JP3558392B2 - 電着塗装排水のリサイクルシステム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電着塗装用排水のリサイクルシルテムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電着塗装は、自動車車体等の表面を塗装する方法として、当該自動車車体等の製造ライン中に組み込まれた形で汎用されている。電着塗装は、品質良好な塗膜を均一かつ迅速に形成させる方法であるが、大量の排水を生じる欠点があり、この電着塗装排水の処理方法のより良い工夫が望まれている。
【0003】
従来の電着塗装排水の処理を図2により説明する。図2において、1は電着塗装装置の前処理装置であり、ワークの表面を脱脂するためのアルカリ脱脂槽14、その後にワークの表面を洗浄するための第1、第2水洗槽15、16、ワークをリン酸亜鉛等を用いて化成被膜処理するための化成槽17、その後にワークの表面を洗浄するための第3〜第5水洗槽18〜20が順に配置されている。
【0004】
13は電着装置であり、前処理したワークに塗料を電着する電着槽21、水洗槽22が配置されている。そして、ワークはアルカリ脱脂槽14で脱脂され、第1、第2水洗槽15、16でワークに付着しているナトリウムイオン等が洗浄され、化成槽17で化成被膜が形成され、第3〜第5水洗槽18〜20でワークに付着しているリン酸亜鉛等が洗浄され、電着槽21、水洗槽22で電着塗装及び洗浄がされるようになっている。
【0005】
一方、上記前処理装置1の水洗槽には洗浄水が、第2水洗槽16から第1水洗槽15へと供給される第1の洗浄水25と、第5水洗槽20、第4水洗槽19、第3水洗槽18の順で供給される第2の洗浄水26の2系統に分けて供給される。第1の洗浄水25は単に脱脂後のワークを洗浄するだけであるので、工業用水(市水)の水質(純度)があれば充分であるのに対し、第2の洗浄水26は次工程に電着装置があるため、前記純度のほか、イオン濃度が所定値以下(いわゆる純水の程度)であることが要求されることから、2系統に分けてこのような使い分けを行っている。
【0006】
また、電着槽内の水のイオン濃度が高いとその導電度が高くなり、塗料の付着効率が低下して電流を浪費するばかりで塗着効率が落ちるので、電着槽内のイオン濃度を所定値以下に厳密に維持する必要がある。そこで、ワークが電着槽内に移送される前に、ワークに付着した不純イオン等を効果的に洗浄するため、第2の洗浄水26を、第5水洗槽から第3水洗槽へとワークの移送順序とは逆に流しているものである。
【0007】
そして、第1の洗浄水25は、アルカリ脱脂後のワークを洗浄することによりナトリウムイオン等を含み、その濃度は例えば10%程度となり、第2の洗浄水26は、化成被膜処理後のワークを洗浄することによりリン酸亜鉛等を含み、その濃度は例えば10%程度となる。そして、この第1及び第2の洗浄水25、26の洗浄後の排水は、合流されて原水槽2に貯溜され、この原水はRCS、ドラムドライヤー等の排水処理装置24で不純物及び汚染物質等を固化して廃棄し、残った水分を大気中に放出し又は排出処理する等して処理するほか、通常は、原水槽2から、通常使用される排水処理装置を使用して法令に規定された放流基準値以下にまで処理した後、放流排出していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、製造工程ラインのレイアウトの必要からこの電着塗装ラインをクローズドシステムにしなければならない場合があり、また、使用水の節約の必要からこの電着塗装ラインの給水量を少なくしなければならない場合がある。
また、不純物及び汚染物質等の固化にあたっては臭いが発生する場合が多く、工場周囲に環境汚染、居住迷惑等が生じて公共上の不都合があった。更に、法令基準値以下に処理した後の放流であっても、蓄積等による環境汚染の問題は根本的には解決できず、公的機関の望むところではなかった。
更にまた、このような方法では、本質的にランニング・コストを皆無とすることができなかった。
【0009】
このような場合の対策として、この電着塗装ラインの排水をリサイクルして使用することが考えられる。しかしながら、上記電着塗装ラインには、前処理装置に供給される洗浄水が大量に使用され、また上述のように、水質要求の異なる2系統の洗浄水が供給され、かつこの洗浄水から汚染態様の異なる排水が発生するという問題がある。このため、電着塗装ラインの排水をリサイクルするには、その特質を考慮した効率のよいシステムとすることが求められていた。
【0010】
本発明は、上記に鑑み、システム全体をクローズドシステムとし、かつ、給水量を少なくし、しかも効率のよい電着塗装排水リサイクルシステムを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明における電着塗装排水のリサイクルシステムは、所定値以上の純度を有する第1の洗浄水を用いたアルカリ脱脂工程後の水洗を経て不純物が混在している第1の前処理排水と、前記所定値以上の純度及び所定値以下のイオン濃度を有する第2の洗浄水を用いた化成処理工程後の水洗を経て不純物が混在している第2の前処理排水とを併せ、この合流排水を、前記所定値以上の純度及び所定値以下のイオン濃度まで浄化処理し、前記第1の洗浄水及び第2の洗浄水として循環使用する電着塗装排水のリサイクルシステムであって、前記第1の前処理排水と第2の前処理排水とを併せた合流排水から不純物を固化して除去する不純物固化除去装置と、前記不純物固化除去装置により不純物を固化して除去した水から不純イオンを除去するイオン除去装置と、前記処理中に排出される水を補充するため、前記所定値以上の純度及び所定値以下のイオン濃度の補充水を供給する補充水供給装置とを備えてなるものである。
【0012】
また、前記補充水供給装置は、市水から挟雑イオンを所定の濃度まで除去して補充水とするものであり、この補充水を前記不純物固化除去装置により不純物を固化して除去した水とともに前記イオン除去装置に供給してなるものとすることができる。
【0013】
また、前記不純物固化除去装置は、第1の前処理排水と第2の前処理排水とを併せた合流排水からリン酸亜鉛及び他の金属類を除去する凝集沈殿処理装置と、前記凝集沈殿処理装置により凝集沈殿処理を施した水から有機物を除去する生物処理装置と、この生物処理を施した水から主にSS分を除去する濾過吸着処理装置とを備え、前記イオン除去装置は、前記不純物固化除去装置により不純物を固化して除去した水及び補充水を透過水と濃縮水とに分離する1以上の段からなる逆浸透膜処理装置と、前記逆浸透膜処理装置の最終透過水から挟雑イオンを除去するイオン交換装置とを備え、かつ、前記逆浸透膜処理装置から分離された濃縮水の一部を系外に排出するものとすることができる。
【0014】
また、前記補充水供給装置は、前記浄化処理中に排出される量に一定量を付加した量の補充水を供給し、前記付加された一定量分の浄化処理水を他の電着塗装工程等に供給するものとすることができる。
【0015】
【作用】
本発明の電着塗装排水のリサイクルシステムは、第1の洗浄水として、供給される際にはイオン濃度は問題とならないが、浄化処理の際には使用により含むこととなる多量のナトリウムイオンを除去する必要がある第1の前処理排水と、第2の洗浄水として、供給される際にイオン濃度が問題となるため、使用により特にイオンを含むこととはならないが浄化処理の際にイオンを除去する必要がある第2の前処理排水とを、併せて合流排水とし、1つのイオン除去装置で所定のイオン濃度まで処理し、両洗浄水に共通に供給するので、供給水質要求及び汚染態様の異なる2系統の洗浄水及びその排水を効率よく処理することができる。
【0016】
また、上記補充水供給装置は市水から挟雑イオンを所定の濃度まで除去して補充水とするものであり、この補充水を上記の不純物を固化して除去した水とともに上記イオン除去装置に供給してなるものとすると、イオン除去装置への供給水が補充水により薄められるので、その除去効率が向上する。
【0017】
また、不純物固化除去装置は、第1の前処理排水と第2の前処理排水とを併せた合流排水からリン酸亜鉛及び他の金属類を除去する凝集沈殿処理装置と、この凝集沈殿処理を施した水からBOD、COD等の酸素要求量に適合した水質まで有機物を除去する生物処理装置と、この生物処理を施した水から主にSS分を除去する濾過吸着処理装置とを備え、イオン除去装置は、不純物を固化して除去した水及び補充水を、透過水と濃縮水とに分離する1以上の段からなる逆浸透膜処理装置と、この逆浸透膜処理装置の最終透過水から挟雑イオンを除去するイオン交換装置とを備え、上記逆浸透膜処理装置の最終濃縮水を排出するものとすると、上記一連の浄化処理工程中には相変換を伴う装置を使用していないので、エネルギー効率がよく、またイオン除去に逆浸透膜処理装置を使用するので、大量の排水を必要に応じて効率良く処理することができる。
【0018】
また、上記補充水供給装置は、上記浄化処理中に最終濃縮水として排出される量に一定量を付加した量の補充水を供給し、この付加された一定量分の浄化処理水を他の電着装置等他の装置に供給するものとすると、他の装置に必要な純水を併せて作ることができ、専用の純水製造器を省くことができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の電着塗装排水リサイクルシステムを示すブロック図である。
【0020】
まず、構成を説明する。
図1において、1は前処理装置、13は電着装置、2は原水槽であり、図2の従来の技術で説明したものと同じであり、第1の洗浄水25から生じる排水と、第2の洗浄水26から生じる排水とを併せた合流排水は原水槽2に貯溜される。3はこの原水からリン酸亜鉛及び他の金属類を除去する凝集沈殿処理装置、4はこの凝集沈殿処理を施した水からBOD、COD等の酸素要求量に適合する水質まで有機物を除去する生物処理装置、5はこの生物処理を施した水から主にSS分を除去する濾過吸着処理装置であり、これら凝集沈殿処理装置3、生物処理装置4、濾過吸着処理装置5が原水の不純物を固化して除去する不純物固化除去装置31を構成する。
【0021】
6は第4逆浸透膜処理装置であり、工業用水を挟雑イオンについて所定濃度の透過水と濃縮水とに分離し、上記透過水を補充水として中継槽7に供給し、濃縮水は排水するものである。上記第4逆浸透膜処理装置6が補充水供給装置を構成する。7は中継槽であり、上記の濾過吸着処理を施した水と、上記補充水と、後述する第2逆浸透膜処理装置9からの濃縮水と、後述する第3逆浸透膜処理装置10からの透過水とを併せて貯溜する。
【0022】
8はこの中継槽からの水を所定の濃度の透過水と濃縮水とに分離する第1逆浸透膜処理装置、9はこの第1逆浸透膜処理装置の透過水を所定の濃度の透過水と濃縮水とに分離する第2逆浸透膜処理装置、10は上記第1逆浸透膜処理装置の濃縮水を所定の濃度の透過水と濃縮水とに分離しする第3逆浸透膜処理装置であり、第3逆浸透膜処理装置からの濃縮水は排出される。
【0023】
11は上記第2逆浸透膜処理装置9の透過水から、主に挟雑イオンを所定の濃度まで除去するイオン交換装置である。これら中継槽7、第1〜第3逆浸透膜処理装置8〜10、イオン交換装置11が上記の不純物を固化して除去した水及び補充水からイオン状態の不純物を除去するイオン除去装置32を構成する。
【0024】
12はイオン交換装置11からの水を貯溜する貯槽であり、この貯槽12からの最終水が第1及び第2の洗浄水25、26として前処理装置1に供給され、また他の電着用水等として、例えば、他の電着装置13に供給される。
【0025】
凝集処理沈殿処理装置3では、原水に凝集剤を投入等するとともに沈殿させてリン、金属類等が除去される。生物処理装置4では、微生物等により有機物が除去される。濾過吸着処理装置5では、フィルターにより固形分が濾過されるとともに、活性炭に有機物が吸着されてこれらが除去される。第1〜第4逆浸透膜処理装置8〜10、6では、供給水に所定の圧力を加えることにより半透膜の透過側に希釈された透過水が、元の側に濃縮水が得られる。
【0026】
図1中の各数字は流量(リットル/h)を表したものであり、第1、第2の洗浄水として950リットル/hが前処理装置1に供給され、これがそのまま前処理排水となり、まず不純物固化除去装置31で不純物が固化、除去されて中継槽7に供給される。一方、第4逆浸透膜処理装置6で、140リットル/hの工業用水を用いて130リットル/hの透過水が補充水として中継槽7に供給され、残りの10リットル/hの濃縮水は排出され、例えば、トイレ洗浄水等として使用される。
【0027】
中継槽7にはまた、後述するように、第2逆浸透膜処理装置から100リットル/hの濃縮水、第3逆浸透膜処理装置から90リットル/hの透過水が戻され、従って合計1270リットル/hの水が供給される。第1逆浸透膜処理装置はこの1270リットル/hの供給水のうち、1170リットル/hを透過水とし、100リットル/hを濃縮水とする。第2逆浸透膜処理装置はこの1170リットル/hの透過水のうち、1070リットル/hを透過水としてイオン交換装置11に供給し、100リットル/hを濃縮水として中継槽7に戻す。
【0028】
一方、第3逆浸透膜処理装置は、上記100リットル/hの濃縮水のうち、90リットル/hを透過水として中継槽7に戻し、10リットル/hを濃縮水として排出する。この濃縮水はイオン状態の不純物が濃縮されたものであり、本発明の電着塗装排水のリサイクルシステムのクローズドシステムの唯一の例外として再利用しないものとして排出される。
【0029】
従って、上記浄化処理後においては1170リットル/hの最終水が得られ、上述のように、このうち950リットル/hが前処理装置に供給されて再利用され、残りの120リットル/hは、例えば、他の電着装置に供給される。これにより、排水のリサイクルシステムが成立する。
【0030】
つぎにこのような構成の電着塗装排水のリサイクルシステムの作動を説明する。第1の洗浄水は前処理工程でアルカリ脱脂後のワークの洗浄に使用されて、ワークに付着したナトリウムイオンや油分、ゴミ等を含んだ排水となり、一方、第2の洗浄水は前処理工程で化成処理後のワークの洗浄に使用されて、ワークに付着したリン酸亜鉛等を含んだ排水となり、二つの排水は合流排水として原水槽2に貯留される。
【0031】
この原水は、凝集沈殿槽3でリン酸亜鉛及び他の金属類が、生物処理装置で有機物が、濾過吸着処理装置5でSS分が除去される。そして、これらの固化された不純物が除去された水に、工業用水から所定の挟雑イオン濃度に処理された補充水を加えたものから、第1〜第3逆浸透膜処理装置8〜10で主にナトリウムイオンが、イオン交換装置11でその他の挟雑イオンが除去されて、最終水が得られる。そして、この最終水が第1及び第2の洗浄水として共通に供給され、また、必要に応じて電着装置等他の装置にも供給される。
このようにして得られた最終水と原水、工業用水の水質の比較測定例を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
前処理で多量に使用されることから原水に多量に含まれるナトリウム(Na)、トータル窒素(N)、トータルリン(P)は、最終水では工業用水以下となっており、また、ワークの汚れ等に起因して原水に多量に含まれる有機物(COD及びBODで表示)、アミン類(N−H)、亜鉛(Zn)等も、工業用水と大差なく、洗浄水としての使用に支障のないレベルとなっている。そして、伝導度は、原水で500ジーメンス、工業用水で150〜250ジーメンスであるのが、最終水では3ジーメンス以下となっており、電着塗装に支障のないレベルとなっている。従って、最終水を第1、第2の洗浄水として使用することができる。
【0034】
上記の電着塗装排水のリサイクルシステムでは、浄化処理にドラムドライヤーのような相変換を伴う装置を使用していないので、エネルギー効率がよく、またイオン除去に逆浸透膜処理装置8〜10を使用しているので、大量の排水を必要に応じて効率良く処理することができる。
【0035】
また、逆浸透膜処理装置の透過水側を多段とすることにより、最終透過水のイオン濃度をより低減することができ、濃縮水側を多段とすることにより排出される最終濃縮水の量を減らすことができる。また、低減すべきイオン濃度が同一であれば、多段とすることにより、付加される圧力を減少させることができるので、透過膜の寿命を延ばすことができる。
【0036】
更に、上述のように、イオン除去装置32の前段に補充水供給装置6を設けると、イオン除去装置32への供給水が補充水により薄められるので、その除去効率が向上する。
【0037】
また、図1において、他の電着装置13へ供給する最終水120リットル/hをゼロとし、その分だけ補充水供給装置からの補充水を減らして10リットル/hとすることもできる。この補充水は浄化処理中に排出される水を補うものであり、他の装置へ供給する最終水の分は必要に応じて付加される。
【0038】
【発明の効果】
本発明の電着塗装排水のリサイクルシステムは、上述のように、所定値以上の純度を有する第1の洗浄水を用いたアルカリ脱脂工程後の水洗を経て不純物が混在している第1の前処理排水と、上記所定値以上の純度及び所定値以下のイオン濃度を有する第2の洗浄水を用いた化成処理工程後の水洗を経て不純物が混在している第2の前処理排水とを併せ、この合流排水を、上記所定値以上の純度及び所定値以下のイオン濃度まで浄化処理し、上記第1の洗浄水及び第2の洗浄水として循環使用し、上記第1の前処理排水と第2の前処理排水とを併せた合流排水から不純物を固化して除去する不純物固化除去装置と、上記不純物固化除去装置により不純物を固化して除去した水から不純イオンを除去するイオン除去装置と、上記処理中に排出される水を補充するため、上記所定値以上の純度及び所定値以下のイオン濃度の補充水を供給する補充水供給装置とを備えてなるものであるので、供給水質要求及び汚染態様の異なる2系統の洗浄水及びその排水を効率よく処理することができる。
【0039】
また、補充水供給装置は市水から挟雑イオンを所定の濃度まで除去して補充水とするものであり、この補充水を不純物を固化して除去した水とともにイオン除去装置に供給してなるものとすると、イオン除去装置への供給水が補充水により薄められるので、その除去効率を向上させることができる。
【0040】
また、不純物固化除去装置は、第1の前処理排水と第2の前処理排水とを併せた合流排水から主にリン酸亜鉛及び他の金属類を除去する凝集沈殿処理装置と、この凝集沈殿処理を施した水から主に有機物を除去する生物処理装置と、この生物処理を施した水から主にSS分を除去する濾過吸着処理装置とを備え、イオン除去装置は、不純物を固化して除去した水及び補充水を、透過水と濃縮水とに分離する1以上の段からなる逆浸透膜処理装置と、該逆浸透膜処理装置の最終透過水から主に挟雑イオンを除去するイオン交換装置とを備え、上記逆浸透膜処理装置の最終濃縮水を排出するものとすると、浄化処理に相変換を伴う装置を使用していないので、エネルギー効率がよく、またイオン除去に逆浸透膜処理装置を使用するので、大量の排水を必要に応じて効率良く処理することができる。
【0041】
また、上記補充水供給装置は、浄化処理中に排出される量に一定量を付加した量の補充水を供給し、この付加された一定量分の浄化処理水を他の電着装置等他の装置に供給するものとすると、他の装置に必要な純水を併せて作ることができ、専用の純水製造器を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電着塗装排水リサイクルシステムを示すブロック図。
【図2】電着塗装ライン構成及び従来の電着塗装排水処理を示す図。
【符号の説明】
3 凝集沈殿処理装置
4 生物処理装置
5 濾過吸着処理装置
6 第4逆浸透膜処理装置(補充水供給装置)
8 第1逆浸透膜処理装置
9 第2逆浸透膜処理装置
10 第3逆浸透膜処理装置
11 イオン交換装置
25 第1の洗浄水(第1の前処理排水)
26 第2の洗浄水(第2の前処理排水)
31 不純物固化除去装置
32 イオン除去装置
Claims (4)
- 所定値以上の純度を有する第1の洗浄水を用いたアルカリ脱脂工程後の水洗を経て不純物が混在している第1の前処理排水と、前記所定値以上の純度及び所定値以下のイオン濃度を有する第2の洗浄水を用いた化成処理工程後の水洗を経て不純物が混在している第2の前処理排水とを併せ、この合流排水を、前記所定値以上の純度及び所定値以下のイオン濃度まで浄化処理し、前記第1の洗浄水及び第2の洗浄水として循環使用する電着塗装排水のリサイクルシステムであって、
前記第1の前処理排水と第2の前処理排水とを併せた合流排水から不純物を固化して除去する不純物固化除去装置と、
前記不純物固化除去装置により不純物を固化して除去した水から不純イオンを除去するイオン除去装置と、
前記処理中に排出される水を補充するため、前記所定値以上の純度及び所定値以下のイオン濃度の補充水を供給する補充水供給装置と
を備えてなることを特徴とする電着塗装排水のリサイクルシステム。 - 前記補充水供給装置が、市水から挟雑イオンを所定の濃度まで除去して補充水とするものであり、この補充水を前記不純物固化除去装置により不純物を固化して除去した水とともに前記イオン除去装置に供給してなる請求項1記載の電着塗装排水のリサイクルシステム。
- 前記不純物固化除去装置が、第1の前処理排水と第2の前処理排水とを併せた合流排水から主にリン酸亜鉛及び他の金属類を除去する凝集沈殿処理装置と、前記凝集沈殿処理装置により凝集沈殿処理を施した水から主に有機物を除去する生物処理装置と、この生物処理を施した水から主にSS分を除去する濾過吸着処理装置とを備え、
前記イオン除去装置が、前記不純物固化除去装置により不純物を固化して除去した水及び補充水を透過水と濃縮水とに分離する1以上の段からなる逆浸透膜処理装置と、前記逆浸透膜処理装置の最終透過水から挟雑イオンを除去するイオン交換装置とを備え、かつ、前記逆浸透膜処理装置から分離された濃縮水の一部を系外に排出するものである請求項2記載の電着塗装排水のリサイクルシステム。 - 前記補充水供給装置が、前記浄化処理中に排出される量に一定量を付加した量の補充水を供給し、前記付加された一定量分の浄化処理水を他の電着塗装工程等に供給する請求項2又は3記載の電着塗装排水のリサイクルシステム。
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- 1994-11-24 JP JP31575394A patent/JP3558392B2/ja not_active Expired - Fee Related
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