JP3558779B2 - 燃焼制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、炎の有無を検出して、その検出信号によって燃焼機器の運転管理を行うような燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼制御装置において、燃焼を開始する前に、炎検出手段が正常であるか否か、即ち燃焼を開始していないにもかかわらず炎検出信号が出力されていないかどうかを検知するために、炎検出手段の出力をチェックするものがある。
【0003】
そして、上記燃焼制御装置が、温度を検出する際に、検出対象物の温度が変化してからその変化に応じた出力を得るまでに要する時間である検出遅れ時間を有する炎検出手段を使用して炎の有無を判断するときには、燃焼停止後、該検出遅れ時間内に燃焼を再開しようとしたときに、実際には炎が消えているにもかかわらず、前回の燃焼時の影響により、炎有りと判断されてしまうという不都合がある。
【0004】
そこで、前記不都合を解決する手法として、運転スイッチが入れられたときに、前記検出遅れ時間より僅かに長い設定時間を持つタイマーを起動し、該設定時間内に前記炎検出手段より炎無信号が得られたときは、直ちに燃焼シーケンスを開始し、該設定時間が経過しても炎無し信号が得られなかったときは、前記炎検出手段の出力が異常であると判定して異常処理を行うようにしたものが知られている。(特公平7─113452号)
しかし、上記手法では、運転スイッチが入れられてから前記炎検出手段の出力異常の判定を行うまでに、必ず前記タイマーの設定時間分の待ち時間が必要となる、という問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するため、運転スイッチが入れられてから炎検出手段の出力異常の判定を行うために必要となる待ち時間を削減した燃焼制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる目的を達成するために、炎の有無を検出する際に、検出遅れ時間を有する炎検出手段と、運転スイッチと、燃焼停止時に起動され、前記検出遅れ時間よりも長い設定時間を持つタイマーと、前記タイマーの稼働中に運転スイッチが入れられなかったときには、その後最初に運転スイッチが入れられたときに、待ち時間なしに前記炎検出手段の出力異常の判定を行い、前記タイマーの稼働中に運転スイッチが入れられたときには、前記タイマーのタイムアップ時に前記炎検出手段の出力異常の判定を行う異常判定手段と、該異常判定手段で前記炎検出手段の出力が正常と判定されたときに限り、所定の燃焼処理を行う燃焼制御手段とからなることを特徴とする。
【0007】
かかる本発明によれば、燃焼停止時に前記検出遅れ時間よりも長い設定時間を持つタイマーが起動される。したがって、該タイマーがタイムアップした後に運転スイッチが入れられたときには、前記炎検出手段は検出遅れ状態ではない(前回の燃焼の影響を受けない)と想定できる。よって前記検出遅れ時間を待つことなく、直ちに前記異常判定手段は前記炎検出手段の出力異常を判定できるので、前記待ち時間を削減することができる。また、前記タイマーがタイムアップする前に運転スイッチが入れられたときには、タイマーの残り時間分の待ち時間で出力異常の判定ができるので、前記待ち時間を短縮することができる。
【0008】
また、前記異常判定手段は、前記タイマーの稼働中に運転スイッチが入れられたときに、前記炎検出手段の出力が異常でない場合は、前記タイマーのタイムアップを待つことなく正常と判定することを特徴とする。
【0009】
かかる本発明によれば、前記異常判定手段は、運転スイッチが入れられたときに、前記炎検出手段の出力が異常でなければ、前記待ち時間なしに、正常の判定を行うことができる。
【0010】
また、前記異常判定手段は、電源投入後最初に運転スイッチが入れられたときには、待ち時間なしに前記炎検出手段の出力異常の判定を行うようにしたことを特徴とする。
【0011】
通常、電源が投入されたときは、燃焼停止からかなり時間がたっており、前記検出遅れ時間が経過していると考えらるので、前記炎検出手段は検出遅れ状態ではない(前回の燃焼の影響を受けない)と想定できる。よって電源投入後最初に運転スイッチが入れられたときには、前記検出遅れ時間を待つことなく、直ちに前記異常判定手段は前記炎検出手段の出力異常を判定できるので、前記待ち時間を削減することができる。
【0012】
また、前記異常判定手段は、電源投入後最初に運転スイッチが入れられたときに、該電源投入が瞬時停電後、前記検出遅れ時間内に行われた復帰投入であることを検出する復帰投入検出手段を有し、該復帰投入検出手段が前記復帰投入を検出した場合は、前記タイマーを起動し、該タイマーのタイムアップ時に前記炎検出手段の出力異常の判定を行うようにしたことを特徴とする。
【0013】
前記復帰投入検出手段を使用することで、前記異常判定手段は、前記復帰投入後最初に運転スイッチが入れられたときと、通常の電源投入後最初に運転スイッチが入れられたときを区別することができる。したがって、前記異常検出手段は、前記復帰投入後前記検出遅れ時間内に運転スイッチが入れられたときでも、前記炎検出手段の出力を誤認識することなく判定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1から図3を参照して説明する。図1は本実施形態の燃焼制御装置のブロック構成図、図2は図1の装置に備えた異常判定手段の動作を示すフロ─チャ─ト、図3は図1の装置に備えた炎検出手段の出力減衰を示すグラフである。
【0015】
図1において、1は熱電対等の検出遅れ時間を有する炎検出手段であり、検出温度に応じた電圧を異常判定手段2に出力する。3はタイマ─であり、後述する燃焼制御手段4からのタイマー起動信号を受けて起動し、タイムアップ信号を前記異常判定手段2に出力する。4は燃焼制御手段であり、運転スイッチ5、燃焼機器であるバーナー6と接続される。また、前記異常判定手段2は前記燃焼制御手段4と接続され、該燃焼制御手段4は該異常判定手段2から正常信号出力を受け取ったときにのみ、バーナー6の点火、燃焼処理を行う。
【0016】
図3において、前記異常判定手段2は、消火後、40秒経過時点で前記炎検出手段1の出力電圧Tcが12mV以下の場合を炎無しと判定し、3mV以下の場合を通常の電源投入後の状態と判定している。
【0017】
以下本燃焼制御機器の動作を、図2に示したフローチャートにより説明する。図2は前記異常判定手段2、タイマー3、及び燃焼制御手段4の動作を示している。また、Aは復帰投入検出手段の機能を有するブロックである。先ずAを持たない場合の動作を以下に示す。STEP1で運転スイッチ5が切られて、燃焼停止がなされたときに、燃焼制御手段4から出力される燃焼停止信号を受け取ると、STEP2で前記炎検出手段1の検出遅れ時間の考慮を指示するフラグFをセット(F=1)し、STEP3で図示しないファンモータに対してポストパージ運転を指示する。
【0018】
そして、STEP4〜STEP6で20秒、40秒、150秒の各タイマーをそれぞれ起動する。その後STEP14で前記150秒タイマーのタイムアップを確認しながらSTEP7で運転スイッチ5が入れられるのを待つ。運転スイッチ5が入れられたときは、STEP8に進んで逆火防止用の20秒タイマーのタイムアップを待つ。尚、この20秒タイマーは、残ガスによる逆火を防ぐため、着火を禁止するものである。前記逆火防止用の20秒タイマーがタイムアップしたならば、STEP9に進んで炎検出手段1の出力電圧Tcが12mV以下であるかどうかの判断を行い、12mV以下であれば炎無しと判断してSTEP13に進んで、前記燃焼制御手段4に対して正常指示を出力する。
【0019】
また、前記出力電圧Tcが12mVを越えているときにはSTEP9のNO分岐に進み、STEP11で前記40秒タイマーのタイムアップを確認しながらSTEP9で前記出力電圧Tcが12mV以下になるのを待つ。そして、前記40秒タイマーのタイムアップ前に前記出力電圧Tcが12mV以下になったときには、STEP9のYES分岐を通ってSTEP13に進み、前記燃焼制御手段4に正常指示を出力する。また、前記40秒タイマーのタイムアップ前に前記出力電圧Tcが12mV以下にならなかったときには、STEP11のYES分岐を通ってSTEP12に進み、前記燃焼制御手段4に異常指示を出力する。このとき、STEP7で運転スイッチ5の入力を確認してから、STEP12で異常指示を出力するまでの待ち時間は、運転スイッチが入れられた時点の前記40秒タイマーの残時間で済む。したがって、従来のように運転スイッチ5が入れられてからタイマーを起動するよりも、前記待ち時間を短縮することができる。
【0020】
これに対して、STEP7で運転スイッチ5の入力を確認する前にSTEP14で150秒タイマーがタイムアップしたときは、STEP15で前記ファンモータにポストパ─ジの終了指示を出力する。そしてSTEP16で運転スイッチ5の入力を待つ。STEP16で運転スイッチ5の入力を確認したときには、STEP18に進む。この時点で、燃焼停止から前記検出遅れ時間40秒を越える150秒が経過しているので、前記検出遅れ時間の考慮を指示するフラグFをリセット(F=0)する。そして、STEP9で出力電圧Tcが12mV以下でなければ、STEP10のYES分岐を通ってSTEP12に進み、待ち時間なしに直ちに前記燃焼制御手段4に異常指示を出力する。したがって、従来必要であった、運転スイッチが入れられてから異常指示が出力されるまでの待ち時間を削減することができる。
【0021】
尚、前記150秒タイマーがタイムアップした時点で、前記出力電圧Tcが12mV以下であれば、その後最初に運転スイッチ5が入れられたときに、前記出力電圧Tcの確認なしに直ちに前記燃焼制御手段に対して正常指示を出力することとする動作フローも考えられるが、本例では前記150秒タイマーがタイムアップしてから運転スイッチ5が入れられるまでの間に、前記炎検出手段1が破損する可能性があることを考慮して、運転スイッチ5が入れられた後で前記出力電圧Tcの確認を行う動作フローとしている。このようにすることで、前記炎検出手段1が破損して出力が異常であるにもかかわらず、前記燃焼制御手段4に対して正常指示を出力してしまう、という不都合を防止することができる。
【0022】
また、STEP19で電源投入後(コンセントへの接続後)、STEP16で最初に運転スイッチ5の入力を確認したときには、初めての使用か、或いは燃焼停止からかなり時間がたっており、前記炎検出手段1は検出遅れ状態ではない(前回の燃焼の影響を受けない)と想定できる。したがって、STEP18で前記検出遅れ時間の考慮を指示するフラグFをリセット(F=0)してSTEP9に進む。そして、STEP9で前記出力電圧Tcが12mV以上であると判定されたときには、STEP10のYES分岐を通って待ち時間なしに直ちに前記燃焼制御手段4に異常指示を出力する。したがって、従来必要であった、運転スイッチ5が入れられてから異常指示が出力されるまでの待ち時間を削減することができる。
【0023】
次に、復帰投入検出手段の機能を有するブロックAを付加した場合の動作を説明する。STEP19で電源が投入され、その後最初にSTEP16で運転スイッチ5の入力が確認されたときは、STEP16のYES分岐を通ってSTEP17に進む。そして前記出力電圧Tcが3mV以下であるかどうか(ポストパージを行う必要があるかどうか)を判定し、該出力電圧Tcが3mV以下であれば通常の電源投入であり、前記炎検出手段1は検出遅れ状態でない(前回の燃焼の影響を受けない)としてSTEP18に進む。一方、前記出力電圧Tcが3mVを越えている場合は、瞬時停電後の復帰投入であり、前記炎検出手段1が検出遅れ状態にある(前回の燃焼停止からあまり時間が経過していない)として、STEP2に進み通常の燃焼停止後の処理であるポストパージを行う。したがって、瞬時停電後の復帰投入の場合でも、前記炎検出手段1の出力を誤認識することなく判定することができる。
【0024】
尚、上記実施の形態では、ファンを備えた燃焼装置を示したが、ファンを備えていない燃焼装置に対しても本発明の適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼制御装置のブロック図。
【図2】図1の燃焼制御装置に備えた異常判定手段の動作を示すフローチャート。
【図3】図1の燃焼制御装置に備えた炎検出手段の出力減衰を示すグラフ。
【符号の説明】
1…炎検出手段、2…異常判定手段、3…タイマー、4…燃焼制御手段、
5…運転スイッチ、6…バーナー

Claims (4)

  1. 炎の有無を検出する際に、検出遅れ時間を有する炎検出手段と、運転スイッチと、燃焼停止時に起動され、前記検出遅れ時間よりも長い設定時間を持つタイマーと、前記タイマーの稼働中に運転スイッチが入れられなかったときは、その後最初に運転スイッチが入れられたときに、待ち時間なしに前記炎検出手段の出力異常の判定を行い、前記タイマーの稼働中に運転スイッチが入れられたときは、前記タイマーのタイムアップ時に前記炎検出手段の出力異常の判定を行う異常判定手段と、該異常判定手段で前記炎検出手段の出力が正常と判定されたときに限り、所定の燃焼処理を行う燃焼制御手段とからなることを特徴とする燃焼制御装置。
  2. 前記異常判定手段は、前記タイマーの稼働中に運転スイッチが入れられたときに、前記炎検出手段の出力が異常でない場合は、前記タイマーのタイムアップを待つことなく正常と判定することを特徴とする請求項1記載の燃焼制御装置。
  3. 前記異常判定手段は、電源投入後最初に運転スイッチが入れられたときには、待ち時間なしに前記炎検出手段の出力異常の判定を行うようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の燃焼制御装置。
  4. 前記異常判定手段は、電源投入後最初に運転スイッチが入れられたときに、該電源投入が瞬時停電後、前記検出遅れ時間内に行われた復帰投入であることを検出する復帰投入検出手段を有し、該復帰投入検出手段が前記復帰投入を検出した場合は、前記タイマーを起動し、該タイマーのタイムアップ時に前記炎検出手段の出力異常の判定を行うようにしたことを特徴とする請求項3記載の燃焼制御装置。
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