JP3557203B2 - Planar magnetic element - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、スイッチング電源用チョークコイルやトランスなどの各種高周波部品に利用される平面型磁気素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、マルチメディア時代の到来とともに、各種の携帯用電子機器は、LSI技術によるところの電子回路の集積度の向上、部品実装技術の進展、さらにリチウム電池やニッケル水素電池などの高エネルギ電池の登場とあいまって、電子機器の高機能化、小型化、薄型化、軽量化が進められている。
【0003】
ところで、このような電子機器の電源部には、安定化電源部として、スイッチング電源が用いられるが、このようなスイッチング電源は、高い電力変換効率を維持しながら小型軽量化するのが困難とされており、そのサイズ、重量、コストのいずれについても、機器全体の中でそれの占める割合が上昇の一途を辿っている。
【0004】
従って、この対策として、電源のスイッチング周波数を高めて、小型のインダクタやトランス、コンデンサなどの電源用部品を使用可能にすることにより、小型軽量化を実現することが考えられるが、これらの電源用部品は、逆に周波数が高くなると損失が増大するために、電力変換効率が低下する。このため、高周波電力変換用とするには、これらの部品の損失低減が必須であり、さらに、インダクタやトランスなどの磁気部品については、低背丈化が困難であり、電源の薄型化を阻む最大の原因にもなっている。
【0005】
そこで、超小型・薄型の電源の実現を目指したものとして、平面コイルと軟磁性体膜を使った平面型のインダクタやトランスが提案されている。
【0006】
図19(a)(b)は、従来の平面型インダクタの一例を示すもので、同図 (b)に示すような正方形うず巻き型の平面コイル1を同図(a)に示すように絶縁体2を介して軟磁性体3、3により挟持するようにしている。
【0007】
ところが、このように構成した平面型インダクタの周波数特性は、図20に示すようになり、周波数f(Hz)が高くなると、インダクタンスLはほぼ一定であるのに対し、コイル抵抗Rが急増し、品質係数Qは10未満の低い値にとどまっている。一般に、インダクタンス素子の場合、品質係数Q値の目安としては10を越え、高ければ高い程よいと考えられており、Q値の大幅な向上が求められている。
【0008】
この場合、Q値向上の阻害要因としては、軟磁性体3での高周波損失(うず電流損失、ヒステリシス損失)やコイル1の高周波損失などの損失にあると考えられている。
【0009】
そこで、従来、平面型インダクタの他の例として、図21に示すように、平面コイル4に楕円形状のうず巻きパターンを採用し、この平面コイル4を絶縁膜を介して、一軸磁気異方性の磁化困難軸を有する軟磁性体5により挟持するものも考えられている。このような一軸磁気異方性を有する軟磁性体5を使用すると、かかる軟磁性体5は、磁化の回転モードを利用するので、軟磁性体5で発生するうず電流損を小さくでき、軟磁性体5での高周波損失を低減できることが期待できる。
【0010】
しかし、このような平面型インダクタについても、その周波数特性は、図22に示すようになり、依然として、品質係数Qの最大値が10を越えることはなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本出願人は、平面コイルを絶縁体を介して軟磁性体で挟持するようにした平面型磁気素子について、平面型インダクタの高周波損失の解析を行ったところ、次のことが判明した。
【0012】
(a).例えば、図23(a)に示すように、うず巻きパターンの平面コイル6を絶縁体7を介して軟磁性体8で挟持するようにしたものでは、その内部磁束として、軟磁性体8の面内磁束成分Biと垂直磁束成分Bgが存在し、これら面内磁束成分Biと垂直磁束成分Bgの磁束分布は、同図(b)に示すようになる。
【0013】
同様に、図24(a)に示すように、つづら折れパターンの平面コイル9を絶縁体7を介して軟磁性体8で挟持するようにしたものでも、その内部磁束として、軟磁性体8の面内磁束成分Biと垂直磁束成分Bgが存在し、これら面内磁束成分Biと垂直磁束成分Bgの磁束分布は、同図(b)に示すようになる。
【0014】
(b).そして、軟磁性体8を通る面内磁束成分Biは、図25に示すように軟磁性体8の厚さ方向に流れるうず電流jm,pを発生させる。
【0015】
(c).同様に、軟磁性体8を通る垂直磁束成分Bgは、図26に示すように軟磁性体8の面内にうず電流jm,iを発生させる。
【0016】
(d).このうち平面コイル6(9)を構成するk番目のコイル導体10を通る垂直磁束成分Bgは、図27に示すようにコイル導体10の長手方向に沿って、図示破線矢印方向にうず電流jc,lを発生させる。この場合、うず巻きパターンの平面コイル6では、コイル導体10の幅方向のどの場所でも垂直磁束成分Bgによる磁束の向きが同じであるため、図28に示すようにコイル導体10を流れる高周波電流の電流密度の分布は、コイル導体10中心に対して一方の端で高く、もう一方の端で低くなり、電流密度の不均一性が顕著になる。
【0017】
このことは、高周波帯域では、コイル導体10に流れる高周波電流は、コイル導体10中を均一に流れることなく、一方の端のみに偏って流れることで、コイル導体10での抵抗値が急増することになり、これが高周波損失としてかなりの割合を占め、Q値向上の阻害要因になっていると考えられる。
【0018】
そして、さらに、垂直磁束成分Bgによる平面コイルでの高周波抵抗の増大について検討したところ、以下のことも判明した。
【0019】
図27は、平面コイル6(9)を構成するk番目のコイル導体10に着目したものであり、垂直磁束は下から上に向かい、この向きはk番目の導体10が存在する区間で変わらない。なお、図27中のBgk(x)は、k番目のコイル導体10を通る垂直磁束密度を表している。
【0020】
そして、コイル導体10中の電流密度は、外部電源から流れ込む強制電流Iと垂直交番磁束によって発生するうず電流jc,lが重畳されるので、コイル導体10を流れる高周波電流の電流密度の分布は、図28に示すようになり、コイル導体10の左端で電流密度が高く、右端で低くなるが、この場合、コイル導体10を通る磁束密度Bgk(x)がコイル導体10の存在する区間で一定と仮定してBgkと置くと、周波数fにおけるコイル抵抗Rc(f)は、次式により与えられる。
【0021】
【数1】
【0022】
ここで、Rc(0)はコイルの直流抵抗、tcはコイル導体10の厚さ、dはコイル導体10のライン幅、ρはコイル導体10の材料の抵抗率、lkはk番目のコイル導体10の長さである。
【0023】
しかして、上述した(1)式に基づいて計算したコイル抵抗Rc(f)の周波数fの上昇に伴う増加を考慮した曲線は、図29中の計算値aに示すようになり、上述した図15で述べた実際の平面型インダクタについて測定した等価直列抵抗Rの測定値bと極めて類似した傾向を呈している。
【0024】
この場合、図29において、計算値aと測定値bの間の斜線で示す部分は、軟磁性体の高周波損失による増加分であり、これはコイル抵抗増加分に比べて遥かに小さい。このことから、このような平面コイルを軟磁性体で挟持するような構成の平面型磁気素子における高周波損失の大部分はコイル導体での損失が占め、これがQ値向上の阻害要因になっていると結論づけることができる。
【0025】
なお、上述では、平面型磁気素子として平面型インダクタについて述べたが、平面型トランスについても同様で、高周波帯域でのコイル導体の抵抗増加による高周波損失により運転効率の低下を招く原因になっている。
【0026】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コイル導体に発生する高周波損失を抑制することができる平面型磁気素子を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、1つ以上の平面コイルを絶縁体を介して磁性体により挟持した平面型磁気素子において、前記平面コイルの外部回路接続用のパッド部に対応する前記軟磁性体の部分に、それぞれ穴部を形成するようにしている。
【0028】
請求項2記載の発明は、1つ以上の平面コイルを絶縁体を介して磁性体により挟持した平面型磁気素子において、前記平面コイルの外部回路接続用のパッド部にその周縁から複数の切り込みを入れて分割領域を形成するようにしている。
【0029】
この結果、請求項1記載の発明によれば、磁性体に、それぞれ形成されたパッド部に対応する穴部により、平面コイルのパッド部を貫通する磁性体間の渡り磁束を無くすことができ、パッド部の渡り磁束によるうず電流の発生を抑制でき、かかるうず電流による電力損失の低減を実現できる。
【0030】
請求項2記載の発明によれば、パッド部自身に多数の切り込みを入れて形成された複数の分割領域により、渡り磁束によるうず電流を各分割領域ごとに細分化することができ、パッド部全体から見たときのうず電流損を小さくすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0032】
先ず、品質係数Q値を向上させるための例について説明する。
【0033】
(第1の例)
図1(a)(b)(c)は、第1の例に適用される平面型インダクタの概略構成を示している。図において、11は平面コイルで、この平面コイル11は、同図(c)に示すように同コイル11を複数本(図示例では3本(N=3))の導体ライン11a、11b、11cからなるコイル導体111で構成し、このコイル導体111を同図(b)に示すように正方形のうず巻きパターンに形成している。そして、このような平面コイル11を同図(a)に示すように絶縁体12を介して軟磁性体13により挟持するようにしている。
【0034】
しかして、このような平面型インダクタによれば、平面コイル11のコイル導体111を3分割して3本の導体ライン11a、11b、11cにより構成していて、これら導体ライン11a、11b、11cのそれぞれの幅寸法を極めて小さくしているので、各導体ライン11a、11b、11cでは、垂直交番磁束によって発生するうず電流を抑制することができ、さらに、このうず電流と外部電源から流れ込む強制電流との重畳による高周波電流の電流密度の分布の偏りも小さくできるので、高周波電流は、それぞれの導体ライン11a、11b、11c中をほぼ均一に流れるようになり、高周波帯域でのコイル導体11の抵抗増加を抑えることができ、これにより高周波損失を低減できることになる。
【0035】
つまり、平面コイル11のコイル導体111をN(=3)分割した場合の周波数fにおけるコイル抵抗Rc(f)は、次式により与えられる。
【0036】
【数2】
【0037】
これにより、コイル抵抗Rc(f)の交流増加分は、N(=3)分割された導体ライン11a、11b、11cによって、分割しない場合の1/N2 に抑制できることが確認された。
【0038】
また、各導体ライン11a、11b、11cで、垂直交番磁束によって発生するうず電流を抑制できることは、かかるうず電流は、垂直交番磁束を妨げるように発生するものであるから、垂直交番磁束を安定して発生できることにもなり、このことからインダクタンスLへの影響もなくすことができる。
【0039】
従って、このように構成した平面型インダクタの周波数特性は、図2に示すように、周波数f(Hz)がMHz帯になっても、インダクタンスLは、ほとんど一定で、しかも等価直列抵抗Rの増大も抑えられ、高周波損失の低減が顕著であり、品質係数Qの最大値も10を越え12にも達することも確認できた。
【0040】
なお、上述では、正方形うず巻き型の平面コイル11を絶縁体12を介して軟磁性体12で挟持した平面型インダクタについて述べたが、平面コイル11のパターン形状としては、図3(a)(b)(c)および図4(a)(b)に示すように、うず巻き型パターンの場合は、円形、正方形、楕円形、長方形などのいずれでもよいとともに、つづら折れの平面コイルパターンとしてもよい。また、これらに用いられる軟磁性体13としての材料の制限も全く、例えばフェライト系、金属系いずれでも同様の効果が期待できる。
【0041】
(第2の例)
上述では、平面型磁気素子として平面型インダクタについて述べたが、例えば、図5に示すように構成した平面型トランスについても同様にして適用できる。
【0042】
この場合も、平面コイル15を、複数本(ここでも3本)の導体ライン15a、15b、15cからなるコイル導体151により構成し、このような平面コイル15を2個用いて、これら平面コイル15を積層するとともに、絶縁体16を介して軟磁性体17により挟持するようにしている。この場合、各平面コイル15、15に対する磁束18は図示矢印方向に透過される。
【0043】
従って、このように構成した平面型トランスについても、上述した平面型インダクタと同様に高周波帯域でのコイル導体151の高周波損失を抑えることができるので、従来70%程度であった運転効率を90%程度までも高めることができた。
【0044】
(第3の例)
図6(a)(b)は、第3の例の概略構成を示すもので、正方形うず巻きパターンの平面コイル21を絶縁体22を介して一軸性の磁気異方性を有する軟磁性体23により挟持している。
【0045】
ところで、このような一軸性の磁気異方性を有す軟磁性体23は、磁化困難軸と磁化容易軸を有するが、これら磁化困難軸と磁化容易軸での励磁に対する軟磁性体の透磁率μは、図8に示すように周波数fに対し磁化困難軸励磁領域では、図中aに示すようにほぼ一定であるのに対して、磁化容易軸励磁領域は、図中bに示すように周波数の上昇とともに低下し、高周波領域では、磁束分布は空心の場合のそれに近くなって、空心コイルに極めて近い特性になってしまうことが知られている。
【0046】
そこで、上述の正方形うず巻きパターンの平面コイル21では、高周波領域で一定の透磁率μを呈する磁化困難軸励磁領域に対応するコイル導体211については、図7(a)に示すように3本の導体ライン211a、211b、211cにより構成し、残りの磁化容易軸励磁領域に対応するコイル導体212については、図7(b)(c)(d)に示すように分割しないか、もしくは分割した導体ライン212a、212b、212c相互を部分的に短絡するようにしている。つまり、磁化困難軸励磁に対応する領域では、高周波領域で一定の透磁率μを呈することから、図7(a)に示すようにコイル導体211を導体ライン211a、211b、211cに分割して、高周波帯域での抵抗増加を抑え、高周波損失を低減できるようにし、残りの磁化容易軸励磁に対応する領域では、透磁率μが小さく空心コイルに極めて近い状態になっていて、垂直磁束による影響が少ないので、図7(b)(c)(d)に示すように、分割しないか、あるいは分割して部分的に短絡するように構成している。
【0047】
従って、このようにすれば、磁化困難軸励磁に対応する領域では、コイル導体211を導体ライン211a、211b、211cに分割しているので、高周波帯域での抵抗増加を抑え、高周波損失を低減できることで、品質係数Qの最大値を高めることができる。また、磁化容易軸励磁に対応する領域では、コイル導体212を分割しないか、もしくは分割した導体ライン212a、212b、212c相互を部分的に短絡するようにしているが、この部分は、透磁率μが小さく空心コイルに極めて近い状態になっていて垂直磁束による影響が少ないので、抵抗増加による影響を回避できる。
【0048】
そして、この領域のコイル導体212を分割しないか、あるいは分割して部分的に短絡することは、コイル導体が分割された個々の導体ラインの幅は当然のことながら狭くなり、これらの制作をフォトリソグラフィなどによって行うと、導体の幅が細くなるほど、工程中のゴミ等によって導体の断線を起こし易くなるが、このような一部切断に対して抵抗増加の影響の少ない磁化容易軸領域でコイル導体212部分の、全てあるいは部分的に電気的に接続されていれば、平面コイル全体の断線を避けることができ、コイル作製の歩留りの向上が期待され、コストの低減も実現できる。
【0049】
図9(a)(b)(c)は、磁化困難軸励磁に対応する領域のコイル導体211を導体ライン211a、211b、211cに分割し、磁化容易軸励磁に対応する領域のコイル導体212を分割しないか、もしくは分割した導体ライン212a、212b、212c相互を部分的に短絡した場合のコイル導体211の導体ライン211a、211b、211cで断線を生じた場合の例を示すもので、同図(a)では、コイル導体211の各導体ライン211a、211b、211cで断線Aが生じてもコイル導体212部分を分割していないので、この時の電気的な接続断は、該当する導体ライン211a、211b、211cのみに止めることができる。同様にして同図(b)(c)では、コイル導体211の各導体ライン211a、211b、211cで断線Aが生じてもコイル導体212の分割した導体ライン212a、212b、212c相互を部分的に短絡しているので、この場合も、電気的な接続断は、該当する導体ライン211a、211b、211cのみに止めることができるようになり、平面コイル全体の断線を避けることができるようになる。
【0050】
なお、上述では、正方形うず巻きパターンの平面コイル21を絶縁体22を介して一軸性の磁気異方性を有する軟磁性体23で挟持した平面型インダクタについて述べたが、平面コイル21のパターン形状としては、図10(a)(b)に示すように楕円形うず巻き型の平面コイル31を絶縁体32を介して一軸性の磁気異方性を有する軟磁性体33で挟持したもの、図11(a)(b)に示すように長方形うず巻き型の平面コイル41を絶縁体42を介して一軸性の磁気異方性を有する軟磁性体43で挟持したもの、図12(a)(b)に示すようにつづれ折れ型の平面コイル51を絶縁体52を介して一軸性の磁気異方性を有する軟磁性体53で挟持したものも考えられる。
【0051】
この場合、図10(a)(b)に示す楕円形うず巻き型の平面コイル31を絶縁体32を介して一軸性の磁気異方性を有する軟磁性体33で挟持した構成のものでは、長径方向に沿ったコイル導体311を磁化困難軸励磁領域に対応させるとともに、複数に分割し、短径方向に沿ったコイル導体312を磁化容易軸励磁領域に対応させるとともに、分割しないか、もしくは分割して部分的に短絡するようにようにする。このようにすれば、磁化困難軸励磁領域に平面コイル31の大部分を占めるコイル導体311を対応させることができるので、コイルとして効率のよい動作を期待できる。
【0052】
また、図11(a)(b)に示す長方形うず巻き型の平面コイル41を絶縁体42を介して一軸性の磁気異方性を有する軟磁性体43で挟持したものについても、長手方向に沿ったコイル導体411を磁化困難軸励磁領域に対応させるとともに、複数に分割し、短手方向に沿ったコイル導体412を磁化容易軸励磁領域に対応させるとともに、分割しないか、もしくは分割して部分的に短絡するようにようにする。このようにしても図10の場合と同様な効果を期待できる。
【0053】
さらに、図12(a)(b)に示すようにつづれ折れ型の平面コイル51を絶縁体52を介して一軸性の磁気異方性を有する軟磁性体53で挟持したものでは、直線部分のコイル導体511を磁化困難軸励磁領域に対応させるとともに、複数に分割し、折り曲がり部分のコイル導体512を磁化容易軸励磁領域に対応させるとともに、分割しないか、もしくは分割して部分的に短絡するようにようにする。このようにしても図10の場合と同様な効果を期待できる。
【0054】
さらにまた、上述では、1個の平面コイルにより平面型インダクタを構成したものについてのべたが、図13(a)(b)に示すように、うず巻きパターン平面コイル61、62を同一平面上に隣接して配置するとともに、これら平面コイル61、62間を電気的に直列接続したものを絶縁体63を介して一軸性の磁気異方性を有する軟磁性体64で挟持するようにしたものにも適用できる。この場合も長手方向に沿ったコイル導体611、621を磁化困難軸励磁領域に対応させるとともに、複数に分割し、短手方向に沿ったコイル導体612、622を磁化容易軸励磁領域に対応させるとともに、分割しないか、もしくは分割して部分的に短絡するようにようにする。このようにしても図10の場合と同様な効果を期待でき、さらに大きなインダクタンス値を有する平面型インダクタを実現できる。また、上述では、うず巻きパターン平面コイルの外形形状が矩形状または楕円状である時に、一軸性の磁気異方性を有する軟磁性体を用いる場合について述べたが、うず巻きパターン平面コイルの外形形状が円形の場合には、軟磁性体として磁気特性が等方性のものを用いるのがよい。
【0055】
(第1の実施の形態)
ところで、上述した平面コイルを軟磁性体で挟み込むような平面型の磁気素子においては、上下方向に位置する軟磁性体からの渡り磁束は、コイル導体の交流抵抗増加の原因になるばかりが、外部回路との接続のために設けられるパッド部にも損失を発生させることがある。
【0056】
図14は、このような外部回路接続用のパッド部を設けた従来の平面型インダクタの一例を示すもので、平面コイル71を絶縁体72を介して上部軟磁性体731、下部軟磁性体732により挟持している。この場合、上部軟磁性体731は、平面コイル71に穴部731aを形成し、この穴部731aに外部回路接続のためのボンディングワイヤ接続用のパッド部74を配置している。
【0057】
そして、このようにした平面型インダクタでは、平面コイル71より発生した磁束φの流れは、図14の図示矢印方向になっている。
【0058】
この場合、下部磁性体732は、パッド部74に対応する穴部を有していない。このため、パッド部74付近での上部軟磁性体731と下部磁性体732の間の渡り磁束φA は、下部磁性体732の磁束の吸い込みのためパッド部74の全面を貫通するようになる。この結果、図15に示すようにパッド部74面を貫通する磁束φA によりパッド部74の導体内に図示方向のうず電流iが発生し、このうず電流iが電力損失となって、素子全体の交流抵抗増加の大きな要因となるという問題があった。
【0059】
そこで、この第1の実施の形態では、パッド部でのうず電流発生を抑制して、素子全体の交流抵抗の増加を阻止するようにしている。
【0060】
図16は、第1の実施の形態の概略構成を示すもので、図14と同一部分には同符号を付している。
【0061】
この場合、平面コイル71を上部軟磁性体731とともに挟持する下部磁性体732は、平面コイル71のパッド部74に対応する穴部732aを形成している。この穴部732aは、上部軟磁性体731の穴部731aとともにパッド部74の外形寸法より十分に大きな寸法にしている。
【0062】
しかして、このような構成とすると、下部軟磁性体732にも、パッド部74の外形寸法より十分に大きな寸法の穴部732aを形成して、穴部732aの位置に相当していた従来の下部軟磁性体732での磁束の吸い込みを無くすようにしたので、パッド部74付近での上部軟磁性体731と下部磁性体732間の渡り磁束φA のうちでパッド部74面を貫通するものをほとんど無くすことが可能となり、かかる渡り磁束φA によるうず電流の発生を抑制できることになる。
【0063】
従って、このようにすれば、平面コイル71を挟持する上部軟磁性体731、下部軟磁性体磁性体732のそれぞれ平面コイル71のパッド部74に対応する部分にパッド部74の外形寸法より十分に大きな寸法の穴部731a、732aを形成して、平面コイル71のパッド部74を貫通する上部軟磁性体731と下部磁性体732間の渡り磁束φA を無くすようにしたので、パッド部74での渡り磁束φA によるうず電流の発生を抑制することができ、かかるうず電流による電力損失の低減と、素子の交流抵抗の増加が抑制され、素子の高効率化を実現することができる。
【0064】
なお、上述では、平面コイル71を挟持する上部軟磁性体731、下部軟磁性体磁性体732のそれぞれ平面コイル71のパッド部74に対応する部分にパッド部74の外形寸法より十分に大きな寸法の穴部731a、732aを形成するようにしたが、例えば、図16と同一部分には同符号を付した図17に示すように上部軟磁性体731の穴部731aと下部軟磁性体磁性体732の穴部732aとの間を筒状の磁性体733で接続するようにしてもよい。
【0065】
このようにすれば、上部軟磁性体731と下部軟磁性体磁性体732の間の磁束φは、全て筒状の磁性体733を通るようになるので、パッド部74を貫通する磁束を皆無にでき、パッド部74でのうず電流発生をさらに確実に抑制することが可能となり、上述に増して、電力損失の低減と、素子の交流抵抗の増加が抑制され、素子の高効率化が実現できる。
【0066】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、パッド部を貫通する磁束を無くすことで、パッド部に発生するうず電流を抑制するようにしたが、この第2実施の形態では、パッド部自身での工夫によりうず電流による影響を低減するようにしている。
【0067】
この場合、図18に示すように、パッド部81自身に多数の切り込み82を入れるようにしている。
【0068】
この切り込み82の入れ方は多様であり限定されないが、図18では、矩形状のパッド部81の中心部を除いて、この周縁から中心部に向かう複数の切り込み82を入れて複数の分割領域811を形成している。この場合、切り込み82により分割された複数の分割領域811は、中心部で電気的に接続されている。
【0069】
なお、図面中、83は軟磁性体、831は軟磁性体83に形成された穴部を示している。これら軟磁性体83、穴部831の詳細構成は、第1の実施の形態で述べたと同様であり、ここでの説明は省略する。
【0070】
しかして、このような構成とすると、いま、パッド部81の中心部に渡り磁束φA が貫通し、この渡り磁束φA によりうず電流が生じると、この時のうず電流ループは、各分割領域811ごとに微細なうず電流iAaに細分化され発生されるようになる。これにより、パッド部81全体から見た時のうず電流損を小さくすることが可能となり、このようにしても、電力損失の低減と、素子の交流抵抗の増加が抑制され、素子の高効率化を実現できる。
【0071】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、平面コイルを挟持する一対の軟磁性体に、それぞれパッド部の外形寸法より十分に大きな寸法の穴部を形成して、平面コイル中空部に位置されるパッド部を貫通する軟磁性体間の渡り磁束を無くすようにしたので、パッド部の渡り磁束によるうず電流の発生を抑制でき、うず電流による電力損失の低減と、素子の交流抵抗の増加が抑制され、素子の高効率化を実現できる。
【0072】
さらにまた、パッド部自身に多数の切り込みを入れて複数の分割領域を形成し渡り磁束によりうず電流を各分割領域ごとに微細なうず電流に細分化することで、パッド部全体から見た時のうず電流損を小さくするようにしたので、これによっても、電力損失の低減と、素子の交流抵抗の増加が抑制され、素子の高効率化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】品質係数Q値を向上させるための第1の例の平面型インダクタの概略構成を示す図。
【図2】第1の例の平面型インダクタの周波数特性を示す図。
【図3】第1の例の平面型インダクタに用いられる平面コイルのパターン形状を示す図。
【図4】第1の例の平面型インダクタに用いられる平面コイルのパターン形状を示す図。
【図5】第2の例の平面型トランスの概略構成を示す図。
【図6】第3の例の平面型インダクタの概略構成を示す図。
【図7】第3の例に用いられるコイル導体の構成を示す図。
【図8】第3の例に用いられる軟磁性体の磁化困難軸励磁と磁化容易軸励磁による透磁率の変化を示す図。
【図9】第3の例に用いられるコイル導体に断線を生じた場合の例を示す図。
【図10】第3の例の楕円形うず巻き型の平面コイルを用いた平面型インダクタの概略構成を示す図。
【図11】第3の例の長方形うず巻き型の平面コイルを用いた平面型インダクタの概略構成を示す図。
【図12】第3の例のつづれ折れ型の平面コイルを用いた平面型インダクタの概略構成を示す図。
【図13】第3の例の2個の平面コイルを用いた平面型インダクタの概略構成を示す図。
【図14】本発明の第1の実施の形態の説明に用いる従来の平面型インダクタの概略構成を示す図。
【図15】第1の実施の形態の説明に用いるパッド部でのうず電流の発生状態を示す図。
【図16】第1の実施の形態の平面型インダクタの概略構成を示す図。
【図17】第1の実施の形態の他の平面型インダクタの概略構成を示す図。
【図18】本発明の第2の実施の形態の平面型インダクタに用いられるパッド部の概略構成を示す図。
【図19】従来の平面型インダクタの一例を示す図。
【図20】従来の平面型インダクタの周波数特性を示す図。
【図21】従来の平面型インダクタの他例を示す図。
【図22】従来の平面型インダクタの周波数特性を示す図。
【図23】従来のうず巻きコイルパターンの平面型インダクタの素子内磁束分布の一例を示す図。
【図24】従来のつづら折れコイルパターンの平面型インダクタの素子内磁束分布の一例を示す図。
【図25】軟磁性体の面内磁束成分により発生するうず電流を説明するための図。
【図26】軟磁性体の垂直磁束成分により発生するうず電流を説明するための図。
【図27】垂直磁束成分により発生するコイル導体中のうず電流を説明するための図。
【図28】コイル導体中の高周波電流密度の分布を説明するための図。
【図29】従来の平面型インダクタについて測定したコイル抵抗の測定値と計算値の関係を示す図。
【符号の説明】
11、21、31、41、51…平面コイル、
111、211、212、311、312、411、412、511、512…コイル導体、
11a、11b、11c、211a、211b、211c、212a、212b、212c…導体ライン、
12…絶縁体、
13、22、32、42、52、…軟磁性体。
71…平面コイル、
711…中空部、
72…平面コイル、
731、732、83…軟磁性体、
731a、732a、831…穴部、
74、81…パッド部、
811…分割領域、
82…切り込み、[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a planar magnetic element used for various high-frequency components such as a choke coil for a switching power supply and a transformer.
[0002]
[Prior art]
Recently, with the advent of the multimedia age, various portable electronic devices have been improved in the degree of integration of electronic circuits by LSI technology, the progress of component mounting technology, and the emergence of high-energy batteries such as lithium batteries and nickel-metal hydride batteries Together with this, electronic devices are being enhanced in function, reduced in size, reduced in thickness, and reduced in weight.
[0003]
By the way, a switching power supply is used as a stabilizing power supply unit in a power supply unit of such an electronic device. However, it is difficult to reduce the size and weight of such a switching power supply while maintaining high power conversion efficiency. In terms of size, weight, and cost, the proportion of such equipment in the overall equipment is steadily increasing.
[0004]
Therefore, as a countermeasure against this, it is conceivable to increase the switching frequency of the power supply and use small power supply components such as inductors, transformers, and capacitors, thereby realizing a reduction in size and weight. On the other hand, the power conversion efficiency of the components decreases because the loss increases as the frequency increases. For high frequency power conversion, therefore, it is essential to reduce the loss of these components.Furthermore, it is difficult to reduce the height of magnetic components such as inductors and transformers. It is also the cause.
[0005]
In view of this, a flat inductor and a transformer using a flat coil and a soft magnetic film have been proposed to realize an ultra-compact and thin power supply.
[0006]
FIGS. 19 (a) and 19 (b) show an example of a conventional planar inductor. A square spiral
[0007]
However, the frequency characteristics of the planar inductor configured as described above are as shown in FIG. 20. When the frequency f (Hz) increases, the inductance L is almost constant, whereas the coil resistance R sharply increases. The quality factor Q remains at a low value of less than 10. In general, in the case of an inductance element, the quality factor Q value exceeds 10 and it is considered that the higher the quality factor, the better. Therefore, a large improvement in the Q value is required.
[0008]
In this case, it is considered that a factor such as a high-frequency loss (eddy current loss, hysteresis loss) in the soft
[0009]
Therefore, as another example of a planar inductor, as shown in FIG. 21, an elliptical spiral pattern is conventionally used for the planar coil 4 and the planar coil 4 is provided with an uniaxial magnetic anisotropy via an insulating film. A material sandwiched by a soft
[0010]
However, the frequency characteristic of such a planar inductor is as shown in FIG. 22, and the maximum value of the quality factor Q never exceeded 10.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
Thus, the present applicant has analyzed the high-frequency loss of the planar inductor with respect to the planar magnetic element in which the planar coil is sandwiched by the soft magnetic material via the insulator, and found the following.
[0012]
(A). For example, as shown in FIG. 23 (a), in the case where the
[0013]
Similarly, as shown in FIG. 24 (a), even when a
[0014]
(B). Then, the in-plane magnetic flux component Bi passing through the soft
[0015]
(C). Similarly, the vertical magnetic flux component Bg passing through the soft
[0016]
(D). Among them, the vertical magnetic flux component Bg passing through the k-
[0017]
This means that in the high-frequency band, the high-frequency current flowing through the
[0018]
Further, when the increase in the high-frequency resistance in the planar coil due to the vertical magnetic flux component Bg was examined, the following was also found.
[0019]
FIG. 27 focuses on the k-
[0020]
The current density in the
[0021]
(Equation 1)
[0022]
Here, Rc (0) is the DC resistance of the coil, tc is the thickness of the
[0023]
Thus, a curve in consideration of the increase in the coil resistance Rc (f) with the increase in the frequency f calculated based on the above equation (1) is as shown by the calculated value a in FIG. It shows a tendency very similar to the measured value b of the equivalent series resistance R measured for the actual planar inductor described in FIG.
[0024]
In this case, in FIG. 29, the hatched portion between the calculated value a and the measured value b is the increase due to the high-frequency loss of the soft magnetic material, which is much smaller than the increase in the coil resistance. For this reason, most of the high-frequency loss in the planar magnetic element having such a configuration in which such a planar coil is sandwiched by soft magnetic materials is occupied by the loss in the coil conductor, and this is a hindrance factor for improving the Q value. It can be concluded.
[0025]
In the above description, a planar inductor has been described as a planar magnetic element. However, the same applies to a planar transformer, which causes a decrease in operating efficiency due to a high-frequency loss due to an increase in resistance of a coil conductor in a high-frequency band. .
[0026]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and has as its object to provide a planar magnetic element that can suppress high-frequency loss generated in a coil conductor.
[0027]
[Means for Solving the Problems]
The invention according to
[0028]
According to a second aspect of the present invention, in the planar magnetic element in which one or more planar coils are sandwiched by a magnetic body via an insulator, a plurality of cuts are formed in a pad portion for connecting an external circuit of the planar coil from a peripheral edge thereof. To form a divided area.
[0029]
As a result, according to the first aspect of the present invention, it is possible to eliminate the crossover magnetic flux between the magnetic materials penetrating the pad portion of the planar coil by the holes corresponding to the pad portions formed on the magnetic material, The generation of the eddy current due to the crossover magnetic flux of the pad portion can be suppressed, and the power loss due to the eddy current can be reduced.
[0030]
According to the second aspect of the present invention, the eddy current due to the crossover magnetic flux can be subdivided for each divided region by the plurality of divided regions formed by making a large number of cuts in the pad portion, and the entire pad portion can be divided. The eddy current loss when viewed from above can be reduced.
[0031]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0032]
First, an example for improving the quality factor Q value will be described.
[0033]
(First example)
FIGS. 1A, 1B, and 1C show a schematic configuration of a planar inductor applied to the first example. In the figure, reference numeral 11 denotes a planar coil, and the planar coil 11 has a plurality of (three (N = 3) in the illustrated example) conductor lines 11a, 11b, 11c as shown in FIG. , And the coil conductor 111 is formed in a square spiral pattern as shown in FIG. Then, such a planar coil 11 is sandwiched by a soft
[0034]
Thus, according to such a planar inductor, the coil conductor 111 of the planar coil 11 is divided into three to be constituted by three conductor lines 11a, 11b, 11c. Since the respective width dimensions are extremely small, the eddy current generated by the vertical alternating magnetic flux can be suppressed in each of the conductor lines 11a, 11b, and 11c, and furthermore, the eddy current and the forced current flowing from the external power supply are reduced. Of the current density distribution of the high-frequency current due to the superposition of the high-frequency current can be reduced, so that the high-frequency current flows almost uniformly in each of the conductor lines 11a, 11b, and 11c, and the resistance of the coil conductor 11 in the high-frequency band increases. , And high frequency loss can be reduced.
[0035]
That is, the coil resistance Rc (f) at the frequency f when the coil conductor 111 of the planar coil 11 is divided into N (= 3) is given by the following equation.
[0036]
(Equation 2)
[0037]
As a result, the AC increase of the coil resistance Rc (f) is reduced by N (= 3) by the conductor lines 11a, 11b, and 11c, which are 1 / N of the case where no division is performed. 2 It was confirmed that it could be suppressed.
[0038]
In addition, since the eddy current generated by the vertical alternating magnetic flux can be suppressed in each of the conductor lines 11a, 11b, and 11c, since the eddy current is generated so as to hinder the vertical alternating magnetic flux, the vertical alternating magnetic flux is stabilized. Therefore, the influence on the inductance L can be eliminated.
[0039]
Therefore, as shown in FIG. 2, the frequency characteristics of the planar inductor thus configured are such that the inductance L is almost constant and the equivalent series resistance R increases even when the frequency f (Hz) is in the MHz band. It was also confirmed that the high frequency loss was remarkably reduced, and that the maximum value of the quality factor Q exceeded 10 and reached 12 as well.
[0040]
In the above description, the planar inductor in which the square spiral planar coil 11 is sandwiched by the soft
[0041]
(Second example)
In the above description, a planar inductor was described as a planar magnetic element. However, for example, a planar transformer configured as shown in FIG. 5 can be similarly applied.
[0042]
Also in this case, the
[0043]
Therefore, also in the planar transformer configured as described above, the high-frequency loss of the
[0044]
(Third example)
FIGS. 6A and 6B show a schematic configuration of the third example. A
[0045]
By the way, the soft
[0046]
Therefore, in the
[0047]
Therefore, in this case, in the region corresponding to the hard axis excitation, the
[0048]
If the
[0049]
FIGS. 9A, 9B, and 9C show that the
[0050]
In the above description, a planar inductor in which a
[0051]
In this case, in the configuration in which the elliptical spiral wound
[0052]
11A and 11B, a
[0053]
Further, as shown in FIGS. 12A and 12B, in the case where the serpentine
[0054]
Further, in the above description, the planar inductor is constituted by one planar coil. However, as shown in FIGS. 13A and 13B, the spiral-wound pattern
[0055]
(First Embodiment)
By the way, in a flat type magnetic element in which the above-mentioned planar coil is sandwiched between soft magnetic materials, the crossover magnetic flux from the soft magnetic material located in the vertical direction only causes an increase in the AC resistance of the coil conductor. In some cases, a pad portion provided for connection to a circuit may also generate a loss.
[0056]
FIG. 14 shows an example of a conventional planar inductor provided with such a pad portion for connecting an external circuit. A
[0057]
In such a planar inductor, the flow of the magnetic flux φ generated from the
[0058]
In this case, the lower
[0059]
Thus, in the first embodiment, the generation of eddy current in the pad portion is suppressed, and the increase in the AC resistance of the entire device is prevented.
[0060]
FIG. 16 shows a schematic configuration of the first embodiment, and the same parts as those in FIG. 14 are denoted by the same reference numerals.
[0061]
In this case, the lower
[0062]
With such a configuration, a
[0063]
Accordingly, in this way, the upper soft
[0064]
In the above description, each of the upper soft
[0065]
By doing so, the magnetic flux φ between the upper soft
[0066]
(Second embodiment)
In the first embodiment, the eddy current generated in the pad portion is suppressed by eliminating the magnetic flux penetrating the pad portion. However, in the second embodiment, the eddy current is devised by the device of the pad portion itself. The effect of the current is reduced.
[0067]
In this case, as shown in FIG. 18, a large number of
[0068]
The
[0069]
In the drawings,
[0070]
With such a configuration, when the magnetic flux φA penetrates through the center of the
[0071]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a pair of soft magnetic members sandwiching a planar coil are each formed with a hole having a size sufficiently larger than the outer dimensions of the pad portion, and are positioned in the hollow portion of the planar coil. Since the crossover magnetic flux between the soft magnetic materials penetrating the pad section is eliminated, the generation of eddy current due to the crossover magnetic flux of the pad section can be suppressed, reducing the power loss due to the eddy current and increasing the AC resistance of the element. Thus, the efficiency of the device can be increased.
[0072]
Furthermore, a large number of cuts are made in the pad portion itself to form a plurality of divided regions, and the eddy current is subdivided into minute eddy currents for each divided region by the crossover magnetic flux, so that the eddy current when viewed from the entire pad portion is obtained. Since the eddy current loss is reduced, the power loss can be reduced and the increase in the AC resistance of the element can be suppressed, thereby realizing high efficiency of the element.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a schematic configuration of a planar inductor according to a first example for improving a quality factor Q value;
FIG. 2 is a diagram illustrating frequency characteristics of the planar inductor according to the first example;
FIG. 3 is a diagram showing a pattern shape of a planar coil used in the planar inductor of the first example.
FIG. 4 is a view showing a pattern shape of a planar coil used in the planar inductor of the first example.
FIG. 5 is a diagram showing a schematic configuration of a planar transformer according to a second example.
FIG. 6 is a diagram showing a schematic configuration of a planar inductor according to a third example.
FIG. 7 is a diagram showing a configuration of a coil conductor used in a third example.
FIG. 8 is a diagram showing a change in magnetic permeability of a soft magnetic material used in a third example due to hard axis excitation and easy axis excitation.
FIG. 9 is a diagram showing an example in which a coil conductor used in a third example is disconnected.
FIG. 10 is a diagram showing a schematic configuration of a planar inductor using a third example of an elliptical spiral wound planar coil.
FIG. 11 is a diagram showing a schematic configuration of a planar inductor using a rectangular spiral wound planar coil of a third example.
FIG. 12 is a diagram illustrating a schematic configuration of a planar inductor using a serpentine planar coil according to a third example;
FIG. 13 is a diagram showing a schematic configuration of a planar inductor using two planar coils according to a third example.
FIG. 14 is a diagram showing a schematic configuration of a conventional planar inductor used for describing the first embodiment of the present invention.
FIG. 15 is a diagram showing a state where an eddy current is generated in a pad portion used for describing the first embodiment.
FIG. 16 is a view showing a schematic configuration of the planar inductor according to the first embodiment;
FIG. 17 is a diagram illustrating a schematic configuration of another planar inductor according to the first embodiment;
FIG. 18 is a diagram illustrating a schematic configuration of a pad portion used in the planar inductor according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 19 is a diagram showing an example of a conventional planar inductor.
FIG. 20 is a diagram illustrating frequency characteristics of a conventional planar inductor.
FIG. 21 is a diagram showing another example of a conventional planar inductor.
FIG. 22 is a diagram showing frequency characteristics of a conventional planar inductor.
FIG. 23 is a diagram showing an example of a magnetic flux distribution in a device of a conventional planar inductor having a spiral coil pattern.
FIG. 24 is a diagram showing an example of a magnetic flux distribution in a device of a conventional planar inductor having a serpentine coil pattern.
FIG. 25 is a diagram for explaining an eddy current generated by an in-plane magnetic flux component of a soft magnetic material.
FIG. 26 is a diagram for explaining an eddy current generated by a vertical magnetic flux component of a soft magnetic material.
FIG. 27 is a diagram for explaining an eddy current in a coil conductor generated by a vertical magnetic flux component.
FIG. 28 is a view for explaining distribution of high-frequency current density in a coil conductor.
FIG. 29 is a diagram showing a relationship between a measured value and a calculated value of a coil resistance measured for a conventional planar inductor.
[Explanation of symbols]
11, 21, 31, 41, 51 ... planar coil,
111, 211, 212, 311, 312, 411, 412, 511, 512... Coil conductors;
11a, 11b, 11c, 211a, 211b, 211c, 212a, 212b, 212c ... conductor line,
12 ... insulator,
13, 22, 32, 42, 52 ... soft magnetic material.
71 ... plane coil,
711: hollow part,
72 ... plane coil,
731, 732, 83 ... soft magnetic material,
731a, 732a, 831 ... holes,
74, 81 ... pad part,
811 ... divided area,
82 ... cut,
Claims (2)
前記平面コイルの外部回路接続用のパッド部に対応する前記磁性体の部分に、それぞれ穴部を形成したことを特徴とする平面型磁気素子。In a planar magnetic element in which one or more planar coils are sandwiched by magnetic materials via an insulator,
A planar magnetic element, wherein holes are formed in portions of the magnetic material corresponding to pads for connecting an external circuit of the planar coil.
前記平面コイルの外部回路接続用のパッド部にその周縁から複数の切り込みを入れて分割領域を形成したことを特徴とする平面型磁気素子。In a planar magnetic element in which one or more planar coils are sandwiched by magnetic materials via an insulator,
A planar magnetic element, wherein a plurality of cuts are made in a pad portion for connecting an external circuit of the planar coil from a peripheral edge thereof to form a divided region.
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