JP3555313B2 - Flame retardant resin composition - Google Patents

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JP3555313B2 JP06884296A JP6884296A JP3555313B2 JP 3555313 B2 JP3555313 B2 JP 3555313B2 JP 06884296 A JP06884296 A JP 06884296A JP 6884296 A JP6884296 A JP 6884296A JP 3555313 B2 JP3555313 B2 JP 3555313B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規高分子量ポリホスフェートを使用した難燃性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、難燃性、耐衝撃特性、耐熱性に優れ、かつ難燃剤のブリードアウトが少なく、コネクター、リレー、スイッチ、ケース部材、トランス部材、コイルボビン等の電気・電子機器部品、自動車部品、機械部品に好適な難燃性熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどに代表されるポリエステル、あるいはポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性樹脂は、その優れた諸特性を生かし、射出成形材料として機械機構部品、電気部品、自動車部品などの幅広い分野に利用されつつある。一方、これら熱可塑性樹脂は本質的に可燃性であるため、工業用材料として使用するには一般の化学的、物理的諸特性のバランス以外に火炎に対する安全性、すなわち難燃性が要求される場合が多い。
【0003】
熱可塑性樹脂に難燃性を付与する方法としては、難燃剤としてハロゲン系有機化合物、さらに難燃助剤としてアンチモン化合物を樹脂にコンパウンドする方法が一般的である。しかしながら、この方法には、燃焼の際の発煙量が多いなどの問題点を有している。
【0004】
そこで、近年これらハロゲン系難燃剤の欠点を克服するためにハロゲンを全く含まない難燃剤を用いることが強く望まれるようになった。
【0005】
これまで、ハロゲン系難燃剤を使わずに熱可塑性樹脂を難燃化する方法としてはリン化合物をブレンドする方法が広く知られている。たとえば、芳香族ホスフェート、芳香族ホスフェートオリゴマーを添加して難燃化する技術が特開昭48−90348号公報、特開昭48−91147号公報等に開示されている。また欧州公開特許EP491986号にはPBT系アロイ成形品の難燃化にレゾルシン型芳香族ホスフェートオリゴマーを添加する方法が、また特開平05−70671号公報ではポリアルキレンテレフタレートに対してレゾルシン型芳香族ビスホスフェート、メラミンシアヌレートおよび無機充填材を添加する方法が、特表平6−504563ではポリブチレンテレフタレートとポリカーボネートのブレンドあるいはポリブチレンテレフタレートとポリエーテルイミドのブレンドに対して、レゾルシン型芳香族ビスホスフェートを添加する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
射出成形用、特に機械部品、電気・電子部品、自動車部品用としての難燃性樹脂組成物は、成形品の優れた難燃性、機械的性能、耐熱性だけでなく、樹脂組成物中に多量に含まれる難燃剤が成形品表面に滲み出てくるブリードアウトの抑制が要求される。特にコネクター部品として使用する場合、難燃性樹脂組成物の優れた耐衝撃特性、耐熱性、さらに難燃剤のブリードアウトが少ないといった特性が要求される。しかしながら従来の技術であるレゾルシン型芳香族ビスホスフェートあるいはレゾルシン型芳香族ホスフェートオリゴマーを配合した樹脂組成物を成形品にした場合、これらの化合物の可塑化効果による耐熱性の低下、さらにこれらの化合物が成形品表面に滲み出て来るブリードアウトが問題となった。
【0007】
そこで本発明は非ハロゲン系難燃剤を使用し、熱可塑性樹脂に高度な難燃性を付与すると同時に、耐衝撃特性、耐熱性が良好で、さらに難燃剤のブリードアウトが少ない熱可塑性樹脂射出成形品を得ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは以上の状況を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定の反応条件により得られる高分子量ポリホスフェートを含有する熱可塑性樹脂が、高度な難燃性を有し、耐衝撃特性、耐熱性が良好で、さらに難燃剤のブリードアウトが少ないことを見出し本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明は、
(A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、
(B)下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量が10000以上であり、かつ20℃におけるアセトン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランから選ばれた少なくとも一種の有機溶媒に対する溶解性が90wt%以上であるポリホスフェート1〜100重量部を含有せしめてなる難燃性樹脂組成物である。
【0010】
【化3】

Figure 0003555313
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性樹脂(A)とは、加熱すると流動性を示し、これを利用して成形加工できる合成樹脂のことである。その具体例としては、例えば、ポリエステル、液晶ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどのオレフィン系重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、ABSなどのオレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマー等のエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられるが、ポリエステル、液晶ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、ポリフェニレンオキシド、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂から選ばれる一種または2種以上の混合物が好ましく、さらに好ましくはポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、フェノール樹脂から選ばれる1種または2種以上の混合物である。
【0012】
また本発明のポリホスフェートは、上記のごとく一般式(1)で表される繰り返し単位からなる。
【0013】
一般式(1)中Rは同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。ここで炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルなどが挙げられるが、メチル、エチル、n−プロピルが好ましく、さらに好ましくはメチルである。
【0014】
またArはフェニレン基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換されたフェニレン基であれば特に制限はない。また、下記一般式(2)〜(7)で表される構造から選択される構造が好ましい。
【0015】
【化4】
Figure 0003555313
(Xは直接結合、O、S、SO、CH、CHPhを表し、Phはフェニル基を表す。)
また本発明のポリホスフェートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量(Mn)が10000以上のものが成形加工性、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性低下の抑制およびブリードアウトの抑制の面で必須である。
【0016】
さらに本発明のポリホスフェートは20℃におけるアセトン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランから選ばれる少なくとも一種の有機溶媒に対する溶解性が90wt%以上である。
【0017】
ここでポリホスフェートの溶解性は以下のように測定した値を示す。すなわちポリホスフェート1gをアセトン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン100mlにそれぞれ溶解させ、6時間、20℃で撹拌した後、溶液不溶部をろ過により回収し、真空下、100℃で乾燥することにより溶媒不溶なポリホスフェートの重量を計量し、この値から溶解性=(1−溶媒不溶部の重量)/1g×100を算出した。アセトン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランの内、溶解性の最も高い有機溶媒に対する溶解性をポリホスフェートの溶解性の指標とした。
【0018】
尚、ここでポリマーの溶解性は同時にポリマーの架橋度を反映している。すなわち架橋したポリホスフェートは、実質的には熱硬化性樹脂と同様の分子構造を有するため、各種溶媒に膨潤し、加熱しても溶融流動しない材料となる。したがって溶解性の低いポリホスフェートは架橋性が高く、そのため製造性や成形加工性および熱可塑性樹脂に配合した際に樹脂組成物の耐衝撃特性が著しく低下する。この様な面からポリホスフェートの20℃におけるアセトン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランから選ばれる少なくとも一種の有機溶媒に対する溶解性が90wt%以上であることは必須である。
【0019】
このようなポリホスフェートは以下に示す方法により製造することができる。すなわち下記一般式(8)で表されるリン化合物と下記一般式(9)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物を、触媒存在下あるいは触媒なしで、重合第一段階で100℃以上250℃以下の温度で加熱した後、引き続き重合第二段階で減圧下、250℃以下の重合温度で加熱することにより製造することができる。
【0020】
【化5】
Figure 0003555313
(ただしXはハロゲン原子を表し、R1 は同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
本発明で使用されるリン化合物は上記式(8)で表されるものである。一般式(8)中R1 は同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。ここで炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルなどが挙げられるが、メチル、エチル、n−プロピルが好ましく、さらに好ましくはメチルである。またXはハロゲン原子を表し、具体的にはクロリド、ブロミドが挙げられる。
【0021】
また本発明で使用される芳香族ジヒドロキシ化合物は上記式(9)で表されるものであり、Arはフェニレン基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換されたフェニレン基であれば特に制限はない。また、一般式(2)〜(7)で表される構造から選択される構造が好ましい。
【0022】
【化6】
Figure 0003555313
また本発明において、リン化合物に対する芳香族ジヒドロキシ化合物の比は、得られるポリホスフェートの分子量の点から1倍モル以上1.1倍モル以下であることが好ましく、さらに好ましくは1倍モル以上1.05倍モル以下である。
【0023】
また本発明の製造方法では、重合第一段階で100℃以上250℃以下の温度で加熱する。
【0024】
この時の重合温度は反応速度、使用する芳香族ジヒドロキシ化合物の昇華抑止、架橋反応の抑止の点から通常、100℃以上250℃以下であり、好ましくは100℃以上240℃以下、さらに好ましくは100℃以上230℃以下である。
【0025】
またこの段階における重合温度は100以上250℃以下が好ましいが、この温度範囲内であれば重合温度を一定温度に保持してもあるいは連続的に重合温度を昇温してもよい。
【0026】
重合温度を連続的に昇温する場合、その昇温速度は特に制限はないが、急激な重合温度の上昇は、重合発熱によるポリマーの架橋を引き起こすため、通常100℃/分以下が好ましく、さらに好ましくは50℃/分である。
【0027】
この段階における重合時間は重合温度および触媒の使用の有無により著しく異なるが、通常0.1〜50時間、好ましくは0.2〜20時間、さらに好ましくは0.5〜10時間である。
【0028】
またこの段階における重合は、得られるポリマーの分子量を十分なものとするためには塊状重合であることが好ましい。すなわちリン化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物以外に有機溶媒を使用しないことが好ましい。
【0029】
また本発明ではリン化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物の重合に際して、触媒を使用してもよい。触媒としては、一般的に「ルイス酸」と呼ばれる空きのp軌道を有する金属を中心原子として有する触媒であれば特に制限はない。具体的には塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウム、ジエチル亜鉛などが挙げられるが、特にこのましくは塩化マグネシウムである。
【0030】
本発明の製造方法では引き続き重合第二段階で減圧下、250℃以下の重合温度で加熱することより、目的のポリホスフェートを製造することができる。
【0031】
重合第二段階における減圧度は得られるポリマーの重合度の点から通常、0.1mmHg以上100mmHg以下であり、好ましくは0.1mmHg以上50mmHg以下、さらに好ましくは0.1mmHg以上10mmHg以下である。
【0032】
また本発明の重合第二段階における重合温度は架橋反応の進行抑止の点から250℃以下であり、好ましくは240℃以下、さらに好ましくは220℃以下である。
【0033】
またこの段階における重合温度は250℃以下であるが、この温度以下であれば重合温度を一定温度に保持してもあるいは連続的に重合温度を昇温してもよい。
【0034】
重合温度を連続的に昇温する場合、その昇温速度は特に制限はないが、急激な重合温度の上昇は、重合発熱によるポリマーの架橋を引き起こすため、通常100℃/分以下が好ましく、さらに好ましくは50℃/分である。
【0035】
またこの段階における重合温度の下限は、特に制限はないが十分な分子量のポリマーを得るためには、150℃以上が好ましく、さらに好ましくは180℃以上である。
【0036】
また重合第二段階での重合時間は重合温度および触媒の使用の有無により著しく異なるが、通常0.1〜50時間、好ましくは0.2〜20時間、さらに好ましくは0.5〜10時間である。
【0037】
また本発明では、重合第二段階が終了後、さらに一価以上のアルコールまたはアミン化合物を添加し、ポリホスフェートの末端を封鎖することによりポリホスフェートの熱安定性を向上させることができる。
【0038】
1価以上のアルコールまたはアミン化合物、すなわち水酸基を分子中に1個以上有する化合物またはアミノ基を分子中に1個以上有する化合物であれば特に制限はないが、1価以上のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、フェノール、2,6−ジメチルフェノール、キシレノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどが挙げられる。また1価以上のアミン化合物としては具体的にはアニリン、フェニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミンなどが挙げられる。
【0039】
一価以上のアルコールまたはアミン化合物の添加量はリン化合物に対して1wt%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5wt%以下である。
【0040】
この時の反応温度は250℃以下であれば特に制限はないが、ポリマー末端と一価以上のアルコールまたはアミン化合物の反応を迅速に進行させる面およびポリマーの架橋反応を抑制する面で、250℃以下が好ましく、さらに好ましくは220℃以下である。
【0041】
この時の反応は、減圧下で行うこともできるし、常圧下で行うこともできるが、ポリマー末端と一価以上のアルコールまたはアミン化合物の反応を迅速に進行させる面で、減圧下で行うことが好ましい。
【0042】
減圧下で行う場合の減圧度は、0.1mmHg以上100mmHg以下であり、好ましくは0.1mmHg以上50mmHg以下、さらに好ましくは0.1mmHg以上10mmHg以下である。
【0043】
このようにして得られたポリホスフェートは、このまま重合装置から吐出してそのまま使用しても良いし、吐出後、溶媒で洗浄あるいは再沈殿精製してから使用してもよい。
【0044】
本発明のポリホスフェートの添加量は通常、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは3〜70重量部である。
【0045】
本発明の難燃性樹脂組成物はさらにシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩を添加すると難燃性が向上する。シアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩とは、シアヌール酸またはイソシアヌール酸とトリアジン系化合物との付加物であり、通常は1対1(モル比)、場合により1対2(モル比)の組成を有する付加物である。トリアジン系化合物のうち、シアヌール酸またはイソシアヌール酸と塩を形成しないものは除外される。
【0046】
またトリアジン系化合物とは、下記一般式(10)で表される化合物を表す。
【0047】
【化7】
Figure 0003555313
(ただし上式においてR、R、R、Rは同一または相異なる水素アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、または−CONHである。また、Rは上式中の−NRまたは−NRと同一の基、またはこれらと独立に水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、−NH、または−CONHから選ばれた基である。)
前記一般式(10)においてR、R、R、Rは同一または相異なる水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、または−CONHである。ここでアリール基としては炭素数6〜15のもの、アルキル基としては炭素数1〜10のもの、アラルキル基としては炭素数7〜16のもの、シクロアルキル基としては4〜15のものが好ましい。また、Rは上式中の−NRまたは−NRと同一の基、またはこれらと独立に水素、アリール基、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、−NH、または−CONHから選ばれた基であり、ここでアリール基としては炭素数6〜15のもの、アルキル基としては炭素数1〜10のもの、アラルキル基としては炭素数7〜16のもの、シクロアルキル基としては4〜15のものが好ましい。
【0048】
、R、R、Rの具体的な例としては水素、フェニル基、p−トルイル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−シクロヘキシル基、アミド基などが挙げられるが、中でも水素、フェニル基、メチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、アミド基が好ましい。
【0049】
また、Rの具体的な例としてはアミノ基、アミド基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノ(ヒドロキシメチル)アミノ基、ジ(ヒドロキシメチル)アミノ基、モノ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシメチル)アミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、水素、フェニル基、p−トルイル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−シクロヘキシル基などが挙げられるが、中でも水素、アミノ基、アミド基、メチル基、モノ(ヒドロキシメチル)アミノ基、ジ(ヒドロキシメチル)アミノ基、モノ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシメチル)アミノ基、フェニル基、ベンジル基が好ましい。
【0050】
前記一般式(10)で表わされる化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸との塩のうち、特に好ましい例としてはメラミン、モノ(ヒドロキシメチル)メラミン、ジ(ヒドロキシメチル)メラミン、トリ(ヒドロキシメチル)メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、2−アミド−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジンの塩が挙げられ、とりわけメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンの塩が好ましい。
【0051】
前記一般式(10)で表わされる化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸との塩は、一般式(10)で表わされる化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の混合物を水スラリーとなし、良く混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、乾燥して得られる粉末であり、単なる混合物とは異なる。この塩は完全に純粋である必要は無く、多少未反応の(10)式で表わされる化合物ないしシアヌール酸、イソシアヌール酸が残存していても良い。また、この塩の形態としては特に制限はないが、できる限り微細な粉末として得られたものを用いるのが、本発明の組成物から得られる成形品の機械的強度や表面性の点から好ましく、樹脂に配合する前の平均粒径が100μmのものが特に好ましい。また、上記塩の分散性が悪い場合には、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの分散剤を併用してもかまわない。
【0052】
本発明においては、このようなトリアジン化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩を必要に応じて添加することができるが、その際の上記塩の使用量は熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは3〜70重量部である。上記塩の使用量が1重量部より少ないと難燃性の向上効果が認められず、また100重量部を超えると成形品の機械的物性や表面外観が損なわれるため好ましくない。
【0053】
また本発明の樹脂組成物は非ハロゲン系難燃剤を添加することにより、さらに難燃性を向上させることができる。
【0054】
このような非ハロゲン系難燃剤としては、ハロゲンを含有しない難燃剤であれば特に制限はないが、リンを含有する難燃剤が好ましく、具体的には下記一般式(11)、(12)で表されるものを好ましく挙げることができる。
【0055】
【化8】
Figure 0003555313
(ただし上記式R、R、R、R、R10、R11、R12、R13は、同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。またAr、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Arは同一または相異なるフェニル基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換されたフェニル基を表す。また、Zは直接結合、O、S、SO、C(CH、CH、CHPhを表し、Phはフェニル基を表す。)
まず前記式(11)で表される難燃剤の構造について説明する。前記式(11)の式中、R〜R13は同一または相異なる水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。ここで炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられるが、水素、メチル基、エチル基が好ましく、とりわけ水素が好ましい。
【0056】
またAr、Ar、Ar、Arは同一または相異なるフェニル基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換されたフェニル基を表す。具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基などが挙げられるが、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基が好ましく、特にフェニル基、トリル基、キシリル基が好ましい。
【0057】
またZは直接結合、O、S、SO、C(CH、CH、CHPhを表し、Phはフェニル基を表す。
【0058】
前記式(11)で表される難燃剤は一般に下記化学式(13)に従って製造される。
【0059】
【化9】
Figure 0003555313
つづいて、前記式(12)で表される難燃剤について説明する。前記式(12)中、Ar、Ar、Arは同一または相異なるフェニル基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換されたフェニル基を表す。具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基などが挙げられるが、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基が好ましく、特にフェニル基、トリル基、キシリル基が好ましい。
【0060】
前記式(12)で表される難燃剤は一般に下記化学式(13)に従って製造することができる。
【0061】
【化10】
Figure 0003555313
本発明においては、このような非ハロゲン系難燃剤を本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて添加することができるが、その際の添加量は通常、熱可塑性樹脂100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは3〜70重量部である。
【0062】
本発明の樹脂組成物はさらにフッ素系樹脂を添加すると燃焼時の液滴の落下(ドリップ)が抑制される。そのようなフッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体、(ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン)共重合体、ポリビニリデンフルオライド、(ビニリデンフルオライド/エチレン)共重合体などが挙げられるが、中でもポリテトラフルオロエチレン、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体、ポリビニリデンフルオライドが好ましく、特にポリテトラフルオロエチレン、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体が好ましい。
【0063】
本発明においては、フッ素系樹脂を必要に応じて添加することができるが、その際の添加量は、成形性の面から熱可塑性樹脂100重量部に対して通常0.01〜10重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.2〜3重量部である。
【0064】
また本発明の難燃性樹脂組成物はさらにヒンダードフェノール系の安定剤を併用すると長期間高温にさらされても極めて良好な耐熱性が維持されることが見いだされた。このような安定剤としては例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビスもしくはトリス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、N,N’−トリメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)などが挙げられる。
【0065】
本発明においては、このようなヒンダードフェノール系安定剤を必要に応じて添加することができるが、その際のヒンダードフェノール系安定剤の添加量は通常、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.01〜3重量部、好ましくは0.01〜1重量部、更に好ましくは0.03〜0.5重量部である。
【0066】
また本発明の樹脂組成物は周期律表II〜V族の金属を中心原子とする金属酸化物や金属水酸化物あるいは金属水酸化物の水和物を配合すると、難燃性を向上させることができる。この様な化合物としては、具体的には水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムの水和物、水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム水和物、水酸化亜鉛、水酸化亜鉛水和物、ホウ酸、酸化アンチモン、亜鉛スズ水酸化物、亜鉛スズ水酸化物の水和物、亜鉛スズ酸化物、ハイドロタルサイト、ドーソナイトなどが挙げられる。
【0067】
このような金属酸化物や金属水酸化物あるいは金属水酸化物の水和物の添加量は通常、熱可塑性樹脂100重量部に対し1〜100重量部、好ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは3〜70重量部である。
【0068】
また本発明の樹脂組成物に対して本発明の目的を損なわない範囲でリン系、イオウ系などの酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、および染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
【0069】
なお、特に必須ではないが、本発明組成物に対してさらに繊維状、および/または粒状の充填材を添加することにより、強度、剛性、耐熱性などを大幅に向上させることができる。
【0070】
このような充填材の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカ、ワラステナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンおよび酸化アルミニウムなどが挙げられ、なかでもチョップドストランドタイプのガラス繊維が好ましく用いられる。これらの添加量は熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜140重量部が好ましく、特に好ましくは5〜100重量部である。
【0071】
本発明の樹脂組成物は通常公知の方法で製造される。例えば、熱可塑性樹脂、ポリホスフェート、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩およびその他の必要な添加剤をエクストルーダーで溶融混合する方法、あるいは粒子状物同士を均一に機械的に混合した後、射出成形機で混合と同時に成形する方法などが挙げられる
【0072】
【実施例】
以下実施例により本発明の効果を更に詳細に説明する。ただし本発明はこれらの例になんら限定されるものではない。
【0073】
実施例および比較例で述べられている各測定項目は以下の方法に従った。
【0074】
以下実施例により本発明の効果を更に詳細に説明する。ここで部とはすべて重量部をあらわす。各特性の測定方法は以下の通りである。
【0075】
(1)数平均分子量(Mn)
検出器にWATERS社示差屈折計WATERS410を用い、MODEL510高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。測定条件は、THFを溶離液とし、カラム温度39℃、試料濃度1〜2mg/mlの溶液を0.1ml注入した。カラムはWATERS社のポリスチレン多孔性膨潤ゲルが充填されたウルトラスタイラジェル100Aを直列に接続し、溶離液0.5ml/min、カラム圧力500psiとした。ポリマー分子量は、標準ポリスチレンによる校正曲線と対比して換算した。
【0076】
(2)ガラス転移温度(Tg)測定
PERKIN−ELMER DSC−7を用い、窒素雰囲気下、サンプル量10mg、−100℃から20℃/minの昇温条件で測定した際に観察されるピークの変曲点から中点法によりTgを決定した。
【0077】
(3)25%重量減量温度(Td(25%))
セイコー電子社TG/DTAを用い、50℃〜800℃まで20℃/minで昇温し、熱減量が25wt%に到達した温度をTd(25%)とした。
【0078】
(4)難燃性樹脂組成物の製造および試験片の作成
ポリホスフェート、シアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩、およびポリホスフェート以外の非ハロゲン系難燃剤やその他の添加剤を混合し、10mmΦ単軸押出機を用いて樹脂温度260℃で溶融混練した。得られたペレットを乾燥後、住友ネスタール射出成形機・プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)に供給し、シリンダー温度290℃、金型温度80℃の条件で、1/8”厚×2・1/2”長のモールドノッチ衝撃試験片を作成し、アイゾット衝撃強度を測定した。また同条件においてASTMD−638に規定されている引張試験片を作製し、荷重1.82MPaにおける荷重たわみ温度を測定した。またプレス成形を行なってUL94に基く難燃性評価用サンプルおよび難燃剤ブリードアウト評価サンプルとした。
【0079】
(5)難燃剤のブリードアウト評価
引張試験ダンベルをギヤーオーブン中で100℃、24時間処理した。処理前後のダンベル表面のリン量を蛍光X線により測定し、リンのピーク強度を測定した。処理前後のピーク強度比(処理後のリンピーク強度/処理前のリンピーク強度)をブリードアウトの指標とした。
【0080】
(6)ポリホスフェートの製造
本発明で使用するポリホスフェートは以下の方法で製造した。
【0081】
参考例1 2,6−ジメチルフェニルリン酸ジクロライドーヒドロキノンから合成したポリホスフェート(A−1)
スリーワンモーターを取り付けた重縮合用へそ付き試験管に2,6−ジメチルフェニルりん酸ジクロライド(240.9mmol)と2,6−ジメチルフェニルりん酸ジクロライドに対して等モルのヒドロキノンおよび触媒として0.1mmolの塩化マグネシウムを添加し、100℃から1時間かけて150℃にし、その後1時間反応させた。その後減圧度10mmHg、重合温度150℃から1時間かけて220℃にし、4時間反応させ、試験管下部のへそ部分からポリマーを吐出した。
【0082】
H−NMR:7.2ppm(芳香族フェニル)、2.2ppm(2,6−ジメチル)
IRスペクトル:1300cm−1(P=O)、1190cm−1、980cm−1(P−O−C)
以上のスペクトルデータから本発明の方法により目的物とする2,6−ジメチルフェニルリン酸ジクロライドーヒドロキノン型ポリホスフェートが得られていることは明らかである。従って本発明の重合方法により、2,6−ジメチルフェニルりん酸ジクロライドと各種ビフェノールの反応は脱HCl反応によりポリホスフェートが得られたことは明らかである。
【0083】
A−2ではヒドロキノンの代わりにレゾルシンを用いた。
【0084】
また比較のため参考例2に示した方法により、有機溶媒に対する溶解性が90wt%未満の架橋構造を有するポリホスフェート(B−1)を合成した。
【0085】
参考例2 フェニルリン酸ジクロライドーレゾルシンから合成したポリホスフェート(B−1)
スリーワンモーターを取り付けた重縮合用へそ付き試験管にフェニルりん酸ジクロライド(240.9mmol)とフェニルりん酸ジクロライドに対して等モルのレゾルシンおよび触媒として0.1mmolの塩化マグネシウムを添加し、100℃から1時間かけて160℃にし、その後2時間反応させた。その後減圧度10mmHg、重合温度160℃から1時間かけて290℃にし、2時間反応させた。
【0086】
A−1、A−2、B−1の合成について一連の結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
Figure 0003555313
【0088】
(7)ポリホスフェート以外の非ハロゲン難燃剤
上記において合成したポリホスフェート以外で、実施例および比較例中で使用される非ハロゲン系難燃剤の略記号、構造を以下に示す。
【0089】
【化11】
Figure 0003555313
【0090】
(8)シアヌール酸塩
本実施例で用いたシアヌール酸塩を電子顕微鏡を用いて観察したところ、いずれも平均粒径(固体数100の平均値)は100μmより小さかった。
【0091】
実施例1〜7、比較例1〜3
熱可塑性樹脂としてPBTを用い、参考例で製造した本発明のポリホスフェート(A−1、A−2、B−1)、シアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩、およびポリホスフェート以外の非ハロゲン系難燃剤やその他の添加剤を混合し、10mmΦ単軸押出機を用いて樹脂温度260℃で溶融混練した。配合処方および結果を表2に示した。
【0092】
【表2】
Figure 0003555313
【0093】
実施例1、2および比較例1、2の比較から本発明のポリホスフェートの添加により、難燃性を付与することができ、さらに衝撃強度や荷重たわみ温度の低下も少なく、かつ難燃剤のブリードアウトが少ないことがわかる。また実施例3、4および比較例3の比較からトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩と本発明のポリホスフェートを併用することによりさらに難燃性が向上することがわかる。また実施例5〜7より本発明のポリホスフェートとポリホスフェート以外の難燃剤あるいは酸化防止剤を少量併用しても本発明の効果が得られることがわかる。
【0094】
一方、低分子量タイプである芳香族ビスホスフェート(C1、C2)を難燃剤として用いると、難燃性は付与できるものの荷重たわみ温度が低下、難燃剤がブリードアウトを引き起こし(比較例3、4)、また溶解性の低い(架橋した)ポリホスフェート(B−1)を用いると、難燃性の向上および荷重たわみ温度の低下抑制効果は認められるものの、衝撃強度が顕著に低下することがわかる(比較例2)。
【0095】
さらに実施例8、比較例4の比較から充填剤としてガラス繊維(GF)を添加した場合も、本発明のポリホスフェートの添加により、難燃性を付与することができ、さらに衝撃強度や荷重たわみ温度の低下も少なく、かつ難燃剤のブリードアウトが少ないことがわかる。
【0096】
実施例9〜16、比較例5〜12
熱可塑性樹脂としてPBTの代わりにPET、PCT、PC、ABS、PC//ABS(90//10)、ナイロン6、ナイロン66を用い、PBT//PPO(70//30)を用いた以外は前記実施例と同様に行った。一連の配合処方および結果を表3に示した。
【0097】
【表3】
Figure 0003555313
【0098】
各樹脂の実施例および比較例を比較すると、PET、PCT、PC、PA6、PA66、ABS、PBT//PPO、PC//ABSの場合も同様に、本発明のポリホスフェートにより、衝撃強度および荷重たわみ温度を低下させることなく難燃性が付与でき、さらに難燃剤のブリードアウトが少ないことがわかる。一方本発明以外の溶解性の低いポリホスフェート(B−1)を添加すると耐衝撃性が顕著に低下し、また低分子量タイプである芳香族ビスホスフェート(C−1、C−2)を使用した場合、荷重たわみ温度は顕著に低下し、またこれらの化合物がブリードアウトすることがわかる。
【0099】
以上の結果から本発明のポリホスフェートを熱可塑性樹脂にブレンドすることにより、難燃性、耐衝撃性、耐熱性に優れ、かつ難燃剤のブリードアウトが少ない樹脂組成物が得られることがわかる。充填剤としてGFを添加した場合も同様である。また添加剤としてトリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩、少量の非ハロゲン系難燃剤、フッ素系樹脂をさらに添加することにより難燃性が向上することがわかる。
【0100】
【発明の効果】
熱可塑性樹脂に新規高分子量ポリホスフェートを配合した樹脂組成物は、従来公知の芳香族ホスフェートや芳香族ホスフェートオリゴマーなどのリン系難燃剤を含有した樹脂組成物に比べ、難燃性、耐衝撃特性、耐熱性に優れ、さらに難燃剤のブリードアウトが少ないためコネクター、リレー、スイッチ、ケース部材、トランス部材、コイルボビン等の電気・電子機器部品、自動車部品、機械部品、建材に好適な難燃性樹脂組成物として使用することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a flame-retardant resin composition using a novel high-molecular-weight polyphosphate. More specifically, it is excellent in flame retardancy, impact resistance, heat resistance, and has little bleed out of flame retardant, electrical and electronic equipment parts such as connectors, relays, switches, case members, transformer members, coil bobbins, automobile parts, The present invention relates to a flame-retardant thermoplastic resin composition suitable for machine parts.
[0002]
[Prior art]
Polyesters represented by polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polyethylene naphthalate, polycyclohexane dimethylene terephthalate and the like, or thermoplastic resins such as polycarbonate, polyamide, polyphenylene oxide, etc., take advantage of their excellent properties and are used as injection molding materials for machinery. It is being used in a wide range of fields such as mechanical parts, electric parts, and automobile parts. On the other hand, since these thermoplastic resins are inherently flammable, in order to be used as industrial materials, in addition to general balance of chemical and physical properties, safety against flame, that is, flame retardancy is required. Often.
[0003]
As a method of imparting flame retardancy to a thermoplastic resin, a method of compounding a resin with a halogen-based organic compound as a flame retardant and an antimony compound as a flame retardant auxiliary is generally used. However, this method has problems such as a large amount of smoke generated during combustion.
[0004]
Thus, in recent years, it has been strongly desired to use a flame retardant containing no halogen in order to overcome the disadvantages of these halogen-based flame retardants.
[0005]
Heretofore, as a method of making a thermoplastic resin flame-retardant without using a halogen-based flame retardant, a method of blending a phosphorus compound has been widely known. For example, JP-A-48-90348 and JP-A-48-91147 disclose flame-retarding techniques by adding aromatic phosphates and aromatic phosphate oligomers. EP-A-491986 discloses a method in which a resorcinol-type aromatic phosphate oligomer is added to make PBT-based alloy molded articles flame-retardant. The method of adding phosphate, melamine cyanurate and an inorganic filler is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 6-504563. A method of adding is disclosed.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Flame-retardant resin compositions for injection molding, especially for mechanical parts, electric / electronic parts, and automotive parts are not only excellent in flame retardancy, mechanical performance and heat resistance of molded products, but also in resin compositions. It is required to suppress bleed-out in which a large amount of a flame retardant oozes out on the surface of a molded article. In particular, when used as a connector part, the flame-retardant resin composition is required to have excellent impact resistance, heat resistance, and characteristics such as less bleed-out of the flame retardant. However, when a resin composition containing a resorcinol-type aromatic bisphosphate or a resorcinol-type aromatic phosphate oligomer, which is a conventional technique, is formed into a molded article, the heat resistance of these compounds decreases due to the plasticizing effect of these compounds. Bleed-out, which oozes out on the surface of the molded article, became a problem.
[0007]
Therefore, the present invention uses a non-halogen flame retardant to give a thermoplastic resin a high degree of flame retardancy, and at the same time, has excellent impact resistance and heat resistance, and furthermore, thermoplastic resin injection molding with less bleed out of the flame retardant. The task is to obtain goods.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above circumstances, the present inventors have conducted intensive studies, and as a result, a thermoplastic resin containing a high molecular weight polyphosphate obtained under specific reaction conditions, has a high degree of flame retardancy, impact resistance, The present inventors have found that the heat resistance is good and the bleed-out of the flame retardant is small, and have reached the present invention.
[0009]
That is, the present invention
(A) For 100 parts by weight of the thermoplastic resin,
(B) a repeating unit represented by the following general formula (1), which has a number average molecular weight of 10,000 or more as measured by gel permeation chromatography and converted into standard polystyrene, and acetone, chloroform and dimethyl at 20 ° C. A flame-retardant resin composition containing 1 to 100 parts by weight of a polyphosphate having a solubility in at least one organic solvent selected from formamide, dimethyl sulfoxide and tetrahydrofuran of 90 wt% or more.
[0010]
Embedded image
Figure 0003555313
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The thermoplastic resin (A) of the present invention is a synthetic resin which exhibits fluidity when heated, and can be molded using this. Specific examples thereof include, for example, polyester, liquid crystal polyester, polycarbonate, polyamide, wholly aromatic polyamide, wholly aromatic polyester, polyimide, polybenzimidazole, polyketone, polyetheretherketone, polyetherketone, polyethersulfone, and polyphenylene oxide. , Phenoxy resin, polyphenylene sulfide, phenol resin, phenol-formaldehyde resin, olefin polymers such as polypropylene, polyethylene, polystyrene, ethylene / propylene copolymer, ethylene / 1-butene copolymer, ethylene / propylene / non-conjugated diene Copolymer, ethylene / ethyl acrylate copolymer, ethylene / glycidyl methacrylate copolymer, ethylene / vinyl acetate / glycidyl methacrylate copolymer And ethylene / propylene-g-maleic anhydride copolymer, olefin copolymers such as ABS, polyester polyether elastomers, and one or more mixtures selected from elastomers such as polyester polyester elastomers. One or a mixture of two or more selected from polyester, liquid crystal polyester, polycarbonate, polyamide, polyphenylene sulfide, polyethylene, polypropylene, polystyrene, ABS, polyphenylene oxide, phenoxy resin, phenol resin, and phenol-formaldehyde resin is preferable, and polyester is more preferable. , Polyethylene, polypropylene, ABS, polyamide, polycarbonate, phenoxy resin, polyphenylene sulfide, phenol tree It is one or a mixture of two or more selected from.
[0012]
The polyphosphate of the present invention comprises a repeating unit represented by the general formula (1) as described above.
[0013]
R in the general formula (1)1Are preferably the same or different hydrogen atoms or alkyl groups having 1 to 5 carbon atoms, more preferably alkyl groups having 1 to 5 carbon atoms. Here, specific examples of the alkyl group having 1 to 5 carbon atoms include methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl, sec-butyl, tert-butyl, n-pentyl, and the like. , N-propyl is preferred, and more preferably methyl.
[0014]
Ar is phenylLenSubstituted with an organic residue that does not contain a group or halogenLenThere is no particular limitation as long as it is a group. Also,Structures represented by the following general formulas (2) to (7)Structure selected fromIs preferred.
[0015]
Embedded image
Figure 0003555313
(X is a direct bond, O, S, SO2, CH2, CHPh, and Ph represents a phenyl group. )
In addition, the polyphosphate of the present invention has a number average molecular weight (Mn) of 10,000 or more as measured by gel permeation chromatography and converted into standard polystyrene, and has moldability, suppression of a decrease in heat resistance of the thermoplastic resin composition, and It is indispensable in controlling bleed-out.
[0016]
Further, the polyphosphate of the present invention has a solubility in at least one organic solvent selected from acetone, chloroform, dimethylformamide, dimethylsulfoxide, and tetrahydrofuran at 20 ° C. of 90 wt% or more.
[0017]
Here, the solubility of polyphosphate indicates a value measured as follows. That is, 1 g of polyphosphate is dissolved in acetone, chloroform, dimethylformamide, dimethylsulfoxide, and 100 ml of tetrahydrofuran, respectively, and after stirring for 6 hours at 20 ° C., the solution insoluble portion is collected by filtration and dried at 100 ° C. under vacuum. The weight of the solvent-insoluble polyphosphate was weighed, and the solubility = (1−the weight of the solvent-insoluble portion) / 1 g × 100 was calculated from this value. Among acetone, chloroform, dimethylformamide, dimethylsulfoxide and tetrahydrofuran, the solubility in an organic solvent having the highest solubility was used as an index of the solubility of polyphosphate.
[0018]
Here, the solubility of the polymer simultaneously reflects the degree of crosslinking of the polymer. That is, since the crosslinked polyphosphate has substantially the same molecular structure as the thermosetting resin, it becomes a material which swells in various solvents and does not melt and flow even when heated. Therefore, a polyphosphate having low solubility has a high cross-linking property, so that the productivity, the moldability and the impact resistance of the resin composition when blended with a thermoplastic resin are remarkably reduced. From this aspect, it is essential that the solubility of the polyphosphate in at least one organic solvent selected from acetone, chloroform, dimethylformamide, dimethylsulfoxide, and tetrahydrofuran at 20 ° C. is 90 wt% or more.
[0019]
Such a polyphosphate can be produced by the following method. That is, a phosphorus compound represented by the following general formula (8) and an aromatic compound represented by the following general formula (9)Dihydroxy compoundIs produced by heating at a temperature of 100 ° C. or more and 250 ° C. or less in the first stage of polymerization in the presence or absence of a catalyst, and then heating at a polymerization temperature of 250 ° C. or less under reduced pressure in the second stage of polymerization. be able to.
[0020]
Embedded image
Figure 0003555313
(Where X represents a halogen atom, R1 represents the same or different hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms). )
The phosphorus compound used in the present invention is represented by the above formula (8). In the general formula (8), R1 is preferably the same or different hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, and more preferably an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms. Here, specific examples of the alkyl group having 1 to 5 carbon atoms include methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl, sec-butyl, tert-butyl, n-pentyl, and the like. , N-propyl is preferred, and more preferably methyl. X represents a halogen atom, and specific examples thereof include chloride and bromide.
[0021]
The aromatic used in the present inventionDihydroxy compoundIs represented by the above formula (9), and Ar is phenylLenSubstituted with an organic residue that does not contain a group or halogenLenThere is no particular limitation as long as it is a group. Also,Structures represented by general formulas (2) to (7)Structure selected fromIs preferred.
[0022]
Embedded image
Figure 0003555313
Further, in the present invention, the aromatic compound for the phosphorus compoundDihydroxy compoundIs preferably from 1 to 1.1 times, more preferably from 1 to 1.05 times the molar weight of the resulting polyphosphate.
[0023]
In the production method of the present invention, heating is performed at a temperature of 100 ° C. or more and 250 ° C. or less in the first stage of polymerization.
[0024]
At this time, the polymerization temperature depends on the reaction rate and the aromatic used.Dihydroxy compoundThe temperature is usually from 100 ° C to 250 ° C, preferably from 100 ° C to 240 ° C, more preferably from 100 ° C to 230 ° C, from the viewpoint of inhibiting sublimation and crosslinking reaction.
[0025]
Further, the polymerization temperature at this stage is preferably 100 to 250 ° C., but within this temperature range, the polymerization temperature may be maintained at a constant temperature or may be continuously increased.
[0026]
When the polymerization temperature is continuously increased, the heating rate is not particularly limited, but a sharp increase in the polymerization temperature causes crosslinking of the polymer due to heat generated by the polymerization. Preferably it is 50 ° C./min.
[0027]
The polymerization time at this stage varies significantly depending on the polymerization temperature and the use of a catalyst, but is usually 0.1 to 50 hours, preferably 0.2 to 20 hours, more preferably 0.5 to 10 hours.
[0028]
The polymerization at this stage is preferably bulk polymerization in order to obtain a sufficient molecular weight of the obtained polymer. That is, phosphorus compounds and aromaticsDihydroxy compoundPreferably, no organic solvent is used.
[0029]
In the present invention, a phosphorus compound and an aromatic compound are used.Dihydroxy compoundIn the polymerization of, a catalyst may be used. The catalyst is not particularly limited as long as it has a central atom of a metal having an empty p-orbital, generally called a “Lewis acid”. Specific examples include magnesium chloride, aluminum chloride, diethylaluminum, diethylzinc and the like, with magnesium chloride being particularly preferred.
[0030]
In the production method of the present invention, the desired polyphosphate can be produced by subsequently heating at a polymerization temperature of 250 ° C. or lower under reduced pressure in the second stage of polymerization.
[0031]
The degree of reduced pressure in the second stage of polymerization is usually 0.1 mmHg or more and 100 mmHg or less, preferably 0.1 mmHg or more and 50 mmHg or less, more preferably 0.1 mmHg or more and 10 mmHg or less from the viewpoint of the degree of polymerization of the obtained polymer.
[0032]
Further, the polymerization temperature in the second stage of polymerization of the present invention is 250 ° C. or lower, preferably 240 ° C. or lower, more preferably 220 ° C. or lower from the viewpoint of inhibiting the progress of the crosslinking reaction.
[0033]
The polymerization temperature at this stage is 250 ° C. or lower. If the temperature is lower than 250 ° C., the polymerization temperature may be maintained at a constant temperature or may be continuously increased.
[0034]
When the polymerization temperature is continuously increased, the heating rate is not particularly limited. However, a sharp increase in the polymerization temperature causes crosslinking of the polymer due to the heat generated by the polymerization. Preferably it is 50 ° C./min.
[0035]
The lower limit of the polymerization temperature at this stage is not particularly limited, but is preferably 150 ° C. or higher, more preferably 180 ° C. or higher, in order to obtain a polymer having a sufficient molecular weight.
[0036]
Further, the polymerization time in the second polymerization step varies remarkably depending on the polymerization temperature and whether or not a catalyst is used, but is usually 0.1 to 50 hours, preferably 0.2 to 20 hours, more preferably 0.5 to 10 hours. is there.
[0037]
Further, in the present invention, after completion of the second polymerization step, a mono- or higher-valent alcohol or amine compound is further added to block the end of the polyphosphate, whereby the thermal stability of the polyphosphate can be improved.
[0038]
The monohydric or higher alcohol or amine compound, that is, the compound having at least one hydroxyl group in the molecule or the compound having one or more amino group in the molecule is not particularly limited. , Ethanol, propanol, butanol, phenol, 2,6-dimethylphenol, xylenol, ethylene glycol, propylene glycol, and butanediol. Specific examples of the monovalent or higher valent amine compound include aniline, phenylenediamine, hexamethylenediamine, ethylenediamine, propylenediamine, and butylenediamine.
[0039]
The addition amount of the monohydric or higher alcohol or amine compound is preferably 1% by weight or less, more preferably 0.5% by weight or less based on the phosphorus compound.
[0040]
The reaction temperature at this time is not particularly limited as long as it is 250 ° C. or lower. However, from the viewpoint of promptly proceeding the reaction between the polymer terminal and the monohydric or higher alcohol or amine compound and suppressing the crosslinking reaction of the polymer, Or less, more preferably 220 ° C. or less.
[0041]
The reaction at this time can be performed under reduced pressure or under normal pressure.However, the reaction should be performed under reduced pressure because the reaction between the polymer terminal and the monohydric or higher-valent alcohol or amine compound proceeds rapidly. Is preferred.
[0042]
The degree of decompression when performed under reduced pressure is 0.1 mmHg to 100 mmHg, preferably 0.1 mmHg to 50 mmHg, more preferably 0.1 mmHg to 10 mmHg.
[0043]
The polyphosphate thus obtained may be discharged as it is from the polymerization apparatus and used as it is, or after discharging, may be washed with a solvent or purified by reprecipitation before use.
[0044]
The addition amount of the polyphosphate of the present invention is usually 1 to 100 parts by weight, preferably 2 to 80 parts by weight, more preferably 3 to 70 parts by weight based on 100 parts by weight of the thermoplastic resin.
[0045]
The flame retardancy of the flame-retardant resin composition of the present invention is improved by further adding a salt of cyanuric acid or isocyanuric acid. The salt of cyanuric acid or isocyanuric acid is an adduct of cyanuric acid or isocyanuric acid and a triazine-based compound, and usually has a composition of 1: 1 (molar ratio), and sometimes 1: 1 (molar ratio). It is an adduct to have. Of the triazine compounds, those that do not form a salt with cyanuric acid or isocyanuric acid are excluded.
[0046]
The triazine-based compound represents a compound represented by the following general formula (10).
[0047]
Embedded image
Figure 0003555313
(However, in the above formula, R2, R3, R4, R5Are the same or different hydrogen,Alkyl group, aralkyl group, cycloalkyl group, or -CONH2It is. R is -NR in the above formula.2R3Or -NR4R5Or a group independently of hydrogen, an aryl group, an alkyl group, an aralkyl group, a cycloalkyl group, -NH2Or -CONH2It is a group selected from )
In the general formula (10), R2, R3, R4, R5Are the same or different hydrogens, aryl groups, alkyl groups, aralkyl groups, cycloalkyl groups, or -CONH2It is. Here, an aryl group having 6 to 15 carbon atoms, an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aralkyl group having 7 to 16 carbon atoms, and a cycloalkyl group having 4 to 15 carbon atoms are preferable. . R is -NR in the above formula.2R3Or -NR4R5Or a group independently of hydrogen, an aryl group, an alkyl group, an aralkyl group, a cycloalkyl group, -NH2Or -CONH2Wherein the aryl group has 6 to 15 carbon atoms, the alkyl group has 1 to 10 carbon atoms, the aralkyl group has 7 to 16 carbon atoms, and the cycloalkyl group has Is preferably 4 to 15.
[0048]
R2, R3, R4, R5Specific examples of are hydrogen, phenyl group, p-toluyl group, α-naphthyl group, β-naphthyl group, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, sec-butyl group Tert-butyl group, hydroxymethyl group, methoxymethyl group, benzyl group, cyclopentyl group, cyclohexyl group, cycloheptyl group, 2-methyl-1-pentyl group, 4-methyl-1-cyclohexyl group, amide group and the like. Among them, hydrogen, a phenyl group, a methyl group, a hydroxymethyl group, a methoxymethyl group, a benzyl group, and an amide group are preferred.
[0049]
Specific examples of R include an amino group, an amide group, a methylamino group, a dimethylamino group, an ethylamino group, a diethylamino group, a mono (hydroxymethyl) amino group, a di (hydroxymethyl) amino group, and a mono (methoxy) group. Methyl) amino group, di (methoxymethyl) amino group, phenylamino group, diphenylamino group, hydrogen, phenyl group, p-toluyl group, α-naphthyl group, β-naphthyl group, methyl group, ethyl group, n-propyl Group, isopropyl group, n-butyl group, sec-butyl group, tert-butyl group, benzyl group, cyclopentyl group, cyclohexyl group, cycloheptyl group, 2-methyl-1-pentyl group, 4-methyl-1-cyclohexyl group And hydrogen, amino, amide, methyl, mono (hydroxymethyl) amido And a di (hydroxymethyl) amino group, a mono (methoxymethyl) amino group, a di (methoxymethyl) amino group, a phenyl group and a benzyl group.
[0050]
Among the salts of the compound represented by the general formula (10) with cyanuric acid or isocyanuric acid, particularly preferred examples include melamine, mono (hydroxymethyl) melamine, di (hydroxymethyl) melamine, and tri (hydroxymethyl) melamine. Benzoguanamine, acetoguanamine, and 2-amide-4,6-diamino-1,3,5-triazine salts, and melamine, benzoguanamine and acetoguanamine salts are particularly preferred.
[0051]
The salt of the compound represented by the general formula (10) with cyanuric acid or isocyanuric acid is prepared by mixing the compound represented by the general formula (10) with cyanuric acid or isocyanuric acid in a water slurry and mixing well. It is a powder obtained by filtering and drying this slurry after both salts are formed into fine particles, and is different from a mere mixture. This salt does not need to be completely pure, and a somewhat unreacted compound represented by the formula (10) or cyanuric acid or isocyanuric acid may remain. The form of the salt is not particularly limited, but it is preferable to use a powder obtained as fine powder as possible from the viewpoint of mechanical strength and surface properties of a molded product obtained from the composition of the present invention. Particularly, those having an average particle size of 100 μm before blending with the resin are particularly preferable. If the salt has poor dispersibility, a dispersant such as tris (β-hydroxyethyl) isocyanurate may be used in combination.
[0052]
In the present invention, a salt composed of such a triazine compound and cyanuric acid or isocyanuric acid can be added as needed, and the amount of the salt used at that time is based on 100 parts by weight of the thermoplastic resin. It is 1 to 100 parts by weight, preferably 2 to 80 parts by weight, more preferably 3 to 70 parts by weight. If the amount of the salt is less than 1 part by weight, the effect of improving the flame retardancy is not recognized, and if it is more than 100 parts by weight, the mechanical properties and surface appearance of the molded article are undesirably deteriorated.
[0053]
The flame retardancy of the resin composition of the present invention can be further improved by adding a non-halogen flame retardant.
[0054]
Such a non-halogen flame retardant is not particularly limited as long as it is a flame retardant containing no halogen, but a flame retardant containing phosphorus is preferable. Specifically, the flame retardant is represented by the following general formulas (11) and (12). Those represented are preferred.
[0055]
Embedded image
Figure 0003555313
(However, the above formula R6, R7, R8, R9, R10, R11, R12, RThirteenRepresents the same or different hydrogen atoms or alkyl groups having 1 to 5 carbon atoms. Ar1, Ar2, Ar3, Ar4, Ar5, Ar6, Ar7Represents a same or different phenyl group or a phenyl group substituted with a halogen-free organic residue. Z is a direct bond, O, S, SO2, C (CH3)2, CH2, CHPh, and Ph represents a phenyl group. )
First, the structure of the flame retardant represented by the formula (11) will be described. In the formula (11), R6~ RThirteenRepresents the same or different hydrogen or an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms. Here, specific examples of the alkyl group having 1 to 5 carbon atoms include a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, an n-butyl group, a sec-butyl group, a tert-butyl group, an n-pentyl group, Examples thereof include a 2-pentyl group, a 3-pentyl group, and a neopentyl group, and are preferably hydrogen, a methyl group, and an ethyl group, and particularly preferably hydrogen.
[0056]
Ar1, Ar2, Ar3, Ar4Represents a same or different phenyl group or a phenyl group substituted with a halogen-free organic residue. Specific examples include a phenyl group, a tolyl group, a xylyl group, a cumenyl group, a mesityl group, a naphthyl group, an indenyl group, and an anthryl group.A phenyl group, a tolyl group, a xylyl group, a cumenyl group, and a naphthyl group are preferred. Particularly, a phenyl group, a tolyl group and a xylyl group are preferred.
[0057]
Z is a direct bond, O, S, SO2, C (CH3)2, CH2, CHPh, and Ph represents a phenyl group.
[0058]
The flame retardant represented by the formula (11) is generally produced according to the following chemical formula (13).
[0059]
Embedded image
Figure 0003555313
Next, the flame retardant represented by the formula (12) will be described. In the above formula (12), Ar5, Ar6, Ar7Represents a same or different phenyl group or a phenyl group substituted with a halogen-free organic residue. Specific examples include a phenyl group, a tolyl group, a xylyl group, a cumenyl group, a mesityl group, a naphthyl group, an indenyl group, and an anthryl group.A phenyl group, a tolyl group, a xylyl group, a cumenyl group, and a naphthyl group are preferred. Particularly, a phenyl group, a tolyl group and a xylyl group are preferred.
[0060]
The flame retardant represented by the formula (12) can be generally produced according to the following chemical formula (13).
[0061]
Embedded image
Figure 0003555313
In the present invention, such a non-halogen flame retardant can be added as needed within a range that does not impair the effects of the present invention, and the amount added at that time is usually 100 parts by weight of the thermoplastic resin. On the other hand, it is 1 to 100 parts by weight, preferably 2 to 80 parts by weight, more preferably 3 to 70 parts by weight.
[0062]
When the resin composition of the present invention is further added with a fluorine-based resin, the drop (drip) of droplets during combustion is suppressed. Examples of such a fluorine-based resin include polytetrafluoroethylene, polyhexafluoropropylene, (tetrafluoroethylene / hexafluoropropylene) copolymer, (tetrafluoroethylene / perfluoroalkylvinyl ether) copolymer, and (tetrafluoroethylene / Ethylene) copolymer, (hexafluoropropylene / propylene) copolymer, polyvinylidene fluoride, (vinylidene fluoride / ethylene) copolymer and the like. Among them, polytetrafluoroethylene, (tetrafluoroethylene / (Perfluoroalkyl vinyl ether) copolymer, (tetrafluoroethylene / hexafluoropropylene) copolymer, (tetrafluoroethylene / ethylene) copolymer, and polyvinylidene fluoride are preferred. Polytetrafluoroethylene, (tetrafluoroethylene / ethylene) copolymer are preferable.
[0063]
In the present invention, a fluorine-based resin can be added as necessary, but the amount of addition is usually 0.01 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of the thermoplastic resin from the viewpoint of moldability. And preferably 0.1 to 5 parts by weight, more preferably 0.2 to 3 parts by weight.
[0064]
It has also been found that, when the flame-retardant resin composition of the present invention is further used in combination with a hindered phenol-based stabilizer, extremely good heat resistance can be maintained even when exposed to high temperatures for a long time. Such stabilizers include, for example, triethylene glycol-bis [3- (3-t-butyl-5-methyl-4-hydroxyphenyl) propionate], 1,6-hexanediol-bis [3- (3, 5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], pentaerythrityl-tetrakis [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], 2,2-thio-diethylene Bis [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], octadecyl-3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, 3,5-di -T-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate diethyl ester, 1,3,5-trimethyl-2,4,6-tris (3,5-di- -Butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, bis or tris (3-t-butyl-6-methyl-4-hydroxyphenyl) propane, N, N'-hexamethylenebis (3,5-di-t-butyl- 4-hydroxy-hydrocinnamide), N, N'-trimethylenebis (3,5-di-t-butyl-4-hydroxy-hydrocinnamide) and the like.
[0065]
In the present invention, such a hindered phenol-based stabilizer can be added as needed, and the amount of the hindered phenol-based stabilizer added at that time is usually 0 to 100 parts by weight of the thermoplastic resin. 0.01 to 1 part by weight, preferably 0.01 to 1 part by weight, more preferably 0.03 to 0.5 part by weight.
[0066]
Further, when the resin composition of the present invention contains a metal oxide, a metal hydroxide or a hydrate of a metal hydroxide containing a metal of Group II to V of the periodic table as a central atom, flame retardancy can be improved. Can be. Specific examples of such a compound include aluminum hydroxide, aluminum hydroxide hydrate, magnesium hydroxide, magnesium hydroxide hydrate, zinc hydroxide, zinc hydroxide hydrate, boric acid, and antimony oxide. , Zinc tin hydroxide, hydrate of zinc tin hydroxide, zinc tin oxide, hydrotalcite, dawsonite and the like.
[0067]
The amount of such a metal oxide, metal hydroxide or metal hydroxide hydrate is usually 1 to 100 parts by weight, preferably 2 to 80 parts by weight, more preferably 100 parts by weight of the thermoplastic resin. Is 3 to 70 parts by weight.
[0068]
Further, the resin composition of the present invention contains phosphorus-based, sulfur-based antioxidants, heat stabilizers, ultraviolet absorbers, lubricants, mold release agents, and dyes / pigments within a range not impairing the object of the present invention. One or more conventional additives such as a coloring agent can be added.
[0069]
Although not particularly essential, by adding a fibrous and / or granular filler to the composition of the present invention, strength, rigidity, heat resistance and the like can be significantly improved.
[0070]
Specific examples of such a filler include glass fiber, carbon fiber, metal fiber, aramid fiber, asbestos, potassium titanate whisker, wollastonite, glass flake, glass beads, talc, mica, clay, calcium carbonate, and barium sulfate. , Titanium oxide and aluminum oxide, among which chopped strand type glass fibers are preferably used. The amount of these additives is preferably 5 to 140 parts by weight, particularly preferably 5 to 100 parts by weight, per 100 parts by weight of the thermoplastic resin.
[0071]
The resin composition of the present invention is usually produced by a known method. For example, thermoplastic resin, polyphosphate, a method of melt-mixing a triazine-based compound and a salt of cyanuric acid or isocyanuric acid and other necessary additives with an extruder, or uniformly mechanically mixing particles with each other Later, there is a method of molding at the same time as mixing with an injection molding machine
[0072]
【Example】
Hereinafter, the effects of the present invention will be described in more detail with reference to examples. However, the present invention is not limited to these examples.
[0073]
Each measurement item described in Examples and Comparative Examples followed the following method.
[0074]
Hereinafter, the effects of the present invention will be described in more detail with reference to examples. Here, all parts are parts by weight. The measuring method of each characteristic is as follows.
[0075]
(1) Number average molecular weight (Mn)
Using a WATERS 410 differential refractometer WATERS as a detector, measurement was performed using MODEL 510 high performance liquid chromatography. The measurement conditions were as follows: THF was used as an eluent, and 0.1 ml of a solution having a column temperature of 39 ° C. and a sample concentration of 1 to 2 mg / ml was injected. The column was connected in series with Ultrastyra Gel 100A filled with WATERS polystyrene porous swollen gel, the eluent was 0.5 ml / min, and the column pressure was 500 psi. The polymer molecular weight was converted in comparison with a calibration curve using standard polystyrene.
[0076]
(2) Glass transition temperature (Tg) measurement
Using a PERKIN-ELMER DSC-7, Tg is determined by the midpoint method from the inflection point of the peak observed when measuring under a nitrogen atmosphere in a sample amount of 10 mg under a heating condition of −100 ° C. to 20 ° C./min. did.
[0077]
(3) 25% weight loss temperature (Td (25%))
The temperature was raised from 50 ° C. to 800 ° C. at a rate of 20 ° C./min using TG / DTA of Seiko Electronics Co., Ltd., and the temperature at which the heat loss reached 25 wt% was defined as Td (25%).
[0078]
(4) Production of flame-retardant resin composition and preparation of test pieces
Polyphosphate, a salt of cyanuric acid or isocyanuric acid, a non-halogen flame retardant other than polyphosphate, and other additives were mixed and melt-kneaded at a resin temperature of 260 ° C. using a 10 mmφ single screw extruder. After drying the obtained pellets, the pellets are supplied to a Sumitomo Nestal injection molding machine / Promat 40/25 (manufactured by Sumitomo Heavy Industries, Ltd.), and the cylinder temperature is set to 290 ° C., and the mold temperature is set to 80 ° C., thereby reducing the temperature to 1/8. A mold notch impact test piece having a thickness of “2 × 1/2” was prepared, and the Izod impact strength was measured. Under the same conditions, a tensile test specimen specified in ASTM D-638 was prepared, and the deflection temperature under a load of 1.82 MPa was measured. Press molding was performed to obtain a sample for evaluating flame retardancy based on UL94 and a sample for evaluating bleed-out of a flame retardant.
[0079]
(5) Bleed-out evaluation of flame retardants
Tensile test Dumbbells were treated in a gear oven at 100 ° C. for 24 hours. The amount of phosphorus on the surface of the dumbbell before and after the treatment was measured by X-ray fluorescence, and the peak intensity of phosphorus was measured. The peak intensity ratio before and after the treatment (phosphorus peak intensity after treatment / phosphorus peak intensity before treatment) was used as an index of bleed out.
[0080]
(6) Production of polyphosphate
The polyphosphate used in the present invention was produced by the following method.
[0081]
Reference Example 1 Polyphosphate synthesized from 2,6-dimethylphenylphosphate dichloride-hydroquinone (A-1)
In a test tube with a navel for polycondensation equipped with a three-one motor, 2,6-dimethylphenylphosphate dichloride (240.9 mmol) and equimolar hydroquinone to 2,6-dimethylphenylphosphate dichloride and 0.1 mmol as a catalyst Was added, and the temperature was raised from 100 ° C. to 150 ° C. over 1 hour, and then reacted for 1 hour. Thereafter, the pressure was reduced to 10 mmHg, the polymerization temperature was raised from 150 ° C. to 220 ° C. over 1 hour, and the reaction was carried out for 4 hours.
[0082]
1H-NMR: 7.2 ppm (aromatic phenyl), 2.2 ppm (2,6-dimethyl)
IR spectrum: 1300cm-1(P = O), 1190cm-1, 980cm-1(POC)
From the above spectrum data, it is clear that 2,6-dimethylphenylphosphoric acid dichloride-hydroquinone type polyphosphate as the target product was obtained by the method of the present invention. Therefore, it is apparent that the reaction between 2,6-dimethylphenyl phosphate dichloride and various biphenols by the polymerization method of the present invention resulted in polyphosphate by dehydrochlorination.
[0083]
In A-2, resorcin was used instead of hydroquinone.
[0084]
For comparison, polyphosphate (B-1) having a crosslinked structure having a solubility in an organic solvent of less than 90 wt% was synthesized by the method shown in Reference Example 2.
[0085]
Reference Example 2 Phenylphosphoric acid dichlorideResorcinol(B-1) synthesized from
In a test tube with a navel for polycondensation equipped with a three-one motor, equimolar amounts of phenyl phosphate dichloride (240.9 mmol) and phenyl phosphate dichlorideResorcinolThen, 0.1 mmol of magnesium chloride was added as a catalyst, and the temperature was raised from 100 ° C. to 160 ° C. over 1 hour, followed by a reaction for 2 hours. Thereafter, the pressure was reduced to 10 mmHg, the polymerization temperature was raised from 160 ° C to 290 ° C over 1 hour, and the reaction was carried out for 2 hours.
[0086]
Table 1 shows a series of results on the synthesis of A-1, A-2, and B-1.
[0087]
[Table 1]
Figure 0003555313
[0088]
(7) Non-halogen flame retardants other than polyphosphate
The abbreviations and structures of non-halogen flame retardants used in Examples and Comparative Examples other than the polyphosphate synthesized above are shown below.
[0089]
Embedded image
Figure 0003555313
[0090]
(8) Cyanurate
When the cyanuric acid salt used in this example was observed using an electron microscope, the average particle size (the average value of the number of solids 100) was smaller than 100 μm in each case.
[0091]
Examples 1 to 7, Comparative Examples 1 to 3
Non-halogen based resins other than polyphosphates (A-1, A-2, B-1), cyanuric acid or isocyanuric acid salts, and polyphosphates of the present invention produced in Reference Examples using PBT as a thermoplastic resin A fuel and other additives were mixed and melt-kneaded at a resin temperature of 260 ° C. using a 10 mmφ single screw extruder. Table 2 shows the formulation and results.
[0092]
[Table 2]
Figure 0003555313
[0093]
From the comparison of Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 and 2, flame retardancy can be imparted by adding the polyphosphate of the present invention, impact strength and deflection temperature under load are less reduced, and bleeding of a flame retardant is performed. It turns out that there is little out. Further, comparison of Examples 3 and 4 and Comparative Example 3 shows that the flame retardancy is further improved by using a salt of a triazine-based compound and cyanuric acid or isocyanuric acid together with the polyphosphate of the present invention. Examples 5 to 7 show that the effect of the present invention can be obtained even when a small amount of the polyphosphate of the present invention and a flame retardant or an antioxidant other than the polyphosphate are used in combination.
[0094]
On the other hand, when aromatic bisphosphates (C1, C2) of low molecular weight are used as flame retardants, flame retardancy can be imparted, but the deflection temperature under load decreases, and the flame retardants cause bleed out (Comparative Examples 3 and 4). Also, when polyphosphate (B-1) having low solubility (cross-linked) is used, although the flame retardancy is improved and the load deflection temperature is suppressed, the impact strength is remarkably reduced ( Comparative Example 2).
[0095]
Further, from the comparison between Example 8 and Comparative Example 4, even when glass fiber (GF) is added as a filler, flame retardancy can be imparted by addition of the polyphosphate of the present invention, and impact strength and load deflection can be further improved. It can be seen that there is little decrease in temperature and little bleed out of the flame retardant.
[0096]
Examples 9 to 16, Comparative Examples 5 to 12
PET, PCT, PC, ABS, PC // ABS (90 // 10), Nylon 6, Nylon 66 were used instead of PBT as the thermoplastic resin, except that PBT // PPO (70 // 30) was used. The operation was performed in the same manner as in the above example. Table 3 shows a series of formulas and results.
[0097]
[Table 3]
Figure 0003555313
[0098]
When the examples and comparative examples of each resin are compared, the impact strength and the load are similarly obtained by the polyphosphate of the present invention in the case of PET, PCT, PC, PA6, PA66, ABS, PBT // PPO, and PC // ABS. It can be seen that flame retardancy can be imparted without lowering the deflection temperature, and bleed out of the flame retardant is small. On the other hand, when a low solubility polyphosphate (B-1) other than the present invention is added, the impact resistance is remarkably reduced, and aromatic bisphosphates (C-1, C-2) of low molecular weight are used. In this case, the deflection temperature under load is remarkably lowered, and it can be seen that these compounds bleed out.
[0099]
From the above results, it can be seen that by blending the polyphosphate of the present invention with a thermoplastic resin, a resin composition having excellent flame retardancy, impact resistance, and heat resistance and having less bleed out of the flame retardant can be obtained. The same applies when GF is added as a filler. It is also found that the flame retardancy is improved by further adding a salt composed of a triazine compound and cyanuric acid or isocyanuric acid, a small amount of a non-halogen flame retardant, and a fluorine resin as additives.
[0100]
【The invention's effect】
Compared to resin compositions containing phosphorus-based flame retardants such as aromatic phosphates and aromatic phosphate oligomers, the resin composition containing a new high molecular weight polyphosphate in a thermoplastic resin has higher flame retardancy and impact resistance. Suitable for electrical and electronic equipment parts such as connectors, relays, switches, case members, transformer members, coil bobbins, etc., automotive parts, machine parts, and building materials because of their excellent heat resistance and low bleed-out of flame retardants It can be used as a composition.

Claims (12)

(A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、
(B)下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量が10000以上であり、かつ20℃におけるアセトン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランから選ばれた少なくとも一種の有機溶媒に対する溶解性が90wt%以上であるポリホスフェート1〜100重量部を含有せしめてなる難燃性樹脂組成物。
Figure 0003555313
(ただしRは同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。Arはフェニレン基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換されたフェニレン基を表す。)
(A) For 100 parts by weight of the thermoplastic resin,
(B) a repeating unit represented by the following general formula (1), which has a number average molecular weight of 10,000 or more as measured by gel permeation chromatography and converted into standard polystyrene, and acetone, chloroform and dimethyl at 20 ° C. A flame-retardant resin composition containing 1 to 100 parts by weight of a polyphosphate having a solubility in at least one organic solvent selected from formamide, dimethyl sulfoxide and tetrahydrofuran of 90 wt% or more.
Figure 0003555313
(Wherein R 1 represents a phenylene group .Ar is substituted with an organic residue containing no phenylene group or a halogen represent the same or different hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms.)
(A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、
(B)下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量が10000以上であり、かつ20℃におけるアセトン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランから選ばれた少なくとも一種の有機溶媒に対する溶解性が90wt%以上であるポリホスフェート1〜100重量部を含有せしめてなる難燃性樹脂組成物。
Figure 0003555313
(Xは直接結合、O、S、SO、CH、CHPhを表し、Phはフェニル基を表す。)
(A) For 100 parts by weight of the thermoplastic resin,
(B) a repeating unit represented by the following general formula (1), which has a number average molecular weight of 10,000 or more as measured by gel permeation chromatography and converted into standard polystyrene, and acetone, chloroform and dimethyl at 20 ° C. A flame-retardant resin composition containing 1 to 100 parts by weight of a polyphosphate having a solubility in at least one organic solvent selected from formamide, dimethyl sulfoxide and tetrahydrofuran of 90 wt% or more.
Figure 0003555313
(X represents a direct bond, O, S, SO 2 , CH 2 , CHPh, and Ph represents a phenyl group.)
が炭素数1〜5のアルキル基である請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。R 1 is claim 1 or 2 flame retardant resin composition wherein an alkyl group of 1 to 5 carbon atoms. 熱可塑性樹脂100重量部に対して、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸からなる塩1〜100重量部をさらに配合してなる請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。The flame-retardant resin composition according to claim 1 or 2 , further comprising 1 to 100 parts by weight of a salt comprising a triazine compound and cyanuric acid or isocyanuric acid with respect to 100 parts by weight of the thermoplastic resin. トリアジン系化合物がメラミンである請求項4記載の難燃性樹脂組成物。The flame-retardant resin composition according to claim 4, wherein the triazine-based compound is melamine. 熱可塑性樹脂100重量部に対して、非ハロゲン系難燃剤1〜50重量部をさらに配合してなる請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。The flame-retardant resin composition according to claim 1 or 2 , further comprising 1 to 50 parts by weight of a non-halogen flame retardant per 100 parts by weight of the thermoplastic resin. 非ハロゲン系難燃剤がリンを含有する難燃剤である請求項6記載の難燃性樹脂組成物。The flame-retardant resin composition according to claim 6, wherein the non-halogen flame retardant is a phosphorus-containing flame retardant. 熱可塑性樹脂100重量部に対して、フッ素系樹脂0.01〜10重量部をさらに配合してなる請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。 3. The flame-retardant resin composition according to claim 1, further comprising 0.01 to 10 parts by weight of a fluororesin based on 100 parts by weight of the thermoplastic resin. 熱可塑性樹脂100重量部に対してヒンダードフェノール系安定剤0.01〜3重量部をさらに配合してなる請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。The flame-retardant resin composition according to claim 1 or 2 , further comprising 0.01 to 3 parts by weight of a hindered phenol-based stabilizer with respect to 100 parts by weight of the thermoplastic resin. 熱可塑性樹脂100重量部に対して、充填剤5〜140重量部をさらに配合してなる請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。Per 100 parts by weight of the thermoplastic resin, further comprising blending the filler 5-140 parts by claim 1 or 2 flame-retardant resin composition. 熱可塑性樹脂が、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、フェノール樹脂から選ばれる1種または2種以上の混合物である請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。Thermoplastic resins, polyester, polyethylene, polypropylene, ABS, polyamide, polycarbonate, phenoxy resin, polyphenylene sulfide, flame-retardant resin composition according to claim 1 or 2, wherein one or a mixture of two or more selected from phenolic resin object. 請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物からなる成形品。Claim 1 or 2 molded article comprising the flame retardant resin composition.
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