JP3543606B2 - 反射型表示装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自然光などの外光を利用して表示を行なう反射型表示装置に関する。より詳しくは、外光が乏しい時に補助的に用いる反射型表示装置の照明構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示装置には種々のモードがあり、現在ツイスト配向又はスーパーツイスト配向されたネマティック液晶を用いたTNモードあるいはSTNモードが主流となっている。しかしながら、これらのモードは動作原理上一対の偏光板が必要であり、その光吸収がある為透過率が低く明るい表示画面が得られない。これらのモードの他、二色性色素を利用したゲストホストモードも開発されている。ゲストホストモードの液晶表示装置は液晶に添加した二色性色素の吸収係数の異方性を利用して表示を行なうものである。棒状構造の二色性色素を用いると、色素分子は液晶分子に平行に配列する性質があるので、電界を印加して液晶の分子配向を変化させると、色素の配向方向も変化する。この色素は方向によって着色したりしなかったりするので、電圧を印加することによって液晶表示装置の着色、無色を切り替えることができる。
【0003】
図5はハイルマイア(HEILMEIER)型ゲストホスト液晶表示装置の構造を示しており、(A)は電圧無印加状態を表わし、(B)は電圧印加状態を表わしている。この液晶表示装置はp型色素と誘電異方性が正のネマティック液晶(Np 液晶)を用いている。p型の二色性色素は分子軸にほぼ平行な吸収軸を持っており、分子軸に平行な偏光成分Lxを強く吸収し、それに垂直な偏光成分Lyはほとんど吸収しない。(A)に示す電圧無印加状態では、入射光に含まれる偏光成分Lxがp型色素により強く吸収され、液晶表示装置は着色する。これに対し、(B)に示す電圧印加状態では、誘電異方性が正のNp 液晶が電界に応答して立ち上がり、これに合わせてp型色素も垂直方向に整列する。この為、偏光成分Lxはわずかに吸収されるだけで液晶表示装置はほぼ無色を呈する。入射光に含まれる他方の偏光成分Lyは電圧印加状態及び電圧無印加状態の何れであっても二色性色素によって吸収されることはほとんどない。従って、ハイルマイア型ゲストホスト液晶表示装置では、あらかじめ1枚の偏光板を介在させ、他方の偏光成分Lyを取り除き、コントラストの改善を図っている。
【0004】
図5に示したゲストホスト液晶表示装置は透過型であるが、反射型も知られている。例えば図6に示す様に、入射側から偏光板を除去する一方、出射側に四分の一波長板及び反射板を取り付けた反射型ゲストホスト液晶表示装置が提案されている。この方式では、互いに直交する2つの偏光成分Lx,Lyが、四分の一波長板によって往路及び復路で偏光方向を90°回転させ、偏光成分の入れ替えが行なわれる。従って、(A)に示すオフ状態(吸収状態)では、各偏光成分Lx,Lyが入射光路か反射光路の何れかで吸収を受けることになる。又(B)に示すオン状態(透過状態)では何れの偏光成分Lx,Lyもほとんど吸収を受けることはない。これにより、入射光の利用効率を改善できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示した透過型の表示装置では、透明な一対の基板間に電気光学物質として液晶を保持したパネルを作成し、その背面に照明用の光源(バックライト)を配置する一方、パネルの正面から画像を観察する。透過型の場合、バックライトは必須であり例えば冷陰極管などが用いられる。この為、ディスプレイ全体として見た場合バックライトが大部分の電力を消費する為、携帯用機器のディスプレイには不向きである。これに対し、図6に示した反射型では、パネルの背面に反射板を配置する一方、正面から自然光などの外光を入射しその反射光を利用して同じく正面から画像を観察する。透過型と異なり背面照明用の光源を利用しないので、反射型は比較的低消費電力で済み、携帯用機器のディスプレイに向いている。しかしながら、反射型表示装置は夜間など外光の乏しい環境下では画像を観察することができず、解決すべき課題となっている。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
上述した従来の技術の課題を解決する為に以下の手段を講じた。即ち、本発明に係る反射型表示装置は基本的な構成としてパネルと導光板と光源とを備えている。パネルは、外光の入射側に位置する透明な第1基板、所定の間隙を介して該第1基板に接合し反射側に位置する第2基板、該間隙に保持された電気光学物質及び該第1基板と第2基板の夫々に形成され該電気光学物質に電圧を印加する電極を備えている。導光板は透明な材質からなり該第1基板の外側に配される。光源は該導光板の端部に配され、必要に応じて照明光を発生する。特徴事項として、前記導光板は、通常外光を透過して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した照明光を出射する。前記光源と前記導光板との間に偏光板が介在しており、該光源から発した無偏光の照明光を直線偏光に変換して該導光板に導入し、該導光板の内部における照明光の不要な散乱を抑制する。
好ましくは、前記導光板と前記パネルは透明な介在層を介して互いに接合しており、介在層の屈折率を適切に設定して該導光板と該パネルの界面における照明光及び外光の不要な反射を抑制する。前記介在層は接着性を備えた透明な樹脂からなる。前記導光板の裏面に溝が形成されており、導光板の裏面とパネルの表面を互いに接合する際に、接着性を備えた透明な樹脂の溢れ出しを該溝で防ぐ。前記光源から発散した照明光を平行化して前記導光板の端部に垂直入射させる集光手段を備えている。前記光源は長手形状を有し該導光板の端部に対面して配されており、前記集光手段は該光源と該導光板との間に配された長手形状のコリメータレンズである。前記偏光板は、照明光を該導光板と平行又は垂直な直線偏光に変換する。
【0007】
また本発明は、外光の入射側に位置する透明な第1基板、所定の間隙を介して該第1基板に接合し反射側に位置する第2基板、該間隙内に保持された電気光学物質及び該第1基板と第2基板の少くとも一方に形成され該電気光学物質に電圧を印加する電極を備えたパネルと、該第1基板の外側に配された透明な導光板と、該導光板の端部に配され必要に応じて照明光を発生する光源とを有する反射型表示装置であって、前記導光板は、通常外光を透過して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した照明光を出射し、前記導光板は帯状に分割された平面部及び各平面部の間に位置する傾斜した段差部を有しており、且つ該光源が位置する端部から前方に向って厚みが減少しており、前方に向って導かれた照明光を各段差部で反射して第1基板に入射するとともに、第2基板から反射した照明光を各平面部から出射し、前記段差部は湾曲した傾斜面を有しており、照明光を拡散的に反射して第1基板に入射することを特徴とする。
また本発明は、外光の入射側に位置する透明な第1基板、所定の間隙を介して該第1基板に接合し反射側に位置する第2基板、該間隙内に保持された電気光学物質及び該第1基板と第2基板の少くとも一方に形成され該電気光学物質に電圧を印加する電極を備えたパネルと、該第1基板の外側に配された透明な導光板と、該導光板の端部に配され必要に応じて照明光を発生する光源とを有する反射型表示装置であって、前記導光板は、通常外光を透過して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した照明光を出射し、前記導光板は帯状に分割された平面部及び各平面部の間に位置する傾斜した段差部を有しており、且つ該光源が位置する端部から前方に向って厚みが減少しており、前方に向って導かれた照明光を各段差部で反射して第1基板に入射するとともに、第2基板から反射した照明光を各平面部から出射し、各段差部は傾斜の角度を変えて形成されており、照明光を傾斜の角度に応じて反射し第1基板にそれぞれ異なる角度で入射することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、外光の入射側に位置する透明な第1基板、所定の間隙を介して該第1基板に接合し反射側に位置する第2基板、該間隙内に保持された電気光学物質及び該第1基板と第2基板の少くとも一方に形成され該電気光学物質に電圧を印加する電極を備えたパネルと、該第1基板の外側に配された透明な導光板と、該導光板の端部に配され必要に応じて照明光を発生する光源とを有する反射型表示装置であって、前記導光板は、通常外光を透過して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した照明光を出射し、前記導光板は帯状に分割された台状部及び各台状部の間に位置する傾斜した段差部を有しており、且つ各台状部は湾曲したレンズ面を有しており、該光源から発した照明光を各段差部で反射して第1基板に入射するとともに、第2基板から反射した照明光を各台状部のレンズ面から出射することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、反射型のパネルの表面に、導光板を配置するとともに、その端部に光源を配置している。暗い環境下では、光源を点灯し導光板を介して照明光をパネル側に入射して画像を写し出す。明るい環境下では光源を消灯し、透明な導光板を介して直接外光を利用し画像を写し出す。導光板は基本的に透明であり、明るい環境下でも画像を観察する際何ら障害とならない。この様に、本発明によれば、必要な時だけ光源を点灯すればよく、ディスプレイ全体としての消費電力を大幅に削減可能であり、携帯用機器のディスプレイに好適である。なお、本発明に係る構造に代え、平面型の背面光源をパネルの背面に配置して暗い環境下での補助的な照明を行なう構造も考えられる。しかしながら、この場合にはパネルに組み込まれた光反射層に背面からの照明光を正面に透過する為の開口を設けるか、あるいは光反射層を半透鏡構造にする必要がある。これでは、光反射層の反射効率が悪く、明るい環境下での表示画像の明度が犠牲になってしまう。本発明では、明るい環境下での表示明度を何ら犠牲にすることなく、暗い環境下での補助照明を提供することが可能である。
【0010】
又、本発明によれば、光源から発した照明光の利用効率を改善し且つ画質を高める為に種々の工夫がなされている。例えば、導光板と第1基板との間にマッチング用の介在層を充填し、導光板と第1基板の界面における照明光の不要反射を抑制している。又、光源と導光板の端部との間にコリメータレンズなどの集光手段を装着して、照明光を効率よく導光板に入射している。又、光源と導光板との間に偏光板を挿入し、導光板の内部における照明光の不要散乱を抑制している。更には、導光板の段差部を湾曲した傾斜面とすることにより、照明光を拡散的に第1基板に入射し、視角特性を改善している。あるいは、各段差部は傾斜角度を変えて形成されており、照明光を異なった角度で第1基板に入射し、視角特性を改善することも可能である。更には、導光板の帯状に分割された平面部(台状部)に湾曲したレンズ面を形成することで、マイクロレンズを設けている。このマイクロレンズは導光板の周期的なプリズム構造に起因する干渉縞を抑制することができ、良質な表示が可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る反射型表示装置の第1実施形態を示す模式的な部分断面図である。図示する様に、本反射型表示装置は、基本的な構成としてパネル0と導光板20と光源30とを備えている。パネル0は外光の入射側に位置する透明な第1基板1、所定の間隙を介して第1基板1に接合し反射側に位置する第2基板2、両基板1,2の間隙に保持された電気光学物質及び第1基板1と第2基板2の夫々に形成され電気光学物質に電圧を印加する電極10,11を備えている。導光板20は例えばアクリル樹脂など透明材料の射出成型品からなり、第1基板1の外側に配されている。なお、本実施形態では導光板20と第1基板1は別体構造であるが、両者を一体的に成型してもよい。光源30は導光板20の端部に配され、必要に応じて照明光を発生する。この光源30は例えば冷陰極管からなり、所謂エッジライトと呼ばれる。このエッジライトの照明効率を改善する為、円筒型の光源30の後に反射鏡31が配されている。係る構成において、導光板20は、通常外光を透過して第1基板1に入射し且つ第2基板2から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して第1基板1に入射し且つ第2基板2から反射した照明光を出射する。
【0012】
本実施形態では、この導光板20は帯状に分割された平面部22及び各平面部22の間に位置する傾斜した段差部21を有しており、光源30が位置する端部から前方に向って段階的に厚みが減少している。導光板20は前方に向って水平方向に導かれた照明光を各段差部21で全反射して第1基板1に入射するとともに、第2基板2から反射した照明光を各平面部22から出射する。導光板20の段差部21は、平面部22に対して40°ないし50°の範囲で傾斜している。図では、この傾斜角をθで表わしている。図1は暗い環境下における反射型表示装置の使用状態を表わしており、エッジライトを構成する光源30は点灯されている。光源30から発した照明光は導光板20を介してパネル0を照明する。即ち、導光板20の内部を水平方向に進行する照明光は傾斜している段差部21で全反射され、パネル0に入射する一方、第2基板2側から反射した照明光は導光板20の平面部22から出射される。
【0013】
パネル0はホストとなる液晶4にゲストとなる二色性色素5を添加したゲストホスト液晶層3を電気光学物質として用いている。ただし、本発明はゲストホスト液晶層に限られるものではなく他の材料を電気光学物質として用いることも可能である。パネル0は光反射層8と四分の一波長板層9を備えている。光反射層8は第2基板2側に位置し外光を散乱反射する。四分の一波長板層9はゲストホスト液晶層3と光反射層8の間に介在する。以下、このパネル0の構造を詳細に説明する。ゲストホスト液晶層3はネマティック液晶4と二色性色素5の混合物からなり、上下の配向膜6,7により、ホモジニアスに整列されている。又、両基板1,2の間隙内には光反射層8が第2基板2側に位置して設けられている。更に、ゲストホスト液晶層3と光反射層8の間に四分の一波長板層9が介在している。第1基板1側及び第2基板2側に夫々ゲストホスト液晶層3に電圧を印加する電極10,11が形成されている。本実施形態では、上側の電極10が第1基板1の内表面に形成され、下側の電極11が第2基板2の内表面に形成されている。
【0014】
光反射層8は表面に凹凸を有し光散乱性を備えている。従って、ペーパーホワイトの外観を呈し表示背景として好ましいばかりでなく、入射光を比較的広い角度範囲で反射する為、視野角が拡大し表示が見やすくなるとともに広い視角範囲で表示の明るさが増す。本実施形態では光反射層8と四分の一波長板層9との間に凹凸を埋める透明な平坦化層12が介在している。四分の一波長板層9は平坦化層12の表面に沿って一軸配向された高分子液晶材料13からなる。なお、高分子液晶材料13を一軸配向させる為、平坦化層12と四分の一波長板層9との間に下地配向膜14が設けられている。光反射層8は凹凸が形成された樹脂膜15とその表面に成膜されたアルミニウムなどの金属膜16とからなる。樹脂膜15はフォトリソグラフィにより凹凸がパタニングされた感光性樹脂膜である。
【0015】
第2基板2の表面に形成された感光性樹脂膜15は例えばフォトレジストからなり、基板表面に全面的に塗布される。これを所定のマスクを介して露光処理し例えば円柱状にパタニング加工する。次いで加熱してリフローを施せば凹凸形状が安定的に形成できる。この様にして形成された凹凸形状の表面に所望の膜厚で良好な光反射率を有するアルミニウムなどの金属膜16を形成する。凹凸の深さ寸法を数μmに設定すれば、良好な光散乱特性が得られ、光反射層8は白色を呈する。光反射層8の表面には平坦化層12が形成され凹凸を埋めている。平坦化層12はアクリル樹脂など透明な有機物を用いることが好ましい。この平坦化層12を介在させることで、下地配向膜14の成膜及びラビング処理が安定に行なえる。この為、四分の一波長板層9が精度よく形成できる。四分の一波長板層9の上には配向膜7が形成されている。第2基板2側に形成された配向膜7と第1基板1側に形成された配向膜6とでゲストホスト液晶層3をホモジニアス配向(水平配向)させている。なお、これに代えてゲストホスト液晶層3をホメオトロピック配向(垂直配向)してもよい。
【0016】
続いて、この反射型ゲストホスト液晶表示装置を用いて白黒表示を行なう場合の動作について簡潔に説明する。電圧無印加状態では、ネマティック液晶4は水平に配向しており、二色性色素5も同様に配向する。上側の第1基板1から入射した照明光がゲストホスト液晶層3に進むと、照明光の内二色性色素5の分子の長軸に対して平行な振動面を持つ成分が二色性色素5によって吸収される。又、二色性色素5の分子の長軸方向に対して垂直な振動面を持つ成分はゲストホスト液晶層3を通過し、下側の第2基板2の表面に形成された四分の一波長板層9で円偏光とされて、光反射層8で反射する。この時、反射光の偏光が逆回りとなり、再び四分の一波長板層9を通過し、二色性色素5の分子の長軸方向に対して平行な振動面を持つ成分となる。この成分は二色性色素5によって吸収されるのでほぼ完全な黒色表示となる。一方、電圧印加時にはネマティック液晶4は電界方向に沿って垂直に配向し、二色性色素5も同様に配向する。上側の第1基板1側から入射した照明光は二色性色素5によって吸収されずにゲストホスト液晶層3を通過し、更に四分の一波長板層9で実質的な影響を受けることなく光反射層8で反射する。反射光は再び四分の一波長板層9を通過し、ゲストホスト液晶層3で吸収されずに出射する。従って白色表示となる。
【0017】
図2は、図1に示した反射型ゲストホスト液晶表示装置の明るい環境下における使用状態を示している。明るい環境下では、自然光などの外光が充分にある為、これを利用して表示を行なう。従って、光源30は消灯する。これにより、ディスプレイ全体としての消費電力を削減可能である。導光板20は観察者側から入射する外光をそのまま透過して第1基板1に入射し、且つ第2基板2から反射した外光を平面部22から出射する。導光板20は基本的に透明であり、何ら表示を観察する上で障害とならない。
【0018】
図3は導光板20の光学的な機能を模式的に表わした説明図である。(A)に示す様に、導光板20の端部から水平方向に沿って導入された照明光は段差部21によりほぼ直角に全反射され、パネル0側に導かれる。段差部21の傾斜角θを適切な値に設定することで、光漏れを起こすことなく照明光のほぼ全量をパネル0側に導くことが可能である。この傾斜角θは導光板20を構成する透明材料の屈折率に依存しており、一般に40°ないし50°の範囲で設定される。
【0019】
(B)に示す様に、段差部21を介してパネル0側に導入された照明光は、パネル0により反射され導光板20の平面部22から出射する。この場合、導光板20の平面部22に立てた法線と反射光との成す角φが導光板20の屈折率によって決まる全反射角以下となる様に、段差部21の傾斜角θを設定することが好ましい。この様にすれば、照明光のほぼ全量が全反射を受けることなく導光板20の平面部22から外部に出射し、照明効率がよくなる。一般に、この様な条件を満たす為段差部21の傾斜角θは40°ないし50°に設定される。
【0020】
図4は、本発明に係る反射型表示装置の第2実施形態を示す模式的な部分断面図である。本実施形態も、基本的に導光板とパネルとを重ねたフラット構造となっている。特徴事項として、パネルはアクティブマトリクス型の構成となっている。上側の基板101は導光板に接して入射側に位置し、ガラスなどの透明基材からなる。一方、下側の基板102は反射側に位置し、必ずしも透明材料を用いる必要はない。一対の基板101,102の間隙にはゲストホスト液晶層103が保持されている。このゲストホスト液晶層103は負の誘電異方性を有するネマティック液晶104を主体とし、且つ二色性色素105を所定の割合で含有している。上側の基板101の内表面には対向電極106と配向膜107が形成されている。更に、カラーフィルタ150も形成されている。配向膜107は例えばポリイミドフィルムからなり、ゲストホスト液晶層103を垂直配向している。下側の基板102には少くとも、薄膜トランジスタ108からなるスイッチング素子と光反射層109と四分の一波長板層110と画素電極111とが形成されている。四分の一波長板層110は薄膜トランジスタ108や光反射層109の上方に成膜されており、且つ薄膜トランジスタ108に連通するコンタクトホール112が設けられている。画素電極111はこの四分の一波長板層110の上にパタニングされている。従って、画素電極111と対向電極106との間でゲストホスト液晶層103に充分な電界を印加することが可能である。この画素電極111は四分の一波長板層110に開口したコンタクトホール112を介して薄膜トランジスタ108に電気接続している。
【0021】
以下、個々の要素について具体的な説明を加える。本実施形態では、四分の一波長板層110は一軸配向した高分子液晶膜で構成されている。この高分子液晶膜を一軸配向する為下地配向膜113が用いられている。薄膜トランジスタ108及び光反射層109の凹凸を埋める為平坦化層114が介在しており、上述した下地配向膜113はこの平坦化層114の上に形成される。そして、四分の一波長板層110もこの平坦化層114の表面に成膜されている。この場合、画素電極111は四分の一波長板層110及び平坦化層114を貫通して設けたコンタクトホール112を介して薄膜トランジスタ108に接続することになる。光反射層109は個々の画素電極111に対応して細分化されている。個々に細分化された部分は対応する画素電極111と同電位に接続されている。係る構成により、光反射層109と画素電極111との間に介在する四分の一波長板層110や平坦化層114に不要な電界が加わることがない。光反射層109は図示する様に散乱性の反射面を備えており、入射光の鏡面反射を防止して画質の改善を図っている。画素電極111の表面を被覆する様に配向膜115が形成されており、ゲストホスト液晶層103に接してその配向を制御している。本実施形態では、この配向膜115は対向する配向膜107と一緒になって、ゲストホスト液晶層103を垂直配向している。最後に、薄膜トランジスタ108はボトムゲート構造を有しており、下から順にゲート電極116、ゲート絶縁膜117、半導体薄膜118を重ねた積層構造を有している。半導体薄膜118は例えば多結晶シリコンからなり、ゲート電極116と整合するチャネル領域は上側からストッパ119により保護されている。係る構成を有するボトムゲート型の薄膜トランジスタ108は層間絶縁膜120により被覆されている。層間絶縁膜120には一対のコンタクトホールが開口しており、これらを介してソース電極121及びドレイン電極122が薄膜トランジスタ108に電気接続している。これらの電極121及び122は例えばアルミニウムをパタニングしたものである。ドレイン電極122は光反射層109と同電位になっている。又、画素電極111は前述したコンタクトホール112を介してこのドレイン電極122と電気接続している。一方、ソース電極121には信号電圧が供給される。
【0022】
図7は、本発明に係る反射型表示装置の第3実施形態を示す模式的な断面図である。基本的な構成は図1に示した第1実施形態と同様であり、対応する部分には対応する参照番号を付してある。特徴事項として、導光板20とパネル0の第1基板1は透明な介在層40を介して互いに接合している。介在層40の屈折率を適切に設定して導光板20と第1基板1の界面における照明光及び外光の不要な反射を抑制する。介在層40は例えば接着性を備えた透明な樹脂を用いることができる。パネル0の第1基板1の表面に透明な樹脂を塗工し、これに重ねて導光板20を接着する。不要反射を抑制する為には光学的なマッチングを取る必要があり、介在層40を構成する樹脂の屈折率は導光板20及び第1基板1の屈折率とほぼ同等になる様に選択される。例えば、第1基板1がガラスからなる時、介在層40を構成する樹脂の屈折率は1.5程度に設定される。又、導光板20とパネル0を貼り合わせる際両者の間に気泡を閉じ込めない為、樹脂は比較的低粘度のものがよく、例えば1000CP程度の粘度に調節される。
【0023】
介在層40の材質を代えて画質や加工性の評価を行なった。まず、参考例としてパネル0の上に空気を介して導光板20を直接配置した。この場合、光源30から発した照明光がパネル0側に垂直入射する際、導光板20の下面と空気層との界面及び空気層と第1基板1の上面との界面で反射される。この不要な反射光は照明光の10%程度に及ぶ。この不要反射光の強度はパネル0の第2基板2側から反射する光の量とほぼ同等である為、表示コントラストを極端に低下させてしまう。実際、この場合の表示コントラストは0に近くパネル0に写された画像を明瞭に視認することができなかった。次に、導光板20とパネル0との間に介在層40として水を導入した。即ち、屈折率が1.33の水を毛細管現象を利用して導光板20とパネル0との間に充填して、両者を光学的に接合した。その結果、導光板20とパネル0との界面における不要反射が大幅に減少し、充分に画像の観察が可能なコントラストを実現した。更に、紫外線硬化型のエポキシ樹脂を導光板20とパネル0との間に充填してみた。このエポキシ樹脂の屈折率は1.56であり、不要な表面反射をほとんど除去することができた。これにより、実用に耐えるレベルの高コントラストを有する表示装置が得られた。但し、このエポキシ樹脂の粘度が5000CP程度であり比較的高い為、導光板20とパネル0との間に均一に充填することが困難であった。更に、粘度が1000CP程度の紫外線硬化型エポキシ樹脂を導光板20とパネル0との間に充填してみた。このエポキシ樹脂は比較的低粘度であり且つ高屈折率を有する為導光板20とパネル0との界面に均一に充填することができるとともに不要反射をほぼ完全に抑制することができた。
【0024】
図8は、図7に示した導光板20の具体的な構成を示しており、(A)は平面図、(B)は断面図、(C)は拡大断面図である。シート状の導光板20はその下面部28を介してパネル0に接着される。この際、接着用の樹脂が導光板20の端部25、上面部26、側面部27に付着すると、その光学的な機能が損なわれる。そこで、紫外線硬化型の樹脂を用いて導光板20とパネル0を接着する際、あらかじめ導光板20の端部25、上面部26、側面部27をテープなどで被覆し保護しておくことが好ましい。紫外線を照射して導光板20とパネル0を互いに接着した後、テープを剥離することにより接着用の樹脂の不要な付着を防ぐことができる。接着後、導光板20とパネル0は互いに一体化される。
【0025】
実際、導光板をパネルの前面に設置した場合、導光板とパネルの間に空気層が介在すると、空気と導光板間及び空気とパネル間の屈折率の不一致のため、入射光が10%近く反射される。この反射光はパネルの電気光学的なスイッチングとは関係がないため、反射型表示装置のコントラストを著しく低下させてしまう。そこで、上述した第3実施形態では、この界面反射を防ぐため、導光板とパネル間を屈折率が両方に近い透明な樹脂で接着している。しかし、導光板とパネルを互いに接合するとき、余分な接着剤が両者の隙間から外部に溢れ出す可能性があり、他の部品に付着すると反射型表示装置の外観特性が悪くなる場合もある。そこで、接着剤の溢れ出しを防ぐ構造を以下に説明する。図9は改良した導光板の平面図であり、図10は同じく側面図である。導光板20は、大きさが90×120mmで厚みが3.0mmのアクリル板を、135°の傾斜を持つダイヤモンドカッターで研削加工したものである。これにより、導光板20の表面に周期200μmで傾斜角が45°の段差部21が形成される。隣り合う段差部21の間に平面部22が形成されている。この平面部22は僅かに傾斜しており、導光板20は全体として一定の厚みとなっている。この研削加工を行う前に、アクリル板の裏面に溝29を2本形成してある。各溝29は段差部21と平行であり、1本は光源と近い方に配され、他の1本は光源と反対側に配されている。溝29は導光板20の端部から例えば1mm離れた場所に形成され、幅寸法は例えば1mmで深さ寸法は例えば0.2mmである。
【0026】
図11は、図9及び図10に示した導光板20をパネル0に接合し、反射型表示装置を組み上げた状態を模式的に表している。屈折率が1.50の接着剤40aを用いて導光板20の裏面をパネル0の表面に接着してある。前述したように、パネル20の裏面には2本の溝29が予め形成されている。導光板20の端部に光源30を配するとともに、この光源30を反射鏡31で一部覆ってある。光源30としては長手形状の冷陰極管を用いることができる。導光板20の表面側には傾斜角が45°の段差部21と、平面部22とが形成されている。又、光源30に近接した周辺部には拡散領域20zも形成されている。光源30から発した照明光は導光板20の表面に形成された段差部21で全反射され、導光板20の下方に位置するパネル0に導かれる。従って、暗い環境下でも光源30の照明により、パネル0の画像を映し出すことができる。尚、拡散領域20zは光源30から発した照明光のうち比較的入射角の高い斜行成分を拡散吸収して、パネル0に対する照明光の強度を均一化するために形成されている。本実施例の特徴は、導光板20の裏面に溝29を形成し、導光板20の裏面とパネル20の表面を互いに接合する際、接着剤40a(接着性を備えた透明な樹脂)の溢れ出しを溝29で防ぐことである。
【0027】
図12は、導光板20とパネル0を互いに接合するための加工方法を示す模式図である。前述したように、導光板20の裏面に予め2本の溝29を形成しておく。次に、導光板20の裏面又はパネル0の表面の少くとも一方に、接着剤40aを印刷等により塗布する。その後、導光板20とパネル0を重ね合わせた状態で、加圧ローラ90により加圧して、導光板20とパネル0を互いに接合する。必要に応じ、接着剤40aを硬化するため加熱処理を行なう。このように、裏面溝29が形成された導光板20を用いることによって、導光板20をパネル0の表面に接合する際、接着剤40aの外部溢れがなくなり、接着工程における製造歩留りの低下を防ぐことが可能になった。
【0028】
図13は、本発明に係る反射型表示装置の第4実施形態を示す模式的な断面図である。基本的な構成は図4に示した第2実施形態と同様であり対応する部分には対応する参照番号を付して理解を容易にしている。特徴事項として、本実施形態は光源30から発散した照明光を平行化して導光板20の端部に垂直入射させる集光手段を備えている。本例ではこの集光手段はコリメータレンズ50からなる。光源30は長手形状の蛍光管などからなり、導光板20の端部25に対面して配置されている。コリメータレンズ50も長手形状を有しており、光源30と導光板20との間に配されている。なお、このコリメータレンズ50は光源30とともにカバー30aの中に収納されている。集光手段としてはコリメータレンズ50の他、光源30の背面に配される放物面反射鏡を用いることもできる。
【0029】
図14は、図13に示した反射型表示装置の一画素分を拡大表示した部分断面図である。上側の基板101の外表面に導光板20が取り付けられている。上側の基板101と下側の基板102との間に二色性色素105を含有したネマティック液晶104からなるゲストホスト液晶層が保持されている。ゲストホスト液晶層は上側の基板101に形成された対向電極106と下側の基板102に形成された画素電極111との間に生じる電界に応答して駆動される。下側の基板102には偏光変換機能を有する四分の一波長板層114や拡散機能を有する光反射層109が形成されている。光反射層109は凹凸を有する樹脂膜109bの上に成膜されたアルミニウムなどの金属膜109aからなる。なお、樹脂膜109bの凹凸を調整する為に薄く樹脂膜109cが塗布されている。画素電極111は中間電極112aを介して金属膜109aに電気接続している。この金属膜109aは画素電極111と対応して細分化されており、薄膜トランジスタ108のドレイン電極122に電気接続している。なお、この薄膜トランジスタ108はダブルゲート構造を有しており一対のゲート電極116を備えている。又、補助容量Csがこの薄膜トランジスタ108に接続している。ゲート電極116と半導体薄膜118の間に介在するゲート絶縁膜117a,117bは二層構造となっている。又層間絶縁膜120a,120bも二層構造となっている。
【0030】
図15は、第4実施形態の全体構成を示す模式的な斜視図である。パネル100の上に導光板20が載置されている。導光板20の端部25に接してカバー30aが取り付けられている。このカバー30aの内部には蛍光管などの光源とコリメータレンズが収納されている。図16に示す様にコリメータレンズ50は長手形状を有している。即ち、円柱をその端面と垂直方向に切断した形状を有している。蛍光管はコリメータレンズの曲面側と対面して平行に設置される。コリメータレンズ50は平面側で導光板20の端面25に接する。
【0031】
図17は導光板20の光学的な機能説明図である。図示する様に、導光板20はコリメータレンズ50と接する側が大きな厚みを有し、前方に向って厚みが減少しており、所謂楔型となっている。導光板20の傾斜した上面には微細な溝がストライプ状に形成されており、段差部21を構成する。光源30から発散した照明光はコリメータレンズ50で平行化された後、各段差部21で全反射され、パネル(図示せず)に効率的に入射される。パネルから反射した光は主として平面部22を介して観察者側に出射する。段差部21の傾斜角は42°に設定されている。導光板20がガラスからなる場合その屈折率は1.5である。平行化された照明光は段差部21で全反射し、パネル内に進入する。導光板20とパネルの界面に空気が介在している場合、パネルに対する照明光の入射角は4.5°になる。あるいは、導光板20を屈折率1.4の透明樹脂材料で形成した場合、全反射角は45°になる。これに合わせて段差部21の傾斜角を45°に設定すれば、コリメータレンズ50で平行化された照明光は段差部21で全反射された後、パネルにほぼ垂直に入射する。これにより、ゲストホスト液晶層の二色比を有効に表示コントラストに反映することが可能である。係る構成を有する導光板は例えばスタンパを用いて樹脂材料で加工すれば、安価に製造可能である。又、パネル側の画素配列ピッチに応じて段差部21の配列ピッチを設計すれば、両者の間に生じるモアレを最小化することができる。
【0032】
図18は、本発明に係る反射型表示装置の第5実施形態を示す模式的な部分断面図である。基本的には、図1に示した第1実施形態と同様であり対応する部分には対応する参照番号を付して理解を容易にしている。特徴事項として、本実施形態は光源30と導光板20との間に偏光板60が介在しており、光源30から発した無偏光の照明光を直線偏光に変換して導光板20の端面25に導入する。係る構成により、導光板20の内部における照明光の不要な散乱を抑制することが可能になり、表示コントラストの改善に寄与できる。好ましくは、偏光板60は照明光を導光板と平行又は垂直な直線偏光に変換する。一方、パネル0に保持された電気光学物質は液晶を含むゲストホスト液晶層3を用いている。液晶は直線偏光に変換された照明光の偏光方向と平行又は直交する配向方向に制御されており、ゲストホスト液晶層3の二色比を高めることが可能であり、表示コントラストの向上に寄与する。切削加工などで導光板20に段差部21を形成した場合、一般的に導光板20内に残留歪みが発生する。これにより、導光板20の内部に一軸異方性が生じ、複屈折を呈する領域が存在する様になる。この複屈折領域に照明光が入射すると散乱を受ける。散乱光はパネル0の光学的なスイッチングに関係しないので、その存在はパネル0の表示コントラストを低下してしまう。そこで、コントラストを改善する為偏光板60を光源30と導光板20との間に設置した。導光板20の残留歪みとの関係から、照明光の直線偏光方向が導光板20と平行若しくは垂直の場合散乱光が極小となる。又、液晶の配向方向を直線偏光と平行若しくは直交する様に制御することで、液晶のスイッチング効果を最大限に引き出すことができ、その分表示コントラストの改善につながる。
【0033】
図19は本発明に係る反射型表示装置の第6実施形態を表わしている。(A)は本実施形態の要部となる導光板の形状を表わし、(B)は比較例となる導光板の形状を表わしている。(A)に示す様に、本実施形態に係る段差部21は湾曲した傾斜面を有しており、照明光を拡散的に反射してパネル(図示せず)の第1基板に入射する。図示の例では、各段差部21は円弧形状に湾曲した傾斜面を有しており、傾斜角は40°から50°の範囲で変化している。なお、段差部の高さ寸法は6μmであり、各段差部21の配列ピッチは118μmである。但し、これらの寸法は一例に過ぎない。本実施形態では段差部21に曲率を付け、パネルに対する照明光の入射角を−5°から+5°の範囲で連続的に変化させている。即ち、段差部に付けられた円弧湾曲面の接線方向の角度は40°から50°の間で変化する。これにより、パネルには拡散照明光が入射することになり、正面反射を抑制している。この為、正面から画像を観察した場合のぎらつきを抑えることができる。
【0034】
(B)に示す比較例では、段差部が傾斜角45°の平面となっている。光源から発した照明光は導光板20の内部をその底面と平行な方向に進み、45°の傾斜角を有する段差部21で全反射され直下に配置されているパネルに垂直に入射する。この場合、パネルの正面から画像を観察すると垂直入射した平行照明光とパネルからの反射光が相互に干渉し、画面にぎらつきが現れる。
【0035】
図20は湾曲面の付された段差部21の切出口を模式的に表わしている。段差部21の湾曲面は半径R=48.6μmの円周上に位置する。この円周からx方向及びy方向ともに31.25μmの部分で円弧を切り出すことにより、傾斜角が40°から50°の範囲で変化する湾曲面が得られる。この様な円弧を有する段差部を形成する為には、例えば楔型の導光板の表面をダイヤモンドカッターでストライプ状に切削すればよい。あるいは、ダイヤモンドカッターで原盤を切削した後、これをスタンパとして実際の導光板を量産する様にしてもよい。
【0036】
図21は第6実施形態の変形例を表わしている。本例では各段差部21a,21b,21c,21dは傾斜の角度を変えて形成されており、照明光を傾斜の角度に応じて反射しパネル側にそれぞれ異なる角度で入射する。係る構成でも、第6実施例と同様の効果を得ることができる。
【0037】
前述した様に、反射型表示装置は消費電力が少なくて済み、情報端末のディスプレイとして期待されている。ただし、バックライトを用いた透過型表示装置とは異なり、反射型表示装置は暗い環境では画面を見ることができない。この問題を解決する為本発明では導光板を用いている。図22に、本発明に係る導光板の典型的な構造を示す。再三説明した様に、この導光板20は反射型パネルの前面側ガラス基板の表面に設置される。導光板20は例えば45度の傾斜面を有する段差部21と、パネルのガラス基板に平行な平面部22とで構成されており、周期構造を有するプリズムシートとなっている。
【0038】
図23は、図22に示したプリズムシートの使用方法を模式的に表わしている。導光板20の端面25の近傍には冷陰極管などからなる光源が配されている。冷陰極管から発生した照明光は端面25から水平に入射し、45°の傾斜面を有する段差部21により垂直下方にほぼ全反射する。この反射光により反射型パネル0を前面側から照明することができる。明るい場所では環境照明で画面を観察する一方、暗い環境では冷陰極管を点灯してパネル0を照明し画面を観察可能にする。この様に冷陰極管及び導光板を用いることにより、低消費電力の特徴を維持しながら、いかなる環境でも使用できる反射型表示装置が得られる。しかしながら、実際に図18に示した導光板20を反射型パネル0の前面に設置すると、場合によっては導光板(プリズムシート)の周期構造に起因して干渉縞が発生し、画面が見にくくなることがある。光源から発した照明光は導光板20により垂直下方に反射される時、導光板20の周期構造に起因して回折を受け、0次光に加えて1次光、2次光・・・などが生じる。第2基板2により反射した照明光は再び導光板20を通過するが、この時にも回折を受け0次光、1次光・・・が発生する。2回の回折により生じた0次光や1次光が互いに干渉し、明暗の縞模様が画面に重なって視認される場合がある。これにより、ディスプレイの見やすさが若干損なわれることがある。特に、パネル0の正面から光源とは反対側に傾いた位置で画面を観察すると、干渉縞が目立つ様になる。即ち、段差部21の傾斜面と対向する側に観察者の視線が傾斜すると干渉縞が目立つ様になる。視線の傾きが大きくなる程干渉縞がより鮮明になる。
【0039】
図24は、本発明の第7実施形態を表わしており、上述した欠点を改善する為に用いられる導光板の構造を示している。図示する様に、本導光板20は帯状に分割された台状部22m及び各台状部の間に位置する傾斜した段差部21を有している。図24に示した台状部22mは図22に示した平面部22に対応する部分である。本実施例では、各台状部22mは平坦面ではなく湾曲したレンズ面を有している。本導光板20は光源から発した照明光を各段差部21で反射してパネルの第1基板に入射するとともに、第2基板から反射した照明光を各台状部22mのレンズ面から出射する。導光板20は例えば90mm×120mmの面寸法を有している。光源に対面する導光板20の端面25は例えばH=3.2mmの厚み寸法を有している。この厚み寸法は光源から離れるに従って徐々に薄くなり、先端部では例えば0.2mmの厚み寸法となる。導光板20は例えば透明なアクリル板を加工して得られる。段差部21は135度の傾斜を持つダイヤモンドカッターでアクリル板を機械加工することにより形成できる。この様にして加工される導光板はアクリル板の底面と45度の傾斜を成す段差部21と、各段差部の間に位置する台状部22mとで構成される。各段差部21の配列周期Lは例えば120μmである。特徴事項として、台状部22mを加工する際、半径R=1mmの窪みを有するダイヤモンドカッターを用いてアクリル板を切削している。係るカッターを用いることにより台状部22mの表面は湾曲したレンズ面に加工される。最終的に、導光板20の表面構造は各段差部21に対応したマイクロプリズムと各台状部22mに対応したマイクロレンズとで構成されることになる。係る構造を有する導光板を用いることにより、反射型パネルに対して干渉縞が生じない前方照明を行うことができる。
【0040】
図25は、図24に示した導光板の使用方法及び機能を模式的に表わしている。反射型パネル0の前面に透明な接着剤などからなる介在層40を介して導光板20が固定されている。前述した様に、導光板20は45度の傾斜面を有する段差部21が例えば120μm周期で配列されている。隣り合う段差部21の間には台状部22mが配されている。図では理解を容易にする為台状部22mの機能を模式的にマイクロレンズMLで表わしている。導光板20の端面部25に隣接して冷陰極管などからなる光源(図示せず)が設置されている。冷陰極管から発した照明光は各段差部21により垂直下方に反射され、パネル0を照明する。照明光は第2基板2により反射され、導光板20を通過して観察者に到達する。この様に、暗い環境下では冷陰極管の照明光を利用してパネル0を観察することができる。なお、介在層40に用いる接着剤は導光板20とパネル0の光学的なカップリングを良好にする為、例えば屈折率が1.50の透明樹脂材料を用いることができる。又、冷陰極管の照明効率を上げる為ディフレクタを利用してもよい。
【0041】
特徴事項として、周期的に配列した台状部22mから出射される0次光や1次光などの回折平行光はマイクロレンズMLによりそのフォーカス面に集光される。これにより、事実上無限遠に位置する観察者は直接回折光の影響を受けることがなくなる。この様にマイクロレンズを備えた導光板を用いることにより干渉縞の影響を取り除くことが可能になる。図22に示した導光板構造では平面部22が集光機能を有していない為、パネルから出射した平行回折光が無限遠の位置で干渉し明暗の縞が生じる。これに対し図24及び図25に示した導光板ではマイクロレンズMLの機能により明暗の縞がパネル0の直上数mmの近距離に形成される。従って、適正観察距離に位置する観察者には回折による明暗縞が全く視認されることがなくなり、良質な表示が得られる。この様に、本実施形態では導光板20がマイクロプリズムに加えてマイクロレンズを備えていることにより、周期的なプリズム構造に起因する干渉縞を解消でき、前方照明でも良質な表示が得られる。
【0042】
図26は、本発明に係る反射型表示装置の第8実施形態を示す模式的な部分断面図である。尚、図1に示した第1実施形態と対応する部分には対応する参照番号を付して理解を容易にしている。第1実施形態ではパネル0としてゲストホスト型の液晶パネルを用いたのに対し、本実施形態ではTN−ECB(TwistNematic−Electrically Controlled Birefringence)モードの液晶パネルを用いている。図示するように、本反射型表示装置は、導光板20とパネル0とからなる。導光板20の表面には段差部21と平面部22が形成されている。導光板20の裏面はパネル0の表面に重ねられている。パネル0の表面には偏光板70と四分の一波長板80が配されている。パネル0は外光の入射側に位置する透明なガラス等からなる第1基板1に、所定の間隙を介して反射側に位置する第2基板2を接合したものである。両基板1,2の間隙にはネマティック液晶層3aが保持されている。その液晶分子4は上下の配向膜6,7によってツイスト配向されている。各基板1,2の内表面には夫々電極10,11が形成されており、画素毎にネマティック液晶層3aに電圧を印加する。本実施形態では第1基板1側に形成された電極10がストライプ状にパタニングされており、第2基板2に形成された電極11もストライプ状に形成されている。両電極10,11は互いに直交しており、交差部分に画素が規定された、所謂単純マトリクス型である。偏光板70及び四分の一波長板80はパネル0の第1基板1側に配設されている。係る構成を有する反射型の液晶表示装置はTN−ECB方式でノーマリホワイトモードである。即ち、電圧を印加しない時ネマティック液晶層3aはツイスト配向を維持して四分の一波長板として機能し、偏光板70及び四分の一波長板80と協働して、外光を通過させて白表示を行なう。電圧を印加したとき、ネマティック液晶層3aは垂直配向に移行して四分の一波長板としての機能を失い、偏光板70及び四分の一波長板80と協働して外光を遮断し黒表示を行なう。
【0043】
引き続き図26を参照して各構成部品を詳細に説明する。前述したように、パネル0の第1基板1の表面には偏光板70が配されている。偏光板70と第1基板1との間に四分の一波長板80が介在している。この四分の一波長板80は例えば一軸延伸された高分子フィルムからなり、常光と異常光との間で四分の一波長分の位相差を与える。四分の一波長板80の光学軸(一軸異方軸)は偏光板70の偏光軸(透過軸)と45°の角度をなすように配されている。外光は偏光板70を透過すると直線偏光になる。この直線偏光は四分の一波長板80を透過すると円偏光になる。更にもう一度、四分の一波長板を通過すると直線偏光になる。この場合、偏光方向は元の偏光方向から90°回転する。以上のように、四分の一波長板は偏光板と組み合わせることで偏光方向を回転させることができ、これを表示に利用している。
【0044】
パネル0は基本的に水平配向した誘電異方性が正のネマティック液晶分子4からなるネマティック液晶層3aを電気光学物質として用いている。このネマティック液晶層3aはその厚みを適当に設定することで四分の一波長板として機能する。本実施形態ではネマティック液晶層3aの屈折率異方性Δnは0.7程度であり、ネマティック液晶層3aの厚みは3μm程度である。従って、ネマティック液晶層3aのリターデーションΔn・dは0.2乃至0.25μmとなる。図示するように、ネマティック液晶分子4をツイスト配向することで、上述したリターデーションの値は実質的に0.15μm(150nm)程度となる。この値は外光の中心波長(600nm程度)のほぼ1/4となり、ネマティック液晶層3aが光学的に四分の一波長板として機能することが可能になる。ネマティック液晶層3aを上下の配向膜6,7で挟持することにより、所望のツイスト配向が得られる。第1基板1側では配向膜6のラビング方向に沿って液晶分子4が整列し、第2基板2側では配向膜7のラビング方向に沿って液晶分子4が整列する。配向膜6と配向膜7のラビング方向を60°乃至70°ずらすことにより、所望のツイスト配向が得られる。
【0045】
第2基板2側には電極11の下方に光反射層8が形成されている。光反射層8は表面に凹凸を有し光散乱性を備えている。従って、ペーパーホワイトの外観を呈し表示背景として好ましいばかりでなく、入射光を比較的広い角度範囲で反射するため、視野角が拡大し表示が見やすくなるとともに広い視角範囲で表示の明るさが増す。光反射層8と電極11との間に凹凸を埋める透明な平坦化層12が介在している。光反射層8は凹凸が形成された樹脂膜15とその表面に成膜されたアルミニウム等の金属膜16とからなる。樹脂膜15はフォトリソグラフィにより凹凸がパタニングされた感光性の樹脂膜である。感光性樹脂膜15は例えばフォトレジストからなり、基板表面に全面的に塗布される。これを所定のマスクを介して露光処理し例えば円柱状にパタニングする。次いで加熱してリフローを施せば凹凸形状が安定的に形成できる。このようにして形成された凹凸形状の表面に所望の膜厚で良好な光反射率を有するアルミニウム等の金属膜16を形成する。凹凸の深さ寸法を数μmに設定すれば、良好な光散乱特性が得られ、光反射層8は白色を呈する。光反射層8の表面には平坦化層12が形成され凹凸を埋めている。平坦化層12はアクリル樹脂等透明な有機物を用いることが好ましい。この平坦化層12を介在させることで、電極11及び配向膜7の形成が安定に行える。
【0046】
図27を参照して、図26に示した反射型表示装置の動作を詳細に説明する。図中、(OFF)は電圧無印加状態を示し、(ON)は電圧印加状態を示している。(OFF)に示すように、本反射型表示装置は観察者側から見て順に偏光板70、四分の一波長板80、ネマティック液晶層3a、光反射層8を重ねたものである。偏光板70の偏光軸(透過軸)は70Pで表されている。四分の一波長板80の光学軸80Sは透過軸70Pと45°の角度をなす。又、第1基板側の液晶分子4の配向方向3Rは偏光板70の偏光軸(透過軸)70Pと平行である。
【0047】
入射光201は偏光板70を通過すると直線偏光202になる。その偏光方向は透過軸70Pと平行であり、以下平行直線偏光と呼ぶことにする。平行直線偏光202は四分の一波長板80を通過すると円偏光203に変換される。円偏光203は四分の一波長板として機能するネマティック液晶層3aを通過すると直線偏光になる。但し、直線偏光の偏光方向は90°回転し平行直線偏光202と直交する。以下、これを直交直線偏光と呼ぶことにする。直交直線偏光203は光反射層8で反射した後、再び四分の一波長板として機能するネマティック液晶層3aを通過するため、円偏光204になる。円偏光204は更に四分の一波長板80を通過するため元の平行直線偏光205になる。この平行直線偏光205は偏光板70を通過して出射光206となり、観察者に至るため白表示が得られる。
【0048】
(ON)に示す電圧印加状態では、液晶分子4はツイスト配向から垂直配向に移行し、四分の一波長板としての機能が失われる。偏光板70を通過した外光201は平行直線偏光202となる。平行直線偏光202は四分の一波長板80を通過すると円偏光203になる。円偏光203はネマティック液晶層3aを円偏光のまま通過した後、光反射層8で反射され、円偏光204aのまま、四分の一波長板80に至る。ここで円偏光204aは直交直線偏光205aに変換される。直交直線偏光205aは偏光板70を通過できないので黒表示になる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、反射型のパネルの上に導光板を配し、且つ導光板の端部に補助照明用の光源を配している。導光板は通常外光を透過してパネルに入射し且つパネルから反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光してパネルに入射し且つパネルから反射した照明光を出射する。暗い環境下では光源を点灯することにより、反射型のパネルであっても画像が観察できる様にしている。一方、外光が豊富な明るい環境下では光源を消灯して電力の節約を図っている。又、本発明によれば、導光板とパネルは透明な介在層を介して互いに接合しており、介在層の屈折率を適切に設定して導光板とパネルの界面における照明光及び外光の不要な反射を抑制する。導光板とパネル間の屈折率のマッチングを実現した為、昼間など外光の豊富な環境下では外光を効率よくパネル内に導くことができる一方、夜間など照明光を要する場合には不要反射をほぼ完全に抑制することが可能になった。導光板とパネルを樹脂で接着することで両者を一体化することが可能になった。特に、導光板の裏面に溝を設けることで、導光板の裏面とパネルの表面を互いに接合する際に、接着性を備えた樹脂が外部に溢れ出すことを防げる。又、本発明によれば光源から発した照明光を平行化して導光板の端部に垂直入射させる為にコリメータレンズなどの集光手段を用いており、照明光の利用効率を大幅に改善することが可能である。又、本発明によれば光源と導光板との間に偏光板を介在させることにより、導光板の内部における照明光の不要な散乱を抑制し、表示コントラストを改善することが可能になった。加えて、パネル内にも直線偏光を導入することによりパネル自体の光学的なスイッチング機能が効率化され、表示コントラストの改善に繋がった。又、本発明によれば導光板の段差部が湾曲した傾斜面を有しており、照明光を拡散的に反射してパネル側に入射する。これにより正反射光の強度を弱め表示画面のぎらつきを抑えることが可能になった。又、本発明によれば導光板は帯状に分割された台状部及び各台状部の間に位置する傾斜した段差部を有しており、且つ各台状部は湾曲したレンズ面を有する。これにより導光板の周期構造に起因する干渉縞を抑制することができ、表示画面の品位を改善することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反射型表示装置の第1実施形態を示す模式的な部分断面図であり、暗い環境下における使用状態を表わしている。
【図2】本発明に係る反射型表示装置の第1実施形態の明るい環境下における使用状態を表わした模式的な部分断面図である。
【図3】図1及び図2に示した第1実施形態に組み込まれる導光板の光学的な機能を表わした説明図である。
【図4】本発明に係る反射型表示装置の第2実施形態を示す部分断面図である。
【図5】従来の透過型表示装置の一例を示す模式図である。
【図6】従来の反射型表示装置の一例を示す模式図である。
【図7】本発明に係る反射型表示装置の第3実施形態を示す断面図である。
【図8】第3実施形態に用いられる導光板の形状を示す模式図である。
【図9】第3実施形態の変形例に用いる導光板を示す平面図である。
【図10】同じく導光板の断面図である。
【図11】図9及び図10に示した導光板を用いた反射型表示装置を示す模式的な斜視図である。
【図12】図11に示した反射型表示装置の組み立て方法を示す説明図である。
【図13】本発明に係る反射型表示装置の第4実施形態を示す断面図である。
【図14】本発明に係る反射型表示装置の第4実施形態の詳細な拡大部分断面図である。
【図15】第4実施形態の全体構成を示す斜視図である。
【図16】第4実施形態に用いられるコリメータレンズの形状を示す斜視図である。
【図17】第4実施形態に組み込まれる導光板の光学的な機能説明図である。
【図18】本発明に係る反射型表示装置の第5実施形態を示す部分断面図である。
【図19】本発明に係る反射型表示装置の第6実施形態の要部を示す部分断面図である。
【図20】第6実施形態の説明に供する幾何図である。
【図21】第6実施形態の変形例を示す部分断面図である。
【図22】本発明に係る反射型表示装置に用いる導光板の典型的な構造を示す模式的な断面図である。
【図23】図22に示した導光板の使用方法並びに機能を説明する為の模式図である。
【図24】本発明に係る反射型表示装置の第7実施形態の要部を構成する導光板を示す断面図である。
【図25】図24に示した導光板の使用方法並びに機能を説明する為の模式図である。
【図26】本発明に係る反射型表示装置の第8実施形態を示す模式的な部分断面図である。
【図27】第8実施形態に係る反射型表示装置の動作説明に供する模式図である。
【符号の説明】
0・・・パネル、1・・・第1基板、2・・・第2基板、3・・・ゲストホスト液晶層、8・・・光反射層、9・・・四分の一波長板層、10・・・電極、11・・・電極、20・・・導光板、21・・・段差部、22・・・平面部、30・・・光源、31・・・反射鏡、40・・・介在層、50・・・コリメータレンズ、60・・・偏光板
【発明の属する技術分野】
本発明は自然光などの外光を利用して表示を行なう反射型表示装置に関する。より詳しくは、外光が乏しい時に補助的に用いる反射型表示装置の照明構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示装置には種々のモードがあり、現在ツイスト配向又はスーパーツイスト配向されたネマティック液晶を用いたTNモードあるいはSTNモードが主流となっている。しかしながら、これらのモードは動作原理上一対の偏光板が必要であり、その光吸収がある為透過率が低く明るい表示画面が得られない。これらのモードの他、二色性色素を利用したゲストホストモードも開発されている。ゲストホストモードの液晶表示装置は液晶に添加した二色性色素の吸収係数の異方性を利用して表示を行なうものである。棒状構造の二色性色素を用いると、色素分子は液晶分子に平行に配列する性質があるので、電界を印加して液晶の分子配向を変化させると、色素の配向方向も変化する。この色素は方向によって着色したりしなかったりするので、電圧を印加することによって液晶表示装置の着色、無色を切り替えることができる。
【0003】
図5はハイルマイア(HEILMEIER)型ゲストホスト液晶表示装置の構造を示しており、(A)は電圧無印加状態を表わし、(B)は電圧印加状態を表わしている。この液晶表示装置はp型色素と誘電異方性が正のネマティック液晶(Np 液晶)を用いている。p型の二色性色素は分子軸にほぼ平行な吸収軸を持っており、分子軸に平行な偏光成分Lxを強く吸収し、それに垂直な偏光成分Lyはほとんど吸収しない。(A)に示す電圧無印加状態では、入射光に含まれる偏光成分Lxがp型色素により強く吸収され、液晶表示装置は着色する。これに対し、(B)に示す電圧印加状態では、誘電異方性が正のNp 液晶が電界に応答して立ち上がり、これに合わせてp型色素も垂直方向に整列する。この為、偏光成分Lxはわずかに吸収されるだけで液晶表示装置はほぼ無色を呈する。入射光に含まれる他方の偏光成分Lyは電圧印加状態及び電圧無印加状態の何れであっても二色性色素によって吸収されることはほとんどない。従って、ハイルマイア型ゲストホスト液晶表示装置では、あらかじめ1枚の偏光板を介在させ、他方の偏光成分Lyを取り除き、コントラストの改善を図っている。
【0004】
図5に示したゲストホスト液晶表示装置は透過型であるが、反射型も知られている。例えば図6に示す様に、入射側から偏光板を除去する一方、出射側に四分の一波長板及び反射板を取り付けた反射型ゲストホスト液晶表示装置が提案されている。この方式では、互いに直交する2つの偏光成分Lx,Lyが、四分の一波長板によって往路及び復路で偏光方向を90°回転させ、偏光成分の入れ替えが行なわれる。従って、(A)に示すオフ状態(吸収状態)では、各偏光成分Lx,Lyが入射光路か反射光路の何れかで吸収を受けることになる。又(B)に示すオン状態(透過状態)では何れの偏光成分Lx,Lyもほとんど吸収を受けることはない。これにより、入射光の利用効率を改善できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示した透過型の表示装置では、透明な一対の基板間に電気光学物質として液晶を保持したパネルを作成し、その背面に照明用の光源(バックライト)を配置する一方、パネルの正面から画像を観察する。透過型の場合、バックライトは必須であり例えば冷陰極管などが用いられる。この為、ディスプレイ全体として見た場合バックライトが大部分の電力を消費する為、携帯用機器のディスプレイには不向きである。これに対し、図6に示した反射型では、パネルの背面に反射板を配置する一方、正面から自然光などの外光を入射しその反射光を利用して同じく正面から画像を観察する。透過型と異なり背面照明用の光源を利用しないので、反射型は比較的低消費電力で済み、携帯用機器のディスプレイに向いている。しかしながら、反射型表示装置は夜間など外光の乏しい環境下では画像を観察することができず、解決すべき課題となっている。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
上述した従来の技術の課題を解決する為に以下の手段を講じた。即ち、本発明に係る反射型表示装置は基本的な構成としてパネルと導光板と光源とを備えている。パネルは、外光の入射側に位置する透明な第1基板、所定の間隙を介して該第1基板に接合し反射側に位置する第2基板、該間隙に保持された電気光学物質及び該第1基板と第2基板の夫々に形成され該電気光学物質に電圧を印加する電極を備えている。導光板は透明な材質からなり該第1基板の外側に配される。光源は該導光板の端部に配され、必要に応じて照明光を発生する。特徴事項として、前記導光板は、通常外光を透過して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した照明光を出射する。前記光源と前記導光板との間に偏光板が介在しており、該光源から発した無偏光の照明光を直線偏光に変換して該導光板に導入し、該導光板の内部における照明光の不要な散乱を抑制する。
好ましくは、前記導光板と前記パネルは透明な介在層を介して互いに接合しており、介在層の屈折率を適切に設定して該導光板と該パネルの界面における照明光及び外光の不要な反射を抑制する。前記介在層は接着性を備えた透明な樹脂からなる。前記導光板の裏面に溝が形成されており、導光板の裏面とパネルの表面を互いに接合する際に、接着性を備えた透明な樹脂の溢れ出しを該溝で防ぐ。前記光源から発散した照明光を平行化して前記導光板の端部に垂直入射させる集光手段を備えている。前記光源は長手形状を有し該導光板の端部に対面して配されており、前記集光手段は該光源と該導光板との間に配された長手形状のコリメータレンズである。前記偏光板は、照明光を該導光板と平行又は垂直な直線偏光に変換する。
【0007】
また本発明は、外光の入射側に位置する透明な第1基板、所定の間隙を介して該第1基板に接合し反射側に位置する第2基板、該間隙内に保持された電気光学物質及び該第1基板と第2基板の少くとも一方に形成され該電気光学物質に電圧を印加する電極を備えたパネルと、該第1基板の外側に配された透明な導光板と、該導光板の端部に配され必要に応じて照明光を発生する光源とを有する反射型表示装置であって、前記導光板は、通常外光を透過して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した照明光を出射し、前記導光板は帯状に分割された平面部及び各平面部の間に位置する傾斜した段差部を有しており、且つ該光源が位置する端部から前方に向って厚みが減少しており、前方に向って導かれた照明光を各段差部で反射して第1基板に入射するとともに、第2基板から反射した照明光を各平面部から出射し、前記段差部は湾曲した傾斜面を有しており、照明光を拡散的に反射して第1基板に入射することを特徴とする。
また本発明は、外光の入射側に位置する透明な第1基板、所定の間隙を介して該第1基板に接合し反射側に位置する第2基板、該間隙内に保持された電気光学物質及び該第1基板と第2基板の少くとも一方に形成され該電気光学物質に電圧を印加する電極を備えたパネルと、該第1基板の外側に配された透明な導光板と、該導光板の端部に配され必要に応じて照明光を発生する光源とを有する反射型表示装置であって、前記導光板は、通常外光を透過して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した照明光を出射し、前記導光板は帯状に分割された平面部及び各平面部の間に位置する傾斜した段差部を有しており、且つ該光源が位置する端部から前方に向って厚みが減少しており、前方に向って導かれた照明光を各段差部で反射して第1基板に入射するとともに、第2基板から反射した照明光を各平面部から出射し、各段差部は傾斜の角度を変えて形成されており、照明光を傾斜の角度に応じて反射し第1基板にそれぞれ異なる角度で入射することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、外光の入射側に位置する透明な第1基板、所定の間隙を介して該第1基板に接合し反射側に位置する第2基板、該間隙内に保持された電気光学物質及び該第1基板と第2基板の少くとも一方に形成され該電気光学物質に電圧を印加する電極を備えたパネルと、該第1基板の外側に配された透明な導光板と、該導光板の端部に配され必要に応じて照明光を発生する光源とを有する反射型表示装置であって、前記導光板は、通常外光を透過して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した照明光を出射し、前記導光板は帯状に分割された台状部及び各台状部の間に位置する傾斜した段差部を有しており、且つ各台状部は湾曲したレンズ面を有しており、該光源から発した照明光を各段差部で反射して第1基板に入射するとともに、第2基板から反射した照明光を各台状部のレンズ面から出射することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、反射型のパネルの表面に、導光板を配置するとともに、その端部に光源を配置している。暗い環境下では、光源を点灯し導光板を介して照明光をパネル側に入射して画像を写し出す。明るい環境下では光源を消灯し、透明な導光板を介して直接外光を利用し画像を写し出す。導光板は基本的に透明であり、明るい環境下でも画像を観察する際何ら障害とならない。この様に、本発明によれば、必要な時だけ光源を点灯すればよく、ディスプレイ全体としての消費電力を大幅に削減可能であり、携帯用機器のディスプレイに好適である。なお、本発明に係る構造に代え、平面型の背面光源をパネルの背面に配置して暗い環境下での補助的な照明を行なう構造も考えられる。しかしながら、この場合にはパネルに組み込まれた光反射層に背面からの照明光を正面に透過する為の開口を設けるか、あるいは光反射層を半透鏡構造にする必要がある。これでは、光反射層の反射効率が悪く、明るい環境下での表示画像の明度が犠牲になってしまう。本発明では、明るい環境下での表示明度を何ら犠牲にすることなく、暗い環境下での補助照明を提供することが可能である。
【0010】
又、本発明によれば、光源から発した照明光の利用効率を改善し且つ画質を高める為に種々の工夫がなされている。例えば、導光板と第1基板との間にマッチング用の介在層を充填し、導光板と第1基板の界面における照明光の不要反射を抑制している。又、光源と導光板の端部との間にコリメータレンズなどの集光手段を装着して、照明光を効率よく導光板に入射している。又、光源と導光板との間に偏光板を挿入し、導光板の内部における照明光の不要散乱を抑制している。更には、導光板の段差部を湾曲した傾斜面とすることにより、照明光を拡散的に第1基板に入射し、視角特性を改善している。あるいは、各段差部は傾斜角度を変えて形成されており、照明光を異なった角度で第1基板に入射し、視角特性を改善することも可能である。更には、導光板の帯状に分割された平面部(台状部)に湾曲したレンズ面を形成することで、マイクロレンズを設けている。このマイクロレンズは導光板の周期的なプリズム構造に起因する干渉縞を抑制することができ、良質な表示が可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る反射型表示装置の第1実施形態を示す模式的な部分断面図である。図示する様に、本反射型表示装置は、基本的な構成としてパネル0と導光板20と光源30とを備えている。パネル0は外光の入射側に位置する透明な第1基板1、所定の間隙を介して第1基板1に接合し反射側に位置する第2基板2、両基板1,2の間隙に保持された電気光学物質及び第1基板1と第2基板2の夫々に形成され電気光学物質に電圧を印加する電極10,11を備えている。導光板20は例えばアクリル樹脂など透明材料の射出成型品からなり、第1基板1の外側に配されている。なお、本実施形態では導光板20と第1基板1は別体構造であるが、両者を一体的に成型してもよい。光源30は導光板20の端部に配され、必要に応じて照明光を発生する。この光源30は例えば冷陰極管からなり、所謂エッジライトと呼ばれる。このエッジライトの照明効率を改善する為、円筒型の光源30の後に反射鏡31が配されている。係る構成において、導光板20は、通常外光を透過して第1基板1に入射し且つ第2基板2から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して第1基板1に入射し且つ第2基板2から反射した照明光を出射する。
【0012】
本実施形態では、この導光板20は帯状に分割された平面部22及び各平面部22の間に位置する傾斜した段差部21を有しており、光源30が位置する端部から前方に向って段階的に厚みが減少している。導光板20は前方に向って水平方向に導かれた照明光を各段差部21で全反射して第1基板1に入射するとともに、第2基板2から反射した照明光を各平面部22から出射する。導光板20の段差部21は、平面部22に対して40°ないし50°の範囲で傾斜している。図では、この傾斜角をθで表わしている。図1は暗い環境下における反射型表示装置の使用状態を表わしており、エッジライトを構成する光源30は点灯されている。光源30から発した照明光は導光板20を介してパネル0を照明する。即ち、導光板20の内部を水平方向に進行する照明光は傾斜している段差部21で全反射され、パネル0に入射する一方、第2基板2側から反射した照明光は導光板20の平面部22から出射される。
【0013】
パネル0はホストとなる液晶4にゲストとなる二色性色素5を添加したゲストホスト液晶層3を電気光学物質として用いている。ただし、本発明はゲストホスト液晶層に限られるものではなく他の材料を電気光学物質として用いることも可能である。パネル0は光反射層8と四分の一波長板層9を備えている。光反射層8は第2基板2側に位置し外光を散乱反射する。四分の一波長板層9はゲストホスト液晶層3と光反射層8の間に介在する。以下、このパネル0の構造を詳細に説明する。ゲストホスト液晶層3はネマティック液晶4と二色性色素5の混合物からなり、上下の配向膜6,7により、ホモジニアスに整列されている。又、両基板1,2の間隙内には光反射層8が第2基板2側に位置して設けられている。更に、ゲストホスト液晶層3と光反射層8の間に四分の一波長板層9が介在している。第1基板1側及び第2基板2側に夫々ゲストホスト液晶層3に電圧を印加する電極10,11が形成されている。本実施形態では、上側の電極10が第1基板1の内表面に形成され、下側の電極11が第2基板2の内表面に形成されている。
【0014】
光反射層8は表面に凹凸を有し光散乱性を備えている。従って、ペーパーホワイトの外観を呈し表示背景として好ましいばかりでなく、入射光を比較的広い角度範囲で反射する為、視野角が拡大し表示が見やすくなるとともに広い視角範囲で表示の明るさが増す。本実施形態では光反射層8と四分の一波長板層9との間に凹凸を埋める透明な平坦化層12が介在している。四分の一波長板層9は平坦化層12の表面に沿って一軸配向された高分子液晶材料13からなる。なお、高分子液晶材料13を一軸配向させる為、平坦化層12と四分の一波長板層9との間に下地配向膜14が設けられている。光反射層8は凹凸が形成された樹脂膜15とその表面に成膜されたアルミニウムなどの金属膜16とからなる。樹脂膜15はフォトリソグラフィにより凹凸がパタニングされた感光性樹脂膜である。
【0015】
第2基板2の表面に形成された感光性樹脂膜15は例えばフォトレジストからなり、基板表面に全面的に塗布される。これを所定のマスクを介して露光処理し例えば円柱状にパタニング加工する。次いで加熱してリフローを施せば凹凸形状が安定的に形成できる。この様にして形成された凹凸形状の表面に所望の膜厚で良好な光反射率を有するアルミニウムなどの金属膜16を形成する。凹凸の深さ寸法を数μmに設定すれば、良好な光散乱特性が得られ、光反射層8は白色を呈する。光反射層8の表面には平坦化層12が形成され凹凸を埋めている。平坦化層12はアクリル樹脂など透明な有機物を用いることが好ましい。この平坦化層12を介在させることで、下地配向膜14の成膜及びラビング処理が安定に行なえる。この為、四分の一波長板層9が精度よく形成できる。四分の一波長板層9の上には配向膜7が形成されている。第2基板2側に形成された配向膜7と第1基板1側に形成された配向膜6とでゲストホスト液晶層3をホモジニアス配向(水平配向)させている。なお、これに代えてゲストホスト液晶層3をホメオトロピック配向(垂直配向)してもよい。
【0016】
続いて、この反射型ゲストホスト液晶表示装置を用いて白黒表示を行なう場合の動作について簡潔に説明する。電圧無印加状態では、ネマティック液晶4は水平に配向しており、二色性色素5も同様に配向する。上側の第1基板1から入射した照明光がゲストホスト液晶層3に進むと、照明光の内二色性色素5の分子の長軸に対して平行な振動面を持つ成分が二色性色素5によって吸収される。又、二色性色素5の分子の長軸方向に対して垂直な振動面を持つ成分はゲストホスト液晶層3を通過し、下側の第2基板2の表面に形成された四分の一波長板層9で円偏光とされて、光反射層8で反射する。この時、反射光の偏光が逆回りとなり、再び四分の一波長板層9を通過し、二色性色素5の分子の長軸方向に対して平行な振動面を持つ成分となる。この成分は二色性色素5によって吸収されるのでほぼ完全な黒色表示となる。一方、電圧印加時にはネマティック液晶4は電界方向に沿って垂直に配向し、二色性色素5も同様に配向する。上側の第1基板1側から入射した照明光は二色性色素5によって吸収されずにゲストホスト液晶層3を通過し、更に四分の一波長板層9で実質的な影響を受けることなく光反射層8で反射する。反射光は再び四分の一波長板層9を通過し、ゲストホスト液晶層3で吸収されずに出射する。従って白色表示となる。
【0017】
図2は、図1に示した反射型ゲストホスト液晶表示装置の明るい環境下における使用状態を示している。明るい環境下では、自然光などの外光が充分にある為、これを利用して表示を行なう。従って、光源30は消灯する。これにより、ディスプレイ全体としての消費電力を削減可能である。導光板20は観察者側から入射する外光をそのまま透過して第1基板1に入射し、且つ第2基板2から反射した外光を平面部22から出射する。導光板20は基本的に透明であり、何ら表示を観察する上で障害とならない。
【0018】
図3は導光板20の光学的な機能を模式的に表わした説明図である。(A)に示す様に、導光板20の端部から水平方向に沿って導入された照明光は段差部21によりほぼ直角に全反射され、パネル0側に導かれる。段差部21の傾斜角θを適切な値に設定することで、光漏れを起こすことなく照明光のほぼ全量をパネル0側に導くことが可能である。この傾斜角θは導光板20を構成する透明材料の屈折率に依存しており、一般に40°ないし50°の範囲で設定される。
【0019】
(B)に示す様に、段差部21を介してパネル0側に導入された照明光は、パネル0により反射され導光板20の平面部22から出射する。この場合、導光板20の平面部22に立てた法線と反射光との成す角φが導光板20の屈折率によって決まる全反射角以下となる様に、段差部21の傾斜角θを設定することが好ましい。この様にすれば、照明光のほぼ全量が全反射を受けることなく導光板20の平面部22から外部に出射し、照明効率がよくなる。一般に、この様な条件を満たす為段差部21の傾斜角θは40°ないし50°に設定される。
【0020】
図4は、本発明に係る反射型表示装置の第2実施形態を示す模式的な部分断面図である。本実施形態も、基本的に導光板とパネルとを重ねたフラット構造となっている。特徴事項として、パネルはアクティブマトリクス型の構成となっている。上側の基板101は導光板に接して入射側に位置し、ガラスなどの透明基材からなる。一方、下側の基板102は反射側に位置し、必ずしも透明材料を用いる必要はない。一対の基板101,102の間隙にはゲストホスト液晶層103が保持されている。このゲストホスト液晶層103は負の誘電異方性を有するネマティック液晶104を主体とし、且つ二色性色素105を所定の割合で含有している。上側の基板101の内表面には対向電極106と配向膜107が形成されている。更に、カラーフィルタ150も形成されている。配向膜107は例えばポリイミドフィルムからなり、ゲストホスト液晶層103を垂直配向している。下側の基板102には少くとも、薄膜トランジスタ108からなるスイッチング素子と光反射層109と四分の一波長板層110と画素電極111とが形成されている。四分の一波長板層110は薄膜トランジスタ108や光反射層109の上方に成膜されており、且つ薄膜トランジスタ108に連通するコンタクトホール112が設けられている。画素電極111はこの四分の一波長板層110の上にパタニングされている。従って、画素電極111と対向電極106との間でゲストホスト液晶層103に充分な電界を印加することが可能である。この画素電極111は四分の一波長板層110に開口したコンタクトホール112を介して薄膜トランジスタ108に電気接続している。
【0021】
以下、個々の要素について具体的な説明を加える。本実施形態では、四分の一波長板層110は一軸配向した高分子液晶膜で構成されている。この高分子液晶膜を一軸配向する為下地配向膜113が用いられている。薄膜トランジスタ108及び光反射層109の凹凸を埋める為平坦化層114が介在しており、上述した下地配向膜113はこの平坦化層114の上に形成される。そして、四分の一波長板層110もこの平坦化層114の表面に成膜されている。この場合、画素電極111は四分の一波長板層110及び平坦化層114を貫通して設けたコンタクトホール112を介して薄膜トランジスタ108に接続することになる。光反射層109は個々の画素電極111に対応して細分化されている。個々に細分化された部分は対応する画素電極111と同電位に接続されている。係る構成により、光反射層109と画素電極111との間に介在する四分の一波長板層110や平坦化層114に不要な電界が加わることがない。光反射層109は図示する様に散乱性の反射面を備えており、入射光の鏡面反射を防止して画質の改善を図っている。画素電極111の表面を被覆する様に配向膜115が形成されており、ゲストホスト液晶層103に接してその配向を制御している。本実施形態では、この配向膜115は対向する配向膜107と一緒になって、ゲストホスト液晶層103を垂直配向している。最後に、薄膜トランジスタ108はボトムゲート構造を有しており、下から順にゲート電極116、ゲート絶縁膜117、半導体薄膜118を重ねた積層構造を有している。半導体薄膜118は例えば多結晶シリコンからなり、ゲート電極116と整合するチャネル領域は上側からストッパ119により保護されている。係る構成を有するボトムゲート型の薄膜トランジスタ108は層間絶縁膜120により被覆されている。層間絶縁膜120には一対のコンタクトホールが開口しており、これらを介してソース電極121及びドレイン電極122が薄膜トランジスタ108に電気接続している。これらの電極121及び122は例えばアルミニウムをパタニングしたものである。ドレイン電極122は光反射層109と同電位になっている。又、画素電極111は前述したコンタクトホール112を介してこのドレイン電極122と電気接続している。一方、ソース電極121には信号電圧が供給される。
【0022】
図7は、本発明に係る反射型表示装置の第3実施形態を示す模式的な断面図である。基本的な構成は図1に示した第1実施形態と同様であり、対応する部分には対応する参照番号を付してある。特徴事項として、導光板20とパネル0の第1基板1は透明な介在層40を介して互いに接合している。介在層40の屈折率を適切に設定して導光板20と第1基板1の界面における照明光及び外光の不要な反射を抑制する。介在層40は例えば接着性を備えた透明な樹脂を用いることができる。パネル0の第1基板1の表面に透明な樹脂を塗工し、これに重ねて導光板20を接着する。不要反射を抑制する為には光学的なマッチングを取る必要があり、介在層40を構成する樹脂の屈折率は導光板20及び第1基板1の屈折率とほぼ同等になる様に選択される。例えば、第1基板1がガラスからなる時、介在層40を構成する樹脂の屈折率は1.5程度に設定される。又、導光板20とパネル0を貼り合わせる際両者の間に気泡を閉じ込めない為、樹脂は比較的低粘度のものがよく、例えば1000CP程度の粘度に調節される。
【0023】
介在層40の材質を代えて画質や加工性の評価を行なった。まず、参考例としてパネル0の上に空気を介して導光板20を直接配置した。この場合、光源30から発した照明光がパネル0側に垂直入射する際、導光板20の下面と空気層との界面及び空気層と第1基板1の上面との界面で反射される。この不要な反射光は照明光の10%程度に及ぶ。この不要反射光の強度はパネル0の第2基板2側から反射する光の量とほぼ同等である為、表示コントラストを極端に低下させてしまう。実際、この場合の表示コントラストは0に近くパネル0に写された画像を明瞭に視認することができなかった。次に、導光板20とパネル0との間に介在層40として水を導入した。即ち、屈折率が1.33の水を毛細管現象を利用して導光板20とパネル0との間に充填して、両者を光学的に接合した。その結果、導光板20とパネル0との界面における不要反射が大幅に減少し、充分に画像の観察が可能なコントラストを実現した。更に、紫外線硬化型のエポキシ樹脂を導光板20とパネル0との間に充填してみた。このエポキシ樹脂の屈折率は1.56であり、不要な表面反射をほとんど除去することができた。これにより、実用に耐えるレベルの高コントラストを有する表示装置が得られた。但し、このエポキシ樹脂の粘度が5000CP程度であり比較的高い為、導光板20とパネル0との間に均一に充填することが困難であった。更に、粘度が1000CP程度の紫外線硬化型エポキシ樹脂を導光板20とパネル0との間に充填してみた。このエポキシ樹脂は比較的低粘度であり且つ高屈折率を有する為導光板20とパネル0との界面に均一に充填することができるとともに不要反射をほぼ完全に抑制することができた。
【0024】
図8は、図7に示した導光板20の具体的な構成を示しており、(A)は平面図、(B)は断面図、(C)は拡大断面図である。シート状の導光板20はその下面部28を介してパネル0に接着される。この際、接着用の樹脂が導光板20の端部25、上面部26、側面部27に付着すると、その光学的な機能が損なわれる。そこで、紫外線硬化型の樹脂を用いて導光板20とパネル0を接着する際、あらかじめ導光板20の端部25、上面部26、側面部27をテープなどで被覆し保護しておくことが好ましい。紫外線を照射して導光板20とパネル0を互いに接着した後、テープを剥離することにより接着用の樹脂の不要な付着を防ぐことができる。接着後、導光板20とパネル0は互いに一体化される。
【0025】
実際、導光板をパネルの前面に設置した場合、導光板とパネルの間に空気層が介在すると、空気と導光板間及び空気とパネル間の屈折率の不一致のため、入射光が10%近く反射される。この反射光はパネルの電気光学的なスイッチングとは関係がないため、反射型表示装置のコントラストを著しく低下させてしまう。そこで、上述した第3実施形態では、この界面反射を防ぐため、導光板とパネル間を屈折率が両方に近い透明な樹脂で接着している。しかし、導光板とパネルを互いに接合するとき、余分な接着剤が両者の隙間から外部に溢れ出す可能性があり、他の部品に付着すると反射型表示装置の外観特性が悪くなる場合もある。そこで、接着剤の溢れ出しを防ぐ構造を以下に説明する。図9は改良した導光板の平面図であり、図10は同じく側面図である。導光板20は、大きさが90×120mmで厚みが3.0mmのアクリル板を、135°の傾斜を持つダイヤモンドカッターで研削加工したものである。これにより、導光板20の表面に周期200μmで傾斜角が45°の段差部21が形成される。隣り合う段差部21の間に平面部22が形成されている。この平面部22は僅かに傾斜しており、導光板20は全体として一定の厚みとなっている。この研削加工を行う前に、アクリル板の裏面に溝29を2本形成してある。各溝29は段差部21と平行であり、1本は光源と近い方に配され、他の1本は光源と反対側に配されている。溝29は導光板20の端部から例えば1mm離れた場所に形成され、幅寸法は例えば1mmで深さ寸法は例えば0.2mmである。
【0026】
図11は、図9及び図10に示した導光板20をパネル0に接合し、反射型表示装置を組み上げた状態を模式的に表している。屈折率が1.50の接着剤40aを用いて導光板20の裏面をパネル0の表面に接着してある。前述したように、パネル20の裏面には2本の溝29が予め形成されている。導光板20の端部に光源30を配するとともに、この光源30を反射鏡31で一部覆ってある。光源30としては長手形状の冷陰極管を用いることができる。導光板20の表面側には傾斜角が45°の段差部21と、平面部22とが形成されている。又、光源30に近接した周辺部には拡散領域20zも形成されている。光源30から発した照明光は導光板20の表面に形成された段差部21で全反射され、導光板20の下方に位置するパネル0に導かれる。従って、暗い環境下でも光源30の照明により、パネル0の画像を映し出すことができる。尚、拡散領域20zは光源30から発した照明光のうち比較的入射角の高い斜行成分を拡散吸収して、パネル0に対する照明光の強度を均一化するために形成されている。本実施例の特徴は、導光板20の裏面に溝29を形成し、導光板20の裏面とパネル20の表面を互いに接合する際、接着剤40a(接着性を備えた透明な樹脂)の溢れ出しを溝29で防ぐことである。
【0027】
図12は、導光板20とパネル0を互いに接合するための加工方法を示す模式図である。前述したように、導光板20の裏面に予め2本の溝29を形成しておく。次に、導光板20の裏面又はパネル0の表面の少くとも一方に、接着剤40aを印刷等により塗布する。その後、導光板20とパネル0を重ね合わせた状態で、加圧ローラ90により加圧して、導光板20とパネル0を互いに接合する。必要に応じ、接着剤40aを硬化するため加熱処理を行なう。このように、裏面溝29が形成された導光板20を用いることによって、導光板20をパネル0の表面に接合する際、接着剤40aの外部溢れがなくなり、接着工程における製造歩留りの低下を防ぐことが可能になった。
【0028】
図13は、本発明に係る反射型表示装置の第4実施形態を示す模式的な断面図である。基本的な構成は図4に示した第2実施形態と同様であり対応する部分には対応する参照番号を付して理解を容易にしている。特徴事項として、本実施形態は光源30から発散した照明光を平行化して導光板20の端部に垂直入射させる集光手段を備えている。本例ではこの集光手段はコリメータレンズ50からなる。光源30は長手形状の蛍光管などからなり、導光板20の端部25に対面して配置されている。コリメータレンズ50も長手形状を有しており、光源30と導光板20との間に配されている。なお、このコリメータレンズ50は光源30とともにカバー30aの中に収納されている。集光手段としてはコリメータレンズ50の他、光源30の背面に配される放物面反射鏡を用いることもできる。
【0029】
図14は、図13に示した反射型表示装置の一画素分を拡大表示した部分断面図である。上側の基板101の外表面に導光板20が取り付けられている。上側の基板101と下側の基板102との間に二色性色素105を含有したネマティック液晶104からなるゲストホスト液晶層が保持されている。ゲストホスト液晶層は上側の基板101に形成された対向電極106と下側の基板102に形成された画素電極111との間に生じる電界に応答して駆動される。下側の基板102には偏光変換機能を有する四分の一波長板層114や拡散機能を有する光反射層109が形成されている。光反射層109は凹凸を有する樹脂膜109bの上に成膜されたアルミニウムなどの金属膜109aからなる。なお、樹脂膜109bの凹凸を調整する為に薄く樹脂膜109cが塗布されている。画素電極111は中間電極112aを介して金属膜109aに電気接続している。この金属膜109aは画素電極111と対応して細分化されており、薄膜トランジスタ108のドレイン電極122に電気接続している。なお、この薄膜トランジスタ108はダブルゲート構造を有しており一対のゲート電極116を備えている。又、補助容量Csがこの薄膜トランジスタ108に接続している。ゲート電極116と半導体薄膜118の間に介在するゲート絶縁膜117a,117bは二層構造となっている。又層間絶縁膜120a,120bも二層構造となっている。
【0030】
図15は、第4実施形態の全体構成を示す模式的な斜視図である。パネル100の上に導光板20が載置されている。導光板20の端部25に接してカバー30aが取り付けられている。このカバー30aの内部には蛍光管などの光源とコリメータレンズが収納されている。図16に示す様にコリメータレンズ50は長手形状を有している。即ち、円柱をその端面と垂直方向に切断した形状を有している。蛍光管はコリメータレンズの曲面側と対面して平行に設置される。コリメータレンズ50は平面側で導光板20の端面25に接する。
【0031】
図17は導光板20の光学的な機能説明図である。図示する様に、導光板20はコリメータレンズ50と接する側が大きな厚みを有し、前方に向って厚みが減少しており、所謂楔型となっている。導光板20の傾斜した上面には微細な溝がストライプ状に形成されており、段差部21を構成する。光源30から発散した照明光はコリメータレンズ50で平行化された後、各段差部21で全反射され、パネル(図示せず)に効率的に入射される。パネルから反射した光は主として平面部22を介して観察者側に出射する。段差部21の傾斜角は42°に設定されている。導光板20がガラスからなる場合その屈折率は1.5である。平行化された照明光は段差部21で全反射し、パネル内に進入する。導光板20とパネルの界面に空気が介在している場合、パネルに対する照明光の入射角は4.5°になる。あるいは、導光板20を屈折率1.4の透明樹脂材料で形成した場合、全反射角は45°になる。これに合わせて段差部21の傾斜角を45°に設定すれば、コリメータレンズ50で平行化された照明光は段差部21で全反射された後、パネルにほぼ垂直に入射する。これにより、ゲストホスト液晶層の二色比を有効に表示コントラストに反映することが可能である。係る構成を有する導光板は例えばスタンパを用いて樹脂材料で加工すれば、安価に製造可能である。又、パネル側の画素配列ピッチに応じて段差部21の配列ピッチを設計すれば、両者の間に生じるモアレを最小化することができる。
【0032】
図18は、本発明に係る反射型表示装置の第5実施形態を示す模式的な部分断面図である。基本的には、図1に示した第1実施形態と同様であり対応する部分には対応する参照番号を付して理解を容易にしている。特徴事項として、本実施形態は光源30と導光板20との間に偏光板60が介在しており、光源30から発した無偏光の照明光を直線偏光に変換して導光板20の端面25に導入する。係る構成により、導光板20の内部における照明光の不要な散乱を抑制することが可能になり、表示コントラストの改善に寄与できる。好ましくは、偏光板60は照明光を導光板と平行又は垂直な直線偏光に変換する。一方、パネル0に保持された電気光学物質は液晶を含むゲストホスト液晶層3を用いている。液晶は直線偏光に変換された照明光の偏光方向と平行又は直交する配向方向に制御されており、ゲストホスト液晶層3の二色比を高めることが可能であり、表示コントラストの向上に寄与する。切削加工などで導光板20に段差部21を形成した場合、一般的に導光板20内に残留歪みが発生する。これにより、導光板20の内部に一軸異方性が生じ、複屈折を呈する領域が存在する様になる。この複屈折領域に照明光が入射すると散乱を受ける。散乱光はパネル0の光学的なスイッチングに関係しないので、その存在はパネル0の表示コントラストを低下してしまう。そこで、コントラストを改善する為偏光板60を光源30と導光板20との間に設置した。導光板20の残留歪みとの関係から、照明光の直線偏光方向が導光板20と平行若しくは垂直の場合散乱光が極小となる。又、液晶の配向方向を直線偏光と平行若しくは直交する様に制御することで、液晶のスイッチング効果を最大限に引き出すことができ、その分表示コントラストの改善につながる。
【0033】
図19は本発明に係る反射型表示装置の第6実施形態を表わしている。(A)は本実施形態の要部となる導光板の形状を表わし、(B)は比較例となる導光板の形状を表わしている。(A)に示す様に、本実施形態に係る段差部21は湾曲した傾斜面を有しており、照明光を拡散的に反射してパネル(図示せず)の第1基板に入射する。図示の例では、各段差部21は円弧形状に湾曲した傾斜面を有しており、傾斜角は40°から50°の範囲で変化している。なお、段差部の高さ寸法は6μmであり、各段差部21の配列ピッチは118μmである。但し、これらの寸法は一例に過ぎない。本実施形態では段差部21に曲率を付け、パネルに対する照明光の入射角を−5°から+5°の範囲で連続的に変化させている。即ち、段差部に付けられた円弧湾曲面の接線方向の角度は40°から50°の間で変化する。これにより、パネルには拡散照明光が入射することになり、正面反射を抑制している。この為、正面から画像を観察した場合のぎらつきを抑えることができる。
【0034】
(B)に示す比較例では、段差部が傾斜角45°の平面となっている。光源から発した照明光は導光板20の内部をその底面と平行な方向に進み、45°の傾斜角を有する段差部21で全反射され直下に配置されているパネルに垂直に入射する。この場合、パネルの正面から画像を観察すると垂直入射した平行照明光とパネルからの反射光が相互に干渉し、画面にぎらつきが現れる。
【0035】
図20は湾曲面の付された段差部21の切出口を模式的に表わしている。段差部21の湾曲面は半径R=48.6μmの円周上に位置する。この円周からx方向及びy方向ともに31.25μmの部分で円弧を切り出すことにより、傾斜角が40°から50°の範囲で変化する湾曲面が得られる。この様な円弧を有する段差部を形成する為には、例えば楔型の導光板の表面をダイヤモンドカッターでストライプ状に切削すればよい。あるいは、ダイヤモンドカッターで原盤を切削した後、これをスタンパとして実際の導光板を量産する様にしてもよい。
【0036】
図21は第6実施形態の変形例を表わしている。本例では各段差部21a,21b,21c,21dは傾斜の角度を変えて形成されており、照明光を傾斜の角度に応じて反射しパネル側にそれぞれ異なる角度で入射する。係る構成でも、第6実施例と同様の効果を得ることができる。
【0037】
前述した様に、反射型表示装置は消費電力が少なくて済み、情報端末のディスプレイとして期待されている。ただし、バックライトを用いた透過型表示装置とは異なり、反射型表示装置は暗い環境では画面を見ることができない。この問題を解決する為本発明では導光板を用いている。図22に、本発明に係る導光板の典型的な構造を示す。再三説明した様に、この導光板20は反射型パネルの前面側ガラス基板の表面に設置される。導光板20は例えば45度の傾斜面を有する段差部21と、パネルのガラス基板に平行な平面部22とで構成されており、周期構造を有するプリズムシートとなっている。
【0038】
図23は、図22に示したプリズムシートの使用方法を模式的に表わしている。導光板20の端面25の近傍には冷陰極管などからなる光源が配されている。冷陰極管から発生した照明光は端面25から水平に入射し、45°の傾斜面を有する段差部21により垂直下方にほぼ全反射する。この反射光により反射型パネル0を前面側から照明することができる。明るい場所では環境照明で画面を観察する一方、暗い環境では冷陰極管を点灯してパネル0を照明し画面を観察可能にする。この様に冷陰極管及び導光板を用いることにより、低消費電力の特徴を維持しながら、いかなる環境でも使用できる反射型表示装置が得られる。しかしながら、実際に図18に示した導光板20を反射型パネル0の前面に設置すると、場合によっては導光板(プリズムシート)の周期構造に起因して干渉縞が発生し、画面が見にくくなることがある。光源から発した照明光は導光板20により垂直下方に反射される時、導光板20の周期構造に起因して回折を受け、0次光に加えて1次光、2次光・・・などが生じる。第2基板2により反射した照明光は再び導光板20を通過するが、この時にも回折を受け0次光、1次光・・・が発生する。2回の回折により生じた0次光や1次光が互いに干渉し、明暗の縞模様が画面に重なって視認される場合がある。これにより、ディスプレイの見やすさが若干損なわれることがある。特に、パネル0の正面から光源とは反対側に傾いた位置で画面を観察すると、干渉縞が目立つ様になる。即ち、段差部21の傾斜面と対向する側に観察者の視線が傾斜すると干渉縞が目立つ様になる。視線の傾きが大きくなる程干渉縞がより鮮明になる。
【0039】
図24は、本発明の第7実施形態を表わしており、上述した欠点を改善する為に用いられる導光板の構造を示している。図示する様に、本導光板20は帯状に分割された台状部22m及び各台状部の間に位置する傾斜した段差部21を有している。図24に示した台状部22mは図22に示した平面部22に対応する部分である。本実施例では、各台状部22mは平坦面ではなく湾曲したレンズ面を有している。本導光板20は光源から発した照明光を各段差部21で反射してパネルの第1基板に入射するとともに、第2基板から反射した照明光を各台状部22mのレンズ面から出射する。導光板20は例えば90mm×120mmの面寸法を有している。光源に対面する導光板20の端面25は例えばH=3.2mmの厚み寸法を有している。この厚み寸法は光源から離れるに従って徐々に薄くなり、先端部では例えば0.2mmの厚み寸法となる。導光板20は例えば透明なアクリル板を加工して得られる。段差部21は135度の傾斜を持つダイヤモンドカッターでアクリル板を機械加工することにより形成できる。この様にして加工される導光板はアクリル板の底面と45度の傾斜を成す段差部21と、各段差部の間に位置する台状部22mとで構成される。各段差部21の配列周期Lは例えば120μmである。特徴事項として、台状部22mを加工する際、半径R=1mmの窪みを有するダイヤモンドカッターを用いてアクリル板を切削している。係るカッターを用いることにより台状部22mの表面は湾曲したレンズ面に加工される。最終的に、導光板20の表面構造は各段差部21に対応したマイクロプリズムと各台状部22mに対応したマイクロレンズとで構成されることになる。係る構造を有する導光板を用いることにより、反射型パネルに対して干渉縞が生じない前方照明を行うことができる。
【0040】
図25は、図24に示した導光板の使用方法及び機能を模式的に表わしている。反射型パネル0の前面に透明な接着剤などからなる介在層40を介して導光板20が固定されている。前述した様に、導光板20は45度の傾斜面を有する段差部21が例えば120μm周期で配列されている。隣り合う段差部21の間には台状部22mが配されている。図では理解を容易にする為台状部22mの機能を模式的にマイクロレンズMLで表わしている。導光板20の端面部25に隣接して冷陰極管などからなる光源(図示せず)が設置されている。冷陰極管から発した照明光は各段差部21により垂直下方に反射され、パネル0を照明する。照明光は第2基板2により反射され、導光板20を通過して観察者に到達する。この様に、暗い環境下では冷陰極管の照明光を利用してパネル0を観察することができる。なお、介在層40に用いる接着剤は導光板20とパネル0の光学的なカップリングを良好にする為、例えば屈折率が1.50の透明樹脂材料を用いることができる。又、冷陰極管の照明効率を上げる為ディフレクタを利用してもよい。
【0041】
特徴事項として、周期的に配列した台状部22mから出射される0次光や1次光などの回折平行光はマイクロレンズMLによりそのフォーカス面に集光される。これにより、事実上無限遠に位置する観察者は直接回折光の影響を受けることがなくなる。この様にマイクロレンズを備えた導光板を用いることにより干渉縞の影響を取り除くことが可能になる。図22に示した導光板構造では平面部22が集光機能を有していない為、パネルから出射した平行回折光が無限遠の位置で干渉し明暗の縞が生じる。これに対し図24及び図25に示した導光板ではマイクロレンズMLの機能により明暗の縞がパネル0の直上数mmの近距離に形成される。従って、適正観察距離に位置する観察者には回折による明暗縞が全く視認されることがなくなり、良質な表示が得られる。この様に、本実施形態では導光板20がマイクロプリズムに加えてマイクロレンズを備えていることにより、周期的なプリズム構造に起因する干渉縞を解消でき、前方照明でも良質な表示が得られる。
【0042】
図26は、本発明に係る反射型表示装置の第8実施形態を示す模式的な部分断面図である。尚、図1に示した第1実施形態と対応する部分には対応する参照番号を付して理解を容易にしている。第1実施形態ではパネル0としてゲストホスト型の液晶パネルを用いたのに対し、本実施形態ではTN−ECB(TwistNematic−Electrically Controlled Birefringence)モードの液晶パネルを用いている。図示するように、本反射型表示装置は、導光板20とパネル0とからなる。導光板20の表面には段差部21と平面部22が形成されている。導光板20の裏面はパネル0の表面に重ねられている。パネル0の表面には偏光板70と四分の一波長板80が配されている。パネル0は外光の入射側に位置する透明なガラス等からなる第1基板1に、所定の間隙を介して反射側に位置する第2基板2を接合したものである。両基板1,2の間隙にはネマティック液晶層3aが保持されている。その液晶分子4は上下の配向膜6,7によってツイスト配向されている。各基板1,2の内表面には夫々電極10,11が形成されており、画素毎にネマティック液晶層3aに電圧を印加する。本実施形態では第1基板1側に形成された電極10がストライプ状にパタニングされており、第2基板2に形成された電極11もストライプ状に形成されている。両電極10,11は互いに直交しており、交差部分に画素が規定された、所謂単純マトリクス型である。偏光板70及び四分の一波長板80はパネル0の第1基板1側に配設されている。係る構成を有する反射型の液晶表示装置はTN−ECB方式でノーマリホワイトモードである。即ち、電圧を印加しない時ネマティック液晶層3aはツイスト配向を維持して四分の一波長板として機能し、偏光板70及び四分の一波長板80と協働して、外光を通過させて白表示を行なう。電圧を印加したとき、ネマティック液晶層3aは垂直配向に移行して四分の一波長板としての機能を失い、偏光板70及び四分の一波長板80と協働して外光を遮断し黒表示を行なう。
【0043】
引き続き図26を参照して各構成部品を詳細に説明する。前述したように、パネル0の第1基板1の表面には偏光板70が配されている。偏光板70と第1基板1との間に四分の一波長板80が介在している。この四分の一波長板80は例えば一軸延伸された高分子フィルムからなり、常光と異常光との間で四分の一波長分の位相差を与える。四分の一波長板80の光学軸(一軸異方軸)は偏光板70の偏光軸(透過軸)と45°の角度をなすように配されている。外光は偏光板70を透過すると直線偏光になる。この直線偏光は四分の一波長板80を透過すると円偏光になる。更にもう一度、四分の一波長板を通過すると直線偏光になる。この場合、偏光方向は元の偏光方向から90°回転する。以上のように、四分の一波長板は偏光板と組み合わせることで偏光方向を回転させることができ、これを表示に利用している。
【0044】
パネル0は基本的に水平配向した誘電異方性が正のネマティック液晶分子4からなるネマティック液晶層3aを電気光学物質として用いている。このネマティック液晶層3aはその厚みを適当に設定することで四分の一波長板として機能する。本実施形態ではネマティック液晶層3aの屈折率異方性Δnは0.7程度であり、ネマティック液晶層3aの厚みは3μm程度である。従って、ネマティック液晶層3aのリターデーションΔn・dは0.2乃至0.25μmとなる。図示するように、ネマティック液晶分子4をツイスト配向することで、上述したリターデーションの値は実質的に0.15μm(150nm)程度となる。この値は外光の中心波長(600nm程度)のほぼ1/4となり、ネマティック液晶層3aが光学的に四分の一波長板として機能することが可能になる。ネマティック液晶層3aを上下の配向膜6,7で挟持することにより、所望のツイスト配向が得られる。第1基板1側では配向膜6のラビング方向に沿って液晶分子4が整列し、第2基板2側では配向膜7のラビング方向に沿って液晶分子4が整列する。配向膜6と配向膜7のラビング方向を60°乃至70°ずらすことにより、所望のツイスト配向が得られる。
【0045】
第2基板2側には電極11の下方に光反射層8が形成されている。光反射層8は表面に凹凸を有し光散乱性を備えている。従って、ペーパーホワイトの外観を呈し表示背景として好ましいばかりでなく、入射光を比較的広い角度範囲で反射するため、視野角が拡大し表示が見やすくなるとともに広い視角範囲で表示の明るさが増す。光反射層8と電極11との間に凹凸を埋める透明な平坦化層12が介在している。光反射層8は凹凸が形成された樹脂膜15とその表面に成膜されたアルミニウム等の金属膜16とからなる。樹脂膜15はフォトリソグラフィにより凹凸がパタニングされた感光性の樹脂膜である。感光性樹脂膜15は例えばフォトレジストからなり、基板表面に全面的に塗布される。これを所定のマスクを介して露光処理し例えば円柱状にパタニングする。次いで加熱してリフローを施せば凹凸形状が安定的に形成できる。このようにして形成された凹凸形状の表面に所望の膜厚で良好な光反射率を有するアルミニウム等の金属膜16を形成する。凹凸の深さ寸法を数μmに設定すれば、良好な光散乱特性が得られ、光反射層8は白色を呈する。光反射層8の表面には平坦化層12が形成され凹凸を埋めている。平坦化層12はアクリル樹脂等透明な有機物を用いることが好ましい。この平坦化層12を介在させることで、電極11及び配向膜7の形成が安定に行える。
【0046】
図27を参照して、図26に示した反射型表示装置の動作を詳細に説明する。図中、(OFF)は電圧無印加状態を示し、(ON)は電圧印加状態を示している。(OFF)に示すように、本反射型表示装置は観察者側から見て順に偏光板70、四分の一波長板80、ネマティック液晶層3a、光反射層8を重ねたものである。偏光板70の偏光軸(透過軸)は70Pで表されている。四分の一波長板80の光学軸80Sは透過軸70Pと45°の角度をなす。又、第1基板側の液晶分子4の配向方向3Rは偏光板70の偏光軸(透過軸)70Pと平行である。
【0047】
入射光201は偏光板70を通過すると直線偏光202になる。その偏光方向は透過軸70Pと平行であり、以下平行直線偏光と呼ぶことにする。平行直線偏光202は四分の一波長板80を通過すると円偏光203に変換される。円偏光203は四分の一波長板として機能するネマティック液晶層3aを通過すると直線偏光になる。但し、直線偏光の偏光方向は90°回転し平行直線偏光202と直交する。以下、これを直交直線偏光と呼ぶことにする。直交直線偏光203は光反射層8で反射した後、再び四分の一波長板として機能するネマティック液晶層3aを通過するため、円偏光204になる。円偏光204は更に四分の一波長板80を通過するため元の平行直線偏光205になる。この平行直線偏光205は偏光板70を通過して出射光206となり、観察者に至るため白表示が得られる。
【0048】
(ON)に示す電圧印加状態では、液晶分子4はツイスト配向から垂直配向に移行し、四分の一波長板としての機能が失われる。偏光板70を通過した外光201は平行直線偏光202となる。平行直線偏光202は四分の一波長板80を通過すると円偏光203になる。円偏光203はネマティック液晶層3aを円偏光のまま通過した後、光反射層8で反射され、円偏光204aのまま、四分の一波長板80に至る。ここで円偏光204aは直交直線偏光205aに変換される。直交直線偏光205aは偏光板70を通過できないので黒表示になる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、反射型のパネルの上に導光板を配し、且つ導光板の端部に補助照明用の光源を配している。導光板は通常外光を透過してパネルに入射し且つパネルから反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光してパネルに入射し且つパネルから反射した照明光を出射する。暗い環境下では光源を点灯することにより、反射型のパネルであっても画像が観察できる様にしている。一方、外光が豊富な明るい環境下では光源を消灯して電力の節約を図っている。又、本発明によれば、導光板とパネルは透明な介在層を介して互いに接合しており、介在層の屈折率を適切に設定して導光板とパネルの界面における照明光及び外光の不要な反射を抑制する。導光板とパネル間の屈折率のマッチングを実現した為、昼間など外光の豊富な環境下では外光を効率よくパネル内に導くことができる一方、夜間など照明光を要する場合には不要反射をほぼ完全に抑制することが可能になった。導光板とパネルを樹脂で接着することで両者を一体化することが可能になった。特に、導光板の裏面に溝を設けることで、導光板の裏面とパネルの表面を互いに接合する際に、接着性を備えた樹脂が外部に溢れ出すことを防げる。又、本発明によれば光源から発した照明光を平行化して導光板の端部に垂直入射させる為にコリメータレンズなどの集光手段を用いており、照明光の利用効率を大幅に改善することが可能である。又、本発明によれば光源と導光板との間に偏光板を介在させることにより、導光板の内部における照明光の不要な散乱を抑制し、表示コントラストを改善することが可能になった。加えて、パネル内にも直線偏光を導入することによりパネル自体の光学的なスイッチング機能が効率化され、表示コントラストの改善に繋がった。又、本発明によれば導光板の段差部が湾曲した傾斜面を有しており、照明光を拡散的に反射してパネル側に入射する。これにより正反射光の強度を弱め表示画面のぎらつきを抑えることが可能になった。又、本発明によれば導光板は帯状に分割された台状部及び各台状部の間に位置する傾斜した段差部を有しており、且つ各台状部は湾曲したレンズ面を有する。これにより導光板の周期構造に起因する干渉縞を抑制することができ、表示画面の品位を改善することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反射型表示装置の第1実施形態を示す模式的な部分断面図であり、暗い環境下における使用状態を表わしている。
【図2】本発明に係る反射型表示装置の第1実施形態の明るい環境下における使用状態を表わした模式的な部分断面図である。
【図3】図1及び図2に示した第1実施形態に組み込まれる導光板の光学的な機能を表わした説明図である。
【図4】本発明に係る反射型表示装置の第2実施形態を示す部分断面図である。
【図5】従来の透過型表示装置の一例を示す模式図である。
【図6】従来の反射型表示装置の一例を示す模式図である。
【図7】本発明に係る反射型表示装置の第3実施形態を示す断面図である。
【図8】第3実施形態に用いられる導光板の形状を示す模式図である。
【図9】第3実施形態の変形例に用いる導光板を示す平面図である。
【図10】同じく導光板の断面図である。
【図11】図9及び図10に示した導光板を用いた反射型表示装置を示す模式的な斜視図である。
【図12】図11に示した反射型表示装置の組み立て方法を示す説明図である。
【図13】本発明に係る反射型表示装置の第4実施形態を示す断面図である。
【図14】本発明に係る反射型表示装置の第4実施形態の詳細な拡大部分断面図である。
【図15】第4実施形態の全体構成を示す斜視図である。
【図16】第4実施形態に用いられるコリメータレンズの形状を示す斜視図である。
【図17】第4実施形態に組み込まれる導光板の光学的な機能説明図である。
【図18】本発明に係る反射型表示装置の第5実施形態を示す部分断面図である。
【図19】本発明に係る反射型表示装置の第6実施形態の要部を示す部分断面図である。
【図20】第6実施形態の説明に供する幾何図である。
【図21】第6実施形態の変形例を示す部分断面図である。
【図22】本発明に係る反射型表示装置に用いる導光板の典型的な構造を示す模式的な断面図である。
【図23】図22に示した導光板の使用方法並びに機能を説明する為の模式図である。
【図24】本発明に係る反射型表示装置の第7実施形態の要部を構成する導光板を示す断面図である。
【図25】図24に示した導光板の使用方法並びに機能を説明する為の模式図である。
【図26】本発明に係る反射型表示装置の第8実施形態を示す模式的な部分断面図である。
【図27】第8実施形態に係る反射型表示装置の動作説明に供する模式図である。
【符号の説明】
0・・・パネル、1・・・第1基板、2・・・第2基板、3・・・ゲストホスト液晶層、8・・・光反射層、9・・・四分の一波長板層、10・・・電極、11・・・電極、20・・・導光板、21・・・段差部、22・・・平面部、30・・・光源、31・・・反射鏡、40・・・介在層、50・・・コリメータレンズ、60・・・偏光板
Claims (25)
- 外光の入射側に位置する透明な第1基板、所定の間隙を介して該第1基板に接合し反射側に位置する第2基板、該間隙内に保持された電気光学物質及び該第1基板と第2基板の少くとも一方に形成され該電気光学物質に電圧を印加する電極を備えたパネルと、
該第1基板の外側に配された透明な導光板と、
該導光板の端部に配され必要に応じて照明光を発生する光源とを有する反射型表示装置であって、
前記導光板は、通常外光を透過して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した照明光を出射し、
前記光源と前記導光板との間に偏光板が介在しており、該光源から発した無偏光の照明光を直線偏光に変換して該導光板に導入し、該導光板の内部における照明光の不要な散乱を抑制することを特徴とする反射型表示装置。 - 前記導光板と前記パネルは透明な介在層を介して互いに接合しており、介在層の屈折率を適切に設定して該導光板と該パネルの界面における照明光及び外光の不要な反射を抑制することを特徴とする請求項1記載の反射型表示装置。
- 前記介在層は接着性を備えた透明な樹脂からなることを特徴とする請求項2記載の反射型表示装置。
- 前記導光板の裏面に溝が形成されており、導光板の裏面とパネルの表面を互いに接合する際に、接着性を備えた透明な樹脂の溢れ出しを該溝で防ぐことを特徴とする請求項3記載の反射型表示装置。
- 前記光源から発散した照明光を平行化して前記導光板の端部に垂直入射させる集光手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の反射型表示装置。
- 前記光源は長手形状を有し該導光板の端部に対面して配されており、前記集光手段は該光源と該導光板との間に配された長手形状のコリメータレンズであることを特徴とする請求項5記載の反射型表示装置。
- 前記偏光板は、照明光を該導光板と平行又は垂直な直線偏光に変換することを特徴とする請求項1記載の反射型表示装置。
- 外光の入射側に位置する透明な第1基板、所定の間隙を介して該第1基板に接合し反射側に位置する第2基板、該間隙内に保持された電気光学物質及び該第1基板と第2基板の少くとも一方に形成され該電気光学物質に電圧を印加する電極を備えたパネルと、
該第1基板の外側に配された透明な導光板と、
該導光板の端部に配され必要に応じて照明光を発生する光源とを有する反射型表示装置であって、
前記導光板は、通常外光を透過して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した照明光を出射し、
前記導光板は帯状に分割された平面部及び各平面部の間に位置する傾斜した段差部を有しており、且つ該光源が位置する端部から前方に向って厚みが減少しており、前方に向って導かれた照明光を各段差部で反射して第1基板に入射するとともに、第2基板から反射した照明光を各平面部から出射し、
前記段差部は湾曲した傾斜面を有しており、照明光を拡散的に反射して第1基板に入射することを特徴とする反射型表示装置。 - 前記導光板と前記パネルは透明な介在層を介して互いに接合しており、介在層の屈折率を適切に設定して該導光板と該パネルの界面における照明光及び外光の不要な反射を抑制することを特徴とする請求項8記載の反射型表示装置。
- 前記介在層は接着性を備えた透明な樹脂からなることを特徴とする請求項9記載の反射型表示装置。
- 前記導光板の裏面に溝が形成されており、導光板の裏面とパネルの表面を互いに接合する際に、接着性を備えた透明な樹脂の溢れ出しを該溝で防ぐことを特徴とする請求項10記載の反射型表示装置。
- 前記光源から発散した照明光を平行化して前記導光板の端部に垂直入射させる集光手段を備えたことを特徴とする請求項8記載の反射型表示装置。
- 前記光源は長手形状を有し該導光板の端部に対面して配されており、前記集光手段は該光源と該導光板との間に配された長手形状のコリメータレンズであることを特徴とする請求項12記載の反射型表示装置。
- 外光の入射側に位置する透明な第1基板、所定の間隙を介して該第1基板に接合し反射側に位置する第2基板、該間隙内に保持された電気光学物質及び該第1基板と第2基板の少くとも一方に形成され該電気光学物質に電圧を印加する電極を備えたパネルと、
該第1基板の外側に配された透明な導光板と、
該導光板の端部に配され必要に応じて照明光を発生する光源とを有する反射型表示装置であって、
前記導光板は、通常外光を透過して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した照明光を出射し、
前記導光板は帯状に分割された平面部及び各平面部の間に位置する傾斜した段差部を有しており、且つ該光源が位置する端部から前方に向って厚みが減少しており、前方に向って導かれた照明光を各段差部で反射して第1基板に入射するとともに、第2基板から反射した照明光を各平面部から出射し、
各段差部は傾斜の角度を変えて形成されており、照明光を傾斜の角度に応じて反射し第1基板にそれぞれ異なる角度で入射することを特徴とする反射型表示装置。 - 前記導光板と前記パネルは透明な介在層を介して互いに接合しており、介在層の屈折率を適切に設定して該導光板と該パネルの界面における照明光及び外光の不要な反射を抑制することを特徴とする請求項14記載の反射型表示装置。
- 前記介在層は接着性を備えた透明な樹脂からなることを特徴とする請求項15記載の反射型表示装置。
- 前記導光板の裏面に溝が形成されており、導光板の裏面とパネルの表面を互いに接合する際に、接着性を備えた透明な樹脂の溢れ出しを該溝で防ぐことを特徴とする請求項16記載の反射型表示装置。
- 前記光源から発散した照明光を平行化して前記導光板の端部に垂直入射させる集光手段を備えたことを特徴とする請求項14記載の反射型表示装置。
- 前記光源は長手形状を有し該導光板の端部に対面して配されており、前記集光手段は該光源と該導光板との間に配された長手形状のコリメータレンズであることを特徴とする請求項18記載の反射型表示装置。
- 外光の入射側に位置する透明な第1基板、所定の間隙を介して該第1基板に接合し反射側に位置する第2基板、該間隙内に保持された電気光学物質及び該第1基板と第2基板の少くとも一方に形成され該電気光学物質に電圧を印加する電極を備えたパネルと、
該第1基板の外側に配された透明な導光板と、
該導光板の端部に配され必要に応じて照明光を発生する光源とを有する反射型表示装置であって、
前記導光板は、通常外光を透過して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した外光を出射する一方、必要に応じ照明光を導光して該第1基板に入射し且つ該第2基板から反射した照明光を出射し、
前記導光板は帯状に分割された台状部及び各台状部の間に位置する傾斜した段差部を有しており、且つ各台状部は湾曲したレンズ面を有しており、該光源から発した照明光を各段差部で反射して第1基板に入射するとともに、第2基板から反射した照明光を各台状部 のレンズ面から出射することを特徴とする反射型表示装置。 - 前記導光板と前記パネルは透明な介在層を介して互いに接合しており、介在層の屈折率を適切に設定して該導光板と該パネルの界面における照明光及び外光の不要な反射を抑制することを特徴とする請求項20記載の反射型表示装置。
- 前記介在層は接着性を備えた透明な樹脂からなることを特徴とする請求項21記載の反射型表示装置。
- 前記導光板の裏面に溝が形成されており、導光板の裏面とパネルの表面を互いに接合する際に、接着性を備えた透明な樹脂の溢れ出しを該溝で防ぐことを特徴とする請求項22記載の反射型表示装置。
- 前記光源から発散した照明光を平行化して前記導光板の端部に垂直入射させる集光手段を備えたことを特徴とする請求項20記載の反射型表示装置。
- 前記光源は長手形状を有し該導光板の端部に対面して配されており、前記集光手段は該光源と該導光板との間に配された長手形状のコリメータレンズであることを特徴とする請求項24記載の反射型表示装置。
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