JP3552576B2 - 帯状体の収容構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気設備の端子番号や文字などが印字される電線用チューブやラベル用テープなどの帯状体の収容構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタの印字ヘッドにインクリボンとともに、かさ巻きされた電線用チューブまたはラベル用テープを送出し、印字ヘッドおよびインクリボンのインクにより電線用チューブまたはラベル用テープに電気設備の端子番号や文字などを熱転写して印字するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電線用チューブやラベル用テープはかさ巻きされているので、印字ヘッドに電線用チューブやラベル用テープを送出する際、電線用チューブやラベル用テープはかさ巻き方向に対して直角方向より取り出されるため、巻きぐせがとれず、周方向に90°捩じれた状態で印字ヘッドに送出される。
【0004】
このように、電線用チューブやラベル用テープが捩じれた状態で印字ヘッドに送出されると、電線用チューブやラベル用テープの印字予定箇所に正確な印字が行なわれないなどの印字不良が発生し、最悪の場合は、プリンタが停止し印字不能になるという問題点がある。
【0005】
本発明は、前記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、チューブやテープなどの帯状体の取り出し時の捩じれ発生をなくし、印字不良を防止することができる帯状体の収容構造を提供することにある。
【0006】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係る帯状体の収容構造は、プリンタの印字ヘッドに送出されるチューブやテープなどの帯状体が周方向に巻回されるとともに、軸線方向両端に軸部を有するリールと、前記帯状体を巻回したリールが収容された収容箱と、前記収容箱の内部にあって前記リールの軸部を回転可能に軸受けする軸受け部と、前記収容箱の所定部に開口され、前記帯状体を前記リールの接線方向に取り出す取出し口と、を具備した帯状体の収容構造において、前記収容箱の取出し口を、前記収容箱の所定部を切り欠き一辺を折り返して開口させると共に、この折り返し状態を保持する係止手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
さらに、前記取出し口は、前記リールの左端および右端より巻き出されてくる前記帯状体が引っ掛からず取り出せる寸法の横幅と、前記リールが最大径および最小径のとき前記帯状体が引っ掛からず取り出せる寸法の縦幅と、を有することを特徴とする。
【0009】
さらに、前記収容箱は、ダンボールなどの紙材、金属板またはプラスチック板からなることを特徴とする。
【0010】
さらに、前記軸受け部は、ダンボールなどの紙材、金属板またはプラスチック板からなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。実施の形態を説明するに当たって、同一機能を奏するものは同じ符号を付して説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る帯状体の収容構造の組立て斜視図、図2は、本発明の実施の形態に係る帯状体の収容構造において収容箱内のリールに巻回された電線用チューブの正面図、図3は、本発明の実施の形態に係る帯状体の収容構造において収容箱内のリールに巻回された電線用チューブの平面図、図4は、本発明の実施の形態に係る帯状体の収容構造における軸部の正面図、図5は、本発明の実施の形態に係る帯状体の収容構造におけるプッシュリングの平面図、図6は、本発明の実施の形態に係る帯状体の収容構造における収容箱の展開図、図7は、本発明の実施の形態に係る帯状体の収容構造における軸受け部の展開図、図8(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る帯状体の収容構造において電線用チューブを取出し口より取り出す際の説明図、図9は、本発明の他の実施の形態に係る帯状体の収容構造の組立て斜視図である。
【0013】
図1、2、3に示す帯状体の収容構造は、図示しないプリンタの印字ヘッドに送出される印字用の帯状体、たとえば電線用チューブ1が周方向に重ねて巻回されたリール2を有し、このリール2の軸線方向両端には、軸部3がプッシュリング4によって固定されている。
【0014】
リール2の軸部3は1対の軸受け部5の凹部5aに回転可能に軸受けされ、リール2を回転可能にしている。電線用チューブ1、リール2は収容箱6内に収容され、軸受け部5は収容箱6の内面に対向するように配置されている。
【0015】
軸部3は、図4に示すように、概ね円筒体に成形され、その一端に大径のフランジ3aが形成されるとともに、周部に鍔部3bが形成されている。軸部3は、フランジ3aと鍔部3b間に、図5に示すプッシュリング4の内孔4aを嵌め込み、リール2の端部をフランジ3aとプッシュリング4とで挟み込むことにより固定されている。
【0016】
また、収容箱6および軸受け部5は、図6、7に示すように型抜きされたダンボールを折線aに沿って折り上げ、所定形状に組立てたものである。なお、図中、7は収容箱6に貼着されたシールである。
【0017】
収容箱6の側壁6aには、電線チューブ1を収容箱6の下方より取り出すための取出し口6bが矩形状に開口されている。
【0018】
この取出し口6bは、リール2の周部に対向する側壁6aの部位の上辺を残して切り欠き、切欠き片6cの上辺を上方に折返して開口したものであり、取出し口6bは、切欠き片6cにより開閉されるようになっている。
【0019】
切欠き片6cは、その前端部を外側に折り曲げ形成された舌片6dを有し、取出し口6bの開時に、舌片6dが取出し口6bの上方に形成された係止孔6eに挿入係止されるようになっている。
【0020】
また、収容箱6に蓋6gを有し、収容箱6内に電線用チューブ1が収容された後、蓋6gを閉じることにより電線用チューブ1が梱包されるようになっている。その際、蓋6gに形成された係止孔6hに収容箱6の上部に形成された突片6fが挿入係止される。
【0021】
取出し口6bの横幅αは、図2において、リール2の左端および右端より巻き出されてくる電線用チューブ1が引っ掛からず確実に取り出せる寸法に設計されている(図8(a)参照)。
【0022】
また、取出し口6bの縦幅βは、リール2が最大径および最小径のとき、電線用チューブ1が引っ掛からず確実に取り出せる寸法に設計されている(図8(b)参照)。
【0023】
なお、電線用チューブ1を上方より取り出す場合は、取出し口6bが図8(b)に示す取出し口6bより上方に形成され、リール2が最大径および最小径のとき、電線用チューブ1が引っ掛からず確実に取り出せる寸法に設計されている(図8(c)参照)。
【0024】
このように、本実施の形態によれば、リール2に電線用チューブ1が周方向に巻回され、電線用チューブ1をリール2の接線方向、すなわち電線用チューブ1の巻き方向とは反対方向より取り出すように構成されたので、電線用チューブ1は、巻きぐせがとれ、捩じれることなく、プリンタの印字ヘッドに送出される。これにより、電線用チューブ1の所定箇所に正確な印字が行なわれ、印字不良を防止することができる。
【0025】
取出し口6bは、切欠き片6cにより開閉されるようになっているので、通常は、取出し口6bを閉じておくことにより、収容箱6への塵埃の侵入が回避され、電線用チューブ1の汚染を防止することができるなどメンテナンスに有効である。
【0026】
また、収容箱6および軸受け部5は、ダンボールからなるので、低コストで容易に製作することができ、設計変更にも容易に対応することができる。
【0027】
本実施の形態では、電線用チューブ1を例にとって説明したが、ラベル用テープなどに適用しても同様の効果が期待できる。
【0028】
また、軸受け部5に代えて、図9に示すような軸受け部8を用いてもよい。この軸受け部8は、ダンボールからなる軸受け板8aを複数枚重ね合せテープ9で固定したものである。
【0029】
軸受け板8aの上辺中央部には軸部3を回転可能に軸受けする凹部8bが形成され、この凹部8bの底にはテフロンテープ10が貼着されている。
【0030】
この軸受け部8の場合、軸受け板8aを何重にも重ね合せることで所望の強度が容易に得られ、テフロンテープ10の貼着により、軸部3の摺動抵抗が軽減され、リール2がスムースに回転される。なお、その他の構成ならびに動作は、図1と同様なので、その説明を割愛する。
【0031】
また、収容箱6および軸受け部5,8は、ダンボールにより成形したが、その他の紙材、薄い金属板またはプラスチック板により成形してもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明は、リールに帯状体が周方向に巻回され、帯状体をリールの接線方向より取り出すように構成されたので、帯状体は、捩じれることなく、プリンタの印字ヘッドに送出されるため、帯状体の所定箇所に正確な印字が行なわれ、印字不良を防止することができる。
【0033】
また、収容箱および軸受け部は、ダンボールなどの紙材からなるので、低コストで容易に製作することができ、設計変更にも容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である帯状体の収容構造の組立て斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態である帯状体の収容構造において収容箱内のリールに巻回された電線用チューブの正面図である。
【図3】本発明の実施の形態である帯状体の収容構造において収容箱内のリールに巻回された電線用チューブの平面図である。
【図4】本発明の実施の形態である帯状体の収容構造における軸部の正面図である。
【図5】本発明の実施の形態である帯状体の収容構造におけるプッシュリングの平面図である。
【図6】本発明の実施の形態である帯状体の収容構造における収容箱の展開図である。
【図7】本発明の実施の形態である帯状体の収容構造における軸受け部の展開図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態である帯状体の収容構造において電線用チューブを取出し口より取り出す際の説明図である。
【図9】本発明の他の実施の形態である帯状体の収容構造の組立て斜視図である。
【符号の説明】
1電線用チューブ
2リール
3軸部
3aフランジ
3b鍔部
4プッシュリング
4a内孔
5,8軸受け部
5a,8b凹部
6収容箱
6a側壁
6b取出し口
6c切欠き片
6d舌片
6e,6h係止孔
6f突片
6g蓋
7シール
8a 軸受け板
9 テープ
10 テフロンテープ
Claims (4)
- プリンタの印字ヘッドに送出されるチューブやテープなどの帯状体が周方向に巻回されるとともに、軸線方向両端に軸部を有するリールと、前記帯状体を巻回したリールが収容された収容箱と、前記収容箱の内部にあって前記リールの軸部を回転可能に軸受けする軸受け部と、前記収容箱の所定部に開口され、前記帯状体を前記リールの接線方向に取り出す取出し口と、を具備した帯状体の収容構造において、
前記収容箱の取出し口を、前記収容箱の所定部を切り欠き一辺を折り返して開口させると共に、
この折り返し状態を保持する係止手段を設けたことを特徴とする帯状体の収容構造。 - 前記取出し口は、前記リールの左端および右端より巻き出されてくる前記帯状体が引っ掛からず取り出せる寸法の横幅と、前記リールが最大径および最小径のとき前記帯状体が引っ掛からず取り出せる寸法の縦幅と、を有することを特徴とする請求項1に記載の帯状体の収容構造。
- 前記収容箱は、ダンボールなどの紙材、金属板またはプラスチック板からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯状体の収容構造。
- 前記軸受け部は、ダンボールなどの紙材、金属板またはプラスチック板からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の帯状体の収容構造。
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