JP3559835B2 - スピーカ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高音域用スピーカを含む複数のスピーカが配置されると共に前面側にグリルが配置されたスピーカに係り、特に高音域用スピーカの指向性等を可変調整し得るようにしたスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスピーカグリルは、図11に示すように、金網状に形成した金属板12を枠11に取り付けたもの、図12に示すように、角穴又は丸穴等のパンチングを施した金属板14を枠13に取り付けたもの、或は、図13に示すように、合成樹脂製で多数のスリット16と枠15を一体成形したもの等が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、金網状のものやパンチングを施した金属板のものにあっては、単に穴を有するだけであるため、スピーカの指向性を可変することができなかった。また、合成樹脂製のものにあっては、図14に示すように、スリット形状を形成する桟16aに角度αを付けて指向性を操作すること可能であるが、取り付けられた後は指向性を可変調整することができなかった。
【0004】
本発明の目的は、前記のような従来の欠点を解消し、特に高音域用スピーカの指向性、音圧、周波数特性等を可変調整し得るようにしたスピーカを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のスピーカは、高音域用スピーカを含む複数のスピーカが配置されると共に前面側にグリルが配置されたスピーカにおいて、グリルにおける高音域用スピーカの前面側に、グリルのグリル本体部に対してその周方向に回転可能であって、高音域用スピーカの指向性を可変するように多数の桟を有する可変操作部を備え、グリル本体部に、中低音域用スピーカの指向性を可変するように多数の桟を設け、可変操作部およびグリルの本体部に、それぞれ独自の指向性を持たせる構造としたことを特徴とする。
【0006】
また、別の本発明のスピーカは、可変操作部には、音響マスキング部材として吸音材又はスクリーンが配置されていることを特徴とする。
【0007】
また、別の本発明のスピーカは、可変操作部が、保持部材を介して前面側からグリルに取り付けられるようになっていることを特徴とする。
【0008】
また、別の本発明のスピーカは、可変操作部をグリルの前面側から装着すると共に裏面側から保持部材を介して保持させるようになっていることを特徴とする。
【0009】
【作用】
高音域用スピーカの前面側に位置する可変操作部を回転させることにより、例えば、高音域用スピーカの指向性を変えることが容易になる。
【0010】
また、可変操作部に吸音材又はスクリーン等の音響マスキング部材を配置しているので、マスキング効果により周波数特性の補正が可能となる。
【0011】
また、可変操作部を保持部材を介して前面側からグリルに取り付けることができ、可変操作部をグリルに前面側から装着すると共に裏面側から保持部材を介して保持させることができ、取付操作が容易である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のスピーカの参考例を図1〜図6および図8〜図10に基づいて説明し、本発明のスピーカの実施例を図7に基づいて説明する。図1は、中低音域用スピーカ1の前面側に高音域用スピーカ2を同軸的に配置した同軸型スピーカーの例であり、前面側に保持枠10を介してグリル3が配置されており、該グリル3には高音域用スピーカ2の前面側に位置するように、グリル本体部4に対して回転又は着脱交換が可能な可変操作部5が設けられている。
【0014】
図1の参考例では、可変操作部5が多数の桟6aを配置した桟構造6を備えていて図2に示すように回転し得るようになっており、スピーカーを車輛等に取り付けた後、その取付位置や角度に左右されることなく、可変操作部4を回転させることにより自由に指向性を変えることができる構造である。
【0015】
また、この桟構造6はグリル本体部4からの脱着が可能であり、図3(A)に示すように、桟の角度がαのもの、図3(B)に示すような角度0°のもの、或は、図3(C)に示すような角度β(α<β)のもの等、各種のものが用意され、より強く指向効果を有する桟構造に交換することが可能となっていて、より細かな指向性の可変調整が可能となる。
【0016】
図4(A)、(B)は可変操作部5として音響効果を調整するホーン形状の部材7を用いたものであり、これによりスピーカ自体に手を加えることなくスピーカとしての音圧並びに周波数特性を調整することができる。
【0017】
図5は前記桟構造6の背面側に吸音材又はスクリーン等の音響マスキング部材8を配置した例であり、これにより高音域部のマスキング効果により周波数特性の補正が可能となる。
【0018】
図6は3スピーカにおける高域再生用の2つのスピーカ2、20に設置した例であり、図7は中低音域を受けもつスピーカ1と高音域を受けもつスピーカ2にそれぞれ配置してそれぞれに独自の指向性をもたせるようにした例である。
【0019】
図8〜図10は可変操作部5を保持部材9を介して取り付ける取付構造を示す断面図であり、図8においては、グリル本体部4に設けた配置穴4aの開口縁に弾性を有する材料からなるリング状のガスケット9aを嵌め込むようにして可変操作部5を取り付けるように構成したものであり、前面側から着脱し得るように構成する。
【0020】
図9においては、可変操作部5の後部を前面側から前記配置穴4aに差し込み、押えリング9b及びネジ9c等の保持部材9で配置穴4aの開口縁を挟持する形式で固定するものであり、図10においては、可変操作部5の後部を前面側から配置穴4aに差し込み、裏面側からクリップ部材9d等で係合保持させる形式のものである。
【0021】
【発明の効果】
本発明のスピーカによれば、複合スピーカにおいて、グリルに設けた可変操作部を回転させることにより、スピーカの取付角度等に関係なく高音域用スピーカの指向性を可変調整したり、音圧調整や周波数特性の可変調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカの参考例を示す断面図。
【図2】本発明のスピーカの参考例を示す正面図。
【図3】桟構造の桟の角度を示し、(A)は角度αのもの、0°のもの、(B)は角度0°のもの、(C)は角度β(α<β)のもの。
【図4】可変操作部をホーン形状のものとした例を示し、(A)はスピーカの断面図、(B)は可変操作部の正面図。
【図5】可変操作部として、桟構造の背面側に音響マスキング材を配置した例を示し、(A)は断面図、(B)は正面図。
【図6】3スピーカにおける高域を再生する2つのスピーカ2、20に設置した例を示す正面図。
【図7】中低音域を受けもつスピーカと高音域を受けもつスピーカにそれぞれ配置した例を示す正面図。
【図8】可変操作部の取付構造を示す断面図。
【図9】可変操作部の取付構造の他の例を示す断面図。
【図10】可変操作部の取付構造の更に他の例を示す断面図。
【図11】従来の金網状のスピーカグリルを示す正面図。
【図12】従来のパンチング金属板によるスピーカグリルを示す正面図。
【図13】従来の桟付き合成樹脂製のスピーカグリルを示し、(A)は正面図、(B)は断面図。
【図14】従来の角度付き桟を設けた合成樹脂製のスピーカグリルを示す断面図。
【符号の説明】
1 中低音域用スピーカ
2 高音域用スピーカ
20 高音域用スピーカ
3 グリル
4 グリル本体部
4a 配置穴
5 可変操作部
6 桟構造
6a 桟
7 ホーン形状の部材
8 音響マスキング部材
9 保持部材
10 保持枠

Claims (4)

  1. 高音域用スピーカを含む複数のスピーカが配置されると共に前面側にグリルが配置されたスピーカにおいて、
    上記グリルにおける高音域用スピーカの前面側に、
    上記グリルのグリル本体部に対してその周方向に回転可能であって、上記高音域用スピーカの指向性を可変するように多数の桟を有する可変操作部を備え
    上記グリル本体部に、
    中低音域用スピーカの指向性を可変するように多数の桟を設け、
    上記可変操作部および上記グリル本体部に、それぞれ独自の指向性を持たせる構造としたことを特徴とするスピーカ。
  2. 前記可変操作部には、音響マスキング部材として吸音材又はスクリーンが配置されていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ。
  3. 前記可変操作部が保持部材を介して前面側から前記グリルに取り付けられるようになっていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ。
  4. 前記可変操作部を前記グリル前面側から装着すると共に裏面側から保持部材を介して保持させるようになっていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ。
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