JP3555491B2 - 生物処理装置 - Google Patents
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- Activated Sludge Processes (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、膜分離機能を有する生物処理装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、膜分離活性汚泥法においては、生物処理装置下部及び散気管下部に滞留した汚泥はそのまま放置されていたため、汚泥が腐敗し、生物処理の妨げとなる原因となっていた。また、膜分離活性汚泥法では、汚泥濃度を高濃度に保つ必要があるが、高すぎると膜性能に悪影響を与えてしまうため、細かな濃度管理が必要になる。しかし、汚泥の引き抜きのタイミング及び引き抜き量を制御することは非常に困難であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、生物処理槽下部及び散気管下部に滞留した汚泥を効果的にかつ簡便に引き抜くことができ、槽内の汚泥濃度を好適な範囲に保持でき、生物処理性能の優れた生物処理装置を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明の生物処理装置は、膜モジュール及びその下方に散気管を備えた生物処理装置において、処理槽の床面に勾配をつけて汚泥を槽下部の一ヵ所に集中して堆積させ、その堆積部に汚泥引抜管を設けるとともに、汚泥引き抜きを汚泥濃度に応じて行う手段を設け、前記汚泥濃度の測定用として前記散気管入り口に圧力センサを取り付けたことを特徴とする。
【０００５】
汚泥濃度の測定は、前記散気管入り口に取り付けた圧力センサを単独で用いることによってできる。又は、圧力センサを粘度計，濁度計又は比重計と組み合わせて用いて、汚泥引き抜きをコントロールすることもできる。粘度計，濁度計及び比重計は、定期的にサンプリングした汚泥を導入する汚泥サンプリング槽に取り付けることが好ましい。また、膜モジュールとしては、特に制限はなく、平膜モジュール、中空糸モジュール、スパイラル型モジュールなどを用いることができる。
【０００６】
本発明は、上記のように、膜を浸漬させる生物処理槽の床面に勾配をつけることにより、処理槽下部に滞留した汚泥を一カ所に集中させ、腐敗する前に効率よく槽外に引き抜くことができるように、各種センサ及び測定機器を導入し、汚泥の引き抜き量及び引き抜きタイミングをコントロールし、槽内の汚泥濃度を安定に保持するように構成したものである。
【０００７】
【実施例】
次に、図面を参照して本発明の生物処理装置をさらに具体的に説明する。
図１は、本発明の一実施例を示す生物処理装置の系統図である。図１において、床面に傾斜をつけた生物処理槽１０は、内部に浸漬膜モジュール２０、散気管３０、汚泥サンプリング装置４０及び槽床面には汚泥引き抜きライン５０を経て、汚泥引き抜きポンプ６０が存在する。また、生物処理槽１０には、原水槽７０から原水供給ライン８０を経て、原水を供給する原水供給ポンプ９０が存在し、二次側には処理水ポンプ１００が存在する。さらに、散気装置１１０から導入されたエアーは、エアー供給ライン１２０を通って散気管３０より生物処理槽１０内に散気される。なお、エアー供給ライン１２０には、圧力センサ１３０が組み込まれており、ここで得られた信号は、タイマー付き制御装置１４０に送られ、汚泥引き抜きポンプ６０の運転に反映される。汚泥サンプリング装置４０は、タイマーにより定期的に汚泥のサンプリングを行い、サンプリング槽１５０内に設置された粘度計１６０を連動させて測定を行い、そこで得られた信号は前述と同様に汚泥引き抜きポンプ６０の運転に反映される。
【０００８】
運転中、生物処理槽１０の床面及び散気管３０の下部には、滞留した汚泥溜まりができ、この汚泥は生物処理槽１０の床面の傾斜により汚泥引き抜きライン５０の上部に集められる。圧力センサ１３０又は粘度計１６０が、ある信号をタイマー付き制御装置１４０に送信したとき、汚泥引き抜きポンプ６０を運転させ、汚泥の引き抜きを行う。また、圧力センサ１３０又は粘度計１６０がある時間を経過してもタイマー付き制御装置１４０に一定の信号を送らない場合には、タイマー付き制御装置１４０のタイマーにより汚泥引き抜きポンプ６０を運転させ、汚泥の引き抜きを行うものとする。
【０００９】
これにより、生物処理槽下部及び散気管下部に滞留した汚泥を効率よく、かつ簡便に系外に引き抜くことができるため、生物処理槽内の汚泥濃度を安定に保つことができ、生物処理性能の向上を図ることができる。さらに、汚泥濃度の変動を少なく抑えることができるため、膜に与える負担も少なくて済み、安定した膜処理性能の維持にも大きな効果がある。
【００１０】
【発明の効果】
本発明によれば、生物処理槽下部及び散気管下部に滞留した汚泥を一ヵ所に集中させ、これを効果的に引き抜くことを可能にし、汚泥の腐敗を防止し、生物処理性能を向上させることができる。また、汚泥濃度の指標として散気圧力、並びに散気圧力と粘度、濁度又は比重との組み合わせを採用することにより、高濃度活性汚泥系でもリアルタイムで汚泥濃度測定を行うことが可能となり、自動的な汚泥の引き抜きを行うことができ、安定した濃度管理が可能となり、生物処理性能を著しく向上させる効果がある。さらに、生物処理槽内の汚泥濃度を安定に保つことができるため、膜への負荷変動が少なくてすみ、安定した膜処理性能を維持しうる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、本発明の一実施例を示す生物処理装置の系統図である。
【符号の説明】
１０ 生物処理槽
２０ 膜モジール
３０ 散気管
４０ 汚泥サンプリング装置
５０ 汚泥引き抜きライン
６０ 汚泥引き抜きポンプ
７０ 原水槽
８０ 原水供給ライン
９０ 原水供給ポンプ
１００ 処理水ポンプ
１１０ 散気装置
１２０ エアー供給ライン
１３０ 圧力センサ
１４０ タイマー付き制御装置
１５０ サンプリング槽
１６０ 粘度計
【発明の属する技術分野】
本発明は、膜分離機能を有する生物処理装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、膜分離活性汚泥法においては、生物処理装置下部及び散気管下部に滞留した汚泥はそのまま放置されていたため、汚泥が腐敗し、生物処理の妨げとなる原因となっていた。また、膜分離活性汚泥法では、汚泥濃度を高濃度に保つ必要があるが、高すぎると膜性能に悪影響を与えてしまうため、細かな濃度管理が必要になる。しかし、汚泥の引き抜きのタイミング及び引き抜き量を制御することは非常に困難であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、生物処理槽下部及び散気管下部に滞留した汚泥を効果的にかつ簡便に引き抜くことができ、槽内の汚泥濃度を好適な範囲に保持でき、生物処理性能の優れた生物処理装置を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明の生物処理装置は、膜モジュール及びその下方に散気管を備えた生物処理装置において、処理槽の床面に勾配をつけて汚泥を槽下部の一ヵ所に集中して堆積させ、その堆積部に汚泥引抜管を設けるとともに、汚泥引き抜きを汚泥濃度に応じて行う手段を設け、前記汚泥濃度の測定用として前記散気管入り口に圧力センサを取り付けたことを特徴とする。
【０００５】
汚泥濃度の測定は、前記散気管入り口に取り付けた圧力センサを単独で用いることによってできる。又は、圧力センサを粘度計，濁度計又は比重計と組み合わせて用いて、汚泥引き抜きをコントロールすることもできる。粘度計，濁度計及び比重計は、定期的にサンプリングした汚泥を導入する汚泥サンプリング槽に取り付けることが好ましい。また、膜モジュールとしては、特に制限はなく、平膜モジュール、中空糸モジュール、スパイラル型モジュールなどを用いることができる。
【０００６】
本発明は、上記のように、膜を浸漬させる生物処理槽の床面に勾配をつけることにより、処理槽下部に滞留した汚泥を一カ所に集中させ、腐敗する前に効率よく槽外に引き抜くことができるように、各種センサ及び測定機器を導入し、汚泥の引き抜き量及び引き抜きタイミングをコントロールし、槽内の汚泥濃度を安定に保持するように構成したものである。
【０００７】
【実施例】
次に、図面を参照して本発明の生物処理装置をさらに具体的に説明する。
図１は、本発明の一実施例を示す生物処理装置の系統図である。図１において、床面に傾斜をつけた生物処理槽１０は、内部に浸漬膜モジュール２０、散気管３０、汚泥サンプリング装置４０及び槽床面には汚泥引き抜きライン５０を経て、汚泥引き抜きポンプ６０が存在する。また、生物処理槽１０には、原水槽７０から原水供給ライン８０を経て、原水を供給する原水供給ポンプ９０が存在し、二次側には処理水ポンプ１００が存在する。さらに、散気装置１１０から導入されたエアーは、エアー供給ライン１２０を通って散気管３０より生物処理槽１０内に散気される。なお、エアー供給ライン１２０には、圧力センサ１３０が組み込まれており、ここで得られた信号は、タイマー付き制御装置１４０に送られ、汚泥引き抜きポンプ６０の運転に反映される。汚泥サンプリング装置４０は、タイマーにより定期的に汚泥のサンプリングを行い、サンプリング槽１５０内に設置された粘度計１６０を連動させて測定を行い、そこで得られた信号は前述と同様に汚泥引き抜きポンプ６０の運転に反映される。
【０００８】
運転中、生物処理槽１０の床面及び散気管３０の下部には、滞留した汚泥溜まりができ、この汚泥は生物処理槽１０の床面の傾斜により汚泥引き抜きライン５０の上部に集められる。圧力センサ１３０又は粘度計１６０が、ある信号をタイマー付き制御装置１４０に送信したとき、汚泥引き抜きポンプ６０を運転させ、汚泥の引き抜きを行う。また、圧力センサ１３０又は粘度計１６０がある時間を経過してもタイマー付き制御装置１４０に一定の信号を送らない場合には、タイマー付き制御装置１４０のタイマーにより汚泥引き抜きポンプ６０を運転させ、汚泥の引き抜きを行うものとする。
【０００９】
これにより、生物処理槽下部及び散気管下部に滞留した汚泥を効率よく、かつ簡便に系外に引き抜くことができるため、生物処理槽内の汚泥濃度を安定に保つことができ、生物処理性能の向上を図ることができる。さらに、汚泥濃度の変動を少なく抑えることができるため、膜に与える負担も少なくて済み、安定した膜処理性能の維持にも大きな効果がある。
【００１０】
【発明の効果】
本発明によれば、生物処理槽下部及び散気管下部に滞留した汚泥を一ヵ所に集中させ、これを効果的に引き抜くことを可能にし、汚泥の腐敗を防止し、生物処理性能を向上させることができる。また、汚泥濃度の指標として散気圧力、並びに散気圧力と粘度、濁度又は比重との組み合わせを採用することにより、高濃度活性汚泥系でもリアルタイムで汚泥濃度測定を行うことが可能となり、自動的な汚泥の引き抜きを行うことができ、安定した濃度管理が可能となり、生物処理性能を著しく向上させる効果がある。さらに、生物処理槽内の汚泥濃度を安定に保つことができるため、膜への負荷変動が少なくてすみ、安定した膜処理性能を維持しうる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、本発明の一実施例を示す生物処理装置の系統図である。
【符号の説明】
１０ 生物処理槽
２０ 膜モジール
３０ 散気管
４０ 汚泥サンプリング装置
５０ 汚泥引き抜きライン
６０ 汚泥引き抜きポンプ
７０ 原水槽
８０ 原水供給ライン
９０ 原水供給ポンプ
１００ 処理水ポンプ
１１０ 散気装置
１２０ エアー供給ライン
１３０ 圧力センサ
１４０ タイマー付き制御装置
１５０ サンプリング槽
１６０ 粘度計
Claims (2)
- 膜モジュール及びその下方に散気管を備えた生物処理装置において、処理槽の床面に勾配をつけて汚泥を槽下部の一ヵ所に集中して堆積させ、その堆積部に汚泥引抜管を設けるとともに、汚泥引き抜きを汚泥濃度に応じて行う手段を設け、前記汚泥濃度の測定用として前記散気管入り口に圧力センサを取り付けたことを特徴とする生物処理装置。
- 前記汚泥濃度の測定用に粘度計，濁度計又は比重計を設け、前記圧力センサと組み合わせて汚泥濃度を測定するようにした請求項１に記載の生物処理装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09497099A JP3555491B2 (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | 生物処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09497099A JP3555491B2 (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | 生物処理装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000288574A JP2000288574A (ja) | 2000-10-17 |
| JP3555491B2 true JP3555491B2 (ja) | 2004-08-18 |
Family
ID=14124784
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09497099A Expired - Fee Related JP3555491B2 (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | 生物処理装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3555491B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JPWO2005068379A1 (ja) | 2004-01-13 | 2007-08-23 | 伊藤忠林業株式会社 | 廃水浄化システム |
| JP2006068584A (ja) * | 2004-08-31 | 2006-03-16 | Shin Meiwa Ind Co Ltd | 水中分解式生ごみ処理装置における運転制御方法 |
| JP7016339B2 (ja) * | 2019-11-25 | 2022-02-04 | Ｉｈｉ運搬機械株式会社 | 石炭排水の処理方法および装置 |
-
1999
- 1999-04-01 JP JP09497099A patent/JP3555491B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JP2000288574A (ja) | 2000-10-17 |
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