JP3546875B2 - 電線被覆押出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電線被覆押出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電線被覆押出装置は以下のような構成となっていた。
【0003】
図3のように押出機1から溶融した被覆組成物を押出ヘッド2へ送り込み、押出ヘッド2に芯線3を通して溶融被覆組成物の流れと同じ向きに送ることにより、芯線3の表面に被覆を成形していた。芯線3は従来直線になるように配置され、押出機1と干渉しない様に溶融被覆組成物の流れは押出ヘッド2内で曲がる構成となる。(一般的には90°に曲げる。)図3に溶融被覆組成物の流れを矢印で示している。押出機1と押出ヘッド2の間には被覆組成物漏れ防止用のシールプレート4を挿入している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の方法では、次のような課題があった。従来の電線被覆押出装置を使用して圧電セラミック粉末と合成ゴムから成る圧電複合材料のような溶融しても高粘度な被覆組成物を用いて被覆を行う場合に、溶融被覆組成物の流れを曲げているために押出に必要な圧力が上昇し、被覆押出不能、シールプレート4部よりの被覆組成物漏れ、押出機1の故障という不具合が生じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために被覆組成物を溶融し押し出す押出機と、芯線に溶融被覆組成物を被覆する押出ヘッドを備え、前記溶融被覆組成物の流れが前記芯線に被覆されるまで直線経路で供給される構成を持つ電線被覆押出装置を提供する。
【0006】
前記発明によれば、溶融被覆組成物の流れ方向を曲げることが無い為、押出圧の上昇を抑えて被覆押出が可能となり、従来の技術での課題が解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の電線被覆押出装置は溶融被覆組成物の流れが芯線に被覆されるまで直線経路で供給される構成を持つことにより、溶融被覆組成物の流れ方向を曲げることが無くなり、押出圧の上昇を抑えて被覆押出が可能となり、被覆押出不能、シールプレート部よりの被覆組成物漏れ、押出機の故障という不具合の発生を回避できる。
【0008】
請求項2に記載の電線被覆押出装置は請求項1に記載の構成としてスクリュー式押出機を使用することにより、連続して芯線の被覆押出が可能となる。
【0009】
請求項3に記載の電線被覆押出装置は請求項1〜2に記載の構成として、押出ヘッド内で芯線の方向を直線から曲げる構成を用いる。そのため、押出機と干渉せずに芯線の配置が可能となる。
【0010】
請求項4に記載の電線被覆押出装置は請求項2に記載の構成として、押出機のスクリューに回転軸方向に貫通孔を設け、芯線を前記貫通孔に通して被覆を行う構成を用いる。そのため、押出機と干渉せずに芯線の配置が可能となることに加え、請求項3に記載の電線被覆押出装置と比較して芯線に不要な負荷を与えることなく被覆押出を行うことが出来る。
【0011】
請求項5に記載の電線被覆押出装置は請求項1〜2に記載の構成に加えて、押出ヘッドの被覆組成物送り部の出口部端面の形状が円柱状となっていることにより、溶融被覆組成物の圧縮を回避することが出来、押出圧の上昇を抑えて被覆押出が可能となり、被覆押出不能、シールプレート部よりの被覆組成物漏れ、押出機の故障という不具合の発生を回避できる。
【0012】
請求項6に記載の電線被覆押出装置は請求項1〜2に記載の構成に加えて、押出ヘッドの被覆組成物送り部の出口部端面の形状が、押出時に出口以外で被覆組成物が端面から移動しない開口角となっていることにより、請求項5の構成と同様の効果を得ることが出来ると共に、出口部端面がテーパ状になっていることにより端面部の強度を上げることが出来る。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1〜2を用いて説明する。
【0014】
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例における電線被覆押出装置の構成を示す断面図である。
【0015】
押出機1と押出ヘッド2がシールプレート4を間に挿入して締結されている。押出機1はペレット状の被覆組成物を熱により溶融しながら出口へ供給する機能を持つもので、本実施例では電気式ヒータで溶融被覆組成物を約100℃まで温度上昇させながら1本のスクリューを回転させることにより溶融被覆組成物を出口に供給する単軸スクリュー式押出機、被覆組成物としては圧電セラミック粉末と合成ゴムから成る圧電複合材料を用いている。押出ヘッド2は供給された溶融被覆組成物と芯線3を出口で芯線3の周囲に溶融被覆組成物が配置される様にして押し出すことにより被覆押出を行う機能を持つものでは出口の形状により円、角、楕円等様々な形状に被覆成形可能である。本実施例では押出ヘッド2として直径1.7mmの電線被覆形状を用いている。そして押出ヘッド2内で芯線3を方向変更板5によって方向を変える様にして押出ヘッド2の出口まで通している。芯線3は可撓性を持った導電性の線ならば何でも良く、本実施例では直径0.3mmのステンレス撚り線を用いている。方向変更板5は芯線の方向を変えることが可能な形状ならば、円弧状、角状、ローラ等何でも良く、本実施例では安価で滑らかに方向変更が可能な円弧状を使用している。本実施例の構成により溶融被覆組成物の流れが芯線に被覆されるまで直線経路で供給される構成を持つことにより、溶融被覆組成物の流れ方向を曲げることが無くなり、押出圧の上昇を抑えて被覆押出が可能となり、被覆押出不能、シールプレート部よりの被覆組成物漏れ、押出機の故障という不具合の発生を回避できる。本実施例の溶融被覆組成物の流れを矢印で示している。なお、押出ヘッド2の出口部の形状を円柱端面形状6にしていることにより、溶融被覆組成物の圧縮を回避することが出来、押出圧の上昇を抑えて被覆押出が可能となり、被覆押出不能、シールプレート部よりの被覆組成物漏れ、押出機の故障という不具合発生の回避効果を更に増すことが出来る。この出口部端面形状は押出時に出口以外で被覆組成物が端面から移動しない開口角となっていても良く、開口の形状は、前記の条件を満たしていれば円状、多角形状、円錐状、角錐状、R面取、C面取等どの様な形状でも良い。
【0016】
(実施例2)
図2は本発明の第2の実施例における電線被覆押出装置の構成を示す断面図である。
【0017】
実施例1に対して本発明は、押出機1のスクリューの回転軸方向に貫通孔7をあけ、芯線3を貫通孔7を通して押出ヘッド2の出口まで通すことにより、押出機と干渉せずに芯線の配置が可能となることに加え、芯線3に屈曲部を無くし、芯線3に不要な負荷を与えることなく被覆押出を行うことが出来る。本実施例の溶融被覆組成物の流れを矢印で示している。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1〜6に記載の発明によれば、電線被覆押出装置で圧電セラミック粉末と合成ゴムから成る圧電複合材料のような溶融しても高粘度な被覆組成物を用いて被覆を行う場合でも、溶融被覆組成物の流れが芯線に被覆されるまで直線経路で供給される構成を持つことにより、溶融被覆組成物の流れ方向を曲げることが無くなり、押出圧の上昇を抑えて被覆押出が可能となり、被覆押出不能、シールプレート部よりの被覆組成物漏れ、押出機の故障という不具合の発生を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における電線被覆押出装置の構成を示す断面図
【図2】本発明の実施例2における電線被覆押出装置の構成を示す断面図
【図3】従来の電線被覆押出装置の構成を示す断面図
【符号の説明】
1 押出機
2 押出ヘッド
3 芯線
4 シールプレート
5 方向変更板
6 円柱端面形状
7 貫通孔

Claims (6)

  1. 被覆組成物を溶融し押し出す押出機と、芯線に溶融被覆組成物を被覆する押出ヘッドを備え、前記溶融被覆組成物の流れが前記芯線に被覆されるまで直線経路で供給される構成とした電線被覆押出装置。
  2. 押出機の種類がスクリュー式押出機である請求項1に記載の電線被覆押出装置。
  3. 押出ヘッド内で芯線の方向を直線から曲げる構成を設けた請求項1または2に記載の電線被覆押出装置。
  4. 押出機のスクリューに回転軸方向に貫通孔を設け、芯線を前記貫通孔に通して被覆を行う請求項2に記載の電線被覆押出装置。
  5. 押出ヘッドの出口部端面の形状が円柱状となっている請求項1または2に記載の電線被覆押出装置。
  6. 押出ヘッドの出口部端面の形状が、押出時に出口以外で被覆組成物が端面から移動しない開口角となっている請求項1または2に記載の電線被覆押出装置。
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