JP3554918B2 - 規正線テープ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、液体の流下経路を形成する規正線テープ、とりわけ、熱媒体液、栽培栄養液、搬送流体等の移動経路を形成する規正線テープに係る。
【0002】
【従来の技術】
シートの表面に疎液性部分と親液性部分をすじ状に交互に設けて液体の流れを規正する流下規正シートは公知となっている。規正線構造は、吸水性基材に疎液性材料をコーティングするラミネーション加工技術を利用して形成することができる。しかしながら、市販シートの材質は多岐に及んでおり、色彩/デザインも多種多様なものを用意しなければならないため、これら既存のシートの箇々のものにつき規正線加工を施すことは事実上困難である。
本件出願人は液体吸収性能を備えた接着テープを希望するシート表面に貼り付けて規正線シートを製作する方法につき詳細な検討を加えてきた。例えば、スポット吸水性のある基材ストリップを用いて接着テープを製作し、このテープをシート表面に貼り付けて規正線シートを製作する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このテープを貼り付けたシートは、周囲雰囲気の水蒸気分圧が低ければテープ部分が蒸発面として作用するため、蒸発または蒸発に伴う潜熱損失を利用する用途に用いる場合には都合よいが、蒸発作用が障害となる用途、例えば、北海道のような冷寒地における屋根流水融雪面に使用した場合には風の影響も相まって熱媒体が急速に凍結してしまい、また集熱器の集熱体表面に使用した場合、温度上昇に伴う蒸発潜熱損失の増加により熱媒体が昇温しにくい等の欠点がある。
尚、搬送流体が食品であれば外部雰囲気に直接接触することは好ましくない。
【0004】
同一出願人による先願の実願平5−68980号は、前述した課題を解決するテープとして本件出願人により試作され好結果の得られたテープについて明らかにしている。このテープは基材ストリップとカバーストリップで保液層を挟み、この保液層の少なくとも一方の側部を露出させて構成されている。
前述の構成によれば、保液層側部からはみ出すことのある液体は基材ストリップを接着した被接着面に直接接触する可能性があり、液体の接触が被接着面に好ましくない影響を与えることがある。例えば、規正線テープを融雪/集熱または加熱/冷却用の熱交換テープとして使用する場合、被接着面が屋根のような金属板からできていれば液体による腐食が進み、栽培栄養液や食品溶液であればテープ縁に残留する付着液の乾燥/腐敗によりテープ周囲が汚染され異臭を放つようになる。あるいは、被接着面が液体吸収性を備え、この性質が好ましくない場合、液体を確実に遮断する必要がある。
本発明は、前述した従来技術の課題を解決した簡単な構造の安価な多目的汎用テープを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による規正線テープは、一方の側の表面を接着面として利用可能な疎液性材料からなる基材ストリップと、この基材ストリップの反対側の表面に接着された液体吸収性に富む保液層と、この保液層の表面に接着された疎液性材料からなるカバーストリップとを有し、保液層の少なくとも一方の側部が露出し、この露出する保液層の側縁を基材ストリップの側縁より内側に間隔をあけて配置する構造が採用されている。
【0006】
基材ストリップは接着材を用いて被接着面に貼り付けられる。任意の姿勢で希望する向きに貼り付けた規正線テープに流体が流される。保液層に沿って移動する流体はその殆どの部分が隠蔽された経路内を移動し、露出する部分は側縁に沿った部分に限られる。従って、液体の露出面積が大幅に減り熱媒体液の蒸発は抑制され、規正線テープを貼り付けた被接着面を別に用意した遮蔽シートで覆う2層シート構造とする必要がない。また、保液層内に残留する空気は流下する熱媒体液により圧縮されると保液層側部の開放縁から排気され、また流量が多過ぎたり過度の圧力がかかる場合、流体は解放縁から流出することもあるが流失した液体はテープ縁に付着したまま流下し、その一部は再び保液層に吸収され残りのものもテープ側縁に付着した状態で移動しテープから剥離することがない。
【0007】
疎液性材料からなるテープ側縁が横に拡張され、この疎液性材料がテープの保液層の露出側部に接する幅のある境界域を形成しているため、保液層から漏出する液体は自発的に保液層に復帰する挙動を示し、できるだけ被接着面に液体を接触させないで流下さすことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明にかかる規正線テープの第1の実施例を示す斜視説明図である。この規正線テープは、疎液性材料からなる基材ストリップ1を備えている。この基材ストリップ1の一方の側の表面は接着面として利用される。図示の例では、この接着面に接着材2が塗布されている。基材ストリップ1の反対側の表面には液体吸収性に富む保液層3が接着されている。さらに、この保液層3の表面には疎液性材料からなるカバーストリップ4が接着されている。保液層の側部は、図1に示す例では両側が露出している。保液層の側部は両側部がシールされることはなく、少なくとも一方が露出するようにされている。また、この露出する保液層の側縁は基材ストリップの側縁より内側に間隔をあけて配置されている。
【0009】
図2は、前記基材ストリップ1とカバーストリップ4の一方の側縁部が互いに連結され、保液層の一方の側部を隠蔽し他方の側部を解放し、この保液層の解放側の側縁を基材ストリップの側縁より間隔を置いて配置した規正線テープが示されている。
【0010】
図3は、横断面が基材ストリップ1の側に向く窪みを形成した湾曲断面を呈するカバーストリップ4を示している。このカバーストリップは自由端側の側縁が基材ストリップに接触するか近接して位置している。これとは別に、カバーストリップは平坦にしておき、自由端を折り曲げて基材ストリップに接触させるか近接させることができる。尚、このカバーストリップの露出する側の表面には、このカバーストリップよりも幅の狭い液体吸収性に富む保液層5を接着することができる。
【0011】
前記基材ストリップまたはこの基材ストリップの一方の側の表面に塗布された接着材、あるいはカバーストリップまたはカバーストリップの露出面に接着される保液層は黒色、赤色、青色等の集熱の可能な色彩に着色しておくことができる。
【0012】
【発明の効果】
前述の如く構成することにより、任意の資材の表面に張り付ける単純な作業により必要間隔の規正線を造作することができ、複雑な形態をした立体面であっても規正線を理想的な間隔/方向に自由に装着できる利便性がある。また、この規正線テープによれば、集熱器等に使用する場合、後方の遮蔽シートがなくとも液体の蒸発を最大限抑制することができる。流下経路にエアーロックが生じることがなく、過度の液圧は側部に解放され過剰な量の移動流体は流下経路から排除され、排除された熱媒体液は基材シート端部から隔離されるため被接着面が液体の影響を受けににくく、また圧力逃がし構造により流下経路の損傷を防ぐことができ、蒸発量の少ない確実な流下規正効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る規正線テープの一実施例を示す断面斜視図。
【図2】本発明に係る規正線テープの他の実施例を示す断面斜視図。
【図3】本発明に係る規正線テープの別の実施例を示す断面斜視図。
【符号の説明】
1 基材ストリップ
2 接着材
3 保液層
4 カバーストリップ
5 カバーストリップに装着した保液層
Claims (5)
- 一方の側の表面を接着面として利用可能な疎液性材料からなる基材ストリップと、この基材ストリップの反対側の表面に接着された液体吸収性に富む保液層と、この保液層の表面に接着された疎液性材料からなるカバーストリップとを有し、保液層の少なくとも一方の側部が露出し、この露出する保液層の側縁を基材ストリップの側縁より内側に間隔をあけて配置してなる規正線テープ。
- 請求項1に記載された規正線テープにおいて、前記基材ストリップとカバーストリップの一方の側縁部が互いに連結され、保液層の一方の側部を隠蔽し他方の側部を開放してなる規正線テープ。
- 請求項1または2に記載された規正線テープにおいて、前記カバーストリップは、その横断面が基材ストリップの側に向く窪みを形成した湾曲断面を呈する規正線テープ。
- 請求項2または3に記載された規正線テープにおいて、前記カバーストリップは自由端側の側縁が基材ストリップに接触するか近接して位置する規正線テープ。
- 請求項1から4の何れか一つに記載された規正線テープにおいて、前記カバーストリップは、露出する側の表面にこのカバーストリップよりも幅の狭い液体吸収性に富む保液層が接着されている規正線テープ。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP20215399A JP3554918B2 (ja) | 1999-06-12 | 1999-06-12 | 規正線テープ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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JP20215399A Expired - Fee Related JP3554918B2 (ja) | 1999-06-12 | 1999-06-12 | 規正線テープ |
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1999
- 1999-06-12 JP JP20215399A patent/JP3554918B2/ja not_active Expired - Fee Related
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