JP3547295B2 - 冷蔵装置および冷蔵方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペルチェ冷却ユニットを用いた冷蔵装置および冷蔵方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、穀物が傷みやすい時期において手軽に鮮度良い状態の穀物を得ることができる装置として、白米を長期保存可能な保冷式の米びつ装置が提案されている。この米びつ装置としては、穀物を収納可能な収納部の上方に冷媒が循環するタイプの冷却装置を搭載し、収納部の内部を冷却して、白米を保存するのに適した環境を構築できるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
冷却装置が搭載された保冷式の米びつ装置を一般の家庭や農家で手軽に購入し利用できるようにするには、低価格であることは勿論のこと、ランニングコストができるだけ低く、できるかぎりコンパクトであるもことが望ましい。このため、冷却装置として、冷媒や圧縮器等の機器が不要である小型のペルチェ冷却ユニットを用いた冷却装置を採用した保冷式の米びつ装置が検討されている。
【0004】
穀物の中で白米は、その周囲温度が約20℃以下となるように保持すると、害虫やカビの発生を防げることが知られている。また、米が乾燥して割れたり、変色する等の低温障害を防止するには約14℃以上に保持することが望ましい。このような環境を収納部内部に構築するために、ペルチェ冷却装置を用いた米びつ装置においては、収納部の庫内温度が20℃を越えると、予め定められた印加電圧をペルチェ冷却ユニットに供給して収納部を冷却し、庫内温度が14℃以下になると、ペルチェ冷却ユニットへの電力供給を停止する制御が一般に行われている。
【0005】
収納部の庫内温度が20℃を越えたときにペルチェ冷却ユニットに電力を供給すると、ペルチェ冷却ユニットは停止状態から100%負荷状態になる。このため、吸熱側と排熱側で大きな温度差が生じるので、この温度差によってペルチェ冷却ユニットには大きな熱応力が加わることになる。さらに、庫内温度が14℃のときにペルチェ冷却ユニットをオフし、庫内温度が20℃になるまでオフ状態で放置してあるので、吸熱側と排熱側がほぼ同じ温度なっている状態でペルチェ冷却ユニットを100%負荷にすることになる。このため、ペルチェ冷却ユニットに急激に大きな熱応力が加わり、熱応力の変化量も大きい。このような大きな熱応力が頻繁に加えられると、異金属を溶着してあるペルチェ素子では、異金属の熱収縮率の違いによりペルチェ素子内の異金属間の溶着のハガレや、ペルチェ素子と吸、放熱板の接合部に発生するせん断応力によりペルチェ素子の材料疲労により、ペルチェ冷却ユニットの耐久性が低下してしまう。
【0006】
そこで、本発明においては、ペルチェ冷却ユニットにかかる熱応力を低減して、ペルチェ冷却ユニットの耐久性を向上することが可能な冷蔵装置および冷蔵方法を提供することを目的としている。また、収納部内を適切な温度範囲に確実かつ安定に制御できる冷蔵装置および冷蔵方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の冷蔵装置および冷蔵方法では、ペルチェ冷却ユニットに供給する電圧を収納部の内部温度に基づき多段階に変化させることで、ペルチェ冷却ユニットに加わる熱応力を低減するようにしている。
【0008】
すなわち、本発明の冷蔵装置は、冷蔵物を収納可能な収納部と、この収納部を冷却可能なペルチェ冷却ユニットと、この冷却ユニットに電力を供給する電力供給装置とを有する冷蔵装置であって、電力供給装置はペルチェ冷却ユニットに供給する供給電圧を多段階に調整可能な制御ユニットを有し、この制御ユニットは、収納部の内部温度に基づき供給電圧を段階的に上昇または下降可能であることを特徴としている。また、本発明の冷蔵方法においては、ペルチェ冷却ユニットに供給する供給電圧を多段階に調整可能な電力供給工程を設け、この電力供給工程において、収納部の内部温度に基づき供給電圧を段階的に上昇または下降するようにしている。
【0009】
本発明の冷蔵装置および冷蔵方法では、ペルチェ冷却ユニットへの供給電圧が収納部の内部温度に応じて多段階に調整される。そして、外気温の上昇等によって収納部の内部温度が徐々に上昇していく場合には、その内部温度の上昇に対応して小さな電圧値から大きな電圧値へと段階的に変化させることにより、ペルチェ冷却ユニットの負荷を徐々に大きくできる。このため、吸熱部と排熱部との温度差が徐々に大きくなるので、この温度差に起因する熱応力の変化が緩やかになり、熱応力自体も低減できる。従って、材料疲労の発生も軽減でき、ペルチェ冷却ユニットの寿命を延ばすことができる。
【0010】
同様に、冷却能力が高く、収納部の内部温度が徐々に低下する場合でも、供給電圧を段階的に下げることにより、吸熱部と排熱部の温度差を徐々に変化させることができる。従って、この場合も、急激な熱応力およびその変化量が小さくなるので、ペルチェ冷却ユニットの耐久性を向上できる。
【0011】
さらに、ペルチェ冷却ユニットへの供給電圧を単純にオンオフ制御する場合には、外気温に対し過度の電圧が供給されるので、消費電力が大きくなるのに対し、本発明の冷蔵装置および冷蔵方法では、ペルチェ冷却ユニットへの供給電圧を多段階に調整可能であるので、外気温に対応した吸熱量あるいはそれに近い吸熱量が得られるような供給電圧をペルチェ冷却ユニットに加えることができる。このため、消費電力も低減でき、ランニングコストを低くできる。
【0012】
さらに、本発明の冷蔵装置においては、収納部の周囲に冷気を循環する循環層が設けられており、その循環層の空気を媒体としてペルチェ冷却ユニットによって冷却する。したがって、ペルチェ冷却ユニットへの供給電圧の調整は、収納部内の温度に基づいて行われるが、循環層の温度で収納部内の温度を代表している。循環層は収納部より外側にあるので、外気温の影響を受けやすい。このため、循環層の温度を検出して、ペルチェ冷却ユニットへの供給電圧の調整を行うことにより、外気温の変化をより反映した温度制御が可能となり、収納部内の温度をいっそう安定して保持できる。また、循環層は空気が循環しているので代表点となる温度を得ることができる。
【0013】
収納部の上方に投入口を設けておけば、上方から冷蔵物を投入できるので、白米や小麦等の穀物を貯蔵するのに適した穀物用の冷蔵装置を実現できる。穀物の貯蔵は、例えば、白米のように保持する温度範囲(約14〜20℃)が広いので、ペルチェ冷却ユニットを用いると、オンオフ時の温度差が広がりやすい。従って、このような制御対象となる温度範囲が広いときはペルチェ冷却ユニットに供給する電圧を多段階制御することによりペルチェ冷却ユニットの急激な温度変化が発生するのを抑止でき、ペルチェ冷却ユニットの耐久性を向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の冷蔵装置の一例として米びつ装置を説明する。図1に米びつ装置の外観を斜視図を用いて示してあり、図2および図3に米びつ装置の概略構成を縦断面および横断面を用いて示してある。
【0015】
図1ないし図3に示すように、本例の米びつ装置1は、上部に白米30を投入するための開閉蓋2が設置された直方体形状のハウジング3を有している。このハウジング3の内部には白米30を貯蔵する収納部4およびこの収納部4を冷却可能なペルチェ冷却装置10が収納されている。収納部4は、ハウジング3の内部の正面側に配置されており、その上方には開閉蓋2を開けた状態で白米30を投入可能な投入口4aが設けられ、その下方には収納部4から所望の量の白米30を払い出す計量装置5が設置されている。この計量装置5の下方には取出容器6がハウジング3に対して着脱可能に設置されている。計量装置5によって払い出された白米30は取出容器6に蓄えられ、この取出容器6を外部に取り出すことにより米びつ装置1から所望の量の白米30を得ることができる。
【0016】
本例の収納部4は、四方が断熱壁7によって囲われており、収納部4と断熱壁7の間には複数のスペーサ8によって冷気が循環可能な循環層9が形成されている。本例の米びつ装置1では、この循環層9の空気を媒体として収納部4の側壁の熱がペルチェ冷却装置10で吸収され、収納部4の内部が四方の側壁から冷やされるようになっている。このため、収納部4に投入された白米30の熱は収納部4の側壁を介して吸熱され、この結果、収納部4およびここに貯蔵された白米30の温度を循環層9の温度に準じて下げることができる。
【0017】
ペルチェ冷却装置10は、ハウジング3の裏面側に収納部4と並んで配置されている。このペルチェ冷却装置10は、水平方向に並んで配置された2つのペルチェ冷却ユニット11および12と、これらのペルチェ冷却ユニット11および12の正面側に接続された吸熱ヒートシンク13と、ペルチェ冷却ユニット11および12の裏面側に接続された排熱ヒートシンク14とを備えている。吸熱ヒートシンク13は循環層9まで突出した状態となっており、循環層9を循環する空気から熱を吸収できるようになっている。また、排熱ヒートシンク14には、その上方に水平方向に並んで2つの冷却ファン15および16が設置されている。これらの冷却ファン15および16によって外部の空気を排熱ヒートシンク14に強制的に循環して放熱効率を高められるようになっている。本例では、吸熱ヒートシンク13の近傍に循環ファン17が設置されており、吸熱ヒートシンク13に空気を送って循環層9内の空気の循環がスムーズに行われるようになっている。この結果、収納部4を周囲から均一に冷却でき、この収納部4に貯蔵された白米30を所定の温度範囲に保冷することができる。
【0018】
図4には本例の米びつ装置1の概略の制御構成をブロック図を用いて示してある。本例の米びつ装置1は、家庭用の交流電源でペルチェ冷却装置10を稼働できるようになっており、ペルチェ冷却ユニット11および12、冷却ファン15および16、および循環ファン17に電力を供給可能な電力供給装置20を有している。この電力供給装置20は、AC/DC変換器21を備えており、このAC/DC変換器21によって交流が直流に変換されたそれぞれのペルチェ冷却ユニット11および12に供給される。なお、AC/DC変換器31から供給される直流電力の一部は冷却ファン15、16、および循環ファン17にも供給され、これらをペルチェ冷却ユニット11および12と共に駆動できるようになっている。
【0019】
また、電力供給装置20は、収納部4の内部温度に基づきペルチェ冷却ユニット11および12に供給する供給電圧を段階的に上昇または下降させることができるようになっている。そのために、電力供給装置20は、AC/DC変換器21からの直流電圧を調整して、ペルチェ冷却ユニット11および12に所定の電圧を印加する電圧調整部22と、循環層9の温度に応じて電圧調整部22を制御する制御ユニット23とを備えている。電圧調整部22は、ペルチェ冷却ユニット22に対して、10、7.5、5.0、2.5、および0Vの5種類の電圧を印加可能なモード4、3、2、1、および0を備えており、制御ユニット23によっていずれかのモードが選択されて、ペルチェ冷却ユニット11および12にその時のモードの電圧を供給できるようになっている。
【0020】
さらに、本例では、収納部4の内部温度を直に検出するのではなく、循環層9の循環ファン17の入口温度を検出してペルチェ冷却ユニット11および12に供給する電圧が選択される。収納部4の一点の温度を測定しても収納部内全体の温度として代表することは難しい。これに対し、循環層9は空気が循環しているので代表点となる温度を得ることができる。特に、循環層9を循環した空気は、循環ファン17の入口に戻るので、この点の温度を検出することにより収納部4内部のほぼ平均的な代表温度として利用できる。さらに、循環層9は収納部4より外側にあるので外気温の影響を受けやすい。このため、上記のように温度に応じてペルチェ冷却ユニット11および12への供給電圧の調整を行えば、収納部4の内部全体を白米30を貯蔵するのに適した環境に保持するのは容易である。
【0021】
図5に制御ユニット23でペルチェ冷却ユニット11および12へ供給する電圧を制御するプロセスをフローチャートを示してある。また、図6に制御ユニット23によってペルチェ冷却ユニット11および12に供給される電圧が変化する様子を示してある。まず、図5に示すステップST1において、温度センサ18により循環層9の温度を検出する。そして、ステップST2において、循環層温度が20℃より高い場合には、ステップST3で制御ユニット23によって電圧調整部22の10Vの電圧を印加するモード4が選択されて、ペルチェ冷却ユニット11および12に10Vの電圧が印加される。このときは、例えば、外気温が高いときや白米30を投入したときが対応する。
【0022】
一方、ステップST2で循環層温度が20℃以下であると、ステップST4で温度が18.5℃より大きいか否かが判断される。このステップST4でその温度が18.5℃より大きい場合、すなわち、18.5℃<循環層温度≦20℃であると、ステップST5で現在ペルチェ冷却ユニット11および12に印加されている電圧が10Vであるか否かが判断される。このステップST5で10Vの電圧が印加されている場合、すなわち、収納部4の温度が20℃以上になって、それを冷却している最中には、ステップST3でペルチェ冷却ユニット11および12に10Vの電圧が印加される。
【0023】
ステップST5で10Vの電圧が印加されていない場合、すなわち、収納部4が一旦18.5℃以下になっていた時には、ステップST6で制御ユニット23によって電圧調整部22の7.5Vの電圧を印加するモード3が選択され、ペルチェ冷却ユニット11および12には7.5Vの電圧が印加される。従って、図6に示すように、循環層温度が20℃以上であるとき、および18.5℃<循環層温度≦20℃で、収納部4の温度を20℃以上から下げるときは、供給電圧が10V(モード4)で冷却され、温度を保持しようとするときは供給電圧が7.5V(モード3)で冷却される。
【0024】
同様に、ステップST4およびステップST7で循環層9の温度が、17℃<温度≦18.5℃であると、ステップST8で供給電圧が7.5V以上のときは収納部4が18.5℃以上になって冷却されている場合なので、ステップST6でペルチェ冷却ユニット11および12への供給電圧が7.5Vになる。例えば、供給電圧が10Vであった場合は、7.5Vに低下し、供給電圧が7.5Vの場合は7.5Vが保持される。一方、ステップST8で7.5V未満のときは、収納部4が保冷されている最中なので、ステップST9で5Vの電圧を印加するモード2が選択される。従って、図6に示すように、17℃<循環層温度≦18.5℃で、収納部4が一旦18.5℃以上になったときは供給電圧が7.5V(モード3)で冷却され、17℃以下まで下がった温度を保持するときは供給電圧が5V(モード2)で冷却される。
【0025】
また、ステップST7およびステップST10で循環層9の温度が、15.5℃<温度≦17℃であると、ステップST11で供給電圧が5V以上のときは収納部4が17℃以上になって冷却されている場合なので、ステップST9でペルチェ冷却ユニット11および12への供給電圧が5Vになる。例えば、供給電圧が7.5Vであった場合は、5Vに低下し、供給電圧が5Vの場合は5Vが保持される。一方、ステップST11で5V未満のときは、収納部4が保冷されている最中なので、ステップST12で2.5Vの電圧を印加するモード1が選択される。従って、図6に示すように、15.5℃<循環層温度≦17℃で、収納部4が一旦17℃以上になったときは供給電圧が5V(モード2)で冷却され、15.5℃以下まで下がった温度を保持するときは供給電圧が2.5V(モード1)で冷却される。
【0026】
さらに、ステップST10およびステップST13で循環層9の温度が、14℃<温度≦15.5℃であると、ステップST14で供給電圧が2.5V以上のときは収納部4が15.5℃以上になって冷却されている場合なので、ステップST12でペルチェ冷却ユニット11および12への供給電圧が2.5Vになる。例えば、供給電圧が5Vであった場合は、2.5Vに低下し、供給電圧が2.5Vの場合は2.5Vが保持される。一方、ステップST14で2.5V未満のときは、収納部4が保冷されている最中なので、ステップST15で0Vの電圧を印加するモード0が選択される。従って、図6に示すように、14℃<循環層温度≦15.5℃で、収納部4が一旦15.5℃以上になったときは供給電圧が2.5V(モード1)で冷却され、14℃以下まで下がった温度を保持するときは供給電圧が0V(モード1)となり停止される。
【0027】
図7には1日の外気温の変化とこれに伴うペルチェ冷却ユニット11および12に供給される電圧の変化の一例を示してある。本例の米びつ装置1は、上記のようにペルチェ冷却ユニット11および11および12に供給する電圧を、収納部4の内部温度を反映した循環層温度に応じて多段階に変化させることができる。このため、図7に示す外気温の上昇によって、収納部4が一旦冷やされた状態からその内部温度が上昇する場合には、その内部温度の上昇に対応してペルチェ冷却ユニット11および12に供給する電圧も段階的に上昇させることができる。また、外気温の低下によって、ペルチェ冷却ユニット11および12の吸熱量が大きくなって収納部4が過度に冷やされてしまう状況下では、その外気温の低下に対応してペルチェ冷却ユニット11および12に供給する電圧を段階的に下げることができる。このように、本例の米びつ装置1では、収納部4の内部温度が所定の温度範囲に維持されている場合に、収納部4の内部温度の変化に応じてペルチェ冷却ユニット11および12に対する供給電圧を収納部4の温度に対応した値に設定できる。従って、0−100%の負荷でオンオフ運転する代わりに収納部4の内部温度を保持するのに適した電圧、あるいはそれに近い電圧が供給され、部分負荷でペルチェ冷却ユニット11および12が連続して運転されるので消費電力を削減することができ、ランニングコストを低くできる。
【0028】
また、負荷が段階的に変化するので吸熱ヒートシンク13と排熱ヒートシンク14との温度差も段階的に変化する。このため、温度差の変化量が小さくなり、温度差によって発生する熱応力も小さくできる。また、負荷が変動したときの熱応力の変化も軽減される。従って、ペルチェ冷却ユニット11および12の温度差による材料疲労を大幅に低減できるので耐久性を大幅に向上でき、ペルチェ冷却ユニット11および12の寿命を延ばすことができる。
【0029】
さらに、段階的に負荷を変えられるので外気温等の条件にマッチした供給電圧が選択され、その電圧でオンオフ運転するのではなく、連続した運転が行われる頻度が高くなる。この点でも、ペルチェ冷却ユニット11および12の寿命を延ばすことができる。
【0031】
また、米びつ装置1を例に本発明を適用した冷蔵装置を説明したが、白米に限らず小麦や玄米等の他の穀物を冷蔵保存する冷蔵装置や、その他の冷蔵物を冷蔵保存する冷蔵装置についても本発明を適用可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の冷蔵装置および冷蔵方法では、ペルチェ冷却ユニットに供給する電圧を収納部の周囲に設けられた循環層の温度に基づいて多段階に変化させるようにしている。このため、外気温等によって収納部が一旦冷やされた状態からその内部温度が上昇する場合には、その内部温度の上昇に対応してペルチェ冷却ユニットに供給する電圧も段階的に上昇させることができる。また、ペルチェ冷却ユニットの吸熱量が大きくなって収納部が過度に冷やされてしまう場合には、それに対応してペルチェ冷却ユニットに供給する電圧を段階的に下降させることができる。従って、ペルチェ冷却ユニットの吸熱部と排熱部との温度差が急激に変化するのを防ぐことができ、この温度差に起因する熱応力変化を緩やかにできる。このため、材料疲労の発生を軽減でき、ペルチェ冷却ユニットの寿命を延ばすことができる。さらに、循環層の温度に基づいて電圧の調整を行っているので、収納部内の温度をいっそう安定して保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した米びつ装置の外観形状を示す斜視図である。
【図2】図1の米びつ装置の概略縦断面図である。
【図3】図1の米びつ装置の概略横断面図である。
【図4】図1の米びつ装置の制御の概略を示すブロック図である。
【図5】ペルチェ冷却ユニットへの供給電圧の制御を示すフローチャートである。
【図6】ペルチェ冷却ユニットに供給される電圧が段階的に変化している様子を示す図である。
【図7】1日の外気温の変化と、それに伴うペルチェ冷却ユニットに対する供給電圧の変動を示す図である。
【符号の説明】
1・・米びつ装置
2・・開閉蓋
3・・ハウジング
4・・収納部
7・・断熱壁
9・・循環層
10・・ペルチェ冷却装置
11、12・・ペルチェ冷却ユニット
13・・吸熱ヒートシンク
14・・排熱ヒートシンク
15、16・・冷却ファン
17・・循環ファン
18・・温度センサ
20・・電力供給装置
21・・AC/DC変換器
22・・電圧調整部
23・・制御ユニット
Claims (3)
- 冷蔵物を収納可能な収納部と、
この収納部の周囲に冷気を循環する循環層と、
前記収納部を前記循環層の空気を媒体として冷却可能なペルチェ冷却ユニットと、
このペルチェ冷却ユニットに電力を供給する電力供給装置とを有し、
前記電力供給装置は前記ペルチェ冷却ユニットに供給する供給電圧を多段階に調整可能な制御ユニットを備えており、この制御ユニットは、前記循環層の温度に基づき前記供給電圧を段階的に上昇または下降可能であることを特徴とする冷蔵装置。 - 請求項1において、前記収納部は、その上方に投入口が設けられていることを特徴とする冷蔵装置。
- 周囲に冷気が循環する循環層が設けられた収納部に収納した冷蔵物を、前記循環層の空気を媒体としてペルチェ冷却ユニットによって冷却する冷蔵方法であって、
前記ペルチェ冷却ユニットに供給する供給電圧を多段階に調整可能な電圧供給工程を有し、電圧供給工程では、前記循環層の温度に基づき前記供給電圧を段階的に上昇または下降可能であることを特徴とする冷蔵方法。
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