JP3550348B2 - 移動通信システム、その集中制御局と端末及びそれらの通信制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各ゾーン内の端末が基地局を通して通信を行う移動通信システム、その集中制御局と端末、及びそれらの通信制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
移動通信の基地局は一般に各基地局のセルが重ならないように配置されており、端末は通常一つの基地局とリンクを確立して通信を行っている(参考文献:奥村善久、進士昌明監修「移動通信の基礎 第8章」電子情報通信学会編)。しかし、通信を行うユーザ端末の分布は面的に一様ではなく、例えば駅周辺やバス停などに集中するため、通常のセル(又はゾーン)構成理論に従って基地局を配置すると、各基地局のトラヒックは均一でなく、ユーザ端末が集中して存在する場所の基地局には呼が集中し、そのエリアのユーザ端末との通信はスループットが低下するという問題がある。なお、以下の説明において、ユーザ端末とは、例えば携帯電話器や自動車電話器などの移動局を指す。
【0003】
このような基地局間のトラヒック差を解消する方法として、例えば各基地局に指向性を可変することができるスマートアンテナを適用し、比較的チャネル使用率の低い隣接基地局のアンテナ指向性をトラヒックの集中している方向に向けて、ユーザ端末が多く集まるエリアのチャネル容量を増やす方法が提案されている(水野光彦、大鐘武雄:”アダプティブアレーアンテナの通信への応用”、電子情報通信学会論文誌B−II Vol.J75−B−II,No.11,pp.733−741)。図10にその概念図を示す。図10Aは各ゾーンZ1、Z2、…内で基地局BS1、BS2、…がそれぞれ領域内全体を均一なアンテナ指向性でカバーしている例を示し、ここでは基地局BS3のゾーンZ3において端末MSが集中しており、ゾーンZ1、Z2ではトラヒック量が少なく、基地局BS1、BS2はチャネル使用率に比較的余裕がある。この場合、基地局BS1及びBS2は図10Bに示すようにアンテナ指向性を基地局BS3のゾーンZ3の方向に向けることにより、ゾーンZ3の一部のユーザ端末とリンクを確立して固定的にチャネルを割当てて、これらのユーザ端末と基地局BS1又はBS2との間で通信を行うものである。このようにすることにより、スループットが隣接基地局間で均化され、エリア全体のスループットが上昇する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、マルチメディア通信が本格化する中で動画像通信など転送するデータ量が多くなると、各基地局の平均的なチャネルの使用率が高くなる。このような環境では他の基地局にユーザ端末を収容しようとしてもチャネルの空き容量がなく、収容変えができないため、そのユーザ端末の転送要求は拒否され、転送スループットが低下するという問題があった。本発明は、上記課題を解決するための移動通信システム及びその集中制御局と端末、及びそれらの通信制御方法を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、各ゾーン内の端末が基地局を通して通信を行う移動通信システムは、
各ゾーンが少なくとも1つ以上の隣接ゾーンと互いに重なるエリアが存在するようにそれぞれのゾーンに配置された基地局と、
各上記基地局と接続され、各端末と、その端末をカバーするゾーンの基地局との通信を制御する集中制御局と、
を含み、上記集中制御局は上記各端末をカバーするゾーンの基地局のトラヒックに基づいて上記端末に対し1つ又は複数のリンクすべき基地局を指定する接続スケジュールを作成し、上記端末に対しブロックデータを、上記接続スケジュールで決められた上記1つ又は複数の基地局にそれぞれ分けて送信するスケジュール作成部を含むことを特徴としている。
【0006】
この発明によれば、各ゾーン内の端末が基地局を通して通信を行う移動通信システムにおける集中制御局は、
各端末へ送信すべき転送データを所定長のブロックデータに分割し、一連の符号又は番号を含むヘッダを付加するデータ分割部と、
各上記端末をカバーする全てのゾーンの基地局のトラヒックに基づいて上記端末と1つ又は複数の上記基地局間の接続スケジュールを作成し、ダウンリンク時に上記ブロックデータを上記接続スケジュールで決められた1つ又は複数の上記基地局にそれぞれ分けて送信し、アップリンク時に上記接続スケジュールを上記端末に送信するスケジュール作成部と、
上記基地局を通して上記端末から受信したブロックデータから転送データを再構成するデータ再構成部、
とを含むことを特徴としている。
【0007】
この発明によれば、各ゾーン内の端末が基地局を通して通信を行う移動通信システムにおける端末は、
送信すべきデータを所定長のブロックデータに分割し、一連の符号又は番号を含むヘッダを付加するデータ分割部と、
複数の基地局に対しアクセス可能な複数の送受信部と、
集中制御局から受信した接続スケジュールにより指定された1つ又は複数の基地局に1つ又は複数の上記送受信部をリンクさせ、上記ブロックデータをそれらの送受信部からそれぞれ分けて送出させるスケジュール部と、
複数の上記送受信部で受信したブロックデータから転送データを再構成するデータ再構成部と、
送信すべき情報を所定の形式の送信データに変換して上記データ分割部に与え、上記データ再構成部により再構成された転送データを所定の形式の情報に変換するロジック部、
とを含むことを特徴としている。
【0008】
この発明によれば、各ゾーン内の端末が基地局を通して通信を行う移動通信システムにおける集中制御局による通信制御方法は、
(a) 端末毎に転送するデータを所定長のブロックに分割し、一連の符号又は番号を含むヘッダを付加するステップと、
(b) 上記端末をカバーする全てのゾーンの基地局のトラヒックに基づいて各ブロックデータ毎に上記端末に対し1つ又は複数のリンクすべき基地局を指定する接続スケジュールを作成するステップと、
(c) 上記ブロックデータを上記接続スケジュールに基づいて上記1つ又は複数の基地局に分けて送信するステップと、
を含むことを特徴としている。
【0009】
この発明によれば、各ゾーン内の端末が基地局を通して通信を行う移動通信システムにおける端末の通信制御方法は、
(a) 転送データを所定長のブロックデータに分割し、一連の符号又は番号を含むヘッダを付加するステップと、
(b) アップリンク時に基地局を通して集中制御局にデータの転送要求を送るステップと、
(c) 上記集中制御局からスロットごとに接続スケジュールを受信するステップと、
(d) 受信した上記接続スケジュールで指定された1つ又は複数の基地局に1つ又は複数の送受信部を使って上記ブロックデータをそれぞれ分けて送信するステップ、
とを含むことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の移動通信システムの第1実施の形態について、図1、2、3を参照して説明する。この形態は請求項1に対応する。図1に示すように本発明では各基地局BS1、BS2、…のゾーンZ1、Z2、…は隣接する他の複数のゾーンと部分的に重なったエリアを有している。ゾーンを重ねて構成する手法としては、例えば隣接する基地局で異なる周波数を使用する方法や、周波数が同一の場合、符号分割多重アクセス法(CDMA)を用い、隣接する基地局で異なる符号系列を用いる方法などがある。また各端末MSはゾーンを共有する複数の基地局と同時に通信する機能を有している。周波数の異なる基地局を用いた場合は、端末は複数の周波数を同時に受信できる機能を有し、CDMAを用いる場合は、端末は複数の拡散符号系列の信号を同時に送受できる機能を有する。ここでは複数の周波数を用いる場合で説明する。
【0011】
図2は基地局BS1〜BS4及び請求項5に対応する集中制御局100の構成図、図4は請求項7に対応する端末MSの構成図を示している。ここでは各基地局BS、集中制御局100及び端末MSの間の同期を取る機能が全てに備わっているものとしている。図2に示すように、集中制御部100は伝送路300を通して各基地局BS1〜BS4に接続されている。集中制御局100はデータ分割部110と、スケジュール作成部120と、データ再構成部130とから構成されている。
【0012】
データ分割部110は図3Aに示す端末に送信すべき転送データ20を図3Bに示すように所定スロット長のブロックデータ20Bに分割し、一連の符号(又は番号)と識別子を含むヘッダ20Hを付加する。スケジュール作成部120はそれぞれの基地局のトラヒックを監視するトラヒック監視部120Aを有し、各端末をカバーする全てのゾーンの基地局のトラヒックに基づいてその端末のデータ転送要求に対しどの基地局(1つ又は複数)にリンクすべきかを指定する接続スケジュールを作成し、その接続スケジュールに従ってブロックデータを指定された1つ又は複数の基地局に分けて送り、それらの基地局から端末にブロックデータを送る(ダウンリンク)。
【0013】
集中制御局100は、端末からデータ転送要求(接続要求)があった場合は、前記接続スケジュールをその端末に送る。データ再構成部130は端末から1つ又は複数の基地局を介して受信されたブロックデータから、それらのヘッダ中の一連の符号(又は番号)に基づいて転送データを再構成し、ネットワークNWに送出する(アップリンク)。
基地局BS1〜BS4はそれぞれ周波数f1〜f4が割り当てられており、これら基地局がカバーするゾーンZ1〜Z4は隣接するものが互いに重なるエリアを有している。各端末MSg〜MSkは最寄りの基地局BSにリンクするが、ゾーンの重なるエリアに位置する端末MSg,MSh,MSi,MSjは2以上でかつ重なるゾーン数以下の基地局に同時にアクセス可能である。例えば図2中に示す端末MSiは周波数チャネルf1, f2 の基地局BS1とBS2の2つにリンクされ、両方の基地局を使ってデータ転送を行う場合を示し、これにより、トラヒックの集中している基地局BS1に対しトラヒック量を軽減させている。
【0014】
端末MSは図4に200で示すようにロジック部210と、データ分割部220と、スケジュール部230と、送受信装置240と、データ再構成部250と、アンテナ260とから構成される。送受信装置240は複数の送受信部241〜24Nから構成され、この実施例では複数の異なる周波数チャネルで複数の異なる基地局と同時にリンクすることが可能とされている。ロジック部210は送信時に音声、画像などの情報を所定のフォーマットのデータに変換し、受信時にデータを音声、画像などの情報に変換する。データ分割部220は図2で示した集中制御局100のデータ分割部110と同様に送信データを予め決めたスロット長のブロックデータに分割する。
【0015】
基地局から受信した接続スケジュールにより使用する周波数として例えば2つの周波数f1,f2 が指定されたとすると、スケジュール部230はそれらブロックデータに一連の番号(又は符号)を含むヘッダを付けて2つのグループに分け、周波数チャネルf1, f2の送受信部、例えば241、242に供給し、アンテナ260から送出する。あるいは、2つの基地局BS1、BS2からの周波数チャネルf1, f2の信号を送受信部241、242で受信し、得られたブロックデータをデータ再構成部250により転送データに統合し、ロジック部210においてデータを所定の形式の情報に変換する。
【0016】
本発明の集中制御局100によるデータ転送スケジューリング手順について以下に述べる。まず、基地局BSから端末MSヘデ一夕を送信する(Downlink)手順を、請求項8に対応する図5を参照して説明する。
各ユーザ端末へ転送するデータは、集中制御局100のデータ分割部110において所定スロット長のブロックデータに分割される。またデータ分割部110はそれぞれのブロックデータにデータの順序を示す一連の符号又は番号を含むヘッダ付与する(ステップS1)。
【0017】
通常、無線通信では、データ転送は同期確立などの制御用信号と情報信号の対になったフレーム単位で送受信を行うため、分割する単位はこのフレームの情報信号部の長さに一致させると便利である。集中制御局100のスケジュール作成部120では、各端末に対し、その端末をカバーするゾーンの基地局のトラヒックに基づいてどの1つ又は複数の基地局から転送タイミング毎にスロット単位(フレーム単位)でユーザ端末MSヘブロックデータを送るかを指定する接続スケジュールを作成する(ステップS2)。
【0018】
本発明では、端末へは複数の基地局からアクセスが可能であるが、スケジューリングの初期状態としては、各端末毎にアクセス可能な任意の一基地局を指定してスケジューリングを行う。ある基地局に転送要求が集中してその基地局チャネル容量に対して転送要求が大きくなることをトラヒック監視部120Aが検出すると、スケジュール作成部120は、その基地局に割り当てた端末への通信のうち、同時アクセス可能で空きチャネルを有する別の基地局からデータ転送を行うように再スケジューリングを行う。また転送データ量が多いユーザ端末ヘはチャネルに余裕がある範囲で同時アクセス可能な他の基地局からもデータを送信するようにスケジュールを作成する。即ち、接続スケジュールは基地局のトラヒックと転送データ量を考慮して作成される。この操作を各転送タイミング毎に行う。
【0019】
作成した接続スケジュールに基づいて各基地局にブロックデータを送信する(ステップS3)。各基地局はブロックデータを端末に送信する(ステップS4)。よって、例えば図2に示すように端末MSiへ複数のブロックデータを転送する場合、第一番目のブロックデータは基地局BS1から送信されるが、次の転送タイミングでは第二番目のブロックデータが別の基地局BS2から送信される場合もある。複数の基地局から同時又は時間系列で転送されたデータは端末MSiにおいて予めヘッダに付与されたブロックデータの順列符号に従って再構成され、端末内のロジック部210へ転送される(ステップS5)。
【0020】
次に端末から基地局側へのデータ転送する(Uplink)手順について請求項11に対応する図6を用いて説明する。Uplinkに関しても、Downlinkと同様に、まず各端末はロジック部210で生成された転送するデータをデータ分割部220においてスロット長のブロックデータに分割する(ステップS1)。次に各端末はデータの転送要求とデータ量を基地局を通して集中制御局100へ通知する(ステップS2,S3)。集中制御局100は各端末からの転送要求及び転送データ量を考慮し、各端末がアクセスすべき基地局を接続スケジュールとして各端末へ通知する(ステップS4)。この際、集中制御局100のトラヒック監視部120Aは各基地局のトラヒックを監視しており、各基地局へのアクセスがチャネル容量を超えないように、各端末のアクセスする基地局の接続スケジュールを作成する。またデータ転送要求量の多い端末に対しては、集中制御局100のスケジュール作成部120において、同時に複数の基地局への割当を指定し、異なるブロックデータの同時送信も可能とする。端末は集中制御局の接続スケジュールに従って1つ又は複数の送受信部231、242、からブロックデータの送信を行う(ステップS5)。この場合もDownlinkの場合と同様に分割したブロックデータのスロット単位でスケジューリングが行われるため、スロット単位で、端末はアクセスする基地局が変わる場合がある。集中制御局100は1つ又は複数の基地局を通して端末から受信したブロックデータをデータ再構成部130で元の転送データに再構成し、ネットワークNWに送出される。
【0021】
図7は本発明の請求項2、5及び10に対応する第2実施例を示す図である。集中制御局100の基本的構成は図2の実施例におけるものと同様であり、また端末MSの構成は図示してないが図4に示すものと同様であるが、この実施例では、各基地局アンテナ40が、複数の素子41からなるアレーアンテナと指向性可変装置42を有するスマートアンテナの構成となっている。また、この実施例ではアンテナ40の指向性を制御する手段として、集中制御局100のスケジュール作成部120内に指向性制御部120Bを有している。
【0022】
この実施例では集中制御局100で各基地局の指向性を一元的に決定するため、ある端末MSと基地局BSの間の伝送特性がよくない場合に、指向性制御部120Bは指向性制御情報を隣接する別の基地局の指向性可変装置42に与えてアンテナ指向性をその端末に向ける動作をさせることが可能となる。本実施例のように各基地局アンテナに指向性を可変できるアンテナを用いることにより、通信を行いたい端末に指向性を向けて、不要な方向の指向性を抑えることができるため、隣接する基地局で同一周波数を使用することが可能となり、周波数利用効率を上げることができる。また基地局間でどの端末に指向性を向けているのかが集中制御局でわかるために、その干渉を効果的に低下させることが可能となる。各基地局のアンテナ40としては、指向性アンテナを複数並べて、集中制御部100の指向性制御部120Bから各基地局のアンテナ指向性を切り替えるような構成にすることも可能である。
【0023】
図8は本発明の更に別の一実施形態を示す。図8は請求項3、7及び13に関する。この実施例では、端末のアンテナ260を複数のアンテナ261〜264で構成し、指向性制御部230Aをスケジュール部230内に設け、転送するブロックデータのスロット単位で指向性を切り替える構成としている。例えばスロット単位にアクセスする基地局の方向へ指向性を向けることにより、各基地局における指向性利得が上がると共に他の基地局における干渉量が小さくなり、伝送品質を上げることができる。指向性の制御は先の場合と同様に、複数のアンテナを配置し、アンテナを切り替える構成でも実現できる。このように複数のアンテナとして指向性の異なるアンテナを配置して切り替えたり、空間的に離れているアンテナを切り替えることによって指向性ダイバーシチや空間ダイバーシチ効果が得られ、伝送品質の改善効果が得られる。
【0024】
以下に前述の第1実施例による効果について述べる。ここでは、図1に示す各基地局のチャネル容量が20MB/frameで1基地局に20ユーザ端末が存在し、各ユーザ端末がBernouli情報源モデル(M.Medard, A.Goldamith, 1999 WCNC Vol.1, pp.490−494, Sept.1999)に従って64MBのデータを送るというモデルを用いて、従来提案されているシステムと本発明のシステムを適用した時のデータの平均転送時間について計算機シミュレーションを行った結果を、図9に同時にアクセス可能な基地局数と平均データ転送時間の関係として示す。図で同時アクセス可能基地局数が1の場合が、従来提案されている隣接するチャネル容量に余裕のある基地局のトラヒックをあるユーザ端末に固定的に割り当てるシステムの場合の結果である。図中の基地局負荷率は各基地局が所有しているチャネル容量に対する平均的なデータ転送要求量(オファードトラヒック)の割合を示している。
【0025】
図9よりわかるように負荷率が大きくなると一つの基地局にアクセスする場合は、データ転送時間が長くなっている。しかし本発明のように複数基地局ヘアクセスする場合、特に基地局の負荷率が0.8と大きくなっても約基地局数分の1の転送時間低減効果が確認できており、本発明の有効性が確認できる。これは平均的な基地局の負荷率が大きくても、実際のデータ転送要求は時間的にある時とない時があり、この要求がランダムに起こるために統計的な多重効果が効いて、複数基地局を用いたときのスループット低減効果が現れているためと考えられる。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明を用いると、各基地局のチャネル容量の有効利用ができ、各端末のスループットを上げることができるため、画像などの大容量のデータを短時間で送ることができるシステムを実現できる。また、基地局に複数のアンテナ素子の信号を合成するスマートアンテナを適用することで、隣接基地局に与える干渉量を低減できるため、周波数資源の有効利用が可能になるとともに、端末一基地局間の伝送品質を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム構成を示す図。
【図2】本発明の集中制御局の構成を示す図。
【図3】Aは転送データを示し、Bはブロックデータを示す図。
【図4】本発明の端末局の構成例を示す図。
【図5】本発明のDownlinkの処理手順を示す図。
【図6】本発明のUplinkの処理手順を示す図。
【図7】本発明の第2実施例による移動通信システムの構成を示す図。
【図8】本発明の端末の他の構成例を示す図。
【図9】本発明の効果を示す図。
【図10】Aはゾーン内に指向性の無い場合の従来の移動システムを示し、Bはゾーン内で指向性を有する従来の移動システムを示す図である。
【符号の説明】
40:アンテナ、41:アンテナ素子、42:指向性可変装置、100:集中制御局、110:データ分割部、120:スケジュール作成部、121:トラヒック監視部、122:指向性制御部、130:データ再構成部、200:端末、210:ロジック部、220:データ分割部、230:スケジュール部、231:指向性制御部、240:送受信装置、250:データ再構成部、260:アンテナ
Claims (13)
- 各ゾーン内の端末が基地局を通して通信を行い、
各ゾーンが少なくとも1つ以上の隣接ゾーンと互いに重なるエリアが存在するようにそれぞれのゾーンに配置された基地局と、
各上記基地局と接続され、各端末と、その端末をカバーするゾーンの基地局との通信を制御する集中制御局とを含む移動通信システムであって、
上記集中制御局は、
各上記端末に送信すべき転送データを所定長のブロックデータに分割し、それらのブロックデータに一連の符号を含むヘッダを付加するデータ分割部と、
上記各端末をカバーするゾーンの基地局のトラヒックに基づいて上記端末に対しリンクすべき基地局を転送タイミングごとに指定する接続スケジュールを作成し、上記端末に対しブロックデータを、転送タイミングごとに上記接続スケジュールで指定された上記基地局に送信するスケジュール作成部と、
複数の基地局を通して所望の端末から受信した複数のブロックデータから、端末における転送データを再構成するデータ再構成部とを含み、
上記スケジュール作成部は、ある基地局に転送要求が集中してその基地局チャネル容量に対して転送要求が大きくなることを検出すると、当該基地局に割り当てた端末への送信すべきブロックデータを、同時アクセス可能で空きチャネルを有する別の基地局から送信するように複数のリンクすべき基地局を指定する接続スケジュールを作成することを特徴とする移動通信システム。 - 請求項1の移動通信システムにおいて、各上記基地局は複数の素子からなるアレーアンテナと、上記アレーアンテナの指向性を制御する指向性可変装置を具備し、上記集中制御局は各基地局の上記アレーアンテナの指向性を制御するアンテナ指向性制御部を具備し、各基地局の指向性を該転送データをブロック単位で統一的に制御して、ゾーン構成を適応的に変更することを特徴とする移動通信システム。
- 請求項2の移動通信システムにおいて、各上記端末は、複数の素子からなるアレーアンテナと、上記アレーアンテナの指向性を制御する指向性制御部を具備し、上記アレーアンテナの指向性を該データ転送ブロック単位で適応的に変更することを特徴とする移動通信システム。
- 各ゾーン内の端末が基地局を通して通信を行う移動通信システムにおける集中制御局であり、
各端末へ送信すべき転送データを所定長のブロックデータに分割し、一連の符号又は番号を含むヘッダを付加するデータ分割部と、
各上記端末をカバーする全てのゾーンの基地局のトラヒックに基づいて転送タイミングごとの上記端末と上記基地局間の接続スケジュールを作成し、ダウンリンク時に上記ブロックデータを転送タイミングごとに上記接続スケジュールで指定された上記基地局に送信し、端末からデータ転送要求があった場合に上記接続スケジュールを上記端末に送信するスケジュール作成部と、
上記基地局を通して上記端末から受信したブロックデータから転送データを再構成するデータ再構成部、
とを含み、
上記スケジュール作成部は、ある基地局に転送要求が集中してその基地局チャネル容量に対して転送要求が大きくなることを検出すると、当該基地局に割り当てた端末への送信すべきブロックデータを、同時アクセス可能で空きチャネルを有する別の基地局から送信するように複数のリンクすべき基地局を指定する接続スケジュールを作成することを特徴とする集中制御局。 - 請求項4に記載の集中制御局において、上記スケジュール作成部は、上記ブロックデータの送出先の基地局のアレーアンテナの指向性を上記ブロックデータ毎に制御する指向性制御部を有することを特徴とする集中制御局。
- 各ゾーン内の端末が基地局を通して通信を行う移動通信システムにおける端末であり、
送信すべきデータを所定長のブロックデータに分割し、一連の符号又は番号を含むヘッダを付加するデータ分割部と、
複数の基地局に対し同時アクセス可能な複数の送受信部と、
各端末からの転送要求及び転送データ量に基づいて各基地局へのアクセスがチャネル容量を超えないように、またデータ転送要求量の多い端末に対しては同時に複数の基地局への割り当てを指定するように分割したブロックデータのスロット単位で集中制御局が作成した接続スケジュールを、上記集中制御局から転送タイミングごとに受信し、その受信した接続スケジュールにより指定された基地局に上記送受信部をリンクさせ、上記ブロックデータをそれらの送受信部からそれぞれ分けて送出させるスケジュール部と、
複数の上記送受信部で受信したブロックデータから転送データを再構成するデータ再構成部と、
送信すべき情報を所定の形式の送信データに変換して上記データ分割部に与え、上記データ再構成部により再構成された転送データを所定の形式の情報に変換するロジック部、
とを含むことを特徴とする端末。 - 請求項6に記載の端末は、複数の素子からなるアレーアンテナと、上記アレーアンテナの指向性を制御する指向性制御部とを更に含むことを特徴とする端末。
- 各ゾーン内の端末が基地局を通して通信を行う移動通信システムにおける集中制御局による通信制御方法であり、
(a) 端末毎に転送するデータを所定長のブロックに分割し、一連の符号又は番号を含むヘッダを付加するステップと、
(b) 上記端末をカバーする全てのゾーンの基地局のトラヒックに基づいて各ブロックデータ毎に上記端末に対しリンクすべき基地局を転送タイミングごとに指定する接続スケジュールを作成するステップと、
(c) 上記ブロックデータを転送タイミングごとに上記接続スケジュールで指定された上記基地局に送信するステップと、
を含み、
上記ステップ(b)は、ある基地局に転送要求が集中してその基地局チャネル容量に対して転送要求が大きくなることを検出すると、当該基地局に割り当てた端末への送信すべきブロックデータを、同時アクセス可能で空きチャネルを有する別の基地局から送信するように複数のリンクすべき基地局を指定する接続スケジュールを作成するステップを含むことを特徴とする集中制御局による通信制御方法。 - 請求項8に記載の集中制御局による通信制御方法は更に、各端末からの転送要求に応じて上記接続スケジュールを上記端末に送るステップと、基地局を通して上記端末から受信したブロックデータから、それらに付加されたヘッダに含まれる一連の符号又は番号に基づいて転送データを再構成するステップとを含むことを特徴とする集中制御局による通信制御方法。
- 請求項8又は9に記載の集中制御局による通信制御方法において、上記ステップ(b) は上記ブロックデータの送出先の基地局のアレーアンテナの指向性を上記ブロックデータ毎に制御するステップを含むことを特徴とする集中制御局による通信制御方法。
- 各ゾーン内の端末が基地局を通して通信を行う移動通信システムにおける端末の通信制御方法であり、
(a) 転送データを所定長のブロックデータに分割し、一連の符号又は番号を含むヘッダを付加するステップと、
(b) アップリンク時に基地局を通して集中制御局にデータの転送要求を送るステップと、
(c) 各端末からの転送要求及び転送データ量に基づいて各基地局へのアクセスがチャネル容量を超えないように、またデータ転送要求量の多い端末に対しては同時に複数の基地局への割り当てを指定するように分割したブロックデータのスロット単位で集中制御局が 作成した接続スケジュールを、上記集中制御局から上記ブロックデータごとに受信するステップと、
(d) 受信した上記接続スケジュールで指定された基地局に送受信部を使って上記ブロックデータをそれぞれ分けて送信するステップ、
とを含むことを特徴とする端末の通信制御方法。 - 請求項11に記載の端末の通信制御方法は更に、ダウンリンク時に上記基地局から上記送受信部を使ってブロックデータを受信するステップと、上記ブロックデータから、それらに付加されたヘッダに含まれる一連の符号又は番号に基づいて転送データを再構成するステップと、再構成された上記転送データを所定の形式の情報に変換するステップとを含むことを特徴とする端末の通信制御方法。
- 請求項11又は12に記載の端末の通信制御方法において、上記端末が有するは複数の素子からなるアレーアンテナの指向性を制御するステップを更に含むことを特徴とする端末の通信制御方法。
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