JP3544673B2 - 無線通信システムにおける移動局に対する活動制御 - Google Patents

無線通信システムにおける移動局に対する活動制御 Download PDF

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Description

背景
本発明は電気通信に関し、特に、さまざまな動作モード(アナログ、ディジタル、デュアルモード、など)、および周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、およびハイブリッドFDMA/TDMA/CDMAのようなアクセス技術における、セルラ無線システムおよび衛星無線システムのような無線通信システムに関する。本発明の特徴は、情報の受信および送信の手順を改善する技術に関する。
以下の説明は、本発明が適用されうる環境に関する。この一般的説明は、本発明をより良く理解しうるように、公知のシステムおよび関連用語の概要を与える意図のものである。
北米においては、ディジタル通信およびTDMAのような多元接続技術は、ディジタル高度移動体電話サービス(digital advanced mobile phone service)(D−AMPS)と呼ばれるディジタルセルラ無線電話システムにより現在与えられていて、その特性のあるものは電気通信産業協会(Telecommunications Industry Association)および電子産業協会(Electronic Industries Association)(TIA/EIA)により公表された暫定規格TIA/EIA/IS−54−Bの、「デュアルモード移動局−基地局適合性規格(Dual−Mode Mobile Station−Base Station Compatibility Standard)」に指定されており、この公表の内容は、ここで参照して特に本願に取り込むこととする。アナログ領域において周波数分割多元接続(FDMA)のみにより動作する消費者の装置の、現存の大きい基礎のために、TIA/EIA/IS−54−B規格はデュアルモード(アナログおよびディジタル)規格となっており、アナログ適合性と共にディジタル通信能力を与える。例えば、TIA/EIA/IS−54−B規格は、FDMAアナログ音声チャネル(AVC)と、TDMAディジタルトラヒックチャネル(DTC)と、の双方を与える。AVDおよびDTCは、800メガヘルツ(MHz)付近の周波数を有する無線搬送波を、それぞれの無線チャネルが30キロヘルツ(KHz)のスペクトル幅を有するように周波数変調することにより実現される。
TDMAセルラ無線電話システムにおいては、それぞれの無線チャネルは、一連のタイムスロットに分割され、それぞれのタイムスロットは、データ源からの情報のバースト、例えば、音声変換信号のディジタル式にコード化された部分を含む。それらのタイムスロットは、所定の持続時間を有する相次ぐTDMAフレームにグループ化される。それぞれのTDMAフレーム内のタイムスロットの数は、その無線チャネルを同時に共用しうる異なるユーザの数に関連する。もしTDMAフレーム内のそれぞれのスロットが、異なるユーザに割当てられれば、TDMAフレームの持続時間は、同じユーザへ割当てられる相次ぐタイムスロット間の最小量の時間となる。
通常は無線搬送波上の連続するタイムスロットではない、同じユーザへ割当てられる相次ぐタイムスロットは、そのユーザのディジタルトラヒックチャネルを構成し、それはそのユーザへ割当てられる論理チャネルと考えられうる。以下に詳述するように、ディジタル制御チャネル(DCCH)もまた、制御信号を通信するために用いられ、そのようなDCCHは、通常無線搬送波上の不連続タイムスロットの系列により形成される。
上述のようなTDMAシステムの多くの可能な実施例の1つのみにおいて、TIA/EIA/IS−54−B規格は、それぞれのTDMAフレームが6つの連続するタイムスロットから成り、かつ40ミリ秒(msec)の持続時間を有するようにした。従って、それぞれの無線チャネルは、通話をディジタル式にコード化するために用いられる音声コーダ/デコーダ(コーデック)のソースレートに依存して、3つから6つまでのDTC(例えば、3つから6つまでの電話通話)を搬送しうる。そのような音声コーダは、フルレートまたはハーフレートで動作しうる。フルレートDTCは、一定の期間内にハーフレートDTCの2倍の数のタイムスロットを必要とし、TIA/EIA/IS−54−Bにおいては、それぞれのフルレートDTCは、それぞれのTDMAフレームの2つのスロット、すなわち、TDMAフレームの6つのスロットの、第1および第4、第2および第5、または第3および第6のものを用いる。それぞれのハーフレートDTCは、それぞれのTDMAフレームの、1つのタイムスロットを用いる。それぞれのDTCタイムスロット中においては324ビットが送信され、その大部分である260ビットは、コーデックの音声出力によるもので、音声出力のエラー訂正コーディングによる諸ビット含んでおり、残余のビットは、同期などの目的のための、時刻およびオーバヘッド信号方式の保護のために用いられる。
TDMAセルラシステムは、バッファおよびバースト(buffer−and−burst)モードすなわち不連続送信モードにより動作し:それぞれの移動局は、その割当てられたタイムスロット中においてのみ送信(および受信)を行う。例えば、フルレートにおいては移動局は、スロット1中に送信し、スロット2中に受信し、スロット3中にアイドリングし、スロット4中に送信し、スロット5中に受信し、スロット6中にアイドリングし、その後、後続のTDMAフレーム中においてこのサイクルを繰返す。従って、電池電源式のものでありうる移動局は、それが送信も受信もしていないタイムスロット中においては、電力節約のために、スイッチオフまたはスリープ状態にされうる。
セルラ無線通信システムはまた、音声チャネルすなわちトラヒックチャネルの外に、基地局と移動局との間で呼設定メッセージを搬送するための、ページング/アクセスチャネル、すなわち制御チャネルをも有する。例えば、TIA/EIA/IS−54−Bによれば、21の専用アナログ制御チャネル(ACC)が存在し、これらは、800MHz付近に位置する送受信のための所定の固定周波数を有する。これらのACCは、常に同じ周波数に見出され、それらは移動局により容易に捜し出され、またモニタされうる。
例えば、アイドル状態にある(すなわち、スイッチオンされているが、呼を行ったり受けたりしていない)時に、TIA/EIA/IS−54−Bシステム内の移動局は、最強の制御チャネル(一般に、その瞬間に移動局が位置しているセルの制御チャネル)に同調し、その後それを定期的にモニタして、対応する基地局を経て呼を受信し、または開始する。移動局がアイドル状態にある間にセル間を移動する時は、移動局は最後には「旧」セルの制御チャネル上の無線接続を「失い」、「新」セルの制御チャネルに同調する。制御チャネルへの最初の同調と、その後の再同調とは、全ての利用可能な制御チャネルをそれらの既知周波数で走査し、「最良の」制御チャネルを見出すことにより自動的に行われる。良好な受信品質を有する制御チャネルが見出された時は、移動局はこのチャネルに、その品質が再び劣化するまで同調し続ける。このようにして、移動局はシステムとの「接触状態(in touch)」に留まる。
移動局は、アイドル状態にある間に、該移動局をアドレス指定したページングメッセージを求めて、制御チャネルをモニタしなければならない。例えば、通常電話(地上回線)の加入者が移動局を呼出す時、その呼は、公衆加入電話網(PSTN)から移動交換局(MSC)へ送られ、MSCはダイヤルされた番号を解析する。もしダイヤルされた番号の妥当性が確認されば、MSCは、いくつかの無線基地局のいくつか、または全てに対し、それらのそれぞれの制御チャネルを経て、呼出された移動局の移動局識別番号(MIN)を含むページングメッセージを送信することにより、呼出される移動局をページングすることを要求する。ページングメッセージを受信したそれぞれのアイドル移動局は、受信したMINを、自身の記憶しているMINと比較する。一致した記憶MINを有する移動局は、特定の制御チャネルを経てページ応答を基地局へ送信し、基地局はそのページ応答をMSCへ送る。
MSCはページ応答を受信すると、ページ応答を受信した基地局への利用可能なAVCまたはDTCを選択し、その基地局内の対応する無線トランシーバをスイッチオンして、その基地局をして、制御チャネルを経て呼出された移動局へ、該呼出された移動局が選択された音声チャネル、すなわちトラヒックチャネルに同調するように命令するメッセージを送らしめる。呼に対するスルー接続は、前記移動局が選択されたAVCまたはDTCに同調し終わった時に確立される。
TIA/EIA/IS−54−Bにより指定されたACCを有するシステムの性能は、TIA/EIA/IS−136により指定されたディジタル制御チャネル(DCCH)を有するシステムにおいて改善され、TIA/EIA/IS−136の開示内容は、ここで参照して特に本願に取り込むこととする。そのようなDCCHを用いる際、それぞれのTIA/EIA/IS−54−B無線チャネルは、DTCのみ、DCCHのみ、またはDTCとDCCHとの両者の混合を搬送しうる。TIA/EIA/IS−136−Bの枠組内では、それぞれの無線搬送周波数は、3つのフルレートDTC/DCCH、または6つのハーフレートDTC/DCCH、または、その間の任意の組合せまで、例えば、1つのフルレートおよび4つのハーフレートのDTC/DCCHを有しうる。
しかし、一般に、DCCHの送信レートは、TIA/EIA/IS−54−Bにより指定されたハーフレートおよびフルレートと一致する必要はなく、また、DCCスロットの長さは、一様でなくてもよく、またDTCスロットの長さと一致しなくてもよい。DCCHは、TIA/EIA/IS−54−B無線チャネル上に定められことができ、例えば、連続するTDMAスロットのストリーム内のn番目毎のスロットから成りうる。この場合、それぞれのDCCHスロットの長さは、TIA/EIA/IS−54−BによるDTCスロットの長さである6.67msecに等しくてもよく、等しくなくてもよい。あるいは(他の可能な代替方式を制約することなく)、これらのDCCHスロットは、当業者に公知の他の方法により定められうる。
セルラ電話システムにおいて、移動局が基地局およびMSCと通信しうるためには、エアリンク(air link)プロトコルが必要である。通信リンクプロトコルは、通信産業内においてはレイヤ2プロトコルと通常呼ばれ、その機能性はレイヤ3メッセージの境界指定すなわちフレーミングを含む。これらのレイヤ3メッセージは、諸移動局および諸セルラ交換機内に存在するレイヤ3同位エンティティ間で送られうる。物理レイヤ(レイヤ1)は、物理通信チャネルのパラメータ、例えば、無線周波数の間隔、変調特性など、を定めている。レイヤ2は、物理チャネルの制約内における情報の正確な送信に必要な技術、例えば、エラーの訂正および検出など、を定めている。レイヤ3は、物理チャネルを経て送信された情報の、受信および処理のためのプロシージャを定めている。
移動局と、セルラ交換機(基地局およびMSC)と、の間の通信は、図1、図2(a)、および図2(b)を参照することにより、一般的に説明しうる。図1は、複数のレイヤ3メッセージ11、レイヤ2フレーム13、およびレイヤ1チャネルバースト、すなわちタイムスロット、15を概略的に示す。図1において、それぞれのレイヤ3メッセージに対応する、チャネルバーストのそれぞれのグループは、論理チャネルを構成し、上述のように、与えられたレイヤ3メッセージのためのチャネルバーストは、通常、TIA/EIA/136搬送波上の連続スロットではない。一方、チャネルバーストは連続でありえ、1つのタイムスロットが終わると直ちに次のタイムスロットが始まりうる。
それぞれのレイヤ1チャネルバースト15は、完全なレイヤ2フレームと、例えばレイヤ1動作のために用いられるエラー訂正情報および他のオーバヘッド情報のような他の情報と、を含む。それぞれのレイヤ2フレームは、レイヤ3メッセージの少なくとも一部と、レイヤ2動作のために用いられるオーバヘッド情報と、を含む。図1には示されていないが、それぞれのレイヤ3メッセージは、該メッセージのペイロードと考えられうるさまざまな情報要素と、それぞれのメッセージのタイプを識別するためのヘッダ部分と、可能な挿入部分と、を含む。
それぞれのレイヤ1バーストおよびそれぞれのレイヤ2フレームは、複数の異なるフィールドに分割される。特に、それぞれのレイヤ2フレーム内の限定長データフィールドは、レイヤ3メッセージ11を含む。レイヤ3メッセージは、レイヤ3メッセージ内に含まれる情報量に依存して可変長を有するので、単一のレイヤ3メッセージの送信には、複数のレイヤ2フレームが必要とされうる。その結果、レイヤ3メッセージの全体を送信するためには、チャネルバーストとレイヤ2フレームとの間に1対1の対応が存在するので、複数のレイヤ1チャネルバーストもまた必要とされうる。
上述のように、レイヤ3メッセージを送るために1つより多いチャネルバーストが必要とされる時は、そのいくつかのバーストは、通常無線チャネル上の連続バーストではない。さらに、そのいくつかのバーストは、通常、そのレイヤ3メッセージを搬送するために用いられる特定の論理チャネルに当てられた順次バーストでさえない。それぞれの受信バーストを受信し、処理し、かつそれに反応するためには、時間が必要なので、レイヤ3メッセージの送信に必要なバーストは、通常、図2(a)に概略的に示され、かつTIA/EIA/IS−136規格に関連して上述された、スタガフォーマットをなして送られる。
図2(a)は、搬送周波数により送られる連続タイムスロット1、2、...内に含まれるタイムスロットの系列1、2、...、N、...として構成された、順方向(すなわちダウンリンク)DCCHの一般的な例を示す。これらのDCCHスロットは、TIA/EIA/IS−136により指定された無線チャネルのような無線チャネル上に定められることができ、例えば図2(a)に見られるように、一連の連続スロット内のn番目毎のスロットから成りうる。それぞれのDCCHスロットは、TIA/EIA/IS−136によるDTCスロットの長さである6.67msecに等しくてもよく、等しくなくてもよい持続時間を有する。
図2(a)に示されているように、DCCHスロットはスーパフレーム(SF)に編成することができ、それぞれのスーパフレームは、異なる種類の情報を搬送するいくつかの論理チャネルを含む。スーパフレーム内のそれぞれの論理チャネルに対しては、1つまたはそれ以上のDCCHスロットが割当てられうる。図2(a)の代表的なダウンリンクスーパフレームは、3つの論理チャネル、すなわち、オーバヘッドメッセージのための6つの相次ぐスロットを含む一斉送信制御チャネル(BCCH)と、ページングメッセージのための1つのスロットを含むページングチャネル(PCH)と、チャネル割当てその他のメッセージのための1つのスロットを含むアクセス応答チャネル(ARCH)と、を含む。図2(a)の代表的なスーパフレーム内の残余のタイムスロットは、追加のページングチャネルPCHのような他の論理チャネル、またはその他のチャネル用に当てられる。移動局の数は、通常スーパフレーム内のスロット数よりも遙かに多いので、それぞれのページングスロットは、ある独特の特性、例えば、MINの最後のディジット、を共通とするいくつかの移動局をページングするために用いられる。
図2(b)は、順方向DCCHのスロットのための好ましい情報フォーマットを示す。本発明により送信されたそれぞれのスロットは複数のフィールドを含み、図2(b)は、それぞれのフィールド内のビット数を、そのフィールド上に示す。同期フィールドにより送られるビットは、従来のように、コード化スーパフレーム相(CSFP)フィールドおよびデータフィールドの正確な受信を保証するために用いられる。同期フィールドは、スロットの開始を見出すために基地局により用いられる所定のビットパターンを含む。共用チャネル帰還(SCF)フィールドは、システムに対するアクセスを要求するために移動局により用いられるランダムアクセスチャネル(RACH)を制御するために用いられる。CSFPフィールドは、移動局がそれぞれのスーパフレームの開始を見出すことを可能ならしめる、コード化スーパフレーム相値を伝える。これは、順方向DCCHのスロット内の情報フォーマットの単なる一例に過ぎない。
効率的なスリープモード動作および高速セル選択の目的のために、BCCHは、いくつかのサブチャネルに分割されうる。BCCHの構造は公知であり、それは、移動局がスイッチオンされた時(移動局がDCCHにロックされた時)システムにアクセスし(呼を行い、または受け)うる前に、移動局が最小量の情報を読取ることを可能にする。スイッチオンされた後、アイドル移動局は、それの割当てられたPCHスロット(それぞれのスーパフレーム内に通常1つある)のみを定期的にモニタする必要があり、他のスロット中においては移動局はスリープ状態にありうる。ページングメッセージの読取りに費やされる移動局の時間と、スリープ状態に費やされる移動局の時間と、の比は制御可能であり、呼設定遅延と電力消費との間のトレードオフを表す。
TDMAタイムスロットは、ある固定された情報搬送容量を有するので、それぞれのバーストは、上述のレイヤ3メッセージの一部のみを典型的に搬送する。アップリンク方向においては、多数の移動局がコンテンションに基づいてシステムとの通信を試み、一方、ダウンリンク方向においては、多数の移動局がシステムから送られるレイヤ3メッセージを聞く。公知のシステムにおいては、いずれの与えられたレイヤ3メッセージも、レイヤ3メッセージの全体を送るのに必要な数のTDMAチャネルバーストを用いて搬送されなければならない。
ディジタル制御チャネルおよびトラヒックチャネルは、移動ユニットにおけるスリープ期間をより長く保持して電池の寿命を長くするなどの理由のために望ましい。
ディジタル制御チャネルおよびトラヒックチャネルは、システム容量を最適化し、階層形セル構造、すなわち、マクロセル、マイクロセル、ピコセル、などの構造を支援するための、拡張された機能性を有する。「マクロセル」という用語は、一般に従来のセルラ電話システムにおけるセルの大きさ(例えば、少なくとも約1キロメートルの半径)に匹敵する大きさを有するセルに関してのものであり、「マイクロセル」および「ピコセル」という用語は、累進的により小さいセルに関してのものである。例えば、マイクロセルは、公共の屋内または屋外区域、例えば集会センターまたは繁華な街路をカバーし、ピコセルは、オフィスの廊下または高い建物のフロアをカバーする。無線カバレージの大小からいうと、マクロセル、マイクロセル、およびピコセルは、異なるトラヒックパターンまたは無線環境を処理するために、互いに異なっていてもよく、あるいは互いにオーバラップしていてもよい。
図3は、代表的な階層形、すなわち多重レイヤ形、セルラシステムを示す。6角形により表されたかさ形マクロセル10は、上位のセルラ構造を作っている。それぞれのかさ形セルは、下位のマイクロセル構造を含みうる。かさ形マクロセル10は、街路に沿った区域に対応する、点線内に囲まれた区域により表されたマイクロセル20と、破線内に囲まれた区域により表されたマイクロセル30と、建物の個々のフロアをカバーするピコセル40、50、および60と、を含む。マイクロセル20および30によりカバーされた2つの街路の交差部分は、密度の高いトラヒック集中区域でありえ、従って過密点を表している。
図4は、典型的な基地局110および移動局120を含む、代表的なセルラ移動無線電話システムのブロック図である。この基地局は、制御および処理ユニット130を含み、このユニットはMSC140に接続され、MSC140はさらにPSTN(図示せず)に接続されている。このようなセルラ無線電話システムの一般的特徴は、ウエジケ(Wejke)外に対する「セルラ通信システムにおける隣接者補助形ハンドオフ(Neighbor−Assisted Handoff in a Cellular Communication System)」と題する米国特許第5,175,867号に説明されているように、本技術分野において公知であり、該特許の内容は、参照することにより本願に取り込むこととする。
基地局110は、音声チャネルトランシーバ150により複数の音声チャネルを操作し、音声チャネルトランシーバ150は、制御および処理ユニット130により制御される。また、それぞれの基地局は制御チャネルトランシーバ160をも含み、制御チャネルトランシーバ160は、1つより多くの制御チャネルを操作しうる。制御チャネルトランシーバ160は、制御および処理ユニット130により制御される。制御チャネルトランシーバ160は制御情報を、基地局またはセルの制御チャネルを経て、その制御チャネルにロックされた移動局へ一斉送信する。トランシーバ150および160は、音声および制御トランシーバ170と同様に、単一装置として実現され、同じ無線搬送周波数を共用するDCCHおよびDTCに用いられる。
移動局120は、その音声および制御チャネルトランシーバ170において、制御チャネル上の一斉送信された情報を受信する。次に、処理ユニット180は、移動局がロックすべき候補セルの特性を含む受信された制御チャネル情報を評価し、移動局がいずれのセルにロックすべきかを決定する。有利なことに、レイス(Raith)外に対する「無線電話システムにおける通信制御の方法および装置(Method and Apparatus for Communication Control in a Radiotelephone System)」と題する米国特許第5,353,332号に説明されているように、受信された制御チャネル情報は、それが関するセルに関する絶対情報を含むのみでなく、その制御チャネルが関連するセルに隣接する他のセルに関する相対情報をも含む。上記特許の内容は、参照することにより本願に取り込まれる。
ユーザの「通話時間」、すなわち、移動局の電池の寿命、を増加させるためには、現在のアナログ順方向制御チャネル(FOCC)のために指定されているタイプのメッセージを、アイドル移動局が、FOCCにロックした時、および、その後情報が変化した時のみに、オーバヘッドメッセージを読取ることを可能にするフォーマットで搬送しうる、ディジタル順方向制御チャネル(基地局から移動局へ)を用いうる。移動局は全ての他の時間にはスリープ状態にある。そのようなシステムにおいては、あるタイプのメッセージが、他のタイプのものよりも頻繁に基地局により一斉送信され、また移動局は一斉送信されたことごとくのメッセージを読取る必要はない。
TIA/EIA/IS−54−B規格およびTIA/EIA/IS−136規格により指定されいるシステムは回線交換技術であり、これは、物理呼接続を確立し、通信エンドシステムが交換すべきデータを有する間はその接続を維持する、「コネクションオリエンテッド」通信のタイプのものである。回線交換機の直接接続はオープンパイプラインとして働き、エンドシステムが、適切と見たもののために回線を使用しうるようにする。回線交換データ通信は、定帯域幅アプリケーションに適するが、それは低帯域幅かつ「バースト性」アプリケーションのためには比較的に非効率的である。
コネクションオリエンテッド(例えばX.25)または「コネクションレス」(例えばインターネットプロトコル「IP」)のものでありうるパケット交換技術は、物理接続の設定または切断を必要とせず、これは回線交換技術と著しい対照をなす。これは、データの待ち時間を短縮し、また、比較的短い、バースト性の、または対話形の、トランザクションの処理においてチャネルの効率を増大させる。コネクションレスパケット交換ネットワークは、複数経路指定サイトへ経路指定機能を分配し、それにより中央交換ハブを用いる時に起こりうるトラヒックボトルネックを回避する。データは、適切なエンドシステムのアドレス指定により「パケット化」された後、データ経路に沿って独立ユニットへ送信される。通信エンドシステム間に配置された、時には「ルータ」と呼ばれる中間システムが、パケット毎にとられるべき最適経路について決定を行う。経路指定の決定は、最低コスト経路またはコスト距離、リンクの容量、送信を待っているパケット数、リンクのためのセキュリティ要求、および中間システム(ノード)の動作状態、を含むいくつかの特性に基づいて行われる。
単一回線のセットアップと対照される、経路距離を考慮した経路に沿ってのパケット送信は、アプリケーションおよび通信の柔軟性を提供する。それはまた、最も標準的なローカルエリアネットワーク(LAN)およびワイドエリアネットワーク(WAN)が結合した環境において発展させた方法でもある。パケット交換は、データ通信に適している。そのわけは、多くのアプリケーションおよび使用されるキーボード端末のような装置が対話形のもので、データをバーストとして送信するからである。ユーザが、端末へもっとデータを入力している間、または問題を考えるために休んでいる間、チャネルはアイドル状態にあるのではなく、パケット交換は、いくつかの端末からの複数の送信をそのチャネルへインタリーブする。
パケットデータは、経路独立性と、ネットワークノードの故障の際に代替経路を選択するルータの能力と、のために、より高度のネットワークの堅牢性を与える。従って、パケット交換は、ネットワーク線のより効率的な使用を可能にする。パケット技術は、接続時間の代わりに、送信されるデータの量に基づいて、エンドユーザに料金を請求することの選択権を提供する。もしエンドユーザのアプリケーションが、エアリンクの効率的な使用を行うように設計されていたとすれば、送信されるパケットの数は最小となる。もしそれぞれの個々のユーザのトラヒックが最小に保持されれば、サービス提供業者のネットワーク容量は効果的に増大せしめられる。
パケットネットワークは、通常、オープンシステムインタフェース(OSI)モデルまたはTCP/IPプロトコルスタックのような、産業上広範なデータ規格に基づいて設計される。これらの規格は、形式上または事実上、多年にわたって発展せしめられ、これらのプロトコルを用いるアプリケーションは、容易に利用されうる。規格に基づくネットワークの主要目的は、他のネットワークとの相互接続性を実現することである。インターネットは、そのような規格に基づくネットワークによるこの目標の追求の、今日における最も明らかな例である。
パケットネットワークは、インターネットまたはコーポレートLANと同様に、今日のビジネスおよび通信環境の一体的部分である。移動体計算がこれらの環境において普及するのに伴い、TIA/EIA/IS−136を用いる無線サービス提供業者のような業者は、これらのネットワークへのアクセスを提供するための最良の位置に配置される。それにもかかわらず、セルラシステムにより提供される、またはセルラシステムのために提案される、データサービスは、一般に、それぞれの活動中の移動局ユーザのために専用無線チャネルを用いる回線交換モードの動作に基づいている。
回線交換モードの動作に基づくセルラシステムのためのデータサービスにおける多少の例外は、パケットデータの概念を含む以下の文献に記載されている。
米国特許第4,887,265号および「ディジタルセルラシステムにおけるパケット交換(Packet Switching in Digital Cellular System)」第38回IEEE車両技術協議会会報(Proc.38th IEEE Vehicular Technology Conf.)第414ないし418頁(1988年6月)には、共用されるパケットデータ無線チャネルを与えるセルラシステムが記載されており、それぞれの該チャネルは複数のデータ呼を収容しうる。パケットデータサービスを要求する移動局は、本質的に正規のセルラ信号方式を用いる特定のパケットデータチャネルに割当てられる。このシステムは、パケットデータネットワークとインタフェースするためのパケットアクセスポイント(PAPS)を含みうる。それぞれのパケットデータ無線チャネルは、1つの特定のPAPに接続され、従って、そのPAPに関連するデータ呼を多重化しうる。ハンドオーバは、同じシステムにおいて音声呼のために用いられるハンドオーバと極めて類似した様式で、システムにより起動される。パケットチャネルの容量が不十分な状況においては、新しいタイプのハンドオーバが追加される。
これらの文献はデータ呼指向のものであり、正規の音声呼におけると同様に、システム起動ハンドオーバの使用に基づいている。これらの原理を、TDMAセルラシステムにおいて汎用パケットデータサービスを行うために適用すると、スペクトル効率および性能に欠点を生じる。
米国特許第4,916,691号には、新しいパケットモードセルラ無線システムのアーキテクチャと、(音声および/またはデータ)パケットを移動局へ経路指定するための新しいプロシージャと、が記載されている。基地局、幹線インターフェースユニットを経由した公衆交換機、およびセルラ制御ユニットは、WANを経て互いにリンクしている。経路指定プロシージャは、移動局起動ハンドオーバに基づき、また、(呼出し中において)移動局から送信されるパケットのヘッダに対する、そのパケットが通過する基地局の識別子の追加に基づいている。移動局からの後続のユーザ情報パケットの間の期間が延長している場合は、移動局は、セル位置情報を伝える目的の特別制御パケットそ送信しうる。
セルラ制御ユニットは、それが呼に呼制御番号を割当てる時に、呼の確立にまず関係する。それは次に、移動局に呼制御番号を知らせ、幹線インタフェースユニットに呼制御番号および最初の基地局の識別子を知らせる。次に、呼出し中にパケットが、幹線インタフェースユニットと、現在サービスしている基地局と、の間で直接経路指定される。
米国特許第4,916,691号に説明されているシステムは、TDMAセルラシステムにおいてパケットデータサービスを行う特定の問題に直接関連してはいない。
「GSMにおけるパケット無線(Packet Radio in GSM)」欧州電気通信標準化機構(ETSI)T Doc SMG 4 58/93(1993年2月12日)およびフィンランドのヘルシンキ(1993年10月13日)における「将来の競争環境におけるGSM(GMS in a Future Competitive Environment)」と題するセミナーにおいて提出された「GSMのために提案される一般的パケット無線サービス(A General Packet Radio Service Proposed for GSM)」は、GSMにおける音声およびデータのための可能なパケットアクセスプロトコルを略述している。これらの文献は、TDMAセルラシステム、すなわt、GSMに直接関連しており、それらは最適化された共用パケットデータチャネルの可能な編成を略述しているが、それらは、全システム的解決において統合パケットデータチャネルの特徴を扱ってはいない。
「GSMネットワークにおけるパケットデータ(Packet Data over GSM)」、T Doc SMG 1 238/93、ETSI(1993年9月28日)には、パケット移動局と、パケットデータサービスへのアクセスを処理する「代理人」と、の間に仮想チャネルを確立するために、最初における正規のGSM信号方式および認証の使用に基づき、GSMにおけるパケットデータサービスを提供する概念が説明されている。正規の信号方式が高速なチャネルのセットアップおよび解放のために変更されると、正規のトラヒックチャネルはパケット転送のために用いられる。この文献はTDMAセルラシステムに直接関連しているが、その構想は、現存のGSMトラヒックチャネルの「高速交換」バージョンの使用に基づいているので、最適化された共用パケットデータチャネルに基づく構想と比較すると、スペクトル効率およびパケット転送遅延(殊に短いメッセージに対しての)に関して欠点を有する。
その開示内容をここで参照して特に本願に取り込むこととする、セルラディジタルパケットデータ(CDPD)システムの仕様、レリース1.0(1993年7月)は、現在の高度移動体電話サービス(AMPS)システム、すなわち、北米アナログセルラシステム、において利用可能な無線チャネルを利用するパケットデータサービスを提供する構想を説明している。CDPDは、米国セルラオペレータのグループにより是認された、包括的な公開仕様である。言及されている項目には、外部インタフェース、エアリンクインタフェース、サービス、ネットワークアーキテクチャ、ネットワーク管理、および主官庁が含まれている。
指定されたCDPDシステムは、大部分は、現存のAMPSのインフラストラクチャとは無関係なインフラストラクチャに基づいている。AMPSシステムとの共通点は、同じタイプの無線周波チャネルおよび同じ基地局サイトの利用(CDPDにより用いられる基地局は、新しいCDPD特有のものでありうる)と、2つのシステム間のチャネル割当てを調整する信号インタフェースの使用と、に限られる。
移動局へのパケットの経路指定は、まず、そのパケットを、移動局アドレスに基づき、ホーム位置レジスタ(HLR)を備えたホームネットワークノード(ホーム移動体データ中間システム(home Mobile Data Intermediate System)、MD−IS)へ経路指定し;次に、必要な時は、そのパケットをHLR情報に基づき、滞在先のサービス提供MD−ISへ経路指定し;最後にそのパケットを、そのサービス提供MD−ISから、移動局のセル位置をそのサービス提供MD−ISへ報告しつつある該移動局に基づき、現在の基地局を経て転送すること、に基づく。
CDPDシステムの仕様は、本願が扱っている、TDMAセルラシステムにおけるパケットデータサービスの提供の特定問題に直接関連してはいないが、CDPDシステムの仕様に記載されているネットワークの特徴および構想は、本発明によるエアリンクプロトコルのために必要とされるネットワークの特徴に対する基礎として用いられうる。
CDPDネットワークは、現存のデータ通信ネットワークおよびAMPSセルラネットワークの拡張をなすように設計される。現存のコネクションレスネットワークのプロトコルは、CDPDネットワークにアクセスするために用いられうる。そのネットワークは常に発展しつつあると考えられるので、それは、適切である時に新しいネットワークレイヤのプロトコルの追加を許容する、オープンネットワークの設計を用いる。CDPDネットワークのサービスおよびプロトコルは、OSIモデルのネットワークレイヤおよびそれ以下に制限される。そのようにすることは、下位のCDPDネットワークを変更せずに、上位レイヤのプロトコルおよびアプリケーションを展開することを可能にする。
移動体加入者の観点からは、CDPDネットワークは、伝統的ネットワークの、データおよび音声双方に関する無線移動体への拡張になっている。CDPDサービス提供業者のネットワークサービスを用いることにより、加入者は、多くが従来からのデータネットワーク上に存在するデータアプリケーションに、支障なくアクセスしうる。CDPDシステムは、2つの相互に関連したサービスセット、すなわちCDPDネットワーク支援サービスおよびCDPDネットワークサービス、と見ることができる。
CDPDネットワーク支援サービスは、CDPDネットワークを維持し主管するために必要な任務を行う。これらのサービスは、課金サーバ、ネットワーク管理システム、メッセージ転送サーバ、および認証サーバが行う。これらのサービスは、サービス提供業者間の相互操作性を許容するように定められる。CDPDネットワークが、その原AMPSインフラストラクチャを越えて技術的に発展する時、ネットワーク支援サービスは不変のままであることが期待される。ネットワーク支援サービスの機能は、どのような移動体ネットワークにも必要であり、無線周波(RF)技術とは無関係である。
CDPDネットワークサービスは、加入者がデータアプリケーションと通信することを可能にするデータ転送サービスである。さらに、データ通信の一方、または双方の端は、移動体でありうる。
文献WO95/16330に記載されているように、パケットデータの機能性を、例えば、GSMシステムと組合わせるシステムは公知である。文献WO94/13089およびEPA0615364A1に記載されているような、ある形式のスリープモード、すなわち電力節約モードを含む他のシステムも公知である。しかし、これらのシステムはいずれも、CDPDパケットデータ機能とD−AMPSシステムとの組合せを記述または提案していない。
要約すると、パケットデータのために最適化された共用パケットデータチャネルの提供に基づき、D−AMPSセルラシステムにおいて汎用パケットデータサービスを行うシステムが必要とされている。本願は、TIA/EIA/IS−136規格により指定されたコネクションオリエンテッドネットワークのようなコネクションオリエンテッドネットワークと、コネクションレスパケットデータネットワークと、の組合わされた利点を有するシステムおよび方法に関する。さらに、本発明は、CDPDネットワークへのアクセスにも関する。
要約
本発明の1つの特徴は、システムが移動局とのトランザクションを開始または終了した後に、移動局の活動モードを制御する方法を提供していることである。この活動モードは、移動局が「覚醒状態(awake)」に留まっているか、またはスリープモードに入るか、に対応し、それはシステムに知らされなければならない。もし移動局が直ちにスリープモードに入らなければ、基地局は、移動局が順方向制御チャネル上の全ての非一斉送信チャネルスロットを読取りつつあると期待しうる。もし移動局がスリープモードにあれば、移動局は、その割当てられたページングスロットのみを読取る。移動局は、選択された量の活動時間が満了するまでスリープモードに入らない。活動時間中には、移動局は全てのスロットを読取り続ける。その結果、移動局は直ちにパケットを受信することができ、それによって、移動局の応答時間を増加させるセットアップ時間が節約される。
【図面の簡単な説明】
本発明の特徴および利点は、本説明を図面と併せて読むことにより理解されよう。図面において、
図1は、複数のレイヤ3メッセージ、レイヤ2フレーム、およびレイヤ1チャネルバースト、すなわちタイムスロットを概略的に示し、
図2(a)は、搬送周波数により送られた連続タイムスロット内に含まれるタイムスロットの系列として構成された順方向DCCを示し、
図2(b)は、IS−136 DCCHのフィールドスロットフォーマットの例を示し、
図3は、代表的な階層形、すなわち多重レイヤ形、セルラシステムを示し、
図4は、典型的な基地局および移動局を含む、代表的なセルラ移動無線電話システムのブロック図であり、
図5は、可能なマッピングシーケンスの1つの例を示し、
図6(a)から図6(c)までは、移動局の機能モードの例を示し、
図7は、イントラモードおよびインタモードのページングの例を示す。
詳細な説明
本発明は、移動局と基地局との間のコネクションレス通信のためのプロトコルおよびプロシージャの実現に関する。特に、本発明は、IS−136に基づくパケットデータのために必要な、無線インタフェースプロトコルおよび関連する移動局プロシージャに関する。本発明の1つの特徴であるプロトコルおよびプロシージャは、IS−136のディジタル制御チャネル(DCCH)の動作に似ている。そのわけは、IS−136は、例えば、DCCH上の2地点間ショートメッセージサービスのコネクションレス送信を行うために設計されたものだからである。この事実に基づき、IS−136プロトコルおよびプロシージャが、本発明の実施例におけるパケットオリエンテッドサービスを支援するように拡張された。さらに一般的には、本発明は、任意の標準化された、または所有権を主張できる、パケットネットワークを用いた、または、コネクションオリエンテッドプロトコルを用いた、基地局とネットワークエンティティとの間の通信に関する。そのわけは、ネットワークに関してなんら仮定が行われていないからである。CDPD仕様のネットワークの特徴は、本発明の実施において用いられうる1つの例である。
本発明の特定の実施例における特定のアプリケーションのために、性能特性の柔軟性を最大化するため、また端末インプリメントを特製しうるために、いくつかの帯域幅割当てが行われる。1つのそのような帯域幅割当ては、ホストPDCHであり、それは、IS−136ディジタル制御チャネル上の追加論理サブチャネルである。ホストPDCHは、インプリメントの労力を最小化しうるが、限定されたスループットレートを与える。専用PDCH上に与えられる他の3つの帯域幅割当ては、フルレートPDCH、ダブルレートPDCH、およびトリプルレートPDCHである。PDCHは、同じ搬送波上においてIS−136DCCHおよびDTCと、3つのフルレートチャネルに対応するレートリミットまで混合されうる。
本発明による、移動局と基地局との間のコネクションレス通信のためのプロトコルおよびプロシージャは、性能特性の最大化を目的とする。本発明による他の望ましい機能性の拡張には、例えばIS−136によるもののような、PDCHページング区域および登録の導入、コネクションオリエンテッドDTC上のコネクションレス通信のために定められたレイヤ3メッセージを送るためのオプションの提供、PDCH上にありながらのIS−136ページングインディケータの提供、およびDTC上にありながらの専用PDCH通知の提供、が含まれる。移動局と基地局との間のさまざまなコネクションレス通信の特徴を改善するための、特定のプロトコルおよびプロシージャの1つの可能なセットは、以下において議論される。
理解を助けるために、1つの可能なマッピングシーケンスが図5に示されており、これは、レイヤ3メッセージがどのようにしていくつかのレイヤ2フレーム内へマップされるかの専用PDCHの例と、FDPCHタイムスロット上へのレイヤ2フレームマッピングの例と、PDCHチャネル上へのタイムスロットマッピングの例と、を示している。順方向PDCH(FPDCH)タイムスロットおよび逆方向PDCH(RPDCH)バーストの長さは固定されているが、異なる固定長を有する3つの形式のRPDCHバーストが存在しうる。FPDCHスロットは、図5の物理レイヤ上にあるものと仮定されている。本発明においては、TDMAフレーム構造は、IS−136のDCCHおよびDTCに対するものと同じである。マルチレートチャネル(ダブルレートPDCHおよびトリプルレートPDCH)が用いられる時、最大スループットのために追加のFPDCHスロットフォーマットが指定される。当業者が認めるように、この代表的な無線インタフェースプロトコルは、多モード端末動作を可能にし、これは以下に、そのパケットデータプロトコルおよび音声プロトコル双方の柔軟なマッピングにより説明される。
図6(a)は、パケット専用端末として起動される移動局を示す。図6(a)は、移動局が、まずDCCHを見出し、BCCHを読取って、ビーコンPDCHに対するポインタを見出すことにより、単独モードの動作を起動する(ステップ1)1つの例を示す。この移動局は、この時点ではそれ自身をDCCH上に登録しない。この移動局が、(例えば、図6(a)に示されているようにビーコンPDCHに対するポインタにより)ビーコンPDCHのある場所を識別してビーコンPDCHにキャンプオンすると、ステップ2により示されているように移動局は能動モードに入り、それ自身を登録する。移動局は、その登録に対するシステムの応答の結果として、異なるPDCHへ向け直される。移動局は能動モードに留まり、該モードにおいてそれは、ステップ3により示されているように活動タイマが期限切れになるまで、その割当てられたPDCH上の全てのタイムスロットを読取る。次に移動局は、受動モードすなわちスリープモードに入り、該モードにおいては、ステップ4により示されているように、全てより少ないタイムスロットが読取られる。このようにして、移動局は、登録においてパケット専用端末として起動される。
図6(b)は、デフォルトモードがD−AMPSである、D−AMPSおよびPDCH双方の動作モードに登録した移動局の例を示す。図6(b)は、D−AMPSページおよびPDCHページの双方を含むイベントのシーケンスに向けてのものである。移動局がIS−136スリープモードにあり、終了しつつあるPDCHトランザクションを示すページが受信された時、すなわちパケットデータトランザクションが開始されつつある時は、移動局は、DCCHからその前に割当てられていたPDCHへ移動し、図6(b)のステップ1により示されているように能動モードに入る。PDCHトランザクションが完了し、能動タイマが期限切れになった後、移動局は、ステップ2に示されているように受動モードに入る。受動モードにある間に第(受動)タイマが期限切れになった後、移動局は、ステップ3により示されているように最初のDCCHへ復帰する。移動局がIS−136スリープモードにあり、終了しつつあるD−AMPSトランザクションを示すページが受信された時、例えば、音声呼がその移動局により開始されつつある時は、移動局は、ステップ4により示されているように、その音声呼のためのトラヒックチャネルを割当てられる。その音声呼の完了後、移動局は、ステップ5により示されているようにIS−136スリープモードに復帰する。これらのステップは、移動局が、音声およびパケットデータの端末としてページングされることを可能にすることがわかる。
図6(c)には、パケット専用端末としてページングされる移動局の例が示されている。図6(c)のステップ1に示されているように、終了しつつあるPDCHトランザクションを示すページメッセージが受信される。この終了しつつあるPDCHトランザクションが完了し、非活動タイマが期限切れになった後、移動局は、ステップ2により示されているように受動モードに入る。IS−136能動モードは、パケットデータ専用端末により使用されないので、図6(c)に示されているようにこのモードは使用されない。この端末は、図6(c)に示されているように、なおIS−136 DCCH上のBCCHを読取る能力を有する。例えば、IS−136 DCCH(マザーDCCH)のBCCH上に送られたオーバヘッド情報は、この移動体端末により読取られうる。このようにして、移動局はパケットデータ専用端末として機能する。
本発明は1つの特徴として、移動局が、指令およびデータを受信するための高速応答時間を実現することを可能にする方法を提供する。1つの実施例においては、移動局のための活動モード制御が行われる。特に、登録メッセージのようなトランザクションにおいては、移動局は、その意図した動作モードをシステムへ知らせる。1つの動作モード、例えばパケットデータモードにおいては、移動局は所定量の活動時間の間活動モードに置かれ、この活動時間中においては、移動局は、移動体ユーザの選択可能な期間の間覚醒状態に保たれる。この期間中は、移動局は、スーパフレーム内の、一斉送信タイムスロット以外の全てのタイムスロットを読取る。その結果、移動局は、より高いアプリケーションレイヤのデータをより高速応答で受信し、セットアップ時間は短縮されるが、より多くの電力が消費される。そのわけは、移動局が、その割当てられたページングスロットのみよりも多くを読取るからである。
図7は、可能なインタモードおよびイントラモードのページングイベントをさらに示す。IS−136能動状態とは、移動局が2地点間メッセージを(DCCHまたはDTCを経て)受信または送信するプロセスにある、全てのIS−136状態を表す。IS−136制御チャネルにキャンプオンしている間に、移動局は、終了しつつあるパケットデータトランザクションについての、または終了しつつあるIS−136トランザクションについての、(ページングされた)指示を与えられる。逆に、もし移動局が、PDCHにキャンプオンせしめられれば、それは終了しつつあるIS−136トランザクションに関してページングされる。
高速応答時間を得るためには、覚醒状態に留まり、全てのタイムスロットを読取ることが望ましい。しかし、これは移動体電力を効率的に使用することにならない。従って、活動タイマにより設定された所定時間の間覚醒状態に留まり、その後スリープモードに入れば、高速応答時間と、電力消費の最小化と、の効果的なバランスの実現を助ける。システムは、移動局がFPDCH上の全ての非一斉送信スロットを読取る活動モードにあって、任意のタイムスロットにおいてアクセスされ、それによりシステムが、割当てられたページングタイムスロットにおいてメッセージを送るために待つ必要がない時を知らなければならない。これを管理する1つの方法は、移動局と基地局とが、例えば登録メッセージにより互いにわかりあった状態にあるIS−136モードである。完全なレイヤ3メッセージを受信した後、移動局は、例えば1分間覚醒状態にセットされ、その間に移動局はFPDCH上の全ての非一斉送信スロットを読取る。この期間の後には、移動局の割当てられたページングスロットのみが使用されなければならない(すなわち、移動局はスリープモードに入る)。次に、例えば、もう9分の後、移動局はPDCHへ復帰しうる。
もう1つの例においては、移動局が最小数のスロットより多く(すなわち、ページングスロットのみより多く)を読取った時に生じる電力消費の量を改善するために、移動局は、活動タイマが期限切れになった後に使用可能にされる非活動タイマにより決定される、別のユーザ選択可能な量の時間の間、DCCH上のスリープモードへ復帰しうる。その非活動タイマが期限切れになり、D−AMPSモードが起動された後、移動局はマザーDCCHへ復帰してDCCHキャンピング状態へ入る。もちろん、システムは、移動局がDCCHにキャンプオンしているか、またはPDCHにキャンプオンしているか、を知らなければならない。もし移動局が、PDCHにキャンプオンしていれば、2つの状態が可能である。1つの状態は、ことごとくのスーパフレーム中において1つのタイムスロットが読取られるスリープモードである。しかし、スリープモードは、移動局により高速応答時間を与えるほど主導的ではない。
本発明により与えられる1つの利点は、音声モードおよびデータモードにおける二重動作のような、改善されたデュアルモード動作である。マザーDCCHへ復帰してDCCHキャンピング状態へ入ることにより、もし音声/データデュアルモード動作において、音声トランザクションがデータトランザクションに対し優先権を有すれば、音声トランザクションはより速やかに受信されうる。本発明のもう1つの利点は、インタモードページングのための設備が制限されている条件下で得られる。ネットワークが複雑になり過ぎることを防止するために、インタモードページングのための設備は制限されうる。もし制限された状態のセットのみがインタモードページングを与える場合にページングを行うためには、移動局は、本発明におけるもっとも一般的な状態へ移動する。例えば図7において、もし移動局がPDCH受動状態にあれば、IS−136からのインタモードページングは、行われえない。マザーDCCHへ復帰してDCCHキャンピング状態へ入ることにより、いずれのモードもページングされうる。
本発明により与えられるさらにもう1つの利点は、PDCHによるよりも多くのスリープモードクラスが、DCCHにより与えられうることである。DCCHキャンピング状態へ入ることにより、電力消費を可能な限り大きく低減したスリープモードに移動局をセットすることができる。
本発明を以上に説明したが、それがさまざまに変化せしめられうることは明らかである。そのような変化は、本発明の精神および範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、全てのそのような改変は、当業者にとって明らかなように、以下の請求の範囲内に含まれるように意図されている。

Claims (5)

  1. 無線通信システムにおける移動局の覚醒モードおよびスリープモードを含む待機レベルの制御方法であって、
    (a)前記待機レベルを変更するステップであって、該ステップにおいて前記移動局が、移動体ユーザの選択可能な期間を有する少なくとも1つのタイマの該期間の満了に応答して、前記覚醒モードと前記スリープモードとの間で変更されて動作していく前記待機レベルを変更するステップと、
    (b)前記システムにおいて、前記移動局の前記待機レベルを決定するステップであって、該ステップにおいて前記移動局が、前記覚醒モード中における第1所定時間の間実質的に全てのタイムスロットを読取り、さらに前記移動局が前記スリープモード中において、割当てられたページングスロットを読取る、前記待機レベル決定ステップと、
    を含む、前記方法。
  2. 無線通信システムにおける移動局の覚醒モードおよびスリープモードを含む待機レベルの制御方法であって、
    (a)前記待機レベルを変更するステップであって、該ステップにおいて前記移動局が、移動体ユーザの選択可能な期間を有する少なくとも1つのタイマの期間満了に応答して、前記覚醒モードと前記スリープモードとの間で変更されて動作していく、前記待機レベル変更ステップと、
    (b)前記システムにおいて、前記移動局の前記待機レベルを決定するステップであって、該ステップにおいて前記移動局が、前記覚醒モード中における第1所定時間の間実質的に全てのパケットデータチャネルのタイムスロットを読取り、前記スリープモード中において、前記第1所定時間の後の第2所定時間の間パケットデータチャネルの割当てられたページングスロットを読取る、前記待機レベル決定ステップと、
    を含む、前記方法。
  3. 前記第2所定時間の満了後ディジタル制御チャネル(DCCH)へ復帰し、かつ該DCCH上のDCCHスリープモードへ入るステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 無線通信システムにおける移動局の覚醒モードおよびスリープモードを含む待機レベルの制御システムであって、
    前記待機レベルを変更する手段であって、該手段により前記移動局が、移動体ユーザの選択可能な期間を有する少なくとも1つのタイマの期間満了に応答して、前記覚醒モードと前記スリープモードとの間で変更されて動作していく、前記待機レベル変更手段と、
    前記システムに、前記移動局の前記待機レベルを通知する手段であって、該手段により前記移動局が、前記覚醒モード中における第1所定時間の間実質的に全てのタイムスロットを読取り、前記スリープモード中において、前記第1所定時間の後の第2所定時間の間パケットデータチャネルの割当てられたページングスロットを読取る、前記待機レベル通知手段と、
    を含む、前記制御システム。
  5. 前記第2所定時間の後ディジタル制御チャネル(DCCH)へ復帰し、かつ該DCCH上のDCCHスリープモードへ入るための手段をさらに含む、請求項4に記載の制御システム。
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