JP3554814B2 - 高粘性油回収装置 - Google Patents
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- Y02A20/20—Controlling water pollution; Waste water treatment
- Y02A20/204—Keeping clear the surface of open water from oil spills
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は高粘性化した流出油や油タンク内の残渣油、低温度のために高粘性となった流出油を回収する装置である。
【０００２】
【従来の技術】
従来の回収装置では平坦なベルトによって流出油を回収するものは回収効率が低く、油掻き取り板を有するものはベルトが網ベルトとレーキベルトの二重構造をしていて複雑な機構となっている。また回収装置は船舶に搭載されて固定された設備が殆どである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
海上を浮遊する高粘性油はゲル化したり固化したりしているため、固体を回収する場合に類似したふるまいをする。高粘性油の回収は平坦な板状のベルトでは浮遊する油が板の上に乗らず回収できないため、流れや波の影響を受けないように網状のベルトとしなければならない。また高粘性油は水流が弱く、プカプカと浮いている状態では網ベルトの上に乗ってこない。このため、高粘性油を掻き取るようにする必要があるとともに、浮遊する高粘性油を油掻き取り部に吸引したり、回収ベルトを航走させたり自走させる必要がある。また油タンク内等の床上に付着した高粘性油を回収するためには油掻き取り板が床面に接触しながら油を掻き取れるようにベルトの内側にスライドする必要がある。さらに高粘性油はベルトを反転させただけでは脱落せず、回収できないことが多いので強制的にベルトから油を落とす機構が必要である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は高粘性油を回収するために、油回収ベルトをループ状の網ベルトに一定のピッチで油掻き取り板を取り付けた一体構造とし、海上に浮遊する高粘性油を掻き取るようにする。油回収ベルトに回収された油は通常はヘラやブラシやローラーで掻き落とされるが、本発明では油掻き取り板を設けたため通常の方法を適用できない。そこで油回収ベルトの上部に加熱保温区画を設けるとともに、ベルトが水平になる部分を設けて、水平部の下側で回収した油が重力で落ちやすくするとともに、水平部の前部及びベルト内側から回収油に高温の温風または蒸気を吹き付けることにより、油の粘度を小さくするとともに、吹き付ける圧力により完全に回収油が脱落するようにした。
また、油タンク内の残渣油を回収できるように油掻き取り板をベルトにスライドできるように取り付けた。
海上に浮遊する流出油を油回収ベルトの油掻きとり部に誘導するためには、油回収ベルトを回収船に取り付けて航走するか、海流に向かって船をたてるか、水中ポンプで流出油を吸引する等の必要がある。本発明は狭い場所、浅い海、流れが緩やかな所にも適用できるように、油回収部のみ独立させて、離れた場所から回収処理ができるようにした。また油タンク内で使用する場合には油回収部を台車に取り付けてタンク内を移動させるようにすればよい。
【０００５】
【発明の実施の形態】
高粘性油回収装置を図１、図２に示す。図示した装置はポンプと組み合わせて水上で使用した場合を示す。油回収ベルトの詳細を図３に示す。また油掻き取り板の詳細を図４に示す。
【０００６】
油回収ベルト１の油掻きとり部２で回収された油は上方のベルト水平部３において、温風または蒸気により加熱されて粘性が低下するとともに、温風または蒸気を温風吹き付けノズル４で吹き付けることにより、油回収ベルトから完全に脱落する。
【０００７】
油回収ベルトから回収した油を脱落させるために、油回収ベルトの上部は周辺に熱が逃げないように保温区画５を形成している。脱落した油は下方の油溜６に溜まり、回収船等にホース７で吸引されて回収される。ホースによる吸引が困難な固化した油等は油溜からベルトコンベアー等で回収可能である。
【０００８】
高粘性油回収装置は喫水線がほぼ一定に保たれ、波浪や海流等の影響を受けず、周辺の油を水中ポンプ８により吸引すれば連続的に回収が可能である。
【０００９】
油回収ベルト１はプラスチック製の網９をゴム板等で周辺を補強して駆動板１０及び油掻き取り板１１の鋼板１６にビス等で取り付けた構造をしている。また駆動板及び油掻き取り板の両端をループ状のワイヤー１２及びスペーサー１３により一定の間隔となるようにループを形成させる。油回収ベルトの駆動は駆動板及び油掻き取り板の中央に明けた駆動用穴１４に駆動ギアの歯がかみ合って駆動される。
油掻き取り板はプラスチック製の支持板１５の間をスライドできるように、鋼板１６と複数のバネ１７で連結されている。
【００１０】
【発明の効果】
本発明はポンプ等と組み合わせればこれまで回収が十分できなかった高粘性の流出油を狭い場所、浅い海はもとより外海において効率的に回収できるものである。また本装置を台車等と組み合わせれば油タンク内部の残渣油の回収に使用することができる。さらにまた油回収ベルトの網目を細かくすれば、粘性の低い油の回収も可能であり、その時は吹き付ける空気を加熱しなくてもよい。またゴミ等の回収も可能であり、本発明は同一の機構で多機能の用途が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】高粘性油回収装置の全体図（側面図）である。
【図２】高粘性油回収装置の全体図（平面図）である。
【図３】油回収ベルトの詳細図である。
【図４】油掻き取り板の詳細図である。
【符号の説明】
１ 油回収ベルト
２ 油掻き取り部
３ ベルト水平部
４ 温風吹き付けノズル
５ 保温区画
６ 油溜
７ ホース
８ 水中ポンプ
９ 網
１０ 駆動板
１１ 油掻き取り板
１２ ワイヤー
１３ スペーサー
１４ 駆動用穴
１５ 支持板
１６ 鋼板
１７ バネ
【発明の属する技術分野】
本発明は高粘性化した流出油や油タンク内の残渣油、低温度のために高粘性となった流出油を回収する装置である。
【０００２】
【従来の技術】
従来の回収装置では平坦なベルトによって流出油を回収するものは回収効率が低く、油掻き取り板を有するものはベルトが網ベルトとレーキベルトの二重構造をしていて複雑な機構となっている。また回収装置は船舶に搭載されて固定された設備が殆どである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
海上を浮遊する高粘性油はゲル化したり固化したりしているため、固体を回収する場合に類似したふるまいをする。高粘性油の回収は平坦な板状のベルトでは浮遊する油が板の上に乗らず回収できないため、流れや波の影響を受けないように網状のベルトとしなければならない。また高粘性油は水流が弱く、プカプカと浮いている状態では網ベルトの上に乗ってこない。このため、高粘性油を掻き取るようにする必要があるとともに、浮遊する高粘性油を油掻き取り部に吸引したり、回収ベルトを航走させたり自走させる必要がある。また油タンク内等の床上に付着した高粘性油を回収するためには油掻き取り板が床面に接触しながら油を掻き取れるようにベルトの内側にスライドする必要がある。さらに高粘性油はベルトを反転させただけでは脱落せず、回収できないことが多いので強制的にベルトから油を落とす機構が必要である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は高粘性油を回収するために、油回収ベルトをループ状の網ベルトに一定のピッチで油掻き取り板を取り付けた一体構造とし、海上に浮遊する高粘性油を掻き取るようにする。油回収ベルトに回収された油は通常はヘラやブラシやローラーで掻き落とされるが、本発明では油掻き取り板を設けたため通常の方法を適用できない。そこで油回収ベルトの上部に加熱保温区画を設けるとともに、ベルトが水平になる部分を設けて、水平部の下側で回収した油が重力で落ちやすくするとともに、水平部の前部及びベルト内側から回収油に高温の温風または蒸気を吹き付けることにより、油の粘度を小さくするとともに、吹き付ける圧力により完全に回収油が脱落するようにした。
また、油タンク内の残渣油を回収できるように油掻き取り板をベルトにスライドできるように取り付けた。
海上に浮遊する流出油を油回収ベルトの油掻きとり部に誘導するためには、油回収ベルトを回収船に取り付けて航走するか、海流に向かって船をたてるか、水中ポンプで流出油を吸引する等の必要がある。本発明は狭い場所、浅い海、流れが緩やかな所にも適用できるように、油回収部のみ独立させて、離れた場所から回収処理ができるようにした。また油タンク内で使用する場合には油回収部を台車に取り付けてタンク内を移動させるようにすればよい。
【０００５】
【発明の実施の形態】
高粘性油回収装置を図１、図２に示す。図示した装置はポンプと組み合わせて水上で使用した場合を示す。油回収ベルトの詳細を図３に示す。また油掻き取り板の詳細を図４に示す。
【０００６】
油回収ベルト１の油掻きとり部２で回収された油は上方のベルト水平部３において、温風または蒸気により加熱されて粘性が低下するとともに、温風または蒸気を温風吹き付けノズル４で吹き付けることにより、油回収ベルトから完全に脱落する。
【０００７】
油回収ベルトから回収した油を脱落させるために、油回収ベルトの上部は周辺に熱が逃げないように保温区画５を形成している。脱落した油は下方の油溜６に溜まり、回収船等にホース７で吸引されて回収される。ホースによる吸引が困難な固化した油等は油溜からベルトコンベアー等で回収可能である。
【０００８】
高粘性油回収装置は喫水線がほぼ一定に保たれ、波浪や海流等の影響を受けず、周辺の油を水中ポンプ８により吸引すれば連続的に回収が可能である。
【０００９】
油回収ベルト１はプラスチック製の網９をゴム板等で周辺を補強して駆動板１０及び油掻き取り板１１の鋼板１６にビス等で取り付けた構造をしている。また駆動板及び油掻き取り板の両端をループ状のワイヤー１２及びスペーサー１３により一定の間隔となるようにループを形成させる。油回収ベルトの駆動は駆動板及び油掻き取り板の中央に明けた駆動用穴１４に駆動ギアの歯がかみ合って駆動される。
油掻き取り板はプラスチック製の支持板１５の間をスライドできるように、鋼板１６と複数のバネ１７で連結されている。
【００１０】
【発明の効果】
本発明はポンプ等と組み合わせればこれまで回収が十分できなかった高粘性の流出油を狭い場所、浅い海はもとより外海において効率的に回収できるものである。また本装置を台車等と組み合わせれば油タンク内部の残渣油の回収に使用することができる。さらにまた油回収ベルトの網目を細かくすれば、粘性の低い油の回収も可能であり、その時は吹き付ける空気を加熱しなくてもよい。またゴミ等の回収も可能であり、本発明は同一の機構で多機能の用途が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】高粘性油回収装置の全体図（側面図）である。
【図２】高粘性油回収装置の全体図（平面図）である。
【図３】油回収ベルトの詳細図である。
【図４】油掻き取り板の詳細図である。
【符号の説明】
１ 油回収ベルト
２ 油掻き取り部
３ ベルト水平部
４ 温風吹き付けノズル
５ 保温区画
６ 油溜
７ ホース
８ 水中ポンプ
９ 網
１０ 駆動板
１１ 油掻き取り板
１２ ワイヤー
１３ スペーサー
１４ 駆動用穴
１５ 支持板
１６ 鋼板
１７ バネ
Claims (1)
- ループ状の網目構造の油回収ベルトに海上に浮遊する高粘性油を掻き取るたの油掻き取り板を取り付け、油回収ベルトの上部に加熱保温区画を設けるとともに油回収ベルトに水平部を設けて、水平部の下側で掻き取った油を高温の温風または蒸気により加熱するとともに、温風または蒸気を吹き付けることにより高粘性の回収油を完全に脱落させて回収することを特徴とし、また海上に浮遊する高粘性油を連続的に効率よく回収するために、水中ポンプにより高粘性油を油掻き取り部に吸引して回収することを特徴とする高粘性油回収装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32586899A JP3554814B2 (ja) | 1999-10-13 | 1999-10-13 | 高粘性油回収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32586899A JP3554814B2 (ja) | 1999-10-13 | 1999-10-13 | 高粘性油回収装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001115438A JP2001115438A (ja) | 2001-04-24 |
| JP3554814B2 true JP3554814B2 (ja) | 2004-08-18 |
Family
ID=18181524
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32586899A Expired - Lifetime JP3554814B2 (ja) | 1999-10-13 | 1999-10-13 | 高粘性油回収装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3554814B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105035277A (zh) * | 2015-07-31 | 2015-11-11 | 郑景文 | 海洋油污清理干冰球的使用方法 |
| KR102230385B1 (ko) * | 2019-11-27 | 2021-03-23 | (주)진합 | 국소부위 가열 레이저를 이용한 폐수 상온 증발 및 재생장치 |
| EP4019700A1 (en) * | 2020-12-22 | 2022-06-29 | Korea Institute of Ocean Science and Technology | High viscosity oil recovery device for sea spill and method thereof |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5498112B2 (ja) * | 2009-09-29 | 2014-05-21 | 富士重工業株式会社 | 浄化装置 |
| CN102383409B (zh) * | 2011-08-03 | 2013-06-19 | 哈尔滨工业大学 | 水面收油装置 |
| CN104944518B (zh) * | 2015-06-08 | 2017-03-15 | 徐州工程学院 | 一种污水处理的刮油装置 |
-
1999
- 1999-10-13 JP JP32586899A patent/JP3554814B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105035277A (zh) * | 2015-07-31 | 2015-11-11 | 郑景文 | 海洋油污清理干冰球的使用方法 |
| KR102230385B1 (ko) * | 2019-11-27 | 2021-03-23 | (주)진합 | 국소부위 가열 레이저를 이용한 폐수 상온 증발 및 재생장치 |
| EP4019700A1 (en) * | 2020-12-22 | 2022-06-29 | Korea Institute of Ocean Science and Technology | High viscosity oil recovery device for sea spill and method thereof |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2001115438A (ja) | 2001-04-24 |
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Legal Events
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| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030408 |
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