JP3557804B2 - 燃料電池用水素電極及びその製造方法 - Google Patents

燃料電池用水素電極及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,水素電極と空気電極と両者の間に配置された電解質とよりなる燃料電池の水素電極及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,後述の図1に示すごとく,水素電極11と空気電極12と両者の間に配置された電解質13とよりなり,水素及び酸素を電極活物質として使用する燃料電池が知られている。
上記燃料電池において,水素電極11及び空気電極12は共にガス拡散層14とその表面に形成した触媒層15,16とよりなり,該触媒層15,16は導電性粒子150,160であるカーボンブラックと,これに担持された白金粒子151,161,撥水性粒子163,高分子電解質164とよりなる。
【0003】
上記燃料電池における起電力の発生は以下に示すごとく行なわれる。
上記水素電極に水素含有ガスが,空気電極に酸素含有ガスとしての空気が外部より供給される。これにより水素電極にてH→2H+2e,空気電極にて(1/2)O+2e+2H→HOという電極反応が発生する。
【0004】
従って,H+(1/2)O→HOという電池反応が発生し,これにより燃料電池が起電する。そして,この電極反応における触媒作用を上記触媒層に存在する白金粒子が担っている。
なお,上記水素含有ガスとしては,天然ガス,メタノールガス等を改質した水素リッチな改質ガスを使用することが一般的である。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記改質ガスには不純物であるCOが含まれており,また該COの含有率を0とすることは大変困難である。
そして,上記触媒層における白金粒子はCOとの接触により被毒し,その触媒活性を失ってしまう(CO被毒)。
このため,上記従来の燃料電池においては,時間の経過と共に電極反応が低下,これに応じて燃料電池の電圧が低下するという問題があった。
【0006】
上記CO被毒に対応するために,従来,単体の白金粒子に代えて,白金とルテニウムとよりなる合金を,上記導電性粒子に担持した触媒層を用いた水素電極が提案されている(特開昭63−213260号)。
この合金はCOの接触による触媒活性の低下が少なく,従って,CO被毒による燃料電池の電圧低下という問題が発生し難かった。
【0007】
しかしながら,上記ルテニウムは埋蔵量の少ない資源である。よって,燃料電池を量産化する際には必要量の確保が困難である。更に,埋蔵量の少ないことから,価格が高く,燃料電池の価格を上昇させるおそれがある。
【0008】
このため,白金−ニッケル−コバルト−マンガンよりなる四元合金を上記触媒層に使用することが別途提案されている(特開平5−208135号)。上記四元合金を構成する元素は資源的に豊富に存在し,また安価である。
しかしながら,上記四元合金は4種類の元素よりなり,かつその製造方法が確立されていないため,製造困難な合金である。従って,燃料電池の量産が困難となる。
【0009】
更に,上記CO被毒の問題は,燃料電池が低温で作動するほど顕著に現れる。上述したごとく,従来技術においてCO被毒の問題を回避可能な触媒層を得ることが困難である。
よって,低温作動可能な燃料電池を得ることは,従来,困難であった。
【0010】
本発明は,かかる問題点に鑑み,CO被毒による出力低下を防止することができ,長時間に渡って使用可能かつ低温作動可能な燃料電池を得ることができ,安価かつ容易に製造可能な,燃料電池用水素電極及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,ガス拡散層とその表面に形成した触媒層とよりなる燃料電池用水素電極であって,
上記触媒層は導電性粒子,撥水性粒子,高分子電解質,白金及びフッ化ランタンよりなることを特徴とする燃料電池用水素電極にある。
【0012】
上記燃料電池用水素電極を設ける燃料電池としては,例えば,後述の図1に示すごとく,水素電極と空気電極と両者の間に配置された電解質とよりなり,水素及び酸素を電極活物質として使用する燃料電池を挙げることができる。
上記水素電極に対しては外部よりガス拡散層を通じて水素含有ガスを供給することができ,これに含まれる水素を消費して前述した電極反応が発生する。
なお,上記水素含有ガスとしては,メタノール,天然ガス等を改質した改質ガスを使用することができる。
【0013】
上記ガス拡散層としては,例えば,カーボンファイバーを集積,成形した炭素繊維板を使用することができる。上記導電性粒子としては,例えば,カーボンブラック,上記撥水性粒子としては,例えば,ポリテトラフルオロエチレン(以降PTFEと省略),上記高分子電解質としては,例えば,陽イオン交換樹脂を使用することができる。
【0014】
また,上記白金は,上記触媒層に対し,0.05〜0.2mg/cm担持させることが好ましい。
上記白金の量が0.05mg/cm未満である場合には,水素電極の分極特性が低下するおそれがある。一方,白金の量が0.2mg/cmより多い場合には,コスト的に高くなるおそれがある。
なお,上記白金の担持量の単位『mg/cm』は,電極の単位面積当たりに担持された白金の重量を意味する。
【0015】
また,上記触媒層における撥水性粒子の担持量は,導電性粒子:撥水性粒子=8:2〜6:4(重量比)とすることが好ましい。
上記撥水性粒子の担持量が8:2未満である場合には,撥水性が弱いおそれがある。一方,6:4より多い場合には,電気抵抗が大きくなるおそれがある。なお,最も好ましい上記撥水性粒子の担持量は,導電性粒子:撥水性粒子=7:3(重量比)である。
【0016】
また,上記触媒層における高分子電解質の担持量は0.08〜2mg/cmとすることが好ましい。
上記高分子電解質の担持量が0.08mg/cm未満である場合には,電極反応が遅くなるおそれがある。一方,2mg/cmより多い場合には,電気抵抗が大きくなるおそれがある。
なお,上記高分子電解質の担持量は乾燥重量,単位は上記白金の場合と同様である。
【0017】
更に,上記触媒層において,白金の量に対するフッ化ランタンの量は,重量比にして1:1〜1:3とすることが好ましい。
フッ化ランタンの量が1:1よりも小さい場合には,耐CO被毒特性が低下するおそれがある。一方,1:3よりも大きい場合には,電気抵抗の増大及び燃料ガス(H)の拡散の妨げとなるおそれがある。
【0018】
本発明の作用につき,以下に説明する。
本発明においては,上記触媒層は導電性粒子,撥水性粒子,高分子電解質,白金及びフッ化ランタンよりなる。そして,後述の図2に示すごとく,上記触媒層における白金は粒子状となって導電性粒子の表面に付着した状態にあり,一方,フッ化ランタンは層状となって導電性粒子の表面を被覆した状態にある。更に,上記フッ化ランタンの層は多くの粒子状の白金を被覆した状態にある。
【0019】
そして,上記フッ化ランタンは水素を透過させることはできるが,COに対しては不透過である。従って,上記触媒層にフッ化ランタンを含有させることにより,白金とCOとの接触を防止することができる。よって,白金の触媒活性を常に初期の状態のままとすることができ,CO被毒による燃料電池の出力低下を防止することができる。
【0020】
また,上記フッ化ランタンにおけるランタンは資源的に豊富な物質であり,燃料電池の量産化の上での障害とはならない。また,その価格もルテニウムと比較すれば安価である。
また,上記フッ化ランタンは合金ではなく,かつ安定な物質である。このため,製造容易である。
【0021】
また,CO被毒は燃料電池の動作温度が低温である場合に発生し易かったが,本発明にかかるCO被毒の生じ難い水素電極を使用することにより,低温で作動可能な燃料電池を得ることができる。
【0022】
以上のように,本発明によれば,CO被毒による出力低下を防止することができ,長時間に渡って使用可能かつ低温作動可能な燃料電池を得ることができ,安価かつ容易に製造可能な,燃料電池用水素電極を提供することができる。
【0023】
次に,請求項2の発明は,ガス拡散層とその表面に形成した触媒層とよりなる燃料電池用水素電極であって,上記ガス拡散層はその内部にフッ化ランタンを含有していることを特徴とする燃料電池用水素電極にある。
【0024】
この発明においては,ガス拡散層がフッ化ランタンを含有している。
このため,水素含有ガスがガス拡散層を経由して触媒層に供給される場合には,上記フッ化ランタンがCOのガス拡散層通過を防止することができる。よって,触媒層における白金とCOとの接触を防止でき,CO被毒を防止することができる。
その他は,上述の請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0025】
次に,請求項3の発明は,ガス拡散層とその表面に形成した触媒層とよりなる燃料電池用水素電極であって,
上記触媒層は導電性粒子,撥水性粒子,高分子電解質,白金及びフッ化ランタンよりなり,
かつ,上記ガス拡散層はその内部にフッ化ランタンを含有していることを特徴とする燃料電池用水素電極にある。
これにより,請求項1及び請求項2と同様の効果を共に得ることができる。
【0026】
次に,請求項4の発明は,ガス拡散層とその表面に形成した触媒層とよりなり,かつ上記触媒層は導電性粒子,撥水性粒子,高分子電解質,白金及びフッ化ランタンよりなる燃料電池用水素電極を製造するに当たり,
上記導電性粒子の表面に白金を担持し,その後これをランタン塩を含有する溶液中に含浸し,乾燥し,
更にフッ素イオンを含む溶液に含浸し,水洗,乾燥することを特徴とする燃料電池用水素電極の製造方法にある。
【0027】
これにより,後述の図2に示すごとく,導電性粒子に担持された白金の表面をフッ化ランタンにて被覆することができる。
上述したごとく,上記フッ化ランタンは水素を透過させるが,COに対しては不透過である。以上により,触媒層における白金とCOとの接触を防止することができ,よってCO被毒を防止することができる。
【0028】
また,得られた水素電極においてはCO被毒が生じないため,長時間かつ低温作動可能な燃料電池を得ることができる。
上記フッ化ランタンは安定な化合物であるため,上記製造方法により,上記触媒層に上記フッ化ランタンを容易に形成することができる。そして,上記形成の際に副生成物等が生じない。
【0029】
以上のように,本発明によれば,CO被毒による出力低下を防止することができ,長時間に渡って使用可能かつ低温作動可能な燃料電池を得ることができ,安価かつ容易に製造可能な,燃料電池用水素電極の製造方法を提供することができる。
【0030】
また,上記ランタン塩としては,例えば,塩化物である塩化ランタン,硫化物である硫化ランタン,硝酸塩である硝酸ランタン,炭酸塩である炭酸ランタン,水酸化物である水酸化ランタン等を使用することができる。
また,上記フッ素イオン含有溶液としては,フッ化水素アンモニウム水溶液,フッ化アンモニウム水溶液,フッ化水素水溶液等を使用することができる。
【0031】
また,請求項5の発明は,ガス拡散層とその表面に形成した触媒層とよりなり,かつ上記ガス拡散層はその内部にフッ化ランタンを含有している燃料電池用水素電極を製造するに当たり,
上記ガス拡散層をランタン塩を含有する溶液中に含浸し,乾燥し,
更にフッ素イオンを含む溶液に含浸し,水洗,乾燥することを特徴とする燃料電池用水素電極の製造方法にある。
【0032】
これにより,請求項2にかかる水素電極を容易に作製することができる。
また,上記ランタン塩,フッ素イオンを含有する溶液等は請求項4と同様のものを使用することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかる燃料電池用水素電極及びこの電極を設けた燃料電池につき,図1,図2を用いて説明する。
図1,図2に示すごとく,本例の燃料電池用水素電極11は,ガス拡散層14とその表面に形成した触媒層15とよりなり,上記触媒層15は導電性粒子150,白金15,撥水性粒子163,高分子電解質164,フッ化ランタン19よりなる。
【0034】
まず,本例にかかる燃料電池1につき説明する。
図1に示すごとく,上記燃料電池1は,水素電極11と空気電極12と両者の間に配置された固体電解質13と,撥水性粒子163であるPTFE,高分子電解質164である陽イオン交換樹脂よりなり,水素及び酸素を電極活物質として使用する燃料電池1である。
上記燃料電池1において,水素電極11及び空気電極12は共にガス拡散層14とその表面に形成した触媒層15,16と,撥水性粒子163であるPTFE,高分子電解質164である陽イオン交換樹脂よりなる。
【0035】
そして,図2に示すごとく,上記水素電極11の触媒層15は,導電性粒子150であるカーボンブラックと,その表面に担持された粒子状の白金151とこれらを被覆するよう層状に形成されたフッ化ランタン19と,撥水性粒子163であるPTFE,高分子電解質164である陽イオン交換樹脂よりなる。
また,上記空気電極12の触媒層16は導電性粒子160であるカーボンブラックと,これに担持された粒子状の白金161と,撥水性粒子163であるPTFE,高分子電解質164である陽イオン交換樹脂よりなる。
【0036】
また,上記水素電極11,空気電極12におけるガス拡散層14はカーボンファイバー140を集積,成形した炭素繊維板よりなる。
なお,上記水素電極11における白金151の触媒層15への担持量は0.2mg/cmである。また,フッ化ランタンの担持量は0.2mg/cmである。一方,上記空気電極12における白金161の触媒層16への担持量は0.2mg/cmである。
【0037】
また,上記水素電極11及び上記空気電極12において共に,上記撥水性粒子163の担持量は,導電性粒子:撥水性粒子=7:3(重量比),上記陽イオン交換樹脂164の担持量は,0.4mg/cmである。
【0038】
そして,上記水素電極11には水素含有ガス31が,空気電極12には空気32が供給される。これらの水素含有ガス31,空気32はそれぞれの電極におけるガス拡散層14側より導入する。
上記水素含有ガス31は,天然ガスを改質し,水素リッチとした改質ガスで,若干のCOが不純物として含有されている。また,上記空気32は外気をエアコンプレッサーを用いて導入したものである。
更に,上記水素電極11と空気電極12との間には,陽イオン交換樹脂膜よりなる固体電解質13が配置されている。
【0039】
次に,上記水素電極11の製造方法につき説明する。
まず,上記ガス拡散層14に対し,カーボンブラック及びPTFEの混合粉をバインダを含む溶剤と混練することによりペースト状にし,上記ガス拡散層14の上にドクターブレードを用いて,シート状に成形する。
【0040】
次に,上記付着したカーボンブラックに対し,Pt(NO)(NH硝酸溶液を含浸,乾燥後に温度180〜300℃,水素ガス雰囲気(水素還元雰囲気)にて熱処理を行う。以上により,上記カーボンブラックの表面に粒子状の白金が析出する。
【0041】
次に,上記カーボンブラックに対し,塩化ランタンのエタノール溶液を含浸,乾燥させる。その後フッ化水素アンモニウム水溶液を含浸,乾燥させる。
これにより,塩化ランタンとフッ化水素アンモニウムとが反応し,反応生成物であるフッ化ランタンが,図2に示すごとく,カーボンブラック及び白金の表面に層状に析出する。更に,上記触媒層15に陽イオン交換樹脂溶液を含浸,乾燥させる。
以上により本例にかかる水素電極11を得た。
【0042】
次に,本例における作用効果につき説明する。
本例においては,上記触媒層15は導電性粒子150,白金151,撥水性粒子163,高分子電解質164,フッ化ランタン19とよりなる。そして,図2に示すごとく,上記触媒層15におけるフッ化ランタン19は層状となって上記白金151を被った状態にある。
【0043】
そして,上記フッ化ランタン19は水素を透過させるが,COに対しては不透過である。従って,上記触媒層15がフッ化ランタン19を含有することにより,白金151とCOとの接触を防止することができる。よって,白金151の触媒活性を常に初期の状態のままとすることができ,CO被毒による燃料電池1の出力低下を防止することができる。
【0044】
また,上記フッ化ランタン19におけるランタンは資源的に豊富な物質であり,燃料電池の量産化の上での障害とはならない。また,その価格もルテニウムと比較すれば安価である。
また,上記フッ化ランタン19は合金ではなく,かつ安定な物質である。このため,製造容易である。
【0045】
また,CO被毒は燃料電池1の動作温度が低温である場合に発生し易かった。しかしながら,本例にかかる水素電極11は,上記のごとくCO被毒が生じ難いので,燃料電池1は低温で作動可能である。
【0046】
以上のように,本例によれば,CO被毒による出力低下を防止することができ,長時間に渡って使用可能かつ低温作動可能な燃料電池を得ることができ,安価かつ容易に製造可能な,燃料電池用水素電極を提供することができる。
【0047】
実施形態例2
本例は,本発明にかかる水素電極の性能を,試料1,試料2と共に比較試料C1を用いて,説明するものである。
まず,試料1は実施形態例1に示した水素電極である。
【0048】
次に,試料2にかかる水素電極は,ガス拡散層にフッ化ランタンを含有させたものである。
上記試料2の製作に当たっては,実施形態例1と同様にカーボンファイバーよりなるガス拡散層に,カーボンブラックとPTFEの混合粉を付着させる。次いで,上記カーボンブラックに対し白金を担持させる。
【0049】
次に,上記ガス拡散層に対し,実施形態例1と同様に,塩化ランタンのエタノール溶液を含浸,乾燥させる。その後フッ化水素アンモニウム水溶液を含浸,乾燥させる。
これにより,塩化ランタンとフッ化水素アンモニウムとが反応し,フッ化ランタンがガス拡散層の内部に形成される。
最後に,触媒層に陽イオン交換樹脂溶液を含浸,乾燥させる。
【0050】
次に,比較試料C1は,従来通りのガス拡散層と触媒層とよりなる水素電極で,この触媒層はカーボンブラック,白金,PTFE,陽イオン交換樹脂よりなる。その他は,実施形態例1と同様である。
なお,上記試料1,2,比較試料C1のいずれの水素電極におけるガス拡散層も厚さは180μmであり,また触媒層は厚さが20μmである。そして,上記触媒層を構成するカーボンブラックの平均粒径18μmである。
【0051】
次に,上記各試料1,2及び比較試料C1にかかる水素電極を用いて,実施形態例1の図1のように示した構造の燃料電池を組み立てる。
上記燃料電池における空気電極はガス拡散層と触媒層とよりなり,この触媒層はカーボンブラック,白金,PTFE,陽イオン交換樹脂よりなる。そして,このガス拡散層の厚さは180μmであり,触媒層の厚さは20μmである。
【0052】
そして,上記水素電極に対して供給する水素含有ガスは10ppmのCOを含有するメタノールからの改質ガスである。また,上記空気電極にはエアコンプレッサーにて外気より取込まれた空気が供給されている。
また,上記固体電解質は陽イオン交換樹脂膜よりなり,厚さ60μmである。
【0053】
このように構成した燃料電池につき,0.5A/cmの電流を流した状態での電池電圧の時間変化を測定した。なお,測定中の燃料電池は各電極の温度が80℃に保持されていた。
上記結果につき,図3に示す。
【0054】
同図によれば,試料1及び試料2については,燃料電池の作動時間が100時間に達しても,電圧がさほど低下しなかった。しかしながら,比較試料C1については,電池の作動より20時間後には電圧が0.3Vまで低下し,実用に耐えないことが分かった。
【0055】
【発明の効果】
上記のごとく,本発明によれば,CO被毒による出力低下を防止することができ,長時間に渡って使用可能かつ低温作動可能な燃料電池を得ることができ,安価かつ容易に製造可能な,燃料電池用水素電極及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,燃料電池の構造についての説明図。
【図2】実施形態例1における,水素電極における触媒層の要部拡大説明図。
【図3】実施形態例2における,試料及び比較試料にかかる燃料電池の電圧と時間との関係を示す説明図。
【符号の説明】
1...燃料電池,
11...水素電極,
14...ガス拡散層,
15...触媒層,
150...導電性粒子,
151...白金,
19...フッ化ランタン,

Claims (5)

  1. ガス拡散層とその表面に形成した触媒層とよりなる燃料電池用水素電極であって,
    上記触媒層は導電性粒子,撥水性粒子,高分子電解質,白金及びフッ化ランタンよりなることを特徴とする燃料電池用水素電極。
  2. ガス拡散層とその表面に形成した触媒層とよりなる燃料電池用水素電極であって,
    上記ガス拡散層はその内部にフッ化ランタンを含有していることを特徴とする燃料電池用水素電極。
  3. ガス拡散層とその表面に形成した触媒層とよりなる燃料電池用水素電極であって,
    上記触媒層は導電性粒子,撥水性粒子,高分子電解質,白金及びフッ化ランタンよりなり,
    かつ,上記ガス拡散層はその内部にフッ化ランタンを含有していることを特徴とする燃料電池用水素電極。
  4. ガス拡散層とその表面に形成した触媒層とよりなり,かつ上記触媒層は導電性粒子,撥水性粒子,高分子電解質,白金及びフッ化ランタンよりなる燃料電池用水素電極を製造するに当たり,
    上記導電性粒子の表面に白金を担持し,その後これをランタン塩を含有する溶液中に含浸し,乾燥し,
    更にフッ素イオンを含む溶液に含浸し,水洗,乾燥することを特徴とする燃料電池用水素電極の製造方法。
  5. ガス拡散層とその表面に形成した触媒層とよりなり,かつ上記ガス拡散層はその内部にフッ化ランタンを含有している燃料電池用水素電極を製造するに当たり,
    上記ガス拡散層をランタン塩を含有する溶液中に含浸し,乾燥し,
    更にフッ素イオンを含む溶液に含浸し,水洗,乾燥することを特徴とする燃料電池用水素電極の製造方法。
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