JP3554989B2 - 釣り用浮き - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、飛距離があって、着水音が小さく、しかも魚信が取りやすいという釣り用浮きの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浮きは、釣り糸の途中に設けることによって目印となる部材であり、対象魚の種類や釣法、或いは釣り人の好みに応じて実に多種多様なものが存在している。しかしいずれにせよ通常の浮きの重要な目的は、魚信(アタリ)を正確に取ることができることにある。そのため、視認性を良好にするための工夫、風に影響されにくくするための工夫、発光させて夜間の浮き釣りを可能とする工夫、等々が凝らされている。
【0003】
さらに浮きは、その重量を利用して釣り仕掛け全体を遠くに飛ばすためにも役立つ。魚信を取るための浮きとは別体となったいわゆる「飛ばし浮き」と呼ばれるものがその顕著な例であるが、これほど特殊なものでなくとも浮き仕掛けを遠くに飛ばせれば遠くのポイントまで仕掛けを投入できるということで、飛距離を意識した浮きも多種見られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、「魚信の取りやすさ」と「飛距離」とはそれぞれ概ね相反する性質に基づいて得られる特質であって、鋭敏な浮きは軽いためにちょっとした向かい風にも苦しむことが多いし、飛距離の出る浮きはとかく鈍感になりがちで魚信を取りにくいことが多い。従って、釣法や対象魚によって、例えば小さな魚信にも敏感に反応するのが重要な場合には飛距離に関しては全く期待できないような浮きを使うようにしているのが実情であった。
【0005】
こうした背景から、向かい風にも強く、遠くのポイントまで的確に仕掛けを飛ばすことができ、しかも魚信が取りやすい浮きの出現が待たれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は上記諸点に鑑み鋭意研究の結果遂に本発明を成したものであり、その特徴とするところは、棒状頭部、ナス形本体部、及び棒状脚部とにより成る浮きであって、該棒状頭部と該ナス形本体部の表面は凹湾した曲面にて連続しており、該凹湾部分より下方の該本体部はすべて凸湾しており、且つ該本体部の最大幅部分よりも上方に凹湾と凸湾の変曲部分があり、また、該ナス形本体部の下端側はほぼ球体形状でありこの下端部に連続している脚部の下端位置には、浮力調整用錘と、釣り糸に掛止するためのカン金具が取設された点にある。
【0007】
ここで「棒状頭部」とは、浮きの第一の目的である「目印」となる箇所であって、ポイントに投入後水面から出ており、視認性が良好であるのが望ましい部分である。通常は、蛍光塗料その他で彩色されている。
【0008】
「ナス形本体部」は、浮き本体に浮力を付与するための箇所であり、楕円或いは長円の回転体に類似しているが、上方よりも下方の方が膨らみ(曲率半径)の大きいいわゆる「ナス」形の部材である。棒状頭部の表面とこのナス形本体部の表面とは凹湾した曲面で連続している。ここを凹湾させることによって、水中に投入された浮きは、投入角度をほぼ保ったまま、ブレることなく没してゆき、無駄な動きをすることなく浮上することになる。凹湾させると浮きがそうした挙動をとることは、本発明者が非常に多くの試作品を作成し、それらを実際に水中に投じて行なった実験によって発見した事実であり、理論的に導き出した結果ではないが、浮きが水中を相当の速度で進む時に浮き表面近くの水(海水)は、この凹湾箇所でウズを作り、浮きがブレようとした時にそのブレを回復させる方向に力が働くからではないかと想像している。
【0009】
また、ナス形本体部はその下端側の形状が球体に近い。通常の浮きは、本発明のものとは逆に、下端側は尖ったような形をしており、「ナス」の形で言えば、球面に近い方が上方に、細くなった方が下方になるようなものが多い。これについても種々試作実験したが、本発明のような形状の場合、着水音が非常に小さくなる。その理由を想像してみると、着水音は、浮きが水面に当たった時と、浮きが水中に入ってその部分の水を排除し、更に深く沈んで浮きの上方に空隙ができるのでそこに流れ込んでくる水同士が当たった時とに発生する。従来の下方が次第に細くなってゆくタイプの浮きの場合、水面に当たる際にはさして大きな音は発生しないが、くさびのように入ってゆくため速度があまり落ちず、水同士が当たる時に、当たる水の量が多くなる。従って、結果的には大きな音になってしまう。着水音が、釣りに及ぼす影響については、対象魚の泳層の深さや対象魚自身の音に対する警戒心の大小によって当然異なるものであるが、エサ取りと呼ばれる小魚には、音のする方に集まるという性質があるため、エサ取りの多い時期には浮きの回りに小魚が集まって対象魚のいる深さまで餌がゆかないということになり、釣りにくくなる。このような場合にも本発明浮きは効果を発揮する。
【0010】
「棒状脚部」は、ナス形本体部の下端位置と連続する棒状の部材であり、下端には浮力調整錘とカン金具が取設されている。「浮力調整錘」は、浮き本体を直立させること、及び魚信感度を上げることを目的に付設されたもので、特に新規な部材ではなく従来の構造のもので良い。また道糸を通して浮き本体を釣り糸に掛止するための部材である「カン金具」についても、従来の構造のもので良いものとする。
【0011】
更にこの棒上脚部は、細いものであるため使用する材質によっては強度面で問題がある場合もあるので、全体をチューブ状の構造としその孔に金属線である「補強用芯金」を挿入するようにしても良い。その場合、最も折れやすい位置は棒状脚部とナス形本体部との連結箇所であるので、この補強用芯金は該ナス形本体部に一部入るようにしておくと良い。
【0012】
【実施例】
以下図面に示す実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る釣り用浮き1(以下「本発明浮き1」という)の一例を示すものであり、図より明らかなように本発明浮き1は、棒状頭部2、ナス形本体部3、棒状脚部4とにより構成される、中央部の膨らみの大きい棒浮きの一種である。なお本実施例の浮きは、一本の木材を切削加工することによって、棒状頭部2、ナス形本体部3、棒状脚部4とを得たが、それぞれを別体としこれらを接着して製作しても機能面での問題はない。
【0014】
棒状頭部2は棒状、ナス形本体部3は楕円球状のものであるが、これらの連結箇所はなだらかに湾曲しており凹湾部分5を形成している。また凸湾部分31とこの凹湾部分5との境目である肩部32の位置は、ナス形本体部3の最も径が大きい箇所よりも上方にある。つまり本発明浮き1は、投下され水面に当たっ水中に没する際、最も太い部分(即ちナス形本体部3の下側付近)が水を押し退けた後徐々に細くなっているので、急激に細くなったものに比して、空洞部分の体積が小さく、着水音が小さくて済む。この点について本発明者は、図2に示すような形状の浮き2種A、Bを用いて本発明浮き1と着水音を比較してみたがその差は歴然としていた。
【0015】
本発明浮き1の場合、下端に錘があるという構造であるため、水中に投下された場合この錘部分が最下端になるという形で没してゆくが、今までの浮きでは真っ直ぐに沈まずすぐにブレてしまっていた。ところが本発明浮き1の場合にはそのようなことは全くない。その理由は定かではないが、凹湾部分5の形状のみが異なる3種の浮きC、D、Eを試作して(図3)、これにてブレの実験を行なったところ本発明浮き1と同様該箇所が凹湾したもの(Cの浮き)はほとんどブレず、他(D及びEの浮き)ではブレて扱いにくいことが分かった。理由を想像してみると、C型の浮きの場合、凹湾部分5を有しているため、水中を進んでゆく際渦Sが発生する。この渦Sは、真っ直ぐに進んでいる場合には大きさが均等であるが、浮きが左右どちらかにブレると、大きさが変わり浮きを真っ直ぐな状態に戻すような力を発生させるのではないかと想像する。
【0016】
棒状脚部4は、その下端側位置に、浮力調整用錘41と、カン金具42とを有している。図1にて示した例では、逆円錐形状をした錘に市販されているサルカンを嵌めて製作したが、一体的に製作しても良いものとする。なお、カン金具42のカン自体は、可回動にするのが好ましい。
【0017】
図4は、本発明浮き1の一例の断面を概略的に示したものであり、本例では棒状脚部4がチューブ状に構成されておりその孔には補強用芯金43が嵌め込まれている。この補強用芯金43は、棒状脚部4のみならずナス形本体部3の一部にまで入り込み、棒状脚部4の折曲に対する強度の向上を図っている。
【0018】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係る釣り用浮きは、棒状頭部、ナス形本体部、及び棒状脚部とにより成る浮きであって、該棒状頭部と該ナス形本体部の表面は凹湾した曲面にて連続しており、該凹湾部分より下方の該本体部はすべて凸湾しており、且つ該本体部の最大幅部分よりも上方に凹湾と凸湾の変曲部分があり、また、該ナス形本体部の下端側はほぼ球体形状でありこの下端部に連続している脚部の下端位置には、浮力調整用錘と、釣り糸に掛止するためのカン金具が取設されたものであることを特徴とするものであって、以下述べる如き種々の効果を有する極めて高度な発明である。
【0019】
▲1▼ 浮きの肩部の径よりも、ナス形本体部下方の径の方が大きいため、浮きが水中深くまで没せず、且つ着水音も微小になる。
▲2▼ 意識して太い部分を設けたために、従来の棒形の浮きに比して重量があるため、遠飛距離が出、遠くのポイントに的確に投入できる。
▲3▼ ナス形本体部の肩部分よりも上方の湾曲形状が凹湾なので、水中を真っ直ぐに沈んでゆくので、仕掛けが絡んだりすることもないし、着水したポイントに浮上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浮きの一例を示す正面図である。
【図2】A、Bは共に浮きの従来例を示す正面図である。
【図3】ナス形本体部と棒状頭部との連結部分の形状を3種示した全て正面図であり、C、D、EのうちCが本発明のものの形状を示す。
【図4】本発明に係る浮きの一例の概略断面図である。
【符号の説明】
1 本発明に係る浮き
2 棒状頭部
3 ナス形本体部
31 凸湾部分
32 肩部
4 棒状脚部
41 浮力調整用錘
42 カン金具
43 補強用芯金
5 凹湾部分
S 渦

Claims (2)

  1. 棒状頭部、ナス形本体部、及び棒状脚部とにより成る浮きであって、該棒状頭部と該ナス形本体部の表面は凹湾した曲面にて連続しており、該凹湾部分より下方の該本体部はすべて凸湾しており、且つ該本体部の最大幅部分よりも上方に凹湾と凸湾の変曲部分があり、また、該ナス形本体部の下端側はほぼ球体形状でありこの下端部に連続している脚部の下端位置には、浮力調整用錘と、釣り糸に掛止するためのカン金具が取設されたものであることを特徴とする釣り用浮き。
  2. 棒状脚部は、その長手方向に沿って孔が設けられたチューブ状のものであり、該孔内には補強用芯金が該ナス形本体部内に一部入る形で挿入されているものである請求項1記載の釣り用浮き。
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