JP3558355B2 - 頭蓋骨穿孔監視装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、患者の脳外科手術において頭蓋骨の所要部位を切断し骨弁を翻点して開頭する場合に、その頭蓋骨の任意部位に孔を明ける際の穿孔深さを監視及び制御して開頭手技の安全性及び確実性を向上することができる頭蓋骨穿孔監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
患者の脳外科手術においては、頭蓋内の病巣に到達するための最も適切な進入経路を決定し、当該部位の頭髪を刈り取ると共に頭皮を切り開いた後、開頭の大きさ、部位に応じて頭蓋骨に一つの孔を明けるか、又は数個の孔を明けてその孔と孔との間を切断し骨弁を翻点して、対象とする脳部位を露出させ、当該部位に所要の手術を施すのが一般的である。この場合、所要部位を開頭するには、電気ドリル又は圧搾空気を利用したドリル・電気メス・電気ノコギリ等の開頭手段を用いて頭蓋骨に孔を明けたり切断したりするが、上記開頭手段による頭蓋骨に対する孔明け等がその頭蓋骨の厚さより深いところまで到達し、脳内容物を覆う硬膜と呼ばれる部位に至らないようにしなければならない。このため、ドリルの回転トルク又は孔明け速度或いは停止位置の設定には、術者の経験に基づく細心の注意が必要とされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記現状の脳外科手術における開頭手技において、頭蓋骨の任意部位に孔を明けるには、術者の経験に基づく細心の注意が必要であると共に、術者の名人芸的な技量に依存した慎重な手技が必要であった。また、圧搾空気を利用したドリルにおいては、ドリル刃の先端が頭蓋骨を貫通したときの圧変化を検出してドリルの回転を自動的に停止させるようにしたものもあるが、上記頭蓋骨を貫通する直前までは圧変化はほとんどなく、やはり術者の名人芸的な技量に依存せざるを得ないものであった。従って、上記頭蓋骨の任意部位に孔を明けるには、術者の慎重な手技により長時間を必要とし、手術時間中の多くの時間を消費して、肝心の脳内治療のための時間が減少することがあった。また、いかに術者が名人芸的な技量を発揮してもいつも同じようにうまく孔が明けられるとは限らず、場合によってはドリル刃の先端が前述の硬膜に触れて傷を付ける可能性もあり、手術の安全性と確実性が阻害されることがあった。
【0004】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、患者の頭蓋骨の任意部位に孔を明ける際の穿孔深さを監視及び制御して開頭手技の安全性及び確実性を向上することができる頭蓋骨穿孔監視装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による頭蓋骨穿孔監視装置は、頭蓋骨の任意部位を穿孔する手段と、この穿孔手段の近くに配置され上記頭蓋骨に超音波を送信して該頭蓋骨からの反射信号を受信する少なくとも一つの超音波探触子と、この超音波探触子を駆動する手段と、上記超音波探触子で送受信され頭蓋骨を伝播する表面弾性波について反射エネルギ又は透過エネルギの計測を選択する選択手段と、この選択手段の選択により計測された表面弾性波の反射エネルギ量又は透過エネルギ量の変化を演算する手段と、上記頭蓋骨の穿孔深さについて所定のしきい値を設定する手段と、上記演算手段から取り込み、頭蓋骨の穿孔による規格化切断厚みに応じて変化する反射エネルギ量又は透過エネルギ量の変化情報と上記しきい値設定手段からのしきい値とを比較判定した結果に基づいて上記穿孔手段を制御する手段と、を備えたものである。
【0006】
また、上記穿孔手段により頭蓋骨に所定の深さまで孔が明けられたところで警告音を発する警報装置を設けてもよい。
【0007】
さらに、上記穿孔手段を頭蓋骨のある領域内に複数個配置し、該頭蓋骨に複数個の孔を明けるようにしてもよい。
【0008】
【作用】
このように構成された頭蓋骨穿孔監視装置は、頭蓋骨の任意部位に孔を明ける穿孔手段の近くに配置された少なくとも一つの超音波探触子により上記頭蓋骨に超音波を送信して該頭蓋骨からの反射信号を受信し、駆動手段で上記超音波探触子を駆動し、上記超音波探触子で送受信され頭蓋骨を伝播する表面弾性波について反射エネルギを計測するか又は透過エネルギを計測するかを選択手段により選択し、この選択手段の選択により計測された表面弾性波の反射エネルギ量又は透過エネルギ量の変化を演算手段で演算し、しきい値設定手段で上記頭蓋骨の穿孔深さについて所定のしきい値を設定し、上記演算手段から取り込み、頭蓋骨の穿孔による規格化切断厚みに応じて変化する反射エネルギ量又は透過エネルギ量の変化情報と上記しきい値設定手段からのしきい値とを比較判定した結果に基づいて制御手段で上記穿孔手段を制御することにより、該穿孔手段によって頭蓋骨の任意部位に孔を明けるように動作する。これにより、上記頭蓋骨の任意部位に孔を明ける際の穿孔深さを監視及び制御して開頭手技の安全性及び確実性を向上することができる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明による頭蓋骨穿孔監視装置の実施例を示すブロック図である。この頭蓋骨穿孔監視装置は、患者の脳外科手術において頭蓋骨の所要部位を切断し骨弁を翻点して開頭する場合に、その頭蓋骨の任意部位に孔を明ける際の穿孔深さを監視及び制御するもので、図に示すように、穿孔器1と、一対の超音波探触子2a,2bと、送波器3と、受波器4と、時間ゲート回路5と、積分器6と、しきい値設定器7と、差動増幅器8と、パワ増幅器9と、トルク・パワ制御器10とを備えて成る。
【0010】
上記穿孔器1は、患者の頭蓋骨11の任意部位に孔を明ける穿孔手段となるもので、例えば電気ドリルから成る。一対の超音波探触子2a,2bは、上記頭蓋骨11に超音波を送信して該頭蓋骨からの反射信号を受信するもので、上記穿孔器1の近く、例えば該穿孔器1を挟んでその両側に配置されて頭蓋骨11の表面に当接され、主として上記頭蓋骨11を伝播する表面弾性波を計測するようになっている。そして、上記一対の超音波探触子2a,2bとしては、表面弾性波を効率良く発生させると共に計測するために、いわゆる斜角探触子を用いるのが望ましい。なお、上記超音波探触子は、少なくとも一つ設けられていればよい。また、送波器3は、上記一対の超音波探触子2a,2bのうち一方の超音波探触子2aを駆動して超音波を送信する送波手段となるもので、クロック発生器12で決められたパルス・シーケンスにより送波制御されるようになっている。さらに、受波器4は、上記超音波探触子2a又は2bにより受信された超音波信号を入力して増幅及び検波する受波手段となるものである。
【0011】
時間ゲート回路5は、上記一方の超音波探触子2aで送信された超音波により頭蓋骨11を伝播する表面弾性波について所定時間幅内の受波信号のみを抽出するゲート手段となるものである。積分器6は、上記頭蓋骨11からの反射信号のうちの表面弾性波を抽出しその伝播エネルギを演算する手段となるもので、上記時間ゲート回路5で抽出した表面弾性波の伝播エネルギの信号を積算するようになっており、その出力信号は後述の差動増幅器8及びA/D変換器13へ送られる。また、しきい値設定器7は、前記穿孔器1により頭蓋骨11に孔を明ける際の穿孔深さについて所定のしきい値を設定する手段となるもので、後述の図4に示す相関曲線に基づいて手動設定するか、バスライン14を介して中央処理装置(CPU)15により自動設定されるようになっている。そして、差動増幅器8は、上記しきい値設定器7から出力される穿孔深さについてのしきい値と前記積分器6から出力される表面弾性波の伝播エネルギとを入力して比較しその判定結果の差分値を出力する差分増幅手段となるもので、その出力信号は後述のパワ増幅器9へ送られるようになっている。
【0012】
パワ増幅器9は、上記差動増幅器8から出力される差分値信号を入力してパワ増幅するものである。また、トルク・パワ制御器10は、上記パワ増幅器9から出力されるパワ信号を入力して穿孔器1のトルク・パワ制御信号を生成して該穿孔器1へ送出するものである。そして、上記パワ増幅器9とトルク・パワ制御器10とで、上記差動増幅器8からの差分値信号を入力して穿孔器1の動作を制御する手段を構成している。
【0013】
なお、図1において、符号16は積分器6の出力信号をA/D変換器13でディジタル化した信号をCPU15による演算制御系で標本化したデータを格納するメモリを示し、符号17は上記CPU15又はメモリ16からのデータを入力してアナログ信号に変換するD/A変換器を示し、符号18は上記D/A変換器17から出力された信号を入力して前記頭蓋骨11に所望の孔が明けられたことを示す警告音を発生するスピーカを示している。そして、第一の選択スイッチ19は、前記超音波探触子2a,2bで送受信され頭蓋骨11を伝播する表面弾性波について反射エネルギ又は透過エネルギの計測を選択する選択手段となるもので、二つの接点a,bを有し、前記超音波探触子2a,2bで送受信され頭蓋骨11を伝播する表面弾性波について反射エネルギを利用するか(接点a)、透過エネルギを利用するか(接点b)を選択するものである。また、第二の選択スイッチ20は、二つの接点c,dを有し、穿孔器1の動作制御をアナログ処理で実施するか(接点c)、CPU15によるディジタル処理の演算制御を利用するか(接点d)を選択するものである。
【0014】
次に、このように構成された頭蓋骨穿孔監視装置の動作について説明する。まず、頭蓋骨11の所要部位を切断する前に、当該部位の頭蓋骨11の厚みを計測する。図2は頭皮が剥離された頭蓋部分の構造を模式的に示した断面説明図であるが、頭蓋骨11は、表層骨板11aと内層骨板11bとこの両者間に挟まれた骨髄11cとの3層構造となっており、例えば約7〜8mmの厚みを有している。なお、符号21は硬膜などに包まれた脳内容物を示し、符号22は表層骨板11aに触れている空気を示している。そして、上記空気22と、頭蓋骨11と、脳内容物21の音響インピーダンスは、それぞれ0.0004kg/m2/s,3.2〜7.4kg/m2/s,1.56kg/m2/sとなっており、頭蓋骨11が音響的に最も固い構造となっている。
【0015】
このような状態で、頭蓋内の病巣に到達するために最も適切な進入経路として決定された頭蓋骨11の部位に、図2に示すように、例えば一方の超音波探触子2aを当接する。そして、この超音波探触子2aを図1に示す送波器3及び受波器4で制御して、上記頭蓋骨11内にパルス超音波を送信すると共に受信する。このとき、図1に示す第一の選択スイッチ19は、接点a側に接続されている。すると、上記送信されたパルス超音波は、図2において厚み方向に内層骨板11bまで至り、この内層骨板11bの底面で反射され、その反射超音波が頭蓋骨11の厚みDに依存した時間だけ遅延して上記超音波探触子2aに受信される。従って、この遅延時間の信号により、CPU15が演算して上記頭蓋骨11の厚みDを計測することができる。例えば、周波数1MHzのパルス超音波を用いた場合は、頭蓋骨の平均的な縦波超音波伝播速度は2700〜4100m/sであるから、時間分解能が0.1μsであるとすると、約0.1mmの精度で厚みDを計測することができる。
【0016】
次に、このように頭蓋骨11の厚みDを計測したら、これを基にして上記頭蓋骨11に孔を明ける際の穿孔深さについて所定のしきい値を、しきい値設定器7で設定する。例えば、頭蓋骨11の厚みをDmmとすると、穿孔深さのしきい値を(D−0.1)mmとして設定する。
【0017】
次に、上記のように穿孔深さについてのしきい値が設定されたところで、今度は実際に頭蓋骨11の所要部位に孔を明ける。図3において、空気22と脳内容物21とに挟まれた頭蓋骨11は、その厚みD=7〜8mmの弾性板とみなすことができ、この弾性板面内を表面弾性波の1モードであるラム(Lamb)波が伝播するとみなすことができる。そこで、頭蓋骨11上に決定された穿孔部位に図3に示すように穿孔器1を位置させると共に、この穿孔器1を挟んでその両側に一対の超音波探触子2a,2bを配置当接する。そして、一方の超音波探触子2aから超音波を送信しながら穿孔器1を駆動し、頭蓋骨11の所要部位に孔23を明けてゆく。
【0018】
このとき、一方の超音波探触子2aから送信された表面弾性波は、頭蓋骨11内を伝播して途中で上記の孔23に達すると、孔明けに伴う穿孔量dに応じて一部は孔23の部分で反射し、他は骨の接続部分を透過して行く。そして、反射表面弾性波及び透過表面弾性波は、それぞれ一方の超音波探触子2a又は他方の超音波探触子2bによって受信される。このような状態で、図1に示す第一の選択スイッチ19を接点b側に接続し、透過表面弾性波の信号を超音波探触子2bで受信して透過エネルギを計測すると、孔明けが進んで穿孔量dが大きくなるにつれて透過エネルギは減少して行く。また、上記第一の選択スイッチ19を接点a側に接続し、反射表面弾性波の信号を超音波探触子2aで受信して反射エネルギを計測すると、孔明けが進んで穿孔量dが大きくなるにつれて反射エネルギは増大して行く。
【0019】
この様子を示すと図4のグラフのようになる。図4において、横軸は図3における穿孔量dを頭蓋骨11の厚みDで除した規格化切断厚み(d/D)を示し、縦軸は反射エネルギEa及び透過エネルギEbを示している。このグラフから明らかなように、d/D=1.0となり孔23が貫通する直前で、Eaは急激な増加を示し、Ebは急激な減少を示すことがわかる。この現象は、ラム波の伝播に際し、厚み残存量(D−d)が伝播するのに必要な最小限の厚みより薄くなると、その伝幡が急速に阻害されるためと考えられる。そして、この孔明け貫通直前の表面弾性波の反射エネルギEa又は透過エネルギEbのエネルギ量の変化を計測することにより、間接的に頭蓋骨11の穿孔過程を監視することができる。
【0020】
この場合、上記表面弾性波の伝幡は、伝播部材の厚みがその表面弾性波の1波長程度であることが望ましく、上記頭蓋骨11においては、約500KHz〜3MHzが好適である。また、送信から受信までの時間は、頭蓋骨11を弾性板とみなしたときの伝播速度で定まる。送信の時よりこの伝播時間だけ遅れた受信信号を図1に示す時間ゲート回路5で時間ゲートすると、得られる信号は、超音波探触子2a,2b間の最短距離を伝播する直接伝播波と考えられ、多重反射信号や他の経路を通過した超音波は上記時間ゲート回路5によって排除される。なお、特定の周波数に対し、図4に示すような規格化された切断厚み(d/D)と反射エネルギEa又は透過エネルギEbの相関曲線は、事前に動物実験や計算によって求めておけばよい。
【0021】
上記のようにして計測された反射エネルギEa又は透過エネルギEbの信号は、積分器6で積算された後に差動増幅器8へ送られる。この差動増幅器8には、しきい値設定器7により前記のように設定された穿孔深さについてのしきい値が入力しており、該差動増幅器8は、上記反射エネルギEa又は透過エネルギEbの信号としきい値とを比較してその差分値を出力する。次に、この出力された差分値の信号は、接点c側に接続された第二の選択スイッチ20を介してパワ増幅器9へ送られ、パワ増幅される。その後、このパワ増幅された信号は、トルク・パワ制御器10へ送られ、穿孔器1のトルク・パワ制御信号が生成される。そして、上記トルク・パワ制御器10から出力されたトルク・パワ制御信号は、穿孔器1へ入力し、該穿孔器1のパワ及び回転トルクを制御する。
【0022】
このとき、上記トルク・パワ制御信号は、差動増幅器8からの差分値信号の大きさによりコントロールされ、その差分値信号で表される頭蓋骨11の厚みDの残存量(D−d)(図3参照)に比例して小さくなるようにされている。従って、穿孔器1による頭蓋骨11に対する孔明けの深さが大きくなり、残存量(D−d)が小さくなるに従って穿孔器1のパワ及び回転トルクが低減され、上記頭蓋骨11の孔23が貫通する直前(例えばD−d=0.1mm)において上記穿孔器1が自動的に停止される。これにより、従来のように術者の名人芸的な技量に依存することなく、安全かつ確実に頭蓋骨11に孔を明けることができる。
【0023】
なお、図1において、第二の選択スイッチ20を接点d側に接続した場合は、前記積分器6から出力されA/D変換器13でディジタル信号に変換された出力信号は、バスライン14を介してCPU15へ送られ、メモリ16に標本化して格納される。また、上記CPU15は、前記しきい値設定器7を制御して穿孔深さについてのしきい値を設定すると共に、各種の演算・比較・増幅処理を実行して、その結果をD/A変換器17にてアナログ信号に変換し、パワ増幅器9へ供給する。以後の動作は、上述と同様となる。さらに、上記D/A変換器17からの出力信号は、スピーカ18にも供給され、図3に示す孔明けにおいて所定の深さまで孔23が明けられたところで警告音を発生するようになっている。
【0024】
図5は頭蓋骨11に対する孔明け作業の他の実施例を示す平面説明図である。この実施例は、頭蓋骨11のある領域内に複数個の孔23,23,…を明ける場合を示しており、例えば4個の穿孔器1a,1b,1c,1dを四辺形をなすように配置し、この四辺形の中心部に第一の超音波探触子2aを配置すると共に、上記各穿孔器1a〜1dを挟んでそれぞれ第二〜第五の超音波探触子2b,2c,2d,2eを配置したものである。実際の個々の孔明け作業は、図1〜図4を参照して説明した前述の実施例と同様である。なお、上記四辺形の中心部に配置した第一の超音波探触子2aを反射型として用い反射エネルギを計測する場合は、この第一の超音波探触子2aの1個のみでもその周りの4個の穿孔器1a〜1dの制御をすることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されたので、請求項1に係る発明によれば、頭蓋骨の任意部位に孔を明ける穿孔手段の近くに配置された少なくとも一つの超音波探触子により上記頭蓋骨に超音波を送信して該頭蓋骨からの反射信号を受信し、駆動手段で上記超音波探触子を駆動し、上記超音波探触子で送受信され頭蓋骨を伝播する表面弾性波について反射エネルギを計測するか又は透過エネルギを計測するかを選択手段により選択し、この選択手段の選択により計測された表面弾性波の反射エネルギ量又は透過エネルギ量の変化を演算手段で演算し、しきい値設定手段で上記頭蓋骨の穿孔深さについて所定のしきい値を設定し、上記演算手段から取り込み、頭蓋骨の穿孔による規格化切断厚みに応じて変化する反射エネルギ量又は透過エネルギ量の変化情報と上記しきい値設定手段からのしきい値とを比較判定した結果に基づいて制御手段で上記穿孔手段を制御することにより、該穿孔手段によって頭蓋骨の任意部位に孔を明けることができる。これにより、上記頭蓋骨の任意部位に孔を明ける際の穿孔深さを監視及び制御して開頭手技の安全性及び確実性を向上することができる。従って、従来のように術者の名人芸的な技量に依存することなく、普通の技量の術者であっても安全かつ確実に頭蓋骨に孔明け作業を行うことができる。また、頭蓋骨の孔明け作業に従来のように長時間を要することなく、肝心の脳内治療のための時間を多くとることができる。これらのことから、全体として患者の脳外科手術の安全性と確実性を向上することができる。
【0026】
また、請求項2に係る発明によれば、警報装置により、上記穿孔手段により頭蓋骨に所定の深さまで孔が明けられたところで警告音を発することができる。従って、術者は、頭蓋骨に所定の深さまで孔が明けられたことを警告音で知ることができる。
【0027】
さらに、請求項3に係る発明によれば、頭蓋骨のある領域内に複数個配置された穿孔手段により、該頭蓋骨に複数個の孔を明けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による頭蓋骨穿孔監視装置の実施例を示すブロック図である。
【図2】頭皮が剥離された頭蓋部分の構造を模式的に示した断面説明図であり、本発明において頭蓋骨の厚みを計測する状態の説明図である。
【図3】頭蓋骨の所要部位に実際に孔を明ける動作を説明するための断面図である。
【図4】頭蓋骨に対する孔明け動作において、規格化切断厚みと反射エネルギ及び透過エネルギとの関係を示すグラフである。
【図5】頭蓋骨に対する孔明け作業の他の実施例を示す平面説明図である。
【符号の説明】
1,1a〜1d…穿孔器
2a〜2e…超音波探触子
3…送波器
4…受波器
5…時間ゲート回路
6…積分器
7…しきい値設定器
8…差動増幅器
9…パワ増幅器
10…トルク・パワ制御器
11…頭蓋骨
15…CPU
18…スピーカ
19…第一の選択スイッチ
20…第二の選択スイッチ
23…孔
Claims (3)
- 頭蓋骨の任意部位を穿孔する手段と、この穿孔手段の近くに配置され上記頭蓋骨に超音波を送信して該頭蓋骨からの反射信号を受信する少なくとも一つの超音波探触子と、この超音波探触子を駆動する手段と、上記超音波探触子で送受信され頭蓋骨を伝播する表面弾性波について反射エネルギ又は透過エネルギの計測を選択する選択手段と、この選択手段の選択により計測された表面弾性波の反射エネルギ量又は透過エネルギ量の変化を演算する手段と、上記頭蓋骨の穿孔深さについて所定のしきい値を設定する手段と、上記演算手段から取り込み、頭蓋骨の穿孔による規格化切断厚みに応じて変化する反射エネルギ量又は透過エネルギ量の変化情報と上記しきい値設定手段からのしきい値とを比較判定した結果に基づいて上記穿孔手段を制御する手段と、を備えたことを特徴とする頭蓋骨穿孔監視装置。
- 上記穿孔手段により頭蓋骨に所定の深さまで孔が明けられたところで警告音を発する警報装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の頭蓋骨穿孔監視装置。
- 上記穿孔手段を頭蓋骨のある領域内に複数個配置し、該頭蓋骨に複数個の孔を明けることを特徴とする請求項1又は2記載の頭蓋骨穿孔監視装置。
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