JP3552564B2 - 液晶装置及びこれを用いた電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パッシブマトリクス駆動方式、アクティブマトリクス駆動方式、セグメント駆動方式等の反射型液晶装置や半透過反射型液晶装置などの液晶装置及びこれを用いた電子機器の技術分野に属し、特に基板の液晶に面する側に反射板や半透過反射板を兼ねる反射電極を設けた内面反射方式を採る液晶装置及びこれを用いた電子機器の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】
従来、バックライト等の光源を用いることなく、外光を利用して表示を行う反射型液晶装置や半透過反射型液晶装置は、低消費電力化、小型軽量化等の観点から有利であるため、特に携帯性が重要視される携帯電話、腕時計、電子手帳、ノートパソコン等の携帯用電子機器に採用されている。伝統的な反射型液晶装置では、一対の基板間に液晶が挟持されてなる透過型液晶パネルの裏側に反射板を貼り付けて表側から入射される外光を透過型液晶パネル、偏光板等を介して反射板で反射するように構成されている。しかし、これでは、基板等により隔てられた液晶から反射板までの光路が長いため、表示画像における視差が生じ、二重写りとなる。このため、伝統的な反射型液晶装置は、高精細の画像表示用には基本的に適しておらず、特にカラー表示の場合には、上述のように長い光路で各色光が混じってしまうため高品位の画像表示を行うことが極めて困難となる。更に、液晶パネルに入射して反射板までを往復する間に外光は減衰するため、基本的に明るい表示を行うことも困難である。
【0003】
そこで、最近では、外光が入射される側と反対側に位置する一方の基板上に配置される表示用電極を反射板から構成して、反射位置を液晶層に近接させる構成を有する内面反射方式の反射型液晶装置が開発されており、具体的には、特開平8―114799号公報に、基板上に反射板を兼ねた画素電極を形成し、その上に、高屈折膜と低屈折膜との2つの膜を積層し或いはこれらを交互に多数層積層し、その上に配向膜を形成する技術が開示されている。この技術によれば、反射板上に高屈折膜と低屈折膜との積層体を設けることにより、対向基板側から入射される外光に対する反射率が高められ、明るい反射型表示が行えるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の液晶装置の技術分野においては、表示画像の高品位化と共に低コスト化という一般的要請の下、表示画像の明るさや精細度を高めつつ同時に装置構成や製造プロセスを単純化することは、極めて重要な課題である。
【0005】
しかしながら、前述した画素電極に反射板を兼ねさせる技術によれば、高い反射率を得るためには、高屈折膜と低屈折膜との2層或いは多層の積層体を画素電極上に設けることが必須とされており、積層構造ひいては装置構成及び製造プロセスが複雑化してしまうという問題点がある。
【0006】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、装置構成及び製造プロセスを単純化し得ると共に明るく高品位の画像表示が可能である反射型や半透過反射型の液晶装置及びこれを用いた電子機器を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の液晶装置は、第1基板と、該第1基板に対向配置された透明の第2基板と、前記第1及び第2基板間に挟持された液晶と、前記第1基板の前記第2基板に対向する側に配置された反射電極と、該反射電極上に配置された単層構造を持つ透明絶縁膜と、該透明絶縁膜上に配置された配向膜とを備えた液晶装置であって、前記透明絶縁膜は、平均粒径が50nm以下の無機酸化物粒子を含有するとともに、前記透明絶縁膜の屈折率は、前記液晶の屈折率及び前記配向膜の屈折率よりも小さく設定されており、前記透明絶縁膜の膜厚は、前記第2基板側から入射される青色光に対する前記反射電極、前記透明絶縁膜及び前記配向膜からなる積層体の多重反射による反射率を極大とする第1所定膜厚以上であり、且つ前記第2基板側から入射される赤色光に対する前記積層体の反射率を極大とする第2所定膜厚以下の膜厚に設定されていることを特徴とする。
尚、本発明において液晶の屈折率とは、液晶の異常光屈折率をnoとし、常光屈折率をneとした場合のnoとneとの平均値と定義する。
【0008】
本発明の液晶装置によれば、第2基板の側から外光が入射すると、透明な第2基板及び液晶を介して第1基板上に設けられた反射電極、透明絶縁膜及び配向膜からなる積層体により反射され、再び液晶及び第2基板を介して第2基板側から出射される。従って、例えば第2基板の外面に偏光板を配置すれば、反射電極により液晶の配向状態を制御することにより、当該反射電極により反射され液晶を介して表示光として出射される外光強度を制御でき、即ち反射電極に供給される画像信号に応じた画像表示を行うことが可能となる。
【0009】
ここで、本願発明者の研究及びシミュレーション等によれば、このような液晶に対面する第1基板上における反射電極、透明絶縁膜及び配向膜からなる積層体における外光に対する反射率は、波長依存性を有すると共に透明絶縁膜の屈折率に依存して変化する。より具体的には、透明絶縁膜の屈折率が、液晶の屈折率及び配向膜の屈折率よりも小さい程、通常白色光からなる外光を構成する赤色光、青色光及び緑色光のいずれに対しても上記積層体における反射率が高くなることが判明している。しかるに本発明では、透明絶縁膜の屈折率は、液晶の屈折率及び配向膜の屈折率よりも小さく設定されている。
【0010】
更に本願発明者の研究及びシミュレーション等によれば、このような液晶に対面する第1基板上における反射電極、透明絶縁膜及び配向膜からなる積層体における外光に対する反射率は、波長依存性を有すると共に透明絶縁膜の膜厚に依存して変化する。より具体的には、青色光(即ち、波長が450nm程度である電磁波)に対する反射率の極大値は、比較的透明絶縁膜の膜厚が薄い際に現れ、赤色光(即ち、波長が650nm程度である電磁波)に対する反射率の極大値は、比較的透明絶縁膜の膜厚が厚い際に現れる。そして、緑色光(即ち、波長が550nm程度である電磁波)に対する反射率の極大値は、透明絶縁膜の膜厚が、上述の青色光に対する極大値を与える比較的薄い膜厚と、赤色光に対する極大値を与える比較的厚い膜厚との間にある膜厚である際に現れることが判明している。即ち、反射率の極大値を与える各色光毎の透明絶縁膜の膜厚は、青色光、緑色光及び赤色光の順に並ぶので、通常白色光からなる外光を構成するこれら3者に対する反射率を高めるためには、青色光についての極大値を与える膜厚(即ち、第1所定膜厚)と赤色光についての極大値を与える膜厚(即ち、第2所定膜厚)との間にある膜厚に、透明絶縁膜の膜厚を設定すればよいことになる。しかるに、本発明では、透明絶縁膜の膜厚は、第1所定膜厚以上であり且つ第2所定膜厚以下の膜厚に設定されている。
【0011】
以上の結果、本発明の液晶装置によれば、第1基板の外側に設けた反射板により反射する伝統的な反射型液晶装置と比べて、第1基板の内側(即ち、液晶に面する側)において、外光を反射するので、光路が短くなる分だけ表示画像における視差が低減され且つ表示画像における明るさも向上する。従って、明るく高精細の反射型表示が可能となり、高精細のカラー表示も可能となる。そして特に、このような明るく高精細の反射型表示のために、第1基板上に反射電極と、反射電極上に単層構造を持つ透明絶縁膜とを形成すれば良いので、前述の如き反射板を兼ねる画素電極上に高屈折層と低屈折層とを交互に積層する従来技術と比べて、第1基板上の積層体の構造の単純化ひいては装置構成全体の単純化が図られており、その製造プロセスの単純化も図られている。
【0012】
このように本発明により、装置構成及び製造プロセスを単純化し得ると共に明るく高品位の画像表示が可能である液晶装置を実現できる。
【0013】
本発明の液晶装置の一の態様では、前記透明絶縁膜の膜厚は、前記第1及び第2所定膜厚よりも、前記第1及び第2所定膜厚間にあると共に前記第2基板側から入射される緑色光に対する前記積層体の反射率を極大とする第3所定膜厚に近い膜厚に設定されている。
【0014】
この態様によれば、透明絶縁膜の膜厚は、第1及び第2所定膜厚間にあると共に第2基板側から入射される緑色光に対する積層体の反射率を極大とする第3所定膜厚近傍の膜厚に設定されているので、特に人間の視覚感度の高い緑色光成分をより効率良く反射することにより、視覚上でより明るい画像表示を行える。
【0015】
本発明の液晶装置の他の態様では、前記透明絶縁膜の屈折率は、1.5以下であり、前記透明絶縁膜の膜厚は、50nm以上100nm以下である。
【0016】
この態様によれば、屈折率が1.5以下であり、膜厚が50nm以上100nm以下である単層構造を持つ透明絶縁膜を反射電極上に形成すれば高い反射率が得られるので、高い反射率を得るための第1基板上の積層体の構造及び製造プロセスの単純化を図れる。
【0017】
本発明の液晶装置の他の態様では、前記透明絶縁膜は、酸化シリコンを主成分とする。
【0018】
この態様によれば、酸化シリコンを主成分とする透明絶縁膜を反射電極上に形成すれば高い反射率が得られるので、比較的容易な製造プロセス且つ比較的低コストで高い反射率が得られる。
【0019】
本発明の液晶装置の他の態様では、前記透明絶縁膜は、平均粒径が50nm以下の無機酸化物粒子を含有する。
【0020】
この態様によれば、透明絶縁膜は、平均粒径が50nm以下の無機酸化物粒子を含有するので、当該透明絶縁膜上に形成される配向膜との接着性が良くなり、比較的容易に当該液晶装置を製造できると共に装置信頼性を高められる。
【0021】
本発明の液晶装置の他の態様では、前記反射電極は、アルミニウムを主成分とする。
【0022】
この態様によれば、アルミニウムを主成分とする反射電極を第1基板上に形成すれば高い反射率が得られるので、比較的容易な製造プロセス且つ比較的低コストで高い反射率が得られる。
【0023】
本発明の液晶装置の他の態様では、前記反射電極は、導電性の反射膜からなる複数のストライプ状の反射電極であり、前記第2基板に、導電性の透過膜からなり前記ストライプ状の反射電極と相交差する複数のストライプ状の透明電極を更に備える。
【0024】
この態様によれば、所謂パッシブマトリクス駆動方式の反射型や半透過反射型の液晶装置が構築され、第1基板上の複数のストライプ状の反射電極と第2基板上の複数のストライプ状の透明電極との間で、反射電極と透明電極との各交差個所における液晶部分に電界を順次印加することにより、各液晶部分の配向状態を制御可能となり、当該反射電極により反射され各液晶部分を介して表示光として出射される外光強度を制御できる。
【0025】
或いは、本発明の液晶装置の他の態様では、前記反射電極は、導電性の反射膜からなる複数のマトリクス状の画素電極からなり、前記第1基板上に、各画素電極に接続された2端子型スイッチング素子と、該2端子型スイッチング素子に接続された複数の走査線及び複数のデータ線の一方とを更に備え、前記第2基板上に、前記一方と相交差する前記複数の走査線及び前記複数のデータ線の他方を更に備える。
【0026】
この態様によれば、TFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)等の2端子型スイッチング素子を用いた所謂アクティブマトリクス駆動方式の反射型や半透過反射型の液晶装置が構築され、第1基板上の画素電極と第2基板上のデータ線又は走査線との間で、各画素電極における液晶部分に電界を順次印加することにより、各液晶部分の配向状態を制御可能となり、当該画素電極により反射され各液晶部分を介して表示光として出射される外光強度を制御できる。特に、TFD等のスイッチング素子を介して各画素電極に電力を供給するため、画素電極間におけるクロストークを低減でき、より高品位の画像表示が可能となる。
【0027】
或いは、本発明の液晶装置の他の態様では、前記反射電極は、導電性の反射膜からなる複数のマトリクス状の画素電極からなり、前記第1基板上に、各画素電極に接続された3端子型スイッチング素子と、該3端子型スイッチング素子に接続された複数の走査線及び複数のデータ線とを更に備える。
【0028】
この態様によれば、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等の3端子型スイッチング素子を用いた所謂アクティブマトリクス駆動方式の反射型や半透過反射型の液晶装置が構築され、第1基板上の各画素電極における液晶部分に電界を順次印加することにより、各液晶部分の配向状態を制御可能となり、当該画素電極により反射され各液晶部分を介して表示光として出射される外光強度を制御できる。特に、TFT等の3端子型スイッチング素子を介して各画素電極に電力を供給するため、画素電極間におけるクロストークを低減でき、より高品位の画像表示が可能となる。尚、第2基板上に、画素電極に対向配置された導電性の透過膜からなる対向電極を更に備えて、各画素電極における液晶部分を第1基板に垂直な縦電界で駆動してもよいし、このような対向電極なしで第1基板に平行な横電界で駆動してもよい。
【0029】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の液晶装置を備える。
【0030】
従って、本発明の電子機器によれば、本発明の液晶装置を用いて、装置構成及び製造プロセスを単純化し得ると共に明るく高品位の画像表示が可能である携帯電話、腕時計、電子手帳、ノートパソコン等の各種の電子機器を実現できる。
【0031】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
(第1実施形態)
先ず、本発明による液晶装置の第1実施形態の構成について、図1及び図2を参照して説明する。第1実施形態は、本発明をパッシブマトリクス駆動方式の反射型液晶装置に適用したものである。尚、図1は、反射型液晶装置を対向基板上に形成されるカラーフィルタを便宜上取り除いて対向基板側から見た様子を示す図式的平面図であり、図2は、図1のA−A’断面をカラーフィルタを含めて示す反射型液晶装置の図式的断面図である。尚、図1では、説明の便宜上ストライプ状電極を縦横6本づつ図式的に示しているが実際には、多数本の電極が存在しており、図2においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0034】
図1及び図2において、第1実施形態における反射型液晶装置は、第1基板10と、第1基板10に対向配置された透明の第2基板20と、第1基板10及び第2基板20間に挟持された液晶層50と、第1基板10の第2基板20に対向する側(即ち、図2で上側表面)に配置された複数のストライプ状の反射電極11と、反射電極11上に配置された単層構造を持つ透明絶縁膜12と、透明絶縁膜12上に配置された配向膜15とを備える。更に反射型液晶装置は、第2基板上の第1基板10に対向する側(即ち、図2で下側表面)に配置されたカラーフィルタ23と、カラーフィルタ23上に配置されたカラーフィルタ平坦化膜24と、カラーフィルタ平坦化膜24上に反射電極11と相交差するように配置された複数のストライプ状の透明電極21と、透明電極21上に配置された配向膜25とを備えて構成されている。第1基板10及び第2基板20は、液晶層50の周囲において、シール材31により貼り合わされており、液晶層50は、シール材31及び封止材32により、第1基板10及び第2基板20間に封入されている。
【0035】
第1基板10は、透明でも不透明でもよいため、例えば石英基板や半導体基板等からなり、第2基板20は、可視光に対して透明或いは少なくとも半透明であることが要求されており、例えばガラス基板や石英基板等からなる。
【0036】
反射電極11は、例えばアルミニウムを主成分とする導電性の反射膜からなり、アルミニウム蒸着等により形成される。透明電極21は、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性薄膜からなる。
【0037】
配向膜15及び25は夫々、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなり、スピンコート等により形成され、ラビング処理等の所定の配向処理が施されている。
【0038】
液晶層50は、反射電極11及び透明電極21間で電界が印加されていない状態で配向膜15及び25により所定の配向状態をとる。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。
【0039】
シール材31は、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤である。特に、当該反射型液晶装置が対角数インチ程度以下の小型の場合には、シール材中に両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材(スペーサ)が混入される。但し、このようなギャップ材は、当該反射型液晶装置が対角数インチ〜10インチ程度或いはそれ以上の大型の場合には、液晶層50内に混入されてもよい。また、封止材32は、シール材31の注入口を介して液晶を真空注入した後に、当該注入口を封止する樹脂性接着剤等からなる。
【0040】
カラーフィルタ23は、青色光、緑色光及び赤色光を画素毎に夫々透過する色材膜と共に各画素の境界にブラックマスク或いはブラックマトリクスと称される遮光膜が形成されて各画素間の混色を防止するように構成されたデルタ配列、ストライプ配列、モザイク配列、トライアングル配列等の公知のカラーフィルタである。また、図1及び図2では省略しているが、シール材31の内側に並行して、例えばカラーフィルタ23中の遮光膜と同じ或いは異なる材料から成る画像表示領域の周辺を規定する額縁としての遮光膜が設けられてもよい。或いは、このような額縁は、当該反射型液晶装置をいれる遮光性のケースの縁により規定してもよい。
【0041】
第1実施形態では特に、透明絶縁膜12の屈折率は、液晶層50を構成する液晶の屈折率及び配向膜15の屈折率よりも小さく設定されている。更に、透明絶縁膜12の膜厚は、第2基板20側から入射される青色光に対する反射電極11、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体の多重反射による反射率を極大とする第1所定膜厚以上であり且つ第2基板20側から入射される赤色光に対する反射電極11、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体の反射率を極大とする第2所定膜厚以下の膜厚に設定されている。
【0042】
透明絶縁膜12は、上述の条件を満たすように、例えば酸化シリコンを主成分としており、液晶の屈折率1.60及び配向膜15の屈折率1.66に対して、透明絶縁膜12の屈折率は、例えば1.5以下とされている。また、透明絶縁膜12の膜厚は、例えば50nm以上100nm以下となるように、スパッタリングにより形成される。
【0043】
ここで、反射電極11、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体が液晶層50に面している系における当該積層体の外光に対する反射率と透明絶縁膜12の屈折率との関係及びこの反射率と透明絶縁膜12の膜厚との関係を求めるためのシミュレーションについて説明する。
【0044】
ここでは、Rouardの方法により以下のシミュレーションを行うことにする。
【0045】
先ず、一般に金属膜や半導体膜などの吸収体の屈折率n*は、次式の如く複素数で表される。
【0046】
n*=n−ik
但し、n、k:吸収体の光学定数
これらの光学定数n、kは、各吸収体に固有のものであり、波長依存性がある。また、成膜条件によっても変化する。従って、吸収体並びにその成膜条件が決まれば、経験的、実験的或いはシミュレーションにより一義的に定めることができる。ここでは、第1実施形態における反射電極11を構成するアルミニウムについての光学定数n、kを求めるためのチャートの一例を図3に示す。
【0047】
図3において、横軸として光の波長(nm)が示されており、縦軸として光学定数n(左側)及びk(右側)が示されており、実線の曲線が、光学定数nの波長依存性を示す曲線であり、点線の曲線が、光学定数kの波長依存性を示す曲線である。従って、アルミニウムについて、例えば、波長650nm(赤色光)であれば、チャート中矢印で示したように、実線の曲線と波長650nmとの交点をたどることにより、n=1.3が求まり、例えば、波長700nmであれば、チャート中矢印で示したように、点線の曲線と波長700nmとの交点をたどることにより、k=6.8が求まるという具合に、図3に示したチャートを用いて任意の光の波長について光学定数n、kを簡単に求めることが出来る。
【0048】
次に、本実施の形態における反射電極11、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体が液晶層50に面している系における反射電極11(吸収体)の光学定数をn、kとし、透明絶縁膜12(誘電体)の屈折率をn2とすると共にその膜厚をd2とし、配向膜15(誘電体)の屈折率をn1とすると共にその膜厚をd1とし、液晶層50の液晶(媒質)の屈折率をn0とすると、振幅反射率rは、次式で表される。
【0049】
r=(r1+r2e−iθ1+r3e−i(θ1+θ2)+r1r2r3e−iθ2)/
(1+r1r2e−iθ1+r1r3e−i(θ1+θ2)+r2r3e−iθ2)
但し、
r1=(n1−n0)/(n1+n0)
r2=(n2−n1)/(n2+n1)
r3=(n−n2−ik)/(n+n2−ik)
θ1=4πn1d1/λ
θ2=4πn2d2/λ
従って、エネルギ反射率R(=反射率)は、上記振幅反射率rに、r1、r2、r3を代入し、その分母と分子で夫々実数項と虚数項とにまとめて、その共役複素数を乗じることにより得られる。
【0050】
先ず、以上の如きシミュレーションを行って得られる、液晶層50に面している反射電極11、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体の反射率(R)と透明絶縁膜12の屈折率(n2)との関係を図4に示す。この場合、透明絶縁膜12の膜厚(d2)は、100nmとしてシミュレーションを行っている。
【0051】
図4に示すように、透明絶縁膜12の屈折率が、液晶層50を構成する液晶の屈折率及び配向膜15の屈折率よりも小さい程、通常白色光からなる外光を構成する青色光(波長=450nm、図中実線で示された特性曲線)、赤色光(波長=650nm、図中破線で示された特性曲線)及び緑色光(波長=550nm、図中点線で示された特性曲線)のいずれに対しても、反射電極11、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体における反射率が高くなる。これらの特性曲線からすると、この場合には、透明絶縁膜12の屈折率が小さい程、積層体の反射率が高くなり、例えば、屈折率n=1.2以下であれば、反射率は、最も低い赤色光について90%程度にできる。但し、透明絶縁膜12の屈折率は、1.5以下であれば、最も低い赤色光について85%以上を確保できる。特に、1.30〜1.45程度の値であれば、製造は容易であり且つ反射率も最も低い赤色光について90%近い値にできるので、実践的に有利である。
【0052】
尚、この例では、透明絶縁膜12の厚みを100nmとしているが、透明絶縁膜12の膜厚を50nmから200nm程度の範囲で変化させても、同様の傾向が観察される。即ち、透明絶縁膜12の屈折率を1.5以下に設定すれば、最も低い赤色光について約80%以上を確保できる。
【0053】
次に、上述のシミュレーションを行って得られる、液晶層50に面している反射電極11、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体の反射率(R)と透明絶縁膜12の膜厚(d2)との関係を図5から図7に示す。
【0054】
先ず、図5に示す例では、液晶の屈折率を1.60とし、配向膜15の屈折率を1.66とし、透明絶縁膜12の屈折率を1.38とし、配向膜15の膜厚を30nmとしてシミュレーションを行っている。
【0055】
図5に示すように、透明絶縁膜12の膜厚が約70nmのとき、青色光(波長=450nm、図中実線で示された特性曲線)がその極大値をとる。透明絶縁膜12の膜厚が約90nmのとき、緑色光(波長=550nm、図中点線で示された特性曲線)がその極大値をとる。透明絶縁膜12の膜厚が約110nmのとき、赤色光(波長=650nm、図中破線で示された特性曲線)がその極大値をとる。
【0056】
次に、図6に示す例では、透明絶縁膜12の屈折率を1.46とし、他の条件は図5に示した例と同様としてシミュレーションを行っている。
【0057】
図6に示すように、図5の例と比較して、透明絶縁膜12の屈折率が高くなった分だけ、全体に反射率は低下しているが、各色光毎の極大値については、図5の例と同様の傾向が見られる。即ち、透明絶縁膜12の膜厚が、約70nmのとき、青色光(波長=450nm、図中実線で示された特性曲線)がその極大値をとり、透明絶縁膜12の膜厚が約90nmのとき、緑色光(波長=550nm、図中点線で示された特性曲線)がその極大値をとり、透明絶縁膜12の膜厚が約110nmのとき、赤色光(波長=650nm、図中破線で示された特性曲線)がその極大値をとる。
【0058】
次に、図7に示す例では、透明絶縁膜12の屈折率を1.54とし、他の条件は図5又は図6に示した例と同様としてシミュレーションを行っている。
【0059】
図7に示すように、図5又は図6の例と比較して、透明絶縁膜12の屈折率が高くなった分だけ、全体に反射率は更に低下しているが、各色光毎の極大値については、図5又は図6の例と同様の傾向が見られる。即ち、透明絶縁膜12の膜厚が、約70nmのとき、青色光(波長=450nm、図中実線で示された特性曲線)がその極大値をとり、透明絶縁膜12の膜厚が約90nmのとき、緑色光(波長=550nm、図中点線で示された特性曲線)がその極大値をとり、透明絶縁膜12の膜厚が約110nmのとき、赤色光(波長=650nm、図中破線で示された特性曲線)がその極大値をとる。
【0060】
以上のように、緑色光に対する反射率の極大値は、透明絶縁膜12の膜厚が上述の青色光に対する極大値を与える比較的薄い膜厚(約70nm)と、赤色光に対する極大値を与える比較的厚い膜厚(約110nm)との間にある膜厚(約90nm)である際に現れる。即ち、反射率の極大値を与える各色光毎の透明絶縁膜12の膜厚は、青色光、緑色光及び赤色光の順に並ぶので、通常白色光からなる外光を構成するこれら3者に対する反射率を高めるためには、青色光についての極大値を与える膜厚(例えば、約70nm)と赤色光についての極大値を与える膜厚(例えば、約110nm)との間にある膜厚に、透明絶縁膜12の膜厚を設定すればよい。そこで、第1実施形態では、透明絶縁膜12の膜厚は、約70nm以上であり且つ約110nm以下の膜厚に設定される。
【0061】
このような透明絶縁膜12の膜厚は、好ましくは緑色光に対する反射率を極大とする第3所定膜厚(例えば、90nm)近傍の膜厚に設定される。このように設定すれば、青色光及び赤色光についての高い反射率を維持しつつ特に人間の視覚感度の高い緑色光成分をより効率良く反射することにより、視覚上でより明るい画像表示を行える。
【0062】
以上の結果、第1実施形態では、透明絶縁膜12の屈折率(例えば、1.5以下)は、液晶層50を構成する液晶の屈折率(例えば、1.6)及び配向膜15の屈折率(例えば、1.66)よりも小さく設定されており、しかも、透明絶縁膜12の膜厚は、第2基板20側から入射される青色光に対する反射電極11、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体の多重反射による反射率を極大とする第1所定膜厚(例えば、70nm)以上であり且つ第2基板20側から入射される赤色光に対する反射率を極大とする第2所定膜厚(例えば、110nm)以下の膜厚に設定されているので、液晶層50に面する反射電極11、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体の外光に対する反射率を非常に高く設定できる。しかも、第1基板の外側に設けた反射板により反射する伝統的な反射型液晶装置と比べて、第1基板10の上側における反射電極11、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体による多重反射により外光を反射するので、光路が短くなる分だけ表示画像における視差が低減され且つ表示画像における明るさも向上する。従って、最終的には、明るく高精細の反射型表示が可能となり、高精細のカラー表示も可能となる。
【0063】
加えて、仮に第1基板10上に、透明絶縁膜12を形成することなく、反射電極11及び配向膜15のみ形成したのでは、特に、液晶層50中又はシール材31中のギャップ材(スペーサ)より大きなサイズの導電性の異物が液晶層50中に混入した場合に、配向膜15及び25を破って、反射電極11と透明電極12とがショートする、即ち、装置欠陥が発生する可能性が高い。しかしながら、第1実施形態によれば、配向膜15よりも強度が高い透明絶縁膜12の存在により、或いは、配向膜15と透明絶縁膜12との協動によりこのような装置欠陥の発生確率を顕著に低減し得る。
【0064】
そして特に、このような明るく高精細の反射型表示のため及び装置欠陥率の改善のために、反射電極11上に単層構造を持つ透明絶縁膜12とを形成すれば良いので、前述の如き反射板を兼ねる画素電極上に高屈折層と低屈折層とを交互に積層する従来技術と比べて、第1基板10上の積層体の構造の単純化ひいては装置構成全体の単純化が図られる。
【0065】
また、第1実施形態では上述のように、透明絶縁膜12は酸化シリコンを主成分とし、反射電極11は、アルミニウムを主成分とするので、比較的容易な製造プロセス且つ比較的低コストで高い反射率が得られる。但し、透明絶縁膜12の主成分を窒化シリコンとしたり、反射電極11の主成分を銀やクロム等の他の金属としても、上述の如き第1実施形態における効果は多少なりとも得られる。
【0066】
以上説明した第1実施形態では、透明絶縁膜12は、好ましくは、平均粒径が50nm以下の無機酸化物粒子を含有する。このように構成すれば、透明絶縁膜12上に形成される配向膜15との接着性が良くなり、比較的容易に当該反射型液晶装置を製造できると共に装置信頼性を高められる。このような無機酸化物粒子は、例えば酸化シリコン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化スズ粒子、酸化アンチモンからなり、例えばゾルゲル法により、このような無機酸化物粒子を酸化シリコン膜中に比較的容易に含有させることができる。
【0067】
以上説明した第1実施形態では、反射電極11の第1基板10上の端子領域に引き出された端子部及び透明電極21の第2基板10上の端子領域に引き出された端子部には、例えばTAB(Tape Automated bonding)基板上に実装されており、反射電極11及び透明電極21に画像信号や走査信号を所定タイミングで供給するデータ線駆動回路や走査線駆動回路を含む駆動用LSIを、異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。或いは、シール材31の外側の第1基板10又は第2基板20上の周辺領域に、このようなデータ線駆動回路や走査線駆動回路を形成して所謂駆動回路内蔵型の反射型液晶装置として構成してもよく、更に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成して所謂周辺回路内蔵型の反射型液晶装置としてもよい。
【0068】
また、第2基板20の外光が入出射する側には、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。更に、第2基板20上に1画素1個対応するようにマイクロレンズを形成してもよい。このようにすれば、入射光の集光効率を向上することで、明るい液晶装置が実現できる。更にまた、第2基板20上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積することで、光の干渉を利用して、RGB色を作り出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付き対向基板によれば、より明るいカラー液晶装置が実現できる。
【0069】
次に、以上の如く構成された第1実施形態の反射型液晶装置の動作について図2を参照して説明する。
【0070】
図2において、第2基板20の側から外光が入射すると、透明な第2基板20及び液晶層50を介して第1基板10上に設けられた反射電極11、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体により多重反射され、再び液晶層50及び第2基板20を介して第2基板20側から出射される。従って、外部回路から反射電極11及び透明電極12に、画像信号及び走査信号を所定タイミングで供給すれば、反射電極11及び透明電極12が交差する個所における液晶層50部分には、行毎又は列毎若しくは画素毎に電界が順次印加される。ここで、例えば第2基板20の外面に偏光板を配置すれば、反射電極11により液晶層50の配向状態を各画素単位で制御することにより、外光を変調し、階調表示が可能となる。ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として反射型液晶装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ反射光が出射する。
【0071】
以上の結果、第1実施形態の反射型液晶装置によれば、外光が第2基板20側から入射した後、液晶層50を介して、反射膜11、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体により多重反射され、再び液晶層50を介して表示光として出射されるので、最終的には外光を利用して視差が少なく且つ明るい画像表示を行うことが可能となる。
【0072】
(第2実施形態)
次に、本発明による液晶装置の第2実施形態について、図8から図11を参照して説明する。第2実施形態は、本発明をTFDアクティブマトリクス駆動方式の反射型液晶装置に適用したものである。
【0073】
先ず、本実施の形態に用いられる2端子型非線形素子の一例としてのTFD駆動素子付近における構成について図8及び図9を参照して説明する。ここに、図8は、TFD駆動素子を画素電極等と共に模式的に示す平面図であり、図9は、図8のB−B’断面図である。尚、図9においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0074】
図8及び図9において、TFD駆動素子40は、第1基板の他の一例であるTFDアレイ基板10’上に形成された絶縁膜41を下地として、その上に形成されており、絶縁膜41の側から順に第1金属膜42、絶縁層44及び第2金属膜46から構成され、TFD構造(Thin Film Diode)或いはMIM構造(Metal Insulator Metal構造)を持つ。そして、TFD駆動素子40の第1金属膜42は、TFDアレイ基板10’上に形成された走査線61に接続されており、第2金属膜46は、反射電極の他の一例である導電性の反射膜からなる画素電極62に接続されている。尚、走査線61に代えてデータ線(後述する)をTFDアレイ基板10’上に形成し、画素電極62に接続して、走査線61を対向基板側に設けてもよい。
【0075】
TFDアレイ基板10’は、例えばガラス、プラスチックなどの絶縁性及び透明性を有する基板或いは不透明な半導体基板等からなる。下地をなす絶縁膜41は、例えば酸化タンタルからなる。但し、絶縁膜41は、第2金属膜46の堆積後等に行われる熱処理により第1金属膜42が下地から剥離しないこと及び下地から第1金属膜42に不純物が拡散しないことを主目的として形成されるものである。従って、TFDアレイ基板10’を、例えば石英基板等のように耐熱性や純度に優れた基板から構成すること等により、これらの剥離や不純物の拡散が問題とならない場合には、絶縁膜41は省略することができる。第1金属膜42は、導電性の金属薄膜からなり、例えば、タンタル単体又はタンタル合金からなる。絶縁膜44は、例えば化成液中で第1金属膜42の表面に陽極酸化により形成された酸化膜からなる。第2金属膜46は、導電性の金属薄膜からなり、例えば、クロム単体又はクロム合金からなる。
【0076】
本実施形態では特に、画素電極62は、第1実施形態における反射電極11と同様に、例えばアルミニウムを主成分とする導電性の反射膜からなり、アルミニウム蒸着により形成される。即ち、画素電極62は、当該反射型液晶装置における反射板を兼ねる画素電極として機能する。
【0077】
更に、画素電極62、TFD駆動素子40、走査線61等の液晶に面する側(図中上側表面)には、第1実施形態の場合と同様に透明絶縁膜12が設けられており、その上に例えばポリイミド薄膜などの有機薄膜からなりラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜15が設けられている。
【0078】
以上、2端子型非線形素子としてTFD駆動素子の幾つかの例について説明したが、ZnO(酸化亜鉛)バリスタ、MSI(Metal Semi−Insulator)駆動素子、RD(Ring Diode)などの双方向ダイオード特性を有する2端子型非線形素子を本実施形態の反射型液晶装置に適用可能である。
【0079】
次に、以上にように構成されたTFD駆動素子を備えて構成される第2実施形態であるTFDアクティブマトリクス駆動方式の反射型液晶装置の構成及び動作について図10及び図11を参照して説明する。ここに、図10は、液晶素子を駆動回路と共に示した等価回路図であり、図11は、液晶素子を模式的に示す部分破断斜視図である。
【0080】
図10において、TFDアクティブマトリクス駆動方式の反射型液晶装置は、TFDアレイ基板10’上に配列された複数の走査線61が、走査線駆動回路の一例を構成するYドライバ回路100に接続されており、その対向基板上に配列された複数のデータ線71が、データ線駆動回路の一例を構成するXドライバ回路110に接続されている。尚、Yドライバ回路100及びXドライバ回路110は、TFDアレイ基板10’又はその対向基板上に形成されていてもよく、この場合には、駆動回路内蔵型の反射型液晶装置となる。或いは、Yドライバ回路100及びXドライバ回路110は、反射型液晶装置とは独立した外部ICから構成され、所定の配線を経て走査線61やデータ線71に接続されてもよく、この場合には、駆動回路を含まない反射型液晶装置となる。
【0081】
マトリクス状の各画素領域において、走査線61は、TFD駆動素子40の一方の端子に接続されており(図8及び図9参照)、データ線71は、液晶層50及び画素電極62を介してTFD駆動素子40の他方の端子に接続されている。従って、各画素領域に対応する走査線61に走査信号が供給され、データ線71にデータ信号が供給されると、当該画素領域におけるTFD駆動素子40がオン状態となり、TFD駆動素子40を介して、画素電極62及びデータ線71間にある液晶層50に駆動電圧が印加される。
【0082】
図11において、反射型液晶装置は、TFDアレイ基板10’と、これに対向配置される透明な第2基板(対向基板)20とを備えている。第2基板20は、例えばガラス基板からなる。TFDアレイ基板10’には、マトリクス状に反射膜からなる画素電極62が設けられており、各画素電極62は、走査線61に接続されている。
【0083】
本実施形態では特に、第1実施形態における透明絶縁膜12及び配向膜15と同様に、画素電極62、TFD駆動素子40、走査線61等の液晶に面する側には、透明絶縁膜12及び配向膜15が設けられている。
【0084】
他方、第2基板20には、走査線61と交差する方向に伸びており、短冊状に配列された複数のデータ線71が設けられている。データ線71の下側には、例えばポリイミド薄膜などの有機薄膜からなりラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜25が設けられている。更に、第2基板20には、その用途に応じて、ストライプ状、モザイク状、トライアングル状等に配列された色材膜からなる不図示のカラーフィルタが設けらる。
【0085】
データ線71は、第1実施形態におけるストライプ状の透明電極21と同様に、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性薄膜からなり、本発明におけるストライプ状の透明電極の他の一例を構成している。
【0086】
第2実施形態において、透明絶縁膜12は、第1実施形態の場合と同様に、その屈折率が、液晶層50を構成する液晶の屈折率及び配向膜15の屈折率よりも小さく設定されている。更に、透明絶縁膜12の膜厚は、第2基板20側から入射される青色光に対する画素電極62、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体の多重反射による反射率を極大とする第1所定膜厚以上であり且つ第2基板20側から入射される赤色光に対する画素電極62、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体の反射率を極大とする第2所定膜厚以下の膜厚に設定されている。そして、より具体的には、透明絶縁膜12は、上述の条件を満たすように、例えば酸化シリコンを主成分としており、液晶の屈折率1.60及び配向膜15の屈折率1.66に対して、透明絶縁膜12の屈折率は、例えば1.5以下とされている。また、透明絶縁膜12の膜厚は、例えば50nm以上100nm以下となるように、スパッタリングにより形成される。
【0087】
以上説明したように、第2実施形態のTFDアクティブマトリクス駆動方式の反射型液晶装置によれば、画素電極62とデータ線71との間で、各画素電極62における液晶部分に電界を順次印加することにより、各液晶部分の配向状態を制御可能となり、画素電極62により反射され各液晶部分を介して表示光として出射される外光強度を制御できる。この際、第2基板20側から入射した外光が、液晶層50を介して、画素電極62、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体により多重反射され、再び液晶層50を介して表示光として出射されるので、最終的には外光を利用して視差が少なく且つ明るい画像表示を行うことが可能となる。特に、TFD40を介して各画素電極62に電力を供給するため、画素電極62間におけるクロストークを低減でき、より高品位の画像表示が可能となる。
【0088】
(第3実施形態)
次に、本発明による液晶装置の第3実施形態について、図12から図14を参照して説明する。第3実施形態は、本発明をTFTアクティブマトリクス駆動方式の反射型液晶装置に適用したものである。図12は、液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路であり、図13は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図14は、図13のC−C’断面図である。尚、図14においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0089】
図12において、第3実施形態のTFTアクティブマトリクス方式の反射型液晶装置では、マトリクス状に配置された反射電極の他の一例である画素電極62を制御するためのTFT130がマトリクス状に複数形成されており、画像信号が供給されるデータ線135がTFT130のソースに電気的に接続されている。データ線135に書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線135同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT130のゲートに走査線131が電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線131にパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極62は、TFT130のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT130を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線135から供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極62を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板(後述する)に形成された対向電極(後述する)との間で一定期間保持される。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極62と対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量170を付加する。
【0090】
図13において、TFTアレイ基板上には、マトリクス状に反射膜からなる画素電極62(その輪郭62aが図中点線で示されている)が設けられており、画素電極62の縦横の境界に各々沿ってデータ線135、走査線131及び容量線132が設けられている。データ線135は、コンタクトホール5を介してポリシリコン膜等からなる半導体層1aのうちソース領域に電気的接続されている。画素電極62は、コンタクトホール8を介して半導体層1aのうちドレイン領域に電気的接続されている。容量線132は、絶縁膜を介して半導体層1aのうちのドレイン領域から延設された第1蓄積容量電極に対向配置しており、蓄積容量170を構成する。また、半導体層1aのうち図中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a’に対向するように走査線131が配置されており、走査線131はゲート電極として機能する。このように、走査線131とデータ線135との交差する個所には夫々、チャネル領域1a’に走査線131がゲート電極として対向配置されたTFT130が設けられている。
【0091】
図14に示すように、液晶装置は、第1基板の他の一例を構成するTFTアレイ基板10”と、これに対向配置される透明な第2基板(対向基板)20とを備えている。TFTアレイ基板10”は、不透明でもよく、例えば石英基板、半導体基板からなる。第2基板20は、透明な例えばガラス基板や石英基板からなる。
【0092】
本実施形態では特に、TFTアレイ基板10”に設けられる画素電極62は、第1実施形態における反射電極11と同様に、例えばアルミニウムを主成分とする導電性の反射膜からなり、アルミニウム蒸着等により形成される。即ち、画素電極62は、当該反射型液晶装置における反射板を兼ねる画素電極として機能する。
【0093】
更に、画素電極62、TFT130等の液晶に面する側(図中上側表面)には、第1実施形態の場合と同様に透明絶縁膜12が設けられており、その上に例えばポリイミド薄膜などの有機薄膜からなりラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜15が設けられている。
【0094】
他方、第2基板20には、そのほぼ全面に透明電極の他の一例としての対向電極121が設けられており、各画素の非開口領域に、ブラックマスク或いはブラックマトリクスと称される第2遮光膜122が設けられている。対向電極121の下側には、例えばポリイミド薄膜などの有機薄膜からなりラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜25が設けられている。更に、第2基板20には、その用途に応じて、ストライプ状、モザイク状、トライアングル状等に配列された色材膜からなる不図示のカラーフィルタが設けらる。
【0095】
TFTアレイ基板10”には、各画素電極62に隣接する位置に、各画素電極62をスイッチング制御する画素スイッチング用TFT130が設けられている。
【0096】
このように構成され、画素電極62と対向電極121とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10”と第2基板20との間には、第1実施形態の場合と同様にシール材により囲まれた空間に液晶が封入され、液晶層50が形成される。
【0097】
更に、複数の画素スイッチング用TFT30の下には、第1層間絶縁膜112が設けられている。第1層間絶縁膜112は、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、画素スイッチング用TFT30のための下地膜として機能する。第1層間絶縁膜112は、例えば、NSG(ノンドープトシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などの高絶縁性ガラス又は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等からなる。
【0098】
図14において、画素スイッチング用TFT130は、コンタクトホール5を介してデータ線135に接続されたソース領域、走査線131にゲート絶縁膜を介して対向配置されたチャネル領域1a’及びコンタクトホール8を介して画素電極62に接続されたドレイン領域を含んで構成されている。データ線131は、Al等の低抵抗な金属膜や金属シリサイド等の合金膜などの遮光性且つ導電性の薄膜から構成されている。また、その上には、コンタクトホール5及び8が開孔された第2層間絶縁膜114が形成されており、更に、その上には、コンタクトホール8が開孔された第3層間絶縁膜117が形成されている。これら第2及び第3層間絶縁膜114及び117についても、第1層間絶縁膜112と同様に、NSG、PSG、BSG、BPSGなどの高絶縁性ガラス又は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等からなる。
【0099】
画素スイッチング用TFT130は、LDD構造、オフセット構造、セルフアライン構造等いずれの構造のTFTであってもよい。更に、シングルゲート構造の他、デュアルゲート或いはトリプルゲート以上でTFT130を構成してもよい。
【0100】
本実施形態においては特に、画素電極62上に形成された透明絶縁膜12は、第1実施形態の場合と同様に、その屈折率が、液晶層50を構成する液晶の屈折率及び配向膜15の屈折率よりも小さく設定されている。更に、透明絶縁膜12の膜厚は、第2基板20側から入射される青色光に対する画素電極62、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体の多重反射による反射率を極大とする第1所定膜厚以上であり且つ第2基板20側から入射される赤色光に対する画素電極62、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体の反射率を極大とする第2所定膜厚以下の膜厚に設定されている。そして、より具体的には、透明絶縁膜12は、上述の条件を満たすように、例えば酸化シリコンを主成分としており、液晶の屈折率1.60及び配向膜15の屈折率1.66に対して、透明絶縁膜12の屈折率は、例えば1.5以下とされている。また、透明絶縁膜12の膜厚は、例えば50nm以上100nm以下となるように、スパッタリングにより形成される。
【0101】
以上説明したように、第3実施形態のTFTアクティブマトリクス駆動方式の反射型液晶装置によれば、画素電極62と対向電極121との間で、各画素電極62における液晶部分に電界を順次印加することにより、各液晶部分の配向状態を制御可能となり、画素電極62により反射され各液晶部分を介して表示光として出射される外光強度を制御できる。この際、第2基板20側から入射した外光が、液晶層50を介して、画素電極62、透明絶縁膜12及び配向膜15からなる積層体により多重反射され、再び液晶層50を介して表示光として出射されるので、最終的には外光を利用して視差が少なく且つ明るい画像表示を行うことが可能となる。特に、TFT130を介して各画素電極62に電力を供給するため、画素電極62間におけるクロストークを低減でき、より高品位の画像表示が可能となる。
【0102】
尚、第2基板20上に対向電極を設けることなく、第1基板10上の画素電極62間における基板に平行な横電界で駆動してもよい。
【0103】
(第4実施形態)
次に、本発明による液晶装置の第4実施形態について、図15を参照して説明する。第4実施形態は、上述した本発明の第1から第3実施形態の反射型液晶装置を適用した各種の電子機器からなる。
【0104】
先ず、第1から第3実施形態における反射型液晶装置を、例えば図15(a)に示すような携帯電話1000の表示部1001に適用すれば、装置構成及び製造プロセスを単純化し得ると共に明るく高コントラストであり、しかも視差が殆ど無く高精細の白黒又はカラー反射型表示を行う省エネルギ型の携帯電話を実現できる。
【0105】
また、図15(b)に示すような腕時計1100の表示部1101に適用すれば、装置構成及び製造プロセスを単純化し得ると共に明るく高コントラストであり、しかも視差が殆ど無く高精細の白黒又はカラー反射型表示を行う省エネルギ型の腕時計を実現できる。
【0106】
更に、図15(c)に示すようなパーソナルコンピュータ(或いは、情報端末)1200において、キーボード1202付きの本体1204に開閉自在に取り付けられるカバー内に設けられる表示画面1206に適用すれば、装置構成及び製造プロセスを単純化し得ると共に明るく高コントラストであり、しかも視差が殆ど無く高精細の白黒又はカラー反射型表示を行う省エネルギ型の省エネルギ型のパーソナルコンピュータを実現できる。
【0107】
以上図15に示した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、エンジニアリング・ワークステーション(EWS)、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などの電子機器にも、第1から第3実施形態の反射型液晶表示装置を適用可能である。
【0108】
以上説明した第1から第4実施形態では、本発明を反射型液晶装置に適用しているが、反射板を兼ねる反射電極に代えて、光透過用の開孔が設けられた半透過反射板を兼ねる半透過反射電極を用いたり、反射電極間に光透過用の間隙を設けるなどして且つ該電極の液晶と反対側に光源を設けることにより、本発明を半透過反射型液晶装置に適用することも可能である。
【0109】
尚、本発明は、以上説明した実施形態に限るものではなく、本発明の要旨を変えない範囲で実施形態を適宜変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるパッシブマトリクス駆動方式の反射型液晶装置を、対向基板上に形成されるカラーフィルタを便宜上取り除いて対向基板側から見た様子を示す図式的平面図である。
【図2】図1のA−A’断面をカラーフィルタを含めて示す反射型液晶装置の図式的断面図である。
【図3】第1実施形態における反射電極を構成するアルミニウムについての光学定数n、kを求めるためのチャートの一例を示す特性図である。
【図4】第1実施形態におけるシミュレーションを行って得られる、液晶層に面している反射電極、透明絶縁膜及び配向膜からなる積層体の反射率と透明絶縁膜の屈折率との関係を示す特性図である。
【図5】第1実施形態におけるシミュレーションを行って得られる、液晶層に面している反射電極、透明絶縁膜及び配向膜からなる積層体の反射率と透明絶縁膜の膜厚との関係の一例を示す特性図である。
【図6】第1実施形態におけるシミュレーションを行って得られる、液晶層に面している反射電極、透明絶縁膜及び配向膜からなる積層体の反射率と透明絶縁膜の膜厚との関係の他の例を示す特性図である。
【図7】第1実施形態におけるシミュレーションを行って得られる、液晶層に面している反射電極、透明絶縁膜及び配向膜からなる積層体の反射率と透明絶縁膜の膜厚との関係の他の例を示す特性図である。
【図8】本発明の第2実施形態であるTFDアクティブマトリクス駆動方式の反射型液晶装置に用いられるTFD駆動素子を画素電極等と共に模式的に示す平面図である。
【図9】図8のB−B’断面図である。
【図10】第2実施形態の反射型液晶装置の画素部の等価回路を周辺駆動回路と共に示す等価回路図である。
【図11】第2実施形態の反射型液晶装置を模式的に示す部分破断斜視図である。
【図12】本発明の第3実施形態であるTFTアクティブマトリクス駆動方式の反射型液晶装置の画素部の等価回路図である。
【図13】第3実施形態の反射型液晶装置の画素部の平面図である。
【図14】図13のC−C’断面図である。
【図15】本発明の第4実施形態である各種電子機器の外観図である。
【符号の説明】
10…第1基板
10’…TFDアレイ基板
10”…TFTアレイ基板
11…反射電極
12…透明絶縁膜
15…配向膜
20…第2基板
21…透明電極
23…カラーフィルタ
24…カラーフィルタ平坦化膜
25…配向膜
31…シール材
32…封止材
40…TFD
50…液晶層
61…走査線
62…画素電極
71…データ線
130…TFT
131…走査線
132…容量線
135…データ線
170…蓄積容量
Claims (4)
- 第1基板と、該第1基板に対向配置された透明の第2基板と、前記第1及び第2基板間に挟持された液晶と、前記第1基板の前記第2基板に対向する側に配置された反射電極と、該反射電極上に配置された単層構造を持つ透明絶縁膜と、該透明絶縁膜上に配置された配向膜とを備えた液晶装置であって、
前記透明絶縁膜は、平均粒径が50nm以下の無機酸化物粒子を含有するとともに、前記透明絶縁膜の屈折率は、前記液晶の屈折率及び前記配向膜の屈折率よりも小さく設定されており、前記透明絶縁膜の膜厚は、前記第2基板側から入射される青色光に対する前記反射電極、前記透明絶縁膜及び前記配向膜からなる積層体の多重反射による反射率を極大とする第1所定膜厚以上であり、且つ前記第2基板側から入射される赤色光に対する前記積層体の反射率を極大とする第2所定膜厚以下の膜厚に設定されていることを特徴とする液晶装置。 - 前記反射電極は、導電性の反射膜からなる複数のストライプ状の反射電極であり、前記第2基板には、前記ストライプ状の反射電極と相交差する複数のストライプ状の透明電極を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
- 前記反射電極は、導電性の反射膜からなる複数のマトリクス状の画素電極からなり、前記第1基板上に、各画素電極に接続された2端子型スイッチング素子と、該2端子型スイッチング素子に接続された複数の走査線及び複数のデータ線の一方とを備え、
前記第2基板上に、前記一方と相交差する前記複数の走査線及び前記複数のデータ線の他方を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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