JP3544285B2 - 多段式圧造成形機の素材移送装置 - Google Patents

多段式圧造成形機の素材移送装置 Download PDF

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明彦 藤本
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は各種の部品類を製造する多段式圧造成形機の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
ボルトやナット或はその他の各種部品類を製造する際に用いられる多段式圧造成形機は、例えば登録実用新案公報第3037672号に開示されているように、機台の前面に複数のダイスを並設する一方、該機台前面に対して接近離反するラムには上記各ダイスにそれぞれ対向するように複数のパンチを配設し、各対向するダイスとパンチとにより複数段の圧造ステーションを構成すると共に、線材を所定寸法に切断してなる素材をこれらのステーションに順次供給することにより、上記素材を複数段の圧造成形を経て所定形状の製品に成形するようになっている。
【0003】
そして、この種の多段式圧造成形機においては、素材を移送して各圧造ステーションに順次供給する素材移送装置が備えられるが、この素材移送装置は、次のように構成されるのが通例である。
【0004】
つまり、機台に上記ダイスの並設方向にスライドするスライド部材を配備して、このスライド部材を上記ラムの移動に同期させて所定範囲で往復動させるように構成すると共に、該スライド部材に複数のチャック機構を取り付ける。そして、上記スライド部材の往復動により、これらのチャック機構を隣接ステーション間で往復動させて、前工程のステーションで受け取った素材を次工程のステーションに供給するように構成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の素材移送装置は、スライド部材への各チャック機構の取り付け位置を適正に設定することにより、前工程のステーションで受け取った素材を次工程のステーションのダイスに正しくセンタリングして供給するようになっているが、場合によっては、素材をセンタリングして供給することが望ましくない場合がある。
【0006】
例えば、円柱状の素材から、例えば図11に示すカム部材のように、一側部に膨出部を有する製品1を製造する場合、圧造時における材料の各方向への流動量が異なるので、図12に示すように、素材1がダイス2及びパンチ3の中心に供給された場合、膨出部を有する側部では材料の流動量が不足して所謂ダレ1aが生じ、逆に反対側の側部では材料の流動量が過剰となって、所謂バリ1bが発生し易くなるのである。
【0007】
また、熱間圧造の場合は、高温に加熱された線材を剪断により切断して素材4を形成するので、図13に示すように、該素材4の切断面が傾斜したり全体形状がいびつに変形したりすることがあるが、このようにい変形して中心線回りの材料の分布が不均一になった素材4の場合、これを把持しているチャック機構5がダイス6及びパンチ7の中心に正しくセンタリングされて該素材4を供給しても、ダイス6内で圧造されたときに、上記の場合と同様に、材料が不足している側部ではダレ4aが発生し、材料が過剰な部分ではバリ4bが発生することになる。
【0008】
そして、このように一側部において材料が過剰なためバリが生じるような場合には、圧造時にパンチやダイスに偏荷重が作用することになり、これらの耐久性が低下するといった問題も発生する。
【0009】
本発明は、従来における上記のような問題に対処するもので、多段式圧造成形機において、上記のカム部材のように、中心線回りに非対称な形状の製品を製造する場合や、熱間圧造の場合において素材がいびつに変形している場合等においても、ダレやバリ等を生じることなく、所定形状の製品が良好に製造されるようにすると共に、パンチやダイス等の耐久性の低下を防止することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0014】
すなわち、請求項に記載の発明は機台の前面に並設された複数のダイスと、該機台前面に対して接近離反するラムに上記各ダイスにそれぞれ対向するように並設された複数のパンチとで素材を所定形状に順次成形する複数段の圧造ステーションが設けられた多段式圧造成形機において、ダイスの並設方向に沿ってスライドするスライド部材と、該スライド部材を上記ラムの移動に同期させて所定範囲で往復動させるスライド部材駆動手段と、該スライド部材に取り付けられて機台前面で往復動することにより前工程のステーションで受け取った素材を次工程のステーションに供給する複数のチャック機構とを設けると共に、上記スライド部材における所定のチャック機構が取り付けられた部分を該スライド部材の上記駆動手段が連結された駆動側部分から分割してスリーブ状のネジ部材により連結されており、かつ、該ネジ部材にスプライン嵌合された調整軸を介してネジ部材を回動させることにより、上記スライド部材の分割部分と駆動側部分との間隔を変化させて、該分割部分に取り付けられたチャック機構の次工程側ステーションのダイスへの素材供給位置をダイスの並設方向に調整する第1調整機構を設け、さらに、上記所定のチャック機構をスライド部材の分割部分に対してその往復動面内でダイスの並設方向と直交する方向に移動可能とし、かつ、ダイスの並設方向に延びるガイド部材と、上記所定のチャック機構をこのガイド部材に当接させることにより、該チャック機構の往復動をこのガイド部材に沿って行わせる付勢手段と、該ガイド部材の姿勢を調整することにより、上記チャック機構の次工程側ステーションのダイスへの素材供給位置をダイスの並設方向と直交する方向に調整する第2調整機構とを設け、この第2調整部材は上記チャック機構の往復動中にガイド部材の姿勢を調整可能としたことを特徴とする
【0015】
上記の構成によれば、所定のチャック機構による素材の次工程側ステーションのダイスへの供給位置を調整することができるので、例えばカム部材等の中心線回りに非対称な製品のように、圧造時における素材の材料の各方向への流動量が異なる場合に、該素材をダイスの中心に対してオフセットして供給することにより、各方向に必要量ずつ材料を流動させることが可能となり、また、熱間圧造の場合等において、線材を剪断してなる素材がいびつに変形している場合等に、同じく該素材をダイスの中心に対してオフセットして供給することにより、各方向に過不足なく材料を流動させることができるようになる。したがって、これらの場合にも、ダレやバリ等を生じることなく、所定形状の製品が得られることになる。
【0016】
そして、所定のチャック機構による素材の次工程側ステーションのダイスへの供給位置をダイスの並設方向及びダイスの並設方向と直交する方向に調整することが可能となると共に、その調整を圧造作業を続行しながら行うことができることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
この実施の形態に係る多段式圧造成形機は熱間式の成形機であって、所定温度の線材を剪断により切断して図1に示すような柱状の素材aを形成する切断ステーションと、この素材aを加圧することにより、図2に示すような扁平化された中間素材bを形成するアプセットステーションと、この中間素材bを3段階にわたって圧造成形して、図3に示すような製品cに成形する第1〜第3成形ステーションとを有する。
【0019】
そして、図4に示すように、この多段式圧造成形機10には、上記切断ステーションA、アプセットステーションB、及び第1〜第3成形ステーションC1〜C3を構成するため、機台11の前面11aに、図面の左側の端部から、カッター12、アプセット用ダイス13、及び成形用第1ダイス14、第2ダイス14、第3ダイス14が並設されている。また、図示しないが、上記機台前面11aに対して接近離反するラムには、アプセット用パンチ及び第1〜第3成形用パンチが上記各ダイス13,14〜14にそれぞれ対向させて配設されている。
【0020】
一方、図4及び図5に示すように、上記機台11の上方には、素材移送装置20が設けられている。
【0021】
この装置20は、後部が支軸21を介して機台11の軸受部15,15に支持されて前部が上方に揺動可能とされた揺動フレーム22を有すると共に、この揺動フレーム22の左右の側部部材22a,22b間に架設された2本のガイド軸23,24に、スライド部材25が左右方向、即ち上記各ダイス13,14〜14の並設方向にスライド自在に嵌合されている。
【0022】
そして、このスライド部材25の図面上、右側の端部には駆動ロッド26が連結され、図示しないラムの機台前面11aに対する接近離反の往復動に同期して、上記ロッド26を介して該スライド部材25が左右に往復動されるようになっている。
【0023】
また、このスライド部材25の前面には3つのチャック機構27,27,27が取り付けられ、該スライド部材25の左右方向の往復動により、最も左側、即ち上段側に位置する第1チャック機構27がアプセットステーションBと第1成形ステーションC1との間で、中間に位置する第2チャック機構27が第1成形ステーションC1と第2成形ステーションC2との間で、最も右側、即ち下段側に位置する第3チャック機構27が第2成形ステーションC2と第3成形ステーションC3との間でそれぞれ往復動し、上段側に位置する前段側のステーションで受け取った素材を下段側に位置する次工程のステーションにおける第1〜第3ダイス14〜14にそれぞれ供給するようになっている。
【0024】
ここで、これらのチャック機構27〜27の構成を説明すると、これらのチャック機構27〜27は、いずれも、スライド部材25に取り付けられた本体27aと、該本体27aに上端部が揺動自在に連結されて下端部が開閉する左右一対のツメ部材27b,27bと、これらのツメ部材27b,27bの上端部に連結されて上方に延びるレバー部材27c,27cと、これらのレバー部材27c,27cの上端部と上記本体27aとの間に装着されて、レバー部材27c,27cを介して一対のツメ部材27b,27bを閉方向に付勢するスプリング27d,27d等で構成され、これらのツメ部材27b,27bの下端部で素材を把持するようになっている。
【0025】
以上の構成に加えて、この圧造成形機10には、最も上段側に位置する第1チャック機構27による次工程側ステーション、即ち第1成形ステーションC1におけるダイス14への素材供給位置を調整する素材供給位置調整機構が設けられており、次に、この調整機構について説明する。
【0026】
まず、上記各チャック機構27〜27が取り付けられたスライド部材25は、第1チャック機構27が取り付けられた上段側の部分(分割部分)25aが第2、第3チャック機構27,27が取り付けられて駆動ロッド26に連結された下段側の部分(駆動側部分)25bから分割され、これら両部分25a,25bに上記ガイド軸23,24が嵌挿されている。
【0027】
そして、図5に示すように、該スライド部材25の両部分25a,25bに、上記2本のガイド軸23,24に加えて、揺動フレーム22の左右の側部部材22a,22b間に回動自在に架設された調整軸31が嵌挿されていると共に、この調整軸31の外周面に設けられたスプラインに、該軸31に対してスライド可能で、かつ一体的に回動するように調整スリーブ32が嵌合されている。そして、この調整スリーブ32は、上段側の部分が上記スライド部材25の分割部分25aに回動自在にかつ軸方向には相対移動しないように結合されていると共に、下段側の端部にはオネジ部が設けられ、このオネジ部が上記スライド部材25の駆動側部分25bに設けられたメネジ部に螺合されている。
【0028】
したがって、上記調整軸31を回動させれば、調整スリーブ32が一体的に回動して先端部のオネジ部がスライド部材25の駆動側部分25bにおけるメネジ部に対して進退することにより、スライド部材25の分割部分25aと駆動側部分25bとの間の間隔、換言すれば、第1チャック機構27と第2チャック機構27との間の間隔Dが調整されることになる。なお、上記調整スリーブ32のオネジ部とスライド部材25の駆動側部分25bにおけるメネジ部との螺合部におけるがたつきを吸収するため、該スライド部材25の両部分25a,25b間には、複数のスプリング28…28が装着されている。
【0029】
そして、上記調整軸31を回動させて、この間隔Dを調整するための第1調整部33が揺動フレーム22の右側の側部部材22bに設けられている。この第1調整部33は、図6に示すように、上記揺動フレーム22の側部部材22bから立設されたベース部材34を有し、このベース部材34に、適宜工具によって回動される第1調整ボルト35が螺合されていると共に、該ボルト35に固設されたギヤ36と上記調整軸31の一端に設けられたギヤ37とが複数のギヤ38…38を介して連動するようになっている。したがって、この第1調整ボルト35を回動させれば、上記各ギヤ36〜38を介して調整軸31が回動され、これにより、上記間隔Dが調整されるようになっている。
【0030】
なお、この第1調整ボルト35には、ベース部材34に設けられたメモリを指示してその調整量を示す指示部材39が固設されていると共に、この指示部材39に設けられたロックボルト40を締め付けて、その先端を上記ベース部材34に押し付けることにより、該第1調整ボルト35ないし調整軸31が固定されるようになっている。
【0031】
また、上記第1チャック機構27は、スライド部材25の分割部分25aに上下位置調整可能に取り付けられている。
【0032】
つまり、図4及び図5に示すように、上記スライド部材上段側部分25aには、両側部をレール部材41,41に保持されて上下に摺動可能とされた取り付け部材42が備えられ、この取り付け部材42に第1チャック機構27の本体27aが固着されていることにより、該第1チャック機構27が上下に移動可能とされている。
【0033】
そして、上記取り付け部材42の上方にはアプセットステーションBと第1成形ステーションC1との間にわたってダイス13,14〜14の並設方向に延びるガイド部材43が片持ち状に架設されていると共に、取り付け部材42の上端部にはローラ44が備えられ、かつ、該取り付け部材42の上部の左右両側への突出部とスライド部材25(分割部分25a)との間には、該取り付け部材42を上方に付勢して上記ローラ44をガイド部材43の下面に当接させるスプリング45,45が装着されている。
【0034】
これにより、第1チャック機構27がアプセットステーションBと第1成形ステーションC1との間で移動するときにガイド部材43の下面に沿って移動することになり、該ガイド部材43の下面が傾斜しているときには、第1チャック機構27は、上記両ステーションB,C1間での移動時に、その傾斜角に対応する量だけ上下方向に変位することになる。
【0035】
また、上記ガイド部材43のアプセットステーションB側の端部は、図7に示すように、揺動フレーム22に固設された軸受部29に回動自在に支持された回動軸46の一端部に固着されていると共に、この回動軸46の他端部には操作レバー47が取り付けられており、このレバー47の先端部の上下位置を調整することにより、上記回動軸46を介してガイド部材43の傾斜角が調整され、第1チャック機構27がアプセットステーションBから第1成形ステーションC1へ移動するときの上下方向の変位量が調整されるようになっている。
【0036】
そして、上記操作レバー47の先端部を上下に変位させる第2調整部48が揺動フレーム22に設けられている。この第2調整部48は、図4、図5に示すように、揺動フレーム22に固設されて上記操作レバー47の先端部の上方に位置するベース部材49を有し、このベース部材49に適宜工具によって回動される第2調整ボルト50が螺合されていると共に、操作レバー47の先端部の下方には、該レバー47を上方へ付勢して先端部を上記第2調整ボルト50の下端部に当接させるスプリング51が備えられている。
【0037】
これにより、第2調整ボルト50を回動させれば、操作レバー47の先端部の上下位置が調整されることになって、これに伴う該レバー47の揺動により回動軸46を介して上記ガイド部材43も揺動し、その傾斜角が調整されるようになっている。
【0038】
なお、この第2調整ボルト50にも、ベース部材49に設けられたメモリを指示してその調整量を示す指示部材52が固設されていると共に、この指示部材52に設けられたロックボルト53を締め付けて、その先端を上記ベース部材49に押し付けることにより、該第2調整ボルト50ないしガイド部材43が固定されるようになっている。
【0039】
次に、この多段式圧造成形機10の動作を説明する。
【0040】
まず、所定の温度に加熱された線材が該成形機10に供給されて、図4に示す切断ステーションAにおけるカッター12により所定寸法に切断されることにより、図1に示すような素材aが形成される。この素材aは、上記カッター12によりアプセットステーションBに供給され、図示しないラムの前進時に、該ラムに設けられたアプセット用パンチとアプセット用ダイス13との間で加圧されて、図2に示すような扁平な中間素材bに成形される。そして、この中間素材bは供給部材16により該アプセットステーションBに位置している第1チャック機構27に供給されて、一対のツメ部材27b,27b間に把持される。
【0041】
なお、このとき、図4に示すように、アプセットステーションBから前回及び前々回に供給された素材b′,b″は、第2チャック機構27及び第3チャック機構27の各ツメ部材27b,27b間にそれぞれ把持されて、第1、第2成形ステーションC1,C2に位置している。
【0042】
そして、この状態から、駆動ロッド26の作動によりスライド部材25がガイド軸23,24に沿って下段側へ移動することにより、上記各チャック機構27〜27はそれぞれ第1〜第3成形ステーションC1〜C3に移動すると共に、その後、ラムが前進することにより、該ラムに取り付けられた成形用パンチにより、上記各チャック機構27〜27に把持された素材b,b′,b″が成形用第1〜第3ダイス14〜14内に叩き込まれ、それぞれ所定形状に成形される。
【0043】
その後、上記ラムが後退すると共に、スライド部材25が上段側に移動して、上記各チャック機構27〜27が、図4に示すように、アプセットステーションB及び第1、第2ステーションC1,C2に再び位置することになるが、このとき、上記成形用第1、第2ダイス14,14からは成形された素材b,b′が排出され、第1ダイス14から排出された素材bは上記第2チャック機構27に、第2ダイス14から排出された素材b′は第3チャック機構27にそれぞれ把持され、また、第3ダイス14からは素材b″が図3に示す完成品cとして排出されて機外に搬出される。また、第1チャック機構27には、アプセットダイス13から上記供給部材16によって次の中間素材bが供給され、図4に示す状態に戻る。
【0044】
そして、以上の動作を繰り返すことにより、所定形状の製品が連続して成形されることになるが、その場合に、上記のようにして製造された製品cに図13に鎖線で示すようなダレやバリが発生することがある。これは、主として線材を剪断により切断して素材aを形成するときに、加熱温度やカッター12の状態等により、図1に示すような中心線回りの材料の分布が不均一で、いびつな素材aが形成されることによる。
【0045】
そこで、この圧造成形機10においては、上記のようなダレやバリが生じた不良品が発生したときに、これを次のようにして解消するようになっている。
【0046】
つまり、この多段式圧造成形機10においては、図4及び図6に示す第1調整ボルト35を回動させることにより、第1チャック機構27と第2チャック機構27との間の間隔Dを調整することができるようになっているので、例えば図8に示すように、この間隔Dを基準間隔Do、即ち各ステーションB,C1〜C3の中心位置の間隔よりも広くすれば、上記第1チャック機構27が素材bを第1成形ステーションC1のダイス14に供給するときに、上記間隔の差(D−Do)だけ左側にオフセットして供給されることになる。また、逆に、上記間隔Dを基準間隔Doより狭くすれば、その差(Do−D)だけ素材bが右側にオフセットして供給されることになる。
【0047】
また、図4及び図5に示す第2調整ボルト50を緩める方向に回動させれば、操作レバー47及び回動軸46を介してガイド部材43が図4に示すx方向に揺動されて、該ガイド部材43が下段側に向って上向きに傾斜するので、第1チャック機構27がアプセットステーションBから第1成形ステーションC1へ移動するときに、図9に示すように、その傾斜角に対応する寸法hだけ上方へ変位し、該第1チャック機構27に把持された素材bが第1成形ステーションC1のダイス14に上方へ寸法hだけオフセットして供給されることになる。
【0048】
また、上記第2調整ボルト50を締め込む方向に回動させて、ガイド部材43を図4に示すy方向に揺動させれば、該ガイド部材43が下段側に向って下向きに傾斜することにより、第1チャック機構27がアプセットステーションBから第1成形ステーションC1へ移動するときに、その傾斜角に対応する寸法hだけ下方へ変位し、これに伴って、素材bが第1成形ステーションC1のダイス14に上記寸法hだけ下方にオフセットして供給されることになる。
【0049】
このようにして、素材bを第1成形ステーションC1のダイス14に供給するときに、これを左右方向及び上下方向に任意の量だけオフセットさせて供給することができるのである。
【0050】
したがって、今、製品の一側部に材料不足によるダレが生じ、他側部に材料過剰によるバリが生じているものとすると、素材bを第1成形ステーションC1のダイス14へ供給するときに、図10に示すように、該素材bにおける中心線Xの回りの材料の分布が少なく、材料不足が生じている方向にオフセットして該素材bを供給するようにすれば、ダイス14及びパンチ14′の中心線Yの回りに素材bの材料が均等に分布することになる。これにより、上記のような材料不足や材料過剰の状態の発生が回避され、最終的に、全周にわったって均一で良好な製品cが得られることになるのである。
【0051】
また、素材bがダイス14及びパンチ14′の中心線Yの回りに材料が均等に分布するように供給されることにより、圧造時におけるダイス14やパンチ14′に作用する荷重が全体に均一化されることになり、中心線回りの材料分布が不均一なため、ダイスやパンチに偏荷重が作用して、これらの耐久性が低下するといった問題も解消される。
【0052】
そして、特に上記のダイス14への素材供給位置の左右方向の調整は、調整軸31を回動させることにより該軸31にスプライン嵌合された調整スリーブ32を回動させることによって行われ、また、上下方向の調整は、ガイド部材43をアプセットステーションB側の端部を中心として揺動させて該ガイド部材43の第1成形ステーションC1側の端部を上下に変位させることによって行われるから、いずれの方向の調整も、当該成形機10を停止させず、成形作業を続行しながら行うことが可能となる。したがって、一旦作業を中断すると、素材の再加熱に長時間を要し、或は再加熱により素材が硬化して使用できなくなる、といった問題が生じる熱間圧造の場合に、このような問題を生じることなく、上記のような不良品の発生を抑制することができるようになる。
【0053】
なお、冷間式圧造成形機の場合は、圧造作業を停止して上記の調整作業を行うことができるので、その調整機構は、上記のような構成に限らず、例えばスライド部材に対する所定のチャック機構の取り付け位置を変更することができるようにした構成等でもよく、これによって、図11に示すカム部材等の中心線回りに非対称な形状の製品をダレやバリ等を生じることなく製造することが可能となる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る多段式圧造成形機によれば、前工程のステーションで受け取った素材を次工程のステーションに移送してダイスに供給する複数のチャック機構のうち、所定のチャック機構による次工程側ステーションのダイスへの素材供給位置をダイスの並設方向及びこれに直交する方向のうちの少なくとも一方に調整可能としたから、例えばカム部材等の中心線回りに非対称な製品のように、圧造時における素材の材料の各方向への流動量が異なる場合にも、該素材をダイスの中心に対して最適な方向へオフセットして供給することにより、各方向に必要量ずつ材料を流動させることが可能となり、これにより、ダレやバリ等を生じることなく、所定形状の良好な製品が得られることになる。
【0055】
また、特に熱間圧造の場合において、線材を剪断することにより切断面が傾斜したり或は全体形状がいびつに変形した素材を用いる場合にも、この素材をダイスの中心に対して最適な方向へオフセットして供給することにより、各方向に過不足なく材料を流動させることができるようになり、この場合にも、ダレやバリ等を生じることなく、所定形状の良好な製品が得られることになる。
【0056】
そして、上記のような素材供給位置の調整を、当該成形機を停止させず、成形作業を続行しながら行うことができるので、特に熱間圧造の場合において、成形作業を中断したために作業再開始時に素材の再加熱に長時間を要し、或は再加熱により素材が硬化して使用できなくなる、といった問題が回避され、高い生産性を維持しながら、上記のような不良品の発生を抑制することができるようになる。
【0057】
また、ダイス内での成形時に、該ダイス内の一側部では材料が不足し、他側部では材料が過剰な状態となるため、パンチやダイスに偏荷重が作用するといった不具合も解消され、該パンチやダイスの耐久性が向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る圧造成形機で使用される素材の側面図である。
【図2】同素材のアプセット後の側面図である。
【図3】同素材から成形される製品の半断面側面図である。
【図4】圧造成形機の正面図である。
【図5】図4のア−ア線で切断した同成形機の平面図である。
【図6】図4のイ矢視による第1調整部の側面図である。
【図7】図4のウ−ウ線で切断した第2調整部周辺の断面図である。
【図8】素材供給位置のダイス並設方向の調整状態を示す要部正面図である。
【図9】素材供給位置のダイス並設方向と直交する方向の調整状態を示す要部正面図である。
【図10】素材供給位置の調整による作用の説明図である。
【図11】本発明が適用される中心線回りに非対称な形状の製品の一例を示す図である。
【図12】同製品の圧造時の問題点を示す説明図である。
【図13】素材がいびつな形状の場合の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
10 多段式圧造成形機
11 機台
13,14〜14 ダイス
25 スライド部材
25a 分割部分
25b 駆動側部分
27〜27 チャック機構
32 ネジ部材(調整スリーブ)
35 調整部材、第1調整部材(第1調整ボルト)
43 ガイド部材
50 調整部材、第2調整部材(第2調整ボルト)
B,C1〜C3 ステーション

Claims (1)

  1. 機台の前面に並設された複数のダイスと、該機台前面に対して接近離反するラムに上記各ダイスにそれぞれ対向するように並設された複数のパンチとで素材を所定形状に順次成形する複数段の圧造ステーションが設けられた多段式圧造成形機に備えられ、素材を上記各ステーションに順次供給する素材移送装置であって、上記ダイスの並設方向に沿ってスライドするスライド部材と、該スライド部材を上記ラムの移動に同期させて所定範囲で往復動させるスライド部材駆動手段と、該スライド部材に取り付けられて機台前面で往復動することにより前工程のステーションで受け取った素材を次工程のステーションに供給する複数のチャック機構とを有すると共に、上記スライド部材における所定のチャック機構が取り付けられた部分が該スライド部材の上記駆動手段に連結された駆動側部分から分割されてスリーブ状のネジ部材により連結されており、かつ、該ネジ部材にスプライン嵌合された調整軸を介してネジ部材を回動させることにより、上記スライド部材の分割部分と駆動側部分との間隔を変化させて、該分割部分に取り付けられたチャック機構の次工程側ステーションのダイスへの素材供給位置をダイスの並設方向に調整する第1調整部材が設けられており、さらに、上記所定のチャック機構が上記スライド部材の分割部に対してその往復動面内でダイスの並設方向と直交する方向に移動可能とされ、かつ、ダイスの並設方向に延びるガイド部材と、上記所定のチャック機構をこのガイド部材に当接させることにより、該チャック機構の往復動をこのガイド部材に沿って行わせる付勢手段と、該ガイド部材の姿勢を調整することにより、上記チャック機構の次工程側ステーションのダイスへの素材供給位置をダイスの並設方向と直交する方向に調整する第2調整部材とが設けられ、この第2調整部材は上記チャック機構の往復動中にガイド部材の姿勢を調整可能とされていることを特徴とする多段式圧造成形機の素材移送装置
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