JP3546720B2 - 符号化装置及び方法、復号装置及び方法並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に符号化方法及び装置、復号方法及び装置並びに記録媒体に関し、詳しくは効率のよい画像伝送又は蓄積のための高い効率の画像符号化または復号システムに用いることができる符号化方法及び装置、復号方法及び装置並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
国際標準化機構(International Organazation for Standardization;ISO)はJPEG(Joint Photographic Experts Group)と呼ばれる従来の画像圧縮のための標準化体系を公表している。この体系は、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transformation;DCT)を画像に適用して画像をDCT係数に変換することにより画像の最適化符号化又は復号を与える。この体系は、符号化された情報を表すために比較的多数のビットが使われているときに最も効率よく働く。しかし、符号化された情報を表すためのビットの数がある所定値より小さいと、そのようなDCT変換に生来のブロック歪みが顕著になり、画像の質は見ている人が気づくほどに劣化する。
【0003】
JPEGとDCTの手順のこのような欠陥に応じて、新しい反復関数体系(Iterated Function System;IFS)が提案され、賛意を獲得しつつある。このIFSの技術は、画像の部分の間の自己相似性に着目したものであって、フラクタル幾何学に基づくものである。IFSは、特定の画像の様々な部分は、たとえこれらが異なった大きさ(サイズ)、位置、遠近法または方向であっても、類似しているという仮定の下に働く。IFSは、JPEG体系で生成されるかもしれないブロック歪みなしに画像を効率的に符号化するために、画像の冗長度を利用している。従って、IFSは、符号化された情報を表すために用いられたビット数に殆ど依存することがなく、復号中における解像度は、符号化された情報を表すために比較的少数のビット数が用いられたときにも影響を受けない。
【0004】
IFSの基本構造は、Arnaud E. Jaquinの“反復縮小画像変換のフラクタル理論に基づく画像符号化(Image Coding Based on a Fractal Theory of IteratedImage Transformations)”,IEEE Transactions on Image Processing,Vol.1,No.1,pp.18−30という題名の学位論文に述べられている。さらに、全てBarnsley他に発行された、米国特許の第5347600号、第5065447号及び第4941193号に記述されている。これらの参考文献に一般的に説明されている符号化及び復号装置は、ここで先行技術の図19及び図20により記述される。
【0005】
最初に図19を参照すると、先行技術に従った符号化装置の操作が示されている。図19に示されるように、原画像300はブロック生成回路200に入力され、そこで複数のブロック301に分割される。全てのブロック301は合わせて原画像300を完全に覆うが、互いに重なることはない。原画像300はまた先行技術で知られているような方法によって縮小した大きさの縮小画像307を作成する縮小画像生成回路202に送られる。縮小画像は先に送られて縮小画像蓄積回路204に蓄積される。
【0006】
各ブロック301は近似領域探索回路201に送られるが、近似領域探索回路では縮小画像蓄積回路204に蓄積された縮小画像307を探索することにより探索される特定ブロック301に類似の縮小画像の部分があるかどうかを決定する。上述のように、この探索は、探索されているブロック301とは異なった大きさ、部分、遠近法、又は方向の縮小画像307の部分の探索を含んでいる。最も近似した部分の成功した探索を示す検知された結果に従って、縮小画像307内で選択された部分305を特定する近似ブロック位置情報306は、縮小画像蓄積回路204に伝送される。このように示された結果に応じて、縮小画像蓄積回路204に蓄積された縮小画像307の選択された部分305は抽出され、回転/反転/レベル値変換回路203に伝送される。
【0007】
回転/反転/レベル値変換回路203は、縮小画像307の部分305を、近似領域探索回路201から供給される変換パラメータ304に従った回転/反転/レベル値変換によって処理する。これらの変換パラメータ304は、縮小画像307の選択された部分305をブロック301中に変換するために、選択された部分305に施される変換を示している。これらのパラメータは、縮小画像307の特定の部分305が、探索されているブロック301に最も近く対応していることが見いだされたときに決定される。回転/変転/レベル値変換回路203による変換に続いて、変換縮小画像303は近似領域探索回路201に送られる。結果として、変換パラメータ304と近似ブロック位置情報306は、ISF符号302として出力される。よって、第1の画像はこのシステムへ入力され、出力は、第1の画像の第1のブロックを縮小画像の近似した第2のブロックへ変換するための変換パラメータおよび符号化された画像内の第2のブロックの位置を決定するための位置情報を少なくとも含んでいる。
【0008】
次に図20を参照すると、復号装置が示されているが、図19に示した符号化装置から出力される変換パラメータと近似ブロック位置情報302を含む例えばディスク400に記録されたIFSコードが、IFS符号蓄積回路205に入力されて蓄積される。IFS符号302はこれに引き続いてIFS符号蓄積回路205から各ブロックごと読み出され、IFS符号読み出し回路206に送られる。IFS符号読み出し回路206は、符号化装置により生成されたように、符号を近似ブロック位置情報306と変換パラメータ304に分割する。近似ブロック位置情報306は、近似ブロック位置情報306により特定される縮小画像の領域を再現するために、そして縮小画像蓄積回路204に送られる。特定された領域に対応する縮小画像蓄積回路204に蓄積された縮小画像の部分305は、そして回転/反転/レベル値変換回路203に伝送され、IFS符号読み出し回路206から供給される変換パラメータ304に従って変換される。変換の結果の変換画像303は、回転/反転/レベル値変換回路203から送られ、復号画像蓄積回路208に蓄積される。この手順は、IFS符号が与えられた各ブロックに実行される。
【0009】
全てのブロックについての全てのIFS符号が読み出されると、IFS読み出し回路206は読み出し終了(READ OUT END)表示信号を複写制御回路207に送る。全てのブロックの情報が得られたかどうかは、複写制御回路207によって決定される。そうでないと、再実行命令309がIFS読み出し回路206に送られ、IFS符号302はもう一回入力され、この手順は再び開始する。全てのブロックの情報が読み出されると、復号は再帰的な復号手順により継続する。複写制御回路207は、実行された再帰的な復号/複写操作の回数を計数し、この値が所定の値に達しないと、複写制御回路207は、一部復号された画像313を情報経路314を経由して縮小画像生成回路202に送るために、再処理命令信号311をスイッチ209に送る。縮小画像生成回路202は、縮小画像蓄積回路204に蓄積された画像の内容を書き換えて一部復号された画像315で次の再帰的な復号工程の開始を可能にするために、符号化装置におけるのと同様に復号画像315の一部復号された縮小画像315を生成する。再帰的な復号処理がの所定の数に到達すると、したがって複写操作が所定の回数実行されると、復号画像蓄積回路208から出力される復号画像313を出力ポート316に結合するために、復号画像出力制御信号が再処理命令信号311からスイッチ209に送られる。復号画像313は、所定数にわたって繰り返された再帰的な復号の後に、上述の復号画像の全ての総体から構成され、制御信号312に従って復号画像蓄積回路208から読み出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この情報符号化及び復号技術はある程度満足できるものであるが、少なくとも、利用者が画像の一部分のみを復号(符号化)することを望むときに明らかである大きな欠点がある。上述した先行技術では、符号化されるレンジブロック(range block)と画像の全画面の任意位置に位置する複数のドメインブロック(domain block)との間の誤差が計測され、最小の誤差となったドメインブロック、従って最も近似しているブロックが選択される。その後、変換パラメータとブロック位置情報が決定され、これらは符号として与えられる。複数の符号は、各レンジブロックの符号はそのレンジブロックが全画像を構成するように、これらの符号化されたブロックの順序でビットストリームに書かれる。
【0011】
符号化と伝送の効率をさらに向上させるために、ドメインブロックのブロックの大きさは変化するかもしれないので、ビットストリームを構成するために、符号の語は可変長の様式による符号化、すなわち可変長ハフマン(Huffman)符号化またはこれに類似するものが単数又は複数の符号に適用される。しかし、これらの場合には、画像の一部分のみが復号されるにも、ヘッダの部分から所定の領域の画像が現れるまでの全ビットストリームが読み出されることが必要である。加えて、所望のレンジブロックに伴うドメインブロックが画像内のどこにでも位置し得るために、所望の部分の画像を符号化するためだけにも、全画像が復号されることが必要とされる。よって、高速処理の際に、所望の小部分の画像を復号するためにかなりの部分の不要な情報の復号が必要となるという問題が現れる。
【0012】
従って、上述した先行技術の欠点を克服するような改良された符号化装置および方法を提供することは有益である。
【0013】
従って、本発明の目的は、改良された符号化および復号装置並びに方法を提供することである。
【0014】
また、本発明の目的は、望まれていた、符号化画像の一部分のみを復号することを許容する改良された符号化および復号装置並びに方法を提供することである。
【0015】
さらに、本発明の目的は、復号される画像の部分が全画面の符号化情報を含むビットストリームから、ビットストリームの情報の各部を読み取ることなく抽出されるような符号化および復号装置並びに方法を提供することである。
【0017】
また、本発明の目的は、復号される画像の部分が全画面の符号化情報を含むビットストリームから、ビットストリームの情報の各部を読みとることなく抽出されるような符号化および復号方法を設定する全ての情報を含む記録媒体を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明に係る符号化方法は、画像を固定長符号化する符号化方法において、入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する工程と、上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する工程と、各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する工程と、上記入力された画像を複数の領域に分割したときの上記選択された第1のブロックと同じ分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する工程と、上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する工程と、上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する工程と、上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する工程とを有するものである。
【0019】
本発明に係る符号化方法は、画像を固定長符号化する符号化方法において、入力された画像を複数の領域に分割する工程と、各上記複数の領域に反復変換符号化を並列して施す工程とを有し、上記反復変換を並列して施す工程は、入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する工程と、上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する工程と、各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する工程と、上記入力された画像の上記選択された第1のブロックと同じ上記分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する工程と、上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する工程と、上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する工程と、上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する工程と、各反復変換符号化により生成された符号を多重化する工程とを有するものである。
【0020】
本発明に係る復号方法は、複数の符号から構成される固定長符号化データを復号する復号方法において、変換元ブロックの位置を示すブロック位置情報および画像の予め分割された複数の領域の内の一領域のみを用いたブロックの反復変換符号化により得られた変換パラメータを受け取る工程と、上記変換パラメータに基づいた変換処理によって、上記画像の上記分割された領域において、復号される各ブロックについて所定の条件が達成されるまで、上記ブロック位置情報および上記分割された領域により示されるブロックに対してのみ変換処理を再帰的に実行する工程とを有するものである。
【0022】
本発明に係る符号化装置は、画像を固定長符号化する符号化装置において、入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する第1の分割部と、上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する第2の分割部と、各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する変換部と、上記入力された画像を複数の領域に分割したときの上記選択された第1のブロックと同じ分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する決定部と、上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する選択部と、上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する生成部と、上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する出力部とを有するものである。
【0024】
本発明に係る復号装置は、複数の符号から構成される符号化データを復号する復号装置において、変換元ブロックの位置を示すブロック位置情報および画像の予め分割された複数の領域の内の一領域のみを用いたブロックの反復変換符号化により得られた変換パラメータを受け取る受け取り部と、上記変換パラメータに基づいた変換処理によって、上記画像の上記分割された領域において、復号される各ブロックについて所定の条件が達成されるまで、上記ブロック位置情報および上記分割された領域により示されるブロックに対してのみ変換処理を再帰的に実行する変換部とを有するものである。
【0026】
本発明に係る符号化装置は、画像を固定長符号化する符号化装置において、入力された画像を複数の領域に分割する領域決定手段と、各上記複数の領域に反復変換符号化を並列して施す複数の符号化手段とを有し、上記反復変換符号化を並列して施す複数の符号化手段は、入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する第1の分割手段と、上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する第2の分割手段と、各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する変換手段と、上記入力された画像を複数の領域に分割したときの上記選択された第1のブロックと同じ分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する決定手段と、上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する選択手段と、上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する生成部と、上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する出力手段と、各反復変換符号化により生成された符号を多重化する多重化手段とを有するものである。
【0029】
本発明に係る記録媒体は、固定長符号化プログラムが記録された記録媒体において、入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する工程と、上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する工程と、第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する工程と、上記入力された画像を複数の領域に分割したときの上記選択された第1のブロックと同じ分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する工程と、上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する工程と、上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する工程と、上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する工程との各工程からなる固定長符号化プログラムが記録されたものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0032】
最初に図1を参照すると、本発明の実施の形態としての符号化装置は、入力画像100を受け取って蓄積する画像メモリ部3と、入力画像100を第1の入力画像101および第2の入力画像102としてそれぞれ受け入れる、複数の第1のブロックの部分を生成する第1のブロック生成部1および複数の第2のブロックの部分を生成する第2のブロック生成部2と、画像メモリ部3からの第1の入力画像101または第2の入力画像102の読み出しの制御の制御信号103を生成する制御部4とを含んでいる。好適な実施の形態では、第2のブロックの部分は第1のブロックの部分の2倍の大きさである。第2のブロック生成部2から受け取った複数の第2のブロックの部分106を変換する画像変換/生成部6が備えられている。これらの変換されたブロックの部分107は、第2のブロック生成部2から受け取った第2の変換されたブロックの部分107の内で第1のブロック生成部1から受け取った第1のブロックの部分104に最も似たものを探す近似ブロック探索部5に送られる。近似ブロック探索部5は、次の画像100の部分を画像メモリ部3から出力するようにシステムを促すために、制御信号105を制御部4に出力する。領域決定部7は、入力画像101を受け取り、外部入力に基づいてその入力画像を複数の領域に分割する。探索される第1のブロックの位置に依存して、領域決定部7は、探索される第1のブロックを含む画像100の領域に対応した入力画像102として入力画像100の一部分のみを出力するために、制御信号109を画像メモリ部3に出力する。従って、全ての場合に全てのブロックの部分104について、対応して変換された、最も似た第2のブロックの部分107は画像101の同じ領域にあることが保証される。
【0033】
ヘッダ情報生成部29は、ヘッダ情報152を生成するために、第1のブロックの番号または番地(アドレス)を第1のブロック生成部1から受け取り、第2のブロックの番号または番地を第2のブロック生成部2から受け取り、画面分割情報をこの情報を領域決定部に与えたのと同一の外部入力から受け取る。第1のブロックの部分の番号または番地111、第2のブロックの部分の番号または番地108、対応する第1のブロックの部分104に対応する選択された第2のブロックの部分106の変換を示す付随する変換パラメータ110、ヘッダ情報152は、記録媒体400に記録されるかまたは通信網500を通じて伝送される最終的な符号化出力120を与える符号化/多重化装置8に送られる。
【0034】
次に図4を参照して、本発明に特徴的な反復変換符号化の基本的な理論を説明する。反復変換符号化は、全画像を構成する全てのレンジブロック(range block)についてドメインブロック(domain block )からレンジブロックへの繰り返し行う縮小写像を実行する技術である。この写像は、ドメインブロックを回転、横または縦の移動、拡大または縮小、または遠近法または方向の変更を含む任意の数の方法の変換を含んでいる。レンジブロックに最も近いドメインブロックが見いだされると、すなわち差異が最小のデータを生成すると、レンジブロックは以下に述べる手順に従ってIFS符号に符号化される。対応するレンジブロックに最も似たドメインブロックの変換パラメータおよび位置情報のみが符号化されることが必要である。図4に示すように、レンジブロックRkは第1のブロックの部分104に対応し、ドメインブロックDkは第2のブロックの部分106に対応している。レンジブロックRkのブロックの大きさはm×nであり、ドメインブロックのそれはM×Nである。図4にまた示されているように、L×LのM第1のレンジブロックがある。レンジブロックとドメインブロックの大きさの設定は、これらのブロックの大きさは符号化の効率に顕著な影響を及ぼす故に重要である。
【0035】
画像変換/生成部6で行われるブロック画像変換手順は、ブロックDkからブロックRkへの変換である。したがって、ブロックkの写像関数がwkと、全画像を写像するのに要求される第2のブロック画像のブロックの数がPとすると、画像fは全画像の写像関数wにより式(1)のように写像される。
W(f)=w1(f)∪w2(f)∪…∪wP(f) ・・・(1)
従って、Wは次の等式(2)により表される。
W=∪k=1 PWk ・・・(2)
どの型の写像関数が用いられるかは、その関数が縮小関数である限りは問題にはならない。一般に、縮小画像は収束を確保するために用いられる。
【0036】
加えて、処理の簡単さの見地からアフィン変換が用いられる。ブロックDkからブロックRkへのアフィン変換による写像は、次の式(3)のように表現されることができる。
【0037】
【数1】
【0038】
回転、横方向または縦方向への移動、縮小または拡大のような2つのブロック間の変換は、この式(3)により完全に表されることができ、この技術についてよく知られているように各パラメータは様々な変換を示している。よって、(x,y)はアフィン変換前の点の座標を表し、(aix+biy+ei,cix+diy+fi)は変換後の点の座標を表し、この変換はvi(x,y)と記述される。
【0039】
画像変換/生成部6(図1)は、回転、横方向または縦方向への移動、縮小または拡大のような変換のための回路または処理モジュールを含み、従って式(3)によって表される全ての関数を実行することができる。例としては、図4に示すように、ドメインブロックDkの上の左の角は、レンジブロックRkの上の左の角に写像される。ブロック画像の画素のグレイトーン(grey tone )値の変換は、上述したアフィン変換と同様にして実現される。
【0040】
画像メモリ部3および第2のブロック生成部2から読み出されている第2のブロックの部分106について、画像変換/生成部6によって第2のブロックの部分106に適用される変換を変化させるために、式(3)の1または2以上の変換係数(ai,bi,ci,di,ei,fi)は、多様に変化させることができる。第2のブロック生成部2によって生成される複数の第2のブロックの部分106は、複数の変換ブロックの部分107を得るために、様々な様式によって変換される。これらの複数の変換ブロックの部分107については、第1のブロック画像104の部分に最も近い変換ブロックの部分が近似ブロック探索部5により検知される。
【0041】
図1の符号化装置の操作について、図2をさらに参照して記述する。数値化された画像100は、画像メモリ部3へ入力され、そこに蓄積される。制御部4の制御の下に、第1の入力画像101は第1のブロック生成部1と領域決定部7に供給される。領域決定部7は画面分割情報112を外部ソースから受け取り、それから画像メモリ部3から第2のブロック生成部2に読み出される第2の入力画像102の領域を決定する。この領域は、第2のブロック生成部2に送られる第2の入力画像102の部分が、第1の入力画像101から試される第1のブロックが位置する入力画像100と同じ領域に対応するように決定される。例を挙げると、第1の画像101から読み出して試されるブロックが図2の領域1に位置すると、画像メモリ部3から読み出される第2の入力画像102の部分が領域1の全ての部分を含むが、他の付加的な領域からの画像のいかなる部分も含まない。この例では、領域1に対応する入力画像100の部分だけが第2のブロック生成部2に送られる。よって、先行技術では、ドメインブロックは特定のレンジブロックの画像のどこにでも位置することができたが、本発明では、ドメインブロックは画像100と同一の領域に付随するブロックとして位置しなければならない。従って、対応する第1のブロックの部分107の符号化に用いられる最終的な第2の変換ブロックの部分は、入力画像100と同じ領域に位置する。例を挙げると、図2に示したように、領域決定部7は、画面分割情報112に従って図2に示したように画面を垂直および水平に分割する。画面分割情報はこの例では画面は垂直に上と下の部分に、水平に左と右の部分に分割されることを示すが、外部入力からの画面分割情報112は、画面を任意の数に任意の所望の組み合わせで分割することができる。
【0042】
この例では、画面は領域1−領域4の4つの領域に分割され、それぞれが横方向の幅であるdef_x_rangeと、経度方向の幅であるdef_y_rangeとを有している。さらに本発明に従って、第1の領域では、ドメインブロック(第2のブロック)Dkに対応するレンジブロック(第1のブロック)Rkが選択される。第2の領域では、ドメインブロック(第2のブロック)Dmに対応するレンジブロック(第1のブロック)Rmが選択される。第3の領域では、ドメインブロック(第2のブロック)Dnに対応するレンジブロック(第1のブロック)Rnが選択される。最後に、第4の領域では、ドメインブロック(第2のブロック)に対応するレンジブロック(第1のブロック)が選択される。操作の間には、写像による同じ領域のレンジブロック(第1のブロック)に対応する各ドメインブロック(第2のブロック)に変換が施される。上述したように、各特定の選択されたレンジブロックに対応するドメインブロックは、対応するレンジブロックとして同じ領域に位置している。よって、本発明によると、反復関数符号化は、画像の各領域に独立に実行される。変換/符号化操作(図4で示した)は、画像の各定義された領域で独立に実行される。
【0043】
各領域で行われる変換/符号化操作について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0044】
最初のステップS1では、画像メモリ部3に蓄積された画像100から第1の画像が分割(生成)され、複数の第1のブロックの部分104を生成する。次のステップS2においては、第1のブロック画像として入力画像100の同じ定義した領域に位置する第2のブロック106は、画像メモリ部3に蓄積された画像100から分割(生成)され、定義された変換手順に従って変換され、変換された第2のブロックの部分107を生成する。そして、処理は照会S3に移る。
【0045】
照会S3では、選択された第1のブロックの部分104としての入力画像100と同じ領域の現在の変換された第2のブロックの部分107がステップS1で生成された複数の第1のブロックの部分104の内の選択された一つに最も似ているかの比較が行われる。この比較は各対応する現在の第1および第2のブロック位置の画素の間の絶対値の和を取ることにより行われる。ブロック位置の間の比較は、他の具体化として誤差の平方和を用いることによってもなされる。照会は、現在のブロックの部分の間の算出された誤差が所定の閾値より小さいかどうかによってなされる。答えが肯定的であれば、このブロックの部分はステップS4で最も似たブロックの部分の候補の一つとして蓄積され、操作は照会S5に進行する。答えが否定的なときには、操作は照会S5に進行する。
【0046】
照会S5は、探索されている選択された第1のブロックの部分104と同じ領域に位置する第2のブロックの部分106の全てが処理されたどうかが決定される。この領域の全ての第2のブロックの部分106が処理されていないと、操作はステップS2に戻り、画像100の選択された領域の次の第2のブロックの部分106が生成されて、ステップS2に従って移動される。しかし、所定の領域の全ての第2のブロックの部分106が処理されていると、操作は、一時的に蓄積されている第2のブロックの部分106の候補から最初の誤差を有する第2のブロックの部分が選択されるステップS6に進行する。操作はそして、第1のブロック生成部からの第1のブロックの部分の番号または番地111とともに、画像変換/生成部6からの変換パラメータ110と選択された第2のブロックの部分106に対応する第2のブロック生成部からの番号番地が符号化/多重化部8に送られるステップS7に進められる。操作はそうして照会S8に進行する。
【0047】
照会S8は、画面の全ての第1のブロックの部分104が処理されたかどうか、または少なくとも利用者が符号化を望む画面の領域の全ての第1のブロックの部分が処理されたかどうかを決定する。この照会が否定的に答えられると、制御はステップS1に戻され、そこで次の第1のブロックの部分104が生成される。照会が肯定的に答えられると、全画面が符号化されたのこの手順は終了する。
【0048】
よって、本発明によると、図2に示したように、各領域は上で図4について記述された手順に従って独立にIFS符号化される。
【0049】
再び図1を参照すると、ヘッダ情報生成部29は、第1のブロックの部分104の番号または番地111と、第2のブロックの部分106の番号または番地108と、外部の入力ソースからの画面分割情報112を受け取る。画面分割情報112に従って、ヘッダ情報生成部は、画面の大きさと、画面分割情報112に従った分割画面の数およびその大きさと、第1のブロックの部分104の番号または番地111と第2のブロックの部分106の番号または番地108に従った各第1のブロックの部分104および第2のブロックの部分106を表すデータのブロックの大きさとを示す情報を生成する。本発明に従うために各符号の長さは重要であり、可変長データサイズよりもむしろ固定長符号化方式が利用される。固定長符号化は、部分の位置が知られているために任意の特定の第1のブロック部分の番地108へランダムに直ちにアクセスすることを許容する。よって、第2のブロックの部分108と各第1のブロックの部分104の変換パラメータ110は、データストリームの同じ位置に常に位置し、容易にアクセスされることができる。可変長符号化方式が利用されると、特定の選択されたブロックに到達するために、データのストリームの全部を読むことが必要になる。本発明によると、画像の特定の部分のみが復号されたときに、表示される画像の部分を含む適当の画像の領域を復号するために符号化されたデータストリームの情報の必要なブロックについて直ちに番地に移動することが可能である。
【0050】
ヘッダ情報生成部29からヘッダ情報を受け取ると、符号化/多重化部8は、第1のブロックの部分104の番号または番地111と、選択された第2のブロックの部分106の番号または番地108と、各第1のブロックの部分104に順に付随する変換パラメータ110とを受け取り、ヘッダ情報152と、変換パラメータ110と、第1のブロックの部分104に対応する選択された第2のブロックの部分105の番号または番地108とを、第1のブロックの部分104の番号または番地111の順序で多重化する。この情報は、固定長符号化を用いて所定の順序で符号化/多重化部8により符号化/多重化され、そこから符号化ビットストリーム120が出力される。この出力符号化ビットストリーム120は、いわゆるCD−ROMのような記録媒体400に記録されたり、または通信網50に伝送されたりする。
【0051】
図5と図6を参照して、本発明に従って構築した符号化装置および方法を記述する。上述の例と類似の要素については、類似の参照番号で示すことにする。
【0052】
本発明に従って構築された符号化装置は、受け取った入力画像100から複数の第1のブロックの部分104を生成する第1のブロック生成部1と、受け取った入力画像100から複数の第2のブロックの部分106を生成する第2のブロック生成部2と、第2のブロック生成部2で生成された複数の第2のブロックの部分106を蓄積する第2のブロック画像メモリ部14とを含んでいる。符号化装置はさらに、第2のブロック画像メモリ部14から受け取った第2のブロック画像106の第2のブロックの部分122に所定の変換を施す画像変換/生成部6を含んでいる。また、第1のブロック生成部1から受け取った選択された第1のブロックの部分104に最も似た、画像変換/生成部6から受け取った変換された第2のブロック画像の部分107を探索する近似ブロック探索部13を含んでいる。制御部4も、変換された第2のブロックの部分122を画像変換/生成部6に送ってそこで検索を行う制御の制御信号133を生成するために与えられる。領域決定部7も、画像変換/生成部6に第2の画像ブロックの部分106が供給される画像100の領域を決定するために与えられる。この情報は、外部入力から受け取った画面分割情報112を用いて、領域決定部7により決定される。
【0053】
領域決定部7は、第1のブロックの部分104に対応して画像100と同じ領域に位置する第2のブロックの部分106を選択する制御信号118を生成する。ヘッダ情報生成部29も、第1のブロック生成部1からの第1のブロックの部分111の番号または番地と、近似ブロック探索部13により第1のブロックの部分104に最も似ているとして選択された第2のブロックの部分106の番号またはアドレス108と、符号化多重化部8に送られるヘッダ情報152を受け取るために与えられるが、生成したヘッダ情報は符号化多重化部8に送られる。符号化多重化部8は、第1および第2のブロックの部分111および108のブロック番号または番地、変換パラメータ110を画像変換/生成部6から、選択された第2のブロックの部分106に行われる変換より、選択された第2のブロックの部分の第1のブロックの部分104への変換の指標、ヘッダ情報をヘッダ情報生成部29から受け取る。符号化多重化部8は、最終的な符号化出力120を、記録媒体400に記録し、または通信網500に伝送する。
【0054】
本発明に従って構築した符号化装置の操作は、ここで図6のフローチャートを参照して記述する。最初のステップS11では、画像100を作る全ての第2のブロックの部分106は、いずれの第1のブロックの部分104の生成より先に続けて生成され、第2の画像メモリ部14に蓄積されて保持される。そして、ステップS12では、符号化標的(復号される画像100の領域の第1のブロック画像)の第1のブロックの部分104が生成される。よって、ステップS11とS12では、数値化された画像100は第1の画像生成部1と第2の画像生成部2へ入力され、ここで第1のブロックの部分104と複数の第2のブロックの部分106がそれぞれ生成される。操作はステップS13に進む。ステップS13から、この例での符号化技術は上で議論した技術に類似する。特に、ステップS13では、領域決定部7は、画像分割情報112に従って全画面が分割される所定の領域の中から第1のブロックの部分104が位置する画像100の領域を決定する。そして、第1のブロックの部分104が位置する領域として画像100と同じ領域に位置する第2のブロックの部分122は、第2のブロック画像メモリ14から読み出され、画像変換/生成部6により変換される。操作はステップS14に進む。
【0055】
ステップS14からS16では、近似ブロック探索部13は、ステップS13で変換された変換された第2のブロックの部分107と第1のブロックの部分104を比較する。この比較は、どの第2のブロックの部分122がそれと符号化される第1のブロックの部分104の間で最初の誤差を有するかを決定するために行われる。画像100の候補となる領域の第2のブロックの部分122の全ての中から、第2のブロックの部分122と第1のブロックの部分104の間の最小の誤差を有する第2のブロックの部分122の番号または番地108および変換パラメータ110が選択される。この選択処理は実行され(上述の例においてそれぞれ示したように)、試験される変換された第2のブロックの部分107についての誤差は閾値と比較される。誤差が閾値より小さいと、操作はステップS15に進み、第2のブロックの部分122は最も似た第2のブロックの部分の候補として蓄積される。変換パラメータ100と選択された第2のブロックの部分122の番号または番地108は、一時的に蓄積される。操作は照会S16に進む。ステップS14からも、誤差が閾値または前の最小誤差より小さいと、操作は照会S16に進む。照会S16は、第1のブロックの部分104を含む所定の領域の全ての第2のブロックの部分122が処理されたかどうかを決定する。画像100の定義された領域の全ての第2のブロックの部分122が処理されていないと、制御信号119が生成されて近似ブロック探索部13から制御部4に電送され、制御はステップS13に戻り、制御部4で生成された制御信号133に応じて第2のブロック画像メモリ部から次の第2のブロック画像の部分122が読み出される。第1のブロック画像104と同じ画像100の領域の全ての第2の画像の部分122が処理されていると、制御信号119が生成されて近似ブロック探索部13から制御部4に伝送される。操作はそしてステップS17に進行する。
【0056】
ステップS17では、制御信号133に応じて、変換パラメータ110および第2のブロックの部分のデータと第1のブロックの部分104の間で最小の誤差を有する第2の選択されたブロックの部分122の番号または番地108が、一時的に蓄積されている第2のブロックの部分106の全ての候補から選択される。操作はそしてステップS18に進み、画像変換/生成部6からの選択された変換パラメータ110、選択された第2のブロックの部分122の選択された番号または番地108および第1のブロックの部分の番号または番地111は符号化多重化部8に送られる。操作は、ステップS19に進み、画像100の全ての第1ブロックの部分104が処理されたかどうかを照会する。そうでなければ、制御はステップS12に戻り、追加する第1のブロックの部分104を生成する。全ての第1のブロックの部分104が生成されると、全画面が符号化されたのでこの手順を終了する。
【0057】
次に図7を参照して、本発明に従って構築した符号化装置を記述する。図7に示される符号化装置は上述した符号化装置に類似しているが、領域決定部7に代わる画像100から領域を抽出する領域抽出部115と、領域抽出部115で抽出された領域を蓄積するローカルメモリ部116とを含んでいる。要素の残りの部分は前の例での説明したものと類似しているので、同様の数字で示される。本発明に従って構築された符号化装置の操作がここで記述される。この符号化装置では、数値化画像100が画像メモリ部3へ入力される。画像分割情報112に従って画像100の特定の領域124のみが画像メモリ部3から読み出される。画像メモリ部3から読み出された画像100の領域124は、領域画像125としてローカルメモリ116に送られる。制御部4から受け取った読みとり制御信号103に従って、第1の画像126および第2の画像127は、ローカルメモリ部116から第1のブロック生成部1および第2のブロック生成部へのそれぞれの出力である。そして、それぞれ第1および第2のブロック生成部1および2で生成された第1のブロックの部分104および第2のブロックの部分106の処理は、上述した処理とかなり類似している。領域画像125に含まれる第1のブロックの部分104の全てが符号化されると、他の領域画像125が制御部4からの読み出し信号123に従って領域抽出部115により画像メモリ部3から同様の様式によって抽出される。追加部分はローカルメモリ116に蓄積され、上述と同様の操作が実行される。
【0058】
次に図8を参照して、本発明に従って構築した符号化装置を記述する。図8に示すように、本発明に従って構築された符号化装置は、入力画像100を蓄積する画像メモリ部3と、外部のソースから受け取った画面分割情報112に従って画像100の画面を複数の所定の領域に分割する画面分割部22と、第1の所定の領域について反復変数符号化を実行する第1の領域反復関数符号化部23と、第2の所定の領域について反復関数変換を実行する第2の領域反復関数符号化部24と、第Kの領域について反復変換符号化を実行する一般に第K領域反復関数符号化部25によって代表される他領域反復関数符号化部とを含んでいる。各反復関数符号化器に含まれている要素は同一である。多重化部26は、ヘッダ情報と各所定領域からの符号化ビットストリームを多重化するために与えられている。
【0059】
図8の符号化装置の操作がここで記述される。この符号化装置では、数値化画像100が入力されて画像メモリ3に蓄積された後に、画像100は画面分割部22に送られ、画像100の全画面は、外部入力から受け取った分割情報112に従って、複数の画面に分割される。例としては、図8において、画面はK個の領域に分割される。分割された領域の画像134、145、・・・、136は、第1、第2、・・・、第Kの反復関数符号化部23、24、・・・、25にそれぞれ送られる。各領域では、反復関数変換は独立に実行される。例としては、Kが4であると、入力画像は4つの領域に分割される。第1の反復関数符号化部23は領域1の画像に反復関数変換を行い(図2に示すように)、第2の反復関数符号化部24は領域2の画像に反復関数変換を行い、他も同様であり、第Kの反復関数符号化部25は領域4の画像に反復関数変換を行う。符号化ビットストリーム137、138、・・・、139は、第1、第2、・・・、第Kの領域反復関数符号化器23、24、・・・、25からそれぞれ出力される。画像分割情報112は、符号化ビットストリームとともに多重化部26に送られる。多重化部26は、そしてヘッダ情報を生成し、ヘッダ情報と符号化ビットストリーム137、138、139を多重化し、多重化情報をビットストリーム151として出力する。
【0060】
図9は、反復関数符号化部23の内部構造を示している。他の各領域反復関数符号化器波、同様の内部構造で構成されている。図9の領域反復関数符号化器では、第1の領域画像はローカルメモリ部27に入力され、近似ブロック探索部5からの信号143に促されると、第1の画像140および第2の画像141は制御部4からの制御信号142に従ってローカルメモリ部27から読み出され、第1のブロック生成部1および第2のブロック生成部2にそれぞれ出力される。残りの処理は、上述の例で述べたものと同様であって、複数の第1のブロックの部分144の生成、複数の第2のブロックの部分145の生成、第2のブロックの部分145の画像変換/生成部2による変換された第2のブロックの部分147への変換、近似ブロック探索部5による最小誤差の決定、符号化/多重化部8による多重化および情報の符号化データストリームとして出力を含んでいる。この例は、先行の例の続けて行われる符号化に対して、複数の符号化部による並列処理による高速符号化に特徴がある。
【0061】
次に図10を参照して、本発明による符号化方法の実施の形態を示す。図10で説明するフローチャートは一般のコンピュータにプログラムできるであろう。このプログラムでは、最初のステップS21で、入力画像は一般のコンピュータのフレームメモリに蓄積される。次のステップS22では、ステップS21で蓄積された画像は、分割されて複数の第1のブロックの部分を生成する。これに続くステップS23では、ステップS21で蓄積された画像は同様に分割されて複数の第2のブロックの部分を生成する。そして、操作はステップS24に進み、各第1のブロックの部分と同じ領域に属する全ての第2のブロックの部分が決定される。そして、ステップS25では、ステップS22で蓄積され生成された一つの第1のブロック、上記第1のブロックと同じ所定の領域に位置する全ての第2のブロックの部分が読み出される。そして、操作はステップS26に進み、ステップS25で読み出された各第2のブロックは変換される。これに続くステップS27では、どの第2のブロックの部分が選択された第1のブロックの部分に最も近いか、すなわちどの第2のブロックの部分がそれと選択された第1のブロックの部分との間で最小の誤差を有するかの決定が行われる。この決定は上述の例での閾値処理を利用して行われ、ステップS28では最小誤差を有する第2のブロックの部分が選択される。この選択された第2のブロックの部分に対応する番号または番地および変換パラメータと、第1のブロックの部分の番号または番地は生成されて蓄積される。操作は、そして入力画像の全ての第1のブロックの部分が符号化されたかどうかを決定する照会S29に進む。全ての第1のブロックの部分が符号化されていない場合には、操作はステップS25に戻り、次の第1のブロックの部分が読み出されて進行する操作が実行される。全ての第1のブロックが符号化されている場合には、操作はステップS30に進み、図14に示すように、画面の大きさ、分割画像の数、第1および第2のブロックの部分の大きさを示す情報を含むヘッダ情報を生成する。そして、ステップS31で、第1のブロックの部分に対応する変換された第2のブロックの部分の変換/生成により得られた各ブロック番号または番地および変換パラメータと生成されたヘッダ情報とは、復号/多重化されて伝送される。このステップS31が完結すると、処理は終了する。
【0062】
この例においては、本発明の先行する例と同じく、図14に示すフォーマットのヘッダが利用される。画面が分割された複数の領域(図2に示すように)は、全て大きさが等しい。しかし、本発明によると、画面が分割される領域、または定義される領域は、同じ大きさである必要はない。例としては、図16に示すような領域の設計は、4つの領域(1−4)は小さい大きさとされ、3つの付加的な領域(5−7)は中ほどの大きさとされ、3つの最後の領域(8−10)は大きな大きさとする階層構造として用いられる。このような領域の定義を用いるために、図15に示すような、高度のヘッダが使用される。前述のように、ヘッダは、画面の大きさ(水平および垂直)と分割画面の数との情報を含む。領域の大きさは異なり得るので、階層の数を示すブロックの階層構造、画像の全フォーマットを示す画像フォーマット、各ブロックの大きさに関する情報もそうである。従って、この階層構造は、小さなブロックとその大きさの定義、中程のブロックとその大きさの定義、大きなブロックとその大きさの定義を示している。このように、情報は固定長フォーマットにより符号化されているので、画像の特定領域がアクセスされるときは、たとえ画像領域が異なった大きさであってもこの領域の情報を含むビットストリームの部分に直接ジャンプすることが可能であり、従って異なった量の情報を含むことがかのうである。先行技術のように、全てのデータストリームを読み通すことは必要がない。向上されたヘッダは、特定の画像に対してより特定の画像の符号化方式を許すが、データストリームに部分への直接の継続しないアクセスをも許容したままである。
【0063】
図11を参照して、本発明によって構築した復号装置を記述する。この符号化装置は、上で説明されたどの反復画像変換符号化装置により符号化された情報の復号に使用され得る。蓄積媒体400、通信網500、または他のデータ入力装置は、復号領域画像制御部17に符号化ビットストリームを与える。この復号領域画像制御部17は、符号化ビットストリーム120と外部入力からの復号標的領域情報128とを受け取る。この復号標的領域情報128は、復号される画像の部分、つまりビットストリーム120の制御に用いられる。多重化を分解して復号を実行する分解/復号部9は、符号化ビットストリーム120の選択された部分129を受け取り、復号される第1のブロックの部分104の番号または番地111を画像メモリ部11に与え、第1のブロックの部分104に対応する第2のブロックの番号または番地108および画面分割情報112を変換元ブロック再現部10に与える。分解/復号部はまた、変換パラメータ110を画像変換/生成部6に与える。変換元ブロック再現部10は、第2のブロックの部分の与えられた番号または番地に従って変換元部ブロック106を画像変換/生成部6に送られ、画像変換/生成部は、与えられた変換パラメータ110を用いて変換元ブロック106の変換を実行する。画像メモリ部11は画像変換/生成部6から出力された複数の変換ブロックの部分107を蓄積し、画像メモリからの出力は復号装置の繰り返しのループの連続を制御するために制御部12に結合される。領域抽出部28は、復号装置から出力されるために画像から所定の領域を抽出する。
【0064】
図11に示す復号装置の処理を記述する。蓄積媒体400、通信網500、または他のデータ入力装置は、符号化ビットストリーム120を復号領域画像制御部17に与えるが、この復号画像制御部には復号標的領域情報128も与えられる。復号領域画像制御部は、復号標的に対応して符号化ビットストリーム120の部分を決定し、復号している符号化ビットストリーム129を分解/復号部9に出力する。よって、復号される画像の求められた領域が入力されると、復号領域画像制御部は復号される画像の部分を含む所定の領域の数を決定する。全領域が表示されないとしても、符号化装置に関して上述したように、特定の所定領域のレンジブロックは同じ領域の任意の位置のドメインブロックによって符号化され得るから、一画素さえ含む表示される各全領域が復号される。したがって、特定の領域のどの部分でも表示されるには、全領域が復号されなければならない。しかし、表示されるレンジブロックを含まない領域は装置によって復号される必要がない。よって、標的符号化ビットストリーム129は、復号される符号化ビットストリームの所定の領域にのみ対応するデータを含む。
【0065】
標的符号化ビットストリーム129は、分解/復号部9により分解されて固定長復号され、標的符号化ビットストリーム、すなわち復号され表示される情報を含むビットストリームにより示される領域に位置する第1のブロックの部分104の番号または番地104が画像メモリ部11に与えられる。画像分割情報112および第2のブロックの部分106の番号または番地108は変換元ブロック再現部10に与えられる。多重化を分解された変換パラメータ110は、画像変換/生成部6に与えられる。変換元ブロック再生部10は、画面の第2のブロックの位置によって(第2のブロックの部分の番号または番地108および第1のブロックの部分のメモリの位置に基づいて)、画像変換/生成部6に与えられそこで変換パラメータ110に従って変換される変換元ブロック106を決定する。
【0066】
よって画像変換/生成部6から得られる変換ブロック部分107は、画像メモリ部11に与えられ、第1のブロックの部分の番号または番地11の設定に従った位置に蓄積される。この手順は全ての復号標的符号化ビットストリームが読み出され、全ての第2の変換されたブロック位置107が画像メモリ部に書き込まれるまで繰り返される。そして、この画像情報は、制御信号116を変換元ブロック再生部に結合する制御部12の制御の下に変換元ブロック生成部10にフィードバックされる。よって、IFS復号の手順は、画像メモリ部11に蓄積され変換された第2のブロックの部分について所定回数の繰り返しの反復、再帰的手続きのみにより実行される。所定数の繰り返しが実行されると、復号標的領域情報128により設定された画像の部分のみを選択して表示する標的領域抽出部28に復号画像117が最終的に与えられ、この選択された情報を出力画像150として出力する。全画像より少なく復号される必要があるのに、最終的な表示より多く復号されるであろうことは、評価されるべきである。例えば、利用者が領域1の画像の部分と領域2の画像の部分を表示することを望むと、領域1と領域2の全領域が復号されるが、領域3、4およびこれに続く領域は復号される必要がない。
【0067】
本発明の復号装置の復号領域画像制御部17について、図12を参照して記述する。図12に示すように、復号領域画像制御部17は、復号ビットストリーム120からヘッダを読むヘッダ読み取り部18と、ヘッダ読み取り部から供給される符号化ビットストリーム130からの番地読み取り情報を含む符号化符号を読みとるための符号化符号読み取り部19と、画面画像の復号領域を決定し復号標的ブロック画像情報131を読み取り番地算出部21に与えるため復号標的領域情報128を受け取る復号標的領域決定部20とを含んでいる。読み取り番地算出部21は、復号される画像の部分に対応する符号化ビットストリーム120の部分から情報の読み取り番地を決定し、読み取り番地情報132を復号符号読み取り部19に与える。
【0068】
復号領域画像制御部17の操作は、さらに図13のフローチャートを参照して記述する。最初のステップS32では、ヘッダ読み出し部18は符号化ビットストリーム120を受け取り、それからヘッダ情報を抽出する。図14に示すように、そして前に上で記したように、このヘッダは、画面の大きさの情報、画面の分割の数を示す情報、第1および第2のブロックの大きさを示す情報を含んでいる。他には、画像が階層構造を有すると、ヘッダは図15に示す情報を含む。そして、操作はステップS33に進むが、復号標的領域情報128が入力された復号標的領域決定部20は、復号される画像の領域、すなわち最終的に出力画像として表示される少なくとも1画素を含む画像の領域を決定する。例としては、図17に示すように、斜線で示される3つのレンジブロックRk、Rk+1、Rk+2が領域1に位置して復号される。上述したように、これら3つのレンジブロック(第1のブロック)は同じ領域1に位置する変換されたドメインブロック(第2のブロック)を写像することにより生成される。よって、3つのレンジブロックRk、Rk+1、Rk+2によって記述される画像データを復号するためには、領域1のみの全てのブロックが復号されることを要するが、他の画像の領域のドメインブロックは復号されることが必要とされることはない。同様に、領域4の4つの示されたレンジブロックを復号するためには、領域4のみの全てのドメインブロックが復号されることが必要とされる。
【0069】
操作はステップS34に進み、領域1の全てのレンジブロックの画像情報の番地を含む復号標的領域決定部20によって決定される復号標的領域は、復号される各レンジブロックの標的領域の復号に対応した符号化ビットストリームでの各符号の位置が算出されて読み取り番地情報132として出力される読み取り番地算出部21に与えられる。操作はステップS35に進み、復号読み取り部19は、復号標的領域となる領域1の全てのレンジブロックの符号を読み出すために番地情報を用いる。操作はそしてステップS36に進み(この操作は分解/復号部により行われる)、復号される特定の画像の領域に対応する標的符号化ビットストリーム129は復号され、復号データは分解/復号部9から出力される。図14に示すように、ヘッダに従う符号化符号は第2のブロックの部分の番号または番地108、各第1のブロックの部分に付随する変換パラメータのみを含んでいる。従って、符号化側で各第2のブロックの番号または番地および変換パラメータに固定長符号化を施すことにより、特定の第1のブロックの符号化符号の符号化ビットストリームの位置は、直ちに算出されてアクセスされる。一般目的のコンピュータでの復号の例が、図18のフローチャートで記述される。
【0070】
最初のステップS41において、図18では、復号標的領域情報が入力され、復号される画像領域に対応する情報のみを含む符号化ビットストリームが復号標的領域情報に基づいて抽出される。これに続くステップS42では、ステップS41で抽出された符号化ビットストリームとそれに付随するヘッダが多重化を分解されて固定長符号化され、第1のブロックの部分の番地の数、第2のブロックの部分の番地の数、各第2のブロックの部分の変換パラメータ、画面分割情報が分解される。操作はステップS43に進み、最終的な変換された第2のブロックの位置させるための変換元ブロック部分(第2のブロックの部分)は、ステップS42で得られた変換パラメータとステップS43で得られた変換元ブロック部分に基づいて変換/生成される。
【0071】
操作はそして復号標的領域の全ての第1のブロックの部分が復号されたかどうかを決定する照会S46に進む。全ての第1のブロックの部分が復号されていないと操作はステップS43に戻り、次の第1のブロックの部分のための次の元の変換ブロックの部分が再現される。一方、全ての第1のブロックの部分が復号され手ていると、操作は、反復変換操作が所定の回数実行されたかを決定する照会S47に進む。そうでなければ、操作は再びステップS43に戻って上述の操作が再度実行される。一方、操作がステップS48に進むと、利用者により表示が求められている標的領域の画像が復号画像から抽出され、抽出された画像が最終的な復号画像として出力される。
【0072】
図7に示される符号化装置の例のローカルメモリ部116と、図9に示される例の領域反復関数符号化部のローカルメモリ部について、さらに図21を参照して記述する。
【0073】
これらのローカルメモリ部は頻繁にアクセスされるので、例えばSDRAM(synchronous dynamic random access memory)が用いられる。他には、キャッシュメモリが用いられることがある。
【0074】
ローカルメモリの記録容量は、例えば、図21に示す横方向のdef_x_range(画素)と経度方向のdef_y_range(行)により決定される。第1のブロック画像Rxが現符号化標的ブロックであると、第2のブロック画像Dkは探索される参照画像である。この場合には、第2のブロック画像Dkの番号または番地は破線によって決められた領域のみを探索されるので、標的ブロックの数は全画面を探索範囲として用いられた場合より小さい。この結果、第2のブロック画像の番地の数を符号化するのに要求されるビット長は縮小される。よって、画像を探索する領域に分割することにより、符号化装置では探索範囲が狭められるので、処理時間は顕著に減少する。
【0075】
本発明による符号化および復号のコンピュータプログラムを蓄積する記録媒体は、図10で示した符号化技術、図13のフローチャートで示した復号技術を設定する命令を含んでいる。このような媒体の特殊な例は、デジタルビデオディスクを含んでいる。本発明の適用の例は、画像伝送/受信装置、画像データベース、インターネットからの画像情報をダウンロードする目的の画像圧縮/復号装置、電子スチルカメラ、ゲーム装置、多様な大きさの表示を可能とする表示装置を有する符号化/復号装置、画像編集装置内の文書圧縮蓄積部、著作装置または高速復元チップがある。これらは、ソフトウェアによっても実現される。
【0076】
第1のブロックに最も似た変換された第2のブロックを選択するには、閾値処理のみならず、最小値検知も実行される。よって、第2のブロックの手順は所定値の誤差より小さいのみならず、全ての他の第2のブロックより小さい誤差を生成する。しかし、他の例として、閾値処理のみが実行される必要がある。この場合には、閾値より小さい誤差が見いだされると、その誤差の第2のブロックが盛りいられ、それ以上の探索は行われない。合致の精度は減少するだろうが、処理時間は減少する。
【0077】
一般に、本発明に従うと、改良されたIFS符号化および復号技術が提供される。符号化技術は入力画像を第1のブロックと第2のブロックの複数部分に分割する工程を含んでいる。各第2のブロックの部分は変換処理が施され、予め選択された第1のブロックの部分としての入力画像と同じ所定の領域にある変換されたブロックの部分のどれが予め選択された第1のブロックの部分と最も近似するかが決定される。選択された第2のブロックの位置を示すブロック位置情報と選択された第2のブロックの部分の変換処理を表す変換パラメータは、符号としの出力である。
【0078】
本発明による復号技術は、画像の所定領域からのブロックを表す符号からのデコードを許容する。受け取った符号は、予め変換されたブロックの画像の特定の領域の位置を示すブロック位置情報と予め変換されたブロックの変換処理を表す変換パラメータとを含んでいる。ブロック位置情報により同定され所定領域の変換パラメータに基づくブロックの変換処理は、変換処理ブロックからの復号された画像の所定領域が再構成を再帰的に実行する。
【0079】
本発明による符号化及び復号方法を設定するための、符号化の場合には符号化ビットストリーム、復号の場合には符号化された画像の復号された所定領域の出力のための、一般用途のコンピュータを操作するコンピュータプログラムを蓄積する記録媒体が提供されている。
【0080】
【発明の効果】
上述のように、本発明による符号化技術は、画面を複数の等しいまたは等しくなく分割して生成された領域のレンジブロックとドメインブロックの間の変換を写像する。画面を多くの数の領域に分割することにより、各画像の大きさは減少する。この結果、復号する標的画像が属する画像の領域が小さいと、復号時間と復号装置の記憶容量が低減される。
【0081】
本発明による復号技術は、復号される標的領域のブロックの部分に対応する符号化データのみがビットストリームから読み出される必要がある。従って、従来の技術のように先行する全符号化ビットストリームを読む必要がなく、復号処理時間が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】符号化装置の構成の一例を示するブロック図である。
【図2】複数の所定の画像の領域の画像ブロックの間の写像処理を示す図である。
【図3】所定の画像の標的領域を符号化する符号化方法の一連の工程を示すフローチャートである。
【図4】画像ブロック間の写像処理を示す図である。
【図5】符号化装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】所定の画像の標的領域を符号化する符号化方法の一連の工程を示すフローチャートである。
【図7】符号化装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】符号化装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】各反復関数符号部の内部構造を示すブロック図である。
【図10】所定の画像の標的領域を符号化する符号化方法の一連の工程を示すフローチャートである。
【図11】所定の画像の領域を復号する復号装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】図11に示した復号画像領域制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図13】所定の画像の領域を復号する復号装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図14】符号化ビットストリームとヘッダ部分の構成を示す図である。
【図15】符号化ビットストリームとヘッダ部分の他の構成を示す図である。
【図16】図15に示した符号化ビットストリームの他の構成に従ったブロック選択構造を示す図である。
【図17】レンジブロックと所定の符号化画像の領域のドメインブロックとの間の写像を示す図である。
【図18】復号方法の一連の工程を示すフローチャートである。
【図19】従来の先行技術の符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図20】従来の先行技術の復号装置の構成を示すブロック図である。
【図21】レンジブロックとローカルメモリ部のドメインブロックとの間の写像を示す図である。
【符号の説明】
1 符号化装置、2 復号装置、3 反復関数符号化部、4 反復関数復号部、6 画像メモリ部、9 探索領域決定部、15 画像メモリ部、140 最大許容メモリ決定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に符号化方法及び装置、復号方法及び装置並びに記録媒体に関し、詳しくは効率のよい画像伝送又は蓄積のための高い効率の画像符号化または復号システムに用いることができる符号化方法及び装置、復号方法及び装置並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
国際標準化機構(International Organazation for Standardization;ISO)はJPEG(Joint Photographic Experts Group)と呼ばれる従来の画像圧縮のための標準化体系を公表している。この体系は、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transformation;DCT)を画像に適用して画像をDCT係数に変換することにより画像の最適化符号化又は復号を与える。この体系は、符号化された情報を表すために比較的多数のビットが使われているときに最も効率よく働く。しかし、符号化された情報を表すためのビットの数がある所定値より小さいと、そのようなDCT変換に生来のブロック歪みが顕著になり、画像の質は見ている人が気づくほどに劣化する。
【0003】
JPEGとDCTの手順のこのような欠陥に応じて、新しい反復関数体系(Iterated Function System;IFS)が提案され、賛意を獲得しつつある。このIFSの技術は、画像の部分の間の自己相似性に着目したものであって、フラクタル幾何学に基づくものである。IFSは、特定の画像の様々な部分は、たとえこれらが異なった大きさ(サイズ)、位置、遠近法または方向であっても、類似しているという仮定の下に働く。IFSは、JPEG体系で生成されるかもしれないブロック歪みなしに画像を効率的に符号化するために、画像の冗長度を利用している。従って、IFSは、符号化された情報を表すために用いられたビット数に殆ど依存することがなく、復号中における解像度は、符号化された情報を表すために比較的少数のビット数が用いられたときにも影響を受けない。
【0004】
IFSの基本構造は、Arnaud E. Jaquinの“反復縮小画像変換のフラクタル理論に基づく画像符号化(Image Coding Based on a Fractal Theory of IteratedImage Transformations)”,IEEE Transactions on Image Processing,Vol.1,No.1,pp.18−30という題名の学位論文に述べられている。さらに、全てBarnsley他に発行された、米国特許の第5347600号、第5065447号及び第4941193号に記述されている。これらの参考文献に一般的に説明されている符号化及び復号装置は、ここで先行技術の図19及び図20により記述される。
【0005】
最初に図19を参照すると、先行技術に従った符号化装置の操作が示されている。図19に示されるように、原画像300はブロック生成回路200に入力され、そこで複数のブロック301に分割される。全てのブロック301は合わせて原画像300を完全に覆うが、互いに重なることはない。原画像300はまた先行技術で知られているような方法によって縮小した大きさの縮小画像307を作成する縮小画像生成回路202に送られる。縮小画像は先に送られて縮小画像蓄積回路204に蓄積される。
【0006】
各ブロック301は近似領域探索回路201に送られるが、近似領域探索回路では縮小画像蓄積回路204に蓄積された縮小画像307を探索することにより探索される特定ブロック301に類似の縮小画像の部分があるかどうかを決定する。上述のように、この探索は、探索されているブロック301とは異なった大きさ、部分、遠近法、又は方向の縮小画像307の部分の探索を含んでいる。最も近似した部分の成功した探索を示す検知された結果に従って、縮小画像307内で選択された部分305を特定する近似ブロック位置情報306は、縮小画像蓄積回路204に伝送される。このように示された結果に応じて、縮小画像蓄積回路204に蓄積された縮小画像307の選択された部分305は抽出され、回転/反転/レベル値変換回路203に伝送される。
【0007】
回転/反転/レベル値変換回路203は、縮小画像307の部分305を、近似領域探索回路201から供給される変換パラメータ304に従った回転/反転/レベル値変換によって処理する。これらの変換パラメータ304は、縮小画像307の選択された部分305をブロック301中に変換するために、選択された部分305に施される変換を示している。これらのパラメータは、縮小画像307の特定の部分305が、探索されているブロック301に最も近く対応していることが見いだされたときに決定される。回転/変転/レベル値変換回路203による変換に続いて、変換縮小画像303は近似領域探索回路201に送られる。結果として、変換パラメータ304と近似ブロック位置情報306は、ISF符号302として出力される。よって、第1の画像はこのシステムへ入力され、出力は、第1の画像の第1のブロックを縮小画像の近似した第2のブロックへ変換するための変換パラメータおよび符号化された画像内の第2のブロックの位置を決定するための位置情報を少なくとも含んでいる。
【0008】
次に図20を参照すると、復号装置が示されているが、図19に示した符号化装置から出力される変換パラメータと近似ブロック位置情報302を含む例えばディスク400に記録されたIFSコードが、IFS符号蓄積回路205に入力されて蓄積される。IFS符号302はこれに引き続いてIFS符号蓄積回路205から各ブロックごと読み出され、IFS符号読み出し回路206に送られる。IFS符号読み出し回路206は、符号化装置により生成されたように、符号を近似ブロック位置情報306と変換パラメータ304に分割する。近似ブロック位置情報306は、近似ブロック位置情報306により特定される縮小画像の領域を再現するために、そして縮小画像蓄積回路204に送られる。特定された領域に対応する縮小画像蓄積回路204に蓄積された縮小画像の部分305は、そして回転/反転/レベル値変換回路203に伝送され、IFS符号読み出し回路206から供給される変換パラメータ304に従って変換される。変換の結果の変換画像303は、回転/反転/レベル値変換回路203から送られ、復号画像蓄積回路208に蓄積される。この手順は、IFS符号が与えられた各ブロックに実行される。
【0009】
全てのブロックについての全てのIFS符号が読み出されると、IFS読み出し回路206は読み出し終了(READ OUT END)表示信号を複写制御回路207に送る。全てのブロックの情報が得られたかどうかは、複写制御回路207によって決定される。そうでないと、再実行命令309がIFS読み出し回路206に送られ、IFS符号302はもう一回入力され、この手順は再び開始する。全てのブロックの情報が読み出されると、復号は再帰的な復号手順により継続する。複写制御回路207は、実行された再帰的な復号/複写操作の回数を計数し、この値が所定の値に達しないと、複写制御回路207は、一部復号された画像313を情報経路314を経由して縮小画像生成回路202に送るために、再処理命令信号311をスイッチ209に送る。縮小画像生成回路202は、縮小画像蓄積回路204に蓄積された画像の内容を書き換えて一部復号された画像315で次の再帰的な復号工程の開始を可能にするために、符号化装置におけるのと同様に復号画像315の一部復号された縮小画像315を生成する。再帰的な復号処理がの所定の数に到達すると、したがって複写操作が所定の回数実行されると、復号画像蓄積回路208から出力される復号画像313を出力ポート316に結合するために、復号画像出力制御信号が再処理命令信号311からスイッチ209に送られる。復号画像313は、所定数にわたって繰り返された再帰的な復号の後に、上述の復号画像の全ての総体から構成され、制御信号312に従って復号画像蓄積回路208から読み出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この情報符号化及び復号技術はある程度満足できるものであるが、少なくとも、利用者が画像の一部分のみを復号(符号化)することを望むときに明らかである大きな欠点がある。上述した先行技術では、符号化されるレンジブロック(range block)と画像の全画面の任意位置に位置する複数のドメインブロック(domain block)との間の誤差が計測され、最小の誤差となったドメインブロック、従って最も近似しているブロックが選択される。その後、変換パラメータとブロック位置情報が決定され、これらは符号として与えられる。複数の符号は、各レンジブロックの符号はそのレンジブロックが全画像を構成するように、これらの符号化されたブロックの順序でビットストリームに書かれる。
【0011】
符号化と伝送の効率をさらに向上させるために、ドメインブロックのブロックの大きさは変化するかもしれないので、ビットストリームを構成するために、符号の語は可変長の様式による符号化、すなわち可変長ハフマン(Huffman)符号化またはこれに類似するものが単数又は複数の符号に適用される。しかし、これらの場合には、画像の一部分のみが復号されるにも、ヘッダの部分から所定の領域の画像が現れるまでの全ビットストリームが読み出されることが必要である。加えて、所望のレンジブロックに伴うドメインブロックが画像内のどこにでも位置し得るために、所望の部分の画像を符号化するためだけにも、全画像が復号されることが必要とされる。よって、高速処理の際に、所望の小部分の画像を復号するためにかなりの部分の不要な情報の復号が必要となるという問題が現れる。
【0012】
従って、上述した先行技術の欠点を克服するような改良された符号化装置および方法を提供することは有益である。
【0013】
従って、本発明の目的は、改良された符号化および復号装置並びに方法を提供することである。
【0014】
また、本発明の目的は、望まれていた、符号化画像の一部分のみを復号することを許容する改良された符号化および復号装置並びに方法を提供することである。
【0015】
さらに、本発明の目的は、復号される画像の部分が全画面の符号化情報を含むビットストリームから、ビットストリームの情報の各部を読み取ることなく抽出されるような符号化および復号装置並びに方法を提供することである。
【0017】
また、本発明の目的は、復号される画像の部分が全画面の符号化情報を含むビットストリームから、ビットストリームの情報の各部を読みとることなく抽出されるような符号化および復号方法を設定する全ての情報を含む記録媒体を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明に係る符号化方法は、画像を固定長符号化する符号化方法において、入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する工程と、上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する工程と、各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する工程と、上記入力された画像を複数の領域に分割したときの上記選択された第1のブロックと同じ分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する工程と、上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する工程と、上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する工程と、上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する工程とを有するものである。
【0019】
本発明に係る符号化方法は、画像を固定長符号化する符号化方法において、入力された画像を複数の領域に分割する工程と、各上記複数の領域に反復変換符号化を並列して施す工程とを有し、上記反復変換を並列して施す工程は、入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する工程と、上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する工程と、各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する工程と、上記入力された画像の上記選択された第1のブロックと同じ上記分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する工程と、上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する工程と、上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する工程と、上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する工程と、各反復変換符号化により生成された符号を多重化する工程とを有するものである。
【0020】
本発明に係る復号方法は、複数の符号から構成される固定長符号化データを復号する復号方法において、変換元ブロックの位置を示すブロック位置情報および画像の予め分割された複数の領域の内の一領域のみを用いたブロックの反復変換符号化により得られた変換パラメータを受け取る工程と、上記変換パラメータに基づいた変換処理によって、上記画像の上記分割された領域において、復号される各ブロックについて所定の条件が達成されるまで、上記ブロック位置情報および上記分割された領域により示されるブロックに対してのみ変換処理を再帰的に実行する工程とを有するものである。
【0022】
本発明に係る符号化装置は、画像を固定長符号化する符号化装置において、入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する第1の分割部と、上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する第2の分割部と、各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する変換部と、上記入力された画像を複数の領域に分割したときの上記選択された第1のブロックと同じ分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する決定部と、上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する選択部と、上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する生成部と、上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する出力部とを有するものである。
【0024】
本発明に係る復号装置は、複数の符号から構成される符号化データを復号する復号装置において、変換元ブロックの位置を示すブロック位置情報および画像の予め分割された複数の領域の内の一領域のみを用いたブロックの反復変換符号化により得られた変換パラメータを受け取る受け取り部と、上記変換パラメータに基づいた変換処理によって、上記画像の上記分割された領域において、復号される各ブロックについて所定の条件が達成されるまで、上記ブロック位置情報および上記分割された領域により示されるブロックに対してのみ変換処理を再帰的に実行する変換部とを有するものである。
【0026】
本発明に係る符号化装置は、画像を固定長符号化する符号化装置において、入力された画像を複数の領域に分割する領域決定手段と、各上記複数の領域に反復変換符号化を並列して施す複数の符号化手段とを有し、上記反復変換符号化を並列して施す複数の符号化手段は、入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する第1の分割手段と、上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する第2の分割手段と、各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する変換手段と、上記入力された画像を複数の領域に分割したときの上記選択された第1のブロックと同じ分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する決定手段と、上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する選択手段と、上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する生成部と、上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する出力手段と、各反復変換符号化により生成された符号を多重化する多重化手段とを有するものである。
【0029】
本発明に係る記録媒体は、固定長符号化プログラムが記録された記録媒体において、入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する工程と、上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する工程と、第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する工程と、上記入力された画像を複数の領域に分割したときの上記選択された第1のブロックと同じ分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する工程と、上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する工程と、上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する工程と、上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する工程との各工程からなる固定長符号化プログラムが記録されたものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0032】
最初に図1を参照すると、本発明の実施の形態としての符号化装置は、入力画像100を受け取って蓄積する画像メモリ部3と、入力画像100を第1の入力画像101および第2の入力画像102としてそれぞれ受け入れる、複数の第1のブロックの部分を生成する第1のブロック生成部1および複数の第2のブロックの部分を生成する第2のブロック生成部2と、画像メモリ部3からの第1の入力画像101または第2の入力画像102の読み出しの制御の制御信号103を生成する制御部4とを含んでいる。好適な実施の形態では、第2のブロックの部分は第1のブロックの部分の2倍の大きさである。第2のブロック生成部2から受け取った複数の第2のブロックの部分106を変換する画像変換/生成部6が備えられている。これらの変換されたブロックの部分107は、第2のブロック生成部2から受け取った第2の変換されたブロックの部分107の内で第1のブロック生成部1から受け取った第1のブロックの部分104に最も似たものを探す近似ブロック探索部5に送られる。近似ブロック探索部5は、次の画像100の部分を画像メモリ部3から出力するようにシステムを促すために、制御信号105を制御部4に出力する。領域決定部7は、入力画像101を受け取り、外部入力に基づいてその入力画像を複数の領域に分割する。探索される第1のブロックの位置に依存して、領域決定部7は、探索される第1のブロックを含む画像100の領域に対応した入力画像102として入力画像100の一部分のみを出力するために、制御信号109を画像メモリ部3に出力する。従って、全ての場合に全てのブロックの部分104について、対応して変換された、最も似た第2のブロックの部分107は画像101の同じ領域にあることが保証される。
【0033】
ヘッダ情報生成部29は、ヘッダ情報152を生成するために、第1のブロックの番号または番地(アドレス)を第1のブロック生成部1から受け取り、第2のブロックの番号または番地を第2のブロック生成部2から受け取り、画面分割情報をこの情報を領域決定部に与えたのと同一の外部入力から受け取る。第1のブロックの部分の番号または番地111、第2のブロックの部分の番号または番地108、対応する第1のブロックの部分104に対応する選択された第2のブロックの部分106の変換を示す付随する変換パラメータ110、ヘッダ情報152は、記録媒体400に記録されるかまたは通信網500を通じて伝送される最終的な符号化出力120を与える符号化/多重化装置8に送られる。
【0034】
次に図4を参照して、本発明に特徴的な反復変換符号化の基本的な理論を説明する。反復変換符号化は、全画像を構成する全てのレンジブロック(range block)についてドメインブロック(domain block )からレンジブロックへの繰り返し行う縮小写像を実行する技術である。この写像は、ドメインブロックを回転、横または縦の移動、拡大または縮小、または遠近法または方向の変更を含む任意の数の方法の変換を含んでいる。レンジブロックに最も近いドメインブロックが見いだされると、すなわち差異が最小のデータを生成すると、レンジブロックは以下に述べる手順に従ってIFS符号に符号化される。対応するレンジブロックに最も似たドメインブロックの変換パラメータおよび位置情報のみが符号化されることが必要である。図4に示すように、レンジブロックRkは第1のブロックの部分104に対応し、ドメインブロックDkは第2のブロックの部分106に対応している。レンジブロックRkのブロックの大きさはm×nであり、ドメインブロックのそれはM×Nである。図4にまた示されているように、L×LのM第1のレンジブロックがある。レンジブロックとドメインブロックの大きさの設定は、これらのブロックの大きさは符号化の効率に顕著な影響を及ぼす故に重要である。
【0035】
画像変換/生成部6で行われるブロック画像変換手順は、ブロックDkからブロックRkへの変換である。したがって、ブロックkの写像関数がwkと、全画像を写像するのに要求される第2のブロック画像のブロックの数がPとすると、画像fは全画像の写像関数wにより式(1)のように写像される。
W(f)=w1(f)∪w2(f)∪…∪wP(f) ・・・(1)
従って、Wは次の等式(2)により表される。
W=∪k=1 PWk ・・・(2)
どの型の写像関数が用いられるかは、その関数が縮小関数である限りは問題にはならない。一般に、縮小画像は収束を確保するために用いられる。
【0036】
加えて、処理の簡単さの見地からアフィン変換が用いられる。ブロックDkからブロックRkへのアフィン変換による写像は、次の式(3)のように表現されることができる。
【0037】
【数1】
【0038】
回転、横方向または縦方向への移動、縮小または拡大のような2つのブロック間の変換は、この式(3)により完全に表されることができ、この技術についてよく知られているように各パラメータは様々な変換を示している。よって、(x,y)はアフィン変換前の点の座標を表し、(aix+biy+ei,cix+diy+fi)は変換後の点の座標を表し、この変換はvi(x,y)と記述される。
【0039】
画像変換/生成部6(図1)は、回転、横方向または縦方向への移動、縮小または拡大のような変換のための回路または処理モジュールを含み、従って式(3)によって表される全ての関数を実行することができる。例としては、図4に示すように、ドメインブロックDkの上の左の角は、レンジブロックRkの上の左の角に写像される。ブロック画像の画素のグレイトーン(grey tone )値の変換は、上述したアフィン変換と同様にして実現される。
【0040】
画像メモリ部3および第2のブロック生成部2から読み出されている第2のブロックの部分106について、画像変換/生成部6によって第2のブロックの部分106に適用される変換を変化させるために、式(3)の1または2以上の変換係数(ai,bi,ci,di,ei,fi)は、多様に変化させることができる。第2のブロック生成部2によって生成される複数の第2のブロックの部分106は、複数の変換ブロックの部分107を得るために、様々な様式によって変換される。これらの複数の変換ブロックの部分107については、第1のブロック画像104の部分に最も近い変換ブロックの部分が近似ブロック探索部5により検知される。
【0041】
図1の符号化装置の操作について、図2をさらに参照して記述する。数値化された画像100は、画像メモリ部3へ入力され、そこに蓄積される。制御部4の制御の下に、第1の入力画像101は第1のブロック生成部1と領域決定部7に供給される。領域決定部7は画面分割情報112を外部ソースから受け取り、それから画像メモリ部3から第2のブロック生成部2に読み出される第2の入力画像102の領域を決定する。この領域は、第2のブロック生成部2に送られる第2の入力画像102の部分が、第1の入力画像101から試される第1のブロックが位置する入力画像100と同じ領域に対応するように決定される。例を挙げると、第1の画像101から読み出して試されるブロックが図2の領域1に位置すると、画像メモリ部3から読み出される第2の入力画像102の部分が領域1の全ての部分を含むが、他の付加的な領域からの画像のいかなる部分も含まない。この例では、領域1に対応する入力画像100の部分だけが第2のブロック生成部2に送られる。よって、先行技術では、ドメインブロックは特定のレンジブロックの画像のどこにでも位置することができたが、本発明では、ドメインブロックは画像100と同一の領域に付随するブロックとして位置しなければならない。従って、対応する第1のブロックの部分107の符号化に用いられる最終的な第2の変換ブロックの部分は、入力画像100と同じ領域に位置する。例を挙げると、図2に示したように、領域決定部7は、画面分割情報112に従って図2に示したように画面を垂直および水平に分割する。画面分割情報はこの例では画面は垂直に上と下の部分に、水平に左と右の部分に分割されることを示すが、外部入力からの画面分割情報112は、画面を任意の数に任意の所望の組み合わせで分割することができる。
【0042】
この例では、画面は領域1−領域4の4つの領域に分割され、それぞれが横方向の幅であるdef_x_rangeと、経度方向の幅であるdef_y_rangeとを有している。さらに本発明に従って、第1の領域では、ドメインブロック(第2のブロック)Dkに対応するレンジブロック(第1のブロック)Rkが選択される。第2の領域では、ドメインブロック(第2のブロック)Dmに対応するレンジブロック(第1のブロック)Rmが選択される。第3の領域では、ドメインブロック(第2のブロック)Dnに対応するレンジブロック(第1のブロック)Rnが選択される。最後に、第4の領域では、ドメインブロック(第2のブロック)に対応するレンジブロック(第1のブロック)が選択される。操作の間には、写像による同じ領域のレンジブロック(第1のブロック)に対応する各ドメインブロック(第2のブロック)に変換が施される。上述したように、各特定の選択されたレンジブロックに対応するドメインブロックは、対応するレンジブロックとして同じ領域に位置している。よって、本発明によると、反復関数符号化は、画像の各領域に独立に実行される。変換/符号化操作(図4で示した)は、画像の各定義された領域で独立に実行される。
【0043】
各領域で行われる変換/符号化操作について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0044】
最初のステップS1では、画像メモリ部3に蓄積された画像100から第1の画像が分割(生成)され、複数の第1のブロックの部分104を生成する。次のステップS2においては、第1のブロック画像として入力画像100の同じ定義した領域に位置する第2のブロック106は、画像メモリ部3に蓄積された画像100から分割(生成)され、定義された変換手順に従って変換され、変換された第2のブロックの部分107を生成する。そして、処理は照会S3に移る。
【0045】
照会S3では、選択された第1のブロックの部分104としての入力画像100と同じ領域の現在の変換された第2のブロックの部分107がステップS1で生成された複数の第1のブロックの部分104の内の選択された一つに最も似ているかの比較が行われる。この比較は各対応する現在の第1および第2のブロック位置の画素の間の絶対値の和を取ることにより行われる。ブロック位置の間の比較は、他の具体化として誤差の平方和を用いることによってもなされる。照会は、現在のブロックの部分の間の算出された誤差が所定の閾値より小さいかどうかによってなされる。答えが肯定的であれば、このブロックの部分はステップS4で最も似たブロックの部分の候補の一つとして蓄積され、操作は照会S5に進行する。答えが否定的なときには、操作は照会S5に進行する。
【0046】
照会S5は、探索されている選択された第1のブロックの部分104と同じ領域に位置する第2のブロックの部分106の全てが処理されたどうかが決定される。この領域の全ての第2のブロックの部分106が処理されていないと、操作はステップS2に戻り、画像100の選択された領域の次の第2のブロックの部分106が生成されて、ステップS2に従って移動される。しかし、所定の領域の全ての第2のブロックの部分106が処理されていると、操作は、一時的に蓄積されている第2のブロックの部分106の候補から最初の誤差を有する第2のブロックの部分が選択されるステップS6に進行する。操作はそして、第1のブロック生成部からの第1のブロックの部分の番号または番地111とともに、画像変換/生成部6からの変換パラメータ110と選択された第2のブロックの部分106に対応する第2のブロック生成部からの番号番地が符号化/多重化部8に送られるステップS7に進められる。操作はそうして照会S8に進行する。
【0047】
照会S8は、画面の全ての第1のブロックの部分104が処理されたかどうか、または少なくとも利用者が符号化を望む画面の領域の全ての第1のブロックの部分が処理されたかどうかを決定する。この照会が否定的に答えられると、制御はステップS1に戻され、そこで次の第1のブロックの部分104が生成される。照会が肯定的に答えられると、全画面が符号化されたのこの手順は終了する。
【0048】
よって、本発明によると、図2に示したように、各領域は上で図4について記述された手順に従って独立にIFS符号化される。
【0049】
再び図1を参照すると、ヘッダ情報生成部29は、第1のブロックの部分104の番号または番地111と、第2のブロックの部分106の番号または番地108と、外部の入力ソースからの画面分割情報112を受け取る。画面分割情報112に従って、ヘッダ情報生成部は、画面の大きさと、画面分割情報112に従った分割画面の数およびその大きさと、第1のブロックの部分104の番号または番地111と第2のブロックの部分106の番号または番地108に従った各第1のブロックの部分104および第2のブロックの部分106を表すデータのブロックの大きさとを示す情報を生成する。本発明に従うために各符号の長さは重要であり、可変長データサイズよりもむしろ固定長符号化方式が利用される。固定長符号化は、部分の位置が知られているために任意の特定の第1のブロック部分の番地108へランダムに直ちにアクセスすることを許容する。よって、第2のブロックの部分108と各第1のブロックの部分104の変換パラメータ110は、データストリームの同じ位置に常に位置し、容易にアクセスされることができる。可変長符号化方式が利用されると、特定の選択されたブロックに到達するために、データのストリームの全部を読むことが必要になる。本発明によると、画像の特定の部分のみが復号されたときに、表示される画像の部分を含む適当の画像の領域を復号するために符号化されたデータストリームの情報の必要なブロックについて直ちに番地に移動することが可能である。
【0050】
ヘッダ情報生成部29からヘッダ情報を受け取ると、符号化/多重化部8は、第1のブロックの部分104の番号または番地111と、選択された第2のブロックの部分106の番号または番地108と、各第1のブロックの部分104に順に付随する変換パラメータ110とを受け取り、ヘッダ情報152と、変換パラメータ110と、第1のブロックの部分104に対応する選択された第2のブロックの部分105の番号または番地108とを、第1のブロックの部分104の番号または番地111の順序で多重化する。この情報は、固定長符号化を用いて所定の順序で符号化/多重化部8により符号化/多重化され、そこから符号化ビットストリーム120が出力される。この出力符号化ビットストリーム120は、いわゆるCD−ROMのような記録媒体400に記録されたり、または通信網50に伝送されたりする。
【0051】
図5と図6を参照して、本発明に従って構築した符号化装置および方法を記述する。上述の例と類似の要素については、類似の参照番号で示すことにする。
【0052】
本発明に従って構築された符号化装置は、受け取った入力画像100から複数の第1のブロックの部分104を生成する第1のブロック生成部1と、受け取った入力画像100から複数の第2のブロックの部分106を生成する第2のブロック生成部2と、第2のブロック生成部2で生成された複数の第2のブロックの部分106を蓄積する第2のブロック画像メモリ部14とを含んでいる。符号化装置はさらに、第2のブロック画像メモリ部14から受け取った第2のブロック画像106の第2のブロックの部分122に所定の変換を施す画像変換/生成部6を含んでいる。また、第1のブロック生成部1から受け取った選択された第1のブロックの部分104に最も似た、画像変換/生成部6から受け取った変換された第2のブロック画像の部分107を探索する近似ブロック探索部13を含んでいる。制御部4も、変換された第2のブロックの部分122を画像変換/生成部6に送ってそこで検索を行う制御の制御信号133を生成するために与えられる。領域決定部7も、画像変換/生成部6に第2の画像ブロックの部分106が供給される画像100の領域を決定するために与えられる。この情報は、外部入力から受け取った画面分割情報112を用いて、領域決定部7により決定される。
【0053】
領域決定部7は、第1のブロックの部分104に対応して画像100と同じ領域に位置する第2のブロックの部分106を選択する制御信号118を生成する。ヘッダ情報生成部29も、第1のブロック生成部1からの第1のブロックの部分111の番号または番地と、近似ブロック探索部13により第1のブロックの部分104に最も似ているとして選択された第2のブロックの部分106の番号またはアドレス108と、符号化多重化部8に送られるヘッダ情報152を受け取るために与えられるが、生成したヘッダ情報は符号化多重化部8に送られる。符号化多重化部8は、第1および第2のブロックの部分111および108のブロック番号または番地、変換パラメータ110を画像変換/生成部6から、選択された第2のブロックの部分106に行われる変換より、選択された第2のブロックの部分の第1のブロックの部分104への変換の指標、ヘッダ情報をヘッダ情報生成部29から受け取る。符号化多重化部8は、最終的な符号化出力120を、記録媒体400に記録し、または通信網500に伝送する。
【0054】
本発明に従って構築した符号化装置の操作は、ここで図6のフローチャートを参照して記述する。最初のステップS11では、画像100を作る全ての第2のブロックの部分106は、いずれの第1のブロックの部分104の生成より先に続けて生成され、第2の画像メモリ部14に蓄積されて保持される。そして、ステップS12では、符号化標的(復号される画像100の領域の第1のブロック画像)の第1のブロックの部分104が生成される。よって、ステップS11とS12では、数値化された画像100は第1の画像生成部1と第2の画像生成部2へ入力され、ここで第1のブロックの部分104と複数の第2のブロックの部分106がそれぞれ生成される。操作はステップS13に進む。ステップS13から、この例での符号化技術は上で議論した技術に類似する。特に、ステップS13では、領域決定部7は、画像分割情報112に従って全画面が分割される所定の領域の中から第1のブロックの部分104が位置する画像100の領域を決定する。そして、第1のブロックの部分104が位置する領域として画像100と同じ領域に位置する第2のブロックの部分122は、第2のブロック画像メモリ14から読み出され、画像変換/生成部6により変換される。操作はステップS14に進む。
【0055】
ステップS14からS16では、近似ブロック探索部13は、ステップS13で変換された変換された第2のブロックの部分107と第1のブロックの部分104を比較する。この比較は、どの第2のブロックの部分122がそれと符号化される第1のブロックの部分104の間で最初の誤差を有するかを決定するために行われる。画像100の候補となる領域の第2のブロックの部分122の全ての中から、第2のブロックの部分122と第1のブロックの部分104の間の最小の誤差を有する第2のブロックの部分122の番号または番地108および変換パラメータ110が選択される。この選択処理は実行され(上述の例においてそれぞれ示したように)、試験される変換された第2のブロックの部分107についての誤差は閾値と比較される。誤差が閾値より小さいと、操作はステップS15に進み、第2のブロックの部分122は最も似た第2のブロックの部分の候補として蓄積される。変換パラメータ100と選択された第2のブロックの部分122の番号または番地108は、一時的に蓄積される。操作は照会S16に進む。ステップS14からも、誤差が閾値または前の最小誤差より小さいと、操作は照会S16に進む。照会S16は、第1のブロックの部分104を含む所定の領域の全ての第2のブロックの部分122が処理されたかどうかを決定する。画像100の定義された領域の全ての第2のブロックの部分122が処理されていないと、制御信号119が生成されて近似ブロック探索部13から制御部4に電送され、制御はステップS13に戻り、制御部4で生成された制御信号133に応じて第2のブロック画像メモリ部から次の第2のブロック画像の部分122が読み出される。第1のブロック画像104と同じ画像100の領域の全ての第2の画像の部分122が処理されていると、制御信号119が生成されて近似ブロック探索部13から制御部4に伝送される。操作はそしてステップS17に進行する。
【0056】
ステップS17では、制御信号133に応じて、変換パラメータ110および第2のブロックの部分のデータと第1のブロックの部分104の間で最小の誤差を有する第2の選択されたブロックの部分122の番号または番地108が、一時的に蓄積されている第2のブロックの部分106の全ての候補から選択される。操作はそしてステップS18に進み、画像変換/生成部6からの選択された変換パラメータ110、選択された第2のブロックの部分122の選択された番号または番地108および第1のブロックの部分の番号または番地111は符号化多重化部8に送られる。操作は、ステップS19に進み、画像100の全ての第1ブロックの部分104が処理されたかどうかを照会する。そうでなければ、制御はステップS12に戻り、追加する第1のブロックの部分104を生成する。全ての第1のブロックの部分104が生成されると、全画面が符号化されたのでこの手順を終了する。
【0057】
次に図7を参照して、本発明に従って構築した符号化装置を記述する。図7に示される符号化装置は上述した符号化装置に類似しているが、領域決定部7に代わる画像100から領域を抽出する領域抽出部115と、領域抽出部115で抽出された領域を蓄積するローカルメモリ部116とを含んでいる。要素の残りの部分は前の例での説明したものと類似しているので、同様の数字で示される。本発明に従って構築された符号化装置の操作がここで記述される。この符号化装置では、数値化画像100が画像メモリ部3へ入力される。画像分割情報112に従って画像100の特定の領域124のみが画像メモリ部3から読み出される。画像メモリ部3から読み出された画像100の領域124は、領域画像125としてローカルメモリ116に送られる。制御部4から受け取った読みとり制御信号103に従って、第1の画像126および第2の画像127は、ローカルメモリ部116から第1のブロック生成部1および第2のブロック生成部へのそれぞれの出力である。そして、それぞれ第1および第2のブロック生成部1および2で生成された第1のブロックの部分104および第2のブロックの部分106の処理は、上述した処理とかなり類似している。領域画像125に含まれる第1のブロックの部分104の全てが符号化されると、他の領域画像125が制御部4からの読み出し信号123に従って領域抽出部115により画像メモリ部3から同様の様式によって抽出される。追加部分はローカルメモリ116に蓄積され、上述と同様の操作が実行される。
【0058】
次に図8を参照して、本発明に従って構築した符号化装置を記述する。図8に示すように、本発明に従って構築された符号化装置は、入力画像100を蓄積する画像メモリ部3と、外部のソースから受け取った画面分割情報112に従って画像100の画面を複数の所定の領域に分割する画面分割部22と、第1の所定の領域について反復変数符号化を実行する第1の領域反復関数符号化部23と、第2の所定の領域について反復関数変換を実行する第2の領域反復関数符号化部24と、第Kの領域について反復変換符号化を実行する一般に第K領域反復関数符号化部25によって代表される他領域反復関数符号化部とを含んでいる。各反復関数符号化器に含まれている要素は同一である。多重化部26は、ヘッダ情報と各所定領域からの符号化ビットストリームを多重化するために与えられている。
【0059】
図8の符号化装置の操作がここで記述される。この符号化装置では、数値化画像100が入力されて画像メモリ3に蓄積された後に、画像100は画面分割部22に送られ、画像100の全画面は、外部入力から受け取った分割情報112に従って、複数の画面に分割される。例としては、図8において、画面はK個の領域に分割される。分割された領域の画像134、145、・・・、136は、第1、第2、・・・、第Kの反復関数符号化部23、24、・・・、25にそれぞれ送られる。各領域では、反復関数変換は独立に実行される。例としては、Kが4であると、入力画像は4つの領域に分割される。第1の反復関数符号化部23は領域1の画像に反復関数変換を行い(図2に示すように)、第2の反復関数符号化部24は領域2の画像に反復関数変換を行い、他も同様であり、第Kの反復関数符号化部25は領域4の画像に反復関数変換を行う。符号化ビットストリーム137、138、・・・、139は、第1、第2、・・・、第Kの領域反復関数符号化器23、24、・・・、25からそれぞれ出力される。画像分割情報112は、符号化ビットストリームとともに多重化部26に送られる。多重化部26は、そしてヘッダ情報を生成し、ヘッダ情報と符号化ビットストリーム137、138、139を多重化し、多重化情報をビットストリーム151として出力する。
【0060】
図9は、反復関数符号化部23の内部構造を示している。他の各領域反復関数符号化器波、同様の内部構造で構成されている。図9の領域反復関数符号化器では、第1の領域画像はローカルメモリ部27に入力され、近似ブロック探索部5からの信号143に促されると、第1の画像140および第2の画像141は制御部4からの制御信号142に従ってローカルメモリ部27から読み出され、第1のブロック生成部1および第2のブロック生成部2にそれぞれ出力される。残りの処理は、上述の例で述べたものと同様であって、複数の第1のブロックの部分144の生成、複数の第2のブロックの部分145の生成、第2のブロックの部分145の画像変換/生成部2による変換された第2のブロックの部分147への変換、近似ブロック探索部5による最小誤差の決定、符号化/多重化部8による多重化および情報の符号化データストリームとして出力を含んでいる。この例は、先行の例の続けて行われる符号化に対して、複数の符号化部による並列処理による高速符号化に特徴がある。
【0061】
次に図10を参照して、本発明による符号化方法の実施の形態を示す。図10で説明するフローチャートは一般のコンピュータにプログラムできるであろう。このプログラムでは、最初のステップS21で、入力画像は一般のコンピュータのフレームメモリに蓄積される。次のステップS22では、ステップS21で蓄積された画像は、分割されて複数の第1のブロックの部分を生成する。これに続くステップS23では、ステップS21で蓄積された画像は同様に分割されて複数の第2のブロックの部分を生成する。そして、操作はステップS24に進み、各第1のブロックの部分と同じ領域に属する全ての第2のブロックの部分が決定される。そして、ステップS25では、ステップS22で蓄積され生成された一つの第1のブロック、上記第1のブロックと同じ所定の領域に位置する全ての第2のブロックの部分が読み出される。そして、操作はステップS26に進み、ステップS25で読み出された各第2のブロックは変換される。これに続くステップS27では、どの第2のブロックの部分が選択された第1のブロックの部分に最も近いか、すなわちどの第2のブロックの部分がそれと選択された第1のブロックの部分との間で最小の誤差を有するかの決定が行われる。この決定は上述の例での閾値処理を利用して行われ、ステップS28では最小誤差を有する第2のブロックの部分が選択される。この選択された第2のブロックの部分に対応する番号または番地および変換パラメータと、第1のブロックの部分の番号または番地は生成されて蓄積される。操作は、そして入力画像の全ての第1のブロックの部分が符号化されたかどうかを決定する照会S29に進む。全ての第1のブロックの部分が符号化されていない場合には、操作はステップS25に戻り、次の第1のブロックの部分が読み出されて進行する操作が実行される。全ての第1のブロックが符号化されている場合には、操作はステップS30に進み、図14に示すように、画面の大きさ、分割画像の数、第1および第2のブロックの部分の大きさを示す情報を含むヘッダ情報を生成する。そして、ステップS31で、第1のブロックの部分に対応する変換された第2のブロックの部分の変換/生成により得られた各ブロック番号または番地および変換パラメータと生成されたヘッダ情報とは、復号/多重化されて伝送される。このステップS31が完結すると、処理は終了する。
【0062】
この例においては、本発明の先行する例と同じく、図14に示すフォーマットのヘッダが利用される。画面が分割された複数の領域(図2に示すように)は、全て大きさが等しい。しかし、本発明によると、画面が分割される領域、または定義される領域は、同じ大きさである必要はない。例としては、図16に示すような領域の設計は、4つの領域(1−4)は小さい大きさとされ、3つの付加的な領域(5−7)は中ほどの大きさとされ、3つの最後の領域(8−10)は大きな大きさとする階層構造として用いられる。このような領域の定義を用いるために、図15に示すような、高度のヘッダが使用される。前述のように、ヘッダは、画面の大きさ(水平および垂直)と分割画面の数との情報を含む。領域の大きさは異なり得るので、階層の数を示すブロックの階層構造、画像の全フォーマットを示す画像フォーマット、各ブロックの大きさに関する情報もそうである。従って、この階層構造は、小さなブロックとその大きさの定義、中程のブロックとその大きさの定義、大きなブロックとその大きさの定義を示している。このように、情報は固定長フォーマットにより符号化されているので、画像の特定領域がアクセスされるときは、たとえ画像領域が異なった大きさであってもこの領域の情報を含むビットストリームの部分に直接ジャンプすることが可能であり、従って異なった量の情報を含むことがかのうである。先行技術のように、全てのデータストリームを読み通すことは必要がない。向上されたヘッダは、特定の画像に対してより特定の画像の符号化方式を許すが、データストリームに部分への直接の継続しないアクセスをも許容したままである。
【0063】
図11を参照して、本発明によって構築した復号装置を記述する。この符号化装置は、上で説明されたどの反復画像変換符号化装置により符号化された情報の復号に使用され得る。蓄積媒体400、通信網500、または他のデータ入力装置は、復号領域画像制御部17に符号化ビットストリームを与える。この復号領域画像制御部17は、符号化ビットストリーム120と外部入力からの復号標的領域情報128とを受け取る。この復号標的領域情報128は、復号される画像の部分、つまりビットストリーム120の制御に用いられる。多重化を分解して復号を実行する分解/復号部9は、符号化ビットストリーム120の選択された部分129を受け取り、復号される第1のブロックの部分104の番号または番地111を画像メモリ部11に与え、第1のブロックの部分104に対応する第2のブロックの番号または番地108および画面分割情報112を変換元ブロック再現部10に与える。分解/復号部はまた、変換パラメータ110を画像変換/生成部6に与える。変換元ブロック再現部10は、第2のブロックの部分の与えられた番号または番地に従って変換元部ブロック106を画像変換/生成部6に送られ、画像変換/生成部は、与えられた変換パラメータ110を用いて変換元ブロック106の変換を実行する。画像メモリ部11は画像変換/生成部6から出力された複数の変換ブロックの部分107を蓄積し、画像メモリからの出力は復号装置の繰り返しのループの連続を制御するために制御部12に結合される。領域抽出部28は、復号装置から出力されるために画像から所定の領域を抽出する。
【0064】
図11に示す復号装置の処理を記述する。蓄積媒体400、通信網500、または他のデータ入力装置は、符号化ビットストリーム120を復号領域画像制御部17に与えるが、この復号画像制御部には復号標的領域情報128も与えられる。復号領域画像制御部は、復号標的に対応して符号化ビットストリーム120の部分を決定し、復号している符号化ビットストリーム129を分解/復号部9に出力する。よって、復号される画像の求められた領域が入力されると、復号領域画像制御部は復号される画像の部分を含む所定の領域の数を決定する。全領域が表示されないとしても、符号化装置に関して上述したように、特定の所定領域のレンジブロックは同じ領域の任意の位置のドメインブロックによって符号化され得るから、一画素さえ含む表示される各全領域が復号される。したがって、特定の領域のどの部分でも表示されるには、全領域が復号されなければならない。しかし、表示されるレンジブロックを含まない領域は装置によって復号される必要がない。よって、標的符号化ビットストリーム129は、復号される符号化ビットストリームの所定の領域にのみ対応するデータを含む。
【0065】
標的符号化ビットストリーム129は、分解/復号部9により分解されて固定長復号され、標的符号化ビットストリーム、すなわち復号され表示される情報を含むビットストリームにより示される領域に位置する第1のブロックの部分104の番号または番地104が画像メモリ部11に与えられる。画像分割情報112および第2のブロックの部分106の番号または番地108は変換元ブロック再現部10に与えられる。多重化を分解された変換パラメータ110は、画像変換/生成部6に与えられる。変換元ブロック再生部10は、画面の第2のブロックの位置によって(第2のブロックの部分の番号または番地108および第1のブロックの部分のメモリの位置に基づいて)、画像変換/生成部6に与えられそこで変換パラメータ110に従って変換される変換元ブロック106を決定する。
【0066】
よって画像変換/生成部6から得られる変換ブロック部分107は、画像メモリ部11に与えられ、第1のブロックの部分の番号または番地11の設定に従った位置に蓄積される。この手順は全ての復号標的符号化ビットストリームが読み出され、全ての第2の変換されたブロック位置107が画像メモリ部に書き込まれるまで繰り返される。そして、この画像情報は、制御信号116を変換元ブロック再生部に結合する制御部12の制御の下に変換元ブロック生成部10にフィードバックされる。よって、IFS復号の手順は、画像メモリ部11に蓄積され変換された第2のブロックの部分について所定回数の繰り返しの反復、再帰的手続きのみにより実行される。所定数の繰り返しが実行されると、復号標的領域情報128により設定された画像の部分のみを選択して表示する標的領域抽出部28に復号画像117が最終的に与えられ、この選択された情報を出力画像150として出力する。全画像より少なく復号される必要があるのに、最終的な表示より多く復号されるであろうことは、評価されるべきである。例えば、利用者が領域1の画像の部分と領域2の画像の部分を表示することを望むと、領域1と領域2の全領域が復号されるが、領域3、4およびこれに続く領域は復号される必要がない。
【0067】
本発明の復号装置の復号領域画像制御部17について、図12を参照して記述する。図12に示すように、復号領域画像制御部17は、復号ビットストリーム120からヘッダを読むヘッダ読み取り部18と、ヘッダ読み取り部から供給される符号化ビットストリーム130からの番地読み取り情報を含む符号化符号を読みとるための符号化符号読み取り部19と、画面画像の復号領域を決定し復号標的ブロック画像情報131を読み取り番地算出部21に与えるため復号標的領域情報128を受け取る復号標的領域決定部20とを含んでいる。読み取り番地算出部21は、復号される画像の部分に対応する符号化ビットストリーム120の部分から情報の読み取り番地を決定し、読み取り番地情報132を復号符号読み取り部19に与える。
【0068】
復号領域画像制御部17の操作は、さらに図13のフローチャートを参照して記述する。最初のステップS32では、ヘッダ読み出し部18は符号化ビットストリーム120を受け取り、それからヘッダ情報を抽出する。図14に示すように、そして前に上で記したように、このヘッダは、画面の大きさの情報、画面の分割の数を示す情報、第1および第2のブロックの大きさを示す情報を含んでいる。他には、画像が階層構造を有すると、ヘッダは図15に示す情報を含む。そして、操作はステップS33に進むが、復号標的領域情報128が入力された復号標的領域決定部20は、復号される画像の領域、すなわち最終的に出力画像として表示される少なくとも1画素を含む画像の領域を決定する。例としては、図17に示すように、斜線で示される3つのレンジブロックRk、Rk+1、Rk+2が領域1に位置して復号される。上述したように、これら3つのレンジブロック(第1のブロック)は同じ領域1に位置する変換されたドメインブロック(第2のブロック)を写像することにより生成される。よって、3つのレンジブロックRk、Rk+1、Rk+2によって記述される画像データを復号するためには、領域1のみの全てのブロックが復号されることを要するが、他の画像の領域のドメインブロックは復号されることが必要とされることはない。同様に、領域4の4つの示されたレンジブロックを復号するためには、領域4のみの全てのドメインブロックが復号されることが必要とされる。
【0069】
操作はステップS34に進み、領域1の全てのレンジブロックの画像情報の番地を含む復号標的領域決定部20によって決定される復号標的領域は、復号される各レンジブロックの標的領域の復号に対応した符号化ビットストリームでの各符号の位置が算出されて読み取り番地情報132として出力される読み取り番地算出部21に与えられる。操作はステップS35に進み、復号読み取り部19は、復号標的領域となる領域1の全てのレンジブロックの符号を読み出すために番地情報を用いる。操作はそしてステップS36に進み(この操作は分解/復号部により行われる)、復号される特定の画像の領域に対応する標的符号化ビットストリーム129は復号され、復号データは分解/復号部9から出力される。図14に示すように、ヘッダに従う符号化符号は第2のブロックの部分の番号または番地108、各第1のブロックの部分に付随する変換パラメータのみを含んでいる。従って、符号化側で各第2のブロックの番号または番地および変換パラメータに固定長符号化を施すことにより、特定の第1のブロックの符号化符号の符号化ビットストリームの位置は、直ちに算出されてアクセスされる。一般目的のコンピュータでの復号の例が、図18のフローチャートで記述される。
【0070】
最初のステップS41において、図18では、復号標的領域情報が入力され、復号される画像領域に対応する情報のみを含む符号化ビットストリームが復号標的領域情報に基づいて抽出される。これに続くステップS42では、ステップS41で抽出された符号化ビットストリームとそれに付随するヘッダが多重化を分解されて固定長符号化され、第1のブロックの部分の番地の数、第2のブロックの部分の番地の数、各第2のブロックの部分の変換パラメータ、画面分割情報が分解される。操作はステップS43に進み、最終的な変換された第2のブロックの位置させるための変換元ブロック部分(第2のブロックの部分)は、ステップS42で得られた変換パラメータとステップS43で得られた変換元ブロック部分に基づいて変換/生成される。
【0071】
操作はそして復号標的領域の全ての第1のブロックの部分が復号されたかどうかを決定する照会S46に進む。全ての第1のブロックの部分が復号されていないと操作はステップS43に戻り、次の第1のブロックの部分のための次の元の変換ブロックの部分が再現される。一方、全ての第1のブロックの部分が復号され手ていると、操作は、反復変換操作が所定の回数実行されたかを決定する照会S47に進む。そうでなければ、操作は再びステップS43に戻って上述の操作が再度実行される。一方、操作がステップS48に進むと、利用者により表示が求められている標的領域の画像が復号画像から抽出され、抽出された画像が最終的な復号画像として出力される。
【0072】
図7に示される符号化装置の例のローカルメモリ部116と、図9に示される例の領域反復関数符号化部のローカルメモリ部について、さらに図21を参照して記述する。
【0073】
これらのローカルメモリ部は頻繁にアクセスされるので、例えばSDRAM(synchronous dynamic random access memory)が用いられる。他には、キャッシュメモリが用いられることがある。
【0074】
ローカルメモリの記録容量は、例えば、図21に示す横方向のdef_x_range(画素)と経度方向のdef_y_range(行)により決定される。第1のブロック画像Rxが現符号化標的ブロックであると、第2のブロック画像Dkは探索される参照画像である。この場合には、第2のブロック画像Dkの番号または番地は破線によって決められた領域のみを探索されるので、標的ブロックの数は全画面を探索範囲として用いられた場合より小さい。この結果、第2のブロック画像の番地の数を符号化するのに要求されるビット長は縮小される。よって、画像を探索する領域に分割することにより、符号化装置では探索範囲が狭められるので、処理時間は顕著に減少する。
【0075】
本発明による符号化および復号のコンピュータプログラムを蓄積する記録媒体は、図10で示した符号化技術、図13のフローチャートで示した復号技術を設定する命令を含んでいる。このような媒体の特殊な例は、デジタルビデオディスクを含んでいる。本発明の適用の例は、画像伝送/受信装置、画像データベース、インターネットからの画像情報をダウンロードする目的の画像圧縮/復号装置、電子スチルカメラ、ゲーム装置、多様な大きさの表示を可能とする表示装置を有する符号化/復号装置、画像編集装置内の文書圧縮蓄積部、著作装置または高速復元チップがある。これらは、ソフトウェアによっても実現される。
【0076】
第1のブロックに最も似た変換された第2のブロックを選択するには、閾値処理のみならず、最小値検知も実行される。よって、第2のブロックの手順は所定値の誤差より小さいのみならず、全ての他の第2のブロックより小さい誤差を生成する。しかし、他の例として、閾値処理のみが実行される必要がある。この場合には、閾値より小さい誤差が見いだされると、その誤差の第2のブロックが盛りいられ、それ以上の探索は行われない。合致の精度は減少するだろうが、処理時間は減少する。
【0077】
一般に、本発明に従うと、改良されたIFS符号化および復号技術が提供される。符号化技術は入力画像を第1のブロックと第2のブロックの複数部分に分割する工程を含んでいる。各第2のブロックの部分は変換処理が施され、予め選択された第1のブロックの部分としての入力画像と同じ所定の領域にある変換されたブロックの部分のどれが予め選択された第1のブロックの部分と最も近似するかが決定される。選択された第2のブロックの位置を示すブロック位置情報と選択された第2のブロックの部分の変換処理を表す変換パラメータは、符号としの出力である。
【0078】
本発明による復号技術は、画像の所定領域からのブロックを表す符号からのデコードを許容する。受け取った符号は、予め変換されたブロックの画像の特定の領域の位置を示すブロック位置情報と予め変換されたブロックの変換処理を表す変換パラメータとを含んでいる。ブロック位置情報により同定され所定領域の変換パラメータに基づくブロックの変換処理は、変換処理ブロックからの復号された画像の所定領域が再構成を再帰的に実行する。
【0079】
本発明による符号化及び復号方法を設定するための、符号化の場合には符号化ビットストリーム、復号の場合には符号化された画像の復号された所定領域の出力のための、一般用途のコンピュータを操作するコンピュータプログラムを蓄積する記録媒体が提供されている。
【0080】
【発明の効果】
上述のように、本発明による符号化技術は、画面を複数の等しいまたは等しくなく分割して生成された領域のレンジブロックとドメインブロックの間の変換を写像する。画面を多くの数の領域に分割することにより、各画像の大きさは減少する。この結果、復号する標的画像が属する画像の領域が小さいと、復号時間と復号装置の記憶容量が低減される。
【0081】
本発明による復号技術は、復号される標的領域のブロックの部分に対応する符号化データのみがビットストリームから読み出される必要がある。従って、従来の技術のように先行する全符号化ビットストリームを読む必要がなく、復号処理時間が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】符号化装置の構成の一例を示するブロック図である。
【図2】複数の所定の画像の領域の画像ブロックの間の写像処理を示す図である。
【図3】所定の画像の標的領域を符号化する符号化方法の一連の工程を示すフローチャートである。
【図4】画像ブロック間の写像処理を示す図である。
【図5】符号化装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】所定の画像の標的領域を符号化する符号化方法の一連の工程を示すフローチャートである。
【図7】符号化装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】符号化装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】各反復関数符号部の内部構造を示すブロック図である。
【図10】所定の画像の標的領域を符号化する符号化方法の一連の工程を示すフローチャートである。
【図11】所定の画像の領域を復号する復号装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】図11に示した復号画像領域制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図13】所定の画像の領域を復号する復号装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図14】符号化ビットストリームとヘッダ部分の構成を示す図である。
【図15】符号化ビットストリームとヘッダ部分の他の構成を示す図である。
【図16】図15に示した符号化ビットストリームの他の構成に従ったブロック選択構造を示す図である。
【図17】レンジブロックと所定の符号化画像の領域のドメインブロックとの間の写像を示す図である。
【図18】復号方法の一連の工程を示すフローチャートである。
【図19】従来の先行技術の符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図20】従来の先行技術の復号装置の構成を示すブロック図である。
【図21】レンジブロックとローカルメモリ部のドメインブロックとの間の写像を示す図である。
【符号の説明】
1 符号化装置、2 復号装置、3 反復関数符号化部、4 反復関数復号部、6 画像メモリ部、9 探索領域決定部、15 画像メモリ部、140 最大許容メモリ決定部
Claims (7)
- 画像を固定長符号化する符号化方法において、
入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する工程と、
上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する工程と、
各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する工程と、
上記入力された画像を複数の領域に分割したときの上記選択された第1のブロックと同じ分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する工程と、
上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する工程と、
上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する工程と、
上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する工程とを有することを特徴とする符号化方法。 - 画像を固定長符号化する符号化方法において、
入力された画像を複数の領域に分割する工程と、
各上記複数の領域に反復変換符号化を並列して施す工程とを有し、
上記反復変換を並列して施す工程は、
入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する工程と、
上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する工程と、
各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する工程と、
上記入力された画像の上記選択された第1のブロックと同じ上記分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する工程と、
上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する工程と、
上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する工程と、
上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する工程と、
各反復変換符号化により生成された符号を多重化する工程とを有することを特徴とする符号化方法。 - 複数の符号から構成される固定長符号化データを復号する復号方法において、
変換元ブロックの位置を示すブロック位置情報および画像の予め分割された複数の領域の内の一領域のみを用いたブロックの反復変換符号化により得られた変換パラメータを受け取る工程と、
上記変換パラメータに基づいた変換処理によって、上記画像の上記分割された領域において、復号される各ブロックについて所定の条件が達成されるまで、上記ブロック位置情報および上記分割された領域により示されるブロックに対してのみ変換処理を再帰的に実行する工程とを有することを特徴とする復号方法。 - 画像を固定長符号化する符号化装置において、
入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する第1の分割部と、
上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する第2の分割部と、
各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する変換部と、
上記入力された画像を複数の領域に分割したときの上記選択された第1のブロックと同じ分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する決定部と、
上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する選択部と、
上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する生成部と、
上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する出力部とを有することを特徴とする符号化装置。 - 複数の符号から構成される固定長符号化データを復号する復号装置において、
変換元ブロックの位置を示すブロック位置情報および画像の予め分割された複数の領域の内の一領域のみを用いたブロックの反復変換符号化により得られた変換パラメータを受け取る受け取り部と、
上記変換パラメータに基づいた変換処理によって、上記画像の上記分割された領域において、復号される各ブロックについて所定の条件が達成されるまで、上記ブロック位置情報および上記分割された領域により示されるブロックに対してのみ変換処理を再帰的に実行する変換部とを有することを特徴とする復号装置。 - 画像を固定長符号化する符号化装置において、
入力された画像を複数の領域に分割する領域決定手段と、
各上記複数の領域に反復変換符号化を並列して施す複数の符号化手段とを有し、
上記反復変換符号化を並列して施す複数の符号化手段は、
入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する第1の分割手段と、
上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する第2の分割手段と、
各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する変換手段と、
上記入力された画像を複数の領域に分割したときの上記選択された第1のブロックと同じ分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する決定手段と、
上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する選択手段と、
上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する生成部と、
上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する出力手段と、
各反復変換符号化により生成された符号を多重化する多重化手段とを有することを特徴とする符号化装置。 - 固定長符号化プログラムが記録された記録媒体において、
入力された画像を複数の第1のブロックの部分に分割する工程と、
上記入力された画像を複数の第2のブロックの部分に分割する工程と、
各第2のブロックの部分に変換処理を施して複数の変換されたブロックの部分を生成する工程と、
上記入力された画像を複数の領域に分割したときの上記選択された第1のブロックと同じ分割された領域に位置する複数の上記変換されたブロックの内から、選択された第1のブロックの部分に最も似た上記変換されたブロックの部分を決定する工程と、
上記決定され変換されたブロックの部分に対応する上記第2のブロックの部分を選択する工程と、
上記選択された第1のブロック及び第2のブロックの部分の位置を示すブロック位置情報をヘッダ情報として生成する工程と、
上記ヘッダ情報および上記選択された第2のブロックの部分の上記変換処理を表す変換パラメータを固定長符号として出力する工程との各工程からなる固定長符号化プログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
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