JP3548920B2 - 眼鏡枠内の仮レンズに張り付けたアイポイントゲージにおける近用アイポイント位置チェック装置 - Google Patents
眼鏡枠内の仮レンズに張り付けたアイポイントゲージにおける近用アイポイント位置チェック装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、お客の選んだ眼鏡枠にお客に適した遠近両用レンズをセットする際に使用するチェック装置に関するものである。このチェック装置は、お客の選んだ眼鏡枠に仮レンズをはめてアイポイントゲージを張り付けたとき、張り付けたアイポイントゲージにおいて近用アイポイントが果たして適正位置にあるかをチェックするためのものである。
【0002】
【従来の技術】
眼鏡店で遠近両用レンズを眼鏡枠内に正確な位置関係でセットするには、次のようにしている。まず、好みの眼鏡枠をお客に選んでもらう。つぎに、お客に対して検眼をし、お客に合った遠近両用レンズを選ぶとともに、両瞳孔間の距離を測定する。それから、お客の選んだ眼鏡枠に度のない仮レンズをはめ、両瞳孔の位置に遠用アイポイントをそれぞれ合わせた状態にして仮レンズ上にアイポイントゲージを張り付ける。これで、遠用アイポイントは正確な位置にあることになるが、問題はこのとき近用アイポイントも正確かどうかである。
【0003】
そのことをチェックするには、これまでは例えば図2に示すようにしていた。図2は本発明に係るものの説明図であるが、図2を借りて従来のやり方を説明する。直径10mmの円を描いたミラーを机の中央に水平に置き、円に対し角度的には対称でしかも同じ高さになる位置にお互いの眼を位置させて、お客と検者とが向き合う。このとき、お客はアイポイントゲージを張り付けた仮レンズをはめた眼鏡枠を掛けている。検者は左眼を閉じ右眼でミラーの円を見て、お客の右眼の瞳が近用アイポイントを通して円の中心に写っているか確かめる。つぎに、左眼で円を見て、お客の左眼の瞳が近用アイポイントを通して円の中心に写っているか確かめる。それぞれ円の中心に写っていたらレイアウトは正確となり、次の作業に移る。しかし、どちらか一方又は両方の近用アイポイントが円の中心を外れていたら、フィッテイング調整を行って正常に戻す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のミラー法によるときは、お客と検者の眼がミラーに対して正確に対称の角度でしかも同じ高さになっていないと正確なチェックができない。ところが、大体この角度・高さでよいだろうと勘でやっているのが実情であり、これでは正確なチェックはできない。
本発明が解決しようとする課題は、お客・検者の眼を正確な対称角度・正確に同じ高さに容易にすることができるようにする点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明においてそのような課題を解決したが、本発明に係る眼鏡枠内の仮レンズに張り付けたアイポイントゲージにおける近用アイポイント位置チェック装置は次のようなものである。すなわち、基台上にミラーからなる目視点を設けて基台には上方へ支持体を設け、そして基台の上方であって前記目視点を挟む等角度で同高の左右位置に、お客及び検者の額を対向してそれぞれ当てるための額当てを高さ調節ができる機構を介して支持体に設けたものである。
【0006】
このチェック装置をセットしたときは、左右の額当てが目視点を挟む等角度で同高の左右位置にある。お客及び検者が左右の額当てにお互いの額を当て、お互いに目視点を目視する。このとき、両者の眼は正確に目視点を挟む等角度で同高の左右位置にある。
基台から上方へ設ける支持体の形状・構造等は任意であり、数も1本でも2本でもよい。とにかく目視点を挟む上方同高の左右の対称位置に左右の額当てを配置できるものなら、どのようなものでもよい。伸縮式・折畳み式・着脱式等にしてもよい。額当ての高さ調節機構にしても、任意のものが採用できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態の一つを図1に基づいて説明する。方形の基台1の上にミラー2を張り、ミラー2の中央に小さな円を描いて円内を目視点3としている。基台1の一側に角柱4を垂直に設けている。角柱4は中空のものとして中に上下片5をはめ、上下片5を上下できるようにしている。上下片5は、角柱4にねじ込んだねじ6で任意の位置に固定できるようにしている。上下片5の上端に、水平に配置した水平片7の中央を取り付けている。水平片7の両端から基台1上へと水平かつ平行に、支持片8をそれぞれ取り付けている。両支持片8の前方には、相対向する方向へやや弓なりに湾曲する額当て9をそれぞれ設けている。また、水平片7の一側下側にアームを取り付け、そのアームにより支持片8のやや下方に当たる位置に位置させて保持片10を取り付けている。保持片10は回転できるようにしている。なお、額当て9にお客又は検者が額を当てたとき、お客又は検者の眼が保持片10の中央の高さになるように、保持片10の位置を設定している。そして、保持片10に穴をあけ、その穴に定規棒11の上方部をはめている。また、定規棒11の下端は直角に折り曲げ、折曲げ部を角柱4の下端付近にあけた穴にはめている。定規棒11には1mm単位の目盛りを付けている。
【0008】
以上に示したものは次のように使用する。お客の通常の近用視の距離はあらかじめ調べている。定規棒11の下端と保持片10の中央との間の長さがその近用視の距離に一致するように、上下片5を上下させて調整する。一致したところでねじ6を締めて上下片5を固定する。ここで、図2に示すようにお客と検者とが向き合ってそれぞれの額を額当て9にそれぞれ押し当て、ミラー2の目視点3の中心を目視する。このとき、お客・検者の両者の両瞳孔は目視点3に対し同じ角度・高さにある。ここで、検者が左眼を閉じて右眼で目視点3の中心を見る。つぎに、右眼を閉じて左眼で目視点3の中心を見る。このとき、お客の右眼・左眼が近用アイポイントを通して目視点3の中心に写っていたら、レイアウトの正確さを確認したことになる。もし、近用アイポイントのどちらか一方又は両方が目視点3から外れていたら、外れた側についてフィッテイング調整をする。
【0009】
発明の実施の形態のうち別のものを図3に基づいて説明する。角柱4をやや高く形成し、角柱4の外周にスライド片12をはめている。スライド片12は角柱4に沿って上下できるようにし、スライド片12にねじ込んだねじ6を締め付けて任意の位置でスライド片12を固定することができる。スライド片12に水平片7・支持片8・額当て9を取り付けている。このものの使用方法は、これまでの説明及び図3から明らかである。
【0010】
発明の実施の形態のうち更に別のものを図4に基づいて説明する。図4のものは基本的には図1のものと同じであるが、折畳み式にした点が異なる。まず、角柱4の下端にヒンジ13を設け、ヒンジ13を中心にして角柱4を前方へ倒せるようにしている。角柱4を立てたときは角柱4の後部に設けたフック14をその下方に設けたピン15に掛けて固定する。また、水平片7は上下片5の上端にあけた水平の丸穴に通し、前後に回転できるようにしている。ただし、水平片7を前方へ回転させたとき水平位置で止まるように、上下片5と水平片7との間にストッパー16を設けている。そして、上下片5の上端付近から水平にアーム17を設け、アーム17の先端に保持片10を取り付けている。保持片10は支持片8のやや下方の位置にある。収納するときは、水平片7・支持片8・額当て9を後方へ回転させた後、フック14をピン15から外して角柱4を前方へ倒して全体をZ形に折り畳む。
【0011】
発明の実施の形態のうち更に別のものを図5に基づいて説明する。角柱4を基台1の左右に2本取り付け、2本の上下片5を各角柱4にはめている。両上下片5の上端間に横棒18を架け渡して取り付けている。各上下片5に、支持片8・額当て9・保持片10をそれぞれ取り付けている。定規棒11も2本使用し、V字形に設けている。なお、横棒18を使用せず、左右の上下片5が別別に上下するようにしてもよい。
【0012】
発明の実施の形態のうち更に別のものを図6に基づいて説明する。2本の角柱4を基台1に対しV字形に取り付け、各角柱4に上下片5をぞれぞれはめている。横棒19を水平にしてその一端を一方の上下片5の上端に取り付け、横棒19の他端側は他方の上下片5の上端に取り付けた保持片20にあけた穴にはめている。なお、横棒19は必ずしも使用する必要はない。
【0013】
発明の実施の形態のうち更に別のものを図7に基づいて説明する。基台1の一側に二つの歯車21をかみ合わせて取り付け、各歯車21に二つの角柱4をそれぞれ取り付けている。各角柱4にそれぞれはめた上下片5の上端付近の対向側に、互いにはまり合う凸部22及び凹部23をそれぞれ設けている。上下片5の側面には目盛りを付けている。凸部22・凹部23をはめ合わせた状態にし、目盛りを見ながら各上下片5を所定の高さに伸ばしてねじ6でそれぞれ固定する。このとき、左右の額当て9は同じ高さにある。それから、両角柱4を左右に開く。歯車21がかみ合っていることで、両角柱4等は正確に等角度で左右に開く。なお、歯車21を使用せず、左右の角柱4が別別に動くようにしてもよい。そして、角柱4を左右に傾けたとき、同じ角度になったところでストッパーに当たって止まるようにしてもよい。また、上下片5の凸部22・凹部23は設けなくてもよい。
【0014】
発明の実施の形態のうち更に別のものを図8に基づいて説明する。図8のものは、図1のものにおいて定規棒11の代わりに定規ひも24を使用したものに相当する。定規ひも24の一端は角柱4の下端に取り付け、他端は支持片8に取り付けた保持片10の穴に通した後、先端に重り25を取り付けている。
【0015】
発明の実施の形態のうち更に別のものを図9に基づいて説明する。別体の額当て26の背部に設けた穴に支持片8の先端を通した状態にして、ねじ27で額当て26を固定するようにしている。額当て26の一端に保持片28を設け、定規ひも24は保持片28の穴に通した後、先端に重り25を取り付けている。額当て26の外側にはクッション29も取り付けている。
【0016】
発明の実施の形態のうち更に別のものを図10に基づいて説明する。図9のものの変形であり、左右の額当て26を連動させ同角度に傾けることができるようにしている。すなわち、左右の額当て26の先端の各上端・下端にピン30をそれぞれ取り付け、レバー31の両端にあけた穴にピン30をそれぞれ通した状態にしてピン30にねし32をそれぞれねじ込んでいる。一方の額当て26を傾けると、レバー31の作用で他方も同じ角度に傾く。
【0017】
【発明の効果】
本発明に係るものにおいては、額当てをお客の通常の近用距離に合わせた高さにした後に、お客・検者が対向してそれぞれの額を当てる。このとき、両者の眼は目視点に対し正確に等角度になっていて、しかも同じ高さになっている。したがって、眼鏡枠内の仮レンズに張り付けたアイポイントゲージの近用アイポイントが正確な位置にあるかどうかをチェックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の原理を示す正面図である。
【図3】発明の実施の形態のうち別のものを示す斜視図である。
【図4】発明の実施の形態のうち更に別のものを示す斜視図である。
【図5】発明の実施の形態のうち更に別のものを示す斜視図である。
【図6】発明の実施の形態のうち更に別のものを示す斜視図である。
【図7】発明の実施の形態のうち更に別のものを示す斜視図である。
【図8】発明の実施の形態のうち更に別のものを示す斜視図である。
【図9】発明の実施の形態のうち更に別のものの要部を示す斜視図である。
【図10】発明の実施の形態のうち更に別のものの要部を示す斜視図及びそのものの作動を示す正面図である。
【符号の説明】
1 基台
2 ミラー
3 目視点
9 額当て
26 額当て
Claims (1)
- 基台上にミラーからなる目視点を設けて基台には上方へ支持体を設け、そして基台の上方であって前記目視点を挟む等角度で同高の左右位置に、お客及び検者の額を対向してそれぞれ当てるための額当てを高さ調節ができる機構を介して支持体に設けた、眼鏡枠内の仮レンズに張り付けたアイポイントゲージにおける近用アイポイント位置チェック装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28108095A JP3548920B2 (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | 眼鏡枠内の仮レンズに張り付けたアイポイントゲージにおける近用アイポイント位置チェック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28108095A JP3548920B2 (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | 眼鏡枠内の仮レンズに張り付けたアイポイントゲージにおける近用アイポイント位置チェック装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0990297A JPH0990297A (ja) | 1997-04-04 |
JP3548920B2 true JP3548920B2 (ja) | 2004-08-04 |
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ID=17634055
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP28108095A Expired - Fee Related JP3548920B2 (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | 眼鏡枠内の仮レンズに張り付けたアイポイントゲージにおける近用アイポイント位置チェック装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3548920B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE60030019T2 (de) | 1999-02-22 | 2006-12-21 | Nidek Co., Ltd., Gamagori | Vorrichtung zur Messung von Augenpunkten eines Subjektes im Bezug auf ein Brillengestell |
-
1995
- 1995-09-25 JP JP28108095A patent/JP3548920B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0990297A (ja) | 1997-04-04 |
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