JP3550104B2 - 翼の補強体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機の翼の補強体に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機の主翼の先端部の主翼外翼は、飛行中は揚力を得て、機体を空中に支える働きをしている。航空機の後方に配置される尾翼は、水平尾翼と垂直尾翼とから構成され、水平尾翼は、機体に働く空気力を機体の重心まわりに釣り合わせて、上下方向の安定を保つ働きをしている。垂直尾翼は、機体の方向安定を保ち、機体の横滑りを制御する働きをしている。したがって、主翼外翼および尾翼は、航空機が安全に飛行するために欠くことのできない翼である。
【0003】
従来の大型機の尾翼には、翼の長手方向に延びる桁、桁に垂直に配置されるリブ、外板、および外板に翼の内側から固定される多数のストリンガから構成されるマルチストリンガ構造が多く用いられている。マルチストリンガ構造において、外板およびストリンガには、桁と同様に、曲げモーメントおよびせん断力が作用し。外板と桁には、ねじりモーメントが作用する。
【0004】
図11は、対象物に炸裂弾2が衝突したときの状態を示す断面図である。図11(1)に示されるように、対象物の外板1に炸裂弾2が着弾すると、炸裂弾2の炸薬3が爆発し、図11(2)に示されるように、爆発によって生じる爆風とともに炸裂弾から小片4が放出され、対象物の内空間に飛散する。
【0005】
図12は、翼5に炸裂弾2が衝突したときの状態を示す断面図である。図12(1)に示されるように、翼5の外板6に炸裂弾2が着弾すると、炸裂弾2の炸薬が爆発し、図12(2)に示されるように、爆発によって生じる爆風とともに炸裂弾2から小片4が放出され、翼5の内空間に飛散する。爆風は、翼4の内空間に充満し、図12(3)に示されるように外板6および薄肉部材を飛散させる。小片4は、ストリンガ、桁およびリブなどの構造部材に貫通孔を形成するなど、これらの部材を損傷する。このように炸裂弾2によって、翼5は致命的な損傷を受ける。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ストリンガ、桁およびリブなどの翼の主要な構造部材に貫通孔が形成されると、翼全体の強度が低下する。マルチストリンガ構造の翼において、外板、ストリンガおよび桁は、翼に作用する主な荷重を分担しているので、これらの構造部材が損傷することは、航空機の安全な飛行を保証できなくなる。
【0007】
航空機の翼に炸裂弾が着弾して爆発すると、図12(3)に示されるように、爆風によって外板6などの構造部材が変形し、さらに小片4によって構造部材に貫通孔が形成される。特に大型航空機の主翼外翼および尾翼のような薄い外板を持つ翼の場合、爆風によって外板が飛散してしまう。外板が飛散した場合には、残っているストリンガなどの構造部材で翼に作用する荷重を分担しなければならない。また、このように翼の強度および剛性が低下すると、フラッタを引き起こす可能性があり、飛行の続行が極めて困難になる。
【0008】
したがって、爆風によって外板が飛散しても、翼全体としての強度の低下を最小限に留めるような翼の補強材が要求されている。そのために、さらなる補強材を付加したり、翼に防弾アーマを装着したり、複合材料からなる構造部材をチタン合金などの金属材料にしたりすることで、炸裂弾による損傷に対処することができるが、翼の重量が大幅に増加してしまい、大型機の尾翼および主翼外翼として適切ではない。
【0009】
本発明の目的は、軽量、かつ炸裂弾による爆風の影響が少なく、また炸裂弾の小片による損傷を軽減できる翼の補強体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、航空機の翼の外板に、翼の内方側から固定される補強体であって、
発泡合成樹脂材料から成るコアが、繊維材料に合成樹脂を含浸した複合材料から成る外層によって、周方向全周にわたって被覆されて構成され、外板に固定される補強体本体と、
補強体本体を外方から覆い、密度と弾性率との積の値が前記複合材料よりも大きい材料から成る保護層とを含むことを特徴とする翼の補強体である。
【0011】
本発明に従えば、補強体本体は、発泡合成樹脂材料から成るコアが、繊維材料に合成樹脂を含浸した複合材料から成る外層によって、周方向全周にわたって被覆される。このように、外層は筒状を成し、軸直角断面において閉じており、補強体本体が厚肉閉断面構造に形成されるので、断面における最小外接円半径が同一となる従来のJ字形などの開いた断面構造の補強体と比べて、ねじりに対する強度を高くすることができる。したがって、たとえば何らかの要因によって外板が損傷して、補強体に風圧による荷重が作用しても、補強体の変形を防ぐことができる。さらに発泡合成樹脂材料および複合材料は、型による成形が容易であるので、複雑な形状の翼の補強体を容易に成形することができる。
また、補強体には、補強体本体を外方から覆い、密度と弾性率との積の値がコアを被覆する複合材料よりも大きい材料から成る保護層が設けられるので、何らかの要因によって、小片が補強体に衝突しても、少なくとも補強体本体の損傷を防ぐことができる。これによって補強体の損傷による翼全体の強度の低下を防ぐことができる。
【0014】
また本発明は、前記保護層は、板材から成り、補強体本体に接着されることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、板材から成る保護層は、補強体本体に接着されるので、リベットなどの保護層を貫通するファスナによって接合する場合に比べて、均一な保護強度を得ることができる。また保護層の補強体本体への取付が容易である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の翼の補強体を用いた航空機11を示す斜視図である。本実施の形態の翼の補強体は、尾翼15および主翼外翼13に用いられる。主翼外翼13は、飛行中は揚力を得て、機体を空中に支える働きをする航空機11の主翼14の先端部である。航空機11の後方に配置される尾翼15は、水平尾翼12と垂直尾翼16とを含んで構成され、水平尾翼12は、機体に働く空気力を機体の重心まわりに釣り合わせて、ピッチ方向の安定を保つ働きをする。垂直尾翼16は、機体のヨー方向の安定を保ち、機体の横滑りを制御する働きをする。
【0017】
図2は、航空機11の水平尾翼12を示す斜視図である。水平尾翼12は、機体に固定される水平安定板21と、変位自在な動翼22とを含んで構成される。水平安定板21は、前縁部23、後縁部24、および前縁部23と後縁部24との間に配置される翼桁間構造部25を含んで構成される。動翼22は、後縁部24に角変位自在に直結されている。
【0018】
図3は、水平尾翼12の水平安定板21の内部構造体21aを示す斜視図である。内部構造体21aは、水平尾翼(以後「翼」ということがある)12の長手方向に延びて配置される前桁26、翼12の長手方向に延び、前桁26の翼弦方向後縁側に配置される後桁27、翼弦方向に延び、翼12の長手方向に所定の間隔をあけて並び、前桁26と後桁27とに連結される複数のリブ28、翼の長手方向に延び、前桁26の翼弦方向前縁側に配置される前縁補強部材29a、翼の長手方向に延び、後桁27の翼弦方向後縁側に配置される後縁補強部材29b、前縁補強部材29aと前桁26とを連結する複数の第1連結部材30a、および後縁補強部材29bと後桁27とを連結する複数の第2連結部材30bを含んで構成される。前桁26、後桁27、リブ28、前縁補強部材29a、後縁補強部材29b、第1連結部材30aおよび第2連結部材30bを総称して、内部構造部材と呼ぶ。これらの内部構造部材を外部から覆うように外皮体31を連結して、翼12が構成される。
【0019】
図4は、図2のセクションIVを拡大して、前桁26と後桁27との間の水平尾翼12の構造を示す斜視図である。外皮体31は、外板32、および前桁26と後桁27との間の外板32に、翼12の長手方向に延び、翼12の翼弦方向に並んで、翼12の内側から固定される補強体である複数のストリンガ33を含んで構成される。翼桁間構造部25は、前桁26、後桁27および複数のリブ28を含み、さらに前桁26と後桁27との間の外板32およびストリンガ33を含んで構成される。
【0020】
図5は、本発明の実施の一形態のストリンガ33を示す断面図である。ストリンガ33は、ストリンガ本体33aと、ストリンガ本体33aの外側から、フィルム状の接着剤44を介して接着される保護板43とから構成される。
【0021】
ストリンガ本体33aは、軸直角断面における外形が一様に台形状で、発泡合成樹脂材料、たとえばポリエーテルイミド(Polyetherimide)またはポリエタクルイミド(Polymethacrylimide)から成るコア41と、コア41を周方向全周にわたって被覆する炭素繊維強化樹脂材料(略称:CFRP)からなる外層42とを含んで構成される。CFRPは、繊維材料、たとえば炭素繊維に、合成樹脂、たとえばエポキシ樹脂を含浸した複合材料である。
【0022】
ストリンガ本体33aは、軸直角断面における外形が一様に略台形状で、軸直角断面で見たときに、台形の平行な2つの辺のうち長い方の辺を成す側面31bが、外板32に、翼の内方側からコキュア(cocure)接着によって、接着される。
【0023】
コキュア接着は、成形した外板32およびストリンガ33を硬化せずに、外板32にストリンガ33を密着させて、外板32とストリンガ33とを個々に硬化させると同時にストリンガ33に含浸される合成樹脂を接着剤として接着する接着方法である。コキュア接着は、予め別々に硬化した外板とストリンガとを、接着剤を用いて接着して、さらに外板とストリンガとを硬化する接着方法である2次接着のように、硬化工程を2回以上行う必要がなく、1回の硬化工程で外板32とストリンガ33とを接着することができる。
【0024】
図6(1)は、ストリンガ本体33aを示す断面図であり、図6(2)は、ストリンガ本体33aを示す斜視図である。外層42は、コア41を周方向全周にわたってほぼ均一に被覆する略台形筒状の第1外層42aと、第1外層42aの軸直角断面で見たときに、台形の平行な2つの辺のうち短い方の辺を成す側面を除く3つの側面をほぼ均一に被覆する、軸直角断面が略U字状である第2外層42bと、第1外層42aの、軸直角断面で見たときに、台形の平行な2つの辺のうち短い方の辺を成す側面、および第2外層42bの軸直角断面で見たときに、台形の平行な2つの辺を除く2つの斜辺を成す側面をほぼ均一に被覆する、軸直角断面が略U字状である第3外層42cとを有する積層構造となっている。
【0025】
また第2外層42bの、軸直角断面で見たときに、台形の平行な2つの辺のうち長い方の辺を成す外側面と平行となるような張出部51が、第3外層42cの周方向端部に互いに離反する方向に延びて設けられる。このような張出部51を設けることによって、ストリンガ33と外板32との接着面積が大きくなり、ストリンガ33と外板32との接着力を強めることができる。また発泡合成樹脂材料およびCFRPは、型による成形が容易であり、冶具を必要としないので、複雑な形状のストリンガ本体33aを容易に、かつ安価に製造することができる。
【0026】
第1外層42aおよび第2外層42bとして、主に0°一方向材、たとえば弾性率が240〜300GPa程度の炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させた複合材料を複数枚用いて、第1外層42aの繊維が延びる方向である繊維方向をストリンガ本体33aの軸線方向と平行にする。第2外層42bの一部および最外層である第3外層42cとして、±45°織物材、たとえば弾性率が240〜300GPa程度の炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させた複合材料を用いて、前記第2外層42bの一部および第3外層42cの繊維方向をストリンガ本体33aの軸線方向と45度の角度を成すようにする。外層42をこのような積層構造にすることによって、ねじりおよび座屈に対する強度を高めることができ、なんらかの要因によって外板32が損傷した時に、ストリンガ33に風圧による荷重が作用しても、ストリンガ本体33aの変形を防ぐことができる。
【0027】
図7は、ストリンガ本体33aおよび保護板43を示す断面図である。保護層である保護板43は、第1保護板43a、第2保護板43bおよび第3保護板43cから成る。第1〜第3保護板43a〜43cは、ストリンガ本体33aの軸直角断面で見たときに、台形の平行な2つの辺のうち長い方の辺を成す側面を除く側面に、フィルム状の接着剤44を介してそれぞれ接着される。
【0028】
保護板43は、密度ρと弾性率Eとの積であるインピーダンスρEが、コア41を被覆する複合材料よりも大きい材料を用いる。本実施の形態において、保護板43は、チタン合金から成る厚さ0.5mmの板材を用いる。これによって、何らかの要因によって、小片がストリンガ33に衝突しても、少なくともストリンガ本体33aの損傷を防ぐことができ、ストリンガ33の損傷による翼全体の強度の低下を防ぐことができる。また保護板43を3分割することによって、保護板43の加工を容易にすることができるだけでなく、保護板43に小片が衝突した場合に、保護板43の損傷は、実際に小片が衝突した分割された保護板のうちの1枚に留めることができる。
【0029】
また保護板43は、ストリンガ本体33aに接着されるので、リベットなどの保護板を貫通するファスナによって接合する場合に比べて、均一な保護強度を得ることができる。また保護板43のストリンガ本体33aへの取付けが容易である。
【0030】
保護板43は、チタン合金から成る板材としたが、コア41を被覆する複合材料よりもインピーダンスの大きい材料、たとえばステンレス鋼または小片の貫通を阻止する貫通抵抗が大きいアラミド繊維複合材料などを用いてもよい。コア41を被覆する複合材料であるCFRP、チタン合金およびステンレス鋼の密度ρ、弾性率EおよびインピーダンスρEの値を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003550104
【0032】
保護板43の材料のインピーダンスρEは、3000[Pa・N/mm3]以上であることが望ましい。また保護板43は、第1〜第3保護板43a〜43cに3分割される構成としたが、分割しない一体型としてもよい。
【0033】
ストリンガ33の製造工程を簡略化するために、外板32とストリンガ33との接着、ストリンガ33と保護板43との接着、およびコア41と外層42との接着を同時に行う。
【0034】
このように、ストリンガ33の軸直角断面における外形が一様に略台形状で、軸直角断面で見たときに、台形の平行な2つの辺のうち長い方の辺を成す側面31bが、外板32に、翼の内方側から接着されるので、たとえば何らかの要因によって外板32が損傷したときに、翼内に流れ込んだ風がストリンガ33の外周を滑らかに流れるので、風圧によってストリンガ33に作用する荷重を軽減することができる。
【0035】
ストリンガ本体33aを、発泡合成樹脂材料から成るコア41、およびCFRPから成る外層42とすることによって、金属材料から成る同一の断面形状のストリンガ本体に比べて、所定のねじりおよび座屈に対する強度を出すのに必要な質量を小さくすることができる。これによって、前桁26と後桁27との間の外板32に固定するストリンガ33の本数を変更することなく、ストリンガ33の断面積を小さくすることができたり、ストリンガ33の断面積を変更することなく、ストリンガ33の本数を減らして、ストリンガ33の配置間隔を広げることができる。
【0036】
本実施の形態において、ストリンガ33は、軸直角断面が略台形状としたが、何らかの要因によって外板32が損傷したときに、翼内に流れ込んだ風がストリンガ33の外周を滑らかに流れるような三角形などの多角形および半円などの断面形状としてもよい。この場合、保護板はストリンガ本体に応じた形状とし、ストリンガ本体に応じて分割または成形するものとする。
【0037】
図8(1)は、水平尾翼12に着弾した炸裂弾の爆発によって外板32が飛散した状態の外皮体31を示す断面図であり、図8(2)は、図8(1)のセクションIIを拡大した断面図である。上述のようにストリンガ33は、炸裂弾の爆発によって生じる爆風の風圧による変形を防ぐことができる。また外板32が飛散しても、ストリンガ33は変形しないので、水平尾翼12全体のねじりおよび座屈に対する強度低下を防ぐことができる。さらにストリンガ33を中空構造にしないで、コア41を充填させるような構造にすることで、炸裂弾から放出された小片がストリンガ33を貫通したときに、小片とともにストリンガ33内部に爆風が侵入して充満することを防ぐことができる。またストリンガ33は外板32にコーキュア接着によって固定されるので、外板32が飛散しても、ストリンガ33が外板32とともに飛散することがない。
【0038】
図9(1)は、炸裂弾から放出された小片81が貫通したストリンガ33を示す断面図である。万一、炸裂弾から放出された小片81、ストリンガ33の第1保護板43aを貫通して、ストリンガ本体33aを貫通する場合には、第1保護板43aの一部が、ストリンガ本体33aから離反するが、第2保護板43bおよび第3保護板43cは、損傷しないとともにストリンガ本体33aから離反しない。
【0039】
図9(2)は、炸裂弾から放出された小片81が貫通したストリンガ33Aを示す断面図である。図9(2)に示されるストリンガ33Aは、本実施の形態のストリンガ33と同一のストリンガ本体33aに、一体型の保護板43Aがフィルム状の接着剤44を介して接着される構造になっている。万一、炸裂弾から放出された小片81、ストリンガ33Aの、ストリンガ本体33aの軸直角断面で見たときに、台形の平行な2つの辺を除く2つの斜辺の一方の斜面を成す側面に接着される保護板43Aの第1保護部82aを貫通して、ストリンガ本体33aを貫通する場合には、第1保護部43aの一部が、ストリンガ本体33aから離反し、第1部82aに連なる保護板43Aの第2保護部82bは第1保護部82aとともにストリンガ本体33aから離反してしまうが、保護板43Aが一体型であるので、図9(1)に示される第1保護板43aに比べて、ストリンガ本体33aからストリンガの軸線方向にはあまり離反しない。
【0040】
図10(1)は、本実施の形態の外皮体31を示す断面図であり、図10(2)は、従来の外皮体31Aを示す断面図である。従来の外皮体31Aは、外板32Aと、軸直角断面が略J字形状で金属材料から成るストリンガ91を含んで構成される。所定の翼のねじりおよび座屈に対する強度を出すために必要なストリンガの間隔は、図10(2)に示される外皮体31Aでは、Lであるが、図10(1)に示される外皮体31ではストリンガの間隔は、L+αである。αは0以上の値である。このように、本実施の形態のストリンガ本体33aの外層42は筒状を成し、軸直角断面において閉じており、ストリンガ本体33aが厚肉閉断面構造に形成されるので、断面における最小外接円半径が同一となる従来のJ字形などの開いた断面構造のストリンガ91と比べて、ねじりに対する強度を高くすることができるので、外皮体31に設けられるストリンガ33の間隔を広げる、換言すればストリンガ33の本数を減らすことができるので、炸裂弾から放出される小片がストリンガ33に衝突する確率を低くすることができる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、補強体本体は、発泡合成樹脂材料から成るコアが、繊維材料に合成樹脂を含浸した複合材料から成る外層によって、周方向全周にわたって被覆される。このように、外層は筒状を成し、軸直角断面において閉じており、補強体本体が厚肉閉断面構造に形成されるので、断面における最小外接円半径が同一となる従来のJ字形などの開いた断面構造の補強体と比べて、ねじりに対する強度を高くすることができる。したがって、たとえば何らかの要因によって外板が損傷して、補強体に風圧による荷重が作用しても、補強体の変形を防ぐことができる。さらに発泡合成樹脂材料および複合材料は、型による成形が容易であるので、複雑な形状の翼の補強体を容易に成形することができる。
また、補強体には、補強体本体を外方から覆い、密度と弾性率との積の値がコアを被覆する複合材料よりも大きい材料から成る保護層が設けられるので、何らかの要因によって、小片が補強体に衝突しても、少なくとも補強体本体の損傷を防ぐことができる。これによって補強体の損傷による翼全体の強度の低下を防ぐことができる。
【0043】
請求項2記載の本発明によれば、板材から成る保護層は、補強体本体に接着されるので、リベットなどの保護層を貫通するファスナによって接合する場合に比べて、均一な保護強度を得ることができる。また保護層の補強体本体への取付が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の翼の補強体を用いた航空機11を示す斜視図である。
【図2】航空機11の水平尾翼12を示す斜視図である。
【図3】水平尾翼12の水平安定板21の内部構造体21aを示す斜視図である。
【図4】図2のセクションIVを拡大して、前桁26と後桁27との間の水平尾翼12の構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の一形態のストリンガ33を示す断面図である。
【図6】図6(1)は、ストリンガ本体33aを示す断面図であり、図6(2)は、ストリンガ本体33aを示す斜視図である。
【図7】ストリンガ本体33aおよび保護板43を示す断面図である。
【図8】図8(1)は、水平尾翼12に着弾した炸裂弾の爆発によって外板32が飛散した状態の外皮体31を示す断面図であり、図8(2)は、図8(1)のセクションIIを拡大した断面図である。
【図9】図9(1)は、炸裂弾から放出された小片81が貫通したストリンガ33を示す断面図であり、図9(2)は、炸裂弾から放出された小片81が貫通したストリンガ33Aを示す断面図である。
【図10】図10(1)は、本実施の形態の外皮体31を示す断面図であり、図10(2)は、従来の外皮体31Aを示す断面図である。
【図11】対象物に炸裂弾2が衝突したときの状態を示す断面図である。
【図12】翼5に炸裂弾2が衝突したときの状態を示す断面図である。
【符号の説明】
32 外板
33 ストリンガ
33a ストリンガ本体
41 コア
42 外層
43 保護板
44 接着剤

Claims (2)

  1. 航空機の翼の外板に、翼の内方側から固定される補強体であって、
    発泡合成樹脂材料から成るコアが、繊維材料に合成樹脂を含浸した複合材料から成る外層によって、周方向全周にわたって被覆されて構成され、外板に固定される補強体本体と、
    補強体本体を外方から覆い、密度と弾性率との積の値が前記複合材料よりも大きい材料から成る保護層とを含むことを特徴とする翼の補強体。
  2. 前記保護層は、板材から成り、補強体本体に接着されることを特徴とする請求項1記載の翼の補強体。
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