JP3561715B2 - 真空処理装置及び真空処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空処理装置に係り、特に複数の真空処理室を有する真空処理装置用搬送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ドライエッチング装置、CVD装置あるいはスパッタリング装置などの真空処理装置においては、定められた複数枚の被処理基板を一つの単位(一般にロットとよばれる)として基板カセットに収納して装置に投入し、処理済みの基板も同一の単位毎に基板カセットに収容して回収することにより、生産の効率化を図るのが一般的な真空処理装置である。
【0003】
しかしながら、上記のような真空処理装置、特にドライエッチング装置、CVD装置など活性ガスによる反応を利用する装置においては、処理を行うに従って反応生成物が処理容器内に付着、堆積するために、真空性能の劣化、ゴミの増加、光学モニタ信号のレベル低下などの問題が生じることがしばしばあり、これを避けるために定期的に処理容器内をクリーニングする作業が行われている。クリーニング作業には、有機溶剤等によって付着物を拭き取る、所謂ウェットクリーニングと、付着物を分解する活性ガスやプラズマを利用するドライクリーニングとがあるが、作業性や効率面からはドライクリーニングが優れており、こうした機能は生産ラインの自動化が進むにつれて不可欠なものとなりつつある。
【0004】
このような機能を備えた真空処理装置の一例として、実開昭63−127125号公報に開示された装置などがあげられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、実開昭63−127125号公報に開示された装置においては、処理室をプラズマクリーニングするにあたってあらかじめ真空予備室に収容されたダミーウェーハを処理室内に搬入し、プラズマクリーニングが終了したら搬送手段によってダミーウェーハを真空予備室に戻すようになされている。このため、ダミーウェーハを収容する真空予備室は、大きな容積を必要とするとともにダミーウェーハ専用の搬送機構を必要とし、装置が複雑化するという問題があった。
【0006】
また、一旦、プラズマクリーニングに使用されたダミーウェーハが、再び真空予備室に戻された後に正規の処理を続行するため、真空予備室内では使用済みのダミーウェーハとこれから正規の処理を受けようとする未処理のウェーハとが混在することとなり、製品汚染の観点から好ましくない。
【0007】
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、ゴミの発生や残留ガスなどによる製品の汚染をなくし、高い生産効率と高い製品歩留まりを実現する真空処理装置用搬送システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、被処理基板を真空処理する複数の真空処理室と、被処理基板もしくは処理済基板を複数枚収納できるカセットを大気雰囲気で載置し得る実質的に水平な同一高さ面に配置された複数のカセット台と、前記複数のカセット台のいずれかのカセット内のいずれの場所からも前記被処理基板を抜き取れるよう上下動可能に構成された搬送手段と、大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替え可能な室と、前記複数のカセット台のいずれかのカセット内のいずれの場所からも前記被処理基板を抜き取り前記室を経て前記いずれかの真空処理室へ搬入し、前記真空処理室で前記被処理基板を一枚毎処理し、前記処理された処理済基板を前記室を経て元のカセットの元の位置に回収するように制御する手段、とを備えたことに特徴がある。
【0009】
本発明の他の特徴は、被処理基板を真空処理する複数の真空処理室と、被処理基板もしくは処理済基板を複数枚収納できるカセットを大気雰囲気で載置し得る実質的に水平な同一高さ面に配置された複数のカセット台と、前記複数のカセット台のいずれかのカセット内のいずれの場所からも前記被処理基板を抜き取れるよう上下動可能に構成された搬送手段と、大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替え可能な室と、制御手段とを備えた真空処理装置における基板の処理方法であって、前記搬送手段により、前記複数のカセット台のいずれかのカセット内のいずれの場所からも前記被処理基板を抜き取り、該被処理基板を、前記室を経て前記いずれかの真空処理室へ搬入し、前記真空処理室で前記被処理基板を一枚毎処理し、前記処理された処理済基板を、前記室を経て大気雰囲気に搬出し、元のカセットの元の位置に回収することにある。
【0010】
本発明によれば、ゴミの発生や残留ガスなどによる製品の汚染をなくし、高い生産効率と高い製品歩留まりを実現する真空処理装置用搬送システムを提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1により説明する。
【0012】
図1は、本発明による真空処理装置の、半導体ウェーハに対するドライエッチング処理を行う装置への応用を示す図である。
【0013】
装置は、未処理のウェーハ(基板)を収納した状態で、装置に処理対象を供給し、かつ処理済みのウェーハ(基板)を再度元の位置に収納して回収するための、複数(通常25枚)のウェーハ(基板)を収納できる複数のカセット1a、1bおよび1c、該カセット1a、1b、1cを載置し、装置への導入/払出しの位置を決定するための、位置及び姿勢を変えることがなく、水平又は水平に近い平面の上に常に一定位置に固定されたカセット台2a、2b、2c、図示しない真空排気装置及びガス導入装置を装備し、ウェーハを真空雰囲気に導入するためのロードロック室(基板受入室)5、同じくウェーハを大気中に取りだすためのアンロードロック室(基板取出室)6、ウェーハにエッチング処理を施すためのエッチング11、それらをそれぞれ気密に分離可能な隔離弁12、及びロードロック室(基板受入室)5/アンロードロック室(基板取出室)6とカセット1a、1b、1cとの間に配置され、X、Y、Z及びθ軸を有するロボットを備えた、ロードロック室(基板受入室)5/アンロードロック室(基板取出室)6とカセット1a、1b、1cとの間でウェーハ(基板)を授受するための第1搬送装置13から構成されている。
【0014】
装置の動作としては、まず、未処理のウェーハ(基板)を収納したカセット1a、1bがストッカ(図示省略)から装置へとロボット又はオペレータにより供給され、カセット台2a、2bに載置される。この時カセット台2a、2bは水平な同一平面上にあるため、カセットの供給動作を単純化することが可能であり、生産ラインの自動化への対応が容易である。一方、カセット台2cには、ダミーウェーハを収納したカセット1cが載置される。
【0015】
装置は、カセットに付与された生産情報を自ら認識するか、上位の制御装置から送られる情報に基づくか、あるいはオペレータの入力する命令によるか、いずれかの方法によりウェーハに処理を行うことができる。
【0016】
カセット1aに収納された未処理のウェーハ(基板)20を第1搬送装置13により抜き取り、第1搬送装置13に対してカセット1aとは反対側に配置されたロードロック室(基板受入室)5へ隔離弁12aを通して搬入する。このときウェーハ(基板)20は、カセット1a内のいずれの場所に収納されたものでも良い。ウェーハ(基板)20は、隔離弁12aからロードロック室(基板受入室)5に入った後、隔離弁12bからアンロードロック室(基板取出室)6を出るまで、装置外部の雰囲気とは完全に遮断された状態にあるので、隔離弁12a、12bを境にして仕切りを設け、カセット台2a、2bとそこに載置されたカセット1a、1b及び第1搬送装置13のみを清浄度の高いクリーンルーム側に置き、残りの部分は清浄度の低いメインテナンスルーム側に置くことができる。ロードロック室(基板受入室)5は、隔離弁12aを閉じた後、排気装置(図示省略)によって所定の圧力まで真空排気され、次いで、隔離弁12bが開放されてウェーハ(基板)20は、搬送室16に設置された真空搬送装置(図示省略)によりエッチング室11(11a,11b,11c)へ搬送され、試料台8(8a,8b,8c)上に載置される。
【0017】
エッチング室11に搬入されたウェーハ(基板)20は、所定の条件によりエッチング処理を施される。この間に、ロードロック室(基板受入室)5は隔離弁12a、12bを閉じた状態で、ガス導入装置4により大気圧に復帰され、開放された隔離弁12aから1枚目のウェーハと同様に2枚目のウェーハ(基板)が第1搬送装置13によって搬入され、再び排気装置によって所定の圧力まで真空排気される。1枚目のウェーハ20のエッチング処理が終了すると、隔離弁12cが開かれて処理済みのウェーハ(基板)20がアンロードロック室(基板取出室)6に搬出され、続いて隔離弁12cが閉じられ、隔離弁12bが開かれて2枚目のウェーハ(基板)がロードロック室(基板受入室)5から搬入され、隔離弁12bを閉じた後エッチング処理が開始される。
【0018】
アンロードロック室(基板取出室)6に搬出された処理済みウェーハ(基板)20は、アンロードロック室(基板取出室)6を大気圧に復帰した後、隔離弁12dを通して第1搬送装置13によって大気中に取りだされ、当初収納されていたカセット1a内の元の位置へ戻される。
【0019】
以上の動作を繰り返して、カセット1aに収納されていた未処理ウェーハの処理が完了し、元の位置に再収納し終わるとカセット1aは回収可能となり、別の未処理のウェーハを収納したカセットと交換されるが、装置はその間カセット1b内の未処理ウェーハの処理を続けており、カセット1bの全てのウェーハの処理が完了する前に別の未処理のウェーハを収納したカセットが供給されれば、装置は常に連続的に稼働可能である。この時カセット1a、カセット1bは水平な同一平面上にあるため、カセット1aの回収作業及び別の未処理のウェーハを収納したカセットの供給作業を、第1搬送装置13によるカセット1bへのアクセスに影響を与えることなく行うことができる。
【0020】
エッチング室11は、処理を重ねるにつれて反応生成物が内壁面に付着、堆積してくるためにプラズマクリーニングによって付着物を除去し、元の状態に復旧してやる必要があるが、プラズマクリーニングの実施に当っては、カセット1cに収納されたダミーウェーハ30を第1搬送装置13によって抜取り、以降は前記被処理ウェーハ20の場合と全く同様にして処理を行った後、ダミーウェーハ30をカセット1c内の元の位置に戻すことができ、ダミーウェーハ30は常にカセット1c内にストックされていることになる。尚、カセット1cのダミーウェーハ30が全てプラズマクリーニングで使用された場合や、数回の使用により使用不良となった場合、ダミーウェーハ30はカセット1cごと全て交換される。
【0021】
従って、プラズマクリーニングを特別な処理シーケンスとして扱う必要は無く、通常のエッチング処理の中に組み込んで一連の作業として行うことができ、クリーニングを実施する周期も任意に設定することが可能である。装置のハードウェア上からもプラズマクリーニングの為の専用の機構は必要が無く、複数のカセット台の一つ(本例の場合2c)にダミーウェーハ30を収納したカセット(本例の場合1c)を設置するだけで良く、プラズマクリーニングの必要が無い用途の場合には、ダミーウェーハ30を収納したカセットの代わりに、被処理ウェーハ(基板)20を収納したカセットを設置することにより、より効率良く生産を行うことができることは説明するまでもない。
【0022】
また、一旦プラズマクリーニングに使用されたダミーウェーハは、再び大気中の元のカセットに戻るようになされているので、真空室内では使用済みのダミーウェーハとこれから正規の処理を受けようとする未処理のウェーハとが混在することがなく、製品の汚染の心配も無い。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ゴミの発生や残留ガスなどによる製品の汚染をなくし、高い生産効率と高い製品歩留まりを実現する真空処理装置用搬送システムを提供することができるという効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のドライエッチング装置の平面図である。
【符号の説明】
1…基板カセット、2…カセット台、5…ロードロック室(基板受入室)、6…アンロードロック室(基板取出室)、
8…試料台、11…エッチング室、12…隔離弁、13…第1搬送装置、16…搬送室、20…ウェーハ(基板)、30…ダミーウェーハ。
Claims (2)
- 被処理基板を真空処理する複数の真空処理室と、
被処理基板もしくは処理済基板を複数枚収納できるカセットを大気雰囲気で載置し得る実質的に水平な同一高さ面に配置された複数のカセット台と、
前記複数のカセット台のいずれかのカセット内のいずれの場所からも前記被処理基板を抜き取れるよう上下動可能に構成された搬送手段と、
大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替え可能な室と、
前記複数のカセット台のいずれかのカセット内のいずれの場所からも前記被処理基板を抜き取り前記室を経て前記いずれかの真空処理室へ搬入し、前記真空処理室で前記被処理基板を一枚毎処理し、前記処理された処理済基板を前記室を経て元のカセットの元の位置に回収するように制御する手段、
とを具備することを特徴とする真空処理装置。 - 被処理基板を真空処理する複数の真空処理室と、被処理基板もしくは処理済基板を複数枚収納できるカセットを大気雰囲気で載置し得る実質的に水平な同一高さ面に配置された複数のカセット台と、前記複数のカセット台のいずれかのカセット内のいずれの場所からも前記被処理基板を抜き取れるよう上下動可能に構成された搬送手段と、大気雰囲気もしくは真空雰囲気に切り替え可能な室と、制御手段とを備えた真空処理装置における基板の処理方法であって、
前記搬送手段により、前記複数のカセット台のいずれかのカセット内のいずれの場所からも前記被処理基板を抜き取り、
該被処理基板を、前記室を経て前記いずれかの真空処理室へ搬入し、
前記真空処理室で前記被処理基板を一枚毎処理し、
前記処理された処理済基板を、前記室を経て大気雰囲気に搬出し、元のカセットの元の位置に回収することを特徴とする真空処理方法。
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