JP3552267B2 - 車両用位置検出装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、マップマッチング手法とGPS信号測定とによって、車両位置と車両進行方向を検出する車両用位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
走行している車両の現在位置(以下、車両位置と呼ぶ)は、いわゆるマップマッチング手法によって求めることができる。この手法は、車速センサによって検出される車両の走行距離と、方位センサによって検出される車両の進行方位とに基づいて車両の走行軌跡を求めた後、CD−ROM等に記憶されている道路地図データの中から車両の走行軌跡と一致する道路を検索して車両位置を検出するものである。
しかし、車速センサ等の出力は誤差を含むため、マップマッチング手法だけでは精度よく車両位置を検出できない。そこで、マップマッチング手法によって求めた車両位置を、GPS衛星からのGPS(Global Positioning System)信号によって修正する車両用位置検出装置が提案されている(特開平2−275310号公報参照)。この種のGPS信号を用いた車両位置測定(以下、GPS測定と呼ぶ)は、複数の衛星から発信されるGPS信号を受信し、各信号に含まれる衛星の位置情報と時刻情報に基づいて各衛星からの距離を算出し、三角測量の原理により車両位置を求めるものである。
【0003】
上記公報に記載された車両用位置検出装置では、GPS測定の信頼度を推定し、その信頼度に応じて、マップマッチング手法によって演算した車両位置(以下、マップマッチング演算値と呼ぶ)と、GPS信号を用いて演算した車両位置(以下、GPS演算値と呼ぶ)とのいずれかを選択して車両位置を定めている。
【0004】
以下、図9を用いてマップマッチング手法とGPS測定とを組み合わせた従来の車両位置検出方法を説明する。図9はディスプレイに表示される道路地図を示し、車両位置を車両マークMで示している。図9(a)は、分岐角が小さいY字形状の交差点付近を車両が走行する例を示す。車両が地点Pから交差点Qに達するまでは、マップマッチングが精度よく行われたとする。ここで、車両が交差点Qから左方向の経路を進んだときに、マップマッチングした結果、車両が右方向の経路を進んでいると誤って判断されたとする。このような誤った判断は、分岐角が小さい交差点や複数の道路が近接している場合等に特に起こりやすく、主に方位センサの測定誤差によって生じる。
このような場合、GPS信号を用いて車両位置を修正することになるが、GPS信号によって求めた車両位置は、受信された衛星数、衛星の天空上の配置および受信感度等により、大体数10〜数100メートルの誤差を有する。
【0005】
図9(a)の円Q1は、車両が地点Rを走行していると誤って判断された時点でのGPS測定の誤差範囲を示し、誤差円とも呼ばれる。この誤差円の中心がGPS測定による車両位置を示すが、GPS測定だけでは誤差円の中のどこに車両が存在するかを特定できない。このため、車両が誤差円の中にあるときは、GPS測定の結果を用いずにマップマッチング手法によって求めた車両位置に基づいてディスプレイに車両マークを表示する。
一方、車両が地点Sに達すると、マップマッチング手法によって求めた車両位置S1はGPS測定による誤差円Q2の外になる。このため、車両位置S1は誤っていると判断され、車両位置は誤差円Q2の中心位置S2に修正される。そして、その後マップマッチング手法によって、実際に車両が走行している経路上の地点Tに修正される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、マップマッチング手法とGPS測定とを組み合わせた従来の車両用位置検出装置では、通常はマップマッチング手法によって求めた車両位置をディスプレイに表示し、マップマッチング手法による車両位置がGPS測定による誤差円の範囲を越えると、GPS測定に基づいて車両位置を修正する。ところが、図示のようにGPS測定に基づいて車両位置を修正する際に、ディスプレイ上の車両位置が突然大きく変化するため、不自然な感じを与える。
【0007】
またこの種の従来の車両用位置検出装置において、例えば図9(b)に示すように、CD−ROM等の地図記憶メモリに記憶されていない経路を車両が走行する場合、車両位置を正確に検出できないという問題がある。図9(b)において、経路Uは地図記憶メモリに記憶されているため、この経路Uを走行している間は経路Uに沿って精度よく車両位置が検出される。一方、車両が地図記憶メモリに記憶されていない経路Vに左折すると、マップマッチングの精度が悪くなり、図示の点線で示すように、実際の進行経路とかけ離れた位置に車両マークが表示される。図示の地点Wに達すると、GPSの誤差円をはずれるため、車両位置が地点Xに変化し、ここからまた点線のように、経路Vとかけ離れた位置に車両マークが表示される。
このように、マップマッチング手法を中心として車両位置を検出すると、道路地図データが用意されていない場合等に検出位置の誤差が大きくなる。
【0008】
これに対して、特開平2−296172号公報に記載された装置では、マップマッチング演算値の誤差とGPS演算値の誤差を定期的に求め、これら誤差に基づいて車両位置を推定するようにしている。すなわち、マップマッチング演算値とGPS演算値の双方の誤差量を重み付けして車両位置を決定するため、ディスプレイ上の車両位置が途中で大きく変化することはない。
しかし、上記公報では、マップマッチングを行う際に用いる方位センサの誤差を考慮に入れていないため、方位センサの出力が誤差を含む場合には、精度の高い車両位置検出ができない。
また、マップマッチングとGPS測定を組み合わせて車両位置を検出しても、車両進行方向が精度よく検出できなければ、車両位置の修正後すぐにまた車両位置がずれてしまう。
一方、複数の衛星から発信されるGPS信号を受信すると、車両の位置測定ができるだけでなく、車両の進行方向も検出することができる。そこで、上述した方位センサの出力の修正も、GPS信号を用いて行うのが望ましい。
【0009】
図10は、GPS信号による車両位置検出、車速センサによる走行距離検出、GPS信号による車両進行方向検出および方位センサによる車両進行方向検出の各特徴を長所・短所に分けてまとめた図である。
図10に示すように、GPS信号を用いて車両位置検出を行うと、時間積分することなく絶対位置を算出できるため、測定するたびに誤差が累積することがなく、長期的に見て安定した結果が得られる。一方、衛星からのGPS信号が受信できなければ演算できないため、トンネルやビル等の電波障害物があると演算ができなくなる。また、GPS信号を受信できる衛星数や衛星間の配置によって誤差が大きく変動する。
【0010】
一方、車速センサは、車両の走行距離を正確に算出できるが、タイヤ交換やタイヤの磨耗等によってタイヤ径が変化すると、正確な走行距離を算出できなくなる。
また、GPS信号を用いて車両の進行方向を検出すると、絶対方位を安定して検出できるが、車速が約20km以下になると正確な方位を検出できなくなる。
一方、方位センサは、車両に発生した角速度を測定して車両進行方向を検出するため、微少な方位変化も精度よく検出できるが、測定した角速度を時間積分して車両進行方向を求めるため、ゼロレベル調整を行ってからの時間が長いほど、信頼度が低下する。
【0011】
このように、各センサ等にはそれぞれ長所・短所があるため、それぞれの長所をうまく利用して車両の位置検出および進行方向検出を行うのが望ましい。
例えば、トンネル等のGPS信号が受信できない地域を走行する場合には、GPS信号を用いずに位置検出を行い、一方タイヤが磨耗している場合等は車速センサ出力を用いずに位置検出を行うのが望ましい。
【0012】
本発明の目的は、GPS信号に基づく車両位置検出の信頼度と、車両に発生した角速度検出の信頼度を推定することにより、車両位置を精度よく検出できるようにした車両用位置検出装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、GPS信号に基づく車両進行方向検出の信頼度と、車両に発生した角速度検出の信頼度を推定することにより、車両進行方向を精度よく検出できるようにした車両用位置検出装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両に発生した角速度を検出する角速度検出手段と、前記角速度検出手段により検出された角速度に基づいて車両の進行方向を演算する進行方向演算手段と、車両の走行距離を検出する走行距離検出手段と、道路地図データを記憶する地図記憶手段と、前記車両の進行方向、前記走行距離および前記道路地図データに基づいて車両位置を演算する車両位置演算手段と、GPS信号を受信する受信手段と、前記GPS信号に基づいて車両位置を演算するGPS位置演算手段とを備えた車両用位置検出装置に適用される。
そして、請求項1の発明は、前記GPS位置演算手段によって演算された車両位置の信頼度を推定するGPS位置信頼度推定手段と、前記進行方向演算手段によって演算された車両の進行方向の信頼度を推定する進行方向信頼度推定手段と、前記GPS位置信頼度推定手段によって推定された信頼度と、前記進行方向信頼度推定手段によって推定された信頼度と、前記GPS位置演算手段によって演算された車両位置とに基づいて、前記車両位置演算手段によって演算された車両位置を繰り返し修正する車両位置修正手段と、前記車両位置修正手段によって修正された車両位置を記憶する車両位置記憶手段とを備え、前記車両位置修正手段は、前記車両位置記憶手段に記憶された車両位置から前記車両位置演算手段によって演算された車両位置までの距離と方向を演算する第1距離方向演算手段と、前記車両位置記憶手段に記憶された車両位置から前記GPS位置演算手段によって演算された車両位置までの距離と方向を演算する第2距離方向演算手段と、前記GPS位置信頼度推定手段によって推定された信頼度と前記進行方向信頼度推定手段によって推定された信頼度とに応じて距離と方位を修正する修正係数を演算する修正係数演算手段とを有し、前記修正係数演算手段によって演算された修正係数を用いて、前記第1距離方向演算手段と前記第2距離方向演算手段とにより演算された距離の差と方向の差を修正し、車両位置を演算する。
【0014】
請求項2の車両用位置検出装置は、前記角速度信頼度推定手段によって、前記角速度のゼロレベル調整を行ってからの経過時間に基づいて信頼度を推定する。
請求項3の車両用位置検出装置は、前記車両位置修正手段によって、前記GPS位置信頼度推定手段によって推定された信頼度が高いほど、また前記角速度信頼度推定手段によって推定された信頼度が低いほど、前記車両位置演算手段によって演算された車両位置を前記GPS位置演算手段によって演算された車両位置に近づけるように修正する。
【0015】
【作用】
請求項1の発明では、第1距離方向演算手段によって車両位置記憶手段に記憶された車両位置から車両位置演算手段によって演算された車両位置までの距離と方向を演算するとともに、第2距離方向演算手段によって車両位置記憶手段に記憶された車両位置からGPS位置演算手段によって演算された車両位置までの距離と方向を演算する。さらに、GPS位置演算手段によって演算された車両位置の信頼度と、進行方向演算手段によって演算された車両の進行方向の信頼度とに応じて距離と方位を修正する修正係数を演算し、これらの修正係数を用いて第1距離方向演算手段と第2距離方向演算手段とにより演算された距離の差と方向の差を修正し、車両位置を演算する。
【0016】
請求項2の発明では、角速度のゼロレベル調整を行ってからの経過時間に基づいて車両進行方向の信頼度を推定する。
請求項3の発明では、GPS位置演算手段によって演算された車両位置の信頼度が高いほど、また進行方向演算手段によって演算された車両の進行方向の信頼度が低いほど、車両位置演算手段によって演算された車両位置をGPS位置演算手段によって演算された車両位置に近づけるように修正する。
【0017】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明が実施例に限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
図1は本発明による車両用経路誘導装置の一実施例のブロック図である。図1において、1は車速を検出する車速センサであり、例えば車両のトランスミッションに取り付けられ、車輪の1回転当たり所定数のパルスを出力する。2は車両の進行方向を検出する方位センサであり、車両のヨー方向の角速度を出力する。この角速度を積分することで車両進行方向が検出される。3は不図示のGPS衛星からのGPS信号を受信するGPS受信機である。
4は交差点ネットワークデータを含む道路地図データを記憶する地図記憶メモリであり、交差点やカーブ地点を示すノードの位置情報、ノード間を接続する道路(リンク)の経路長および地名等の文字情報等を記憶する。
5は、後述する図2〜5の処理を行うCPU、6はCPU5が実行する制御プログラム等を記憶するROM、7はCPU5による演算結果等を記憶するRAMである。8は目的地等を入力する操作ボード、9はCPU5によって作成された画像データを記憶するV−RAMであり、このV−RAM9に記憶された内容に応じてディスプレイ10に絵文字情報が表示される。
上述した車速センサ1、方位センサ2、GPS受信機3、地図記憶メモリ4、CPU5、ROM6、RAM7、操作ボード8、V−RAM9およびディスプレイ10はインタフェース回路11を介して相互に信号のやり取りを行う。
【0019】
図2〜5はいずれもCPU5が行う割り込み処理であり、図2は車速パルス計測処理、図3は車両位置更新処理、図4,5はGPS測定処理を示す。CPU5は不図示のイグニションキーがオン位置に操作されると、不図示のメイン処理によって車両各部の電気機器を制御し、所定時間ごとに図2〜5の割り込み処理を行う。例えば、図2の車速パルス計測処理は約1msごとに、図3の車両位置更新処理は約100msごとに、図4,5のGPS測定処理は約1secごとに行われる。ただし、トンネル等のGPS信号を受信できない地域を車両が走行する場合には、図4,5の処理間隔は長くなる。
【0020】
以下、これらの図に基づいて、本実施例の動作を説明する。
図2に示す車速パルス計測処理は、車速センサ1からパルスが出力されるごとに行われる。ステップS1では、車速センサ1から出力されるパルス数を計測してリターンする。パルス数を計測する変数にはC1とC2の2種類があり、いずれも1加算する。
【0021】
一方、図3に示す車両位置更新処理のステップS11では、方位センサ2の出力である角速度dθ/dtを測定する。ステップS12では、図2のステップS1で車速パルス数を計測している変数C1の値を変数C3に代入した後、変数C1の値をゼロにする。したがって、変数C1はこの時点以降の車速パルス数を計測する。すなわち、変数C1では車両位置更新処理を行ってから次に車両位置更新処理を行うまでの車速パルス数が計測される。
ステップS13では、(1)式に基づいて車両進行方向θを演算する。なお、θ1は前回演算した車両進行方向を示す。また、ΔTは車両位置更新処理を繰り返す時間間隔であり、例えば100msである。
【数1】
θ=θ1+ΔT×dθ/dt ・・・(1)
【0022】
ステップS14では、(2),(3)式に基づいて車両位置S(X,Y)を演算する。なお、(2),(3)式のΔDは、車速パルスが発生してから次に車速パルスが発生するまでの間に車両が走行する距離を示し、X1,Y1はそれぞれ、前回演算した車両位置のX座標、Y座標を示す。
【数2】
X=X1+C3×ΔD×cosθ ・・・(2)
Y=Y1+C3×ΔD×sinθ ・・・(3)
ステップS15では、変数X,Yの値をそれぞれ変数X1,Y1に代入してリターンする。
上記(1)〜(3)式の変数θ1,X1,Y1は原則として前回の車両位置更新処理での演算値を用いるが、前回の演算から今回の演算までの間に、後述するGPS測定処理が行われた場合は、GPS測定処理の演算結果を用いる。
【0023】
このように、図3の車両位置更新処理では、一定時間ごとに、前回の演算結果またはGPS測定結果を用いて車両の進行方向θと車両位置Sの座標を更新するため、車両位置および進行方向を精度よく検出できる。
【0024】
図4に示すGPS測定処理のステップS21では、変数Dに格納されている前回演算した車両位置座標を変数Aに代入する。ステップS22では、図3のステップS14で演算した現在の車両位置座標Sを変数Bに代入する。ステップS23では、GPS信号を受信し、その受信結果に基づいて車両位置座標を演算し、その結果を変数Gに代入する。この場合の変数A,B,Gの位置関係は、例えば図6(a)のようになる。
ステップS24では、(4),(5)式に基づいて距離誤差ΔLと方位誤差Δθを求める。
【数3】
ΔL=AG−AB ・・・(4)
Δθ=∠GAB ・・・(5)
【0025】
ステップS25では、(6)式に基づいて位置修正係数kIを求める。
【数4】
(6)式に示すrGPS、rgはそれぞれGPS位置信頼度、方位センサ信頼度を示し、図7(a),(b)に示すような特性を有する。図7(a)の横軸の単位であるDOPはDilution of Precisionの略であり、GPS信号による位置検出の精度を示す係数である。このDOPとGPS位置信頼度rGPSはほぼ線形の関係にあり、DOPが小さいほどGPS位置信頼度rGPSは高くなる。一方、図7(b)に示す方位センサ信頼度rgは時間の関数で表され、時間が経過するに従って信頼度が低下する。これは、方位センサ2を用いて車両進行方向を検出する場合、方位センサ2の出力である角速度を時間積分する必要があり、方位センサ2出力に温度ドリフト等によるオフセット誤差が含まれていると、時間積分する時間が長いほど誤差量が多くなるためである。
【0026】
したがって、方位センサ2は所定時間ごとにゼロレベル調整を行う必要があり、ゼロレベル調整を行うと、図7(b)のように信頼度が向上する。なお、ゼロレベル調整とは、車両に角速度が発生していない状態で方位センサ2の出力がゼロになるように調整することをいい、一般には車両停止中に行われる。一方、ゼロレベル調整の代わりに、GPS信号による方位検出結果、マップマッチングによる方位検出結果、あるいはビーコン等による方位検出結果等を用いて車両走行中に方位センサ2出力の調整を行ってもよいが、図7(b)に示すように、調整後の信頼度はゼロレベル調整後の信頼度よりも悪い。
【0027】
(6)式の中の積分では、前回GPS測定処理を行った時間tから現在の時間t+αまでの間に、方位センサ信頼度rgがどの程度低下したかが演算される。この積分によって求められる量は、図7(b)の斜線部で示される。すなわち、(6)式の積分値が大きいほど、方位センサ信頼度rgが低いことを示す。したがって、例えば、トンネル等の長時間GPS演算ができない地域を車両が走行すると、この積分値が大きくなり、方位センサ信頼度rgは低下する。
また、(6)式の関数fは、GPS位置信頼度rGPSが高いほど、または方位センサ信頼度rgが低いほど大きくなるように予め設定される。したがって、位置修正係数kIは、GPS演算による位置検出の信頼度rGPSと方位センサ出力の信頼度rgとに応じて変化する。なお、0≦kI≦1となるように、関数fは設定される。
【0028】
ステップS26では、(7),(8)式に基づいて、距離修正係数kLと方位修正係数kθを求める。
【数5】
kL =kI×k1 ・・・(7)
kθ=kI×k2 ・・・(8)
(7),(8)式のkL,kθはいずれも1以下の正の値であり、1に近いほどGPS演算値に近い値に修正することを示す。
ここで、方位センサ2の精度が車速センサ1の精度より高い場合には、0≦k2<k1とするのが望ましく、逆に車速センサ1の精度が方位センサ2の精度より高い場合には、0≦k1<k2とするのが望ましい。
【0029】
ステップS27では、図3のステップS14で求めた車両位置Sを修正する。具体的には、(9),(10)式の関係を満たすように車両位置Sを修正する。
【数6】
AS=AB+kL×ΔL ・・・(9)
∠SAB=kθ×Δθ ・・・(10)
【0030】
ステップS28では、車速パルス数を計測している変数C2がゼロであるか否かを判定する。判定が否定されると車両が走行中であると判断してステップS29に進み、変数C2をゼロにする。したがって、変数C2はこの時点以降の車速パルス数を計測する。すなわち、変数C2ではGPS測定処理を行ってから次にGPS測定処理を行うまでの車速パルス数が計測される。
ステップS30では、ステップS27で修正した車両位置Sの座標(X,Y)をRAM7に記憶してステップS31に進む。
【0031】
一方、ステップS28の判定が肯定されると車両が停止していると判断して図5のステップS31に進む。すなわち、車両が停止している場合には、車両位置が変化しないため、ステップS27の修正結果をRAM7に記憶せずにステップS31以降の処理を行う。
図5のステップS31では、図3のステップS13で演算した現在の車両進行方向を変数θに代入する。ステップS32では、GPS信号に基づいて車両進行方向を演算し、その結果を変数θGに代入する。ステップS33では、(11)式に基づいてGPS信号に基づく車両進行方向と、方位センサ2に基づく車両進行方向との方向差Δθを求める。
【数7】
Δθ=θG−θ ・・・(11)
【0032】
ステップS34では、(12)式に基づいて方位修正係数kHを求める。
【数8】
(12)式に示すrdはGPS方位信頼度を示し、図7(c)に示すような特性を有する。図示のように、GPS方位信頼度rdは車速に応じて変化し、車速が大きいほど信頼度が高くなる。
また、(12)式の関数fは(6)式の関数fと同じであり、GPS方位信頼度rdが高いほど、または方位信頼度rgが低いほど、関数fの値は大きくなる。したがって、方位修正係数kHの値は、GPS測定による方位検出の信頼度rdと、方位センサ2による車両進行方向の信頼度rgとに応じて変化する。
【0033】
ステップS35では、(13)式に基づいて車両進行方向θを更新した後、リターンする。
【数9】
θ=θ+kH×Δθ ・・・(13)
【0034】
以上に説明した図3〜5の処理を図6を用いてまとめると、まず図3の車両位置更新処理では、車速センサ1と方位センサ2を利用して、一定時間ごとに車両位置を更新する。例えば図6(a)は、地点Aから車両位置検出を開始して、a1〜a4およびBの各地点で図3の処理を行った例を示す。
図3の処理によって車両が地点Bに達したと検出されたときに、CPU5が図4のGPS測定処理を行ったとする。この場合、ステップS22の変数Bには図6(a)の地点Bの座標が代入される。また、ステップS23で演算されたGPS測定による車両位置が図6(a)の地点Gであったとする。この場合、ステップS24で演算される距離誤差ΔLと、方位誤差Δθは、図示のようになる。
これらの各誤差とステップS25で求めた信頼度に応じた位置修正係数kIとによって、ステップS27で車両位置を更新する。図6(a)では更新した車両位置をSで示している。
【0035】
また、例えば車両が停止中の場合は、図6(a)の地点Aは変化せず、前回のGPS測定処理によって求めた車両位置Sを地点Bとして新たな車両位置Sを求めるため、求められる車両位置は次第にGPS演算地点Gに近づいていく。
逆に、例えば車両が時速100kmで走行しており、かつGPS信号の受信状態が良好の場合、GPS測定処理の間隔を1secとすると、車両はGPS測定処理を行う間に約30m走行する。すなわち、車両が30m走行するごとにGPS測定処理を行うとともに、GPS測定処理の合間には図3の処理によって車速センサ1と方位センサ2を用いて車両位置検出を行う。この結果、図3〜5の処理によって演算される車両位置は徐々にGPS演算値に近づいていく。したがって、従来のように、ディスプレイ10上の車両位置が急に変化することはない。
【0036】
一方、図3のステップS13で検出された方位センサ2による車両進行方向を図6(b)の矢印Y1とし、図5のステップS32で検出されたGPS測定による車両進行方向を矢印Y2とすると、ステップS33で求められる方位誤差Δθは例えば図6(b)のようになる。ステップS34では方位修正係数kHを演算し、ステップS35では方位誤差Δθと方位修正係数kHとによって車両進行方向を図6(b)の矢印Y3の方向に修正する。
【0037】
図8(a)は図9(a)と同様のY字経路を車両が走行する場合の本実施例による車両位置検出を示す図である。図示の白丸で示した地点がGPS測定による車両位置を示す。
図示のY字交差点において、車両が右側の経路を走行していると方位センサ2が誤って判断しても、GPS演算値は左側の経路に沿って検出されるため、図4のGPS測定処理によって、図8(a)の点線のように迅速に左側の経路に修正される。
一方、図9(b)と同様に地図記憶メモリ4に含まれていない経路を走行する場合でも、図8(b)の点線のように、実際の車両の進行方向に沿って位置検出がされる。
【0038】
このように、本実施例によれば、GPS信号に基づいて演算した車両位置の信頼度と、方位センサ2を用いて演算した車両位置の信頼度とを求め、各信頼度に応じて車両位置を推定するようにしたため、車両位置を精度よく推定することができる。
また、GPS信号に基づいて演算した車両進行方向の信頼度と、方位センサを用いて演算した車両進行方向の信頼度とを求め、各信頼度に応じて車両進行方向を推定するようにしたため、車両進行方向を精度よく推定することができる。
【0039】
図7のGPS位置信頼度、方位センサ信頼度およびGPS方位信頼度を示す各波形は、いずれも主に実験値によって求められるものであり、実験の条件を種々に変化させると、波形の形状が変化する場合があるが、信頼度を示す波形の形状が変わっても本発明は同様に適用できる。
図3の車速パルス計測処理では、所定時間ごとにCPU5に割り込みをかけて、車速センサ1から出力されたパルス数を計測しているが、車速センサ1からパルスが出力されると自動的にカウントアップするカウンタ等によってパルス数を計測してもよい。
【0040】
このように構成した実施例にあっては、方位センサ2が角速度検出手段に、車速センサ1が車速検出手段に、地図記憶メモリ4が地図記憶手段に、図3の処理が車両位置演算手段に、GPS受信機3が受信手段に、図4のステップS23の処理がGPS位置演算手段に、図4のステップS25の処理がGPS位置信頼度推定手段と角速度信頼度推定手段に、図4のステップS27の処理が車両位置修正手段に、RAM7が車両位置記憶手段に、図4のステップS24の処理が第1距離差方向差演算手段と第2距離差方向差演算手段に、図4のステップS25,S26と図5のステップS34の処理が修正係数演算手段に、図3の処理が車両進行方向演算手段に、図5のステップS32の処理がGPS方位演算手段に、図5のステップS34の処理がGPS方位信頼度推定手段に、図5のステップS35の処理が車両進行方向修正手段に、図5のステップS33の処理が方向差演算手段に、それぞれ対応する。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、車両位置を精度よく推定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用位置検出装置の一実施例のブロック図である。
【図2】CPUが行う車速パルス計測処理を示すフローチャートである。
【図3】CPUが行う車両位置更新処理を示すフローチャートである。
【図4】CPUが行うGPS測定処理を示すフローチャートである。
【図5】図4に続くフローチャートである。
【図6】車両位置検出と車両進行方向検出の例を示す図である。
【図7】GPS位置信頼度、方位センサ信頼度およびGPS方位信頼度の特性を示す図である。
【図8】本実施例の車両位置検出装置を用いて車両位置検出を行った例を示す図である。
【図9】従来の車両位置検出装置によって車両位置検出を行った例を示す図である。
【図10】各センサ等の長所・短所をまとめた図である。
【符号の説明】
1 車速センサ
2 方位センサ
3 GPS受信機
4 地図記憶メモリ
5 CPU
6 ROM
7 RAM
8 操作ボード
9 V−RAM
10 ディスプレイ
11 インタフェース回路
【産業上の利用分野】
本発明は、マップマッチング手法とGPS信号測定とによって、車両位置と車両進行方向を検出する車両用位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
走行している車両の現在位置(以下、車両位置と呼ぶ)は、いわゆるマップマッチング手法によって求めることができる。この手法は、車速センサによって検出される車両の走行距離と、方位センサによって検出される車両の進行方位とに基づいて車両の走行軌跡を求めた後、CD−ROM等に記憶されている道路地図データの中から車両の走行軌跡と一致する道路を検索して車両位置を検出するものである。
しかし、車速センサ等の出力は誤差を含むため、マップマッチング手法だけでは精度よく車両位置を検出できない。そこで、マップマッチング手法によって求めた車両位置を、GPS衛星からのGPS(Global Positioning System)信号によって修正する車両用位置検出装置が提案されている(特開平2−275310号公報参照)。この種のGPS信号を用いた車両位置測定(以下、GPS測定と呼ぶ)は、複数の衛星から発信されるGPS信号を受信し、各信号に含まれる衛星の位置情報と時刻情報に基づいて各衛星からの距離を算出し、三角測量の原理により車両位置を求めるものである。
【0003】
上記公報に記載された車両用位置検出装置では、GPS測定の信頼度を推定し、その信頼度に応じて、マップマッチング手法によって演算した車両位置(以下、マップマッチング演算値と呼ぶ)と、GPS信号を用いて演算した車両位置(以下、GPS演算値と呼ぶ)とのいずれかを選択して車両位置を定めている。
【0004】
以下、図9を用いてマップマッチング手法とGPS測定とを組み合わせた従来の車両位置検出方法を説明する。図9はディスプレイに表示される道路地図を示し、車両位置を車両マークMで示している。図9(a)は、分岐角が小さいY字形状の交差点付近を車両が走行する例を示す。車両が地点Pから交差点Qに達するまでは、マップマッチングが精度よく行われたとする。ここで、車両が交差点Qから左方向の経路を進んだときに、マップマッチングした結果、車両が右方向の経路を進んでいると誤って判断されたとする。このような誤った判断は、分岐角が小さい交差点や複数の道路が近接している場合等に特に起こりやすく、主に方位センサの測定誤差によって生じる。
このような場合、GPS信号を用いて車両位置を修正することになるが、GPS信号によって求めた車両位置は、受信された衛星数、衛星の天空上の配置および受信感度等により、大体数10〜数100メートルの誤差を有する。
【0005】
図9(a)の円Q1は、車両が地点Rを走行していると誤って判断された時点でのGPS測定の誤差範囲を示し、誤差円とも呼ばれる。この誤差円の中心がGPS測定による車両位置を示すが、GPS測定だけでは誤差円の中のどこに車両が存在するかを特定できない。このため、車両が誤差円の中にあるときは、GPS測定の結果を用いずにマップマッチング手法によって求めた車両位置に基づいてディスプレイに車両マークを表示する。
一方、車両が地点Sに達すると、マップマッチング手法によって求めた車両位置S1はGPS測定による誤差円Q2の外になる。このため、車両位置S1は誤っていると判断され、車両位置は誤差円Q2の中心位置S2に修正される。そして、その後マップマッチング手法によって、実際に車両が走行している経路上の地点Tに修正される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、マップマッチング手法とGPS測定とを組み合わせた従来の車両用位置検出装置では、通常はマップマッチング手法によって求めた車両位置をディスプレイに表示し、マップマッチング手法による車両位置がGPS測定による誤差円の範囲を越えると、GPS測定に基づいて車両位置を修正する。ところが、図示のようにGPS測定に基づいて車両位置を修正する際に、ディスプレイ上の車両位置が突然大きく変化するため、不自然な感じを与える。
【0007】
またこの種の従来の車両用位置検出装置において、例えば図9(b)に示すように、CD−ROM等の地図記憶メモリに記憶されていない経路を車両が走行する場合、車両位置を正確に検出できないという問題がある。図9(b)において、経路Uは地図記憶メモリに記憶されているため、この経路Uを走行している間は経路Uに沿って精度よく車両位置が検出される。一方、車両が地図記憶メモリに記憶されていない経路Vに左折すると、マップマッチングの精度が悪くなり、図示の点線で示すように、実際の進行経路とかけ離れた位置に車両マークが表示される。図示の地点Wに達すると、GPSの誤差円をはずれるため、車両位置が地点Xに変化し、ここからまた点線のように、経路Vとかけ離れた位置に車両マークが表示される。
このように、マップマッチング手法を中心として車両位置を検出すると、道路地図データが用意されていない場合等に検出位置の誤差が大きくなる。
【0008】
これに対して、特開平2−296172号公報に記載された装置では、マップマッチング演算値の誤差とGPS演算値の誤差を定期的に求め、これら誤差に基づいて車両位置を推定するようにしている。すなわち、マップマッチング演算値とGPS演算値の双方の誤差量を重み付けして車両位置を決定するため、ディスプレイ上の車両位置が途中で大きく変化することはない。
しかし、上記公報では、マップマッチングを行う際に用いる方位センサの誤差を考慮に入れていないため、方位センサの出力が誤差を含む場合には、精度の高い車両位置検出ができない。
また、マップマッチングとGPS測定を組み合わせて車両位置を検出しても、車両進行方向が精度よく検出できなければ、車両位置の修正後すぐにまた車両位置がずれてしまう。
一方、複数の衛星から発信されるGPS信号を受信すると、車両の位置測定ができるだけでなく、車両の進行方向も検出することができる。そこで、上述した方位センサの出力の修正も、GPS信号を用いて行うのが望ましい。
【0009】
図10は、GPS信号による車両位置検出、車速センサによる走行距離検出、GPS信号による車両進行方向検出および方位センサによる車両進行方向検出の各特徴を長所・短所に分けてまとめた図である。
図10に示すように、GPS信号を用いて車両位置検出を行うと、時間積分することなく絶対位置を算出できるため、測定するたびに誤差が累積することがなく、長期的に見て安定した結果が得られる。一方、衛星からのGPS信号が受信できなければ演算できないため、トンネルやビル等の電波障害物があると演算ができなくなる。また、GPS信号を受信できる衛星数や衛星間の配置によって誤差が大きく変動する。
【0010】
一方、車速センサは、車両の走行距離を正確に算出できるが、タイヤ交換やタイヤの磨耗等によってタイヤ径が変化すると、正確な走行距離を算出できなくなる。
また、GPS信号を用いて車両の進行方向を検出すると、絶対方位を安定して検出できるが、車速が約20km以下になると正確な方位を検出できなくなる。
一方、方位センサは、車両に発生した角速度を測定して車両進行方向を検出するため、微少な方位変化も精度よく検出できるが、測定した角速度を時間積分して車両進行方向を求めるため、ゼロレベル調整を行ってからの時間が長いほど、信頼度が低下する。
【0011】
このように、各センサ等にはそれぞれ長所・短所があるため、それぞれの長所をうまく利用して車両の位置検出および進行方向検出を行うのが望ましい。
例えば、トンネル等のGPS信号が受信できない地域を走行する場合には、GPS信号を用いずに位置検出を行い、一方タイヤが磨耗している場合等は車速センサ出力を用いずに位置検出を行うのが望ましい。
【0012】
本発明の目的は、GPS信号に基づく車両位置検出の信頼度と、車両に発生した角速度検出の信頼度を推定することにより、車両位置を精度よく検出できるようにした車両用位置検出装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、GPS信号に基づく車両進行方向検出の信頼度と、車両に発生した角速度検出の信頼度を推定することにより、車両進行方向を精度よく検出できるようにした車両用位置検出装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両に発生した角速度を検出する角速度検出手段と、前記角速度検出手段により検出された角速度に基づいて車両の進行方向を演算する進行方向演算手段と、車両の走行距離を検出する走行距離検出手段と、道路地図データを記憶する地図記憶手段と、前記車両の進行方向、前記走行距離および前記道路地図データに基づいて車両位置を演算する車両位置演算手段と、GPS信号を受信する受信手段と、前記GPS信号に基づいて車両位置を演算するGPS位置演算手段とを備えた車両用位置検出装置に適用される。
そして、請求項1の発明は、前記GPS位置演算手段によって演算された車両位置の信頼度を推定するGPS位置信頼度推定手段と、前記進行方向演算手段によって演算された車両の進行方向の信頼度を推定する進行方向信頼度推定手段と、前記GPS位置信頼度推定手段によって推定された信頼度と、前記進行方向信頼度推定手段によって推定された信頼度と、前記GPS位置演算手段によって演算された車両位置とに基づいて、前記車両位置演算手段によって演算された車両位置を繰り返し修正する車両位置修正手段と、前記車両位置修正手段によって修正された車両位置を記憶する車両位置記憶手段とを備え、前記車両位置修正手段は、前記車両位置記憶手段に記憶された車両位置から前記車両位置演算手段によって演算された車両位置までの距離と方向を演算する第1距離方向演算手段と、前記車両位置記憶手段に記憶された車両位置から前記GPS位置演算手段によって演算された車両位置までの距離と方向を演算する第2距離方向演算手段と、前記GPS位置信頼度推定手段によって推定された信頼度と前記進行方向信頼度推定手段によって推定された信頼度とに応じて距離と方位を修正する修正係数を演算する修正係数演算手段とを有し、前記修正係数演算手段によって演算された修正係数を用いて、前記第1距離方向演算手段と前記第2距離方向演算手段とにより演算された距離の差と方向の差を修正し、車両位置を演算する。
【0014】
請求項2の車両用位置検出装置は、前記角速度信頼度推定手段によって、前記角速度のゼロレベル調整を行ってからの経過時間に基づいて信頼度を推定する。
請求項3の車両用位置検出装置は、前記車両位置修正手段によって、前記GPS位置信頼度推定手段によって推定された信頼度が高いほど、また前記角速度信頼度推定手段によって推定された信頼度が低いほど、前記車両位置演算手段によって演算された車両位置を前記GPS位置演算手段によって演算された車両位置に近づけるように修正する。
【0015】
【作用】
請求項1の発明では、第1距離方向演算手段によって車両位置記憶手段に記憶された車両位置から車両位置演算手段によって演算された車両位置までの距離と方向を演算するとともに、第2距離方向演算手段によって車両位置記憶手段に記憶された車両位置からGPS位置演算手段によって演算された車両位置までの距離と方向を演算する。さらに、GPS位置演算手段によって演算された車両位置の信頼度と、進行方向演算手段によって演算された車両の進行方向の信頼度とに応じて距離と方位を修正する修正係数を演算し、これらの修正係数を用いて第1距離方向演算手段と第2距離方向演算手段とにより演算された距離の差と方向の差を修正し、車両位置を演算する。
【0016】
請求項2の発明では、角速度のゼロレベル調整を行ってからの経過時間に基づいて車両進行方向の信頼度を推定する。
請求項3の発明では、GPS位置演算手段によって演算された車両位置の信頼度が高いほど、また進行方向演算手段によって演算された車両の進行方向の信頼度が低いほど、車両位置演算手段によって演算された車両位置をGPS位置演算手段によって演算された車両位置に近づけるように修正する。
【0017】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明が実施例に限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
図1は本発明による車両用経路誘導装置の一実施例のブロック図である。図1において、1は車速を検出する車速センサであり、例えば車両のトランスミッションに取り付けられ、車輪の1回転当たり所定数のパルスを出力する。2は車両の進行方向を検出する方位センサであり、車両のヨー方向の角速度を出力する。この角速度を積分することで車両進行方向が検出される。3は不図示のGPS衛星からのGPS信号を受信するGPS受信機である。
4は交差点ネットワークデータを含む道路地図データを記憶する地図記憶メモリであり、交差点やカーブ地点を示すノードの位置情報、ノード間を接続する道路(リンク)の経路長および地名等の文字情報等を記憶する。
5は、後述する図2〜5の処理を行うCPU、6はCPU5が実行する制御プログラム等を記憶するROM、7はCPU5による演算結果等を記憶するRAMである。8は目的地等を入力する操作ボード、9はCPU5によって作成された画像データを記憶するV−RAMであり、このV−RAM9に記憶された内容に応じてディスプレイ10に絵文字情報が表示される。
上述した車速センサ1、方位センサ2、GPS受信機3、地図記憶メモリ4、CPU5、ROM6、RAM7、操作ボード8、V−RAM9およびディスプレイ10はインタフェース回路11を介して相互に信号のやり取りを行う。
【0019】
図2〜5はいずれもCPU5が行う割り込み処理であり、図2は車速パルス計測処理、図3は車両位置更新処理、図4,5はGPS測定処理を示す。CPU5は不図示のイグニションキーがオン位置に操作されると、不図示のメイン処理によって車両各部の電気機器を制御し、所定時間ごとに図2〜5の割り込み処理を行う。例えば、図2の車速パルス計測処理は約1msごとに、図3の車両位置更新処理は約100msごとに、図4,5のGPS測定処理は約1secごとに行われる。ただし、トンネル等のGPS信号を受信できない地域を車両が走行する場合には、図4,5の処理間隔は長くなる。
【0020】
以下、これらの図に基づいて、本実施例の動作を説明する。
図2に示す車速パルス計測処理は、車速センサ1からパルスが出力されるごとに行われる。ステップS1では、車速センサ1から出力されるパルス数を計測してリターンする。パルス数を計測する変数にはC1とC2の2種類があり、いずれも1加算する。
【0021】
一方、図3に示す車両位置更新処理のステップS11では、方位センサ2の出力である角速度dθ/dtを測定する。ステップS12では、図2のステップS1で車速パルス数を計測している変数C1の値を変数C3に代入した後、変数C1の値をゼロにする。したがって、変数C1はこの時点以降の車速パルス数を計測する。すなわち、変数C1では車両位置更新処理を行ってから次に車両位置更新処理を行うまでの車速パルス数が計測される。
ステップS13では、(1)式に基づいて車両進行方向θを演算する。なお、θ1は前回演算した車両進行方向を示す。また、ΔTは車両位置更新処理を繰り返す時間間隔であり、例えば100msである。
【数1】
θ=θ1+ΔT×dθ/dt ・・・(1)
【0022】
ステップS14では、(2),(3)式に基づいて車両位置S(X,Y)を演算する。なお、(2),(3)式のΔDは、車速パルスが発生してから次に車速パルスが発生するまでの間に車両が走行する距離を示し、X1,Y1はそれぞれ、前回演算した車両位置のX座標、Y座標を示す。
【数2】
X=X1+C3×ΔD×cosθ ・・・(2)
Y=Y1+C3×ΔD×sinθ ・・・(3)
ステップS15では、変数X,Yの値をそれぞれ変数X1,Y1に代入してリターンする。
上記(1)〜(3)式の変数θ1,X1,Y1は原則として前回の車両位置更新処理での演算値を用いるが、前回の演算から今回の演算までの間に、後述するGPS測定処理が行われた場合は、GPS測定処理の演算結果を用いる。
【0023】
このように、図3の車両位置更新処理では、一定時間ごとに、前回の演算結果またはGPS測定結果を用いて車両の進行方向θと車両位置Sの座標を更新するため、車両位置および進行方向を精度よく検出できる。
【0024】
図4に示すGPS測定処理のステップS21では、変数Dに格納されている前回演算した車両位置座標を変数Aに代入する。ステップS22では、図3のステップS14で演算した現在の車両位置座標Sを変数Bに代入する。ステップS23では、GPS信号を受信し、その受信結果に基づいて車両位置座標を演算し、その結果を変数Gに代入する。この場合の変数A,B,Gの位置関係は、例えば図6(a)のようになる。
ステップS24では、(4),(5)式に基づいて距離誤差ΔLと方位誤差Δθを求める。
【数3】
ΔL=AG−AB ・・・(4)
Δθ=∠GAB ・・・(5)
【0025】
ステップS25では、(6)式に基づいて位置修正係数kIを求める。
【数4】
(6)式に示すrGPS、rgはそれぞれGPS位置信頼度、方位センサ信頼度を示し、図7(a),(b)に示すような特性を有する。図7(a)の横軸の単位であるDOPはDilution of Precisionの略であり、GPS信号による位置検出の精度を示す係数である。このDOPとGPS位置信頼度rGPSはほぼ線形の関係にあり、DOPが小さいほどGPS位置信頼度rGPSは高くなる。一方、図7(b)に示す方位センサ信頼度rgは時間の関数で表され、時間が経過するに従って信頼度が低下する。これは、方位センサ2を用いて車両進行方向を検出する場合、方位センサ2の出力である角速度を時間積分する必要があり、方位センサ2出力に温度ドリフト等によるオフセット誤差が含まれていると、時間積分する時間が長いほど誤差量が多くなるためである。
【0026】
したがって、方位センサ2は所定時間ごとにゼロレベル調整を行う必要があり、ゼロレベル調整を行うと、図7(b)のように信頼度が向上する。なお、ゼロレベル調整とは、車両に角速度が発生していない状態で方位センサ2の出力がゼロになるように調整することをいい、一般には車両停止中に行われる。一方、ゼロレベル調整の代わりに、GPS信号による方位検出結果、マップマッチングによる方位検出結果、あるいはビーコン等による方位検出結果等を用いて車両走行中に方位センサ2出力の調整を行ってもよいが、図7(b)に示すように、調整後の信頼度はゼロレベル調整後の信頼度よりも悪い。
【0027】
(6)式の中の積分では、前回GPS測定処理を行った時間tから現在の時間t+αまでの間に、方位センサ信頼度rgがどの程度低下したかが演算される。この積分によって求められる量は、図7(b)の斜線部で示される。すなわち、(6)式の積分値が大きいほど、方位センサ信頼度rgが低いことを示す。したがって、例えば、トンネル等の長時間GPS演算ができない地域を車両が走行すると、この積分値が大きくなり、方位センサ信頼度rgは低下する。
また、(6)式の関数fは、GPS位置信頼度rGPSが高いほど、または方位センサ信頼度rgが低いほど大きくなるように予め設定される。したがって、位置修正係数kIは、GPS演算による位置検出の信頼度rGPSと方位センサ出力の信頼度rgとに応じて変化する。なお、0≦kI≦1となるように、関数fは設定される。
【0028】
ステップS26では、(7),(8)式に基づいて、距離修正係数kLと方位修正係数kθを求める。
【数5】
kL =kI×k1 ・・・(7)
kθ=kI×k2 ・・・(8)
(7),(8)式のkL,kθはいずれも1以下の正の値であり、1に近いほどGPS演算値に近い値に修正することを示す。
ここで、方位センサ2の精度が車速センサ1の精度より高い場合には、0≦k2<k1とするのが望ましく、逆に車速センサ1の精度が方位センサ2の精度より高い場合には、0≦k1<k2とするのが望ましい。
【0029】
ステップS27では、図3のステップS14で求めた車両位置Sを修正する。具体的には、(9),(10)式の関係を満たすように車両位置Sを修正する。
【数6】
AS=AB+kL×ΔL ・・・(9)
∠SAB=kθ×Δθ ・・・(10)
【0030】
ステップS28では、車速パルス数を計測している変数C2がゼロであるか否かを判定する。判定が否定されると車両が走行中であると判断してステップS29に進み、変数C2をゼロにする。したがって、変数C2はこの時点以降の車速パルス数を計測する。すなわち、変数C2ではGPS測定処理を行ってから次にGPS測定処理を行うまでの車速パルス数が計測される。
ステップS30では、ステップS27で修正した車両位置Sの座標(X,Y)をRAM7に記憶してステップS31に進む。
【0031】
一方、ステップS28の判定が肯定されると車両が停止していると判断して図5のステップS31に進む。すなわち、車両が停止している場合には、車両位置が変化しないため、ステップS27の修正結果をRAM7に記憶せずにステップS31以降の処理を行う。
図5のステップS31では、図3のステップS13で演算した現在の車両進行方向を変数θに代入する。ステップS32では、GPS信号に基づいて車両進行方向を演算し、その結果を変数θGに代入する。ステップS33では、(11)式に基づいてGPS信号に基づく車両進行方向と、方位センサ2に基づく車両進行方向との方向差Δθを求める。
【数7】
Δθ=θG−θ ・・・(11)
【0032】
ステップS34では、(12)式に基づいて方位修正係数kHを求める。
【数8】
(12)式に示すrdはGPS方位信頼度を示し、図7(c)に示すような特性を有する。図示のように、GPS方位信頼度rdは車速に応じて変化し、車速が大きいほど信頼度が高くなる。
また、(12)式の関数fは(6)式の関数fと同じであり、GPS方位信頼度rdが高いほど、または方位信頼度rgが低いほど、関数fの値は大きくなる。したがって、方位修正係数kHの値は、GPS測定による方位検出の信頼度rdと、方位センサ2による車両進行方向の信頼度rgとに応じて変化する。
【0033】
ステップS35では、(13)式に基づいて車両進行方向θを更新した後、リターンする。
【数9】
θ=θ+kH×Δθ ・・・(13)
【0034】
以上に説明した図3〜5の処理を図6を用いてまとめると、まず図3の車両位置更新処理では、車速センサ1と方位センサ2を利用して、一定時間ごとに車両位置を更新する。例えば図6(a)は、地点Aから車両位置検出を開始して、a1〜a4およびBの各地点で図3の処理を行った例を示す。
図3の処理によって車両が地点Bに達したと検出されたときに、CPU5が図4のGPS測定処理を行ったとする。この場合、ステップS22の変数Bには図6(a)の地点Bの座標が代入される。また、ステップS23で演算されたGPS測定による車両位置が図6(a)の地点Gであったとする。この場合、ステップS24で演算される距離誤差ΔLと、方位誤差Δθは、図示のようになる。
これらの各誤差とステップS25で求めた信頼度に応じた位置修正係数kIとによって、ステップS27で車両位置を更新する。図6(a)では更新した車両位置をSで示している。
【0035】
また、例えば車両が停止中の場合は、図6(a)の地点Aは変化せず、前回のGPS測定処理によって求めた車両位置Sを地点Bとして新たな車両位置Sを求めるため、求められる車両位置は次第にGPS演算地点Gに近づいていく。
逆に、例えば車両が時速100kmで走行しており、かつGPS信号の受信状態が良好の場合、GPS測定処理の間隔を1secとすると、車両はGPS測定処理を行う間に約30m走行する。すなわち、車両が30m走行するごとにGPS測定処理を行うとともに、GPS測定処理の合間には図3の処理によって車速センサ1と方位センサ2を用いて車両位置検出を行う。この結果、図3〜5の処理によって演算される車両位置は徐々にGPS演算値に近づいていく。したがって、従来のように、ディスプレイ10上の車両位置が急に変化することはない。
【0036】
一方、図3のステップS13で検出された方位センサ2による車両進行方向を図6(b)の矢印Y1とし、図5のステップS32で検出されたGPS測定による車両進行方向を矢印Y2とすると、ステップS33で求められる方位誤差Δθは例えば図6(b)のようになる。ステップS34では方位修正係数kHを演算し、ステップS35では方位誤差Δθと方位修正係数kHとによって車両進行方向を図6(b)の矢印Y3の方向に修正する。
【0037】
図8(a)は図9(a)と同様のY字経路を車両が走行する場合の本実施例による車両位置検出を示す図である。図示の白丸で示した地点がGPS測定による車両位置を示す。
図示のY字交差点において、車両が右側の経路を走行していると方位センサ2が誤って判断しても、GPS演算値は左側の経路に沿って検出されるため、図4のGPS測定処理によって、図8(a)の点線のように迅速に左側の経路に修正される。
一方、図9(b)と同様に地図記憶メモリ4に含まれていない経路を走行する場合でも、図8(b)の点線のように、実際の車両の進行方向に沿って位置検出がされる。
【0038】
このように、本実施例によれば、GPS信号に基づいて演算した車両位置の信頼度と、方位センサ2を用いて演算した車両位置の信頼度とを求め、各信頼度に応じて車両位置を推定するようにしたため、車両位置を精度よく推定することができる。
また、GPS信号に基づいて演算した車両進行方向の信頼度と、方位センサを用いて演算した車両進行方向の信頼度とを求め、各信頼度に応じて車両進行方向を推定するようにしたため、車両進行方向を精度よく推定することができる。
【0039】
図7のGPS位置信頼度、方位センサ信頼度およびGPS方位信頼度を示す各波形は、いずれも主に実験値によって求められるものであり、実験の条件を種々に変化させると、波形の形状が変化する場合があるが、信頼度を示す波形の形状が変わっても本発明は同様に適用できる。
図3の車速パルス計測処理では、所定時間ごとにCPU5に割り込みをかけて、車速センサ1から出力されたパルス数を計測しているが、車速センサ1からパルスが出力されると自動的にカウントアップするカウンタ等によってパルス数を計測してもよい。
【0040】
このように構成した実施例にあっては、方位センサ2が角速度検出手段に、車速センサ1が車速検出手段に、地図記憶メモリ4が地図記憶手段に、図3の処理が車両位置演算手段に、GPS受信機3が受信手段に、図4のステップS23の処理がGPS位置演算手段に、図4のステップS25の処理がGPS位置信頼度推定手段と角速度信頼度推定手段に、図4のステップS27の処理が車両位置修正手段に、RAM7が車両位置記憶手段に、図4のステップS24の処理が第1距離差方向差演算手段と第2距離差方向差演算手段に、図4のステップS25,S26と図5のステップS34の処理が修正係数演算手段に、図3の処理が車両進行方向演算手段に、図5のステップS32の処理がGPS方位演算手段に、図5のステップS34の処理がGPS方位信頼度推定手段に、図5のステップS35の処理が車両進行方向修正手段に、図5のステップS33の処理が方向差演算手段に、それぞれ対応する。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、車両位置を精度よく推定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用位置検出装置の一実施例のブロック図である。
【図2】CPUが行う車速パルス計測処理を示すフローチャートである。
【図3】CPUが行う車両位置更新処理を示すフローチャートである。
【図4】CPUが行うGPS測定処理を示すフローチャートである。
【図5】図4に続くフローチャートである。
【図6】車両位置検出と車両進行方向検出の例を示す図である。
【図7】GPS位置信頼度、方位センサ信頼度およびGPS方位信頼度の特性を示す図である。
【図8】本実施例の車両位置検出装置を用いて車両位置検出を行った例を示す図である。
【図9】従来の車両位置検出装置によって車両位置検出を行った例を示す図である。
【図10】各センサ等の長所・短所をまとめた図である。
【符号の説明】
1 車速センサ
2 方位センサ
3 GPS受信機
4 地図記憶メモリ
5 CPU
6 ROM
7 RAM
8 操作ボード
9 V−RAM
10 ディスプレイ
11 インタフェース回路
Claims (3)
- 車両に発生した角速度を検出する角速度検出手段と、
前記角速度検出手段により検出された角速度に基づいて車両の進行方向を演算する進行方向演算手段と、
車両の走行距離を検出する走行距離検出手段と、
道路地図データを記憶する地図記憶手段と、
前記車両の進行方向、前記走行距離および前記道路地図データに基づいて車両位置を演算する車両位置演算手段と、
GPS信号を受信する受信手段と、
前記GPS信号に基づいて車両位置を演算するGPS位置演算手段とを備えた車両用位置検出装置において、
前記GPS位置演算手段によって演算された車両位置の信頼度を推定するGPS位置信頼度推定手段と、
前記進行方向演算手段によって演算された車両の進行方向の信頼度を推定する進行方向信頼度推定手段と、
前記GPS位置信頼度推定手段によって推定された信頼度と、前記進行方向信頼度推定手段によって推定された信頼度と、前記GPS位置演算手段によって演算された車両位置とに基づいて、前記車両位置演算手段によって演算された車両位置を繰り返し修正する車両位置修正手段と、
前記車両位置修正手段によって修正された車両位置を記憶する車両位置記憶手段とを備え、
前記車両位置修正手段は、前記車両位置記憶手段に記憶された車両位置から前記車両位置演算手段によって演算された車両位置までの距離と方向を演算する第1距離方向演算手段と、
前記車両位置記憶手段に記憶された車両位置から前記GPS位置演算手段によって演算された車両位置までの距離と方向を演算する第2距離方向演算手段と、
前記GPS位置信頼度推定手段によって推定された信頼度と前記進行方向信頼度推定手段によって推定された信頼度とに応じて距離と方位を修正する修正係数を演算する修正係数演算手段とを有し、
前記修正係数演算手段によって演算された修正係数を用いて、前記第1距離方向演算手段と前記第2距離方向演算手段とにより演算された距離の差と方向の差を修正し、車両位置を演算することを特徴とする車両用位置検出装置。 - 請求項1に記載された車両用位置検出装置において、
前記進行方向信頼度推定手段は、前記角速度のゼロレベル調整を行ってからの経過時間に基づいて信頼度を推定することを特徴とする車両用位置検出装置。 - 請求項1または2に記載された車両用位置検出装置において、
前記車両位置修正手段は、前記GPS位置信頼度推定手段によって推定された信頼度が高いほど、また前記進行方向信頼度推定手段によって推定された信頼度が低いほど、前記車両位置演算手段によって演算された車両位置を前記GPS位置演算手段によって演算された車両位置に近づけるように修正することを特徴とする車両用位置検出装置。
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