JP3544006B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、V字状の傾斜主溝を有するトレッドの騒音を低減した空気入りラジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤにおいて高速走行性能を向上させるためには、トレッドのベ−ス部分を非伸長性ベルト層で強化した構造が一般的であり、形状の面では、タイヤ断面の幅に対する高さの比、即ち扁平比を小さくすることが行われている。扁平比について、0.6程度は普通に適用され、0.3と超扁平タイヤも出現するに及んでいる。
【0003】
タイヤ断面が扁平になるとタイヤ幅が広くなり、それに伴ってトレッド幅も広く設定されるが、このようなタイヤの場合、性能的にはドライ路面での操縦安定性が向上する反面、接地面の排水性が悪化することから、ウエット路上を、特に高速で走行するとき滑りやすいことが知られており、排水性向上のために、複数の周方向溝(4〜6本)と、これら周方向溝と交差してV字状に延びる傾斜ラグ溝によってほぼ均一な独立ブロックに区分し、上記溝群がトレッド全体に占める割合、即ちネガティブ比を特定したトレッド構造が特開昭55−140604 にて提案されている。
【0004】
上記独立ブロックタイプのトレッドは、走行時にブロックが接地面に踏込むとき、ブロックの角の部分で路面を叩く打音、踏込み・蹴出し時に路面との摩擦に基づき発生するブロックの振動音などによるノイズの問題があり、更に、排水性を考慮した独立ブロック構造特有の剛性不足による操縦安定性低下を避けることができない。
【0005】
そこでこのようなストレ−ト周方向主溝とラグ溝に代え、トレッドの中央部から両端に向かって軸方向に対して大きく傾斜しV字状に延びる多数の主溝と、これらの主溝によって区分された陸部より成るトレッドが最近注目されるに至っている。そしてこの場合、コ−ナリング走行時に作用する横力に対して負担が大きいトレッド両側区域における陸部のために、傾斜主溝をトレッドの両側区域で同じ溝幅のまま軸方向に対し向きを変えることによって(軸方向に対し約20°)陸部の溝に沿う部分の剛性を高めた構造がとられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
トレッドにV字状主溝を備えたタイヤは、耐ウエットスキッド性を維持しつつ、操縦安定性、および直進時の上記騒音の面で優れているといえる。ところが30〜50Km/Hと比較的低い速度レベルで20〜100R の円旋回走行を行ったとき、100〜300HZの気になるグ−音(コ−ナリング時のピッチ音)が発生し、静粛性の面で難があることが分かった。
本発明はV字状の傾斜主溝を有するトレッドにおける上記問題点を解決した、空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一対の環状サイドウォール間にクラウン部が連なり、上記サイドウォールの一方からクラウン部を通り、他方サイドウォールに至る間をラジアルカ−カスで補強し、このカ−カスのクラウン部外周に非伸長性ベルト層、およびトレッド部を配置して強化すると共に、上記トレッド部は、直線時に接地する円筒状の主トレッドと、その両側に続く補助トレッドより成り、トレッド部の中央部分から軸方向に対して傾斜し、主トレッド端の内側ではV字状に延び、主トレッド端側で軸方向に向きを変えて更に補助トレッド内へ続く多数の主溝が、トレッド部の中央部分側で周方向に向かって傾斜角度を変え、更に反転して周方向に隣接する他の主溝に繋がることによって区分された陸部を複数備えた空気入りラジアルタイヤであって、上記主トレッドは赤道面を中心とし主トレッド幅W の20% に相当する中央区域と、その両側に各々上記幅W の30% に相当する中間区域と、これら中間区域と主トレッド端との間に各々端部区域を備え、上記主溝は、軸方向に対する角度が中央、中間、および端部区域において夫々70〜120°、45〜85°、および30〜−30°の範囲で各区域間を滑らかに連なり、且つ主溝の幅は最も広い中間区域内から幅を絞って端部区域へ続くことを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。ここで主トレッドとは、タイヤが直進時に接地するトレッド部の領域を云い、便宜上ETRTO 規格に基づきタイヤを正規リムに組み、正規内圧を充填して、平板上に設計最大荷重の70% を加えたとき接地する領域とする。
【0008】
【作用】
【0009】
主トレッドにおける上記中央区域は、ウエット路上を直進するとき前後方向への排水の面で重要な領域であり、軸方向と直行する方向をほぼ中心とする70〜120°が効果的である。主溝の軸方向先端部は、この角度範囲内で反転し隣り合う主溝に連結することが好ましい。
【0010】
主トレッドの中間区域は、排水性と操縦安定性の両面で重要な領域である。上記角度が45°以下では直進、またはそれに近い走行状態での排水性が悪く、一方85°を越えると操縦安定性に関連して横力が作用したとき、主溝に区分される陸部の必要な剛性を維持できない。
【0011】
主トレッドの端部区域は、比較的低速度(30〜50Km/H)で旋回するとき発生する上記グ−音低減の面で重要な領域である。このような速度で旋回する場合、特に旋回外側のタイヤの接地面は、荷重移動によって旋回中心から離れた側の端部区域の接地長さが、逆側端部区域の接地長さ対比著しく大きいほぼ三角形の接地形を形成し、この接地形の輪郭と主溝の流れの向きとが一致するか、近似する場合、グ−音が発生することが判明した。本発明において、主トレッドの中央区域より上記角度で傾斜して延びる主溝の滑らかな角度変化を損なわず、且つ上記接地形の輪郭との関連において必要な主溝の角度範囲が30〜−30°である。この角度は15〜−15°の範囲において一層効果的である。
【0012】
【実施例】
以下図面に基づき説明する。図1は本発明における一実施例を示すタイヤのトレッド平面図である。
本発明においてタイヤは、図示を省略しているが、一対の環状サイドウォ−ル間にクラウン部が連なり、上記サイドウォ−ルの一方からクラウン部を通り、他方サイドウォ−ルに至る間をラジアルカ−カスで補強し、このカ−カスのクラウン部外周に非伸長性ベルト層、およびトレッド部1 を配置して強化している。ラジアルカ−カスは、ポリエステル、レ−ヨンで代表される繊維コ−ドを赤道面O と実質上直交する方向に配列したプライの少なくとも1枚、通常2枚から成る公知の構造であり、またベルト層も、スチ−ルコ−ドなどの非伸長性コ−ドを赤道面O に対し浅い角度(15〜35°)で傾斜配列したプライの複数枚、通常2枚を、それらのコ−ドが交差するように重ね合わせ、更にその周囲全体にナイロンなどの熱収縮性コ−ドを複数本並べてゴム引きしたストリップの周方向螺旋巻きによって形成したキャップ層を含む公知の構造である。
【0013】
トレッド部1 は、円筒状の主トレッド11と、その両側に丸みをもって続く補助トレッド12より成り、同時にトレッド部1 の中央部分から軸方向に対して傾斜しV字状に主トレッド端E へ延び、更に補助トレッド12内へ続く多数の主溝2 と、これら主溝2 によって区分された陸部3 を備える。
主トレッド11は、赤道面O を中心として主トレッド幅W の20% に相当する中央区域A と、その両側に各々上記幅W の30% に相当する中間区域B と、これら中間区域と主トレッド端E との間に各々端部区域C を備え、主溝2 は、中央、中間、および端部区域において軸方向に対する角度α、β、およびγが夫々70〜120°、45〜85°、および30〜−30°の範囲で各区域間を滑らかに連なり、且つ主溝2 は最も広い中間区域内の幅b より端部区域の幅c へと幅を絞って続くものとする。
なお本発明においてタイヤ幅に対する断面高さの比は、0.3〜0.6と扁平な乗用車用ラジアルタイヤに対し好適に適用することができる。
【0014】
図2に示すタイヤサイズ225/50ZR16による実施例において、主溝2 の傾斜角度は中央、中間、および端部区域A 、B 、C のほぼ中央位置(区域A は1/4点と3/4点)でのα、β、γの値として72°、65°、14°である。そして各区域の上記角度を有する位置における溝幅a 、b 、c は9.6mm、11mm、7.2mmである。本発明の目的に照らし中央区域の溝幅b は12mm、端部区域の溝幅c は8mmを夫々限度とし、且つ両者の比c /b は0.4〜0.8の範囲が好ましい。
中央区域A において主溝2 は、漸次周方向に向きを変え、更に反転し、また幅を減じて隣の溝に繋がっている。そのため中央区域A には、周方向に幅の拡縮を繰り返して延びる左右一対の周方向溝を形成し、両者の間にエンドレスリブ4 を区分している。
【0015】
この実施例では、V字状の陸部3 はサイプ5 、および細溝6 によって表面積が軸方向内側から外側に向かって増大する複数(4個)のブロック7 に分割している。そして表面積が最大で周方向の幅が広く、主トレッド11から補助トレッド12に亙って延びるブロック7 には、この区域に延びる主溝2 とほぼ平行にラグ溝8 を設け、複数の部分9 、9 に区分している。なおラグ溝8 は軸方向先端をブロック内に止めることなく、図1に示す比較的狭い幅を維持しつつ主溝に沿って延長し、細溝6 とT字状に結合することができる。
【0016】
【効果】
本発明にに成るタイヤの効果を確かめるべく225/50ZR16サイズの乗用車用ラジアル構造タイヤを使用し、比較例を交えて実車によるグ−音のテストを行い評価した。実施例のタイヤは図1に示す形状のものを用いた。この場合、主溝の軸方向の角度につき、中央区域A における1/4点と3/4点位置での値αを72°、中間区域B における中央位置での値βを65°(この部分はトレッド部に施したピッチバリエ−ションの影響を受けるため、中間ピッチ部分の値として)、端部区域C の中央位置での値γを14°とし、主溝の幅a 、b 、c は上記角度の位置での値として9.6mm、11mm、7.2mmとした。
比較例のタイヤは基本的には図1に示すトレッドを用いたが、端部区域C における主溝の角度γを45°、この位置での溝幅c を中間区域における幅b と等しい値11mmとし、補助トレッド12へもこの溝形状のまま直線状に延長した。ラグ溝8 は、従って上記溝の流れに沿って設けた。
【0017】
テストタイヤは16×8Jリムに組み、2.5Kgf/Cmの内圧を充填して、実車にてアスファルト舗装のフィ−ルドにおける速度45Km/Hでの定常円旋回を行い、フィ−リングによる騒音テストを行った。
その結果、実施例のタイヤは比較例のタイヤに比べ、グ−音は著しく低減し、同時にパタ−ンノイズも10点法による評価で2ポイント低い好成績を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のトレッド平面図。
【符号の説明】
1 トレッド部
11 主トレッド
12 補助トレッド
2 主溝
3 陸部
O 赤道面
W 主トレッドの幅
A 中央区域
B 中間区域
C 端部区域
α 中央区域における主溝の角度
β 中間区域における主溝の角度
γ 端部区域における主溝の角度
Claims (1)
- 一対の環状サイドウォール間にクラウン部が連なり、上記サイドウォールの一方からクラウン部を通り、他方サイドウォールに至る間をラジアルカーカスで補強し、このカーカスのクラウン部外周に非伸長性ベルト層、およびトレッド部を配置して強化すると共に、上記トレッド部は、直線時に接地する円筒状の主トレッドと、その両側に続く補助トレッドより成り、トレッド部の中央部分から軸方向に対して傾斜し、主トレッド端の内側ではV字状に延び、主トレッド端側で軸方向に向きを変えて更に補助トレッド内へ続く多数の主溝が、トレッド部の中央部分側で周方向に向かって傾斜角度を変え、更に反転して周方向に隣接する他の主溝に繋がることによって区分された陸部を複数備えた空気入りラジアルタイヤであって、
上記主トレッドは赤道面を中心とし主トレッド幅W の20% に相当する中央区域と、その両側に各々上記幅W の30% に相当する中間区域と、これら中間区域と主トレッド端との間に各々端部区域を備え、
上記主溝は、軸方向に対する角度が中央、中間、および端部区域において夫々70〜120°、45〜85°、および30〜−30°の範囲で各区域間を滑らかに連なり、且つ主溝の幅は最も広い中間区域内から幅を絞って端部区域へ続くことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
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