JP3553857B2 - 波長変換回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は波長変換回路に関し、特に、大容量光通信用に検討が進められている波長多重伝送方式等において有限な波長帯域を効率的に再利用するために有効な波長変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体増幅器などの非線形現象に伴う屈折率変化を用いた相互位相変調方式は、波形整形特性や低チャーピング伝送特性を持つことが知られ、有効な波長変換手段と考えられている。
【0003】
図6に、従来のこの種の位相変調型波長変換回路の一構成例を示す。図6において、参照符号1,2は入出力端面に反射防止膜を施した半導体光増幅器、9はマッハツェンダ型干渉回路を構成するための光導波回路を示している。光導波回路9は、光合分波器3と光合分波器4と光合分波器8とを含んで構成される。光合分波器8は外部からの入力CW光を2分して半導体光増幅器1,2へ入射する。光合分波器3は半導体光増幅器1,2から出射される光を合波する。光合分波器4は、1,0の信号成分を持った信号光を外部から半導体光増幅器1へ入射する。
【0004】
このような構成系において、CW光入力ポート5から入射したCW光は光合分波器8で2分岐され、半導体光増幅器1および2に入射する。両半導体光増幅器の出力光は光合分波器3で再び合波され、出力ポート6から出射される。このとき、2つの半導体光増幅器1および2への注入電流を、2つの光干渉路の位相差2πn(nは正数)が0となるように調整しておくと、干渉効果によって強め合った光が出力ポート6から出射される。
【0005】
次に、信号光入力ポート7から信号光を光合分波器4を介して半導体光増幅器1へ入射すると、半導体光増幅器1の飽和現象によりキャリア密度が減少する。キャリア密度減少によって屈折率変化が引き起こされ、このため、マッハツェンダ型干渉回路の2つの経路間の位相差2πnがπとなって、弱め合った光が出力ポート6から出射される。このように、入力したCW光の波長に信号光を重畳する(この例ではON/OFF反転)ことができるので、波長変換回路として動作することになる。
【0006】
また、上述した例は位相差2πnを0からπへ変化させることによって信号光のONとOFFの関係が反転した出力光に変換する場合を示したが、位相差の初期条件をπに調整しておくことによって、位相差2πnをπから0へ変化させる非反転の出力光へ変換を行うことができる。
【0007】
このような波長変換回路には、入力光に対して偏波依存性のない特性が望まれる。入力光の偏波依存性は主に半導体光増幅器に起因するが、該半導体光増幅器へ入射する信号光偏波がTEモードの時の素子利得とTMモードの時の素子利得との差が十分に小さければ(<0.5dB)、入力信号光に対する偏波制御は不要になる。
【0008】
回路素子のモジュール化において有効な手段であるPLCを用いたハイブリッド集積波長変換回路では、半導体光増幅器にPLCとの結合効率を向上させるためのスポットサイズ変換回路を設けている(以降、この素子をSS−SOAと呼ぶことにする)。この場合、結合効率と活性層の利得を合わせたトータル利得を、変換回路が偏波無依存で動作できる様に設定している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記SS−SOAを波長変換に用いる場合、利得にではなく、屈折率変化に偏波依存性がないことが望まれる。しかしながら、SS−SOAは結合効率に偏波依存性を有しているため、活性層に入射する光強度が偏波によって異なることになる。また、活性層の断面構造も作製上の観点から横長構造になっているため、例え同一強度の光が入射された場合であっても屈折率の変化量が異なってしまう。以上の2つの理由から、SS−SOAを用いた従来型の波長変換回路では、CW光にともなう屈折率変化に偏波依存性が残存するという課題があった。
【0010】
図7は従来例の波長変換回路による波長変換特性の測定結果を示す特性図である。
【0011】
図7において、●は最適に設定された波長変換特性を表し、○はCW光の入力偏波の変化によって最適状態から外れた波長変換特性を表す。この測定結果は、CW光に対する偏波依存性のため、信号光入力に対して出力消光比が劣化することを示している。
【0012】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、半導体光増幅器に残存する屈折率変化の偏波依存性を解消し得る波長変換回路を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る請求項1の発明は、CW光を分岐する分波手段と、前記分岐されたCW光を増幅する第1および第2の光増幅手段と、前記第1および第2の光増幅手段による増幅光を合波した出力光が出射される第1および第2の出力部を有する合波手段と、信号光を前記第1の光増幅手段に入射する手段とを備え、前記CW光の波長に前記信号光を重畳する位相変調型の波長変換回路において、前記第1の出力部から前記第2の出力部に、および前記第2の出力部から前記第1の出力部に、前記出力光を伝搬して入射させるループ状の導波手段と、前記導波手段の途中に設けられており、通過する光の偏波面の向きを略90度回転させるλ/2波長板とを備えた波長変換回路を提供する。
【0014】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の波長変換回路において、前記導波手段の途中に、前記各手段における損失を補償するための、偏波依存性を持たない光増幅手段をさらに備えた波長変換回路を提供する。
【0015】
また、請求項3の発明は、CW光を分岐する分波手段と、前記分岐されたCW光を増幅する第1および第2の光増幅手段と、前記第1および第2の光増幅手段による増幅光を合波した出力光が出射される第1および第2の出力部を有する合波手段と、信号光を前記第1の光増幅手段に入射する手段とを備え、前記CW光の波長に前記信号光を重畳する位相変調型の波長変換回路において、前記第1の出力部から前記第2の出力部に、および前記第2の出力部から前記第1の出力部に、前記出力光を伝搬して入射させる手段であって、その一端と前記第1の出力部との接続部における偏波方向と、その他端と前記第2の出力部との接続部における偏波方向が略90度異なるループ状の導波手段を備えた波長変換回路を提供する。
【0016】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の波長変換回路において、前記導波手段は1本の偏波保持光ファイバを含み、前記一端に対して前記他端が略90度、その軸方向を中心としてねじられて、その両端を前記第1および第2の出力部に接続された波長変換回路を提供する。
【0017】
また、請求項5の発明は、請求項3に記載の波長変換回路において、前記導波手段は、2本の偏波保持光ファイバを相互接続する手段であって、その接続部を通過する光の偏波面の向きを略90度回転させる回転接続手段と、前記第1の出力部と前記回転接続手段の間に接続される第1の偏波保持光ファイバと、前記第2の出力部と前記回転接続手段の間に接続される第2の偏波保持光ファイバとを備えた波長変換回路を提供する。
【0018】
また、請求項6の発明は、CW光を分岐する分波手段と、前記分岐されたCW光を増幅する第1および第2の光増幅手段と、前記第1および第2の光増幅手段による増幅光を合波した出力光が出射される第1および第2の出力部を有する合波手段と、信号光を前記第1の光増幅手段に入射する手段とを備え、前記CW光の波長に前記信号光を重畳する位相変調型の波長変換回路において、前記第1の出力部から前記第2の出力部に、および前記第2の出力部から前記第1の出力部に、前記出力光を伝搬して入射させるループ状の導波手段と、前記導波手段の途中に設けられており、通過する光の偏波面の向きを調整して略90度回転させる偏波調整手段とを備えた波長変換回路を提供する。
【0019】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の波長変換回路において、前記導波手段は、前記第1の出力部と前記偏波調整手段の間に接続される第1のシングルモード光ファイバと、前記第2の出力部と前記偏波調整手段の間に接続される第2のシングルモード光ファイバとを備えた波長変換回路を提供する。
【0020】
また、請求項8の発明は、CW光を分岐する分波手段と、信号光と前記分岐されたCW光を合波する第1の合波手段と、前記第1の合波手段からの前記CW光および前記分岐されたCW光のうち別のCW光を増幅する第1および第2の光増幅手段と、前記第1および第2の光増幅手段による増幅光を合波した出力光が出射される出力部を有する第2の合波手段とを備え、前記CW光の波長に前記信号光を重畳する位相変調型の波長変換回路において、前記出力部から出射される光を導波する手段であって、前記光の偏波面の向きを略90度回転させて前記出力部に再入射させる導波手段を備えた波長変換回路を提供する。
【0021】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の波長変換回路において、前記導波手段は、前記出力部に一端を接続された導波路と、前記導波路の途中に設けられており、通過する光の偏波面の向きを略45度回転させるλ/4波長板と、前記λ/4波長板の後段に設けられており、前記λ/4波長板を通過した光のうち前記CW光と略同一波長の光を選択的に反射して、前記λ/4波長板に入射させる反射手段とを備えた波長変換回路を提供する。
【0022】
また、請求項10の発明は、請求項9に記載の波長変換回路において、前記反射手段をグレーティングとした波長変換回路を提供する。
【0023】
【作用】
上記した各請求項に記載の構成を備えた本発明に係る波長変換回路によれば、第1の合波手段が有する第1および第2の出力部(または出力部)に出射される光は、導波手段を伝搬されて第1および第2の出力部(または出力部)に再入射されるときに偏波面の向きが略90度回転されている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る波長変換回路の実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る波長変換回路の第1実施形態の構成を示すもので、石英系導波路からなるPLC光波回路で構成されるものとする。
【0026】
同図において、参照符号101〜102は半導体光増幅器、11はマッハツェンダ型干渉計を構成するための光導波回路を示している。半導体光増幅器101〜102の図中両側の端面には反射防止膜が施されている。半導体光増幅器101〜102として、SS−SOA(スポットサイズ変換回路)を想定している。
【0027】
光導波回路11は、光合分波器121〜123と導波路131,132とλ/2波長板14とを含んで構成される。光合分波器121は、導波路131からの入力CW光を2分岐して、導波路141,142を介して半導体光増幅器101,102に入射する。また光合分波器121は、導波路141,142から到来する光を合波して導波路132より出射する。
【0028】
光合分波器122は半導体光増幅器101の増幅出力を光合分波器123に出射する。光合分波器122はさらに、導波路133を介して外部から入射する、1,0の信号成分を持った信号光を分波して半導体光増幅器101およびポート135に入射する。光合分波器123から光合分波器122に到来する光も同様に分波される。分波された信号光は1/2に減衰して半導体光増幅器101に入射される。ポート135は本発明に必須の要素ではない。
【0029】
光合分波器123は、半導体光増幅器102で増幅されて出射され導波路145を伝搬する光を、半導体光増幅器101から光合分波器122および導波路146を介して到来する光と合波し、これを出力部151,152に設けた導波路153,154に出射する。導波路153と154の接合部にはλ/2波長板14が設置され、図示したようにループが構成されている。λ/2波長板14は、このループを両方向に通過する光の偏波面を90度回転させる機能を有している。
【0030】
ここで図6に戻って従来例の注目すべき点を説明する。マッハツェンダ干渉計に位相差が無い状態に設定しておくとすると、(従来の技術)で記述した様に信号光のON/OFF(1,0)状態に応じて2つの光干渉路の位相差2πnがπと0の間で変化し、これにより、CW光波長にOFF/ON信号を重畳することができる。しかしながら(発明が解決しようとする課題)に記述した様にSS−SOAの屈折率変化に偏波依存性が残存するため、CW光入力ポート5からCW光を入射した際の光合分波器3の出力ポート6において最大出力となるようにSS−SOAの電流値を調整した際に、CW光の偏波依存性として〜2dBが観測されていた。
【0031】
上記偏波依存性を克服するために、本実施形態では図1中の光合分波器123の出力導波路をループ状に構成した。すなわち、導波路153の各端部を出力部151とλ/2波長板14に接続し、導波路154の各端部を出力部152とλ/2波長板14に接続してループ状の導波路を構成した。
【0032】
λ/2波長板14を通過する光は偏波面の向きを90度回転されるため、光合分波器123の出力部151からλ/2波長板14を通って伝搬されて出力部152に入射されて光合分波器123に戻る光(CW光)は、当初の偏波状態に対して90度回転していることになる。光合分波器123の出力部152からλ/2波長板14を通って伝搬されて出力部151に入射されて光合分波器123に戻る光(CW光)も、同様に90度回転している。
【0033】
簡単のために、マッハツェンダ干渉計中を例えばTE偏波のCW光が通過して光合分波器123に入射されたとすれば、光合分波器123からループ状導波路を介して再び光合分波器123からマッハツェンダ干渉計に入射されたCW光は、TM(Transverse Magnetic)偏波の光となってマッハツェンダ干渉計中を通過することになる。
【0034】
このように本実施形態の波長変換回路によれば、CW光はマッハツェンダ干渉計を2回通過して信号を重畳され(波長変換され)、出力ポート132へと伝搬していくが、例えば1回目の通過時にはTE(Transverse Electric)偏波として、2回目の通過時にはTM偏波として通過するために、半導体光増幅器101,102に起因する偏波依存性を解消することができる。本出願人の実験結果によれば、偏波依存性が<0.5dBに低減されていることを確認できた。
【0035】
上記した構成では、前述した通りに光合分波器122において合波/分波損がある。そこで、全信号光パワーを損失なく半導体光増幅器101に入射させるために、さらに別の光合分波器を光合分波器122と組み合わせて設け、光合分波器122における減衰分を補って半導体光増幅器101に入射させることが有効である。
【0036】
また実際には、他の光合分波器や導波路にも損失が生じるので、これらの損失を補償するための半導体光増幅器を、λ/2波長板14と併せてループ状導波路の途中に設けることも考えられる。この半導体光増幅器としては偏波依存性の無いものを用いる必要があり、導波路153の途中、導波路154の途中のいずれに設けても良い。
【0037】
また、光合分波器123は偏波ビームスプリッタの構成を採ることもできる。さらに、上記実施形態は石英系導波路からなるPLC光波回路として実施した例を説明したが、ポリマー系材料やLiNbO3といった材料をベースにして図1の構成の波長変換回路を実施した場合も同様の効果を得ることができる。
【0038】
(第2実施形態)
図2は本発明に係る波長変換回路の第2実施形態を示す構成図である。同図において、構成要素201〜235は第1実施形態における構成要素101〜135と同様の構成であり、ここではその説明を省略する。
【0039】
本実施形態では、第1実施形態におけるλ/2波長板を含んだループ構成に代わって、1本の偏波保持光ファイバ24を含んだループ構成を採用している。すなわち、光合分波器222の出力部251に光導波路253が接続され、光導波路253の端部に偏波保持光ファイバ24の一端が接続され、偏波保持光ファイバ24の他端と出力部252の間に光導波路254が接続される構成を採用している。
【0040】
偏波保持光ファイバ24は光導波回路21の外部に、その軸方向を中心としてねじった状態で接続される。すなわち、光導波路253に接続される偏波保持光ファイバ24の端面24aに対して、光導波路254に接続される反対側の端面24bが90度ねじられて接続されるので、両端面における偏波の向きは90度異なっている。
【0041】
したがって、光導波回路21から偏波保持光ファイバ24に例えば端面24bより入射したCW光が光導波回路21に対して出射されるときには、偏波面が90度回転されて出射される。逆方向の伝搬でも同様に回転されされて出射される。例えばTEモードで偏波保持光ファイバ24に入射されたCW光が再び光導波回路21へ入射される際にはTMモードとされている。このため、本実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
また、光導波回路21の外部で偏波面を90度回転させる別の構成として、2本の偏波保持光ファイバと、両偏波保持光ファイバを相互接続するアダプタを用いることもできる。このアダプタの接続部における接続方向は偏波面を90度回転するものとし、この接続部と光導波路253の端部間に1本の偏波保持光ファイバを接続し、この接続部と光導波路254の端部間に別の偏波保持光ファイバを接続するループ構成とすれば良い。
【0043】
(第3実施形態)
図3は本発明に係る波長変換回路の第3実施形態を示す構成図である。同図において、構成要素301〜335は第1実施形態における構成要素101〜135と同様の構成であり、ここではその説明を省略する。
【0044】
本実施形態では、第1実施形態におけるλ/2波長板を含んだループ構成に代わって、偏波調整器35を含んだループ構成を採用している。すなわち、光合分波器322の出力部351に光導波路353が接続され、光導波路353の端部にシングルモード光ファイバ32の一端が接続され、光合分波器322の出力部352に光導波路354が接続され、光導波路354の端部にシングルモード光ファイバ33の一端が接続され、両光ファイバ32,33間に偏波調整器35が接続される構成を採用している。
【0045】
偏波調整器35は偏波ローテータによって選択的に偏波面の回転量を調整することができ、この回転量を90度に設定することによって、ループを通過する双方向のCW光の偏波面を90度回転させることができる。よって、本実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】
図4は本実施形態による測定結果を示す特性図である。
【0047】
図7に示した従来例による測定結果では、既に説明した通り、CW光に対する偏波依存性のため同一信号光入力に対して出力消光比が劣化していたのに対し、図4に示した本実施形態による測定結果では、出力消光比がほとんど劣化しない、安定した波長変換特性が得られた。
【0048】
(第4実施形態)
図5は本発明に係る波長変換回路の第4実施形態を示す構成図である。同図において、構成要素401〜421,431〜433は第1実施形態における構成要素101〜121,131〜133と同様の構成であり、その説明を省略する。
【0049】
本実施の形態では光合分波器422,423が2入力1出力になっており、光合分波器422は光合分波器421と半導体光増幅器401の間に接続される。光合分波器422は、光合分波器421からの分波されたCW光と信号光を合波して半導体光増幅器401へと出射する。また光合分波器422は、半導体光増幅器401からの光を分波する。
【0050】
一方、光合分波器423の出力部151には導波路453が接続され、導波路453の途中には、λ/4波長板44とグレーティング45が順に形成されている。λ/4波長板44は通過する光の偏波面を45度回転させる。出力部151に出射されてλ/4波長板44を通過した光合分波器423からの出力光は、偏波面を45度回転されてグレーティング45に達する。グレーティング45は選択的な反射特性を持っており、出力光のうちCW光と同一波長の光のみ、すなわちCW光のみが反射されて逆方向に、再びλ/4波長板44を通過して出力部151に戻される。他の波長の光は出力ポート460に出射される。
【0051】
λ/4波長板44を往復通過したCW光は偏波面を90度回転されて再び光合分波器423に入射するため、本実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明した様に本発明に係る波長変換回路によれば、第1の合波手段が有する第1および第2の出力部(または出力部)に出射される光は、導波手段を伝搬されて第1および第2の出力部(または出力部)に再入射されるときに偏波面の向きを略90度回転されているため、光増幅手段に残存する屈折率変化の偏波依存性を解消することができる。これによって、偏波依存性の無い波長変換回路を得ることができ、システムを使用する上で安定した動作を行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る波長変換回路の第1実施形態の構成を表す構成図である。
【図2】本発明に係る波長変換回路の第2実施形態の構成を表す構成図である。
【図3】本発明に係る波長変換回路の第3実施形態の構成を表す構成図である。
【図4】本発明に係る波長変換回路の波長変換特性を説明する特性図である。
【図5】本発明に係る波長変換回路の第4実施形態の構成を表す構成図である。
【図6】従来の波長変換回路の一例の構成図である。
【図7】従来の波長変換回路の波長変換特性を説明する特性図である。
【符号の説明】
1,2,101,201,102,202,202,301,302,401,402 半導体光増幅器
3,4,121,122,122,221,222,223,321,322,323,421,422,423 光合分波器
5,131,231,331,431 CW光入力ポート
6,132,232,332,432 光出力ポート
7,133,233,333,433 信号光入力ポート
9,11,21,31,41 光導波回路
14,44 λ/2波長板
24 偏波保持光ファイバ
34 シングルモード光ファイバ
35 偏波調整器
45 グレーティング
151,152,251,252,351,352,451 出力部
153,154,253,254,353,354,453 導波路
Claims (10)
- CW光を分岐する分波手段と、前記分岐されたCW光を増幅する第1および第2の光増幅手段と、前記第1および第2の光増幅手段による増幅光を合波した出力光が出射される第1および第2の出力部を有する合波手段と、信号光を前記第1の光増幅手段に入射する手段とを備え、前記CW光の波長に前記信号光を重畳する位相変調型の波長変換回路において、
前記第1の出力部から前記第2の出力部に、および前記第2の出力部から前記第1の出力部に、前記出力光を伝搬して入射させるループ状の導波手段と、
前記導波手段の途中に設けられており、通過する光の偏波面の向きを略90度回転させるλ/2波長板と
を備えたことを特徴とする波長変換回路。 - 請求項1に記載の波長変換回路において、
前記導波手段の途中に、前記各手段における損失を補償するための、偏波依存性を持たない光増幅手段をさらに備えたことを特徴とする波長変換回路。 - CW光を分岐する分波手段と、前記分岐されたCW光を増幅する第1および第2の光増幅手段と、前記第1および第2の光増幅手段による増幅光を合波した出力光が出射される第1および第2の出力部を有する合波手段と、信号光を前記第1の光増幅手段に入射する手段とを備え、前記CW光の波長に前記信号光を重畳する位相変調型の波長変換回路において、
前記第1の出力部から前記第2の出力部に、および前記第2の出力部から前記第1の出力部に、前記出力光を伝搬して入射させる手段であって、その一端と前記第1の出力部との接続部における偏波方向と、その他端と前記第2の出力部との接続部における偏波方向が略90度異なるループ状の導波手段を備えたことを特徴とする波長変換回路。 - 請求項3に記載の波長変換回路において、
前記導波手段は1本の偏波保持光ファイバを含み、前記一端に対して前記他端が略90度、その軸方向を中心としてねじられて、その両端を前記第1および第2の出力部に接続されたことを特徴とする波長変換回路。 - 請求項3に記載の波長変換回路において、
前記導波手段は、
2本の偏波保持光ファイバを相互接続する手段であって、その接続部を通過する光の偏波面の向きを略90度回転させる回転接続手段と、
前記第1の出力部と前記回転接続手段の間に接続される第1の偏波保持光ファイバと、
前記第2の出力部と前記回転接続手段の間に接続される第2の偏波保持光ファイバと
を備えたことを特徴とする波長変換回路。 - CW光を分岐する分波手段と、前記分岐されたCW光を増幅する第1および第2の光増幅手段と、前記第1および第2の光増幅手段による増幅光を合波した出力光が出射される第1および第2の出力部を有する合波手段と、信号光を前記第1の光増幅手段に入射する手段とを備え、前記CW光の波長に前記信号光を重畳する位相変調型の波長変換回路において、
前記第1の出力部から前記第2の出力部に、および前記第2の出力部から前記第1の出力部に、前記出力光を伝搬して入射させるループ状の導波手段と、
前記導波手段の途中に設けられており、通過する光の偏波面の向きを調整して略90度回転させる偏波調整手段と
を備えたことを特徴とする波長変換回路。 - 請求項6に記載の波長変換回路において、
前記導波手段は、
前記第1の出力部と前記偏波調整手段の間に接続される第1のシングルモード光ファイバと、
前記第2の出力部と前記偏波調整手段の間に接続される第2のシングルモード光ファイバと
を備えたことを特徴とする波長変換回路。 - CW光を分岐する分波手段と、信号光と前記分岐されたCW光を合波する第1の合波手段と、前記第1の合波手段からの前記CW光および前記分岐されたCW光のうち別のCW光を増幅する第1および第2の光増幅手段と、前記第1および第2の光増幅手段による増幅光を合波した出力光が出射される出力部を有する第2の合波手段とを備え、前記CW光の波長に前記信号光を重畳する位相変調型の波長変換回路において、
前記出力部から出射される光を導波する手段であって、前記光の偏波面の向きを略90度回転させて前記出力部に再入射させる導波手段を備えたことを特徴とする波長変換回路。 - 請求項8に記載の波長変換回路において、
前記導波手段は、
前記出力部に一端を接続された導波路と、
前記導波路の途中に設けられており、通過する光の偏波面の向きを略45度回転させるλ/4波長板と、
前記λ/4波長板の後段に設けられており、前記λ/4波長板を通過した光のうち前記CW光と略同一波長の光を選択的に反射して、前記λ/4波長板に入射させる反射手段と
を備えたことを特徴とする波長変換回路。 - 請求項9に記載の波長変換回路において、
前記反射手段をグレーティングとしたことを特徴とする波長変換回路。
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