多い。門形マシニングセンタなどにおける自動パレット交換装置には、一般に、縦搬入式のものと横搬入式のものがあるが、最近は、機械配置上で省スペースとなる横搬入式を選択することが多くなっている。一方、工作機械には、切屑や切削液の飛散防止装置として、全体カバーを設ける場合があり、全体カバーの一部に自動的に開閉するパレット搬入搬出用ドアを設けるのが一般的である。パレット搬入搬出用ドアは、パレット交換位置における加工領域と段取領域との境界に設けられ、このドアの開閉は、パレット上の加工物の加工が完了して、これをパレットごと段取領域に搬出するとき、および他の段取領域にある次の加工物を搭載したパレットを搬出するときに行われる。パレット搬入搬出用ドアは、油圧機器、空圧機器、電動機などの専用の駆動源を持つ駆動装置により動作し、プログラムによる自動操作や手動スイッチによる操作が行われる。
【0003】
このため、従来は、パレット搬入搬出用ドアの開閉のために専用の駆動源が必要であり、また、その開閉のための制御が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、上記の問題を解決し、自動パレット交換装置を有する工作機械において専用の駆動源や動作制御を必要としない安価なドア開閉機構を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明による機構は、移動テーブルに対するパレット自動交換装置を有する工作機械において、加工領域の内外を隔てるカバーの一部に設けられたパレット搬入搬出用ドアを開閉する機構であって、テーブルの移動径路上に、パレット交換位置に移動してきたテーブルに係合してテーブルと同一方向に所定範囲を移動する係合子が設けられ、パレット交換位置へのテーブルの移動およびパレット交換位置から反対側へのテーブルの移動により、係合子がテーブルとともに移動して、ドアを開閉させることを特徴とするものである。
【0006】
テーブルがパレット交換位置に移動することによって、ドアが自動的に開き、テーブルがパレット交換位置から反対側に移動することによって、ドアが自動的に閉じる。そして、移動テーブルの移動を動力としてドアを開閉するので、ドア開閉のための専用の動力源や動作制御が不要であり、したがって、製造コストの低減が可能で、安価に製造することができる。
【0007】
テーブルあるいはパレットの移動ストロークとドアの開閉ストロークとの間に差がある場合は、テーブルあるいはパレットの移動を変速してドアに伝達する変速手段を設ければよい。
【0008】
たとえば、テーブルを移動させる動力源が、ブレーキ付きモータである。
【0009】
このようにすれば、ドアの開閉動作中に駆動電源がオフになったり、停電が発生したりしても、ドアをその位置に保持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1および図2は門形マシニングセンタの全体構成を概略的に示しており、図1は右側面図、図2は平面図である。以下の説明において、図1および図2の左側を前、反対側を後とし、前から後を見たときの左右を左右とする。すなわち、図2の上側(図1の紙面裏側)を左、図2の下側(図1の紙面表側)を右とする。また、マシニングセンタの制御軸のうち、前後方向の制御軸をX軸、左右方向の制御軸をY軸、上下方向の制御軸をZ軸とする。
【0014】
図3〜図5はマシニングセンタの前側部分を拡大して示しており、図3および図4は互いに異なる状態を示す一部切欠き右側面図、図5は正面図である。
【0015】
マシニングセンタには前後方向に水平にのびるベッド(1)が設けられ、このベ ッド(1)の上に移動テーブル(2)が設けられている。テーブル(2)は、ブレーキ付 きサーボモータ(3)で駆動されるボールねじ(4)の回転により、図示しないガイドに沿って前後方向に移動させられる。また、テーブル(2)には、加工物(図示略 )が搭載されたパレット(5)が搭載され、マシニングセンタの前端の部分に、テ ーブル(2)に対するパレット(5)の搬入および搬出を自動的に行う横搬入式の自動パレット交換装置(6)が設けられている。マシニングセンタの中央より少し後寄 りの部分に門形コラム(7)が設けられ、コラム(7)にクロスレール(8)が取付けら れ、クロスレール(8)にサドル(9)が取付けられている。クロスレール(8)はコラ ム(7)に沿って上下方向に移動させられ、サドル(8)はクロスレール(8)に沿って 左右方向に移動させられる。図示は省略したが、サドル(8)に設けられた主軸の 先端部に図示しない自動工具交換装置により工具が装着され、これにより、パレット(5)上の加工物の加工が行われる。(10)は操作盤であり、コラム(7)の上部から吊り下げられている。
【0016】
加工領域を形成するベッド(1)の前端のパレット交換位置の左右両側に、段取 領域(11)が形成され、この部分に交換装置(6)が設けられている。そして、パレ ット交換装置(6)により、ベッド(1)上のテーブル(2)と段取領域(10)との間でパ レット(5)が左右方向に移動させられて、テーブル(2)に対するパレット(5)の搬 入および搬出が行われる。
【0017】
マシニングセンタおよびパレット交換装置(6)については、公知の構成を採用 しうるので、詳細な説明は省略する。
【0018】
ベッド(1)の周囲に、ベッド(1)上の加工領域の内外を隔てる全体カバー(12)が設けられ、その一部に、1つの手動ドア(13)と2つの自動ドア(パレット搬入搬出用ドア)(14)(15)が設けられている。
【0019】
手動ドア(13)は、ベッド(1)の前端の前側に設けられ、手動操作により上下方 向に移動して開閉させられる。
【0020】
自動ドア(14)(15)は、ベッド(1)の前端のパレット交換位置とその左右の段取 り領域(11)との間に設けられ、加工領域の内外を隔てている。自動ドア(14)(15)の開閉機構は、テーブル(2)の移動を動力とし、自動ドア(14)(15)を上下方向に 移動させて開閉するものであり、ドア(14)(15)およびその開閉機構の詳細が図3〜図9に示されている。左右のドア(14)(15)およびその開閉機構は左右対象の構成を有するものであるから、以下、右側の自動ドア(15)およびその開閉機構について説明する。
【0021】
ベッド(1)の前端のパレット交換位置の右側に前後1対の支柱(16)(17)が設け られ、これらの間に自動ドア(15)が上下移動自在に取付けられている。支柱(16)(17)は、支持部材(18)を介して段取領域(11)の床(A)に固定されている。支柱(16)(17)の対向面には溝形材よりなる鉛直なガイドレール(19)が固定されており、 ドア(15)の前後両端面に取付けられたガイドローラ(20)がガイドレール(19)内を転動することにより、ドア(15)がガイドレール(19)に沿って上下方向に移動する。
【0022】
ベッド(1)の前端部の右側に前後方向に水平にのびるガイドレール(21)が設け られ、その上に、係合子(22)が前後移動自在に取付けられている。ガイドレール(21)は、適当な支持部材を介して、ベッド(1)の右側面に固定されている。ガイ ドレール(20)の上面後部にストッパ(24)が設けられ、係合子(22)はガイドレール(21)の前端部の前端位置とストッパ(24)に当接する後端位置との間をガイドレール(21)に沿って前後方向に移動しうる。
【0023】
第1チェーン(線状体)(25)の一端が係合子(22)に接続され、同他端がドア(15)の前部に接続されており、その中間部が複数の方向変換用のスプロケット(ガイド部材)(26)(27)(28)(29)にかけられている。スプロケット(26)はガイドレール(21)のすぐ後に、スプロケット(27)はガイドレール(21)および前側支柱(16)の前方に、スプロケット(28)はスプロケット(27)の真上であって前側支柱(16)の上部に、スプロケット(29)はスプロケット(28)の真後であって前側支柱(16)のすぐ後にそれぞれ配置されている。スプロケット(26)(27)はベッド(1)の右側面に固 定された支持部材(30)(31)にそれぞれ固定され、スプロケット(28)(29)は前側支柱(16)の上部に固定された支持部材(32)に取付けられている。第1チェーン(25)は、係合子(22)から後方にのび、スプロケット(26)により向きを変えられて前方にのび、スプロケット(27)により向きを変えられて上方にのび、スプロケット(28)により向きを変えられて後方にのび、スプロケット(29)により向きを変えられて下方にのび、その下端がドア(15)の前側部分の左側面下部に固定された連結部材(33)に連結されている。
【0024】
第2チェーン(34)の一端が係合子(22)に接続され、同他端がドア(15)の後部に接続されており、その中間部が複数の方向変換用のスプロケット(35)(36)(37)(38)にかけられている。スプロケット(35)は支持部材(30)のスプロケット(26)のすぐ左側に、スプロケット(36)は支持部材(31)のスプロケット(27)のすぐ左側方に、スプロケット(37)は支持部材(32)のスプロケット(28)のすぐ左側にそれぞれ取付けられている。スプロケット(38)はスプロケット(37)の真後であって後側支柱(17)のすぐ前に配置され、後側支柱(17)の上部に固定された支持部材(39)に取付けられている。第2チェーン(34)は、第1チェーン(25)の場合と同様に、スプロケット(35)(36)(37)(38)により向きを変えられ、スプロケット(38)から下方にのびた第2チェーン(34)の下端がドア(15)の後側部分の左側面下部に固定された連結部材(40)に連結されている。
【0025】
係合子(22)は、ドア(15)に作用する重力により、チェーン(25)(34)を介して常に後向きに引張られている。
【0026】
テーブル(2)の前端部下部に、右側に水平に張出した係合部材(41)が固定され ている。係合部材(41)の下面は、ガイドレール(21)より上方であって、係合子(22)の上面より少し下方に位置し、係合部材(41)は係合子(22)よりも右側に張出している。そして、パレット交換位置に移動してきたテーブル(2)が前向きに移動 することにより、係合部材(41)が係合子(22)に係合して、これを前方に移動させる。
【0027】
加工中、テーブル(2)はガイドレール(21)より後方の加工領域において前後方 向に移動し、係合部材(41)が係合子(22)に係合することはない。このため、係合子(22)はストッパ(24)に当接する後端位置に停止し、ドア(14)(15)は重力により最下端位置まで下降して閉じている。
【0028】
加工が完了すると、テーブル(2)はベッド(1)前端のパレット交換位置まで移動させられる。テーブル(2)の前端部がパレット交換位置に移動してくると、係合 部材(41)が後端位置にある係合子(22)に係合し、テーブル(2)がさらに前に移動 することにより、係合子(22)は係合子(22)に押されて、テーブル(2)とともに前 方に移動する。これにより、ドア(14)(15)に連結されたチェーン(25)(34)の端部が上方に引張られ、ドア(14)(15)がテーブル(2)の移動にともなって上方に移動 する。テーブル(2)がベッド(1)の前端のパレット交換位置に停止すると、ドア(14)(15)は上端位置の全開位置に停止する。このようにドア(14)(15)が開いた状態で、パレット交換装置(6)により、加工の完了した加工物を搭載したパレット(5)がテーブル(2)から一方の段取領域(11)に搬出され、次に下降する加工物を搭載 したパレット(5)が他方の段取領域(11)からテーブル(2)に搬入される。
【0029】
新しいパレット(5)がテーブル(2)に搬入されると、テーブル(2)はパレット交 換位置よりも後方に移動し、加工が行われる。テーブル(2)が後方に移動すると 、ドア(14)(15)によりチェーン(25)(34)を介して後向きに引張られている係合子(22)が係合部材(41)に当接したままテーブル(2)とともに後方に移動し、これに より、テーブル(2)の移動にともなってドア(14)(15)が徐々に下降する。係合子(22)は、ストッパ(24)に当接すると、その位置に停止し、これにより、ドア(14)(15)は最下端の全閉位置に停止する。テーブル(2)がさらに後方に移動すると、係合部材(41)は係合子(22)から離れ、このようにドア(14)(15)が閉じた状態で、前記のように加工が行われる。
【0030】
チェーン(25)(34)の長さは、ドア(14)(15)をバランス良く吊り下げられるように調整されている。
【0031】
係合子(22)の移動のストロークとドア(14)(15)の開閉のストロークとの間に差があるような場合は、たとえば、テーブル(2)の移動を変速(増速あるいは減速 )してドア(14)(15)に伝達する変速手段をスプロケット(26)(25)の部分などに設けて、調整するようにしてもよい。
【0032】
テーブル(2)の移動をドア(14)(15)に伝達する線状体およびそのガイド部材と して、チェーンおよびスプロケットのかわりに、ワイヤおよびプーリを用いてもよい。
【0033】
上記実施形態においては、テーブル(2)を移動させる駆動手段としてブレーキ 付きサーボモータ(3)を用いているので、ドア(14)(15)の開閉動作中あるいはド ア(14)(15)が開いている状態で、駆動電源がオフになったり、停電が発生したりしても、ドア(14)(15)をその位置に保持して、落下を防止することができる。
【0034】
しかしながら、テーブル(2)の駆動手段およびテーブル(2)の移動をドア(14)(15)の開閉動作に変換する手段などは、上記実施形態のものに限らず、適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の実施形態を示す門形マシニングセンタの右側面図である。
【図2】図2は、同平面図である。
【図3】図3は、マシニングセンタの前部を示す一部切欠き右側面図である。
【図4】図4は、図3と異なる状態を示す図3相当の図面である。
【図5】図5は、マシニングセンタの正面図である。
【図6】図6は、ドアの開閉機構の一部を拡大して示す右側面図である。
【図7】図7は、図6と異なる状態を示す図6相当の図面である。
【図8】図8は、ドアの開閉機構の他の部分を拡大して示す平面図である。
【図9】図9は、ドアの開閉機構のさらに他の部分を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
(2) 移動テーブル
(3) ブレーキ付きサーボモータ
(5) パレット
(6) 自動パレット交換装置
(11) 段取領域
(12) 全体カバー
(14)(15) 自動ドア(パレット搬入搬出用ドア)
(22) 係合子
(25) チェーン(線状体)
(26)(27)(28)(29) スプロケット(ガイド部材)
(34) チェーン(線状体)
(35)(36)(37)(38) スプロケット(ガイド部材)
Claims (3)
- 移動テーブルに対するパレット自動交換装置を有する工作機械において、加工領域の内外を隔てるカバーの一部に設けられたパレット搬入搬出用ドアを開閉する機構であって、テーブルの移動径路上に、パレット交換位置に移動してきたテーブルに係合してテーブルと同一方向に所定範囲を移動する係合子が設けられ、パレット交換位置へのテーブルの移動およびパレット交換位置から反対側へのテーブルの移動により、係合子がテーブルとともに移動して、ドアを開閉させることを特徴とする自動パレット交換装置を有する工作機械のドア開閉機構。
- テーブルあるいはパレットの移動を変速してドアに伝達する変速手段を備えていることを特徴とする請求項1の自動パレット交換装置を有する工作機械のドア開閉機構。
- テーブルを移動させる動力源が、ブレーキ付きモータであることを特徴とする請求項1または2の自動パレット交換装置を有する工作機械のドア開閉機構。
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Publications (2)
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ID=16779030
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Cited By (1)
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1997
- 1997-08-19 JP JP22222197A patent/JP3561771B2/ja not_active Expired - Fee Related
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