JP3558700B2 - Plasma arc cutting torch and plasma arc cutting method - Google Patents
Plasma arc cutting torch and plasma arc cutting method Download PDFInfo
- Publication number
- JP3558700B2 JP3558700B2 JP27212394A JP27212394A JP3558700B2 JP 3558700 B2 JP3558700 B2 JP 3558700B2 JP 27212394 A JP27212394 A JP 27212394A JP 27212394 A JP27212394 A JP 27212394A JP 3558700 B2 JP3558700 B2 JP 3558700B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plasma
- plasma arc
- torch
- cup
- tip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Plasma Technology (AREA)
- Arc Welding In General (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プラズマアークにより被加工物を切断加工するために用いるプラズマアーク切断用トーチ及び該トーチを用いて行うプラズマアーク切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にプラズマアーク切断用トーチは図14に示す構造を有する。図14において1は流体により冷却されるプラズマ電極で、この電極1は、中空円筒状に形成された電極基材2と、この電極基材2の先端を閉鎖する端部壁に設けられた凹部内に装着された挿入体3とにより構成されている。電極基材2は、銅または銅合金により形成され、挿入体3はハフニウムやジルコニウム等の高融点材料により形成されている。
【0003】
4はトーチの中心部に配置された導電材料よりなる管状の電極支持部材で、電極1はこの電極支持部材4の先端部に支持されている。5は電極支持部材4を外側から覆うように設けられた絶縁スリーブ、6は絶縁スリーブ5を外側から同心的に囲むように設けられた導電材料からなるチップ支持部材で、電極支持部材4、絶縁スリーブ5及びチップ支持部材6によりトーチボディ7が構成されている。絶縁スリーブ5とチップ支持部材6との間には環状のガス導入通路g1 が形成され、該ガス導入通路g1 は図示しないガス供給源に接続されている。
【0004】
8はチップ支持部材6の先端に支持された中空のチップで、このチップは、プラズマ電極1を同心的に取り囲む円筒部8Aと、該円筒部の先端側に向かう先細の第1の凸部8Bと、該第1の凸部8Bの先端側に形成された同じく先細の先端部8Cとからなっている。図示の例では、第1の凸部8B及び先端部8Cが共に逆円錐状に形成され、チップ8と電極1との間にはガス導入通路g1 に連通する環状のガス流路g2 が形成されている。チップ8の先端部8Cの軸心部には、軸線方向に沿って均一な内径を有するプラズマ流噴出孔801が穿設され、第1の凸部8Bの内側には、先端部がプラズマ流噴出孔801の後端部に連続する逆円錐面状のガス流縮流部802が形成されている。
【0005】
9はチップ支持部材6の先端に取り付けられたカップで、このカップ9は、トーチボディ7の先端部とチップ8の円筒部8Aとを同心的に取り囲む円筒部9Aと、チップ8の第1の凸部8Bを同心的に取り囲む先細の(図示の例では逆円錐状の)第2の凸部9Bと、第2の凸部9Bの先端側に形成された端部壁9Cとからなり、チップ8とカップ9との間に環状の冷却水還流通路w4 が形成されている。カップの端部壁9Cの中央部にはテーパ孔が穿設され、チップの先端部8Cは、カップの端部壁9Cのテーパ孔に嵌合されてその一部が外部に導出されている。
【0006】
トーチボディ7の軸心部(電極支持部材4の内部)には電極基材2内に連通する冷却水流通用の孔4aが設けられていて、該孔4a内を通して電極基材2の内側に冷却水案内管10が挿入され、この案内管10の内側及び外側にそれぞれ冷却水通路w1 及びw2 が形成されている。冷却水通路w2 はチップ支持部材6内に設けられた冷却水案内通路w3 を通してチップ8とカップ9との間に形成された冷却水還流通路w4 に連通させられ、冷却水還流通路w4 は、チップ支持部材6内に設けられた冷却水排出通路w5 に連通させられている。
【0007】
11はトーチの冷却水供給口(図示せず。)に接続された冷却水供給ホース、12はトーチの冷却水排出口に接続された冷却水排出ホースで、冷却水供給ホース11を通して供給される冷却水は、図示の矢印A1 のように冷却水案内管10内の冷却水通路w1 に流入した後、該案内管の下端から冷却水通路w2 に流入し、プラズマ電極1を冷却した後、矢印A2 のように冷却水案内通路w3 に流入する。冷却水案内通路w3 に流入した冷却水は、冷却水還流通路w4 に流入してチップ8を冷却した後冷却水排出通路w5 に流入し、更に矢印A3 のように冷却水排出ホース12に流入して、該ホース12から外部に排出される。
【0008】
上記のプラズマアーク切断用トーチを用いて被加工物を切断する際には、プラズマ電極1と被加工物との間に電力を供給するとともに、空気、酸素等のプラズマアーク形成用流体(ガス)Gをトーチボディ7内のガス導入通路g1 を通してチップ8と電極1との間のガス流路g2 に供給する。そして、ガス流路g2 に流入したプラズマアーク形成用流体Gをガス流縮流部802により絞りながらプラズマ流噴出孔801に流入させてプラズマ電極1の挿入体3より発生したプラズマアークをプラズマ流噴出孔801から噴射させることによりプラズマジェットを発生させ、このプラズマジェットにより被加工物の切断を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のプラズマアーク切断用トーチを用いて、ベベル角(切断面の傾斜角)が小さい、高品質の切断面を得るためには、チップ8のプラズマ流噴出孔801の径を小さくして、プラズマ流噴出孔801でのプラズマアークの電流密度を高め、プラズマアークを細く絞ることが有効である。しかしながら、プラズマアーク形成用流体として空気や酸素を用いた場合、プラズマ切断に用いる、いわゆる切断電流値を大きくしてプラズマアークの電流密度を高くしようとすると、ガス流縮流部802の先端部とプラズマ流噴出孔801の後端部の一部とが短時間で破壊し、図15に示すように、プラズマ流噴出孔801とガス流縮流部802との境界部付近に焼損部81が形成される。このような焼損部81が形成されると、該焼損部81でプラズマアークが乱されるため、切断面のベベル角が大きくなるのを避けられない。
【0010】
プラズマアーク切断により被加工物の切断加工を行う場合、ベベル角が3度以下の高品質の切断面を得ることが望まれており、被加工物の肉厚が薄い場合には比較的小さな切断電流値でも高品質の切断面が得られている。しかし、被加工物の肉厚が厚い場合には切断電流値を大きくすることが必要になり、被加工物の肉厚の増大に応じて切断電流値を大きくする必要があるが、従来のプラズマアーク切断用トーチでは、例えば切断電流値を120[A]以上に設定すると、短時間で上記焼損部81が形成されるため、高品質の切断面を得ることは困難であった。
【0011】
本発明の目的は、ベベル角が小さい高品質の切断面を得ることができるプラズマアーク切断方法及び該切断方法を実施するために用いるプラズマアーク切断用トーチを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるプラズマアーク切断用トーチは、電極基材2の先端に設けた凹部内に高融点の挿入体3を装着してなるプラズマ電極1と、プラズマ電極1をガス流路を介して同心的に取り囲むように形成された中空のチップ8とを備えたもので、チップ8は、プラズマ流噴出孔801を有する先端部8Cと該先端部に向かう先細の第1の凸部8Bとを有し、該第1の凸部の内側に逆円錐面状のガス流縮流部802が形成されている。
【0013】
なお本明細書において、各部の「先端部」は、プラズマジェットが噴出するトーチの先端側に位置する端部をいうものとする。
【0014】
また本明細書において「円錐状」あるいは「円錐面」等という場合の「円錐」は、必ずしも底面から頂点までを含む円錐全体の形状を意味するものではなく、円錐の一部をなすテーパがついた形状を表現するための言葉としても用いるものとする。従って、円錐の頭部を切断したいわゆる「截頭円錐状」の形状をいう場合にも単に「円錐状」というものとする。
【0015】
更に「逆円錐状」または「逆円錐面」という場合の「逆円錐」とは、トーチの先端側に向って径が次第に小さくなっていく向きの円錐(頂点がトーチの先端側を向いた円錐)を意味するものとする。
【0016】
本発明においては、チップ8のプラズマ流噴出孔801とガス流縮流部802との間にガス流縮流部の円錐角αよりも小さい円錐角θを有する逆円錐面状のプラズマアーク助走部803を設ける。プラズマアーク助走部803の円錐角θは20度以上85度以下に設定する。またプラズマアーク助走部803の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔801の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 を0.2以上2.5以下に設定する。
【0017】
上記プラズマアーク助走部803は、単一の逆円錐面からなっていてもよく、円錐角が異なる複数の逆円錐面からなっていてもよい。複数の逆円錐面によりプラズマアーク助走部を形成する場合、該複数の逆円錐面は、プラズマ流噴出孔に近いものほどその円錐角が小さくなるように設ける。
【0018】
本発明においてはまた、上記チップ8の第1の凸部8B付近を同心的に取り囲む第2の凸部9Bを先端側に有する中空のカップ9と、カップ9の第2の凸部9Bを同心的に取り囲むテーパ部15Bを先端側に有するシールドカップ15とを更に設けて、カップ9の第2の凸部9Bの外面を逆円錐面状に形成し、該カップ9の第2の凸部9Bとシールドカップ15のテーパ部15Bとの間にシールドガス流路s3 を形成して、該シールドガス流路の先端にプラズマ流噴出孔の軸線を同心的に取り囲むシールドガス噴出口sa を形成するようにしてもよい。
【0019】
上記のようにカップ9及びシールドカップ15を設ける場合、シールドカップはそのテーパ部15Bがカップの第2の凸部9Bの外周に当接するように形成するのが好ましい。この場合、カップの第2の凸部9Bの円錐面の母線方向に沿って伸びる複数の溝901を放射状に設けて、該複数の溝によりシールドガス流路s3 を形成する。またシールドカップ15は、そのテーパ部15Bのテーパ角(円錐角)γがカップ9の第2の凸部の外面の円錐角βと同一かまたは該テーパ角γが円錐角βよりも若干大きくなるように形成する。
【0020】
本発明のプラズマアーク切断方法においては、チップのプラズマ流噴出孔とガス流縮流部との間に、該ガス流縮流部よりも円錐角が小さい逆円錐面状のプラズマアーク助走部を形成し、該プラズマアーク助走部の円錐角θを20度以上85度以下に設定するとともに、プラズマアーク助走部の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 を0.2以上2.5以下に設定した前述のプラズマアーク切断用トーチを用い、該トーチのプラズマ電極と被加工物との間に電力を供給するとともに、該トーチ内のガス流路に空気または酸素をプラズマアーク形成用流体として供給してプラズマアーク切断を行う。
【0021】
本発明のプラズマアーク切断方法においてはまた、チップの第1の凸部付近を同心的に取り囲む第2の凸部を有する中空のカップと、該カップの第2の凸部を同心的に取り囲むテーパ部を先端に有するシールドカップとを更に設けたプラズマアーク切断用トーチを用いて該トーチのプラズマ電極と被加工物との間に電力を供給し、該トーチ内のガス流路に空気または酸素をプラズマアーク形成用流体として供給するとともに、シールドガス流出通路に酸素をシールドガス流体として供給し、該シールドガス流体の流量を10リットル/分〜60リットル/分の範囲に設定してプラズマアーク切断を行う。
【0022】
【作用】
上記のように、チップのプラズマ流噴出孔とガス流縮流部との間に、該ガス流縮流部よりも円錐角が小さい逆円錐面状のプラズマアーク助走部を形成すると、チップの内側に流入したプラズマアーク形成用流体は、先ず軸線方向に対する半径の減少率が大きいガス流縮流部により半径方向に拘束されつつ軸線方向に流れる過程で大きく絞られた後、軸線方向に対する半径の減少率が小さいプラズマアーク助走部により無理なく絞られつつ加速されて、プラズマ流噴出孔から細く絞られた高速のガス流となって流出する。
【0023】
また従来のトーチでは、最大切断電流値を120[A]以上に設定すると、プラズマアーク形成用流体として空気または酸素を用いた場合、プラズマ流噴出孔とガス流縮流部との境界部付近が短時間で焼損するという問題があったが、上記のようにプラズマアーク助走部を設けて、該プラズマアーク助走部の円錐角θを20度以上85度以下に設定するとともに、プラズマアーク助走部の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 を0.2以上2.5以下に設定すると、最大切断電流値を120[A]以上に設定しても、長時間に亘って焼損部を生じないことが実験により確認された。
【0024】
従って本発明のプラズマアーク切断用トーチによると、プラズマアーク形成用流体を細く絞って高速で軸線方向に流出させることができることと、最大切断電流値を従来よりも高く設定できることとが相俟って、従来よりも電流密度が高い、細く絞られたプラズマアークを発生させることができ、ベベル角が小さい高品質の切断面を得ることができる。
【0025】
【実施例】
図1及び図2は、本発明の実施例を示したもので、図1は同実施例のトーチの要部を示す縦断面図、図2は図1のトーチの先端部付近の拡大縦断面図である。
本実施例のプラズマアーク切断用トーチの基本的な構造は図14及び図15に示した従来のものと同様であり、図1及び図2において図14及び図15に示したトーチの各部と同等の部分にはそれぞれ同一の符号を付してある。
【0026】
図1及び図2において、1は中空円筒状に形成された銅または銅合金製の電極基材2と、ハフニウムやジルコニウム等の高融点材料により形成された挿入体3とからなるプラズマ電極で、挿入体3は、電極基材2の先端部を閉じる端部壁に設けられた凹部内に装着されている。プラズマ電極1は、トーチの中心部に配置された導電材料からなる管状の電極支持部材4の先端にネジ結合されて支持されている。また電極支持部材4を外側から覆うように絶縁スリーブ5が設けられ、該絶縁スリーブ5を外側から同心的に囲むように導電材料からなる管状のチップ支持部材6が設けられている。電極支持部材4、絶縁スリーブ5及びチップ支持部材6によりトーチボディ7が構成され、絶縁スリーブ5とチップ支持部材6との間には、図示しないガス供給源に接続される環状のガス導入通路g1 が形成されている。
【0027】
チップ支持部材6の先端には中空のチップ8がネジ結合により取り付けられている。このチップ8は、プラズマ電極1を同心的に取り囲む円筒部8Aと、該円筒部の先端側に形成された先細の第1の凸部8Bと、該第1の凸部8Bの先端側に形成された先端部8Cとからなっている。図示の例では、第1の凸部8B及び先端部8Cが共に逆円錐状に形成され、チップ8と電極1との間にはガス流路g1 に連通する環状のガス流路g2 が形成されている。チップ8の先端部8Cの軸心部には、軸線方向に沿って均一な内径dを有するプラズマ流噴出孔801が穿設され、第1の凸部8Bの内側には、プラズマ流噴出孔801との間に間隔を隔てた状態で、プラズマ流噴出孔801側に向って次第に径が小さくなる逆円錐面状のガス流縮流部802が形成されている。
【0028】
本発明においては、プラズマ流噴出孔801とガス流縮流部802との間に、ガス流縮流部802の円錐角αよりも小さい円錐角θ(図2参照)を有する逆円錐面状のプラズマアーク助走部803が形成され、図示しないガス供給源からガス導入通路g1 を経てガス流路g2 に流入したプラズマアーク形成用流体Gがガス流縮流部802を経た後プラズマアーク助走部803を経てプラズマ流噴出孔801に流入するようになってる。ここで、図2に示すように、プラズマ流噴出孔801の軸線方向寸法をL1 とし、プラズマアーク助走部803の軸線方向寸法をL2 とする。
【0029】
チップ支持部材6の先端にはカップ9が取り付けられている。カップ9は、トーチボディ7の先端部とチップ8の円筒部8Aとを同心的に取り囲む円筒部9Aと、チップ8の第1の凸部8Bを同心的に取り囲む先細の(図示の例では逆円錐状の)第2の凸9Bと、第2の凸9Bの先端側に形成された端部壁9Cとからなっている。カップの端部壁9Cの中央部にはチップの先端部8Cを嵌合させるテーパ孔が穿設され、該テーパ孔を通してチップの先端部8Cの一部が外部に導出されている。カップ9とチップ8との間に冷却水還流通路w4 が形成されている。
【0030】
電極支持部材4の内部には電極基材2内に連通する冷却水流通用の孔4aが設けられていて、該孔内を通して電極基材2の内側に冷却水案内管10が挿入され、案内管10の内側及び外側にそれぞれ冷却水通路w1 及びw2 が形成されている。冷却水通路w2 はチップ支持部材6内に設けられた冷却水案内通路w3 を通してチップ8とカップ9との間に形成された冷却水還流通路w4 に連通させられ、冷却水還流通路w4 は、チップ支持部材6内に設けられた冷却水排出通路w5 を通して排水ホース12に連通させられている。
【0031】
図示してないが、トーチには冷却水供給ホース11が接続された冷却水供給口と、冷却水排出ホース12が接続された冷却水排出口とが設けられ、冷却水供給ホース11→冷却水案内管10内の冷却水通路w1 →案内管10の外側の冷却水通路w2 →冷却水案内通路w3 →冷却水還流通路w4 →冷却水排出通路w5 →冷却水排出ホース12の経路で冷却水が流通してプラズマ電極1とチップ8とが冷却される。
【0032】
本実施例のトーチの構造は、チップ8のガス流縮流部802とプラズマ流噴出孔801との間にガス流縮流部よりも円錐角が小さいプラズマアーク助走部803を形成した点を除き、図14に示した従来のトーチの構造と同様である。
【0033】
本発明者は、本発明に係わるトーチのプラズマアーク助走部の円錐角とその軸線方向寸法とが切断面のベヘル角に与える影響を求めるために種々の実験を行なった。その結果、上記プラズマアーク助走部803の円錐角θを20度以上85度以下に設定し、プラズマアーク助走部803の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔801の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 を0.2以上2.5以下に設定することにより、ベベル角が小さい高品質の切断面を得ることができることが明らかになった。
【0034】
上記のトーチを用いて被加工物の切断を行う場合には、プラズマ電極1と被加工物との間に電力を供給するとともに、空気、酸素等のプラズマアーク形成用流体Gをトーチボディ7内のガス導入通路g1 を通してチップ8と電極1との間のガス流路g2 に供給する。そして、ガス流路g2 に流入したプラズマアーク形成用流体Gをガス流縮流部802及びプラズマアーク助走部803により絞りながら加速してプラズマ流噴出孔801に流入させ、プラズマ電極1の挿入体3より発生したプラズマアークをプラズマ流噴出孔801から噴射させることによりプラズマジェットを発生させて被加工物の切断を行う。
【0035】
本実施例のように、チップ8のプラズマ流噴出孔801とガス流縮流部802との間に、該ガス流縮流部よりも円錐角が小さい逆円錐面状のプラズマアーク助走部803を形成すると、チップの内側に流入したプラズマアーク形成用流体Gは、先ずトーチの軸線方向に対する半径の減少率が大きいガス流縮流部802により拘束されつつ軸線方向に流れる過程で半径方向に大きく絞られた後、軸線方向に対する半径の減少率が小さいプラズマアーク助走部803により無理なく絞られつつ加速されて、プラズマ流噴出孔801から細く絞られて軸線方向に流れる高速のガス流となって流出する。
【0036】
そして、本発明においては、プラズマアーク助走部803の円錐角θを20度以上85度以下に設定するとともに、プラズマアーク助走部803の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 を0.2以上2.5以下に設定することにより、最大切断電流値を120[A]以上に設定して長時間に亘って使用することができるため、従来よりも電流密度が高い、細く絞られたプラズマアークを発生させて、ベベル角が3度以下の高品質の切断面を得ることができる。
【0037】
図6は、プラズマアーク助走部803の円錐角θ[度]と、各円錐角θに対して許容し得る最大切断電流値[A]の実測値との関係を示した線図である。この実験例では、ガス流縮流部802の円錐角αを100度(一定)とし、プラズマアーク助走部803の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔の軸線方向寸法L1 とを等しくして、L2 /L1 =1(一定)とした。またプラズマアーク形成用流体として空気を用いた。この例では、θ=0°の場合及びθ=100°の場合が、プラズマアーク助走部803を設けない場合(従来例と同一のもの)を示している。
【0038】
図6に示されたように、プラズマアーク助走部803の円錐角θを0から増大させていくと、許容最大切断電流値は上昇していき、θ=60度付近でピークに達する。円錐角θを60度よりも更に増大させると許容最大切断電流値は次第に減少していく。図6の例では、θ=0°及びθ=100°の場合(プラズマアーク助走部803が設けられていない場合)の許容最大切断電流値が105[A]であり、θ=20°及びθ=85°の場合の許容最大切断電流値が120[A]であった。従って、この実験から、プラズマアーク助走部803の円錐角θを、20°≦θ≦85°の範囲に設定することにより、許容最大切断電流値を120A以上とすることができ、プラズマアーク助走部803の円錐角θを同範囲に設定することにより、従来のトーチ(θ=0°の場合)に比べて許容最大切断電流値を最低でも14%高くし得ることが明らかになった。
【0039】
特に、プラズマアーク助走部の円錐角θを、40°≦θ≦70°の範囲に設定すると、許容最大電流値を150A以上とすることができ、許容最大切断電流値を従来の約43%以上高くすることができる。
【0040】
図7は、プラズマアーク形成用流体として空気を用い、切断電流値を120[A]として、プラズマアーク助走部803の円錐角θと、被加工物の切断面のベベル角との関係を実測した結果を示したもので、同図から、θ=20°の場合及びθ=85°の場合に、ベベル角がほぼ3°となり、プラズマアーク助走部の円錐角θを、20°≦θ≦85°の範囲に設定することにより、切断面のベベル角が3°以下になることが分かる。また円錐角θを、40°≦θ≦70°の範囲に設定すると、切断面のベベル角がほぼ2°以下になることが分かる。
【0041】
図8は、プラズマアーク助走部803の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 と切断面のベベル角との関係を実測した結果を示したもので、この例では、ガス流縮流部802の円錐角αを100°(一定)とし、プラズマアーク助走部803の円錐角θを50°(一定)とした。図8から、L2 /L1 =0.2の場合及びL2 /L1 =2.5の場合に切断面のベベル角がほぼ3°となり、L2 /L1 を0.2≦L2 /L1 ≦2.5の範囲に設定することにより、ベベル角が3°以下の高品質の切断面を得ることができることが分かる。特にL2 /L1 を、0.5≦L2 /L1 ≦2.0の範囲に設定すると切断面のベベル角がほぼ2°以下のきわめて高品質の切断面を得ることができる。
【0042】
上記の実験の結果をまとめて示すと下記の表1の通りであり、同表の切断結果の「良」は切断面のベベル角のばらつきの範囲が3°以下であったことを意味し、「優良」は「良」の場合よりも更にベベル角のばらつきの範囲が小さいことを意味する。また「最良」は、ベベル角のばらつきの範囲が2°以下のきわめて高品質の切断面が得られたことを意味する。
【0043】
【表1】
図1及び図2に示した例では、プラズマアーク助走部803を単一の逆円錐面により形成したが、互い円錐角が異なっていて、プラズマ流噴出孔801に近いものほど円錐角が小さくなるように形成された複数の逆円錐面によりプラズマアーク助走部を構成するようにしてもよい。例えば、図3に示すように、ガス流縮流部802の先端に後端部が連続する逆円錐面803aと、逆円錐面803aの先端に後端部が連続し先端がプラズマ流噴出孔801に連続した逆円錐面803bとによりプラズマアーク助走部803を構成するようにしてもよい。この場合、ガス流縮流部802の円錐角αと逆円錐面803aの円錐角θ1 と逆円錐面803bの円錐角θ2 との間に、α>θ1 >θ2 の関係が成立するようにし、かつθ1 及びθ2 の双方を20°ないし85°の範囲に設定する。
【0044】
このように、プラズマアーク助走部を、プラズマ流噴出孔側に向うにしたがって円錐角が順次小さくなっていくように配列された複数の逆円錐面により形成すると、プラズマアーク助走部に流入したガスが段階的に絞られつつ加速されるため、ガス流縮流部からプラズマアーク助走部を経てプラズマ流噴出孔に至るガス流路でのガスの流れを円滑にして、その高速化を図ることができる。従って、プラズマ流噴出孔801から噴出するプラズマジェットは、細く絞られて軸線方向への噴出力が強いきわめて強力なものとなり、ベベル角が小さい高品質の切断面を得ることができる。
【0045】
なお本発明において、プラズマアーク助走部においては、該助走部の途中でガスを半径方向の内側に指向させるような部分を設けないことが必要であり、プラズマアーク助走部を複数の逆円錐面により構成する場合には、該助走部の下流側に位置する逆円錐面の円錐角を上流側に位置する逆円錐面の円錐角よりも大きくしないようにすることが必須の要件である。例えば、図4に示したように、プラズマアーク助走部803の下流側に、上流側の逆円錐面803aの円錐角θ1 よりも大きい円錐角θ2 ´を有する逆円錐面803b´を設けることは避ける必要がある。即ち、図4に示したように、プラズマアーク助走部を構成すると、逆円錐面803b´により径方向の内側にガスが指向され、これにより軸線方向に流れているガス流と交差する方向のガス流が生じるため、ガス流が乱されてプラズマアークの拘束力が低下する。従って、細く絞られたプラズマジェットを得ることができなくなり、好結果は得られない。
【0046】
また図5に示したように、プラズマアーク助走部803の下流側に径方向の内側に湾曲した湾曲部803cを形成した場合にも、同様にこの湾曲部により径方向の内側に向うガス流が生じさせられるため、ガス流が乱されて好結果が得られなくなる。
【0047】
上記の実施例では、プラズマアーク形成用流体Gとして空気または酸素を用いたが、空気または酸素を用いる場合がトーチの使用条件としては最も過酷であり、プラズマアーク形成用流体として空気または酸素を用いた場合に最もトーチが損傷し易い状態になる。従って、プラズマアーク形成用流体として空気または酸素を用いた場合にトーチが損傷することがなければ、他の流体、例えば不活性ガスをプラズマアーク形成用流体として用いた場合には何等問題が生じない。従って本発明は、プラズマアーク形成用流体として空気または酸素を用いる場合に何等限定されない。
【0048】
図9は本発明の他の実施例を示したもので、この実施例では、チップ支持部材6を同心的に取り囲むように外管13が取り付けられ、電極支持部材4、絶縁スリーブ5、チップ支持部材6及び外管13によりトーチボディ7が構成されている。外管13とチップ支持部材6との間には環状のシールドガス流路s1 が形成され、該シールドガス流路s1 はガスボンベやポンプなどからなる図示しないシールドガス供給手段に接続されている。
【0049】
トーチボディ6の外管13の先端には、トーチボディ7の先端部とカップ9の円筒部9Aとを同心的に取り囲む円筒部15Aと、カップ9の第2の凸部を同心的に取り囲むテーパ部15Bとからなるシールドカップ15が取り付けられている。シールドカップの円筒部15Aとトーチボディ7の先端部及びカップの円筒部9Aとの間には、前記シールドガス流路s1 に連通するシールドガス流路s2 が形成され、シールドカップ15のテーパ部15Bとカップの第2の凸部9Bとの間にはシールドガス流路s2 に連通するシールドガス流路s3 が形成されている。シールドカップのテーパ部15Bは、その先端部がカップ9の端部壁9Cよりも手前の位置で終端するように設けられており、テーパ部15Bの先端部の内周とカップの第2の凸部9Bの外周との間に、プラズマ流噴出孔sa の中心軸線を同心的に取り囲むシールドガス噴出口sa が形成されている。シールドガス噴出口sa はプラズマ流噴出孔801と同心的に配置され、シールドガス流路s1 ,s2 ,s3 を通して供給されるシールドガスがシールドガス噴出口sa から、プラズマジェットに向かって噴出するようになっている。
【0050】
シールドカップの取り付け方は任意であるが、図示の例では、トーチボディ7の外管13の先端部外周にネジ13aが設けられ、このネジ13aにシールドカップ15の円筒部15Aの内周に設けられたネジ15A1が螺合されてシールドカップ15がトーチボディ7に取り付けられている。その他の点は、図1に示したトーチと同様であり、チップ8のプラズマアーク助走部803は、ガス流縮流部802の円錐角αよりも小さい円錐角θを有する単一の逆円錐面からなっている。
【0051】
図9に示したトーチを用いて切断加工を行う場合には、プラズマ電極1と図示しない被加工物との間に電力を供給し、ガス導入通路g1 を通してガス流路g2 にプラズマアーク形成用流体Gを供給するとともに、シールドガス流路s1 及びs2 にシールドガスSを供給する。これによりプラズマ流噴出孔801からプラズマジェットを発生させ、シールドガス噴出口sa からシールドガスを噴出させて被加工物を切断する。
【0052】
図10は、図9に示したトーチを用いて被加工物を切断する場合に、シールドガスの流量を変化させて切断面のベベル角を測定する実験を行った結果を示したものである。この実験では、ガス流縮流部802の円錐角αを100°、プラズマアーク助走部803の円錐角θを50°とし、シールドガスSとして酸素を用いた。また切断電流値を120[A]とし、プラズマアーク形成用流体Gとして、空気を用いた場合と窒素を用いた場合とについて実験を行った。図10において、実線の曲線はプラズマアーク形成用流体として空気を用いた場合を示し、破線の曲線はプラズマアーク形成用流体として窒素を用いた場合を示している。
【0053】
図10から、シールドガス流量を10リットル/分ないし60リットル/分の範囲に設定すると、シールドガスを流さない場合に比べて切断面のベベル角を0.5°以上小さくすることができ、切断面の品質の改善効果が高いことが明らかになった。
【0054】
図9に示したトーチにおいて、シールドカップ15を取り付ける際に、図11に示すようにシールドカップ15の中心軸線がカップ9の中心軸線(トーチの中心軸線)に対して傾くと、シールドガス流路s2 及びs3 の断面積が不均一になり、シールドガス噴出口sa の開口面積が不均一になる上に、シールドガス噴出口sa が傾くため、シールドガス噴出口sa から噴出するシールドガスの流れが片寄り、シールド効果が減少する。
【0055】
またシールドカップ15の中心軸線とカップ9の中心軸線とが一致するように取り付けられた場合でも、カップ9の第2の凸部9Bの外面の円錐角とシールドカップ15のテーパ部15Bのテーパ角には加工精度のばらつきがあるため、シールドガス流路s3 の断面積がばらつき、その結果シールドガス噴出口sa から噴出するシールドガスの流速にばらつきが生じるおそれがある。
【0056】
図12及び図13は、これらの問題を解決した実施例を示したもので、図12はその要部の構造を示し、図13は同実施例で用いるカップを示している。この実施例では、図13に示したようにカップ9の第2の凸部9Bの外周に、該第2の凸部の外側の円錐面の母線方向に沿って放射状に伸びる複数の溝901が設けられている。シールドカップ15はそのテーパ部15Bがカップ9の第2の凸部9Bの外周に当接するように形成され、カップ9の第2の凸部の外面の溝901によりシールドガス流路s3 が形成されている。またシールドカップ15は、そのテーパ部15Bのテーパ角γがカップ9の第2の凸部9Bの外面の円錐角βと同一かまたは該テーパ角γが円錐角βよりも若干大きくなるように形成されている。
【0057】
図12に示したように構成すると、チップ8の先端部8Cの外周を基準としてトーチボディ7と同軸的に取り付けられたカップ9の第2の凸部9Bの外周にシールドカップ15のテーパ部15Bが当接して位置決めされるため、常にシールドカップ15の中心軸線をチップ8及びカップ9の中心軸線に一致させることができ、シールドガス噴出口sa をプラズマ流噴出孔801に対して同心的に配置することができる。したがって、シールドガスの流れが片寄って、シールド効果が減少するのを防ぐことができる。
【0058】
また図12に示した実施例のように、シールドカップ15のテーパ部15Bのテーパ角γがカップ9の第2の凸部9Bの外面の円錐角βと同一かまたは該テーパ角γが円錐角βよりも若干大きくなるように形成すると、シールドガス噴出口sa の近傍でカップ9とシールドカップ15とが当接して、シールドガスを所望の状態で噴出させることができる。
【0059】
上記の実施例では、チップ8の第1の凸部8Bを逆円錐状に形成してその内周面及び外周面が共に逆円錐面状を呈するようにしたが、チップの第1の凸部8Bは、該チップの先端に向かって先細の形状を呈していてその少なくとも内周面が逆円錐面状に形成されていればよく、その外周面は必ずしも逆円錐面状に形成されていなくてもよい。例えば、チップの第1の凸部8Bの外周面を、先端に向かって段階的に外径が小さくなっていく形状(階段状の形状)としてもよい。
【0060】
また上記の実施例では、カップ9の第2の凸部9Bを逆円錐状として、その内周面及び外周面が共に逆円錐面状を呈するようにしたが、カップの第2の凸部9Bの内周面は必ずしも逆円錐面とする必要はなく、先端に向かって段階的に内径が小さくなる形状(階段状の形状)としてもよい。
【0061】
以上本発明の好ましい実施例を説明したが、本明細書に開示した発明の主な態様を挙げると下記の通りである。
【0062】
(1) 中空管状の電極基材2の先端を閉鎖する端部壁に設けた凹部内に高融点材料からなる挿入体3を装着してなるプラズマ電極1と、前記プラズマ電極を環状のガス流路g2 を介して同心的に取り囲むように形成された中空のチップ8とを備え、前記チップはプラズマ電極を同心的に取囲む円筒部8Aとプラズマ流噴出孔801を有する先端部8Cと該円筒部8Aと先端部8Cとの間にあって先端部8Cに向かう先細の第1の凸部8Bとを有して該第1の凸部8Bの内側に逆円錐面状のガス流縮流部802が形成されているプラズマアーク切断用トーチにおいて、
前記チップ8のプラズマ流噴出孔801とガス流縮流部802との間に、ガス流縮流部の円錐角αよりも小さい円錐角θを有する逆円錐面状のプラズマアーク助走部803が設けられ、
前記プラズマアーク助走部803の円錐角θは20度以上85度以下に設定され、
前記プラズマアーク助走部803の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔801の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 が0.2以上2.5以下に設定されているプラズマアーク切断用トーチ。
【0063】
(2) 中空管状の電極基材2の先端を閉鎖する端部壁に設けた凹部内に高融点材料からなる挿入体3を装着してなるプラズマ電極1と、前記プラズマ電極を環状のガス流路g2 を介して同心的に取り囲むように形成された中空のチップ8と、前記チップ8を同心的に取り囲むように形成されたカップ9とを備え、
前記チップはプラズマ電極を同心的に取囲む円筒部8Aとプラズマ流噴出孔801を有する先端部8Cと該円筒部8Aと先端部8Cとの間にあって先端部8Cに向かう先細の第1の凸部8Bとを有して該第1の凸部8Bの内側に逆円錐面状のガス流縮流部802が形成され、
前記カップ9は前記チップ8の円筒部8Aを同心的に取囲む円筒部9Aと前記チップ8の第1の凸部8Bを同心的に取囲む第2の凸部9Bと該第2の凸部9Bの先端を閉鎖する端部壁9Cとを有していて該端部壁に設けられた孔を通して前記チップの先端部8Cの一部が外部に導出されているプラズマアーク切断用トーチにおいて、
前記カップ9の円筒部9Aを同心的に取囲む円筒部15Aとカップの第2の凸部9Bを同心的に取り囲むテーパ部15Bとを有するシールドカップ15が更に設けられて該シールドカップ15のテーパ部15Bとカップの第2の凸部9Bとの間にシールドガス流路s3 が形成されて該シールドガス流路の先端にプラズマ流噴出孔の中心軸線を同心的に取り囲む環状のシールドガス噴出口sa が形成され、
前記チップ8のプラズマ流噴出孔801とガス流縮流部802との間に、ガス流縮流部の円錐角αよりも小さい円錐角θを有する逆円錐面状のプラズマアーク助走部803が設けられ、
前記プラズマアーク助走部803の円錐角θは20度以上85度以下に設定され、
前記プラズマアーク助走部803の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔801の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 が0.2以上2.5以下に設定されていることを特徴とするプラズマアーク切断用トーチ。
【0064】
(3) 中空管状の電極基材2の先端を閉鎖する端部壁に設けた凹部内に高融点材料からなる挿入体3を装着してなるプラズマ電極1と、前記プラズマ電極を環状のガス流路g2 を介して同心的に取り囲むように形成された中空のチップ8と、前記チップ8を同心的に取り囲むように形成されたカップ9とを備え、
前記チップはプラズマ電極を同心的に取囲む円筒部8Aとプラズマ流噴出孔801を有する先端部8Cと該円筒部8Aと先端部8Cとの間にあって先端部8Cに向かう先細の第1の凸部8Bとを有して該第1の凸部8Bの内側に逆円錐面状のガス流縮流部802が形成され、
前記カップ9は前記チップ8の円筒部8Aを同心的に取囲む円筒部9Aと前記チップ8の第1の凸部8Bを同心的に取囲む第2の凸部9Bと該第2の凸部9Bの先端を閉鎖する端部壁9Cとを有していて該端部壁に設けられた孔を通して前記チップの先端部8Cの一部が外部に導出されているプラズマアーク切断用トーチにおいて、
前記カップ9の第2の凸部9Bの外面は逆円錐面状に形成されていて該カップ9の円筒部9Aを同心的に取囲む円筒部15Aと前記カップの第2の凸部9Bの外周に当接して該カップの第2の凸部9Bを同心的に取り囲むテーパ部15Bとを有するシールドカップ15が更に設けられ、
前記チップ8のプラズマ流噴出孔801とガス流縮流部802との間に、ガス流縮流部の円錐角αよりも小さい円錐角θを有する逆円錐面状のプラズマアーク助走部803が設けられ、
前記プラズマアーク助走部803の円錐角θは20度以上85度以下に設定され、
前記プラズマアーク助走部803の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔801の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 が0.2以上2.5以下に設定され、
前記カップ9の第2の凸部9Bの外周には該第2の凸部の円錐面の母線方向に沿って伸びる複数の溝901が放射状に設けられて、該複数の溝によりシールドガス流路s3 が形成され、
前記シールドカップ15はそのテーパ部15Bのテーパ角γがカップ9の第2の凸部の外面の円錐角βと同一かまたは該テーパ角γが円錐角βよりも若干大きくなるように形成されていることを特徴とするプラズマアーク切断用トーチ。
【0065】
(4) トーチボディ7と、中空管状の電極基材2と該電極基材の先端部を閉鎖する端部壁に設けられた凹部内に装着された高融点の挿入体3とからなっていて前記トーチボディの中心部に支持されたプラズマ電極1と、前記プラズマ電極を環状のガス流路g2 を介して同心的に取り囲むように形成されて前記トーチボディ7に支持されたチップ8と、前記チップを冷却水還流通路w4 を介して同心的に取り囲むように形成されて前記トーチボディ7に支持されたカップ9とを備え、
前記チップ8は、前記プラズマ電極1を取り囲む円筒部8Aとプラズマ流噴出孔801を有する先端部8Cと該円筒部と先端部との間にあって先端部に向かう先細の第1の凸部8Bとを有して該第1の凸部の内側に逆円錐面状のガス流縮流部802が形成され、
前記カップ9は前記チップの円筒部8Aを同心的に取り囲む円筒部9Aと前記チップの第1の凸部8Bを同心的に取り囲む先細の第2の凸部9Bと該第2の凸部9Bの先端を閉鎖する端部壁9Cとを有していて、該カップの端部壁に設けられた孔を通して前記チップ8の先端部8Cの一部が外部に導出され、
前記トーチボディ7は、前記プラズマ電極1の電極基材2内に連通する冷却水流通用の孔10aと、該冷却水流通用の孔内の冷却水を前記冷却水還流通路w4 に案内するための冷却水案内通路w3 と、冷却水還流通路内を還流した冷却水を外部に排出するための冷却水排出通路w5 と、前記環状のガス流路g2 にプラズマアーク形成用流体を導入するガス導入通路g1 とを内部に有しているプラズマアーク切断用トーチにおいて、
前記チップ8のプラズマ流噴出孔801とガス流縮流部802との間に、ガス流縮流部の円錐角αよりも小さい円錐角θを有する逆円錐面状のプラズマアーク助走部803が設けられ、
前記プラズマアーク助走部803の円錐角θは20度以上85度以下に設定され、
前記プラズマアーク助走部803の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔801の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 が0.2以上2.5以下に設定されているプラズマアーク切断用トーチ。
【0066】
(5) 前記カップの第2の凸部の外面は逆円錐状に形成されていて、該カップ9の円筒部を取り囲む円筒部15Aとカップ9の第2の凸部9Bを同心的に取囲むテーパ部15Bとを有するシールドカップ15が更に設けられ、
前記カップ9の第2の凸部9Bとシールドカップ15のテーパ部15Bとの間にシールドガス流路s3 が形成されて該シールドガス流路の先端にシールドガス噴出口sa が形成されていることを特徴とする上記4項に記載のプラズマアーク切断用トーチ。
【0067】
(6) 前記シールドカップ15はそのテーパ部が前記カップ9の第2の凸部9Bの外周に当接するように形成され、
前記カップ9の第2の凸部9Bの外周には該第2の凸部の円錐面の母線方向に沿って放射状に伸びる複数の溝901が設けられて、該複数の溝により前記シールドガス流路s3 が形成され、
前記シールドカップ15は、そのテーパ部15Bのテーパ角γがカップ9の第2の凸部2Bの円錐面の円錐角βと同一かまたは該テーパ角γが円錐角βよりも若干大きくなるように形成されていることを特徴とする上記5項に記載のプラズマアーク切断用トーチ。
【0068】
(7) 上記1項または4項に記載のプラズマアーク切断用トーチを用い、該トーチのプラズマ電極と被加工物との間に電力を供給するとともに、該トーチ内のガス流路に空気または酸素をプラズマアーク形成用流体として供給してプラズマアーク切断を行うことを特徴とするプラズマアーク切断方法。
【0069】
(8) 上記2項、3項、5項または6項に記載のプラズマアーク切断用トーチを用いて該トーチのプラズマ電極と被加工物との間に電力を供給し、該トーチ内のガス流路に空気または酸素をプラズマアーク形成用流体として供給するとともに、前記シールドガス流路に酸素をシールドガス流体として供給し、該シールドガス流体の流量を10リットル/分〜60リットル/分の範囲に設定してプラズマアーク切断を行うことを特徴とするプラズマアーク切断方法。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、チップのプラズマ流噴出孔とガス流縮流部との間に、該ガス流縮流部よりも円錐角が小さい逆円錐面状のプラズマアーク助走部を形成して、チップの内側に流入したプラズマアーク形成用流体を、軸線方向に対する半径の減少率が大きいガス流縮流部により径方向に拘束して絞った後、軸線方向に対する半径の減少率が小さいプラズマアーク助走部により加速するようにしたので、細く絞られた高速のガス流をプラズマ流噴出孔から流出させることができる。
【0071】
また本発明によれば、プラズマアーク助走部を設けて、該プラズマアーク助走部の円錐角θを20度以上85度以下に設定するとともに、プラズマアーク助走部の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 を0.2以上2.5以下に設定したことにより、最大切断電流値を従来よりも大きく設定できるようになった。
【0072】
従って本発明によれば、プラズマアーク形成用流体を細く絞って高速で流出させることができることと、最大切断電流値を従来よりも高く設定できることとが相俟って、従来よりも電流密度が高い、細く絞られたプラズマアークを発生させることができ、ベベル角が小さい高品質の切断面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の要部を示す縦断面図である。
【図2】図1の実施例の要部を更に拡大して示した縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施例の要部を示した拡大断面図である。
【図4】本発明で採用できないプラズマアーク助走部の形状を示した拡大断面図である。
【図5】本発明で採用できないプラズマアーク助走部の他の形状を示した拡大断面図である。
【図6】本発明に係わるトーチにおいてプラズマアーク助走部の円錐角を変化させた場合の許容最大切断電流値を測定した結果を示した線図である。
【図7】本発明に係わるトーチにおいてプラズマアーク助走部の円錐角を変化させた場合の切断面のベベル角の変化を測定した結果を示した線図である。
【図8】本発明に係わるトーチにおいてプラズマアーク助走部の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 を変えた場合の切断面のベベル角の変化を示した線図である。
【図9】本発明の更に他の実施例の要部の構造を示す縦断面図である。
【図10】図9の実施例のトーチにおいてシールドガス流量を変化させた場合の切断面のベベル角の変化を測定した結果を示した線図である。
【図11】図9の実施例のトーチにおいてシールドカップが傾いて取り付けられた状態を示した縦断面図である。
【図12】本発明の更に他の実施例の要部を示した縦断面図である。
【図13】図12の実施例で用いるカップを示した斜視図である。
【図14】従来のトーチの要部を示した縦断面図である。
【図15】図14の要部を更に拡大して示した拡大断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマ電極
2 電極基材
3 挿入体
4 電極支持部材
5 絶縁スリーブ
6 チップ支持部材
7 トーチボディ
8 チップ
8A 円筒部
8B 第1の凸部
8C 先端部
801 プラズマ流噴出孔
802 ガス流縮流部
803 プラズマアーク助走部
9 カップ
9A 円筒部
9B 第2の凸部
9C 先端部
15 シールドカップ
15A 円筒部
15B テーパ部
g1 ガス導入通路
g2 ガス流路
s1 〜s3 シールドガス流路
w1 ,w2 冷却水通路
w3 冷却水案内通路
w4 冷却水還流通路
w5 冷却水排出通路
G プラズマアーク形成用流体
S シールドガス
W 冷却水[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a plasma arc cutting torch used for cutting a workpiece by a plasma arc and a plasma arc cutting method performed using the torch.
[0002]
[Prior art]
Generally, a plasma arc cutting torch has a structure shown in FIG. In FIG. 14,
[0003]
[0004]
[0005]
[0006]
A
[0007]
[0008]
When cutting a workpiece using the torch for plasma arc cutting described above, power is supplied between the
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
In order to obtain a high-quality cut surface with a small bevel angle (cut surface inclination angle) using the above-described plasma arc cutting torch, the diameter of the plasma
[0010]
When cutting a workpiece by plasma arc cutting, it is desired to obtain a high-quality cut surface with a bevel angle of 3 degrees or less, and a relatively small cut is used when the thickness of the workpiece is thin. A high quality cut surface is obtained even at the current value. However, when the thickness of the workpiece is large, it is necessary to increase the cutting current value, and it is necessary to increase the cutting current value in accordance with the increase in the thickness of the workpiece. In the arc cutting torch, for example, when the cutting current value is set to 120 [A] or more, it is difficult to obtain a high quality cut surface because the
[0011]
An object of the present invention is to provide a plasma arc cutting method capable of obtaining a high-quality cut surface having a small bevel angle, and a plasma arc cutting torch used for performing the cutting method.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
A torch for cutting a plasma arc according to the present invention is concentric with a
[0013]
In this specification, the “tip” of each part refers to an end located on the tip side of a torch from which a plasma jet is jetted.
[0014]
In this specification, the term "cone" in the case of "conical shape" or "conical surface" does not necessarily mean the shape of the entire cone including the bottom to the apex, but has a taper that forms a part of the cone. It is also used as a word for expressing the shape. Therefore, the shape of a so-called “truncated cone” obtained by cutting the head of a cone is simply referred to as “conical shape”.
[0015]
Further, "inverted cone" in the case of "inverted conical shape" or "inverted conical surface" is a cone whose diameter gradually decreases toward the tip side of the torch (a cone whose vertex faces the tip side of the torch). ).
[0016]
In the present invention, an inverted conical surface-shaped plasma arc approach portion having a cone angle θ smaller than the cone angle α of the gas flow contraction portion between the plasma
[0017]
The
[0018]
In the present invention, the
[0019]
When the
[0020]
In the plasma arc cutting method of the present invention, an inverted conical surface-shaped plasma arc advance portion having a smaller cone angle than the gas flow contraction portion is formed between the plasma flow ejection hole of the chip and the gas flow contraction portion. In addition, the cone angle θ of the plasma arc advance section is set to be not less than 20 degrees and not more than 85 degrees, and the ratio L2 / L1 between the axial dimension L2 of the plasma arc advance section and the axial dimension L1 of the plasma flow ejection hole is set to 0. Using the above-described plasma arc cutting torch set to 2 or more and 2.5 or less, supplying power between the plasma electrode of the torch and the workpiece, and supplying air or oxygen to the gas flow path in the torch. Is supplied as a plasma arc forming fluid to perform plasma arc cutting.
[0021]
In the plasma arc cutting method of the present invention, a hollow cup having a second convex portion concentrically surrounding the vicinity of the first convex portion of the chip, and a taper concentrically surrounding the second convex portion of the cup are provided. Power is supplied between the plasma electrode of the torch and the workpiece using a plasma arc cutting torch further provided with a shield cup having a portion at the tip, and air or oxygen is supplied to a gas flow path in the torch. In addition to supplying as a plasma arc forming fluid, oxygen is supplied as a shielding gas fluid to the shielding gas outflow passage, and the flow rate of the shielding gas fluid is set in a range of 10 liter / min to 60 liter / min to perform plasma arc cutting. Do.
[0022]
[Action]
As described above, when an inverted conical surface-shaped plasma arc run-up portion having a smaller cone angle than the gas flow contraction portion is formed between the plasma flow ejection hole of the chip and the gas flow contraction portion, the inside of the chip is formed. First, the plasma arc-forming fluid flowing into the gas is greatly constrained in the axial direction while being constrained in the radial direction by the gas flow contraction portion having a large radius reduction rate in the axial direction, and then reduced in the axial direction. The gas is accelerated while being squeezed without difficulty by the plasma arc run-up portion having a small rate, and flows out from the plasma flow outlet as a narrow, high-speed gas flow.
[0023]
Further, in the conventional torch, when the maximum cutting current value is set to 120 [A] or more, when air or oxygen is used as the plasma arc forming fluid, the vicinity of the boundary between the plasma flow ejection hole and the gas flow contraction portion is reduced. Although there was a problem of burning out in a short time, the plasma arc advance section was provided as described above, and the cone angle θ of the plasma arc advance section was set to 20 degrees or more and 85 degrees or less. When the ratio L2 / L1 between the axial dimension L2 and the axial dimension L1 of the plasma flow ejection hole is set to 0.2 or more and 2.5 or less, even if the maximum cutting current value is set to 120 [A] or more, the length becomes long. Experiments have shown that no burnouts occur over time.
[0024]
Therefore, according to the plasma arc cutting torch of the present invention, the plasma arc forming fluid can be squeezed finely and can be discharged at high speed in the axial direction, and the maximum cutting current value can be set higher than before. In addition, it is possible to generate a narrowed down plasma arc having a higher current density than in the past, and to obtain a high-quality cut surface with a small bevel angle.
[0025]
【Example】
1 and 2 show an embodiment of the present invention. FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing a main part of the torch of the embodiment, and FIG. 2 is an enlarged longitudinal section near the tip of the torch of FIG. FIG.
The basic structure of the torch for plasma arc cutting of the present embodiment is the same as the conventional one shown in FIGS. 14 and 15, and is the same as each part of the torch shown in FIGS. 14 and 15 in FIGS. Are given the same reference numerals.
[0026]
1 and 2,
[0027]
A
[0028]
In the present invention, an inverted conical surface having a cone angle θ (see FIG. 2) smaller than the cone angle α of the gas
[0029]
A
[0030]
Inside the
[0031]
Although not shown, the torch is provided with a cooling water supply port to which a cooling
[0032]
The structure of the torch of this embodiment is the same as that of the torch except that a plasma arc run-up
[0033]
The inventor conducted various experiments in order to determine the effects of the cone angle of the plasma arc advance portion of the torch according to the present invention and the axial dimension thereof on the Beher angle of the cut surface. As a result, the cone angle θ of the plasma
[0034]
When cutting the workpiece using the torch, power is supplied between the
[0035]
As in the present embodiment, an inverted conical-shaped plasma
[0036]
Then, in the present invention, the cone angle θ of the plasma
[0037]
FIG. 6 is a diagram showing the relationship between the cone angle θ [degree] of the plasma arc run-up
[0038]
As shown in FIG. 6, when the cone angle θ of the plasma arc run-up
[0039]
In particular, when the cone angle θ of the plasma arc run-up portion is set in the range of 40 ° ≦ θ ≦ 70 °, the allowable maximum current value can be set to 150A or more, and the allowable maximum cutting current value can be set to about 43% or more of the related art. Can be higher.
[0040]
FIG. 7 shows the relationship between the cone angle θ of the plasma
[0041]
FIG. 8 shows the results of a measurement of the relationship between the ratio L2 / L1 of the axial dimension L2 of the plasma arc run-up
[0042]
The results of the above experiments are shown in Table 1 below, and “Good” in the cutting results in the table means that the range of variation of the bevel angle of the cut surface was 3 ° or less, “Excellent” means that the range of variation of the bevel angle is smaller than in the case of “good”. “Best” means that a very high quality cut surface having a bevel angle variation range of 2 ° or less was obtained.
[0043]
[Table 1]
In the example shown in FIGS. 1 and 2, the plasma arc run-up
[0044]
As described above, when the plasma arc run-up section is formed by a plurality of inverted conical surfaces arranged so that the cone angle gradually decreases toward the plasma flow outlet side, the gas flowing into the plasma arc run-up section is formed. Since the gas is accelerated while being throttled in a stepwise manner, the flow of gas in the gas flow path from the gas flow contraction part to the plasma flow ejection hole via the plasma arc advance part can be made smooth, and the speed can be increased. . Therefore, the plasma jet ejected from the plasma
[0045]
In the present invention, in the plasma arc run-up section, it is necessary not to provide a part that directs gas inward in the radial direction in the middle of the run-up section, and the plasma arc run-up section is formed by a plurality of inverted conical surfaces. In the case of the configuration, it is an essential requirement that the conical angle of the inverted conical surface located on the downstream side of the approaching portion is not larger than the conical angle of the inverted conical surface located on the upstream side. For example, as shown in FIG. 4, the provision of an inverted
[0046]
Also, as shown in FIG. 5, when a radially inwardly
[0047]
In the above embodiment, air or oxygen was used as the plasma arc forming fluid G. However, the use of air or oxygen is the harshest condition for using the torch, and air or oxygen is used as the plasma arc forming fluid. The torch is most likely to be damaged when it is located. Therefore, if the torch is not damaged when air or oxygen is used as the plasma arc forming fluid, no problem occurs when another fluid, for example, an inert gas is used as the plasma arc forming fluid. . Therefore, the present invention is not limited to the case where air or oxygen is used as the plasma arc forming fluid.
[0048]
FIG. 9 shows another embodiment of the present invention. In this embodiment, an
[0049]
At the tip of the
[0050]
The method of attaching the shield cup is optional, but in the illustrated example, a
[0051]
When cutting is performed using the torch shown in FIG. 9, power is supplied between the
[0052]
FIG. 10 shows the results of an experiment in which the bevel angle of the cut surface was measured by changing the flow rate of the shielding gas when cutting the workpiece using the torch shown in FIG. In this experiment, the cone angle α of the gas
[0053]
From FIG. 10, when the shield gas flow rate is set in the range of 10 liters / minute to 60 liters / minute, the bevel angle of the cut surface can be reduced by 0.5 ° or more as compared with the case where the shield gas is not flown. It was found that the effect of improving the surface quality was high.
[0054]
In the torch shown in FIG. 9, when the
[0055]
In addition, even when the
[0056]
12 and 13 show an embodiment in which these problems are solved. FIG. 12 shows the structure of a main part thereof, and FIG. 13 shows a cup used in the embodiment. In this embodiment, as shown in FIG. 13, a plurality of
[0057]
When configured as shown in FIG. 12, the tapered
[0058]
Also, as in the embodiment shown in FIG. 12, the taper angle γ of the tapered
[0059]
In the above embodiment, the first
[0060]
Further, in the above embodiment, the second
[0061]
The preferred embodiments of the present invention have been described above. The main aspects of the present invention disclosed in this specification are as follows.
[0062]
(1) A
An inverted conical surface plasma arc run-up
The cone angle θ of the plasma arc run-in
A torch for cutting a plasma arc, wherein a ratio L2 / L1 of an axial dimension L2 of the plasma arc run-up
[0063]
(2) A
The tip includes a
The
A
An inverted conical surface plasma arc run-up
The cone angle θ of the plasma arc run-in
Plasma arc cutting characterized in that the ratio L2 / L1 of the axial dimension L2 of the plasma arc run-up
[0064]
(3) A
The tip includes a
The
The outer surface of the second
An inverted conical surface plasma arc run-up
The cone angle θ of the plasma arc run-in
The ratio L2 / L1 of the axial dimension L2 of the plasma arc run-up
A plurality of
The
[0065]
(4) A
The
The
The
An inverted conical surface plasma arc run-up
The cone angle θ of the plasma arc run-in
A torch for cutting a plasma arc, wherein a ratio L2 / L1 of an axial dimension L2 of the plasma arc run-up
[0066]
(5) The outer surface of the second convex portion of the cup is formed in an inverted conical shape, and concentrically surrounds the
A shield gas passage s3 is formed between the second
[0067]
(6) The
A plurality of
The
[0068]
(7) An electric power is supplied between the plasma electrode of the torch and the workpiece using the torch for plasma arc cutting described in the
[0069]
(8) A power is supplied between the plasma electrode of the torch and the workpiece using the torch for plasma arc cutting described in the
[0070]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, between the plasma flow outlet of the chip and the gas flow contraction portion, an inverted conical surface-shaped plasma arc runner having a smaller cone angle than the gas flow contraction portion is provided. After forming, the plasma arc forming fluid flowing into the inside of the chip is constrained and squeezed radially by the gas flow contraction part having a large radius reduction rate in the axial direction, and then the radius reduction rate in the axial direction is reduced. Since acceleration is performed by the small plasma arc run-up section, a narrow, high-speed gas flow can be discharged from the plasma flow ejection hole.
[0071]
Further, according to the present invention, the plasma arc advance section is provided, the cone angle θ of the plasma arc advance section is set to be not less than 20 degrees and not more than 85 degrees, and the axial dimension L2 of the plasma arc advance section and the plasma flow ejection hole are provided. By setting the ratio L2 / L1 with respect to the axial dimension L1 to 0.2 or more and 2.5 or less, the maximum cutting current value can be set larger than before.
[0072]
Therefore, according to the present invention, the plasma arc forming fluid can be squeezed finely and can be discharged at high speed, and the maximum cutting current value can be set higher than before, so that the current density is higher than before. In addition, a narrowed plasma arc can be generated, and a high-quality cut surface having a small bevel angle can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing a main part of an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view showing a further enlarged main part of the embodiment of FIG. 1;
FIG. 3 is an enlarged sectional view showing a main part of another embodiment of the present invention.
FIG. 4 is an enlarged cross-sectional view showing a shape of a plasma arc run-up section that cannot be adopted in the present invention.
FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view showing another shape of the plasma arc run-up section that cannot be adopted in the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing a result of measuring an allowable maximum cutting current value in a torch according to the present invention when a cone angle of a plasma arc run-up section is changed.
FIG. 7 is a diagram showing a measurement result of a change in a bevel angle of a cut surface in a torch according to the present invention when a conical angle of a plasma arc run-in section is changed.
FIG. 8 shows a change in the bevel angle of the cut surface when the ratio L2 / L1 of the axial dimension L2 of the plasma arc run-up portion and the axial dimension L1 of the plasma flow ejection hole is changed in the torch according to the present invention. FIG.
FIG. 9 is a longitudinal sectional view showing a structure of a main part of still another embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a diagram showing a result of measuring a change in a bevel angle of a cut surface when a flow rate of a shield gas is changed in the torch of the embodiment of FIG. 9;
11 is a longitudinal sectional view showing a state in which the shield cup is inclined and attached to the torch of the embodiment of FIG. 9;
FIG. 12 is a longitudinal sectional view showing a main part of still another embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a perspective view showing a cup used in the embodiment of FIG.
FIG. 14 is a longitudinal sectional view showing a main part of a conventional torch.
FIG. 15 is an enlarged sectional view showing a further enlarged main part of FIG. 14;
[Explanation of symbols]
1 Plasma electrode
2 Electrode substrate
3 Insert
4 Electrode support members
5 Insulation sleeve
6 Chip support member
7 Torch body
8 chips
8A cylindrical part
8B First convex part
8C Tip
801 Plasma flow outlet
802 Gas flow contraction part
803 Plasma arc run-up section
9 cups
9A cylindrical part
9B 2nd convex part
9C Tip
15 Shield cup
15A cylindrical part
15B taper part
g1 gas introduction passage
g2 gas flow path
s1 to s3 Shield gas flow path
w1, w2 cooling water passage
w3 Cooling water guide passage
w4 Cooling water return passage
w5 Cooling water discharge passage
G Plasma arc forming fluid
S shield gas
W cooling water
Claims (5)
前記チップ(8)のプラズマ流噴出孔(801)とガス流縮流部(802)との間に、ガス流縮流部の円錐角αよりも小さい円錐角θを有する逆円錐面状のプラズマアーク助走部(803)が設けられ、
前記プラズマアーク助走部(803)の円錐角θは20度以上85度以下に設定され、
前記プラズマアーク助走部(803)の軸線方向寸法L2 とプラズマ流噴出孔(801)の軸線方向寸法L1 との比L2 /L1 が0.2以上2.5以下に設定されているプラズマアーク切断用トーチ。A plasma electrode (1) in which a high melting point insert (3) is mounted in a recess provided at the tip of an electrode substrate (2), and a plasma electrode (1) concentrically surrounding the plasma electrode via a gas flow path. A hollow tip (8) formed, the tip having a tip (8C) having a plasma flow ejection hole (801) and a first tapered projection (8B) directed toward the tip. In the plasma arc cutting torch, an inverted conical gas flow contraction portion (802) is formed inside the first convex portion.
An inverted conical surface plasma having a cone angle θ smaller than the cone angle α of the gas flow contraction portion between the plasma flow ejection hole (801) of the tip (8) and the gas flow contraction portion (802). An arc approach section (803) is provided,
The cone angle θ of the plasma arc run-up section (803) is set to 20 degrees or more and 85 degrees or less,
For plasma arc cutting wherein the ratio L2 / L1 of the axial dimension L2 of the plasma arc run-up section (803) to the axial dimension L1 of the plasma flow jetting hole (801) is set to 0.2 to 2.5. torch.
前記カップ(9)の第2の凸部(9B)の外面は逆円錐面状に形成されていて該第2の凸部(9B)とシールドカップ(15)のテーパ部(15B)との間にシールドガス流路(s3 )が形成され、該シールドガス流路の先端にプラズマ流噴出孔(801)を同心的に取り囲むシールドガス噴出口(sa )が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマアーク切断用トーチ。A hollow cup (9) having a second convex portion (9B) concentrically surrounding the vicinity of the first convex portion (8B) of the chip (8) on the distal end side; and a second convex portion of the cup (9). 9B) is further provided with a shield cup (15) having a tapered portion (15B) concentrically surrounding 9B) on the distal end side.
The outer surface of the second convex portion (9B) of the cup (9) is formed in an inverted conical shape, and is provided between the second convex portion (9B) and the tapered portion (15B) of the shield cup (15). A shielding gas passage (s3) is formed at a front end of the shielding gas passage, and a shielding gas outlet (sa) that concentrically surrounds the plasma flow ejection hole (801) is formed at an end of the shielding gas passage. Item 2. A plasma arc cutting torch according to item 1.
前記カップ(9)の第2の凸部(9B)の外周には該第2の凸部の円錐面の母線方向に沿って伸びる複数の溝(901)が放射状に設けられて、該複数の溝により前記シールドガス流路(s3 )が形成され、
前記シールドカップ(15)は、そのテーパ部(15B)のテーパ角γがカップ(9)の第2の凸部(9B)の外面の円錐角βと同一かまたは該テーパ角γが円錐角βよりも若干大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載のプラズマアーク切断用トーチ。The shield cup (15) is formed such that a tapered portion thereof is in contact with an outer periphery of a second convex portion (9B) of the cup (9),
A plurality of grooves (901) extending radially along the generatrix direction of the conical surface of the second protrusion are provided radially on the outer periphery of the second protrusion (9B) of the cup (9). The groove forms the shield gas flow path (s3),
In the shield cup (15), the taper angle (γ) of the tapered portion (15B) is the same as the cone angle β of the outer surface of the second protrusion (9B) of the cup (9), or the taper angle γ is the cone angle β. The torch according to claim 2, wherein the torch is formed to be slightly larger than the torch.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27212394A JP3558700B2 (en) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | Plasma arc cutting torch and plasma arc cutting method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27212394A JP3558700B2 (en) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | Plasma arc cutting torch and plasma arc cutting method |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08132244A JPH08132244A (en) | 1996-05-28 |
JP3558700B2 true JP3558700B2 (en) | 2004-08-25 |
Family
ID=17509417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27212394A Expired - Lifetime JP3558700B2 (en) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | Plasma arc cutting torch and plasma arc cutting method |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3558700B2 (en) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3714518B2 (en) * | 1999-05-25 | 2005-11-09 | 株式会社小松製作所 | Plasma torch and its retainer cap |
JP3714517B2 (en) * | 1999-05-21 | 2005-11-09 | 株式会社小松製作所 | Plasma torch, plasma torch electrode and method for manufacturing the same |
US9398679B2 (en) * | 2014-05-19 | 2016-07-19 | Lincoln Global, Inc. | Air cooled plasma torch and components thereof |
JP2016019986A (en) * | 2014-07-14 | 2016-02-04 | 株式会社ダイヘン | Plasma welding torch |
JP6612626B2 (en) * | 2016-01-15 | 2019-11-27 | 株式会社ダイヘン | Plasma welding torch |
JP7260451B2 (en) * | 2019-10-11 | 2023-04-18 | 日鉄溶接工業株式会社 | Insert tips, insert caps, plasma welding torches and plasma welding equipment |
-
1994
- 1994-11-07 JP JP27212394A patent/JP3558700B2/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08132244A (en) | 1996-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5591356A (en) | Plasma torch having cylindrical velocity reduction space between electrode end and nozzle orifice | |
CA2174019C (en) | Plasma arc torch having water injection nozzle assembly | |
US7375302B2 (en) | Plasma arc torch having an electrode with internal passages | |
US6268583B1 (en) | Plasma torch of high cooling performance and components therefor | |
JPH067943A (en) | Plasma torch nozzle, plasma torch assembly and plasma arc torch | |
JP3558700B2 (en) | Plasma arc cutting torch and plasma arc cutting method | |
JPS6228084A (en) | Plasma jet torch | |
CN111254431B (en) | Light-powder co-path powder feeding nozzle for atmosphere protection | |
US5736708A (en) | Plasma torch head with nozzle providing an improved cut and plasma torch including the same | |
US4300033A (en) | Reduced operating noise nozzle for electric arc cutting device | |
CN106825869B (en) | Argon arc welding gun and device with same | |
JPH0522386Y2 (en) | ||
JPH07192892A (en) | Plasma torch | |
JP2013052395A (en) | Arc welding torch | |
JP3714517B2 (en) | Plasma torch, plasma torch electrode and method for manufacturing the same | |
WO2017025068A1 (en) | Noozle with elliptical orifice inlet profile | |
JPH0331509Y2 (en) | ||
JPH10225771A (en) | Shield structure of welding torch | |
JP2635833B2 (en) | Plasma powder overlay | |
JP2019181541A (en) | Insert chip of plasma powder build-up, powder injection guide and plasma powder build-up torch | |
JP2997224B2 (en) | Plasma cutting machine | |
RU2116175C1 (en) | Gas-shielded welding torch | |
JPH0329021Y2 (en) | ||
SU816717A1 (en) | Burner for arc welding | |
JPH1058147A (en) | Torch for plasma arc welding |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040406 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040511 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040519 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100528 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120528 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120528 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528 Year of fee payment: 10 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |