JP3551615B2 - フィルター装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、写真自動現像装置の現像処理槽内の処理液をろ過するフィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真自動現像装置は、感光材料を順次浸漬して現像処理を行うために現像、漂白、定着、安定等の各種処理液が収容された処理槽を備えている。
これらの処理槽には、処理液の温度や濃度を一定にして安定した現像処理を行うために処理液を循環させる循環経路が設けられ、この循環経路中には処理液の不純物をろ過するためのフィルターが装着されている。
【0003】
フィルターは長時間使用されると、目詰まりを起こすために定期的にフィルタを交換する必要がある。
ところで、従来のフィルター装置は、図6に示すように、外周面に係止突起61を有する嵌合部62を本体部63に設ける一方、筒状のフィルター64の上端の内周面に被係止溝65を設け、フィルター64の上端を本体部63の嵌合部62に嵌め込むと共に、被係止溝65を係止突起61に係止させる構成が採用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる従来のフィルター装置では、フィルター64を交換する際には、本体部63を持ってフィルター装置を処理槽から引き上げた後、処理液で濡れたフィルター64を握って本体部63から引き離さなければならないので、手が汚れ、しかも、処理液で濡れたフィルター64は握り難いので、本体部63からのフィルター64の取り外し作業が面倒なものとなっていた。
【0005】
本発明は上記課題を解決するために、処理液で濡れたフィルターに全く手を触れることなくフィルターの交換が可能となり、しかも、フィルターを本体部からワンタッチで解除することができるフィルター装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1のフィルター装置は、本体部と処理液をろ過するフィルター部とを備え、本体部にピンガイド部および係止部を設け、本体部から出没してフィルター部を押圧する解除ピンをピンガイド部に取付け、本体部の係止部に係止される被係止部をフィルター部に設け、解除ピンを本体部から突出させてフィルター部を押圧することにより本体部の係止部へのフィルター部の被係止部の係止状態が解除されるように構成したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2のフィルター装置は、本体部と処理液をろ過するフィルター部とを備え、本体部に下端側が開口した筒状のフロートガイドを形成し、このフロートガイドの上部にピン突出口を形成し、このフロートガイドに上下動自在に収納されるフロートに液面表示ピンを取付けると共に、この液面表示ピンをフロートガイドのピン突出孔から突出し、さらに本体部に係止部を形成し、一方、フィルター部にフロートガイドの下端開口部を塞ぐ蓋部を形成し、フィルター部の蓋部にてフロートガイドの下端開口部を塞いだ時に、本体部の係止部に係止される被係止部をフィルター部に形成し、かつ、フロート側からフィルター部の蓋部が押圧されることにより本体部へのフィルター部の係止状態が解除されるように構成したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1はフィルムの自動現像処理装置Aを示す斜視図を示しており、この自動現像処理装置Aの上面には処理槽A2が設けられた現像部を開閉するための扉A1が配設されている。
【0009】
処理槽A2は、図4に示すように、メインタンクA3とサブタンクA4から成り、サブタンクA4にはフィルター装置1が取付けられるようになっており、そのためにサブタンクA4の上蓋A5には、図4及び図5に示すように、取付け孔A6が形成され、また、取付け孔A6の孔縁には、後述するフィルター装置1の突起4bに対応して切り欠きA61が形成されている。
【0010】
処理槽A2内に収容される処理液A8は循環手段A7によって循環し、この循環手段A7は循環ポンプA71と循環パイプA72から成り、循環パイプA72の先部はメインタンクA3の底部に配管され、循環パイプA72の基端はサブタンクA4の底部に配管している。
【0011】
フィルター装置1は、処理槽A2のサブタンクA4にフィルター11を装着するものであって、図2に示すように、本体部2の下端にフィルター部3を取り付けて構成されている。
【0012】
本体部2は、フロートガイド4と取手5から成る。
フロートガイド4は、上端が閉塞し、かつ下端が開口した円筒体にて形成されており、フロート6の上下動をガイドするものである。
このフロートガイド4の閉塞部7の中央にはピン突出孔8が設けられ、このピン突出孔8の孔縁から上方に向けて小径筒状の取手5が延設されている。また、フロートガイド4には処理液A8が流入・流出するための処理液入出口4aが設けられている。
【0013】
フロートガイド4の下端部には、図2に示すように、フィルター部3と嵌合する嵌合部41が形成されており、この嵌合部41の外周面には係止突起(係止部)41aが形成されている。
一方、フロートガイド4の上端部の外周面には突起4b及び外鍔4cが形成されており、また、突起4bはフロートガイド4の周方向に一定間隔で複数突設されており、外鍔4cと突起4bとはサブタンクA4の上蓋A5の取付け孔A6の孔縁の厚み分だけ離間して配設されている。
【0014】
フロートガイド4内には処理槽A2の液面を測るためのフロート6が収容されている。
10は液面表示ピンであって、この液面表示ピン10の外径はフロートガイド4のピン突出孔8及び取手5のそれぞれの内径よりも小さく、液面表示ピン10の下端にはフロート6が取付けられている。
【0015】
液面表示ピン10はフロートガイド4のピン突出孔8及び取手5内に遊嵌されており、液面表示ピン10の突出部10aは取手5の上端から突出している。
また、液面表示ピン10の突出部10a外周には、液面位置を表示するための表示部(図示省略)が付けられており、液面表示ピン10の突出長によって液面位置を確認することができるようになっている。
【0016】
液面表示ピン10の長さは、フロート6が下限位置まで下がって、後述のフィルター部3の蓋体16に当たった時でも、液面表示ピン10の上端は取手5から突出するように設定されている。
【0017】
10bは液面表示ピン10の上端に設けられたストッパーであって、このストッパー10bが取手5の上端に当たった時には、液面表示ピン10の下端はフロート6とともにフロートガイド4の嵌合部41から下方に突出する。
【0018】
フィルター部3は、コア部12に多孔質で円筒状のフィルター11を取り付けて構成されている。
コア部12のコア本体13は、多数の孔13aを有する円筒状に形成され、コア本体13の上端部にはフロートガイド4の嵌合部41と嵌合するコア嵌合部14が設けられており、このコア嵌合部14の内径はフロートガイド4の嵌合部41の外径と略同じ大きさに形成されている。
【0019】
コア部12のコア嵌合部14の内周面には係止溝(被係止部)14aが形成されており、また、コア嵌合部14とコア本体13の境目部は蓋体16にて仕切られている。
また、コア本体13の下端には循環パイプA72に差し込むための小径部15を設けて形成されている。
【0020】
なお、コア本体13の外周にはフィルター11の上端及び下端を係止してフィルター11を保持するための保持部17,18が形成されている。
【0021】
そして、本体部2のフロートガイド4の嵌合部41にフィルター部3のコア部12のコア嵌合部14を嵌め込むと共に、係止突起41aに係止溝14aを係止させることにより、本体部2とフィルター部3とを一体化させるものである。
【0022】
フィルター装置1を処理槽A2のサブタンクA4の上蓋A5に取付ける場合には、まず、フィルター装置1の取手5を手で持ち、フィルター装置1の突起4bと上蓋A5の取付け孔A6の切り欠きA61とを合致させた状態で、フィルター部3及び本体部2を上蓋A5の取付け孔A6からサブタンクA4内に挿入し、上蓋A5の切り欠きA61内にフィルター装置1の突起4bを通し、フィルター装置1の外鍔4cを上蓋A5の取付け孔A6の孔縁部に係当させると共にフィルター装置1の突起4bを上蓋A5の裏側に位置させる。次に、フィルター装置1を上蓋A5の取付け孔A6内で回転させて上蓋A5の切り欠きA61とフィルター装置1の突起4bとの位置をずらせてフィルター装置1の抜け止めを行う。
【0023】
図4は、フィルター装置1を処理槽A2のサブタンクA4の上蓋A5に取付けてフィルター装置1のフィルター11をサブタンクA4にセットした状態を示しており、フィルター部3の小径部15はサブタンクA4の底面に開口した循環パイプA72内に差し込まれている。
そして、循環ポンプA71の作動によって処理槽A2内の処理液A8がサブタンクA4内に流れ込むと、フィルター11に浸透してろ過された処理液A8はコア部12の孔13aを通ってコア部12内に吸い込まれ、コア部12の小径部15に接続された循環パイプA72を通って再びメインタンクA3に流れ込んで、処理液A8の循環が行われる。
【0024】
また、フロートガイド4にも処理液入出口4aから処理液A8が流れ込んでフロート6は処理液A8の液面のレベルまで上昇する。それと共に、液面表示ピン10が上昇し、取手5の上端を指標として突出部10aの表示部によって液面位置が表示される。
一方、処理液A8の液面が下がると、フロートガイド4内の処理液A8の液面も下がってフロート6は降下し、液面表示ピン10の突出部10aの突出長が短くなる。
【0025】
次に、フィルター交換について説明する。
まず、本体部2の取手5を手で持ち、フィルター装置1のサブタンクA4へのセット動作とは逆の動作を行って、フィルター装置1をサブタンクA4の上蓋A5の取付け孔A6から引き抜いてフィルター部3を処理液A8から引き上げる。
【0026】
この時、フロート6はフィルター部3の蓋体16まで下がっているが、液面表示ピン10は本体部2の取手5から突出している。
【0027】
次に、本体部2の取手5から突出する液面表示ピン10を押し下げると、液面表示ピン10の下端部によってフィルター部3が押圧されて本体部2の係止突起41aからフィルター部3の係止溝14aが外れ、本体部2からフィルター部3が分離する。
この間、フィルター部3には一切手を触れる必要はないので、処理液A8が手に付くことがない。
【0028】
次に、新しいフィルター部3を本体部2に接続する。接続作業の際には、処理液A8がついていない新しいフィルター部3を持って本体部2の嵌合部41にフィルター部3のコア嵌合部14を嵌合すると共に、本体部2の係止突起41aにフィルター部3の係止溝14aを係止する。
この時、液面表示ピン10及びフロート6はフィルター部3によってフロートガイド3内に押し戻される。
【0029】
なお、以上の実施例では、ピンガイド部として筒状の取手5及びフロートガイド4を採用し、解除ピンとして液面表示ピン10を採用したが、フィルター装置1はかかる構成のものに限定されないのは勿論のことである。
【0030】
【発明の効果】
上記説明からも明らかなように、請求項1のフィルター装置によると、フィルターを交換する際に、手等の身体に処理液が付くことがない。しかも、解除ピンを押すだけでフィルター部を本体部から解除することができるので、フィルターの交換が容易となる。
【0031】
また、請求項2のフィルター装置によれば、フィルターの交換作業の際に処理液が身体に付くことがないのは勿論のこと、処理槽内の処理液の液面の上下変動を液面表示ピンを介して間接的に確認することができるので、処理液の液面の確認作業が容易となり、また、フィルター装置にフロート装置を形成することにより、液面確認手段専用の設置スペースを確保する必要がなく、処理槽の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動現像処理装置の斜視図
【図2】本発明のフィルター装置の実施例を示す断面図
【図3】同実施例のフィルター装置の本体部からフィルター部を分離した状態を示す断面図
【図4】同実施例のフィルター装置を自動現像処理装置の処理槽に取付けた状態を示す断面図
【図5】同実施例のフィルター装置の自動現像処理装置の処理槽への取付け動作を示す斜視図
【図6】従来例を示す斜視図
【符号の説明】
1 フィルター装置
2 本体部
3 フィルター部
4 フロートガイド(ピンガイド)
4a 処理液入出口
5 取手(ピンガイド)
6 フロート
8 ピン突出孔
10 液面表示ピン(解除ピン)
14a 係止溝(被係止部)
41a 係止突起(係止部)

Claims (2)

  1. 本体部と処理液をろ過するフィルター部とを備え、本体部にピンガイド部および係止部を設け、本体部から出没してフィルター部を押圧する解除ピンをピンガイド部に取付け、
    本体部の係止部に係止される被係止部をフィルター部に設け、解除ピンを本体部から突出させてフィルター部を押圧することにより本体部の係止部へのフィルター部の被係止部の係止状態が解除されるように構成したことを特徴とするフィルター装置。
  2. 本体部と処理液をろ過するフィルター部とを備え、本体部に下端側が開口した筒状のフロートガイドを形成し、このフロートガイドの上部にピン突出口を形成し、このフロートガイドに上下動自在に収納されるフロートに液面表示ピンを取付けると共に、この液面表示ピンをフロートガイドのピン突出孔から突出し、さらに本体部に係止部を形成し、
    一方、フィルター部にフロートガイドの下端開口部を塞ぐ蓋部を形成し、
    フィルター部の蓋部にてフロートガイドの下端開口部を塞いだ時に、本体部の係止部に係止される被係止部をフィルター部に形成し、かつ、フロート側からフィルター部の蓋部が押圧されることにより本体部へのフィルター部の係止状態が解除されるように構成したことを特徴とするフィルター装置。
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